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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

大変身近な我々の生活圏で暮らすフクロウたち (その2)

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    サワーロの巣に座るワシミミズク雌

    巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の天辺の巣に座るアメリカワシミミズクの雌 ( Great Horned Owl )

     

    アメリカワシミミズクの営巣は大きな木から小さな灌木、サワーロサボテン、時にはグラウンド、そして巣箱も利用する。南アリゾナ・ソノラ砂漠は大きな木が少ないのでサワーロサボテンに営巣する例が多い。幹から大きな枝が何本も枝分かれしてる根元に枯れ枝を敷いて作られるが、写真の巣は先が折れて無くなった平らな天辺にあり、砂漠の強い太陽の光を遮る陰が全く無い少々お粗末な巣である。

     

     

    風景ーワシミミズクの巣がある環境

    並んでる家のすぐ前、ワシミミズクの巣(赤矢印)があるサワーロサボテン

     

    私が住んでるコミュニティの中にある小さな野生生物保護区のサワーロサボテンの巣に、アメリカワシミミズクが座ってるのを4月9日に見つけ、家から歩いて10分ぐらいの近場なのでさっそく観察、撮影を開始した。この保護区はメキシコ種のアカスズメフクロウ ( Ferruginous Pygmy Owl )の保護のため自然の形で家の周りに残されている。一般には解放されてないのでコミュニティに住む人々が管理費を支払い、一切人工物を設置しないソノラ砂漠の自然そのままを維持している。トレールは整備されてるが住人だけに自然探索が許されてるので、動物や鳥が豊富な静かな保護区となってる。

     

     

    サワーロ花と眠るワシミミズク

    5月初旬サワーロサボテンの白い花が咲き出し、初夏の爽やかな風を受けて気持ち良さそうに眠るアメリカワシミミズクの雌 ( Bubo virginianus )

     

    アメリカワシミミズクは1月から3月ぐらいまでの寒い時期に卵を産み雛を育てるので、この巣は季節的に非常に遅い。昨年、この同じコミュニティ内でしかも家の玄関前の木で雛3羽を育てたワシミミズクを観察、撮影したが、彼らは人の動きなどあまり気にしないようだ。大型フクロウには珍しく、人家近くで営巣したり庭でエサ捕りや昼寝をすることがある。

     

     

    サワーロ満開の花とワシミミズク

    サワーロサボテンの満開の花とフクロウの組合せ、実はなかなか見られない珍しい構図である。

     

    サワーロサボテンの花が咲く初夏に、フクロウがまだ巣に座って抱卵してるのは非常に珍しい。推測するに昨年生まれたまだ若い初めて繫殖行動を経験する雌と思われる。ワシミミズクは大変ソフトな羽に全身包まれていて非常に寒い冬にも耐えられるようになっており、音もなく静かに飛んで獲物に近づくことが出来る。その代り暑さにはあまり強くなく、雛にとっての夏の日差しは堪えると思う。

     

     

    尾が巣からはみ出てるワシミミズク

    巣が少々小さすぎるらしく、尾が外へはみ出してしまう

     

    アメリカワシミミズクは立っていると身長は64センチ近くもある。彼らの大きな耳のような羽角はボディーランゲージを伝えるのに使うことがある。イライラしてる時は平らになってる、そして警戒して何かを知ろうとしている時は真っ直ぐに立っている。

     

     

    親の胸から顔を出すワシミミズク雛

    5月21日雌親の胸からやっと顔を出した雛。観察し始めて丁度6週間、やっと雛の姿を見ること出来た。

     

     

    親の尾の下から顔を出すワシミミズク雛

    雌親の尾の下から顔を出す雛、暑いので口を開けてハーハーしている。既に5月下旬に近いドライサマーの日々、日中の気温は35度近い暑さである。

     

     

    親と並んで私を見るワシミミズク雛

    大分大きくなった雛、雌親と並んでこちらをじっと見つめている。

     

    アメリカワシミミズクの雛に与えるエサはワタオウサギやネズミ、カエル、昆虫などである。彼らは大変気性が荒々しく、獲物捕りは非常にパワフルで、自分より大きいスカンクやボブキャットなども狙う。時には猛禽類のミサゴやハヤブサ、他のフクロウなども襲ってエサとすることもある。又大変小さいサソリや虫なども食べる。短くて幅の広い翼は、森や林の中の木々の間を巧みに飛ぶことが出来る。獲物を掴む時は背骨も切り裂いてしまう程の鋭く強力な爪を使い、11キログラムに近い大きな獲物を持ち上げることが出来る。

     

     

    親にくっついて欠伸するワシミミズク雛

    眠ってる雌親にぴったりくっついて大欠伸をする雛。夜行性なので昼はほとんど眠っている。

     

     

    親に話しかけてるワシミミズク雛

    雛が一生懸命雌親に語り掛けてるように見える。

     

     

    スナップ巣の写真を撮る友人

    巣上のアメリカワシミミズク親子(赤矢印)の写真を撮る同じコミュニティに住む友人

     

    巣が家の近くでしかも人々が朝夕散策するトレールの横にあり、まさに我々の生活圏の中で彼らも暮らしている。この巣に座ってる雌親は、1月ごろから毎夜明け方によく我が家の屋根上でオスと鳴き合っていたので非常に親しみがわく。オスは太い声で、、雌は高い少し細い声で「ホッホ・ホーホー」と鳴き合う。時には寝室の真上で夜明け直前の5時頃から30分近くも鳴き合あうこともあり、起こされて寝不足となりふらふらするが、何となく彼らと一緒に暮らしてる喜びの方が大きいので満足感に浸れる。

     

     

    目を大きく開けて私を見るワシミミズク親子

    巣の真下に散歩の犬が近づいたので雌親、雛共に大きく目を開けて少し警戒し始める。

     

    彼らは雛の時から大きな目を持っている。暗くなると更に大きく開ける。しかしこの大きな目は眼窩の中に固定されてるので左右、上下とも動かせない。その代り首の特殊な脊椎のおかげで頭をぐるりと270度回すことが出来る。そして非常に音に敏感で鋭い。顔面に音波をダイレクトに捉えるディスクがあり、夜の暗闇の中でもちょっとした小動物の動きをキャッチすることが出来る。

     

     

    欠伸するワシミミズク親子

    昼近くになってくると、雌親、雛共に眠くなり大欠伸をする。

     

     

    頭を垂れて眠るワシミミズク雛

    5月28日雛が少々弱って来てる様子、しかも頭を垂れて眠ってる姿が見られたので心配になる。

     

    5月末ともなると、爽やかな初夏も終わって日中は真夏に近い気候となり気温も高くなる。そして今年の夏は記録的な暑さで5月に入って35度近い日が続くこともあり、密な羽毛に全身覆われてる雛にとっては大変厳しい毎日となった。そもそも雌親の産卵が4月中旬と砂漠では非常に遅すぎたので、雛が育つには厳しすぎる状況となってしまった。雛は5週間程で巣立ちするが。飛べるまでは9週間から10週間掛かり、オス親と雌親からエサを貰うのは数か月間続く。しかし、雛はよく巣から落ちることがあり、落ちても親鳥はグラウンドに居る雛にエサを与えて安全な場所へ誘導することが多いらしい。翌々日5月30日巣のチェックへ行くと、巣は空っぽで雛の姿、雌親の姿も全く見られなかった。想像するに雛は連日の猛暑に耐えられず弱ってしまい巣から落ちてしまって他の動物のエサとなったかもしれない。一か月半観察した雛の死は大変ショックだった。自然の中で生きていく厳しさをまたまた強く感じることになった。


