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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ソノラ砂漠の鮮やかな秋の彩り

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    Ramsey Canyon Trail 入口の紅葉

    ラムゼイ渓谷ハイキングトレールの紅葉

     

    南アリゾナのソノラ砂漠とチウアウア砂漠は三方向2千メートルクラスの山に囲まれており、キャニオン ( Canyon ) と称する渓谷がいくつかある。特に南アリゾナの東部はメキシコのSierra Madre とロッキー山脈、ソノラ砂漠、チウアウア砂漠などが一緒になる生態上の交差路でもあり、浅い川の湿地から針葉樹林地や熱帯地まで非常に自然が変化に富んでおり、色々な種類の植物、動物が数多く見られるので大変人気があるスポットである。

     

     

    Ramsey Canyon Nature Conservancy

    The Nature Conservancy のビジターセンター周辺の紅葉

     

    南アリゾナの東部メキシコとの国境に近いラムゼイ渓谷 ( Ramsey Canyon ) は、湧水と渓谷の高い岩壁によって砂漠にはない湿気と夏でも涼しい環境が整っている。このため、水を必要とするアリゾナ・スズカケノキやカエデなどの大きな木や松やモミなどの針葉樹も多く、しかも大きく育った砂漠のサボテンやユッカ ( Yucca ) ,リュウゼツランの仲間アガベ ( Agave )も数多く見られる。そして、ラムゼイ渓谷の一部380エーカーはアメリカの国際的な活動をしているNGO " The Nature Conservanccy " の自然保護区となっており、ハミングバード(ハチドリ)のキャピタルと言われ、14種類のハミングバード、150種類の鳥類が見られるのでバーダーにとって大変に人気のある有名なスポットでもある。

     

     

    Ramsey Canyon 岩壁と紅葉

    コロナド国立森林 ( Coronado National Forest ) のトレールから見上げるラムゼイ渓谷の大きな岩壁と紅葉

     

    ハイキングは " The Nature Conservancy " のビジターセンターから入り、澄んだきれいな湧水が流れる " Ramsey Creek " 沿いのトレール(自然探索路)を0.8キロほど歩くとやがて険しい登りとなる。そしてZ字型山岳トレールをスイッチバックしながら標高差800メートルを一気に登っていく。勾配がかなりきついので途中で息切れしてるハイカーを時々見かける。トレールはコロナド国立森林に入ると、本格的な森林ハイキングトレールとなり、松の一種 Apache Pine, スズカケノキの仲間Arizona Cycamore, 樫の木の仲間 Gambel Oak, カエデの仲間 Bigtooth Maple などの森の中を赤や黄色に色づいた秋の彩りを楽しみながら歩く。

     

     

    赤いカエデとyucca、agabeが共存

    深い森ならではの鮮やかな赤で美しいカエデと根元に生える砂漠植物ユッカ ( Yucca ) とリュウゼツランの仲間アガベ ( Agave ) が共生していて面白い。

     

     

    紅葉のコロナド森林Hamburg トレール

    山岳トレール " Hamburg Trail " を歩き、森林奥深く入って行くと、人にも会わず鳥の鳴き声もなくて大きな枯葉が落ちてくる音しか耳に入って来ない。そして秋の彩りもさらに濃くなっていく。

     

     

    Ramsey,Hambrg Trail の紅葉 1

    針葉樹の緑、カエデの赤、スズカケノキの黄が混ざり合って実に美しい。

     

     

    Ramsey,Humburg Trail の紅葉 2

    暗い森の中でも一際鮮やかな赤色のカエデ ( Bigtooth Maple ) 葉の大きさが日本のモミジの2倍以上はあるので見事である。

     

     

    Ramsay,Hamburg Trail の紅葉 3

    ラムゼイ渓谷は我が家から一番遠い「マイフィールド」であるが、美しい秋の色合いに出会えると、アリゾナの乾燥した夏の暑さをすっかり忘れてしまう。

     

     

    Ramsey,Hambrg Trail の紅葉 4

    さらに森深く入ると、トレールも細く狭くなって、紅葉した葉が体に触れカサカサ…と大きな音がするのでドキッとする。

     

     

    紅葉の赤いジュータン路

    グラウンドに落ちたカエデの葉、緑の草の中、ピンクのジュータンを敷いたような美しいトレールを歩く。

     

     

    渓流の淀みに浮かぶ枯葉

    渓流の淀みに浮かぶ緑の水草と色づいた枯葉。水が流れる小さな音が耳に心地よく響いてくる。

     

     

    水辺に降りてきた蝶2匹

    渓流の水辺に美しい蝶が2匹水を飲みに下りて来る。枯葉にカモフラージュされて見つけにくい。

     

     

    蝶Chiricahua Pine White メス

    大変珍しい蝶 Chiricahua Pine White の雄

     

    弱い秋の日差しが差す午後、蝶が水辺に集まって来る。その内の一種 " Chiricahua Pine White " ( Neophasia terlooii ) は別名 " Mexican Pine White " とも呼ばれ、標高1900メートル以上の高い山の松林で秋遅くに見られる森の蝶である。ウイングスパン(翼幅)5センチ少々の中型の大きさで、主に南アリゾナの東部の限られた地域でしか見られない珍しい蝶である。

     

     

