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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ソノラ砂漠のオアシス・スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その3)

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    風景トレール

    よく整備されてるトレールの一部は舗装されてるので車椅子でのバーディングも可能。

     

    砂漠のウエットランド「スイートウオーター」は大小10以上の池があり、それらを取り巻くように全長2キロ近いトレールが造られてる。池には「ガマ」が密生しており、水辺には大きなユーカリの木やポプラの仲間「ハヒロハコヤナギ」そして低灌木も点在してるので水鳥だけでなく小鳥たちの絶好のエサ場となっている。

     

     

    killdeer

    水辺のグラウンドに営巣するフタオビチドリ ( Killdeer / Charadrius vociferus )

     

    北はアラスカのツンドラ地帯から南はアリゾナまでの全米広い地域でごく普通に見られるチドリで、草原や海岸の砂浜、河川、湖沼、町の公園など、どこでも見られるポピュラーな鳥である。和名の由来である二本の太い黒い帯が特徴で、英名 " Killdeer " (キルディア)はその甲高い声からつけられた。日本全国広く分布しているシロチドリ ( Charadrius alexandrinus ) よりずーと大きい。小走りしては止まって私を見たり、私の歩く音を聞いたりして突然嘴でトントンとグラウンドを突っついていた。

     

     

    Chick of Killdeer

    生まれたばかりのフタオビチドリの雛

     

    巣は開けたグラウンドで、砂礫の上に直に卵を産む。孵化した雛はすぐ歩き始めてよく走る。主な食べ物は虫で、親から直に与えられていた。雛に近づくと、親は翼が傷ついたような擬態をして、尾を広げ足を引き摺ってヨタヨタ歩き出した。私を雛から遠ざけるためのようなので、一枚だけ写真を撮らせてもらって直ぐその場を退散した。

     

     

    Red-winged Blackbird

    両肩の赤い羽を大きく膨らませて囀るハゴロモガラス ( Red-winged Blackbird / Agelaius phoeniceus )

     

    ハゴロモガラスは全米で一番数の多い鳥の一種で、全米各地の湿地帯、水辺でごく普通に見られる。「スイートウオーター」では群れを成して営巣している。日本のツグミ ( Turdus naumann ) より小さいが、囀りはよく通る大きな声で「コンコリーン」となくので大変目立つ。繁殖期に雄は雌の前で肩の赤いパッチを膨らませるが、この赤い面積が大きいほど雌にもてるようである。

     

     

    Great-tailed Grackle - Male

    英名の由来である、非常に大きな尾を持つオナガクロムクドリモドキ ( Great-tailed Grackle / Quiscalus mexicanus ) の雄

     

    北米のテキサスから西側の南部地域でごく普通に見られる鳥種で、南アリゾナではスーパーマーケットの大きな駐車場にもおり、腰を振りながら地面を歩き、人々が落としていく食べ物を拾って食べている。主なエサは虫、カタツムリ、小魚、カエル、果実など、時々他の小鳥が捕った獲物を盗むのが得意である。

     

     

    Great-tailed Grackle - Female

    雄と異なり全身薄い茶色一色のオナガクロムクドリモドキの雌

     

    開けたグラウンドを好んで歩き回るが、風が強い日など、大きな尾に風が当たって「風見鶏」のように左右に体を回すことがあり、見ていて思わず笑ってしまう。群れで行動してることが多く、大きな通る声で「キーキーキー」と鳴き合うので非常に騒々しい。繁殖期に雌を観察してると、ちょくちょく他の鳥の巣材を盛んに盗んでいるのが見られる。

     

     

    Ladder-backed Woodpecker

    砂漠のキツツキと言われるシマアカゲラ ( Ladder-backed Woodpecker / Picoides scalaris ) 雄

     

    美しい白黒の縞模様の背中と可愛らしい赤い帽子を被ったキツツキで、サボテンが生えていて低灌木が点在する乾燥した砂漠を好む。テキサスからアリゾナ、カリフォルニアの南部地域で年中見られる留鳥である。日本のコゲラ ( Dendrocopos kizuki ) より大きい。雄と雌でエサ取りするスポットが異なる面白い習性を持っている。雄は木の低い枝や時にはグラウンドに下りてきて虫(特に蟻)を食べるが、雌は高い枝で他のキツツキと同様、樹皮を突っついて虫を拾い集める。また、雄と雌両方ともサボテンの実をよく食べ水分の補給をしているので、庭の水場にはほとんど姿を現さない。

     

     

    Song Sparrow

    名前の通り美しい歌を聞かせてくれるウタスズメ ( Song Sparrow / Melospiza melodia )

     

    大変数が多く、全米ほとんどの地域で見られるポピュラーな鳥である。また、31種類と亜種が多いが、南アリゾナの砂漠で見られる亜種は " Saltonis " で全体が薄い茶色。日本のホオジロ ( Emberiza cioides ) と同じ大きさ。クリアーな口笛のような音色で囀るので遠くに居てもよく聞こえてくる。

     

     

    Cottontail

    カメラを気にしながらものんびりと草を食べるサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii )

     

    早朝のスイートウオーターは色々な動物に会える。コヨーテ、ボブキャット、キツネなどが時々目の前をチラッと横切って灌木の中へ入ってしまい、なかなかシャッターチャンスを与えてくれない。砂漠の動物は夜行性が多いので、いつも彼らの朝帰りの姿を見るだけであるから、ゆっくり写真が撮れないのは仕方ないのかもしれない。


    ソノラ砂漠のオアシス・スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その2)

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      スイートウオーターの池

      ハシビロガモ ( Northern Shoveler / Anas clypeata ) が泳ぐスイートウオーターの池

       

      ガマ ( Cattails ) が鬱蒼と茂る池は水鳥達の隠れ場がであり、トンボなど水辺の昆虫が豊富である。水鳥を驚かさないようトレールがよく整備されており、幾つかの観察プラットホームが池に張り出していて、鳥たちがのんびりエサ取りや水浴びする姿をゆっくり撮影することが出来る。