    大変身近な我々の生活圏で暮らすフクロウたち (その1)

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      抱卵中の雌を見守るアメリカワシミミズク雄

      スーパーマーケット(ウオルマート)の建物の梁に止まって抱卵中の雌を見守るアメリカワシミミズク雄 ( Great Horned Owl )

       

      アメリカワシミミズクはカナダ全域そして北はアラスカから南のフロリダ、アリゾナまで全米の広い地域に生息する北米で最もポピュラーなフクロウである。大きさはハシブトガラスとほぼ同じの大型のフクロウで、森林から町の公園、開けた砂漠など何処でも見られ、アリゾナは特にその数が多い。英名の " Horned Owl " は大きな角のような長い羽角から付けられた。

       

       

      建物に居るアメリカワシミミズク雄雌

      スーパーマーケットの建物に作られた巣に座るアメリカワシミミズク ( Bubo virginianus ) の雌(赤い矢印)とそばで見守る雄(青い矢印

       

      彼れらは非常に繫殖期が早く、冬のまだ寒い1月から巣に座り始めるペアーもいる。通常、タカ(主にクーパーハイタカ)やワタリガラスの古巣を利用することが多いが、時には彼らが作ってる最中に横取りするずる賢いのもいる。南アリゾナはワシミミズクの数が特に多いとは言え、朝から晩まで買い物客が出入りするスーパーマーケットのビルに巣を作る例はあまり聞かない。人々が行きかう賑やかなこのような場所を何が気に入ってるのか?彼らのエサの一つであるネズミが多いからかもしれないが?・・・

       

       

      ウオルマート建物全景

      スーパーマーケット(ウオルマート)の全景、ワシミミズクの巣(赤い矢印

       

      ワシミミズクの巣が作られたスーパーマーケットのビルは色々な店舗やレストランが立ち並ぶ大きな商店街の一角で、" The Market Place " と呼ばれる大きなショッピングエリアでもある。大都市では見られない大きな駐車場と人工的に植えられた小さな庭木が並ぶコンクリートジャングルでもある。

       

       

      風景ー駐車場とカタリナ連山

      スーパーマーケットの駐車場とカタリナ州立公園、カタリナ連山

       

      ショッピングエリアのすぐ近くには、カタリナ連山に隣接する「マイフィールド」のカタリナ州立公園があり、雛は巣立ちすると親ともどもこの州立公園の林へ帰って行くと思われる。彼らが雛を育てる時期だけ、天敵と恐れるコヨーテ、ボブキャット、キツネなどの動物を避けるため、この賑やかなショッピングエリアのコンクリートの建物を巣の場所に選んだのであろう。丁度見に来ていたバーダーによると、昨年もこの同じビルに営巣して無事雛を育てたようである。

       

       

      ワシミミズクを見上げる買い物客

      アメリカワシミミズクの巣を見上げるスーパーマーケットの買い物客たち

       

      彼らにとって、ほとんどの人が夜行性の野生のワシミミズクを身近に見るのは初めて…と思われる。美しい大きなワシミミズクの姿に感嘆の声あげる人、子供に説明する人、双眼鏡をぶら下げ観察してる私に説明を求める人、iフォンで写真を撮ってメールを送ってる買い物客など、ちょっとした人だかりになる時もある。

       

       

      巣に座るワシミミズク雌1

      巣に座って抱卵中のアメリカワシミミズク雌。地元の新聞、TVでは紹介されているものの大騒ぎはされておらず、都会と違って自然が豊かで野生の生きものが身近に居る田舎の良さであろう。

       

       

      巣に座るワシミミズク雌2

      巣の真下を人や車が行きかい、大きな騒音がしても全く平然と巣に座って卵を温める雌親

       

       

      抱卵中のワシミミズク雌

      雌が巣に座り始めて一ヶ月が過ぎ、雛の誕生も間近である。卵は通常2個から3個で、卵が産まれてから雛が孵化するまで30日から35日ぐらい掛かる。

       

       

      翼を広げて雛を隠すワシミミズク雌

      生まれて間もない雛。雌親は翼で雛を隠すように包むのでなかなか観察が難しい。

       

       

      巣上のワシミミズク雛一羽

      雌親、雄親ともエサ取りで留守、寂しそうに雛一羽で巣に残っている。

       

      4月27日巣に残っていた雛一羽を見たのを最後に、巣の観察の継続が難しくなったので断念する。南アリゾナもコロナウイルス問題で人の集まる場所での人々の往来の規制が厳しくなり、スーパーマーケットのワシミミズク親子の観察、撮影が不可能になって、残念ながら巣立ちを見ることが出来なかった。


      残暑お見舞い 2020年南アリゾナのサマーストーリー

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        昼の山火事カタリナ連山

        カタリナ連山 ( Catalina Mountains ) の山火事

         

        我が家から20キロ、一番近いマイフィールド「カタリナ州立公園」( Catalina State Park ) を含むカタリナ連山の南端プッシユリッジ山 ( Putsh Ridge Mt. ) に6月5日3個の雷が同時に落ちて山火事となった。丁度南アリゾナはドライサマーに入っており、非常に乾燥していて(湿度5%以下)気温が35度近い高温が続く天候の毎日で、火は一気に広がった。

         

         

        夜の山火事カタリナ連山

        家の間から巨大サボテンサワーロ ( Saguaro ) 超しに見る山火事の炎は、今まで見たことがないソノラ砂漠ならではの迫力ある夜景であった。

         

        我が家からも山火事は毎晩よく見え、時には煙の臭いも漂うことがあった。このカタリナ連山に生息するオオツノヒツジ ( Bighon ) から名前を取って " Bighorn Fire " と名付けられた。南のプッシュリッジ山から燃え始めた山火事は北のレモン山 ( Mt. Lemmon ) の一部まで燃え広がり、48日間燃え続けて200,000エーカー (Acres ) 燃えつくし、7月23日にやっと消えた。南アリゾナでは10年ぶりの山火事で、これほど町や商店街、住宅街の近くで燃え続けたのは初めてで、一時は避難命令が出されたが、大型飛行機とヘリコプター、千人以上の山岳消防隊などの努力で、家の消失死亡による犠牲者は一人も出ない完ぺきな消火作業となった。

         

         

        庭の滝全景

        ハミングバードが水を飲んでる庭の小さな滝の水場

         

        南アリゾナの夏は通常4月から6月の3か月間は「ドライサマー」と呼ばれ、雨が全くなく乾燥している(湿度5%以下)。日向の気温は30度ぐらいでも日陰に入れば20度と涼しく大変凌ぎやすい。そして後半の7月から9月の3か月間は「モンスーン」と呼ばれる夏で、2日ないし3日に一度は雷雨に見舞われる。ソノラ砂漠の象徴サワーロサボテンは、このモンスーン期の雨を溜め込んで一年の水とする。ところが、今年の南アリゾナの夏は4月から35度近い日が多く、しかも7月8月に入っても「モンスーン」がなく40度になる日が続くことがあって記録的な猛暑となっている。砂漠で暮らしている鳥や動物たちもこの猛暑は応えるらしく、庭の滝の水場は大混雑となった。

