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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その5)最終

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    雌親に甘える雛
    雛は腹が膨れると雌親に甘えるしぐさをする。
    上を見つめる雛
    上をじっと見つめて懸命に雌親を探す雛
    嘴を付け合う雛と雌親
    背中の玉虫色の青銅色が美しい雌親

    ハミングバードは巣作りから抱卵、子育て全てメス親だけで行う、オスは一切協力しない、所謂「シングルマザー」なのである。メスが巣作りを始めるとオスは巣の周りから姿を消し、庭では全く見られなくなった。
     
    雛にエサを与える雌親
    黄色い花粉がべったりついてる嘴を雛の口の中へ入れエサを与えている。
    枝から落ちそうな雌親
    エサをもらう雛が「もっとくれ!」と言わんばかりに嘴を離さない。雌親は枝から落ちそうになり慌てて翼を広げバタバタする姿を見てて思わず笑ってしまった。
     
    雛にエサを与える雌親
    広い砂漠のフィールドではほとんど見ることが出来ない雌親のエサ渡しの姿であるが、今年は庭で子育てをしてくれたので、しっかり観察することが出来た。
     
    ホバリングしながらエサ渡し1
    雌親はホバリング(空中停止)しながら雛にエサを与える。ハミングバードが得意とする業である。
    ホバリングしながらエサ渡し2
    雌親の曲芸的なエサ渡し

    ハミングバードは飛ぶことが大変上手である。尾で舵を取りながら上下、左右、前方、後方、そして宙返りなど自由自在に飛ぶことが出来る。エサ取り方法はホバリングしながら花に長い嘴を差し込んで花蜜を舐める。この時の翼の羽ばたきは八の字を描きながら一秒間に80回以上と、目に留まらぬ速さである。
     
    雛の後ろでホバリングする雌親
    メス親はじっとして動こうとしない雛の周りをホバリングしながらぐるぐる回る。まるで「じっとしてないで、飛ぶ練習をしなさい・・・」と𠮟咤激励しているようである。
     
    羽ばたく雛
    雛はまず翼を広げてゆっくり羽ばたく練習から始めている。そして、もう一段遠くへ飛ぼうと試みる。

    ほとんどのハミングバードは冬になると中南米へ渡りをするが、アンナハチドリの多くは営巣が終わると一時的に西側のカリフォルニアへ移動し、夏の終わりごろにまた南アリゾナに戻って来る。
     
    チュパロサに止まる雛
    巣立ちした雛は夕方には飛ぶ距離を少し延ばして、花蜜が良く出るチュパロサまで来た。

    巣立ちして10日もたつと、雛は自分で花蜜を舐めようと努力し始める。まだ、花の前でホバリングする「力」が弱いので、細い茎に止まったまま花に嘴を入れ花蜜を舐める。アンナハチドリの平均寿命は8.5年(飼育下だと15年)で、小さい体としては長生きをする。

    ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その4)

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      コスタハチドリ雛初飛び
      巣から隣りの木へ、いよいよ雛の巣立ちの初飛行

      孵化してから20日目の4月18日朝、2羽のうち1羽が巣の淵に上がって2メートル横隣りの小灌木へ初めての飛行をした。「飛ぶ」と言うよりも、高い巣から低い枝へ小さな翼をバタバタさせながら落ちて行く・・・といった感じである。多くの小鳥たちは親が雛を誘導しながら巣立ちさせるが、ハミングバードは雌親がエサ取りで留守の間、雛は自分で決め、勇気を奮って「エイヤ!」といった感じで初飛びをしたように思えた。
       
      初めて枝につかまるコスタ雛
      巣から飛び降りやっと枝につかまる雛

      初飛びを決行したのは良いが、「枝に止まる」という動作は彼らにとってその次にやらなくてはならない難しい行動である。何しろ、体に触れた木の枝ならどれでもよいらしく、手当たり次第に足でつかむ・・・といった感じであった。
       
      こちらを見るコスタ雛
      枝につかまってやっと体勢を立て直すことが出来た。

      雛はバタバタしながらも枝にしっかりつかまって揺れる体を抑えることが出来た。一段落したところで周りを見渡し私の存在に気が付いたらしく、本能的に少し警戒をした顔でこちらを見ていた。
       