       

       

      アカオタテガモ羽繕い

      羽繕いするアカオタテガモの雄 ( Ruddy Dack )

       

      全米各地で見られるポピュラーなカモで、南アリゾナでは冬の間群れで見られる。日本のコガモ ( Anas crecca ) より少し大きい。丸っこくて大きな頭、青くて広い嘴、ピンと真っ直ぐ上に立てる長い尾が特徴の愛嬌のある美しいカモである。

       

       

      アカオタテガモ水浴び

      水浴びを始めようと立ち上がるアカオタテガモ雄 ( Oxyura jamaicensis )

       

      主な食べ物は水草類や植物で、カイツブリのようにゆっくり潜ってエサ取りをする。驚くと、飛ばないで潜って水中を泳いで逃げる。可愛らしい灰色の足は体の真下についてるので地上を直立して歩けない。

       

       

      アカオタテガモ雌

      アカオタテガモの雌

       

      雄のような色の派手さはないが、縫いぐるみのようで実に可愛らしい。雌は雄よりフレンドリーで、こちらが動かないでじっとしてると、近くまで寄って来ることがしばしばある。

       

       

      アカシマアジ雄と雌

      アカシマアジ ( Cinnamon Teal ) の雄と雌

       

      雄は頭と首、体の下部が赤みがかった褐色で、遠くからでも目立つ。北米では主に西側の湖沼、池などでごく普通に見られる。日本のコガモとカルガモ ( Anas poecilorhyncha ) との中間ぐらいの大きさである。

       

       

      アカシマアジ雄

      陽に当たると赤みが増すアカシマアジ雄 ( Anas cyanoptera )

       

      アカシマアジとアカオタテガモは唯一北アメリカと南アメリカ両方で繫殖するカモである。主な食べ物は水草の種、虫、エビ、カニ類で、泳ぎながら嘴で水を掬うようにしてエサ取りを行う。驚いて水から飛び立つ時は、水面から助走なしで直接一気に飛び上がる。

       

       

      コスズガモ雄と雌

      コスズガモ ( Lesser Scaup ) の雄と雌

       

      南アリゾナではほとんど見ることが稀なスズガモ ( Greater Scaup / Aythya marila ) と非常に似ているので慣れないと識別に苦労するが、コスズガモは体が小さいのと頭の後が尖って盛り上がってるのが特徴。

       

       

      コスズガモ雄

      日本では迷鳥として記録があるミカズキシマアジ雄 ( Blue-winged Teal / Anas discors ) 

       

      夏は全米の広い地域の湖沼や池、河川、内湾で見られ、冬には南テキサスから南アリゾナで越冬する。日本で冬鳥として全国に渡来するコガモ ( Anas crecca) とほぼ同じ大きさ。和名の「ミカズキシマアジ」の由来である三日月形の白斑が嘴の付け根から眼先にかけてあり,よく目立つので見つけやすい。


      ソノラ砂漠のオアシス、スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その1)

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        スイートウオーター案内板

        「ようこそ!スイートウオーター湿地へ」の入口看板

         

        " Sweetwater Wetlands " はツーソン市の西、サンタクルーズ川沿いにある人造湖である。ここは1996年ツーソン市によって造られた水再生処理場で、色々な野生生物が生息できるようにデザインされてるので、南アリゾナの冬から春の「ベストバーディングスポット」の一つと言われている。南アリゾナは年間平均降雨量がたった30センチと低いので、水は非常に貴重である。そこで、一度使われた水をリサイクルして不純物をろ過して取り除き、きれいな水に再生した上で主にツーソンのゴルフ場や公園、学校などに配水され、飲み水以外の水として使用されている。ここは幾つかの池の周りを中心に緑が豊富な自然公園に造られていて、学校の郊外授業に利用され、環境と生態学を子供たちに教える場所も提供している。

         

         

        トレールマップ案内図

         

        湿地に生息する色々な生き物が観察出来るトレールのマップ

         

        南アリゾナ・ソノラ砂漠には大きな湖や池などがほとんどないので、何百羽の渡りの水鳥達が冬になるとスイートウオーターに集まる。ここでは年間250種類の鳥が見られ、鳥と人間の距離が大変近いので写真撮影も存分楽しめる。しかも、日本の町中の公園のように、大きな三脚とカメラを持って鳥を追い回すカメラマンはほとんど見たことがない。ここはツーソンの町から最も近い有名なバーディングスポットであるが、ウイークデーは人が少なくゆっくり「生きもの」を観察出来るのがありがたい。今回は、この魅力あふれる町中の公園「スイートウオーター」の鳥たちを紹介したい。

         

         

        ササゴイ

        スイートウオーター・ウエットランドで越冬するササゴイ ( Green Heron /  Butorides virescens )

         

        日本に夏鳥とでして渡来するササゴイ( Butorides striatus ) と同じ仲間であるが、それより小さく、頭と首が濃い栗色で美しい。獲物を捕る時の仕草が大変おもしろい。ゆっくり歩きそして水の中で静かに動かずに獲物が近づくのを待ち、近づいたら素早く一突きで捕る。時々水面に張り出してる枝にじっと止まって水面を見つめながら獲物を待っている姿も見うけられる。

         

         

        ユキコサギ

        毎年冬にメキシコへ渡って行く途中「スイートウオーターウエットランド」に寄るユキコサギ ( Snowy Egret / Egretta thula )

         

        全米の沿岸でごく普通に見られる鷺であり、よく似ている日本のコサギ ( Egretta garzetta ) とほぼ同じ大きさである。北米で一番美しい鷺と言われ、繁殖期の飾り羽は特に美しく歩く姿は実に優雅である。19世紀後半から20世紀にかけて,そのソフトでレースのような美しい飾り羽が装飾品となり、ハンターに狙われてその数が激減したことがあった。主なエサはエビやカニ、小魚、昆虫類で、水の中を走るように活発に動いては止まり、水中の獲物を鋭い嘴で突き,それを振りながら飲み込んでいく。

