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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (上)

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    ノドグロハチドリの雄

    フィーダーに来るノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雄

     

    ノドグロハチドリは体長10センチ、体重はたったの3.1グラム、日本のメジロよりずーと小さい。西側の北はカナダの南ブリティッシュコロンビア(バンクーバーあたり)からテキサス、北メキシコまで大変幅広く生息している。また、標高の高さもかなりあって砂漠から高山の森林までで見られ、しかも町の郊外の庭などでも営巣するほど環境への適応性が高いハミングバードでもある。雄は頭と背中、腹がメタリックなグリーンで、黒のジョーゼット、そして喉に細い紫色のバンドがある。普通の光の下だとこの紫色のバンドは見るのが難しく、顎から喉にかけてはただ黒にしか見えない。

     

     

    ノドグロハチドリの雌

    思いっきり嘴をフィーダーの奥深く差し込んで砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) の雌

     

    雌は頭から背にかけては美しいグリーンで、白い喉に黒いスポットがあるだけのシンプルな色合いである。我が家の庭には今までコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) とアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の2種類しか営巣してなかったが、今年は初めてノドグロハチドリが巣を作って雛を育ててくれた。

     

     

    巣に座るノドグロハチドリの雌

    砂漠を象徴する灌木、ホップブッシュ ( Hopbush ) に巣を作ったノドグロハチドリの雌

     

    まだ冬の寒さの名残がある2月末、巣材運びをし始め巣作りを始めた。ノドグロハチドリは砂漠の鳥の中でもコスタハチドリと同じく営巣が早い。巣の高さは地上から1メートル30センチぐらいから2メートル80センチぐらいを好むようであるが、この巣は丁度私の目の高さぐらいであった。巣の周りと上下にはホップブッシュの花の房がぶら下がっており、巣の場所をわかりづらくするためのカモフラージュになっている。このような枯れた花の房や葉が下がっている木に巣を作るのがノドグロハチドリの特徴でもある。

     

     

    巣に座るノドグロハチドリの雌親

    雌はいよいよ産卵のために巣にしっかり座り始めた。

     

    巣は木の枝に並行に作られ、小さなガラスのカップのような形をしている。植物の繊維などを蜘蛛の糸で絡めて作り、外側はカモフラージュするため枯葉や植物の地衣が織り込まれてる。単独での巣作りから卵を温め孵化させ、しかも雛の世話まで全て雌一羽でする仕事である。一方、雄は縄張りの囀りをすることもなく、雌が巣作りを始めるといつの間にか巣の周りから消えていなくなってしまう、一夫多妻制である。

     

     

    巣のある場所ー風景

    玄関先の家の角にある庭木 ( Hopbush ) に巣は作られた。

     

    この木は昨年コスタハチドリが巣を作って雛を育てた同じ木である。この場所は東南に面して日当たりが良いのと、風が直接当たらない、また玄関先であるがコートヤード内にあるので散歩の人や犬が入って来れないなどのためか、ハミングバードに人気のある木である。

     

     

    ノドグロハチドリの卵2個

    雌が巣に座り始めて4日目、白い卵を2個確認。卵の大きさはコーヒーの豆ぐらいしかなく非常に小さい。

     

     

    雛1羽と卵 1

    卵の確認から13日後、雛一羽が誕生。黒い塊が頭の部分だろうと辛うじて判る程度。

     

     

    雛1羽と卵 2

    孵化して5日目の雛、まだ目が開いてないが、短い嘴が判る。背中に羽毛がまず生えてきてる。

     

     

    雛1羽と卵 3

    雛と残った卵

     

    最初の雛が生まれて10日目、まだ残ってる1個の卵はそのままなので、たぶん無精卵と思われる。雛は頭と背中に羽毛が少しづつ生えてきた。

     

     

    ノドグロハチドリの雛

    生まれて15日目の雛

     

    雛はだいぶ大きくなって目を開けているが、まだボヤーとしていて見えてないようだ。糞をする時だけ尻を上げて巣の外へ出す仕草をするが、その他はじっとしていてまったく動かない。雛の横にあった卵はいつの間にか消えてなくなっていた。雌親が割って外へ出した・・・と思われる。