      雛の周りを飛ぶコスタ親
      雌親は暫くの間巣から離れた雛を探していたが、やっと細い枝にじっとしてる雛を見つけた。

      巣から出た雛を雌親はコール(地鳴き)しながら探す。雛はそれに返答するかのごとくコールするのであまり苦労せずに見つけることが出来た。巣を離れた雛と巣に残っているもう一羽の雛の2か所へのエサ運びは「シングルマザー}のメス親にとってますます忙しくなる。
       
      雛に近づくコスタ親
      雛は雌親が近づくと,鋭いきしるような声で「ジリジリ・・・」とコール(地鳴き)しながら自分の居場所を親に知らせる。
       
      嘴を付け合うコスタ雛と親
      細くて長い嘴を雛の嘴の先にくっつけて水を飲ませている。
      雛にエサ与えるコスタ親
      雛の口の中へ長い嘴を深く入れて花の蜜に小さい虫、そして水を混ぜて流し込んでいる。
      雛から離れるコスタ親
      巣立ちした雛へのエサ与えが終わると、巣に残っているもう一羽の雛へエサを与えるために飛んで行く。均等に2羽の雛にエサを与えなくてはならないので「シングルマザー」は忙しい。

      ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その3)

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        アンナハチドリの雄
        頭と喉、ジョーゼットが美しいアンナハチドリの雄

        アンナハチドリ雄のメタリックな深紅色はハッとするほど美しいが、陽に直接当たるか、興奮している時でないと輝かず、暗い日や日陰を飛んでる時は黒い色にしか見えない。雄のコートシップ(求愛行動)は猛烈で、40メートルも空中高く急上昇して、時速27メートルの凄い勢いで急降下する。最後は尾羽の外側を広げて「ジージージー)という大きな機械音を出す
         
        滝で水浴びアンナハチドリ雌
        滝の流れ落ちる水をホバリングしながら体に浴びる雌親

        ハミングバードの水浴びは、飲み水と同じく流れている水でないとダメ。ホバリング(空中停止)しながら少しづつ流れる水に近づき、しぶきを翼や体に浴びる。陽が当たって暑く成った巣の雛を濡れた体で冷やすために、雌親は体全体に水を浴びて直ぐ巣に戻って行く。日中の気温が30度を超すと、巣と滝の間を行ったり来たり何回も繰り返していた。
         
        巣に座る雌親
        雌親は翼を広げて直射日光から雛を守る

        4月中旬を過ぎると日中の陽射しは大変強く、気温も30度を超す日が多い。雌親はボディーと翼に水をたっぷり浴びて巣に戻り、翼を大きく広げて巣の上から被さって、強い日の光と高温から雛たちを守っている。
         
        巣のアンナハチドリ雛1
        翼、頭の羽が生えそろい、目もしっかり開けて上を向いてる2羽の雛

        アンナハチドリの雄はハミングバードの仲間ではめずらしくさえずりをする。声は良くないがギシギシした甲高い声で「ジージー」と鳴く。しかし、雄は巣作りはもちろん、抱卵、雛へのエサ与えなど子育てに関しては一切協力しない。雌が巣作りを始めると、その周りから姿を消し、別のメスを追い求める。
         
        巣のアンナハチドリ雛2
        左側の大きな雛はアンナハチドリメスの特徴である喉のジョーゼットの小さい部分が既にポチンと見られる。また、右側の雛の喉は既に白黒の縞模様が見られるので多分オスと思われる。
         
        巣の全体像
        雌親が雛にエサを与える時、必ず好きなスポットの枝に止まる。その枝先から、私も巣の雛たちを見てみた。

        4月は午後になると北西の強い風が吹く日が多い。時々風速80キロの突風が吹くこともあり、巣のある小灌木は大きく揺れて、巣がかなり斜めになるので雛が巣から落ちるのでは?・・・とハラハラさせられる。こんな時メス親は巣に座っておることが出来ず、近くの揺れの少ない木へ移動して、じっと風が弱まるのを待ちながら雛たちを見守っている。雛たちは姿勢を低くしてペチャンコに伏せ巣にうずもれる格好で巣から落ちないよう踏ん張っている。夜中に強風が吹く音で目が覚めることがあるが、雛たちは大丈夫かな?…と心配で眠れないこともある。

        ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その2)

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          卵2個アンナハチドリ
          巣に雌が座りだしてから3日目、2個の卵を確認

          3月21日雌親がエサ取りで巣を留守にしている間、失敬して産まれたばかりの卵2個を撮影。斑点模様などが全くない真っ白な卵である。楕円形をした卵は縦1.27センチ、横0.76センチの小ささであった。
           
          雛の誕生
          卵が割れて中からヒナが現れる

          卵から出たての雛は全く毛が生えておらず、体の色は茶色である。しかし、半日も経つと体の色は全身黒く変色した。卵の手前の黒い物体は先に生まれた雛で、すでに体色は全身が黒く変わっている。
           
          アンナハチドリの雛
          巣の底にべったりへばりついてる2羽の雛

          卵から出てきて4日目、翼の翅の白い軸になる部分が見られる。まだ翅らしきものは生えておらず、目も開いていない。巣の中で足を延ばすことも出来ないので、巣の底でペチャンコになっている。
           
          アンナハチドリの雛2
          孵化後10日目、やっと顔と嘴が上に向いて巣から出ているのが分かる

          雛はハミングバードにしては大変嘴が短い。雌親がエサを与えやすいような形をしているのである。しかし、独り立ちする頃には、花の奥深く嘴を差し込めるよう親と同じ細く長い形になる
           
          花蜜を舐めるアンナハチドリ
          雌親はサルビア ( Salvia ) の花に長い嘴を入れて花蜜を集め、喉の奥の袋に貯める

          庭にはハミングバードの好きな花が咲く Desert Willow の木、サルビア、チュパロサ ( Chuparosa ), ハニーサックル ( Honeysuckle ), バイオレットセイジ ( Sage ), レッドジャスティシア ( Justicia ) などいろいろな種類の植物が植えられてるが、特に花蜜が濃い赤いサルビアの Red Velvet を好み、雛に与える時は花の蜜に虫を混ぜて水と一緒に与えている。
           
          空高く飛ぶアンナハチドリ
          空中高く舞い上がり、飛んでる虫を長い嘴を開いて捕える

          多くのハミングバードの主なるエサは花蜜であるが、アンナハチドリは虫や蜘蛛類が多く、時には蜘蛛の巣に引っかかってる虫を引っ張って捕ることもある。虫の中でも、雛に与えるエサは主にユスリカやヨコバエで、何と一日に2000匹以上捕るようだ。
           
          滝の水を舐めるアンナハチドリ
          鳥や動物の水飲み場用の滝、流れる水を長い舌で舐めている雌親

          ハミングバードは溜まってる水はあまり好まず、水を飲む時や水浴びをする時も流れる水を好む。繁殖期には雌親は水を一旦喉の袋に入れて雛に与えている。雛を育てる間は通常よりも花蜜、虫などを捕る量が多くなるためか、いつもより頻繫にやって来る。

          ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その1)

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            フィーダーに止まるアンナハチドリ
            フィーダーに止って休むアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) 雌

            アンナハチドリは20世紀初め頃まで、メキシコのバハカリフォルニア半島と南カリフォルニアの太平洋沿岸にしか生息していなかった。近年になって北はカナダそして内陸の南アリゾナまで生息地域を広げ、数も増えてきている。特に町の公園や郊外の住宅街に外国種の観賞植物を植えたり、ハミングバード用のフィーダーを掛ける所が増え、しかもアンナハチドリの外来植物の花蜜やフィーダーの砂糖水への適用性が高いこともあって、今では南アリゾナでも一年間見られ、毎日の生活でも大変身近な庭の鳥の一種となった。
             
            砂糖水を舐めるアンナハチドリ
            吸い口に長い嘴を入れ長い舌でフィーダーの砂糖水を舐めるアンナハチドリ ( Calypte anna ) の雌

            英名 " Anna's " の由来は19世紀のイタリア侯爵夫人の名前。ハミングバードは蜜を吸うことが出来ないので、長い嘴を花やフィーダーの吸い口に差し込んで、長い舌の先にある薄い膜で蜜を捉えて舐める。舐める速さは大変早く、一秒間に13回という早業である。
             