         

         

        滝の水飲むヒメキンヒワ

        水が流れる滝の岩に降りて、足を冷やしながら旨そうに水を飲むヒメキンヒワ ( Lesser Goldfinch / Carduelis psaltria ) の雄。彼らは流れてる水に降りて休むことは滅多にしない。よほど暑さが応えてるようだ。

         

         

        ズアカカンムリウズラ雄雌雛滝

        雛を連れて水飲みに現れたズアカカンムリウズラの雄雌 ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

         

        夏になると住宅の庭、家の周りの道路で子連れのズアカカンムリウズラを多く見かけるようになる。もともと水が大好きなウズラであるが、今年のように異常に暑い夏だと雛を引き連れた大家族で一日に何回もやって来る。卵から孵って直ぐ巣離れして歩かなくてはならない雛にとってこの異常猛暑は死活問題である。水場に現れる彼らの家族を見てると、最初は生まれたての雛15羽ぐらい連れて来るが、日が経つにつれて半分の6羽になり、最終的には1羽から3羽ぐらいしか見られなくなる。最初の一年間の死亡率が非常に高いことが判る。このため彼らの平均寿命はたった一年半程度と大変短い。

         

         

        ズアカカンムリウズラ雛6羽滝

        雛6羽で滝を占拠するズアカカンムリウズラ(生れて2週間ぐらい)

         

        カンムリウズラの水飲みは午前中と午後遅くから夕方にかけてで、だいたいどの家族も同じ時間帯に庭に入って来るので、多い時は5家族が鉢合わせとなることがある。それぞれが雛を連れているので、雄は縄張り争いと雛を守ろうとして庭のあちらこちらで激しい争いが始まる。オス同士けたたましく鳴き合い羽ばたきしながら空中で体当たりをするのもいる。しかし争いは長続きせず、力の弱いと思われる雄の家族は庭の隅へ行って順番を待ち一番最後に水を飲む。どういう順番になってるか分からないが、見てると一組が終わって水場を去ると次がやって来て水を飲みだす。最終的には全家族がしっかり飲んでいくようである。

         

         

        ノドグロハチドリ玄関の壁

        日陰になってる玄関ドアーの横の壁にしがみついてじっと目を閉じて暑さをしのいでいるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird / Archilochus alexandri )

         

        記録的な猛暑が続く今年の南アリゾナ、7月に入ってついに40度の日が続いた時の一番暑い午後3時過ぎ、ノドグロハチドリは木陰の枝に止まっておれず玄関の中に入ってきた。我が家の庭で渡りで寄って行く種類を除いて常時いるハミングバードは3種類である。このうち2種類は夏の猛暑が続く7月8月は涼しさを求めて移動して行く。アンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) は太平洋沿岸のカリフォルニアへ、コスタハチドリ ( Costa's Hummingbid ) は山の麓のキャニオンへ移る。一方ノドグロハチドリは猛暑でも庭に残っており、涼しい日陰を求めてパティオや玄関の中に入って来たり、滝の水が流れる岩に降りて水に顔を漬けたりして何とか体を冷やしてる姿を見る。

         

         

        ノドグロハチドリ壁にへばりつく

        キツツキの様に壁に縦に止まっているノドグロハチドリの珍しい姿。

         

        40度を超す日の午後3時から4時ぐらいまでほんの一時間ほどだけであるが、玄関の日陰の一番涼しい所を見つけ、猛暑を何とか凌いでいる。こうして見てると、自然の中で生きる厳しさ、生命の危険と隣り合わせの状況で精一杯生きてる凄さが伝わってくる。一方、一定の温度に保たれてる家の中に居る人間は何と幸せなんだろう!とつくづく思う。人にとって暑さでの生命の危険はほとんどない当たり前の毎日の夏の生活かもしれないが、自然の中で生きてる「生き物」の厳しさを見ていると考えさせられる。

         

         

        ワタオウサギ滝の水飲む

        滝の水をうまそうに飲むサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / sylvilagus audubonii )

         

        大きな耳を持った臆病な生き物で、滅多に水場には来ないが、40度の猛暑となると朝夕2度も滝に現れる。水をたっぷり飲んで、流れる水で冷えた岩に体を伸ばしてべったりくっつけて涼を取る姿も見られる。この暑さにあんな密な毛皮を背負っていては、暑さが半端でないことが想像できる。天敵が大変多く、空からは鷹やフクロウ、グラウンドではコヨーテやボブキャットなどの動物に常に狙われてる。そのため大変臆病で頻繁に庭の水を飲みに来るのは若い今年の春に生まれたウサギが多く、大きなアダルトは数日間に一度の頻度でしか庭に入って来ない。生まれて一年目の最初の夏の猛暑は若ウサギにとっては一つの試練なのかもしれない。

         

         

        リス滝の水飲む

        珍しいHarris Antelope Squirrel ( Ammospermophilus harrisii ) の水飲む姿。

         

        この夏の暑い砂漠に暮らすリスで、毛がふさふさしてるのはこの一種だけである。日中も活動するので、長い尾を上げて頭の上まで持っていき日傘の様にして強い陽射しを遮っている。警戒心が非常に強く臆病なので庭には滅多に入って来ないし、水もほとんど

        飲みに来ない。水分は木の実や草の実を食べて補給してるようだ。今年の猛暑は猛烈でリスも水を飲まざる得なくなったのだろう。ほんの5秒ほど水飲みをして、直ぐ駆け足ですっ飛ぶように砂漠へ帰って行った。


        ハミングバードの巣作り、ヒナ誕生、巣立ち 2020年春 (その4)最終

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          雌親からエサを貰うアンナハチドリ雛1

          雛が巣から離れて1時間半後、やっと雌親からエサを貰うことが出来た。

           

          3月初めはまだ朝晩の気温が冬の様に低くなる日もある。アンナハチドリの体温は成鳥で通常42度ぐらい、人間にとっては皮膚が焼けてしまうほどの高温である。外気温が真冬の様に下がると、他のハミングバードと同じように「仮冬眠」の状態となり、脈拍、心拍ともスローとなって体温を下げる。外気温が上がると通常の状態に直ぐ戻って動き出す。そのため零下5度ぐらいまでは耐えられる丈夫な体を持っている。

           

           

          翼を羽ばたかせるアンナハチドリ雛

          雛はエサを貰うと元気が出たのか、翼を盛んに羽ばたかせて、もう一歩遠くの枝へ飛び移ろうとする。

           

           

          雌親からエサを貰う雛2

          巣立ちして3日後の雛、まだ行動範囲が狭く、巣の周りの木を枝移りしていた。本能的に雌親がエサを持って来た時、居場所が分かり易い枝に止まっている。

           

           

          雌親に向ってコールする雛

          雛は枝移りして居場所を変えるので、雌親がエサを持って近づいて来ると、雛独特な「ジュリジュリ・・・」という声を出し、盛んにコール(地鳴き)して自分の居場所を教えている。