    蝶 Chiricahua Pine White メス

    グラウンドに降りて枯葉に止まる Chiricahua Pine White のメス

     

    チリカウア・パイン・ホワイト ( Chiricahua Pine White ) はオスとメスで色がまったく異なる。白黒のオスと違ってメスは明るいオレンジ色で大変美しい。この蝶はのらりくらりと何処へ飛んで行くのか判らないぐらいでたらめな蝶らしくない飛び方をし、時々羽を広げて風に吹かれながら舞う。また時には弱弱しくグラウンド近くでヨタヨタ飛ぶことがあり、傷ついて弱ってるのかな‥?と思い写真を撮ろうと近づくと、パッとすごい勢いで飛んで逃げて行ってしまう。

     

     

    手に止まる蝶 Chiricahua Pine White メス

    女房の手のひらに降りて来て止まる Chiricahua Pine White のメス。

     

    この蝶はほとんど高い松の木の天辺のキャヌピーの上をヒラヒラ飛ぶことが多いので見るのに苦労するが、この朝は暖かったせいか、珍しく低い所へ降りて来て女房の手のひらに止まってくれた。5分近くも長く居てくれたので大感激。自然がくれた思わぬ秋のプレゼントに感謝。

     

     

    蝶 Satyr Comma

    水草に止まる大変珍しい蝶サターコンマ ( Satyr Comma / Polygonia satyrus )

     

    ジャノメチョウの仲間で、主にアリゾナそして米国西側の標高1000メートル近辺の渓流の水辺で見られる。ウイングスパンは5センチ前後、英名 " Comma " は後翅にある銀色のコンマ印から付けられた。大変カモフラージュが上手で、木の幹に逆さまに止まることがあり大変見つけにくい。翅の淵がギザギザの形をしてるので変わっていて人気がある。時々水を飲みに下へ’下りて来るが、警戒心が強く近づくとすぐ飛んで行ってしまうので写真を撮るには厄介な蝶であった。

     

     

    蝶 Red Admiral

    カナダから中央アメリカまで、全米広い地域で見られるホピュラーな蝶 Red Admiral ( Vanessa atalanta )

     

    ウイングスパン5センチ前後の中型の蝶で、色が鮮やかなので人気がある。夏から秋に’かけてはキャニオンの森で過ごすが、冬は砂漠に下りて来るので、我が家の庭の花にもやって来る。砂漠のキャニオンの秋は紅葉だけでなく、美しい蝶や珍しい蝶も数多く見られるのでバタフライウォッチング ( Butterfly Watching ) も楽しめる。" Thanksgiving Day " 間近の11月下旬、紅葉と蝶が楽しめた南アリゾナならではの晩秋のハイキングであった。


    珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その5)最終

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      セミを捕らえたスズメフクロウ雌親

      セミを捕らえたロッキースズメフクロウのメス。昆虫などの小さい獲物はメス親自身が捕って雛に与えている。

       

      セミ ( Grand Western Cicada / Tibicen dorsata ) はこの時期非常に数が多いので、スズメフクロウが簡単に捕れて雛に与えられる貴重なタンパク質栄養源の一つである。スズメフクロウは他のフクロウのようにゆっくりふあーふあーと飛ばず、ほとんど羽ばたきもしないで、弾丸のように真っ直ぐ早いスピードで飛ぶので、飛んでる姿を見るのは難しい。セミを見つけると、素早く飛んで来て鋭い爪で木の幹や枝につかまると同時にセミを捕らえる。また、時々木の枝から宙返りし急降下しながらグラウンドに下りて獲物を捕らえることもある。残念ながら、このダイナミックな姿は双眼鏡で見るのが精一杯で、写真に納めるチャンスはなかった。

       

       

      セミを銜えたメス親と2羽の雛

      捕らえたセミを2羽いる雛のどちらへ与えようか…と迷ってるメス親。全部で4羽いる雛へのメス親だけでのエサ与えは大変な労働である。

       

       

      雛にセミを渡す雌親

      メス親はさんざん迷ったあげく、左側の雛にセミを渡し始めた。

       

       

      セミを雛の口に与える雌親

      メス親は雛が銜えやすいようにセミを低く下して直接渡そうとしている。

       

       

      セミを足で抑えるスズメフクロウ雛

      雛はメス親から与えられたセミを一先ず足で抑えて、どうやって食べようか考えていた。先に巣立ちした2羽の雛がバッタを食べるのに苦労したのと同じように、この雛も経験がないのでやはり苦労している。

       

       

      セミを足で持ち上げる雛

      やおら足でセミを持ち上げ、又しばらく考え、困った顔をしていた。

       

       

      セミを食べる雛 1

      5分ぐらい経って、雛はいよいよセミを食べ始めた。実に旨そうに食べてる。その顔が映画「スターウォーズ」に出てくる「ヨーダ」に似ているので、思わず笑ってしまった。

       

       

      セミを食べる雛 2

      先ずはセミを小さく千切って食べ始めた。

       

       

      セミを丸かじりする雛

      いよいよセミが小さくなってきたので、丸かじりし出した。

       

       

      セミを丸ごと飲み込む雛

      雛にとってセミを丸ごと飲み込むのは難しいらしく、目をひん剥いて苦労して口の中に入れ込んでいた。

       

       