    暑中見舞い  2019年盛夏

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      トロゴン雄

      南アリゾナの夏を象徴する美しいウツクシキヌバネドリ ( Elegant Trogon )

       

      40度近い暑さが続く南アリゾナ・ソノラ砂漠より暑中お見舞い申し上げます。

       

      夏真っ盛りの南アリゾナはモンスーン期に入って南のメキシコから湿った空気が入り、砂漠の高温に温められて積乱雲ができ、午後から夕方にかけて猛烈な雷雨に見舞われる。" Isolated Thunderstorm  " と呼ばれるように、何処で起きるか予想がつかないので天気予報屋泣かせ、しかも限られた小さく狭い地域に集中的に叩きつけるような雨が降る場合が多い。極端な例だと、自分が立っている所が豪雨でも、道を挟んだ向こう側は全く雨が降ってなく陽が差してる・・・という不思議な光景にお目にかかることもある。

      巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に落ちて来る稲光、真っ黒な積乱雲に稲妻が横に走る迫力ある光景、大平原にかかる虹の橋などスケールの大きい素晴らしいシーンが見られる。これらを求めて南アリゾナのソノラ砂漠、北アリゾナのグランドキャニオンに風景写真を撮るカメラマンたちが、色々な国や色々な州から集まって賑やかになるのもこのモンスーン期である。

       

       

      トロゴン、ドアップ半身

      ファインダーの中に入りきれないぐらいの近さから、しげしげと私を見てるウツクシキヌバネドリ ( Trogon elegans )

       

      日本のキジバト ( Streptopelia orientalis ) とほゞ同じ大きさ。数は多くなく、しかも北米では南アリゾナのごく限られた山の渓谷でしか見られないので、バーダーだけでなくエキゾティックな雰囲気を持っている鳥なので観光客にも人気がある。近年はツーソンの町から40分程で行けるマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) には毎年2組から3組の営巣が確認されてる。山の渓流沿いに生える大きなアメリカスズカケノキ ( Sycamore ) が好きで、6月に入ると求愛行動が盛んになり、早朝に独特な低いしゃがれ声で「グアーグアーグアー・・・」と何回も繰り返しながら渓流に沿って長い距離をパトロールする姿がみられる。大変好奇心の強い鳥で、時々静かに鳥見をしている人々の近くの枝に来て、じっとこちらを見てることがある。

       

       

      トロゴン雌

      クリンとした黒くつぶらな瞳が愛らしく、上品な美しさがあるウツクシキヌバネドリの雌

       

      雌は雄のはでやかさと違って全身がグレーぽい茶色の地味な色合いをしているのと、あまり鳴かないのでフィールドで見つけるのが難しい。ウツクシキヌバネドリは南アリゾナでは4月末から5月にかけてメキシコ、中央アメリカから渡って来て子育てを行い、9月か10月には離れてしまう。しかし近年は温暖化のせいか、一部冬でも南アリゾナに残っている個体が居る。

       

       

      トロゴン後姿

      ウツクシキヌバネドリの雄の後ろ姿は、頭のメタリックな耀きの緑と背中のブルーぽい緑色が美しく、そしてピンクのアイリングが実に可愛い。

       

      トロゴン ( Trogon )は しばしば樫の木 ( Oak ) の高い枝で数分間じっと動かずに止まっていることがある。枝に止まる姿は独特で、長い尾を真っ直ぐ下へおろして、直立したポーズをとることが多い。時々首を回して上を向いたり横を向いたりしながらエサとなる虫を探している。主なエサは昆虫と果実で、葉の裏についてる虫を見つけると、枝から飛び出しホバリングしながら捕まえて他の枝へ移って食べる。あと一ヶ月もすると、トロゴンは子育ても終わって静かになり、フィールドで探すのが少々難しく、マデラ渓谷 ( Madera Canyon ) を歩いていても、やがて過ぎ行く夏を惜しむような気持になる。


      住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (下)