         

         

        アメリカオオバン

        水浴び中のアメリカオオバン ( American Coot / Fulica americana )

         

        全米の湖、沼、河川などの淡水域でごく普通に見られ、南アリゾナでも年間を通して見られる。日本のオオバン ( Fulica atra ) と同じ大きさである。泳いだり歩いたりする時、小さな頭を鶏のように前後に動かす。主なるエサは水草の葉や種、根などで時には昆虫、小魚、両生類なども食べる。浅瀬の水に頭と首を突っ込んで尾の先を上にあげてエサ取りするが、時には3メートルから7メートル近く潜ることもある。

         

         

        オビハシカイツブリ

        オビハシカイツブリ ( Pied-billed Grebe / Podilymbus podiceps )

         

        全米で見られるポピュラーなカイツブリで、南アリゾナでは冬に公園の池やゴルフ場の池などに群れでいることが多い。日本のカイツブリ ( Tachybaptus ruficollis ) よりずっと小さい。英名、和名の由来である嘴の黒い帯が特徴。水草や小魚、カニ、エビなどを主に食べ、水中に潜って足をプロペラのように動かして進みながらエサ取りをする。鷹や人に驚くと、頭だけ水面上に出して体を水面下に沈めながら逃げて行く。

         

         

        オビハシカイツブリ2

        水浴びを始めるオビハシカイツブリ

         

        冬に群れでいる時はとてもフレンドリーで、カメラを構えて静かに待っていると、驚くほど近くまで寄って来てくれる。そんな可愛い仕草に、ついつい撮影を忘れて長時間見とれてしまうことがある。


        意外と身近に居る猛毒なガラガラヘビ 2018年夏

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          ガラガラヘビと留見子

          マイフィールドの早朝、トレールに出てきてとぐろを巻くガラガラヘビ。もう少しで踏みそうになり冷や汗をかいた。

           

          アリゾナソノラ砂漠で見られるガラガラヘビは和名「西ヒシモンガラガラヘビ」で、菱形の紋の模様から名づけられた。英名 " Western Diamondback Rattlesnake " 学名 " Crotalus atrox " 通称 " Arizona Diamond Rattlesnake " とも呼ばれており、主に南アリゾナなど北米の南西部とメキシコに分布している猛毒なへびである。

           

           

          留見子の前横切るガラガラヘビ

          Wash (乾いた川)を横切って行く西ヒシモンガラガラヘビ、こわごわと双眼鏡で見るバーダー

           

          ガラガラヘビは夜行性のため昼間はほとんどお目にかかれないが、朝早い時間帯や夕方のバーディングではちょくちょく遭遇することがある。特に春、夏、彼らは活発にエサ取りをするので、鳥見歩きも細心の注意が必要となる。バーダーたちはしばしば鳥探しに夢中になり、よく整備された正規のトレールから外れて、ラフな馬用のトレール( Horse Trail )や Wash を歩く。こんな時しばしばガラガラヘビにお目にかかることがあり、鳥の姿を双眼鏡で追うのと同時に、常に足元や周りを気にしながら歩かなくてはならない。南アリゾナでのバードウオッチングは決して気楽な自然探索ではない。

           

           

          灌木の根元ガラガラヘビ

          低灌木の根元で静かに獲物を狙う西ヒシモンガラガラヘビ。

           

          昼間はこうして木の根元に居ることが多いが、土の色と同じ灰色がかった茶色でカモフラージュされてるので、見慣れないとなかなか見つけ難い。ただ性格はおとなしく向こうから襲ってくることはほとんどない。私の経験から、ガラガラヘビを見つけたらスティックで突っついたり足で蹴ったりしないで、静かに距離(40センチ以上)を保っていれば怖がることは一切ない。

           

           

          ガラガラヘビの尾

          西ヒシモンガラガラヘビの特徴である尾

           

          白黒の美しい縞模様の尾は、西ヒシモンガラガラヘビの特徴である。そのため愛称「アライグマの尾をしたガラガラヘビ」 " Coontail Rattler " とも呼ばれている。白黒の尾の先に付いてるプラスチックのキャップのような突起、これを振って音を出し、外敵に警告を発する。和名はその音から「ガラガラヘビ」と言われるが、実際にフィールドで聞くと、その音はホースで水を出してる時の音「シュル、シュル、シュル…」に似ている。今までの経験ではフィールドで彼らに出会う時、かなり近づかないとなかなか警戒音は出さない。ほとんど目が見えないので静かにとぐろを巻いて何時でもジャンプ出来る状態でいる。しかし、特に若いヘビは警戒音を全く出さない個体もいるので気は抜けない。

           

           

          庭のホップブッシュ

          6月の朝、ハミングバードのフィーダーの砂糖水を取り換えてる時、すぐ横の灌木ホップブッシュの根元(赤い矢印)にガラガラヘビが隠れてるのを見つける。

           

          ヒシモンガラガラヘビは夏のモンスーン期が特に活発で、毎年1〜2度は庭に入って来るのでこの時期のガーディニングは非常に注意を払わなくてはならない。恵みの雨のおかげで灌木の新芽が出てくるのと同時に、雑草が一挙にウワーと生えるので草取りをしなくてはならず、ガーディニングといえども少々緊張する作業となる。アメリカ人の多くは庭に除草剤を撒いて手っ取り早く草を枯らしてしまうが、近年この除草剤がミツバチを殺してしまい、その数が激減してきてる問題が生じている。庭には色々な昆虫が住んでるのと、これを食べに鳥やトカゲが庭に来るのでそれらへの悪影響を考えると、出来る限り除草剤、殺虫剤は使わないようにしている。庭の環境破壊を防ぐためにも「雑草は一本一本手で抜くしかない!」と自分に言い聞かせながら・・・重労働に耐えている。

           

           