      セミが喉につっかえ苦しんでる雛

      何とか飲み込めたようだが、セミが喉にまだつかえているようで、喉を膨らませて何とか飲み込もうと寄り目になって苦労していた。

       

       

      コールしながら雛を呼ぶ雌親

      最後に見たメス親の鳴く姿。

       

      最後の2羽の雛たちが巣立ちして4時間後、エサ与えが一段落すると、メス親が盛んにコールして雛たちを呼び、先に巣立ちした2羽と一緒に森の奥へ消えて行った。翌朝にはスズメフクロウ一家の姿はまったく見られず、これが最後の姿となった。スズメフクロウは卵から孵化して23日から30日ぐらいで巣立ちし、巣の中の雛が全て巣立ちするとさっさと巣の場所から離れて森の奥深く入ってしまう。その後20日から30日ぐらいは親に守られエサを与えてもらって成長する。そして早くも5か月後には立派な成鳥となる。そもそも雛の成長は大変早く、孵化後2週間で成鳥の60%近い大きさになる。

      15日間毎朝4時に起きて現場に駆け付け、昼過ぎまでの8時間彼らが我々の存在を意識しない距離を保ちながらびったりスズメフクロウ一家と付き合った。フィールドではなかなか見られない彼らの習性、獲物の捕り方、エサ与えの方法、雄親とメス親そしてメス親と雛たちとのコミュニケーションの仕方など多くを知ることが出来た。スズメフクロウは同じ巣穴を2〜3年は使うらしいので来夏また会えるのを楽しみにしている。このスズメフクロウ一家は大変な人気者で、ニューヨークやボストン、カリフォルニアなど色々な州から又隣のカナダからもたくさんのプロカメラマンや愛鳥家たちがやって来た。観察の合間の彼らとの鳥談義や情報交換は実に楽しく、あっと言う間に過ぎてしまった2週間であった。


      珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その4)

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        風景、椅子とスズメフクロウ雛2羽

        巣立ちした最後の2羽の雛(赤い矢印

         

        6月末早朝、今日こそ最後の雛の巣立ちが見れることを期待して、15日間毎日観察を続けた定位置にこの日も簡易椅子を置いて座ったところ、頭の上から「シリシリシリ・・・」という雛の声がシャワーのように降って来るのに驚き上を見上げると、すでに夜明けとともに巣を離れたらしい2羽の雛が3メートルほどの頭上の枝に並んで止まっていた。巣穴の中が見えないので最後まで巣に雛が何羽いるのか推測出来ず、今朝メス親が巣穴に近づかなくなったことで、最初に巣立ちした2羽、そしてこの2羽の合計4羽、全て巣立ちしたことがやっと判ったぐらいであった。

         

         

        枝に並ぶスズメフクロウ雛2羽

        鋭い顔でこちらを睨む最後の2羽の巣立ち雛

         

        15日間、毎日のように観察し続けたロッキースズメフクロウの雛であるが、雛にもそれぞれ個性があり、頭の形や体格、そして性格まで違う。右の雛は体格が良くすでに鋭い猛禽類の顔をしているが、左の雛は細身であるが童顔でまさに幼い感じがする。雛全員4羽とも無事に育ってくれることを祈りながらシャッターを押し続けた。

         

         

        細身の雛アップ

        並んだ2羽の内の細身の雛、目が鋭くなくあどけない顔である。

         

        すでに体の大きさは親に近く顔も似ているので遠くから見ると間違いやすいが、白くて太い眉毛のような眉斑が短く、尾も大変短い。そして、鳴き声が雛独特な虫のような「シリシリシリ・・・」という細い声なのですぐ識別できる。

         

         

        太ってる雛のアップ

        2羽の内の体格の良い雛

         

        メス親、雄親、両方ともエサ捕りと先に巣立ちした2羽の雛へのエサ与えに忙しく、2時間近くも戻って来なかった。50メートルほど離れた所に先に巣立ちしてる2羽の雛がいるが、親の姿がまったく見られない。巣立ち直後の雛は、腹をすかしているので盛んにコールして親を呼んでいた。

         

         

        スズメフクロウ雛眠くて半目

        巣を離れて2時間を過ぎたころ、さすがに雛もくたびれて眠り始める。

         

         

        上の枝へ飛び移ろうとする雛

        巣立ちして2時間半を過ぎてから、雛たちがやっと動き始めた。メス親が盛んに呼ぶ方をみて、より高い枝へ飛び移ろうとしてる。

         

         

        高い枝に移ったスズメフクロウ雛

        ヨタヨタと苦労して枝移りしながらメス親が見える高い枝先まで飛び移って来た。

         

         

        雌親からバッタを貰う雛

        巣立ちして3時間後になって、やっとメス親(右)からバッタを貰って食べ始めた雛

         

         

        バッタを食べだしたスズメフクロウ雛

        巣立ちして初めて食べるエサのバッタ、巣の中にいる時はメス親が細かくちぎって与えてくれてたが、丸ごと渡されたのは初めての経験、食べるのに苦労している。

         

         

        バッタを飲み込むスズメフクロウ雛

        バッタを丸ごと飲み込もうとしてる雛


        珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その3)

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          巣を見守るスズメフクロウのメス

          ロッキースズメフクロウ、メス親は午後1時を過ぎる頃からエサ捕りエサ運びを一切止め、巣の近くの枝に止まって静かに雛を見守る。そして、3時半すぎる頃から再びエサ捕りが活発になる。