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        大きな目で見上げる雛

        アメリカワシミミズクの雛は大きな目を開け、頭上の枝で囀る小鳥をじっと見る。本能的に動くものは美味そうな「獲物」に見えるのだろう。

         

         

        ルーシーアメリカムシクイ

        ワシミミズクの雛など一向に気にせず、長い時間、朝日を浴びて気持ち良さそうに囀っていたルーシーアメリカムシクイ

         

        雛がじっと見上げた先の枝には、砂漠のムシクイ Lucy's Warbler (Vermivora luciae ) が囀っていた。昼間のフクロウは怖くないようなのと、「雛」ということで馬鹿にしてるのかもしれない。

         

         

        布切れのようになって眠る雛

        使い古した布切れのようになって寝ている末っ子雛。巣がなくなっても逞しく育っていく。

         

         

        木に寄り掛るようにして眠る雛

        向きを変え、しっかり幹に寄りかかって眠ってる末っ子雛

         

         

        こちらをじっと見る雛

        寝飽きたのか、むっくり起き上げってこちらを見る末っ子雛

         

         

        縦に並んでるフクロウ一家

        細い木に縦に並んで昼寝するワシミミズク一家。上から雌親、末っ子雛、次男坊雛。

         

         

        正面を向く末っ子雛

        末っ子雛も大きくなって、獲物を掴む足の爪もしっかりしている。

         

        雌親のエサ捕りは主に夜である。枝に静かに止まっていて獲物の音を聞く。よく聞くために木から木へ動き、目指す獲物を見つけたら舞い降りて獲物に飛び掛かる。鋭い爪のついた足を大きく広げ獲物を掴む。小さい獲物は丸呑みするが、大きい動物は小さくちぎって食べる。

         

         

        風景とウサギの足

        雛たちがいる木の下に、昨夜、雌親が与えたワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii ) の足が落ちていた。(赤い丸印黄色い丸印はワシミミズクの雛

         

        アメリカワシミミズクの主なる獲物はワタオウサギ、ネズミ、ヘビ、カエル、バッタなどの昆虫類や、スカンクなどの大型の動物である。" Tiger Owl " というニックネームがあるほど、獲物の捕り方は攻撃的でパワーフルである。特にスカンクを食べる唯一のフクロウであり、臭いに対しては鈍感らしい。獲物の毛や翅、骨などはペレット ( Pellet ) の形で吐き出す。

         

         

        欠伸する

        背中に日が当たり暖かくなってくると盛んに欠伸をする末っ子雛

         

         

        目をつぶって眠る雛

        ついには目を閉じて眠ってしまった。一番小さかった末っ子雛もしっかり枝に止まって眠れるようになってきた。アメリカワシミミズク一家の巣離れも間近で、数日後には砂漠へ飛んで行ってしまう。


        住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (中)

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          ワシミミズクの雛・前向、後向

          前日の強風と雛3羽+雌親の4羽の重さに耐えられず、巣はとうとう地上に落ちてしまった。巣がなくなった裸の枝に残された2羽の雛が心細そうに枝にしがみついていた。

           

           

          ワシミミズクの雛2羽

          巣がなくなってしまいふらふらしながらも枝につかまっている2羽の雛

           

          一番大きい雛は巣と一緒に地上に落ち、家主に保護されて、犬や自動車そして天敵のコヨーテなどの害を防ぐため、囲いのある裏庭に移され保護された。まだ飛べない雛は直接グラウンドに置かれ、雌親からエサをもらっていた。雛は非常に緊張しており、ストレスを心配して写真撮影を諦め、家の中から双眼鏡で見るだけにしてそっとしておくことにした。

           

           

          木の後から覗くワシミミズクの雛

          一番小さい末っ子雛は、まだ二本足で長い時間枝に止まっておれないため巣があった幹の二股にかろうじて腰を下ろし、寄り掛るようにしてこちらを見ていた。

           

           

          眠ってるワシミミズクの雛

          巣が落ちてしまったショックに疲れたようで、この日はいつもより長い時間眠っていた。

           

           

          しゃがむ姿、立ってる姿のワシミミズクの雛

          巣がなくなってしまった枝で何とか不自由ながら2羽の雛はじっとして眠ったり私を見たりしていた。

           