          庭に出たガラガラヘビ

          ホップブッシュの根元で隠れるようにしてとぐろを巻く西ヒシモンガラガラヘビ。

           

          ガラガラヘビは夜行性なのと、人家の周りにはあまり近づかないので庭で目にすることは少ないが、噛みつかれると少々厄介なのであまり庭に入って来てほしくない「生きもの」ではある!噛みついた時に出す分泌液が神経組織を壊すので血管や心臓、筋肉などが駄目になり呼吸困難となってしまう。そして噛まれたらすぐ救急病院へ行き、解毒剤の投薬を受けないと死に至ることがある。しかも、この費用が非常に高価で3百万円から5百万円ぐらい最低でも掛かり健康保険も効かないので家計上大変なことにもなる。

           

           

          ガラガラヘビ捕獲器

          ガラガラヘビはもちろん手でつかめないので、特殊な捕獲器を使わなくてはならない。

           

          この捕獲器はスーパーマーケットなどどこでも手に入るポピュラーなもので、南アリゾナではヒシモンガラガラヘビが如何に身近な「生きもの」であるか・・・が判る。捕獲器は取っ手を握ると棒の先が開き、バネガ効いてヘビを挟むことが出来る。とぐろを巻いてるヘビをジャンプして襲ってくる前に手早くその形のまま挟まないと危険なので少々勇気とコツがいる。

           

           

          捕獲器挟まれたガラガラヘビ

          捕獲器に挟まれて木の根元から取り出された西ヒシモンガラガラヘビ。

           

          町の郊外の住宅街でも年に数件はガラガラヘビに噛まれる事故は起きてる。夜中ガレージのシャッターを開けっ放しで家の中に入られたり、街灯も点けない真っ暗な玄関や庭に出て、ガラガラヘビが居るのも気が付かずに踏んだりして噛まれるケースがほとんどである。また、飼い犬を夜庭に放して噛まれることはよくあり、ここでは飼い犬をガラガラヘビには近寄らないための訓練を受けさせないとならない。兎に角、彼らの習性をよく判っていれば日々の生活で危険な目に会うことは少ない。彼らも私たちと同じ砂漠に暮らしている「生きもの」、しかも自然界の食物連鎖の上で大切な「生きもの」なので間違っても殺すことは出来ない。

           

           

          箱に入れられたガラガラヘビ

          移動用プラスチックの箱に入れられた西ヒシモンガラガラヘビ、特徴の背中のひし形紋、縞模様の尾も大きくて、立派に成長した個体であった。

           

          西ヒシモンガラガラヘビは州法で殺すことが禁じられており、人家の庭に現れると消防署に電話して係員に来てもらって捕獲してもらう。もちろん有料であるが、慣れない手つきで恐々と捕獲器でヘビを捕まえようとして失敗し嚙まれた例が結構多くあるので「触らぬ神に祟りなし」である。たまたま私には爬虫類が大好きで、ガラガラヘビの捕獲を得意とする友人がいるので、今回も彼に頼んで来てもらい、素早く捕まえて二度と庭に入って来ないよう15キロ以上離れた場所(主に州立公園や国有林)へ運び砂漠へ返してもらった。これは砂漠で暮らす私たちにとって、そこで同じく生活している「生きもの」に対する礼儀の一つでもある。


          パティオの花のポットにズアカカンムリウズラの巣 2018年夏(その3)最終

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            バケツから出るズアカカンムリウズ雛

             バケツの中の雛たちを親の近くに戻してやる。

             

            花のポットの巣から取り出し、バケツに入れた巣立ちしたての雛たちを、警戒しながらウロウロ歩いてる雄雌の親の近くに放してやる。元気に勢い良くバケツから飛び出して走る雛(右の赤い矢印)、また、巣から出れず、数時間格闘して疲れ果てたのか・・・ヨタヨタ出て行く雛(左赤い矢印)、ほとんど警戒心もなくゆっくり歩いて行く雛・・・と色々個性があって見ていて面白い。

             

             

            雄親と雛2羽

            雌親の傍に速足で走って行く雛(左)、パニックに疲れたようで、目を閉じて半分眠りながら歩いて行く雛(右)。

             

            バケツから出た雛たちは、親の姿を見て安心したらしく直ぐに落ち着いた。また、雄親も鳴くのを止めて雛が傍に来るのをじっと待っていた。一方雌親は、ポットに戻り巣に残ってる雛は居ないか・・・?と最終チェックをしている姿には大変驚いた。

             

             

            庭歩くズアカカンムリウズラ雛1

            何処に親が居るのか判らず、親を求めて反対方向へ歩き始めた雛。8羽も雛がいると、親も目が行き届かない。

             

             

             

            どの世界にもドジな奴は居るもんで、どんどん親の居る方と逆に歩く雛。仕方なく私が手をゆっくり振り、親の方へ誘導してやらなくてはならない。これも今回のレスキュー作戦の一環でもある。

             

             

            雌親と寝るズアカカンムリウズラ雛

            庭の片隅で、巣立ち後最初の夜を過ごす雌親と雛たち。

             

            巣離れがすっかり遅くなり、暗くなってしまったので庭から出ることが出来ず、ホップブッシュの根元で雌親にくっついて雛たちは眠り始めた。時計を見ると午後7時半、2時頃の雛の誕生から始まって何と5時間以上に渡った巣立ちの格闘であった。翌朝、太陽が昇る前の薄暗い時に庭をチャックすると、ウズラの親子の姿は全く見られなかった。外敵がたくさんいる砂漠に出て行った雛8羽、無事育ってくれることを祈るだけである。

             

             

            滝の水飲むズアカカンムリウズラ親子

            巣立ち一週間後、雌親に連れられた雛3羽が水場に現れた。

             

