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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (下)最終

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    雌親に甘える雛ノドグロハチドリ

    雌親に甘えるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雛

     

     

    飛ぼうとする雛ノドグロハチドリ

    雛は大きくなるにしたがって行動範囲が広がってくるので、巣からさらに遠くの木へ飛び移ろうとする。

     

     

    エサを貰う雛ノドグロハチドリ

    雌親からエサを貰う雛

     

    ノドグロハチドリは花蜜を舐めるために長い舌には二筋の溝があり、毛管作用により花蜜をすくい上げ、下を引っ込めて花蜜を口の中へ流し込む。いわゆる花蜜を吸うのではなく舐めるのである。その舌を伸ばして花蜜を舐める速度は一秒間に13回から17回と大変早い。冬の寒い日は体重の3倍もの花蜜を一日に取るようだ。

     

     

    雌親の嘴を離さない雛

    食べ盛りの雛、「もっとエサをくれ!」と雌親の嘴を離さない。

     

     

    虫を捕る雌親と雛ノドグロハチドリ

    葉についてる虫をホバリングしながら捕えようとする雌親、それをじっと見上げてる雛

     

     

    ノドグロハチドリの主なエサは花蜜と虫である。花蜜を舐める時は、花の上でホバリングしながら長くて鋭い嘴を花の真ん中に深く差し込む。空中で虫を捕らえるため、やみくもに飛び出して行くこともちょくちょく見られる。また、葉に居る虫を激しくむしり取ることもあり、時にはクモの巣に引っ掛かってる虫を失敬して盗み取ることもある。

     

     

    エサを与える雌親ノドグロハチドリ

    生まれて一か月目の雛、すっかり大きくなって背中の緑色の光沢が美しい。

     

     

    一か月半経った雛ノドグロハチドリ

    生まれて一か月半経った雛。私を警戒する目も鋭く、雌親と変わらぬ大きさで立派な幼鳥である。

     

     

    巣離れして18日目の雛

    巣を離れて18日目、自分でもホバリングして花蜜を舐められるようになってきたので、いよいよ庭を離れて砂漠へ帰って行く。

     

    ノドグロハチドリの渡りは6月末になると雄は早くも営巣地を離れ、雌は7月に入ると南へ下り始める。冬の間は主にメキシコ、南テキサスで過ごし、2月には南アリゾナに戻ってくる。


    庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (中)

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      巣にうずもれるノドグロヒメドリ雛

      孵化後17日目のノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雛。巣にうずくまり上を向いて雌親の戻って来るのを待つ。

       

       

      雛にエサ与えるノドグロハチドリ雌親

      雛にエサを与える雌親

       

      雌親だけで雛の世話をしなくてはならないので、大変忙しく巣に出たり入ったりする。今回は卵一つが孵らなかったので雛一羽だけであるが、ふつうは2羽の面倒を見るためもっと忙しい。それでも、5分に一度ぐらいの間隔でエサを持って巣に戻って来ていた。

       

       

      巣の中の雛ノドグロハチドリ

      孵化後22日目の大きくなった雛。目もしっかり開いてこちらを見ている。背中の翅も大分生えそろって、大きな翼が巣に入り切れず、飛行機の尾翼のように立っている。

       

       

      雛の口奥深くエサ入れる雌親

      雛にエサを与える雌親

       

      雌親は雛の口の奥深く嘴を入れてエサを与える。エサは虫に花蜜を混ぜ合わせ、それを流し込んでる。雛は喉に大分黒いすじ模様がはっきりしてきてるので、多分雄と思われる。

       

       

      巣の横に出たノドグロハチドリ雛

      巣立ちしたばかりの雛

       

      生まれて25日目、いよいよ巣(左)からジャンプするように飛び出て、初めて枝に両足で踏ん張って止まった。フラフラしながら細い枝に寄りかかって体を安定させてる。

       

       

      雌親にエサをねだる雛

      エサ取りから戻って来た雌親に強請る雛。

       

       

      曲芸的なエサ与えノドグロハチドリ

      雌親の曲芸的なエサ与え。

       

      雛は巣から離れて枝の上で初めてエサを貰う。オープンスペースが狭いのと止まれる枝がないので、雌親は細い枝に片足を引っ掛けホバリングしながらエサを雛に与えていた。

       

       

      エサもらう雛・ノドグロハチドリ

      雌親からエサを貰う雛

       

       

      巣の枝から飛び出そうとする雛

      安全のため出来る限り早く巣の近くから離れようとする雛

       

      雛はいよいよ初飛びの準備を始める。とにかく最初のステップは巣のある枝から別の枝へ移ることから始まる。まだきちっと畳めない翼が曲がったように上に突き出している不格好な姿である。

       

       

      初飛び成功の雛・ノドグロハチドリ

      初飛びに成功!