            アンナハチドリの巣作り
            アンナハチドリの雌が綿のような植物の繊維と蜘蛛の糸を混ぜて巣作りをする。

            3月10日、アンナハチドリの雌が巣材を運んで巣作りを始めたのを確認。巣の周りの淵を作る時は、こうして座ってぐるぐる回りながら作っていく。巣の高さは3センチほどしかない小さなものであるが、一週間で完成させる。
             
            アンナハチドリの巣作り2
            丁寧に嘴で巣の外側を抑え込んでいく

            巣作りは雌だけで行い、雄は一切協力しない。木の繊維、鳥の羽毛、動物の毛、小さい枝の欠片、時にはペンキの剝がれた欠片や煙草の紙などを蜘蛛の糸でくっつけていく。巣は地面から2メートルほどの高さで、直径5センチの楕円形をしている。苔の生えた枝のこぶのように見えるので、よくカモフラージュされている。
             
            巣から飛び立つ姿
            誰も手助けしてくれない巣作り、朝から夕方まで何回も巣材集めに巣から飛び出しては戻ってくる忙しい一日である。
             
            寝室の窓と巣の木
            巣は寝室の窓の前の小さな灌木 ( Butterfly Bush ) に作られた。赤い矢印が巣の場所。

            春のこの時期は気候も素晴らしいので、巣のすぐ右側のポーチで朝のコーヒーを飲んだり、昼食を取ったり、夕方には友人たちとワインを飲んだりするのでガヤガヤと騒々しい所であるが、アンナハチドリは一向に気にすることなく、巣作りに励んでいた。
             
            上から見る出来上がった巣
            雑だがほぼ巣は出来上がった。しかし、卵はまだ見られない。
            巣に座るアンナハチドリ
            3月19日アンナハチドリの雌は卵を産むため巣に座り始めた

            ハミングバードは世界で最も小さい鳥のグループで、体長は7.5センチから13センチ程度(アンナハチドリは10センチ)、重さも2グラムから20グラムほどしかない。新世界(アメリカ大陸)のみに生息する鳥で、341種類おり、その内北米で見られるのは21種類である。翼を羽ばたいてる時に「ブーン、ブーン・・・・」と蜂に似た羽音を出すので和名は「ハチドリ」、そして、人がハミングするような音なので英名は「ハミングバード ( Hummingbird ) 」と呼ばれる。

            庭の花に集まるハミングバード その2

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              コスタハチドリとペンストムの花
              ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) の蜜を舐めるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) メス。

              南アリゾナの本格的な冬は12月末頃から1月いっぱいと大変短いので、ペンステモンのような早咲きの花は2月の中旬には咲き始める。蜜の出る花が少ない冬の間はフィーダーの砂糖水に頼っていたコスタハチドリも、ピンク色のペンステモンの花が咲き出すと、だんだんフィーダーに来る回数が少なくなってくる。
               
              コスタハチドリ正面
              ​枝先で侵入者を見張っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) オス。

              ​コスタハチドリは体長9センチの小さなハミングバードであるが、陽の光に当たると首のまわりの大きな長いジョーゼットが紫色に光って大変美しい。コスタハチドリは非常に縄張り意識が強く、いつも木の梢や枝先の見晴らしの良い所に止まって、庭に入って来る他のハミングバードをチェックしている。侵入者が花蜜を求めて庭に入って来ると、素早く見つけて徹底的に追い回し、時にはホバリングしながら見合って長い嘴をカチカチとぶっつけ合うこともある。小さいくせに、とにかく気性が激しく、見ていてもすごい迫力ある戦いを繰り広げることがある。
               
              コスタハチドリ滝の水飲み
              滝の流れる水を上手に舌で舐めるコスタハチドリのメス。

              ​ハミングバードは花蜜を舐めるので喉が乾くのだろうか・・・?ちょくちょく水を飲みにやって来る。通常、鳥たちはポットの淵に止まって溜まってる水を飲むが、ハミングバードは流れる水が好きで、ホバリングしながら嘴の’先を流れてる水につけて、長い舌で実に器用に舐める。
               