            ズアカカンムリウズラの雛たちが巣立ちして庭を離れてから一週間後、親に連れられた雛3羽が庭に現れ、30分間ほど水場で水を飲みゆっくりエサ取りして庭を出て行った。親子が無事であったことでホッとして胸を撫で下ろす。秋になると、彼らは他のカンムリウズラの家族と一緒になり大きな群れで冬を越す。冬にトレールを歩いていると、足元から「ブルルル・・・」という大きな羽音を立てて一斉に群れが飛び立つことがあり、その凄い音にびっくりさせされる。

             

             

            滝の水飲むズアカカンムリウズラ雛

            うまそうに水を飲む雛たち。

             

            雛たちはどうしているのかな・・・?と思いながら毎朝巣のあったポットを見ていたが、やっと無事に少し大きくなった姿を見せてくれたのには感激した。しかし、8羽巣だっていった雛がたった3羽しか残ってないのには少々がっかりした。何しろズアカカンムリウズラの平均寿命はたった1.5年の短さで、しかも最初の半年の死亡率が非常に高いので、雛にとってはなかなか厳しい一生である。アリゾナ州では今でも狩猟鳥で、秋から冬のハンターシーズンの125日間だけ、一人一日当たり15羽限度で狩猟が許されている。


            パティオの花のポットにズアカカンムリウズラの巣 2018年夏 (その2)

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              ズアカカンムリウズラの卵

              雌が巣に座り始めて15日目、5月20日に卵が8個となった。

               

              ポットのズアカカンムリウズラは、一日、時には2日に一個の割合で卵を産んでいった。通常平均12個から14個の卵を産むが、今回は8個と少ない。冬の間がドライかウエットによって卵の数が違ってくるようで、ウエットの冬は卵の数は増えるが、昨冬は雨があまり降らなかったためか・・?たった8個と少ない。

               

               

              孵化したズアカカンムリウズラの雛

              雌が抱卵し始めて21日目の6月10日、卵が孵って雛が誕生

               

              雌が本格的に抱卵し始めて18日目頃から巣に座ってる時間が長くなり、朝から夕方5時近くまで、何時エサ取りに出て行くのだろう?・・と心配になるぐらい長時間座っていた。しかし、雛の孵化には卵の表面の温度が32度から38度がベストで、気温が低い朝から午前中はしっかり座って卵を温めていたが、昼、大気が40度近くになると雌親は座るのを止めてポットの淵に上がり卵の表面を冷やしてる様子だった。また、気温が高くなるとエサ取りに出掛けてしまって、外気温が下がる夕方遅くまで長時間巣を留守にすることも多かった。

               

               

              巣から出ようとするズアカカンムリウズラの雛

              雛はエレファントツリーの生い茂った枝の間から何とかポットの外へ飛び出そうとジャンプを繰り返す。

               

              卵はほぼ同時に次から次へと2時間で全て8個が孵化した。生まれた雛は全身羽毛に覆われて、足も大きくしっかりしていて直ぐ活動が出来る状態だった。雛は孵化したその日のうちに巣を離れ、雄雌の親の誘導に従ってエサ取りを開始する。ズアカカンムリウズの主食は植物の種子、果実、昆虫類であるが、雛は小さな虫が主な食べ物となる。しかも、親から餌を与えられるのではなく、親が虫を捕る動作をよく見ていて、見よう見まねで虫の取り方を身に着けていく。

               

               

              ポットの上ズアカカンムリウズラ雄雌

              ポットから出ようと必死に奮闘してる雛に雌親と雄親は巣の上から声を掛けて励ましてる。

               

              孵化した雛は出来る限り早く親と一緒に巣から離れないとならない。割れた卵は雛の匂いがするので、外敵(コヨーテ、ボブキャット、ヘビ等)が近づく危険性が高いためである。しかし、巣の場所が雛にとって直ぐ歩いて離れることが出来ないタフな場所なだけに、雛もどうしてよいのか判らずパニック状態となってしまった。

               

               

              ベンチから飛び上がるズアカカンムリウズラ雄

              なかなか巣から離れられない雛に、雄親も少々パニックとなり、「クークー」鳴きながらベンチから何回も飛び上がり空中でバタバタ羽ばたいていた。

               

              ポットの中で雛はパニックになって走り回りジャンプしながら「ピーピーピー」と鳴く。その声と巣のポットの周りで「クークークー」「コケッコー」とうるさく鳴き合う雄親、雌親の声が重なり合って庭は騒然となり、大騒ぎとなってしまった雛の巣立ちである。

               

               

              木のてっぺんで鳴くズアカカンムリウズラ雄

              高い枝の天辺に飛び上がって雛たちを呼び続ける雄親。

               

              巣の場所が地上から少々高さのあるポットで、しかも植えられてるエレファントツリーの枝と葉が被さるように覆っていて、雛がジャンプしても抜け出せる隙間がない。雛にとっては悪い状況であり、しかも日照りの日中のさなかで、巣立ちに少々時間がかかり過ぎてるので我々も少々心配になってきた。

               

               

              手でポットから雛を取出す

              レスキュー作戦開始、一羽一羽を丁寧に優しく巣から取り出す。

               

              卵が孵化して2時間以上経過しても雛たちは巣から出れず、生まれたてで何も食べてない雛にとって体力の消耗が心配なのと、夜になって暗くなってしまうと巣から離れられなくなる・・・と思い、以前ウズラに詳しい鳥仲間から聞いていたレスキューアドバイスを思い出し、巣から雛を取り出す救出作戦に取り掛かる。

               

               

              バケツに入れられたズアカカンムリウズラ雛

              巣から取り出した雛8羽をバケツに入れる。

               

              密集してるポットの枝の間から手を差し入れ、雛一羽一羽を摑まえバケツに入れていく。何時間もパニックだった雛も、さすが疲れたらしくバケツの中でぐったりしていた。全員8羽全て居ることを確認して、親が鳴きながら右往左往している所の近くまで雛を持っていく。


              パティオの花のポットにズアカカンムリウズラの巣 2018年夏 (その1)

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                ズアカカンムリウズラ雄正面
                南アリゾナ・ソノラ砂漠のシンボル、ズアカカンムリウズラ雄 ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