           

          親と雛2羽が縦に並ぶワシミミズク

          雌親と丸く伏せている末っ子雛、その下に2番目に生まれた雛の3羽が寛いでいる。保護された一番大きい雛は,裏庭のグラウンドで一羽で寂しく眠っているのだろう。兄弟がバラバラになってしまったが、今回のように巣が落ちるケースや雛が巣から落ちてしまうことはよくあるようで、まだ飛べない雛がグラウンドで雌親からエサをもらってる姿を毎年見る機会がある。

           

           

          ボーと正面を見るワシミミズクの雛

          すっかり大きくなった二番目に大きい雛、この木から離れるのも間近なようだ。

           

           

          翼を伸ばして伸びするワシミミズクの雛

          時々翼を大きく下へ伸ばして伸びをする。場所替えが近いのだろう。雛は飛べるようになるまで10週間ぐらい掛る。飛べるようになっても自分でエサ探しは出来ないので、数か月間は親からエサを与えてもらう。

           

           

          後ろを振り向き睨むワシミミズクの

          雛たちの写真を撮り始めて半月以上経過、一番小さかった雛もすっかり大きくなって精悍な顔つきとなった。


          住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (上)

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            ワシミミズクの雌親

            アメリカワシミミズク ( Great Horned Owl / Bubo virginianus ) アリゾナで見られる種は全体的に色が薄い亜種 " Subarcticus "

             

            アメリカワシミミズクは北はアラスカからカナダ、北米全域そして中南米まで広い地域に生息している最もポピュラーなフクロウで、古くはディズニー映画の漫画、子供の絵本、装飾品や置物、コマーシャルなどのキャラクターとして今だにしばしば登場する人気者である。南アリゾナは特にその数が多く、繁殖期が始まる12月になると毎晩のように我が家の屋根にも雄雌で飛んで来て鳴き合う声が聞かれるほど身近な鳥でもある。

             

             

            眠ってるワシミミズクの雌親

            目を閉じて静かに眠っているアメリカワシミミズクの雌

             

            体長56センチウイングスパーン125センチ以上と日本のフクロウより大きく、耳のような冠毛か特徴である。英語で " Ear Tufts " と呼ばれる長い冠毛は、ボディーランゲージを伝えると言われている。怒っている時は真っ平に寝かせてしまうし、「何だろう?‥」と好奇心を持って知ろうとする時は真っ直ぐに立てる。鳴き声は低い典型的なフクロウの声で「ホッホ・ホーホー」と鳴き、英語の聞きなしは " Whose Awake, Me Too " (フーザウエイク、ミートゥー)である。夜行性なので昼間はこうして木の枝に寄り掛るようにして眠っている。

             

             

            風景ー巣の場所

            車が通り、犬を散歩する人が行きかう玄関前のコートヤードの小さな木にアメリカワシミミズクの巣がある。(赤丸印

             

            我が家のすぐ近くに住む友人から「家の前のアカシアの木にワシミミズクの雛が居る・・・」というメールが入り、さっそく出かけてみた。ワシミミズクは自分で巣を作ることが出来ないので、他の大型の鳥、アリゾナではクーパーハイタカ、アカオノスリなどの鷹類やワタリガラスの古い巣を利用する。この巣はクーパーハイタカが巣を作り終えたところで、ワシミミズクが乗っ取ったようである。ワシミミズクは大変ずる賢く、巣の主クーパーハイタカが威嚇しても知らん顔でデーンと座り続け、ついにはハイタカは諦めて去ったようである。彼らの巣は通常地上から6メートル〜18メートルの高さであるが、この巣は5メートルぐらいしかない低い枝に作られていた。

             

             

            眠ってるワシミミズクの雛と雌親

            巣に座る雌親の足元で横になってうずくまって眠る雛、卵から孵化後15日ぐらい経っている。

             

            ワシミミズクの営巣は大変早く、冬の1月・2月から4月にかけて卵を産む。ソノラ砂漠では巨大サボテン Saguaro の幹と枝の間に作られたワタリガラスの古巣を利用することが多く、サボテンに座るフクロウの姿は独特な光景である。