              コスタハチドリ滝の水浴び
              ​滝の水に顔を擦りつけて水浴びするコスタハチドリのメス。

              ​ハミングバードは長い嘴を花の奥に入れて蜜を舐めるので、嘴のまわりや顔に花粉が付いて黄色くなっていることが多い。そのため、ちょくちょく顔を水に擦りつけることがあり、特に5月・6月の乾燥している「ドライサマー」時にはよく見られる。
               
              フィーダーのノドグロハチドリ 1
              ​フィーダーの砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) のオス。

              ​ノドグロハチドリは北米ではテキサス州から西側でしか見られないハミングバードである。冬は中南米で過ごす渡り鳥なので、庭で見られるのは春、秋の渡りの時が多く、しかも、フィーダーに来る姿を見るのがほとんどである。しかし、近年、温暖化のせいで、中南米へ降りて行かずに南アリゾナで越冬する個体もおり、1月末の寒い「大寒」の頃でも庭で見られる。庭にはハミングバード用のフィーダーが3個掛けてある。ハミングバードは非常にテリトリー意識が強いので、3個を近づけて並べて掛けると、1羽が全部を占領してしまって色々な種類が見れなくなる。そのため我が家では、庭の正面と家の両側にそれぞれ離して1個づつ掛けてある。これだと庭木と小灌木に隠れてお互いが見えないため、数多くのハミングバードを呼ぶことが出来るようになった。
               
              フィーダーのノドグロハチドリ 2
              蜜蜂が足元に来たので驚くノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) 。

              ​ノドグロハチドリは遠くで見ると喉が黒くて地味であるが、明るい光の中でしかも近くで見ると、黒い喉の下の小さな美しい紫色のバンドが光って見える。庭ではほとんどフィーダーの砂糖水を舐めてる姿が多いが、時々空中を飛んでいる虫をフライングキャッチもすることがある。
               
              庭のポーチ
              ​庭に面してるポーチのガラス窓やガラスドアーはすべてスクリーンがはめ込まれている。

              ​私にとって庭のポーチは、庭に来る鳥たちや蝶などを驚かさずに、ゆっくり観察したり写真を撮ったりするのに非常に役立つ重要な場所である。しかし、アリゾナは一年のほとんどが青空の毎日で、太陽の光がさんさんとふりそそぐリゾート地なので、ほとんどの家は窓が大きく、しかも窓ガラスには紫外線除けのフィルムが入っている。そのため、庭の木や青空などがガラスに映ってしまい、特にテリトリー意識が強いハミングバードが侵入者を追い回してガラスに激突する事故が多い。我が家ではそれを防ぐため、すべての窓ガラス、ガラス戸にはスクリーンが付けてある。そのおかげで、これを付けてからバードストライクは皆無となった。

              庭の花に集まるハミングバード その1

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                アンナハチドリとジャスティシア

                Red Justicia ( Justicia candicans ) の花蜜を舐めるアンナハチドリのオス ( Anna's Hummingbird )

                ​庭にやって来る鳥たちの中で最も愛らしいのは、やはりハミングバード(ハチドリ)である。体長9センチから13センチほどの小さな鳥で、南の強くて明るい太陽光に当たるとメタリックに耀き、ハッとして息をのむほど美しい。
                 

                アンナハチドリとチュパロサ

                ​ホバリングしながら Chuparosa ( Justicia californica ) の花の奥深く嘴を入れるアンナハチドリ (Calypte anna )

                ​毎年、春と秋の渡りの途中、庭に寄って花の蜜やフィーダーの砂糖水を舐めて行く4種類を加えると、6種類のハミングバードを見ることが出来る。その内、アンナハチドリとコスタハチドリの2種類はソノラ砂漠の留鳥で、一年中毎日庭にやって来るし、夜には大きな灌木の中で寐ていることもある。また、春には小さな庭木で営巣するのもおり ( Categories - ハチドリ・ハミングバード「ハミングバードの子育て2015年」)、子育てする姿や可愛いヒナを見ることが出来る。
                 