                ズアカカンムリウズラは南アリゾナ、南カリフォルニアなどアメリカ南西部からメキシコ北部にかけての乾燥した荒地や草原に生息する、新世界(アメリカ大陸)のウズラの仲間である。全長28センチ、日本のウズラ ( Coturnix japonica ) よりずっと大きく、コジュケイ ( Bambusicola thoracica ) よりもさらに大きい。翼は丸くて短いので飛ぶより歩くのが得意である。しかし、危険が迫った場合は翼を素早く羽ばたかせその「力」で思いっきり飛び、ゆっくりと滑空してグラウンドへ下りて逃げて行く。
                 
                塀の上を歩くズアカカンムリウズラ
                庭の高い塀の上を歩くズアカカンムリウズラ雄


                繁殖期になると、群れを離れた雄と雌がペアーとなって行動する仲睦まじい姿が見られる。雄は庭でエサ取りする雌を常にエスコートするために高い所から見守っていることが多い。雄は頭が鮮やかな赤茶色で黒い顔、そして頭から突き出した「涙」の形をした羽毛が大変愛嬌がある。雄のコールの良く響く「コケッコー」は " Sound of the Desert " と言われ親しまれている。古い映画、西部劇の背景音には必ずこの鳴き声が入っていたのを思い出す。英名 " Gambel " (ギャンベル)は19世紀の博物学者の名前からとられた。
                 
                屋根の上ズアカカンムリウズラ
                屋根の上から庭を見下ろすズアカカンムリウズラの雌

                4月に入ると、雄と雌のペアーが一緒に二羽でテリトリーの家の周りや庭をよく歩き回り、時には高い屋根に上がって巣を作るのに適した場所を探したり、周りの安全性、外敵(鷹、ボブキャット、コヨーテ、ヘビ)の動きを何日間も掛けてよーく観察している。
                 
                パティオの巣ズアカカンムリウズラ
                ズアカカンムリウズラが巣を作ったパティオのポット(赤い矢印)

                ズアカカンムリウズラは小さな灌木の根元やよく茂った大きな草の根元に巣を作るが、時には人家の庭の大きい花のポットに巣を作ることが結構ポピュラーなようである。今夏、我が家のパティオのエレファントツリーが植えられてる大きなポットの中に巣を見つけ大変驚いた。しかもその場所は家の中から出入りするドアーの真横で、夜はランプの光に照らされる明るい所だから、なおさら信じられなかった。
                 
                ズアカカンムリウズラ雌
                パティオで談笑してる我々を横目で見ながら少しづつ巣に近づいて来るメス

                パティオは朝コーヒーを飲んだり、時には昼食を取ることもあり、夕方には友人達と大声で歓談することもちょくちょくある我が家の生活圏であるが、雌親は一向に気にせずびくともしないで近くまで寄って来る。雌が巣に座り始めた最初の頃、巣があることに気が付かずじょうろで上から水を撒いた時はさすがびっくりしてバサバサ・・・と飛び上がって一気に庭の外へ飛んで行ったが、数分後には巣に戻って来て何事もなかったかのように再び座り始めていた。
                 
                ポットの上ズアカカンムリウズラ雌
                巣のあるポットに飛び上がった雌

                雌がエサ取りのため巣から離れる動作が面白い。エサ取りに巣を離れる時は、巣から一気に飛び立ち真っ直ぐ100メートルぐらい平行に飛んで大きな木の高い枝にダイレクトに止まる。エサ取りが終わって巣に戻って来る時は、周りを警戒しながらゆっくり歩いて巣に近づき、安全を確かめた上でヒョイッとポットに上がって座り始める。
                 
                巣に座るズアカカンムリウズラ雌
                巣に座り始めた雌

                ズアカカンムリウズラの巣は非常にシンプルで、ポットの土を少し掘って窪地を作り、そこへダイレクトに卵を産んでいた。雌が巣に座ってる時間は、最初のまだ卵がない間は昼の短い時間だけで、夜は巣を離れ庭から出て行って近くの大きな木の根元で寐ているようだった。卵が産まれるとさすが夜はずっと座っていた。エサ取りは朝、午前中、午後、夕方の寝る前の4回で、それぞれ1時間ぐらい巣を留守にする。

                アリゾナの夏・モンスーン 2018年晩夏

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                  積乱雲と雨のカーテン
                  「雲の峰」のように聳え立つ幾つかの積乱雲が一緒になって広がり、雨のカーテンが下りて来る。

                  8月の南アリゾナは5月・6月の乾いた「ドライサマー」が終わって「モンスーン期」に入り、40度近い灼熱の日と猛烈な雷を伴う「ゲリラ豪雨」の日が交互にやって来る季節となる。「モンスーン」と言えば、日本では主にインドやタイの雨期を指す言葉として有名だが、もともとアラビア語の「季節」という意味の " mausiim" からとられたようである。米国では2008年に国立気象局によってアリゾナ州の6月15日から9月30日の期間をオフィシャルに「モンスーン・シーズン」と決められた。
                   
                  空一面の雷雲
                  夏の日差しが消えて、突然雷のファンファーレが鳴り出す。

                  モンスーンの雷雨は大きな災害をもたらした「西日本豪雨」と形が似ている。いわゆる「バックビルディング現象」と言われるヤツで、同じ場所の上空で積乱雲が次々と生じ線状降水帯を形成する。灰色の雲のカーテンが下りてきて激しい雨が降り始め、庭でのんびりエサ取りしていた鳥たちも慌てふためいて飛び立ち、逃げ込み場所に潜り込む。
                   
                  雨が激しく降る庭
                  激しい雷雨は大きな雨粒を地面に叩きつける。神の力を現す「神立」(かんだち)とはよく言ったもんだ。

                  一年のほとんどが乾燥している砂漠では「モンスーン期」だけ雨が激しく降って庭がしっとり濡れる。この時期に降る雨の量は年間平均降雨量(31.8センチ)の半分近くにもなる。この雨は夏の猛暑を抑え、水源に水を補給し砂漠の草木に滋養を与え、庭木の緑を一段と濃くする。
                   