       

      上手く初飛びをして近くの別の枝に移れてほっとしている雛。「飛ぶ」というよりもバタバタ…と落ちる感じでひとまず巣の枝から離れることが出来た。これは雛が無事生き残れる最初のチャレンジである。


      庭で初めて子育てをしたノドグロハチドリ 2019年春 (上)

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        ノドグロハチドリの雄

        フィーダーに来るノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) の雄

         

        ノドグロハチドリは体長10センチ、体重はたったの3.1グラム、日本のメジロよりずーと小さい。西側の北はカナダの南ブリティッシュコロンビア(バンクーバーあたり)からテキサス、北メキシコまで大変幅広く生息している。また、標高の高さもかなりあって砂漠から高山の森林までで見られ、しかも町の郊外の庭などでも営巣するほど環境への適応性が高いハミングバードでもある。雄は頭と背中、腹がメタリックなグリーンで、黒のジョーゼット、そして喉に細い紫色のバンドがある。普通の光の下だとこの紫色のバンドは見るのが難しく、顎から喉にかけてはただ黒にしか見えない。

         

         

        ノドグロハチドリの雌

        思いっきり嘴をフィーダーの奥深く差し込んで砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) の雌

         

        雌は頭から背にかけては美しいグリーンで、白い喉に黒いスポットがあるだけのシンプルな色合いである。我が家の庭には今までコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) とアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の2種類しか営巣してなかったが、今年は初めてノドグロハチドリが巣を作って雛を育ててくれた。

         

         

        巣に座るノドグロハチドリの雌

        砂漠を象徴する灌木、ホップブッシュ ( Hopbush ) に巣を作ったノドグロハチドリの雌

         

        まだ冬の寒さの名残がある2月末、巣材運びをし始め巣作りを始めた。ノドグロハチドリは砂漠の鳥の中でもコスタハチドリと同じく営巣が早い。巣の高さは地上から1メートル30センチぐらいから2メートル80センチぐらいを好むようであるが、この巣は丁度私の目の高さぐらいであった。巣の周りと上下にはホップブッシュの花の房がぶら下がっており、巣の場所をわかりづらくするためのカモフラージュになっている。このような枯れた花の房や葉が下がっている木に巣を作るのがノドグロハチドリの特徴でもある。

         

         

        巣に座るノドグロハチドリの雌親

        雌はいよいよ産卵のために巣にしっかり座り始めた。

         

        巣は木の枝に並行に作られ、小さなガラスのカップのような形をしている。植物の繊維などを蜘蛛の糸で絡めて作り、外側はカモフラージュするため枯葉や植物の地衣が織り込まれてる。単独での巣作りから卵を温め孵化させ、しかも雛の世話まで全て雌一羽でする仕事である。一方、雄は縄張りの囀りをすることもなく、雌が巣作りを始めるといつの間にか巣の周りから消えていなくなってしまう、一夫多妻制である。

         

         

        巣のある場所ー風景

        玄関先の家の角にある庭木 ( Hopbush ) に巣は作られた。

         

        この木は昨年コスタハチドリが巣を作って雛を育てた同じ木である。この場所は東南に面して日当たりが良いのと、風が直接当たらない、また玄関先であるがコートヤード内にあるので散歩の人や犬が入って来れないなどのためか、ハミングバードに人気のある木である。

         

         

        ノドグロハチドリの卵2個

        雌が巣に座り始めて4日目、白い卵を2個確認。卵の大きさはコーヒーの豆ぐらいしかなく非常に小さい。

         

         

        雛1羽と卵 1

        卵の確認から13日後、雛一羽が誕生。黒い塊が頭の部分だろうと辛うじて判る程度。

         

         

        雛1羽と卵 2

        孵化して5日目の雛、まだ目が開いてないが、短い嘴が判る。背中に羽毛がまず生えてきてる。

         

         

        雛1羽と卵 3

        雛と残った卵

         