           

           

          メス親からエサを貰う雛3

          巣立ちして6日目の雛。巣にいる時と違って足場が悪いので苦労している。アンナハチドリの雄の雛の特徴である喉と胸の黒いボチボチが見え始める。

           

           

          アンナハチドリ雌親と雛同時飛ぶ姿

          雛(右上)は雌親(左下)の飛ぶのを見よう見まねで盛んに飛ぶ練習をしている。

           

           

          ハニーサックル花とアンナハチドリ

          スイカズラの仲間ハニーサックル ( Mexican Honey Suckle ) の花蜜を舐める雌親

           

          ハミングバードは長い嘴を花の奥深く差し込んで舌で花蜜を舐めるので、ハニーサックルの様なラッパの形をした赤い花を好む。ハミングバードは花蜜の他に空中を飛んでる小さな虫をフライングキャッチすることもあり、また、葉に付いてる虫をホバリングしながら嘴でもぎ取ることもある。ハミングバードが好む花には花蜜を求めて蜂も集まって来る。大型のスズメバチがハミングバードの嘴の上を刺すことがあって、これで餓死することもあるらしい。

           

           

          チュパロサの枝に止まるアンナハチドリ雛

          巣立ちして2週間後の雛

           

          ホバリングしながら花蜜を舐める雌親の姿をしっかり見て学び、自分でも何とか花に嘴を入れて花蜜を舐めるが、まだ嘴と舌が少し短いので舐めるのに苦労し、直ぐ疲れて枝に止まることが多い。そしてまだ雌親からエサを貰うのと、フィーダーの砂糖水に頼ることが多い。3週間ほど経つと、いつの間にか雌親の姿が雛の近くで見られなくなる。いよいよ雛の独立である。雌親から譲り受けた餌場を自分で守る戦いが始まる。

           

           

          2羽のハミングバード空中戦

          嘴をぶっつけ合うハミングバードの戦い

           

          ハミングバードが好む花がたくさん植わってる庭は、彼らにとって極上の餌場である。庭の外から色々なハミングバードが庭に入って来て、隙があればテリトリーを奪おうとするので、それを体当たりして追い払わなくてはならない。時にはグラウンドすれすれでチャンバラのように嘴をぶっつけ合いパチパチというすごい音を出して戦う姿も見られる。なかなか厳しい生涯であるが、たった10センチの小さな体でも8年ぐらい生きる個体もおり、結構長生きをする。


          ハミングバードの巣作り、ヒナ誕生、巣立ち 2020年春 (その3)

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            雛にエサ与えるアンナハチドリの雌

            巣立ちが近くなった大きなアンナハチドリの雛2羽。雛は食欲も旺盛なので、雌親は早朝からエサ運びに忙しい。

             

             

            巣上のアンナハチドリ雛2羽

            巣からはみ出しそうな巣立ち直前の雛2羽。右側が一日早く生まれた長男(オス)

             

             

            巣上で羽ばたくアンナハチドリ雌と雛2羽

            雌親はエサを持って巣に帰って来ても止まる場所がない、羽ばたきしながら又はホバリングしながらエサを与えることもある。

             

             

            木をよじ登るアンナハチドリ雛

            1羽の雛が巣から落ちてしまったが、懸命に羽ばたきしながら幹をよじ登り、頭上の巣にもどろうとしている。

             

             

            巣立ちして小枝につかまるアンナハチドリ雛

            卵から雛となって18日目の3月2日、2羽のうちの先に生まれた1羽の雛がついに巣を離れ近くの小枝に初飛び移る。枝につかまるのがやっとで、翼を広げてバランスを取っている。

             

             

            アンナハチドリ雛巣立ち直後

            1羽が巣立った翌日の3月3日、残りのもう1羽が早朝(午前6時頃)のまだ暗いうちに巣から飛び出して、近くの別の木に無事初飛行に成功。

             

             

            アンナハチドリ雛の初飛行図

            最後の雛が巣(赤丸)から初飛びして無事着陸した別の小灌木の枝(青丸)、距離にして4メートル程の初飛行であった。初飛行は下へ降下するのではなく、しっかりした翼で平行に飛行したのには驚いた、

             

             

            巣立ち1時間後のアンナハチドリ雛

            初飛びして1時間後、まだメス親からエサを貰ってないので、不安そうな顔をしてじっと動かずに最初に止まった枝にいる。

             

             

            眠ってるアンナハチドリ巣立ち雛

            巣立ちしての初飛びは、雛にとっては大変重労働なのだろう。目を閉じてウトウト眠り始めた。

             

             

             

             


            ハミングバードの巣作り、ヒナ誕生、巣立ち 2020年春 (その2)

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              アンナハチドリ最初の卵

              アンナハチドリの雌が巣に座り始めて3日後1月24日、まず最初の卵が産まれる。卵の大きさは長さ1.3センチ横幅77ミリでピンポン玉より小さい。雌親が体長たった10センチと小さいので卵も超小型である。

               

               

              アンナハチドリの巣の小灌木

              アンナハチドリが巣(赤丸)を作った小灌木 ( Butterfly Bush )

               

              寝室前のこの木はハミングバードがお気に入りの木で、毎年アンナハチドリ、コスタハチドリが交互に巣を作り雛を育てている。巣は地上2メートル半の高さで、冬の終りで葉はまだ茂ってないのでスカスカに見えるが、雛が育つ春にはしっかり葉も茂って巣が隠れるようになり、雛も直射日光から守られる。本能とは言え、葉が茂る日数計算をしながらしっかり巣作り子育てをしていく能力には驚く。

               

               

              アンナハチドリ2個目の卵

              最初の卵が産まれて2日後の1月26日、2個目の卵が産まれる。アンナハチドリは2個から3個の卵を産むが、我が家の庭では3個が産まれた巣は今だ見たことがない。

               

               

              抱卵中のアンナハチドリ

              巣に深々としっかり座って卵を温めるアンナハチドリの雌

               

              抱卵中のアンナハチドリは私が巣の真下でガーディニングや水撒きしようが、また横を通って巣の様子を見ようが、知らん顔でじっとしている。卵が孵化して雛が生まれるまで14日から19日は掛かる。2月初めはまだ南アリゾナの砂漠は日中は暖かくなっても朝晩は非常に冷えることがある。2月2日から4日までの3日間、早朝は2度、日中は7度と寒い日が続いたので心配したが、雌親はフィーダーで砂糖水を舐める短い時間以外はほとんど巣に座り続けていた。花が少ないこの時期にはフィーダーはハミングバードにとって貴重なエサとなる。

               

               

              アンナハチドリ生まれたての雛2羽

              生まれたての雛2羽、巣の中で二列に並んでる。抱卵してから18日目の2月13日、雛は孵化したばかりで、まだ羽もほとんど生えてない黒い体である。

               

               

              アンナハチドリ生れて6日目

              2月19日生まれて6日目の雛。だいぶ羽が生えて嘴もしっかりしている。

               

               

              アンナハチドリ生れて15日目

              生まれて15日目の2月28日の雛

               

              羽もすっかり生えそろって色も付き始め、目もしっかり開いてこちらを見ている。ハミングバードは花蜜を舐めるのに嘴を花の奥深く差し込むため、ホバリング(空中停止)する必要がある。そのため翼は最も重要な体の一部で、最初に大きくなっていく。小さな雛の体には不釣り合いな大きく長い刀のような形をしている。