                枝先のアンナハチドリ
                ​興奮すると頭と首、喉が見事な金属光沢のピンクに輝くアンナハチドリのオス


                ​アンナハチドリはもともとカリフォルニアを中心とする太平洋沿岸地帯にだけ生息するハミングバードであった。しかし、ハチドリの中でも一番フィーダーの砂糖水への適応力に優れていたので、近年、人家の庭や町の公園などにフィーダーを掛けるところが多くなり、彼らの生活拠点も徐々に内陸へ移動していった。今ではアリゾナでも、一年中庭で見られるポピュラーなハミングバードである。
                 

                滝とアンナハチドリ
                ​流れる滝の水を飲もうとするアンナハチドリのメス。


                ​ハミングバードは水が大変好きで、特にアンナハチドリは溜まっている水より滝のように流れてる水を好むようである。彼らはこうしてホバァリングしながら、岩の上を流れる水や下に落ちていく水を長い舌を使って舐めるように飲むのが上手である。
                 

                体をこするアンナハチドリ
                ​しっとり濡れた庭木の枝で体を擦るアンナハチドリのメス。


                ​夏の暑い日、雷雨が降り始めると、雨の中でホバァリングしながら水浴びをしている姿を時々見かけることがある。とにかく、アンナハチドリは好奇心が強いのと、流れる水が好きなので、早朝、庭木や花にホースで水をかけていると、ホバァリングしながら水に乗るような格好で滑るように流されて行く面白い姿を時々見せてくれる。まさに愛嬌があって可愛く一緒に遊んでいるような楽しい気持ちにさせられる。
                 

                顔をこするアンナハチドリ
                痒いのか?水に濡れた枝に盛んに顔を擦りつける。


                ​40度を超す日が続くと、砂漠のハミングバードもこたえるらしく、一日に何回も水場にやって来る。ホースの水かけで濡れた枝に体や顔を擦りつけている姿はフィールドではほとんど見られない、実にユーモアラスな格好で思わず吹き出してしまう。
                 

                昼寝のアンナハチドリ

                ​アンナハチドリは午後になると、ポーチのテーブルの上に置いてある小さなポットの植木で昼寝をする。

                ​真夏の砂漠の庭は午後になると大変熱くなる。庭に直接太陽が当たり始めると、涼しさ求めて日陰になっているポーチの中に入って来る。ここは日中は人が出入りしないのと、直射日光を遮るために日よけのスクリーンが下げてあるのでハミングバードにとってはまさにシエスタの場所であろう。


                ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (最終)

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                  巣のメス親と雛2羽
                  巣立ちそして初飛びに疲れてしまった雛は巣に戻って座り込む。

                  いさぎよく巣立ちしたものの、まだ体力のない雛は直ぐへたばり巣に戻ってしまった。2羽の雛がメス親からエサをもらう姿はこれが最後であった。
                   
                  ホバリングしながらエサを与える
                  巣で見る親子3羽のコスタハチドリの最後の姿。

                  巣立ちした後、砂漠へ飛んで行った雛が、どのようにしてメス親からエサをもらっているのか今だに専門家の間でも判らないらしい。何しろ広い砂漠の’中、ほとんど鳴くこともなく移動する雛を探しながらエサを与えるメス親の能力の高さは驚異である。
                   
                  巣で伸びをする雛
                  巣に残ったもう1羽の雛も、のびをして本格的な巣立ちの準備を始める。

                  それにしても、雛の翼がやたら大きいのには驚いた。ハミングバードが非常に飛ぶことに長けていて、やがてこの雛も色々な難しい飛び方をするようになるのが想像出来る。特にディスプレー(求愛飛行)の時は、翼を1秒間に200回も羽ばたいて時速60キロ以上のスピードで急降下する。また、時には前後、逆さまに自由に飛ぶことが出来、しかも尾羽を広げて宙返りもすることが出来るので軽業師のようで見ていても楽しい。
                   