                  雨どいから流れる雨水
                  雨どいからの雨水が勢いよく窪地(溜池)に流れていく。

                  5月・6月の乾燥した西風が砂漠の大気を暖め、ジェット気流を北へ押し返す。それによって風は南に変わり、メキシコの湿気を大量に含んだモンスーンの大気がアリゾナに入って来る。強い夏の太陽に暖められた湿気を含んだ大気は積乱雲を作り雷雨となる。アリゾナのモンスーン雷雨は短時間で狭い局地的、しかも集中的に降るので途端に雨水は溢れ、道路や Wash (普段は川底が見える水のない乾いた川)へ勢い良く流れ込み、場所によっては道路の冠水や洪水が起きて、災害をもたらす激しい嵐が特徴でもある。しかし、この雨水は特に砂漠の庭の草花や木にとって大変恵みで貴重なので、雨どいに集めて大きな窪地に流し時間を掛けて土に浸透させ草や木の根へ万遍なく滋養を供給する。決して天然の水を無駄にしないよう庭がデザインされている。
                   
                  サワーロサボテンに止まるモモアカノスリ
                  雷雨の中、雨滴を全身に受けて水浴びするモモアカノスリ ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus )

                  乾いた砂漠ならではの鷹の姿である。鷹ばかりでなく小さなハミングバードも、雨の中ホバリングしながら雨水を盛んに浴びる姿を見ることがある。乾燥した暑い天気が続いた間での雨は、砂漠の生きものにとっては、又、我々人間にとっても嬉しい天の恵みである。
                   
                  翼を広げて踊るモモアカノスリ
                  雨の中、巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の上で雨水を浴びるモモアカノスリ

                  写真のような鷹の姿は、砂漠のモンスーン期でないと見られない珍しいユーモラスな景観である。足を交互に上げながら踊るように翼を広げたりつぼめたりして雨水でしっかり体を濡らしている。モモアカノスリはメキシコとの国境沿いの乾いた砂漠に生息しており、サワーロサボテンにしばしば巣を作るポピュラーな中型の鷹である。
                   
                  大木に止まるオオカバマダラ蝶、
                  大きな木にしがみついて雷雨を逃れる蝶オオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) 毎年、夏から晩秋にかけて、メキシコへの長い旅の途中、庭の花に寄っていく。
                   
                  枝の雨水に顔を擦りつけるコスタハチドリ
                  雨が小やみになったのでコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) がしっとり濡れてる小枝に顔を擦りつけて水浴びを始める。
                   
                  塀の欄干を登るヒラモンスター
                  「モンスーン期」に入ってまもなく、非常に珍しいアメリカドクトカゲが欄干から庭に入って来た。

                  和名「アミメアメリカドクトカゲ」、英名 " Gila Monster " (ヒラモンスター)、学名 " Heloderma suspectum " 体長60センチほどの太いボディーをした北アメリカでは唯一の毒トカゲである。英名にアリゾナの川の名前 (Gila ヒラ)が付けられて、まさにアリゾナのシンボルでもある。しかし、一年の90%以上を地中で生活しているので、フィールドで見れるチャンスは非常に少ない。昨年に続いて2年連続して庭に現れびっくりしたが、再度じっくりと観察することが出来、非常に嬉しいモンスーンとなった。
                   
                  雨雲のカーテンが残る夕焼け空
                  激しい雷雨が去って夕焼けが始まる。

                  灰色のカーテンが残っている所はまだ雨が降っており、雷雨の地域が非常に局地的なことが判る。まさに、天気予報でよく使われる言葉 " Isolated Thunder Storm " の景観である。
                   
                  ヨタカが飛ぶ夕焼け空
                  雨上がりの後はグラウンドから虫がたくさん上がってくるので、まだ空が明るい内からヨタカが虫捕りに飛び始める。
                   
                  コアメリカヨタカの飛翔
                  夕陽が当たって体が赤茶色のコアメリカヨタカ ( Lesser Nighthawk / Chordeiles acutipenuis )

                  雷雨が終わった後の夕空は、西側に雨雲が残って夕焼けが始まり夕陽に空が赤く染まるが、東側はすっかり雨雲がとれて青空が広がるモンスーン独特の夕空となる。コアメリカヨタカは「砂漠のヨタカ」と呼ばれ、5月中旬頃、中南米から渡って来て子育てを行い8月末には南へ帰っていく。夕方や夜、ライトに集まる虫を捕りにちょくちょく庭に入って来る。独特な低い声で鳴く「ポロロロ・・・」という鳴き声が8月中旬頃になると聞けなくなる。庭の上を飛ぶヨタカやコウモリの小群が見れなくなると、秋も間近で季節の変わり目を感じる。
                   
                  サワーロサボテンと夕焼け空
                  モンスーン期の夕焼け空は特に美しく、サワーロサボテンとの組み合わせはソノラ砂漠の写真の定番。

                  モンスーンはアリゾナの夏の独特な特異な現象である。夏のモンスーンの雨は農家にとってはまさに恵みの「慈雨」で、ランチ(牧場)にとっても草の生育に役立つので貴重な「喜雨」でもある。
                   
                  ソノラ砂漠の夕焼け空
                  嵐の去った後の夕焼けはひときわ美しく、静寂が戻った砂漠にコヨーテ (Coyote) の遠吠えが良く響く。

                  夏のアリゾナの大嵐には,
                  雷雨の他に土埃を巻き上げるダストストーム ( Dust Storm ) がある。中国で起こる砂塵嵐 ( Sand Storm ) と区別されていて、ダストストームはアリゾナの砂漠独特な嵐で、乾燥した日が続くと起きる。町を包み込んでしまうぐらい幅広く大きな茶色のカーテン(大きな山のように見える)が迫ってくる景観は凄い恐怖を覚える。高速を走ってる時にすっぽり包まれると,自分の車のボンネットの先が見えないぐらい視界が落ち、運転が出来なくなるので車を停めて嵐が行き去るのを待つしかない。車の中にも土埃が入り込んできて、口や鼻の中がジャリジャリして少々息苦しくなるのを経験したことがある。