             

             

            私を睨んでるワシミミズクの雛と雌親

            目を覚ましむっくり起き上がって不思議そうに私を見る雛

             

             

            雌親に寄り添うワシミミズクの雛

            雌親に甘えるようにぴったりの寄り添う雛

             

             

            片目を開け眠ってるワシミミズクの雛と雌親

            時々目を開けて周りを見渡すが、5分もすると再び眠ってしまう雛。それでも片目はうっすらと開けてこちらを見ている。

             

             

            2羽のワシミミズクの雛、大欠伸の姿

            巣の中に雛は3羽おり、こちらを睨んでいるのが一番最初に生まれた大きい雛(長男?)、右の欠伸をしてるのが二番目に生まれた中ぐらいの大きさ雛(次男?)、三番目に生まれた小さい雛(末っ子)は雌親の腹の下に潜り込んでいて見えない。

             

             

            大きな目を開け睨んでる2羽のワシミミズクの雛

            雛2羽とも大きくしっかりと目を開けてこちらを見ている。

             

             

            一番大きいワシミミズクの雛

            眠ってる一番小さな雛(末っ子)の上に乗ってこちらを見つめている一番大きい雛(長男)

             

             

            口を開け威嚇するワシミミズクの雛

            威嚇するように口を開け私を睨みつける一番大きな雛(長男)

             

             

            ぐっすり眠るワシミミズクの雛と雌親

            朝の温かい陽射しに当たりながらぐっすり眠る雛と雌親

             

             

            ワシミミズク、2羽寄り添って私を見てる

            兄弟で寄り添って私を睨みつける雛たち


            豪華なワイルドフラワーに沸く2019年春のソノラ砂漠 (下)

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              Saguaro & Mexican Poppy

              巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) が立つ急斜面に咲く春の花メキシカンポピー ( Mexican Poppy )

               

              ソノラ砂漠 (Sonoran Desert) にそびえるサンタカタリナ連山 (Santa Catalina Mountains) の山麓、サンタカタリナ州立公園 (Santa Catalina State Park) は " Heaven for desert plants & wildflower " と言われ、5,000本以上のサワーロサボテンが林立する。粗削りで雄大な自然を満喫出来るパークであり、アリゾナでもベスト5に入るワイルドフラワー (Wildflower) を楽しめる春の名所でもある。

               

               

              Coulters Lupine

              ルピナスの仲間、Coulter's Lupine ( Lupinus sparsiflorus ) が一面に咲く公園の自然探索路

               

               

              Barestem Larkspur

              青紫の花が一際美しいヒエンソウの仲間 Barestem Larkspur ( Delphinium scaposum )

               

               

              Blue Dicks & Desert Marble butterfly

              ウチワサボテンの仲間 Engelmann Prickly Pear に絡む紫色の花 Blue Dicks ( Dichelostemma pulchellum ) に止まる春の蝶 Desert Marble ( Euchloe lotta )

               

               

              Monkey flower

              水辺に咲くアメリカミゾホオズキの仲間、猿の顔のような模様が面白い Common Monkey Flower ( Mimulus guttatus )

               

               

              New Mexico Thistle

              アザミの仲間 New Mexico Thistle ( Cirsium noemexicanum ) 日本のアザミと比べると非常に大きい。(直径5センチ)アメリカンインディアンは薬草として利用していた。

               

               

              Parrys Penstemon

              イワブクロの仲間ペンステモン Parry's Penstemon ( Penstemon parryi )

               

               

              Spreading Fleabane

              ノミヨケソウの仲間 Spreading Fleabane ( Erigeon divergens )

               

               

              Sweat Scent

              Sweat Scent ( Hedeoma hyssopifolium )

               

               

              Silver Puffs

              Silver Puffs ( Microseris linearifolia ) タンポポに似た黄色の花で、花が終わると種子の頭に白い冠毛ができるのでこの名が付けられてる。

               

               

              Woolly Daisy

              グラウンド一面に咲く Wooly Daisy ( Eriophyllum lanosum )

               

               