               

               

              雌親からエサを貰うアンナハチドリ

              メス親からエサを貰う雛。まだ短い嘴を大きく開けて、花蜜やフィーダーの砂糖水に小さい虫を混ぜて流し込んでもらう。

               

               

              雛にエサ与えるアンナハチドリ雌

              エサ与えに忙しい雌親は休まる暇がない。早朝から夕方遅くまで巣に出たり入ったりしている。オスの協力は一切ないので、子育ては全て自分一人でやらなくてはならない、タフなシングルマザーである。

               

               

              巣の中で羽ばたくアンナハチドリ雛

              生まれて19日目の3月1日の雛

               

              すっかり大きくなり巣も手狭になってきたが、時々翼を上げたりしながら羽ばたきに似たまねごとをし始める。雛は日ごとにどんどん大きくなり小さな巣では居心地が悪くなって、自然と巣からはじき出されるように出て行くのが巣立ちなのだろう。雛が巣から離れて行く行程は意外と単純なのだろう。


              ハミングバードの巣作り、ヒナ誕生、巣立ち 2020年春 (その1)

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                アンナハチドリ、蜘の巣に近づく

                クモの巣を見つけ、ホバリングしながら少しづつ近づくアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の雌

                 

                我が家の庭では3種類のハミングバード(ハチドリ)が毎年巣を作り雛を育てている。「砂漠のハチドリ」と呼ばれるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) とノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) そして、カリフォルニアの流れ者アンナハチドリである。今回の話の主人公アンナハチドリは、コスタハチドリと同様巣作りが早く、12月に入ると早くも巣作りを始めるペアーもいる。我が家の庭でも今年はまだ冬の真っ只中の1月11日、アンナハチドリが巣材集めを始め、クモの巣に近づく姿が見られるようになった。

                 

                 

                アンナハチドリ、蜘の巣に嘴入れる

                クモの巣に嘴を突っ込み糸を取ろうとしてるアンナハチドリ ( Calypte anna )

                 

                庭の身近な鳥として見慣れてるハミングバードが、家の壁沿いのグラウンドからたった10センチぐらいの低さの所で、ホバリングしながら何かを探してる姿を最初に見た時は「何をしてるのだろう?」と不思議に思った。双眼鏡で姿をじっくり追って見ると、初めてクモの巣を探していることが判った。クモの糸は多くの鳥が巣作りに使用する重要な材料の一つであることは知っていたが…。まさか小さいハミングバードまでが巣材にクモの糸を使うとは思ってなかった。

                 

                 

                アンナハチドリ、蜘の糸引っ張る

                嘴でクモの糸を挟み引っ張ってちぎろうとしてるアンナハチドリ

                 

                グラウンドから5センチほどまでの低さまで少しづつ降りて行き、ホバリングしながら空中停止し、クモの糸を嘴で掴んで引っ張る動作はまさに曲芸的な技である。

                 

                 

                アンナハチドリ、蜘の糸運ぶ

                クモの糸を好みの長さに切ることはアンナハチドリにとって大変苦労する作業である。ホバリングしながら後ろへバックして糸がほぐれるまで引っ張るので、時には長い糸をそのまま不自由そうに運んで行くこともある。

                 

                 

                アンナハチドリ、蜘の糸織り込む

                運んできたクモの糸をどんどん巣に織り込んでいき、巣を木の枝に固定していく。

                 

                 

                アンナハチドリ、巣の底補強

                巣の底まで丁寧にクモの糸を織り込んで補強していく。

                 

                 

                アンナハチドリ、綿を銜える

                次は小さく軟らかい綿のような物を巣の底に敷いていく。

                 

                 

                アンナハチドリ、巣の縁を作る

                小さな枯葉を巣の淵に積み上げてクモの糸を絡ませ最後の仕上げに入っていく。

                 

                 

                アンナハチドリ、座り心地チェック

                巣に座りぐるぐる回りながら巣の中を平らにし、座り心地をチェックしている。

                 

                 

                アンナハチドリの巣

                ほぼ完成した巣、オスの協力は一切なく、雌一羽で一週間で作り上げた。巣は地上から2メートル半ぐらいの高さにあり、地衣や小さい枯葉と枯れ枝、鳥の羽根をクモの糸で織り込んで作られてる。

                 

                 

                アンナハチドリ雌

                巣を作り上げ、これから産卵に入る前の一休みするアンナハチドリ雌

                 

                アンナハチドリは耐寒性のある小さな鳥(体長10センチ、キクイタダキと同じ)で、太平洋沿岸のカリフォルニアからカナダまでの海岸沿いの狭い地域で年間を通して冬でも見られ、多くのハチドリの様に中南米への渡りはしない。1950年代から繁殖地を北と東へ広げてきており、特に内陸の南アリゾナで数が増えてきている。郊外の公園や住宅地の庭に花や’フィーダーを掛ける所が多くなったのが数が増えた主な理由に挙げられてる。アリゾナで年間を通して見られるアンナハチドリは渡りはしないが、繁殖期が終わる晩春には暑い砂漠の夏を避けるためカリフォルニアの太平洋沿岸へ移動し、夏の終わり頃になると戻って来る。


                春のワイルドフラワーと生き物たち カタリナ州立公園 2020年(下)

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                  トレールを歩くヒラモンスター

                  春の早朝、トレールに出てきたアメリカドクトカゲ ( Gila Monster ヒラモンスター)

                   

                  暦の上で彼岸の中日である「春分」を過ぎ、大地が暖まってくると土の中の虫やトカゲ、ヘビなどが穴を開いて地上に出て来る。普段ほとんど見ることが出来ないアメリカドクトカゲも陽気に誘われメスを求めて日中に歩くので、時々出会えることがある。英名 "Gila Monster " (ヒラモンスター)の由来はアリゾナの北のヒラ川 ( Gila River ) にあり、「ヒラ川の怪物」という意味である。

                   

                   

                  スティックに嚙みつくヒラモンスター

                  ハイキング用スティックに嚙みつくアメリカドクトカゲ ( Heloderma suspectum )

                   

                  アメリカドクトカゲは主にアリゾナとカリフォルニアの乾燥した砂漠や荒れ地、特に大きな岩が多い荒涼とした斜面に生息する。2亜種がいるが、南アリゾナ・ソノラ砂漠で見られるのはアミメアメリカドクトカゲである。体長は40センチ以上あり、北米では一番大きなトカゲで、丸くて太い胴体をして丸くピンク色したビーズに似た鱗に覆われていて大変美しい。唯一毒を持つトカゲで、噛まれると激しい痛みと吐き気をもようすが、大人の場合は噛まれても死に至ることは稀である。しかし下顎の力は非常に強く、指を噛まれるとちぎれてしまうので、うっかり手や足を出すと大変なことになる。

                   

                   

                  岩場のヒラモンスター

                  繁殖期なのでメスを探し求めて歩くアメリカドクトカゲ

                   