                  羽ばたきながら枝を歩く雛
                  翼を拡げ、バランスを取りながら枝先を歩く雛。

                  巣に残っていた雛も、前日すでに巣立って行った兄貴分の雛と同じように、翼を拡げ飛ぶ訓練をしながらバタバタ’’’’’’’とブーゲンビリアの枝先へ移って行った。
                   
                  雛の初飛び
                  最後の巣立ち雛が生まれて初めて飛び立った瞬間。

                  最初の雛の初飛びの時は「上手くいくか?’’’’’’」心配でハラハラしながら緊張して見たが、2羽目のこの雛の初飛びはゆっくり観察することが出来た。
                   
                  オコティヨに止まる雛
                  棘トゲのオコティーヨ ( Ocotillo ) の枝に、体当たりしてしがみつくようにやっと止まることが出来た。

                  一ヶ月以上毎日のように朝、昼、夕とつき合って、雛が育っていく姿をたっぷり見せてくれたコスタハチドリ、私にとってますます身近な鳥となり、しかも、共にソノラ砂漠に暮らす「生きもの」だなーとつくづく感じている。
                   
                  古巣を見上げる雛
                  生まれて一ヶ月以上を過ごした古巣を見上げる雛。

                  巣を離れた雛が、今まで過ごした巣を懐かしそうに見上げている姿は実に印象的であった。ハミングバードの寿命は3年から5年と短いが、この雛たちも庭に咲いている花の蜜を舐めに、またフィーダーの砂糖水を舐めにきっとすぐ戻って来るであろう。
                   
                  コスタハチドリのオス
                  コスタハチドリのオス。

                  オスは興奮すると頭の羽と長いジョーゼットを青紫に光らせる。しかし、この色鮮やかなオスは子育てにまったく協力せず、メス親が雛を育ててる間は巣の周りにもいないので一度も見ることがなかった。雛のことなど我関せずで、庭の花の周りを飛び回って蜜を舐めていた。

                  ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その5)

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                    エサ与えるメス親、背中姿
                    巣立ち目前の雛たちにエサを与えるメス親。

                    こうした雛たちとメス親の微笑ましい姿が見られるのも今日、明日ぐらい’’’’’’’と思われる。日々変化していく雛たちを毎日眺めることが出来た喜びと満足感は実に大きなもので、このコスタハチドリのメス親に感謝したい。
                     
                    巣の雛2羽
                    孵化して25日が経った巣立ち直前の雛たち。

                    いよいよ巣立ちの日は目の前である。嘴もかなり長くなり翼も太く大きい。背中の緑色もメス親に近いぐらい濃く、まさにハミングバードの姿となってきた。
                     
                    雛、巣立ち準備
                    いよいよ巣立ちの準備を始めた最初に生まれた雛。

                    生まれて27日目、最初に卵から出て来た兄貴分の雛が巣の淵に立ってこれから飛び出して行く下界を眺めながら巣立ちの準備をしている。
                     
                    巣立ち雛、枝先へ登る
                    巣を離れた雛は最初の飛び立ちを前に不安げにまわりを眺めている。

                    最初に生まれた大きい雛がいよいよ巣から離れ、バタバタしながらブーゲンビリアの枝先へ移動して行った。雛が巣から飛び立つ最初のフライトは、ほとんどメス親が巣を離れている留守の時が多いようである。この謎の理由は今だに解明されてないようだが’’’’。
                     
                    最初の雛の飛び立ち
                    雛が生まれて初めて飛び立った瞬間。

                    雛はメス親から飛び方を教わることもないのに、しっかりと翼を広げ足を縮めて上手に飛び上がった。思わず拍手をしてしまったぐらい嬉しくて興奮した瞬間であった。こうした自然界の小さな「生きもの」の営みが、身近な日常生活の中で見れる喜びを感じられることに感謝をする日々である。
                     
                    巣立ち雛、初めて幹に止まる
                    上手く飛んだ後、ひっしの思いで枝にしがみつく雛。

                    雛の最初の飛行はやはり短く、1メートルほどで近くの枝にしがみつくようにして止まれた。ハチドリの雛にとって最初のフライトの大きな問題は飛ぶことではなく、木の枝に止まることであるらしい。雛の足はまだ強くないので木に止まる能力が低く、これから毎日のように訓練してその能力を高めていくのであろう。
                     