              岩に咲くポピー

              冬の間の雨量が多く水が豊かな春は大きな岩の割れ目からもメキシカンポピーが出てくる。

               

               

              滝の流れ

              春の一か月間ぐらいしか見られない雪解け水の幻の滝

               

               

              新緑とサワーロサボテン

              サワーロサボテン ( Saguaro ) の間を山からの雪解け水が流れ、木々は若葉をつける。そして短い期間であるがソノラ砂漠でも新緑が楽しめる。


              豪華なワイルドフラワーに沸く2019年春のソノラ砂漠 (上)

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                ポピーの群生とカタリナ連山

                Mexican Gold Poppy の群生とカタリナ連山

                 

                岩がゴロゴロしていて殺風景な山肌、一面茶色に染める枯草、短い期間(12月ー1月)であるが冬のソノラ砂漠は寂しく時には冷たく感じる。しかし、3月に入り南のメキシコから暖かい風が吹き始めると、野草が一気に芽を吹く。そして、枯草が日ごとに野花へ変わっていき、ソノラ砂漠の春の始まりである。

                 

                 

                ポピーの花のアップ

                Mexican Gold Popy ( Eschscholtzia mexicana )

                 

                日本の春の野花はスミレやレンゲ、タンポポであるが、ソノラ砂漠の春を告げる野花の代表は " Gold Poppy " である。主に "Mexican" と "Desert" の2種類の Gold Poppy である。一面に咲くポピーの中に立つと、色々な草花から柔らかな春の陽の匂いがしてくる。

                 

                 

                サワーロサボテンとポピー

                ごつごつした岩のスロープと巨大サボテン Saguaro の周り一面に黄色いジュータンを敷いたようなソノラ砂漠の春の光景。

                 

                アリゾナには " Wild Flower " の名所がいくつもあるが、私の「マイフィールド」であるカタリナ州立公園 ( Catalina State Park ) もそのうちの一つで、今年の春は冬の間の雨量が例年より多かったので野花の咲きが良く、2005年以来14年ぶりの豪華な " Wild Flower Show " を楽しむことが出来た。野花を求めて歩いたトレールで見た色々な種類の美しい " Wild Flower " を写真で綴り、日本とは大きく違う南アリゾナの春を紹介しましょう。

                 

                 

                Owl Clover

                花に触れると綿のようなフアッとした感触の Owl Clover ( Orthocarpus purpurascens ) この花は他の野草の根に寄生している。小さな花が集まってるので、別名スペイン語のエスコビタ ( Escobita ) とも呼ばれる。

                 

                 

                Bottle Evening Primrose

                Bottle Evening Primrose ( Oenothera primiveris ) アリゾナには21種類あり、大変ポピュラーな春の花である。英名 " Evening " と呼ばれるように、夕方から咲き始めて、朝太陽が昇って来ると花を閉じる。

                 

                 

                Desert Chia

                面白い形をしたDesert Chia ( Salvia columbariae ) 小さなブルーの部分が花で、アメリカインディアンはこの種を食用にしていたし、また、飲み物やシップ薬にも利用していた。

                 

                 

                Stemless Primrose

                茎が短いので英名 Stemless Primrose ( Oenothera caespitosa ) 別名 " Tufted Evening Primrose と呼ばれる。

                 

                 

                Creamcups

                岩場の斜面に咲く可憐な花で、まさに野草を感じる Creamcups ( Platystemon californics )

                 

                 

                Coulters Lupine

                Coulter's Lupine ( Lupinus sparsifloras ) 冬の雨量が多かった春は特に数多く咲く「ルーパイン」の花、アリゾナでは23種類見られる。

                 

                 

                Mexican & Desert Gold Poppy

                黄色の Mexican Gold Poppy と橙色の Desert Gold Poppy ( Eschscholtzia glyptosperma )

                 

                 

                Wild Heliotrope

                ヘリオトロープの仲間 Wild Heliotrope ( Phacelia distaus )

                 

                 

                Narrow-Leaved Popcorn Flower

                Narrow-leaved Popcorn Flower ( Cryptantha angustifolia ) 南アリゾナの砂地に多く咲く。剛毛のような葉の先が花の周りを包むのが特徴。