                  一年の90%以上を地中の穴で暮らすアメリカドクトカゲ。地上に出てきて昼間でも活発に動くのは春の繁殖期の3週間ぐらいだけである。主にトカゲやヘビなど爬虫類の卵、鳥の卵や雛、小さな鼠などの哺乳類を食べるが、太い尾に脂肪を蓄えることが出来るので、4回から5回ぐらいの捕食で一年間過ごすことが出来る。のっしのっしとゆっくり歩くことが多いが、危険を感じると突然素早く動き始め、口を開けて「ハーハー」という噴気音をあげて威嚇することがある。ペット用(日本にも輸入されてる)として乱獲されたので、その生息数が減少しており、アリゾナ州では捕獲したり殺したり、飼育したりする事は州法で厳しく禁じられてる。

                   

                   

                  交尾中のトロピカルバックアイ蝶1

                  交尾中の蝶 " Tropical Buckeye " 上がオスで下がメスと思われる。

                   

                  ソノラ砂漠で春一番に見る蝶が " Tropical Buckeye " ( Junonia evarete )  である。ポピーが咲き出す2月初めには花畑を乱舞する姿が見られる。タテハチョウの仲間で別名 " West Indian Buckeye " " Florida Buckeye " とも呼ばれている。南フロリダから南テキサス、南アリゾナの地域のみに生息しているので、数は多くない。特徴である大きな目玉模様は捕食者であるタイランチョウやハエトリなど空中を飛んでる虫を食べる鳥たちを驚かすので大いに役立っている。

                   

                   

                  交尾中のトロピカルバックアイ蝶2

                  トロピカルバックアイ蝶 ( Tropical Buckeye ) はウイングスパン6センチの中型の蝶で、ちょくちょくグラウンドに降りて翅を広げてくれるので双眼鏡でゆっくり観察出来るが、フィールドで交尾する姿を見るのはなかなか難しい。

                   

                   

                  コモンバックアイ蝶

                  Common Buckeye (コモンバックアイ蝶 / Junonia coenia ) はトロピカルバックアイ蝶と非常に似ている。

                   

                  コモンバックアイ蝶は全米の広い地域で見られるポピュラーな蝶であるが、アリゾナではトロピカルバックアイ蝶の方が数が多い。この2種は大変よく似ていて、長い間同種と思われていた。大きな違いはコモンバックアイ蝶の大きな2つの目玉模様の周りの縁どりが白で目立つ、一方トロピカルバックアイ蝶の方は茶色でボヤーとした感じに見える。

                   

                   

                  風景 水の流れ

                  春にしか見られないソノラ砂漠の水の流れ。このテンポラリーの川は春が終わってドライサマーに入ると、乾ききって水が全くない "Dry Wash " と呼ばれる小石混じりの砂地となってしまう。

                   

                   

                  囀る姿ロードランナー

                  ポピーの花が咲き出すと、オオミチバシリ ( Great Roadrunner / Geococcyx californianus ) が岩の上や高い木の枝で囀り始める。

                   

                  ロードランナーは砂漠地帯に生息するアリゾナでは大変ポピュラーな鳥で、大きな足でグラウンドを歩きまわったり、時速30キロ以上のスピードで走ったりする。アニメやロゴマークによく使われるアメリカでは馴染み深い鳥で人気者でもある。カッコウの仲間であるが,他のカッコウの様に托卵はしないし頻繁に囀らない。ワイルドフラワーが咲く春の繁殖期には,低い声で「クークークー・・」と最後が消えるように下がっていく短くて冴えない囀りを繰り返す。フィールドでは風向きに寄ってよく耳をそばたてないと聞こえないほど小さい声である。

                   

                   

                  サワーロサボテンで囀るサボテンミソサザイ

                  サワーロサボテン ( Saguaro ) の天辺でメスを従えて高らかにテリトリーソングを歌うサボテンミソサザイ ( Cactus Wren / Campylorhynchus brunneicapillus )

                   

                  南テキサスから南アリゾナにかけての砂漠地帯に生息する。特にサボテンの多いソノラ砂漠は数が多く、庭の鳥でもある。フィーダーにはあまり来ないが、グラウンドで虫探しをしたり、ちょくちょく庭のパティオに入って来て壁や窓枠、窓のスクリーンなどに居る蛾や蝶、昆虫を捕っている。頭が良いのか、パティオではテーブルに飾ってある造花の中に顔を突っ込んで丹念に虫探しをしてる姿や、壁に掛けてある装飾品や温度計を突っついて,裏側に居る虫を落として食べてる姿も見かける。体長22センチで日本のミソサザイの2倍はある大きさで、しかも囀りは「ギョギョギョ…」と悪声であり、姿と囀りといい,とてもミソサザイとは思えない。

                   

                   

                  ルーシーアメリカムシクイ

                  3月に入ると春たけなわとなり、「砂漠のアメリカムシクイ」と呼ばれるルーシーアメリカムシクイ ( Lucy's Warbler / Vermivora luciae ) が中南米から戻って来て囀り始める。

                   

                  主にアリゾナの砂漠で水の流れがあるメスケ ( Mesquie ) の低木を好み、春一番に囀るのでワイルドフラワー畑でルーシーアメリカムシクイの初音が聞こえてくると、まさに春を感じる。渡り鳥の中でも、一番早く戻って来て一番早く去って行ってしまう。

                   

                   

                  ベルズモズモドキ

                  モズモドキの中で一番早く中南米から戻って来て囀るベルズモズモドキ ( Bell's Vireo / Vireo bellii )

                   

                  ベルズモズモドキは中南米から大変早く南アリゾナに戻って来て、2ヶ月近く砂漠で囀り、5月になるとやっと営巣地の北へ移動して行く。葉の茂った低い灌木の中でエサ取りをするのと、色に特別な特徴がない地味な鳥なので見つけ難いが、鳴いてくれると特徴のある歌なので直ぐに識別出来る。多くのモズモドキと同じように、囀りは単調な一本調子でただ「ジュルジュルジュル・・・」という歌で、これを延々と続ける。朝早くから炎天下の暑い日中でも繰り返すので、しまいには耳障りになってくることもある。托卵鳥であるコウウチョウ ( Cowbird ) の托卵先の鳥なので、その被害が大きく総数が減少してきている。

                   

                   

                  ベニタイランチョウ

                  タイランチョウの中では春一番に囀るベニタイランチョウ ( Vermilion Flycatcher / Pyrocephalus rubinus

                   

                  主に南テキサスと南アリゾナに生息するタイランチョウで、ソノラ砂漠では営巣する数が多い。ほとんどのタイランチョウはくすんだ茶色で地味であるが、ベニタイランチョウはまさに和名「ベニ」そのもので、鮮やかな紅色なので派手で美しい。スズメより少し大きい。3月に入ると早くも求愛飛行が始まり、翼をひらひらさせながらヒバリのように上昇し、囀りながらゆっくり平行飛行する姿は見ていてウキウキする春を感じる。

                   

                   

                  サワーロサボテンの花とハジロバト

                  巨大サボテン、サワーロ ( Saguaro ) の花の蜜を吸うハジロバト ( White-winged Dove / Zenaida astiatica )

                   