                  ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その4)最終

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                    雛にエサを与えるコスタハチドリ雌親1
                    雌親は雛の口奥深く長い嘴を入れエサを流し込む

                    雛にエサを与える雌親の一日は大変忙しい。群生してる花の間を忙しく乱舞、ホバリングしながら丁寧に一つ一つの花に長い嘴を差し込んで花蜜を集め喉の奥の袋に貯め、小さな飛んでる虫を空中で捕まえて混ぜ合わせては雛に与えなくてはならない。自分のエサ取りの時間がないぐらい、一日中飛び回って子育てに奮闘している。
                     
                    雛と雌親並んでる姿
                    雌親に甘えてるような雛の仕草が可愛い

                    コスタハチドリの雌は雄の様な色の特徴がなく、頭と背中が雄と同じ緑色の他は灰色と白のプレーンである。遠くから見て全身が灰色に見えるのはコスタハチドリの雌の特徴でもある。
                     
                    雛にエサを与えるコスタハチドリ雌親2
                    雛の嘴が親より短いのは、エサがもらい易くするためである。コスタハチドリの2羽の雛は、6月には完全に親離れして立派に育ち、自分たちでホバリングしながら長くなった嘴を花に差し込んで蜜を舐めていた。
                     
                    コスタハチドリ雄1
                    コスタハチドリの雄親

                    ハミングバードは巣作り、子育ては全て雌だけで行い、雄は一切手伝わない。巣作りが終わり雌が座り始めると、雄は巣の周りから離れてまた別の雌を探し始める。いわゆる一夫多妻である。雄は興奮していない時は特徴の頭と喉、ジョーゼットの紫色が光らず、ただ黒く髭の様に見えるだけである。
                     
                    コスタハチドリ雄2
                    雄は興奮すると頭、喉、ジョーゼットの紫色が金属光沢してひときわ美しい

                    コスタハチドリの雄の求愛飛行は、見ていて実に迫力がある。雌が止まっている枝の前で、猛烈な急上昇と急降下を繰り返す。そして、雌を惹きつけるために喉やジョーゼットの紫の金属光沢をより大きく美しく見せようと、陽の光の当たり具合を意識しながら調整しつつ飛ぶ。

                    ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その3)

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                      巣立ち直前のコスタハチドリ雛
                      巣立ち間近の雛、翼が長くて大きく目もしっかり開いて、警戒しながらこちらを見てる。


                      コスタハチドリの雛は非常に乾燥してる所で育つ。そのため営巣時期が2月から4月の「乾燥期」で湿度が3%から10%ぐらいと大変乾いてるので巣や雛に虫があまり付かないらしい。そのためか、他の種の親鳥は通常ヒナにエサを与えて巣から離れる時に、雛の糞をくわえて巣の外へ捨てるが、ハミングバードは雌親が糞をそのままにしておくので巣の周りは糞だらけ・・・となる。しかし、非常に乾燥してるので糞もすぐ乾いてしまい、巣材の補強の役割を果たしてるようだ。
                       

                      巣立ち直後のコスタハチドリ雛
                      巣を離れたばかりの巣立ち雛


                      卵から孵化して20日目4月21日早朝、まず一羽が巣を離れ隣の枯れ枝に移った。枝につかまるのが精いっぱい、まだ体力が弱いのか、すぐ疲れてうつらうつら眠ってしまう。この時が外敵に狙われやすい一番危ない時でもある。
                       

                      メス親からエサもらう雛
                      巣立ちしたばかりの雛がメス親から最初のエサをもらう。


                      雌親は巣を離れたばかりの雛とコール(地鳴き)し合いながら居場所を確認し、エサを与えている。エサは花蜜と小さな虫を混ぜて
                      雛に流し込んでる。
                       

                      巣立ちした2羽の雛
                      後発の雛も巣から離れて同じ枝に移り、2羽横に並んでボヤーと私を見つめている。


                      まだ巣立ちしたばかりの雛であるが、オス、メスの特徴がよく出ている。右側の雛は喉からジョーゼット(まだ小さい)にかけてくっきりした黒い縞模様がみられ、中央に小さく紋章のようなボッチがあるのでオスと思われる。左側の雛は喉の白い部分が多いので雌であろう。
                       

                      枝に止まるコスタハチドリ雛

                      オスの雛が枝移りしたので一羽だけとなった雌の雛、まだ警戒心が薄く、少々近づいても「何だろう?」と横目でこちらを見るだけで動こうともしない。



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                      • 意外と身近に居る猛毒なガラガラヘビ 2018年夏
                        藤波
                      • 意外と身近に居る猛毒なガラガラヘビ 2018年夏
                        yayoi
                      • ソノラ砂漠のオアシス、スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その1)
                        Yayoi Tokumitsu
                      • ソノラ砂漠の秋の話題 ガラガラヘビ住宅街に現れる 2016年
                        YUko
                      • ソノラ砂漠の秋の話題 ガラガラヘビ住宅街に現れる 2016年
                        藤波
                      • ソノラ砂漠の秋の話題 ガラガラヘビ住宅街に現れる 2016年
                        Yuko
                      • アリゾナ・ソノラ砂漠のオアシスで見る冬鳥たち(2012年3月 その3)
                        Fujinami
                      • アリゾナ・ソノラ砂漠のオアシスで見る冬鳥たち(2012年3月 その3)
                        Kumiko
                      • 艶やかなサボテンの花咲くソノラ砂漠 (前編)
                        Fujinami
                      • 艶やかなサボテンの花咲くソノラ砂漠 (前編)
                        Chel

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