                 

                 

                Desert-chicory & Honey Bee

                茎が弱いので野草か灌木に支えられ育つ Desert-chicory ( Rafinesquia neomexicana ) と蜜蜂 ( Honey Bee / Apis mellifera )

                 

                 

                Sleepy Catchfly

                Sleepy Catchfly ( Silene antirrhina )

                 

                 

                Cream Cups & Owl Clover

                岩場の斜面に咲く Creamcups ( Platystemon californics ) と Owl Clover

                 

                 

                Mustard Evening Primrose

                Mustard Evening Primrose ( Camissonia californica )


                写真で綴るオオカバマダラ蝶の生育 (下)

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                  綿にしみこませた砂糖水と蝶

                  蛹から蝶が出てきたのが午後遅っかったので、翌朝、庭に放すことになる。オオカバマダラ蝶は花の蜜を探すセンサーが足についてるので,コットンボールにハミングバードのフィーダー液を浸して、足を着けてやりエサを覚えさせる。

                   

                   

                  瓶から蝶を出す

                  翌朝、いよいよ瓶からオオカバマダラ蝶を出してやる。

                   

                   

                  チュパロサの枝に移る蝶

                  低いチュパロサの枝に掴ませる。

                   

                   

                  チュパロサの枝を登る蝶

                  手から離れて自力でチュパロサの枝を登る。

                   

                   

                  飛び立つ準備をする蝶

                  大きく翅を広げたり閉じたりしながら飛ぶ準備をする。

                   

                   

                  秋空に舞う蝶2匹

                  元気に秋空に飛び立ったオオカバマダラ蝶。丁度 Giant Swallow-taile (下の蝶)が飛んできてランデブーをするかのように舞い上がって、雌を探しながら越冬地メキシコへ旅たって行った。


                  写真で綴るオオカバマダラ蝶の生育 (上)

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                    手の上モナコ蝶幼虫

                    卵から孵ったのが12月と季節的に少々遅いので、瓶に入れて観察することにしたオオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) の幼虫。

                     

                     

                    瓶に入ったモナコ蝶幼虫と蛹

                    瓶に入れたオオカバマダラの幼虫(右)とサナギ(左)。両方とも同じトウワタの葉に産み付けられた卵から孵化した。

                     

                     

                    Jの字になったモナコ蝶幼虫

                    瓶に入れた翌日、トウワタの茎を上がったり下がったりしてサナギになるのに適した場所を探し、”J”の字になった。

                     

                     

                    揺れるモナコ蝶蛹

                    その日の夜中、幼虫は体を大きく揺らしながらサナギへ変わっていった。

                     

                     

                    モナコ蝶蛹1

                    最後に頭の部分を出して(下に落ちてる黒い塊)、完全に緑の外骨格に包まれたサナギをなった。

                     

                     

                    モナコ蝶蛹2

                    緑色の美しいサナギとなった。

                     

                     

                    黒いモナコ蝶蛹1

                    サナギになって8日目、全体が黒くなり、蝶が出て来るのも間近である。

                     

                     

                    黒いモナコ蝶蛹2

                    黒くなったサナギ、翅がすっかり出来上がってるのがよく見える。

                     

                     

                    蛹から出たモナコ蝶1

                    サナギの殻がパクッと割れ、中から足で蹴るようにして逆さまになった蝶の頭の部分が出てきた。

                     

                     

                    蛹から出たモナコ蝶2

                    次に、小さく折りたたまれたままの黄色の翅が出てくる。

                     

                     

                    蛹から出たモナコ蝶3

                    そして、最後に太い胴体が殻から出てきた。

                     

                     

                    蛹から出たモナコ蝶4

                    いよいよ蝶全体の姿が蛹の殻から現れる。

                     

                     

                    蛹から出たモナコ蝶5

                    逆さまになった体を起こして位置を変えていく。

                     

                     

                    翅を乾かすモナコ蝶1

                    液体を翅に吹き付けて、縮まっている翅の皺を伸ばしていく。

                     

                     