           

           

          頭の後の目のような模様のスズメフクロウ

          顔を横に向けた時に見える首の後の大きな目のような模様がロッキースズメフクロウの特徴である。

           

          ロッキースズメフクロウの大きな特徴の一つである首の後ろの目によく似た白い縁取りの黒いパッチの羽毛は、天敵である鷹類やボブキャットなどの動物の目を欺くのに役立ってるようだ。また、スズメフクロウは小さいとはいえ猛禽類なので、よくハミングバードやミソサザイ、アメリカムシクイ、カケスなどにしばしば群れで追い回される。( Mobbing )  こんな時、首の後の目のような模様が彼らに「見てるぞ!」と思わせ驚かせるのに役立つようだ。

           

           

          巣から顔を出すスズメフクロウ雛

          観察し始めて12日目、巣穴から乗り出して顔を出す巣立ち間近の雛。表情もしっかりして親と変わらない顔になってきた。

           

           

          巣穴で鳴くスズメフクロウ雛

          「シリシリシリ・・・」と独特な声で盛んに鳴く雛

           

          観察し始めて13日目、メス親は早朝から巣にいる雛に向かって「早く巣から出てこい…」と呼んでるかのごとく盛んにコールしていた。巣の雛も一生懸命応えてるようだが、この日の巣立ちは見られなかった。

           

           

          巣立ちしたばかりのスズメフクロウ雛

          巣から出たばかりの雛

           

          メス親が雛に巣立ちを促すコールを盛んにしていた翌朝、ついに2羽の雛が巣立ちした。巣から一羽一羽別々に飛び出し、バタバタ落ちるように飛んで近くの葉の上に辛うじて摑まった。軟着陸成功である。大きな足で細い枝にしっかりつかまってるのが判る。

          巣穴の中にいた時と異なる初めて見る風景にびっくりしてキョロキョロしている…ような顔である。

           

           

          巣立ち後ボヤーとしてる雛

          もう一羽の雛は巣から飛び出して近くの小枝につかまった後、しばらく(10分ぐらい)ボヤーとしながらメス親が呼ぶコールに答えていた。

           

           

          太い枝の先に止まるスズメフクロウ雛

          巣から離れて30分後、雛はもう少し高い枝に移り体を安定させる。厳しい自然界に出たばかりで心細いのか…?何となくおどおどした表情をしていた。

           

           

          眠り始めたスズメフクロウ雛

          うとうと寝始めた巣立ちしたばかりの雛

           

          巣立ちの大仕事を成し遂げた雛は、どっと疲れが出たのか目を閉じて眠り始めた。この時が天敵の鷹に狙われる一番リスキーな時と思われる。ハラハラしながら雛を見ていたので、しばしシャッターを切ることを忘れてしまったぐらい緊張した。

           

           

          半分眠りながら鳴くスズメフクロウ雛

          もう一羽の雛も「巣立ち」という第一の難関を終え、眠くて目を開けるのがやっとである。それでもメス親の呼ぶコールに一生懸命応えて自分の場所を知らせていた。

           

           

          雛にバッタを与えるスズメフクロウのメス

          バッタを雛に与えるメス親。雛にとって巣立ち後初めてもらうエサである。先に巣立ちした雛2羽とまだ巣に残ってるもう2羽の雛へのエサ運びでメス親は忙しい。


          珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その2)

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            巣穴入口、眠そうな目スズメフクロウ

            エサ捕りに疲れてるのか、小さな虫を銜えたまま巣穴入口で眠そうな顔してうとうとするメス親

             

            ロッキースズメフクロウは抱卵から雛の世話まで、ほとんど全てメスだけで行う。雄は抱卵中のメスにエサを運んで与えることと、トカゲやネズミ等の大きな獲物を捕獲し、メスに渡すだけで雛の面倒は一切みない。

             

             

            巣穴に入っていくスズメフクロウ

            メス親は巣穴入口で少しナップをした後、雛にエサを与え始めた。

             

             

            虫を銜えて巣穴から出る雌親

            大きな虫を銜えて巣から出て来るメス親

             

            スズメフクロウを観察し始めてから12日目、メス親の面白い行動が見られた。大きな虫を銜えて巣に入り、雛にはその虫を与えず、しばらくして虫を銜えたまま巣穴から出て行った。これは多分大きくなった雛の早い巣立ちを促すための行動と思われた。これによって、雛は腹を空かせ、一日でも早く巣から出ようとするのだろう。また、メス親がエサを持って巣穴に出入りする間隔が長くなってきたのもこのためと思われる。

             

             

            ネズミを捕えた雄親

            雄親がネズミを捕らえて巣の近くの枝に止まり、コールしてメス親に獲物を捕って来たことを知らせる。

             

            スズメフクロウは大きな獲物捕りはもっぱら雄親が行い、獲物を捕ると巣の近くのお気に入りの枝に獲物を持って飛んでくる。そして「フーフー」という独特な声でコールしながらメス親に知らせる。メス親は繁殖期にだけ出す甘えたような声でコールし、雄親の所に飛んで来て獲物を受け取り(雄が優しく与えるのではなく、メスが激しく分捕る…といった感じ)巣へ運び、それを細かく砕いて雛に与える。雄は捕った獲物を自分で巣へはけっして運んで行かないし、直接雛に獲物を与えることすらしない。