                    巣立ち雛に近づくメス親
                    巣を離れたばかりの雛にエサを持って近づくメス親。

                    巣から離れてしまった雛にメス親はどうやってエサを与えるのか’’’’’’’?興味があったのでしばらく眺めることにした。何しろ雛は一切声を出さないので、メス親は巣のまわりを飛びながら雛を探す。幸いにもハチドリは大変目が良いので、すぐ雛を見つけることが出来る。
                     
                    巣立ち雛にエサ与えるメス親
                    ホバリングしながら雛にエサを与えるメス親。

                    雛はすでに巣を離れて近くの細い枝にいる。メス親は近くの枝に止まってエサを与えることが出来ないので、こうしてホバリングしながらエサを雛に与えていた。何しろ、ハチドリはホバリングが大変得意である。翼を前に動かし翼の先を180度回転させて再び動かす。この動きの時は翼の先は丁度八の字を描くように動いている。しかも翼を動かす速さは一秒間に80回転というから驚異の速さである。
                     
                    巣立ち雛と巣に残る雛
                    先に巣を離れた兄貴分の雛(左下)とまだ巣に残っている遅組の雛(右上)。

                    左下に巣立ったばかりの雛、そして右上の巣にはもう一羽の雛がまだ残っている。巣に残っている出遅れ「ヒナ」も巣立ちの準備体操の伸びをしているのが見える。先に巣立った雛が巣からこれだけ移動するのに1時間近く掛かっている。彼らにとって巣立ちという行為がいかに大変でしかも慎重に行われるか’’’’がよく判った。

                    ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その4)

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                      巣と雛と風景
                      コスタハチドリの雛たちが巣から眺めてる風景。

                      産まれて3週間も経過すると2羽の雛ともすっかり大きくなって、巣のすぐ前の歩道を散歩する人々や車道を行く車を興味しんしんにじっと眺めている。もちろん巣の横のガレージを出入りする私もじっと睨みつけられるが’’’’’。
                       
                      くつろぐ雛とメス親
                      エサ運びに疲れると、メス親は雛と一緒に巣でくつろいでいる。

                      雛が大きくなるにつれ狭くなった巣、窮屈になった巣でも時々こうしてボーとしているメス親の姿を見かけることがある。花の奥深くまで嘴を突っ込んで花の蜜を舐めるため、嘴の根元が花粉で黄色くなっている。
                       
                      巣の雛 1
                      巣立ちが間近にせまった雛2羽。

                      頭や背中の羽もすっかり密にはえ、翼も一段と大きくしっかりして何時でも飛び出せるように見える。目も良く見えるらしく、まだ警戒心はないようだが、私をじっと見ている。
                       
                      エサもらう雛
                      短い嘴を大きく開けてエサをもらう雛。

                      メス親は長い嘴を雛の喉深く差し入れ、集めた花密と虫を吐きもどして入れてやる。このため雛の嘴は親の長い嘴が入り易いように非常に短い。
                       
                      ホバリングしながらエサを与えるメス親
                      ホバリングしながら雛にエサを与えるメス親。

                      雛が2羽とも大きくなり巣もパンパンと膨れてメス親も巣の淵に止まることが出来ず、こうしてホバリングしながらエサを与えることが多くなる。多くの小鳥の雛たちは、通常親がエサをもって巣に戻って来ると大きな口を開けて「シーシー」とか「ジャージャー」とか大声を出して鳴くが、ハチドリの雛はいっさい声を出さない。彼らは鳴くことが出来ないのである、ハチドリは成鳥でも警戒する時に小さく地鳴きをすることがあるが、さえずる声は聞いたことがない。
                       
                      巣の雛 2
                      巣から今にもこぼれ落ちそうなぐらい大きく育った2羽の雛。

                      産まれて25日目、雛たちは体が一回り大きくなり目もしっかりしてこちらをじっと見つめている。私が良く見えるようで、左右に動くと彼らも首を振って私を追う。しかし、まだ警戒心が薄く、そばに寄っても静かに巣に座っている。
                       
                      雛の上に座り込むメス親
                      2羽の雛の上に座り込むメス親。

                      早朝からのエサ運びに疲れたのか、雛の上にどかーんと座り込んだメス親。日に日に大きくなっていく雛で巣ははち切れそう。とうとうメス親が止まる場所さえなくなってしまった。


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