                    翅を乾かすモナコ蝶2

                    完全に翅を伸ばし、いよいよ飛び立つ準備である。


                    庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その4)

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                      蛹から出たモナコ蝶1

                      蛹から出たばかりのオオカバマダラ

                       

                      幼虫がサナギになってから16日目の朝、足で蹴るようにして殻を破り中から蝶が出てきた。折りたたまれて皺くちゃの翅と、太いボディーが目立つ。

                       

                       

                      蛹から出たモナコ蝶2

                      翅を少しづつ広げながら乾かしていく。

                       

                      オオカバマダラは幼虫、サナギ、蝶どれも鮮やかで派手な色をしている。これは天敵である捕食者に毒を持ってることを知らせる警戒色である。

                       

                       

                      蛹から出たモナコ蝶3

                      サナギの殻から少しづつ離れて行く蝶

                       

                      蝶は翅を盛んに広げたり縮めたりしながら枝先の方に移動し、花蜜を吸うため花に向かって飛び立つ準備をする。春に北へ渡って行くオオカバマダラは蝶になって5日以内には成熟するが、秋の我が家の庭で生れた世代は冬が終わるまで完全には成熟しない。

                       

                       

                      蛹から出たモナコ蝶4

                      低いトウワタの枝に下がっていたサナギからもオオカバマダラが出てきた。

                       

                      近い将来、絶滅が心配されてるオオカバマダラを何とか救おうと色々な形での運動がなされている。その結果、庭に蝶を呼ぶ " Butterfly Garden " を造る家も増えてきている。そして、学校や道路わきにオオカバマダラの " Host Plant " のトウワタを植えて蝶の渡りを助ける運動 " Monarch Waystation Habitats " に参加する人々や企業なども増えてきている。既に 22,481 の Waystation が登録されているのも嬉しいニュースである。

                       

                       

                      蛹から出たモナコ蝶5

                      翅をゆっくり少しづつ伸ばしていく。

                       

                      生まれたての蝶は、茶色の分泌液をポンプで押し出すように翅にかけて、一時間近く掛かりながら折りたたまれて縮こまっていた翅の皺を丁寧に伸ばして乾かしていく。そして、開いたり閉じたりしながら時間を掛けて乾かしていく。サナギから出てきて、半日近くかけてゆっくり飛び出す準備をする。

                       

                       

                      翅を広げたモナコ蝶

                      乾かしが最終ステップになると、翅の美しい表が見え始める。

                       

                      近年その数が減少しているオオカバマダラであるが、色々な原因が指摘されている。その大きな原因が二酸化炭素の増加により、オオカバマダラの幼虫が食べるただ一つの植物「トウワタ」の減少である。又、越冬地であるメキシコの森林が開発で多く伐採されて畑になってしまったことや、米国内では、近年トーモロコシ畑や大豆畑、道路わきで大量の除草剤を使用するため、トウワタが群生する草原が減って来て、渡り途中の幼虫のエサがなくなってきてることなどが挙げられてる。

                       

                       

                      初飛び寸前のモナコ蝶

                      トウワタの枝先まで登り、初飛びの準備をしているオオカバマダラ

                       

                      オオカバマダラの数が急減しているニュースがTVや新聞で大きく取り上げられてる。特にカリフォルニアを中心とする西側での減少が顕著で、1980年代と比べても90%近く減少している。毎年全米で行われるオオカバマダラの数をカウントするイベント " Monarch Thanksgiving Count " によると、全米でもこの20年間で80%以上減少している報告がなされている。

                       

                       

                      トウワタの花に止まるモナコ蝶

                      4時間近く掛けて翅の乾かしを終了、近くのトウワタの花までの短い距離の初飛びを行った。

                       

                      メキシコと並んで越冬地とされてる南カリフォルニアでは,1980年代に10百万匹だったオオカバマダラの数が、2018年にはたった 28,429 匹だけという驚くべき数字が報告された。この状況が続くと、20年後には絶滅してしまうかも?・・・という報告もなされていた。庭で生まれ育ったこのオオカバマダラが、無事越冬地メキシコへ渡って行ってくれることをただただ祈るだけである。



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