             

             

            トカゲを捕えた雄親

            大きなトカゲを捕えた雄親

             

            スズメフクロウは獲物を捕らえると、まず頭を自分で食べてしまうので残りの部分をメス親に渡していた。彼らの獲物の食べ方は、骨や翅の部分を食べないで肉の部分のみ食べる。そのため、他のフクロウたちが口から出す白いペリット状の塊をスズメフクロウはほとんど吐き出さないので、「ペリット」は非常に小さく巣の近くでもあまり見られない。

             

             

            トカゲを巣に運ぶ雌親

            雄親から受け取ったトカゲを巣へ運ぶメス親

             

             

            2匹目のネズミを捕えた雄親

            2匹目のネズミを捕った雄親

             

            先ほどネズミを捕ってから30分後、又しても大きなネズミを捕らえて巣の近くの枝に飛んで来た。こうして短時間の内に、雛が食べ応えある大きい獲物を次から次に捕って来ることは稀である。今日はきっと雛も満腹になってよく眠れるだろう…と思い、少しホッとした気持ちになった。

             

             

            欠伸をする雌親

            早朝からのエサ運びも一段落した昼頃、好みの枝に止まって片足上げて大きな欠伸をするメス親

             

             

            目を閉じて眠る雌親

            ついには目を閉じて眠ってしまったメス親、初夏の日差しが心地よさそうである。

             

             

            枝に止まって雛に声を掛ける雌親

            午後に入ると,メス親のエサ運びもしばし休憩。巣が良く見える近くの枝に止まって雛を見守り、時々雛に声を掛けてる。


            珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その1)

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              スズメフクロウ雌正面

              日本のキジバトの大きさしかない小型のロッキースズメフクロウ

               

              和名:ロッキースズメフクロウ 英名: Northern Pygmy - Owl  学名:Glaucidium californicum

              スズメフクロウは北米には4種類の亜種がいる。その内アリゾナで見られるのは写真の別名 " Californian Pygmy-owl " と呼ばれる " californicum " と、別名 " Rocky Mountain Pygmy-owl " と呼ばれる " ponicola " の2種類である。ほとんどのフクロウ類は夜行性であるが、スズメフクロウは昼間も活発に獲物を捕る。特に繁殖期は日中の活動が多くなる。フクロウ類の多くは左右の耳の位置が上下にづれているため非常に優れた耳を持っているが、スズメフクロウの耳は左右が同じ位置のため聴力はあまり良くない。その代わり素晴らしい視力を持っているので、日中の活動には適してるのだろう。

               

               

              スズメフクロウ右向き

              昼間でも活発に獲物探しをするロッキースズメフクロウ

               

              スズメフクロウは南アラスカからカナダのバンクーバーがある British Columbia, カリフォルニア、アリゾナ、北メキシコにかけて西側の幅広い地域に生息しているが、山の渓谷深い森の林縁を好み、葉の茂った大きな木の中で人目に付かないよう静かに枝に止まっていることが多いので、見るのがなかなか難しい。フクロウ類は多くが夜ないし明け方に鳴くことが多いが、スズメフクロウは日中でも特に早い朝はよく鳴く。口笛のような高い音色のよく透る声で「フーフー」と単純な調子で鳴く。

               

               

              風景スズメフクロウと巣の木

              ロッキースズメフクロウの巣穴(黄色の丸印)と雛を見張ってる雌親(赤い丸印

               

              6月、鳥ヤ仲間の友人から稀にしか見れないスズメフクロウの巣と雌親がエサ運びをしてるのを見たという情報を受け、さっそくマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) へ探鳥に出かける。ここは我が家から車で1時間南へ下った「マイフィールド」の一つで、年間よく通うスポットなので巣の場所を見つけるのには苦労しなかった。巣穴は細い渓流沿いに生えてる大きなスズカケノキ ( Arizona Sycamore ) のキツツキが開けた穴を利用していた。縦に穴が二か所あって中でつながっているが、雌親の出入りは下の穴だけであった。巣は地上から6メートルぐらいの高さで、雛が穴の入口近くまで出て来る様子や雌親がエサを持って巣へ出入りする姿は双眼鏡で十分見られる距離であった。

               

               

              スズメフクロウ巣穴入口雌親

              小さな獲物をくわえて巣穴に入ろうとしてる雌親

               

              スズメフクロウが捕らえる獲物は小さい動物から小鳥、トカゲ、ヘビ、大きい昆虫などで、特にネズミや小鳥類、大きな虫を好む。小さなフクロウでありながら非常に大胆で、自分の体の3倍近い大きな獲物(例えば鶏など)を捕食することもある。腹が膨れてくると捕獲した獲物の残りを枝に刺したり、木の洞に貯蔵しておく、所謂モズ類がよくやる「ハヤ二エ」と同じようなことをする面白い習性を持っている。

               

               

              スズメフクロウ雌親雛にエサ与え

              巣穴の中の雛にエサを与える雌親

               

              巣穴が深いので雛がエサを貰う姿は見えなかったのと、穴の中に何羽の雛が居るのかも判らなかった。「シリ、シリ、シリ・・・」という雛独特のよく響く声が複数穴の中から聞こえて来るので、2羽以上は居るのだろうと推測していた。