                  ワイルドフラワーが終わりになり、草や木の芽が若葉となる4月に入ると、いよいよソノラ砂漠の象徴サワーロサボテンの天辺や枝先に白い蠟細工のような花が咲き始める。花蜜が甘いので色々な鳥や蜂が集まって来る。なかでも春の終わりに渡って来るハジロバトはこの花が大好きで、よく花に嘴を入れてるのが見られる。ハジロバトはサワーロサボテンにとっては花粉を媒介してくれる重要な鳥でもある。ハジロバトはナゲキバト ( Mourning Dove / Zenaida macroura ) と同じ仲間であるが姿は全く異なる。体長は日本のキジバトより少し小さい。よく通る声で「ポッポーポッポー」と一日中鳴いてる。聞きなしは " Who - cooks - for - you " で、「君のために誰が飯を作るの?」という意味である。


                  春のワイルドフラワーと生き物たち カタリナ州立公園 2020年(上)

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                    //saguaro & Gold Poppy

                    巨大サボテンサワーロ ( Saguaro ) が林立する日当たりの良い南斜面にメキシカンゴールドポピー ( Mexican Gold Poppy ) がパラパラと咲き始める。

                     

                    2月初め、暦の上で冬と春の境である「立春」を迎えると、春の花「ゴールドポピー」が咲き、ソノラ砂漠も春一色となっていく。「メキシカンゴールドポピー」は隣の州カリフォルニアの春の花として有名な「カリフォルニア・ポピー」( Carifornia Poppy / Eschscholtzia californica ) とよく似てるが、南アリゾナの砂漠に群生する亜種である。

                     

                     

                    ゴールドポピーの畑 1

                    トレールを歩く足元は南アリゾナ・ソノラ砂漠に春を告げるメキシカンゴールドポピー ( Eschscholtzia mexicana ) の花に一面覆われる。

                     

                    ソノラ砂漠の冬は12月中旬から1月末までの一ヶ月半程度と大変短い。暦の上で2月初めの「寒」が開ける頃には早くも春の兆しに包まれる。そして2月下旬ともなるとワイルドフラワーが一斉に咲き出す。ポピー畑が一面ゴールドの絨毯を敷いたようになると、まぶしいぐらい鮮やかで春の陽気に誘われ、心がウキウキしてわずらわしいコロナウイルス問題やソーシアルディスタンスなどをしばし忘れることが出来るので自然の恵みの有難さに感謝する。

                     

                     

                    ゴールドポピー畑 2

                    今年のソノラ砂漠の春はワイルドフラワーの咲が良く、3月初めには早くも野花のカーペットが楽しめた。

                     

                    「メキシカンゴールドポピー」は陽の光がないと花が咲かない。9時頃開き始めて午後遅くには閉じてしまう。曇りの日は咲が悪いが、ソノラ砂漠の春は曇り空の日がほとんどなく、一片の雲もない抜けるような青空の毎日なのでほとんど心配ない。この花は冬の雨量にその咲き具合が左右されるが、昨年の12月から雨の日が多かったので今春は豪華な花畑となった。

                     

                     

                    White Tackstem

                    ゴールドポピーに混じって咲くヒマワリの仲間 White Tackstem ( Calycoseris wrightii ) 白い花で花弁の裏側にピンク色のすじ模様が特徴。

                     

                     

                    Scorpionweed

                    白い White Tackstem に混じって咲くアリゾナ原産の Scorpionweed ( Phacelia crenulata ) 紫色のベルの形をした北米ハゼリソウの仲間。英名 " Scorpion " はカールしてる花の頭がサソリの尾に似てるところから付けられた。

                     

                     

                    Blue Dicks

                    砂漠のヒアシンスと呼ばれるユリの仲間 Blue Dicks ( Dichelostemma pulchellum ) アメリカインディアンはこの球根を食用としていた。

                     

                     

                    Desert Chia

                    ミントの仲間 Desert Chia ( Salvia columbariae ) 丸く密な花房の上に咲く紫色の小さいのが花で、粘液を分泌するので悪臭がある。アメリカインディアンはこの種を食用にしていた。

                     

                     

                    Owl Clover

                    Owl-clover ( Orthocarpus purpurascens ) の群生。キンギョソウの仲間で、砂漠のワイルドフラワーの根に寄生する。手で触れると、綿のようなふわふわした感触が何とも春を感じる。

                     

                     

                    Monkey Flower

                    水の流れ沿いに生える Common Monkey Flower ( Mimulus guttatus ) アメリカインディアンはこの葉をサラダにして食べていた。

                     

                    Fremonts Pincushiion

                    ヒマワリの仲間 Fremont's Pincushion ( Chaenactis fremontii )

                     

                     

                    Fleabane

                    Fleabane ( Erigeron oreophilus ) 標高1300メートル以上の樫の森に群生するワイルドフラワーなので、800メートルから1000メートルのソノラ砂漠では珍しい。山からはるばる飛んで来た種から出てきたものと思われる。

                     

                     

                    Mariposa

                    ウチワサボテンの横に咲く Desert Mariposa ( Calochortus kennedy )

                     

                    3月末頃になるとポピーの花畑が終わり、他のワイルドフラワーの花も少なくなる。そして「4月の花」と呼ばれるマリポサ ( Desert Mariposa ) が咲き始める。色、形からして初夏の雰囲気を醸し出す花である。英名 " Mariposa " はスペイン語名をそのまま英語名にしたもので、「蝶」の意味である。

                     

                     

                    Pincushion Cactus

                    鮮やかなマゼンタ色が美しい Pincushion Cactus ( Mammillaria microcarpa )

                     

                    春の草花が終わると、ソノラ砂漠はいよいよサボテンの花の季節となる。別名 " Fish hook Cactus " とも呼ばれ、棘が釣り針のように先が曲がっていて刺さると非常に痛い。ラテン名 " Mammillaria " は茎の上についてる突起が乳頭に似てる所から付けられた。


                    チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その4)最終

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                      トレールを歩くオオミチバシリ

                      アンザトレール(自然探索路)を横切るオオミチバシリ ( Greater Roadrunner )

                       

                      アメリカでは非常に馴染み深い鳥で、アニメによく登場するし、会社や商品のロゴマークにも使われてる。体の長さは日本のハシブトガラスと同じ、背中は黒褐色で白いまだら模様、真っ直ぐな尾が特徴。頭をおっ立てて長い首を前に突き出し、長い尾で舵を取りながら速足で歩く姿は大変愛嬌があって人気者である。グラウンドを時速15キロ以上のスピードでよく走る。地上での生活が多いのと、しかも背中の模様がカモフラージュされてるので、双眼鏡で探しても中々見つからないが、トレールを歩いている時、思わぬ所で出くわすと「プルルル・・・」という警戒音を発するのでびっくりさせられる。

                       

                       

                      トカゲを捕らえたオオミチバシリ

                      草むらでトカゲを捕らえたオオミチバシリ ( Geococcyx californianus )

                       

                      西側の南部の乾いた暑い砂漠に生息するオオミチバシリ、南アリゾナ、ソノラ砂漠は数が最も多く、ごく普通に見られる。そして庭にエサ取りにやって来るので身近な鳥でもある。カッコウの仲間であるが、托卵は行わないで自分たちで巣を作る。昔は " Ground Cuckoo " と呼ばれていた。主なエサはトカゲ、バッタなどの昆虫、サソリ、ネズミなどの小動物、時には猛毒なガラガラヘビも捕食するが滅多に食べない。