               

               

              スズメフクロウ雛眠ってる

              巣穴入口近くまで出てきて暖かい日に当たって心地よさそうに眠る雛。この時初めて雛の姿を見る。

               

              スズメフクロウを観察し始めて5日目、最初に生まれたと思われる大きくなった雛が巣穴の入口近くまで上がって来て眠ってる姿を初めて見ることが出来た。大きさから巣立ちはそんなに遠くないだろうと思った。

               

               

              スズメフクロウ雛巣の中で2羽重なってる

              2羽の雛が重なって巣穴からこちらを見ている。

               

              狭い巣穴の中で大きくなった雛が窮屈そうに動き回ってるのが想像出来たが、ついに巣穴の入口近くまで2羽が出てきて、仲良く重なり合うようにして大きな目でこちらを見ていた。

               

               

              スズメフクロウ雛巣穴から顔出す

              巣穴から思いっきり顔を出して外の景色を見る最初に生まれたと思われる雛。

               

               

              スズメフクロウ雛巣穴入口の虫を見る

              巣穴の入口下に止まる蜂を見つめる雛。旨そうだなーと見てるのか?、本能的に何だろう…と見てるのか?蜂が飛んで行くまで5分間ぐらい寄り目になるほどじーと見つめていた。

               

               

              スズメフクロウ雛首を回して上を見る

              首をぐるっと大きくまわして青い空を眺める雛。フクロウならではの仕草である。

               

               

              スズメフクロウの巣穴を覗くドングリキツツキ

              巣穴の元の持ち主と思われるドングリキツツキ ( Acorn Woodpecker / Melanerpes formicivorus )

               

              スズメフクロウは主にキツツキの古巣を利用する。今回観察してる巣は、ドングリキツツキが作り上げた巣をスズメフクロウが横取りして、底に敷いてある鳥の羽根のクッションを全部外へ出してしまい、自分で新たに集めたクッションを敷いて巣をリニューアルしたようだ。巣穴を観察中に2回ほど巣の元の持ち主と思われるドングリキツツキの雄が飛んで来て、巣穴の中や周りを盛んにチェックしていた。丁度スズメフクロウはエサ捕りに出かけて留守中、巣の中の雛はきっと底で小さくなってうずくまって静かにしているのだろう。争いもなくドングリキツツキは静かに飛び去って行った。


              庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (下)最終

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                雌親に甘える雛ノドグロハチドリ

                雌親に甘えるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雛

                 

                 

                飛ぼうとする雛ノドグロハチドリ

                雛は大きくなるにしたがって行動範囲が広がってくるので、巣からさらに遠くの木へ飛び移ろうとする。

                 

                 

                エサを貰う雛ノドグロハチドリ

                雌親からエサを貰う雛

                 

                ノドグロハチドリは花蜜を舐めるために長い舌には二筋の溝があり、毛管作用により花蜜をすくい上げ、下を引っ込めて花蜜を口の中へ流し込む。いわゆる花蜜を吸うのではなく舐めるのである。その舌を伸ばして花蜜を舐める速度は一秒間に13回から17回と大変早い。冬の寒い日は体重の3倍もの花蜜を一日に取るようだ。

                 

                 

                雌親の嘴を離さない雛

                食べ盛りの雛、「もっとエサをくれ!」と雌親の嘴を離さない。

                 

                 

                虫を捕る雌親と雛ノドグロハチドリ

                葉についてる虫をホバリングしながら捕えようとする雌親、それをじっと見上げてる雛

                 

                 

                ノドグロハチドリの主なエサは花蜜と虫である。花蜜を舐める時は、花の上でホバリングしながら長くて鋭い嘴を花の真ん中に深く差し込む。空中で虫を捕らえるため、やみくもに飛び出して行くこともちょくちょく見られる。また、葉に居る虫を激しくむしり取ることもあり、時にはクモの巣に引っ掛かってる虫を失敬して盗み取ることもある。

                 

                 

                エサを与える雌親ノドグロハチドリ

                生まれて一か月目の雛、すっかり大きくなって背中の緑色の光沢が美しい。

                 

                 

                一か月半経った雛ノドグロハチドリ

                生まれて一か月半経った雛。私を警戒する目も鋭く、雌親と変わらぬ大きさで立派な幼鳥である。

                 

                 

                巣離れして18日目の雛

                巣を離れて18日目、自分でもホバリングして花蜜を舐められるようになってきたので、いよいよ庭を離れて砂漠へ帰って行く。

                 

                ノドグロハチドリの渡りは6月末になると雄は早くも営巣地を離れ、雌は7月に入ると南へ下り始める。冬の間は主にメキシコ、南テキサスで過ごし、2月には南アリゾナに戻ってくる。


                庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (中)

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                  巣にうずもれるノドグロヒメドリ雛

                  孵化後17日目のノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雛。巣にうずくまり上を向いて雌親の戻って来るのを待つ。

                   

                   

                  雛にエサ与えるノドグロハチドリ雌親

                  雛にエサを与える雌親

                   

                  雌親だけで雛の世話をしなくてはならないので、大変忙しく巣に出たり入ったりする。今回は卵一つが孵らなかったので雛一羽だけであるが、ふつうは2羽の面倒を見るためもっと忙しい。それでも、5分に一度ぐらいの間隔でエサを持って巣に戻って来ていた。