                       

                       

                      メグロトウヒチョウ

                      南アリゾナのごく一部にしか生息してないメグロトウヒチョウ ( Abert's Towhee / Pipilo aberti )

                       

                      日本のムクドリと同じ大きさで、南アリゾナの一部地域でしか見られない固有種である。乾いた砂漠の水が流れる場所を好み、臆病なので暗い灌木の茂みの中で静かに止まっており、エサ取りはグラウンドで行うことが多く、見つけるのに苦労する。近づくと鋭い声で「ピーピー…」とコール(地鳴き)をするので、それで初めて居場所が判ることが多い。主に甲虫類の虫、バッタ、セミなどを食べ、時には草や木の実を両足で割りながら食べている。

                       

                       

                      エサ取りするインカバト

                      鱗模様が美しいインカバト ( Inca Dove )

                       

                      体の長さ21センチで、日本のキジバトよりずっと小さく、スズメより大きい。テキサス南部から南アリゾナそしてメキシコに生息する小さいハトで、ソノラ砂漠では特に数が多く、街中の公園、農耕地などでよく見られる。スズメバト ( Common Ground Dove ) によく似ているので間違われることが多い。グラウンドを歩きながら草や木の種、果実を拾って食べる。「聞きなし」の "No Hope " と言われる「クーポー」と鳴く地鳴きをよく繰り返す。

                       

                       

                      枝に止まるインカバト

                      木陰で暑い砂漠の日差しを避けるインカバト ( Columbia inca )

                       

                       

                      エサ取りするスズメバト

                      グラウンドでエサ取りするインカバトによく似てるスズメバト ( Common Ground - Dove )

                       

                      和名は「スズメバト」であるが、体の長さはスズメより大きくヒバリと同じ大きさである。フロリダからテキサスの南部の牧草地や水の流れがある茂った林で生活している。主にグラウンドでエサ取りし、落ちてる草や穀物の種を拾って食べる。

                       

                       

                      枝に止まるスズメバト

                      翼の赤いすじ模様が特徴のスズメバト ( Columbina passerina )

                       

                      トレールを歩いていると、びっくりして飛び上がりバタバタという大きな羽ばたき音を出しながら近くの木の枝に止まることがあり、この時、特徴である翼の赤い色がよく見える。雄は暑い真夏の日中でも、短くソフトな声で「クークー」とひっきりなしに鳴く。近年その数が激減してきてソノラ砂漠でも見る機会が少なくなっているが、その原因がいまだに判ってない。

                       

                       

                      虫を探すサメズアカアメリカムシクイ

                      葉についてる虫を探すサメズアカアメリカムシクイ ( Orange - crowned Warbler / Vermivora celata )

                       

                      体の長さは日本のメジロより少し大きく、体全体がウグイス色でアメリカムシクイの中でも最も特徴がない。英名の由来である頭の天辺がオレンジ色 " Orange-crowned " はフィールドで見るのはなかなか難しい。ほとんどのアメリカムシクイが冬を中南米で過ごすが、サメズアカアメリカムシクイはアリゾナ、テキサスなどの北米の南部で過ごす。そのため冬になると我が家の庭のフィーダーや水場によくやって来る。特にフィーダーのエサとなるスエットやピーナツバターを非常に好む。大変好奇心が強い鳥で、口で「ピシピシピシ…」(Pishing ) という音を出すと、すぐ反応して近くの枝に飛んで来る。

                       

                       

                      羽繕いするキヅタアメリカムシクイ

                      水浴びをして羽繕いするキヅタアメリカムシクイ ( Yellow - rumped Warbler / Dendroica coronata )

                       

                      日本のシジュウカラと同じ大きさで、一番ポピュラーなよく知られてるアメリカムシクイである。ニューヨークなど東側で見られる " Myrtle "  (マートル)種と,アリゾナなど西側で見られる " Audubon " (オーデュボン)種の2亜種に分けられてるが、昔は完全な別種として区別されていた。前者の特徴は喉が白く顔に黒いマスクがあり、後者は喉が黄色である。夏の繁殖地はカナダやアラスカの針葉樹林帯で、冬は中南米へ渡らずに多くがアリゾナなどの北米の暖かい南部地域で過ごし、我が家の庭にもやって来る。エサは主に虫を捕食するが、冬になると月桂樹やビャクシン、ヤマモモ、ツタウルシなどの実を主に食べるようになるため、長い渡りをせずに北米の南部に留まる。

                       

                       

                      オウゴンアメリカムシクイ

                      水浴びに降りてきたアリゾナでは大変珍しいオウゴンアメリカムシクイ ( Prothonotary Warbler / Protonotaria citrea )

                       

                      昔は " Golden Swamp Warbler " と呼ばれており、主に東側南部のよどんだ沼に生息する派手なアメリカムシクイでこの名が付けられていた。英名 " Prothonotary " の由来はカソリック教会の書記(ジャーナリストのグループ)が着ていた明るい黄色のフードから付けられた。アリゾナでは冬に中南米へ渡っていく途中でごく稀に寄って行く旅鳥である。

                       

                       

                      群れで水浴びルーシーアメリカムシクイ

                      群れで水浴びする渡り前のルーシーアメリカムシクイ ( Lucy's Warbler / Vermivora luciae )

                       

                      日本のメジロより小さく薄い灰色で目立たないが、南アリゾナの極暑の砂漠地帯で繁殖する唯一のアメリカムシクイである。冬を過ごす中南米への渡りは早いので、8月に入るともう群れを作って南下し始める。砂漠の " Wash " 沿いに生えるマメ科の " Mesquite " メスケ)の木を特に好むので、昔は " Mesquite Warbler " と呼ばれていた。このルーシーアメリカムシクイとオウゴンアメリカムシクイの2種類のみが営巣に木の洞や巣箱を利用する。

                       

                       

                      水浴び中のノドグロハイアメリカムシクイ

                      水浴び中のノドグロハイアメリカムシクイ ( Black - throated Gray Warbler )

                       

                      アリゾナから西側の雨量の少ない乾燥した開けた地域で常緑針葉樹「杜松」の仲間 Pinyon Pine やセイヨウビャクシン、樫、松などの森で多く見られる。ニューヨークなど東側では見られないので、アリゾナに来るバーダーにとってはぜひ見たいターゲットにするムシクイである。白黒の大変目立つアメリカムシクイであるが、松林の中では上手くカモフラージュされて見つけ難いし、シロクロアメリカムシクイ ( Black - and - White Warbler ) によく似ていて、初心者は間違えることが多い。目の上の黄色のスポットが特徴である。

                       

                       

                      顔を水に浸けるノドグロハイアメリカムシクイ

                      人が居ることなど丸っ切りお構いなし、思いっきり顔を水に突っ込んで大胆な水浴びするノドグロハイアメリカムシクイ ( Dendroica nigrescens )

                       

                       

                      水に浸かって囀るノドグロハイアメリカムシクイ

                      ノドグロハイアメリカムシクイ、水浴びをした後、気持ち良くなるのだろうか…鳥たちはよく囀る。しかし、水に浸かったまま、しかも、水浴びをしながら囀る姿は初めて見た。



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