                   

                   

                  巣の中の雛ノドグロハチドリ

                  孵化後22日目の大きくなった雛。目もしっかり開いてこちらを見ている。背中の翅も大分生えそろって、大きな翼が巣に入り切れず、飛行機の尾翼のように立っている。

                   

                   

                  雛の口奥深くエサ入れる雌親

                  雛にエサを与える雌親

                   

                  雌親は雛の口の奥深く嘴を入れてエサを与える。エサは虫に花蜜を混ぜ合わせ、それを流し込んでる。雛は喉に大分黒いすじ模様がはっきりしてきてるので、多分雄と思われる。

                   

                   

                  巣の横に出たノドグロハチドリ雛

                  巣立ちしたばかりの雛

                   

                  生まれて25日目、いよいよ巣(左)からジャンプするように飛び出て、初めて枝に両足で踏ん張って止まった。フラフラしながら細い枝に寄りかかって体を安定させてる。

                   

                   

                  雌親にエサをねだる雛

                  エサ取りから戻って来た雌親に強請る雛。

                   

                   

                  曲芸的なエサ与えノドグロハチドリ

                  雌親の曲芸的なエサ与え。

                   

                  雛は巣から離れて枝の上で初めてエサを貰う。オープンスペースが狭いのと止まれる枝がないので、雌親は細い枝に片足を引っ掛けホバリングしながらエサを雛に与えていた。

                   

                   

                  エサもらう雛・ノドグロハチドリ

                  雌親からエサを貰う雛

                   

                   

                  巣の枝から飛び出そうとする雛

                  安全のため出来る限り早く巣の近くから離れようとする雛

                   

                  雛はいよいよ初飛びの準備を始める。とにかく最初のステップは巣のある枝から別の枝へ移ることから始まる。まだきちっと畳めない翼が曲がったように上に突き出している不格好な姿である。

                   

                   

                  初飛び成功の雛・ノドグロハチドリ

                  初飛びに成功!

                   

                  上手く初飛びをして近くの別の枝に移れてほっとしている雛。「飛ぶ」というよりもバタバタ…と落ちる感じでひとまず巣の枝から離れることが出来た。これは雛が無事生き残れる最初のチャレンジである。


                  庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (上)

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                    ノドグロハチドリの雄

                    フィーダーに来るノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雄

                     

                    ノドグロハチドリは体長10センチ、体重はたったの3.1グラム、日本のメジロよりずーと小さい。西側の北はカナダの南ブリティッシュコロンビア(バンクーバーあたり)からテキサス、北メキシコまで大変幅広く生息している。また、標高の高さもかなりあって砂漠から高山の森林までで見られ、しかも町の郊外の庭などでも営巣するほど環境への適応性が高いハミングバードでもある。雄は頭と背中、腹がメタリックなグリーンで、黒のジョーゼット、そして喉に細い紫色のバンドがある。普通の光の下だとこの紫色のバンドは見るのが難しく、顎から喉にかけてはただ黒にしか見えない。

                     

                     

                    ノドグロハチドリの雌

                    思いっきり嘴をフィーダーの奥深く差し込んで砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) の雌

                     

                    雌は頭から背にかけては美しいグリーンで、白い喉に黒いスポットがあるだけのシンプルな色合いである。我が家の庭には今までコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) とアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の2種類しか営巣してなかったが、今年は初めてノドグロハチドリが巣を作って雛を育ててくれた。

                     

                     

                    巣に座るノドグロハチドリの雌

                    砂漠を象徴する灌木、ホップブッシュ ( Hopbush ) に巣を作ったノドグロハチドリの雌

                     

                    まだ冬の寒さの名残がある2月末、巣材運びをし始め巣作りを始めた。ノドグロハチドリは砂漠の鳥の中でもコスタハチドリと同じく営巣が早い。巣の高さは地上から1メートル30センチぐらいから2メートル80センチぐらいを好むようであるが、この巣は丁度私の目の高さぐらいであった。巣の周りと上下にはホップブッシュの花の房がぶら下がっており、巣の場所をわかりづらくするためのカモフラージュになっている。このような枯れた花の房や葉が下がっている木に巣を作るのがノドグロハチドリの特徴でもある。

                     

                     

                    巣に座るノドグロハチドリの雌親

                    雌はいよいよ産卵のために巣にしっかり座り始めた。

                     

                    巣は木の枝に並行に作られ、小さなガラスのカップのような形をしている。植物の繊維などを蜘蛛の糸で絡めて作り、外側はカモフラージュするため枯葉や植物の地衣が織り込まれてる。単独での巣作りから卵を温め孵化させ、しかも雛の世話まで全て雌一羽でする仕事である。一方、雄は縄張りの囀りをすることもなく、雌が巣作りを始めるといつの間にか巣の周りから消えていなくなってしまう、一夫多妻制である。

                     

                     

                    巣のある場所ー風景

                    玄関先の家の角にある庭木 ( Hopbush ) に巣は作られた。

                     

                    この木は昨年コスタハチドリが巣を作って雛を育てた同じ木である。この場所は東南に面して日当たりが良いのと、風が直接当たらない、また玄関先であるがコートヤード内にあるので散歩の人や犬が入って来れないなどのためか、ハミングバードに人気のある木である。

                     

                     

                    ノドグロハチドリの卵2個

                    雌が巣に座り始めて4日目、白い卵を2個確認。卵の大きさはコーヒーの豆ぐらいしかなく非常に小さい。

                     

                     

                    雛1羽と卵 1

                    卵の確認から13日後、雛一羽が誕生。黒い塊が頭の部分だろうと辛うじて判る程度。

                     

                     

                    雛1羽と卵 2

                    孵化して5日目の雛、まだ目が開いてないが、短い嘴が判る。背中に羽毛がまず生えてきてる。

                     

                     

                    雛1羽と卵 3

                    雛と残った卵

                     

                    最初の雛が生まれて10日目、まだ残ってる1個の卵はそのままなので、たぶん無精卵と思われる。雛は頭と背中に羽毛が少しづつ生えてきた。

                     

                     

                    ノドグロハチドリの雛

                    生まれて15日目の雛

                     

                    雛はだいぶ大きくなって目を開けているが、まだボヤーとしていて見えてないようだ。糞をする時だけ尻を上げて巣の外へ出す仕草をするが、その他はじっとしていてまったく動かない。雛の横にあった卵はいつの間にか消えてなくなっていた。雌親が割って外へ出した・・・と思われる。


                    暑中見舞い  2019年盛夏

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                      トロゴン雄

                      南アリゾナの夏を象徴する美しいウツクシキヌバネドリ ( Elegant Trogon )

                       

                      40度近い暑さが続く南アリゾナ・ソノラ砂漠より暑中お見舞い申し上げます。

                       

                      夏真っ盛りの南アリゾナはモンスーン期に入って南のメキシコから湿った空気が入り、砂漠の高温に温められて積乱雲ができ、午後から夕方にかけて猛烈な雷雨に見舞われる。" Isolated Thunderstorm  " と呼ばれるように、何処で起きるか予想がつかないので天気予報屋泣かせ、しかも限られた小さく狭い地域に集中的に叩きつけるような雨が降る場合が多い。極端な例だと、自分が立っている所が豪雨でも、道を挟んだ向こう側は全く雨が降ってなく陽が差してる・・・という不思議な光景にお目にかかることもある。

                      巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に落ちて来る稲光、真っ黒な積乱雲に稲妻が横に走る迫力ある光景、大平原にかかる虹の橋などスケールの大きい素晴らしいシーンが見られる。これらを求めて南アリゾナのソノラ砂漠、北アリゾナのグランドキャニオンに風景写真を撮るカメラマンたちが、色々な国や色々な州から集まって賑やかになるのもこのモンスーン期である。

                       

                       

                      トロゴン、ドアップ半身

                      ファインダーの中に入りきれないぐらいの近さから、しげしげと私を見てるウツクシキヌバネドリ ( Trogon elegans )

                       

                      日本のキジバト ( Streptopelia orientalis ) とほゞ同じ大きさ。数は多くなく、しかも北米では南アリゾナのごく限られた山の渓谷でしか見られないので、バーダーだけでなくエキゾティックな雰囲気を持っている鳥なので観光客にも人気がある。近年はツーソンの町から40分程で行けるマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) には毎年2組から3組の営巣が確認されてる。山の渓流沿いに生える大きなアメリカスズカケノキ ( Sycamore ) が好きで、6月に入ると求愛行動が盛んになり、早朝に独特な低いしゃがれ声で「グアーグアーグアー・・・」と何回も繰り返しながら渓流に沿って長い距離をパトロールする姿がみられる。大変好奇心の強い鳥で、時々静かに鳥見をしている人々の近くの枝に来て、じっとこちらを見てることがある。

                       

                       

                      トロゴン雌

                      クリンとした黒くつぶらな瞳が愛らしく、上品な美しさがあるウツクシキヌバネドリの雌

                       

                      雌は雄のはでやかさと違って全身がグレーぽい茶色の地味な色合いをしているのと、あまり鳴かないのでフィールドで見つけるのが難しい。ウツクシキヌバネドリは南アリゾナでは4月末から5月にかけてメキシコ、中央アメリカから渡って来て子育てを行い、9月か10月には離れてしまう。しかし近年は温暖化のせいか、一部冬でも南アリゾナに残っている個体が居る。

                       

                       

                      トロゴン後姿

                      ウツクシキヌバネドリの雄の後ろ姿は、頭のメタリックな耀きの緑と背中のブルーぽい緑色が美しく、そしてピンクのアイリングが実に可愛い。

                       

                      トロゴン ( Trogon )は しばしば樫の木 ( Oak ) の高い枝で数分間じっと動かずに止まっていることがある。枝に止まる姿は独特で、長い尾を真っ直ぐ下へおろして、直立したポーズをとることが多い。時々首を回して上を向いたり横を向いたりしながらエサとなる虫を探している。主なエサは昆虫と果実で、葉の裏についてる虫を見つけると、枝から飛び出しホバリングしながら捕まえて他の枝へ移って食べる。あと一ヶ月もすると、トロゴンは子育ても終わって静かになり、フィールドで探すのが少々難しく、マデラ渓谷 ( Madera Canyon ) を歩いていても、やがて過ぎ行く夏を惜しむような気持になる。



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