        最初の雛が生まれて10日目、まだ残ってる1個の卵はそのままなので、たぶん無精卵と思われる。雛は頭と背中に羽毛が少しづつ生えてきた。

         

         

        ノドグロハチドリの雛

        生まれて15日目の雛

         

        雛はだいぶ大きくなって目を開けているが、まだボヤーとしていて見えてないようだ。糞をする時だけ尻を上げて巣の外へ出す仕草をするが、その他はじっとしていてまったく動かない。雛の横にあった卵はいつの間にか消えてなくなっていた。雌親が割って外へ出した・・・と思われる。


        ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その4)最終

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          雛にエサを与えるコスタハチドリ雌親1
          雌親は雛の口奥深く長い嘴を入れエサを流し込む

          雛にエサを与える雌親の一日は大変忙しい。群生してる花の間を忙しく乱舞、ホバリングしながら丁寧に一つ一つの花に長い嘴を差し込んで花蜜を集め喉の奥の袋に貯め、小さな飛んでる虫を空中で捕まえて混ぜ合わせては雛に与えなくてはならない。自分のエサ取りの時間がないぐらい、一日中飛び回って子育てに奮闘している。
           
          雛と雌親並んでる姿
          雌親に甘えてるような雛の仕草が可愛い

          コスタハチドリの雌は雄の様な色の特徴がなく、頭と背中が雄と同じ緑色の他は灰色と白のプレーンである。遠くから見て全身が灰色に見えるのはコスタハチドリの雌の特徴でもある。
           
          雛にエサを与えるコスタハチドリ雌親2
          雛の嘴が親より短いのは、エサがもらい易くするためである。コスタハチドリの2羽の雛は、6月には完全に親離れして立派に育ち、自分たちでホバリングしながら長くなった嘴を花に差し込んで蜜を舐めていた。
           
          コスタハチドリ雄1
          コスタハチドリの雄親

          ハミングバードは巣作り、子育ては全て雌だけで行い、雄は一切手伝わない。巣作りが終わり雌が座り始めると、雄は巣の周りから離れてまた別の雌を探し始める。いわゆる一夫多妻である。雄は興奮していない時は特徴の頭と喉、ジョーゼットの紫色が光らず、ただ黒く髭の様に見えるだけである。
           
          コスタハチドリ雄2
          雄は興奮すると頭、喉、ジョーゼットの紫色が金属光沢してひときわ美しい

          コスタハチドリの雄の求愛飛行は、見ていて実に迫力がある。雌が止まっている枝の前で、猛烈な急上昇と急降下を繰り返す。そして、雌を惹きつけるために喉やジョーゼットの紫の金属光沢をより大きく美しく見せようと、陽の光の当たり具合を意識しながら調整しつつ飛ぶ。

          ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その3)

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            巣立ち直前のコスタハチドリ雛
            巣立ち間近の雛、翼が長くて大きく目もしっかり開いて、警戒しながらこちらを見てる。


            コスタハチドリの雛は非常に乾燥してる所で育つ。そのため営巣時期が2月から4月の「乾燥期」で湿度が3%から10%ぐらいと大変乾いてるので巣や雛に虫があまり付かないらしい。そのためか、他の種の親鳥は通常ヒナにエサを与えて巣から離れる時に、雛の糞をくわえて巣の外へ捨てるが、ハミングバードは雌親が糞をそのままにしておくので巣の周りは糞だらけ・・・となる。しかし、非常に乾燥してるので糞もすぐ乾いてしまい、巣材の補強の役割を果たしてるようだ。
             

            巣立ち直後のコスタハチドリ雛
            巣を離れたばかりの巣立ち雛


            卵から孵化して20日目4月21日早朝、まず一羽が巣を離れ隣の枯れ枝に移った。枝につかまるのが精いっぱい、まだ体力が弱いのか、すぐ疲れてうつらうつら眠ってしまう。この時が外敵に狙われやすい一番危ない時でもある。
             

            メス親からエサもらう雛
            巣立ちしたばかりの雛がメス親から最初のエサをもらう。


            雌親は巣を離れたばかりの雛とコール(地鳴き)し合いながら居場所を確認し、エサを与えている。エサは花蜜と小さな虫を混ぜて
            雛に流し込んでる。
             

            巣立ちした2羽の雛
            後発の雛も巣から離れて同じ枝に移り、2羽横に並んでボヤーと私を見つめている。


            まだ巣立ちしたばかりの雛であるが、オス、メスの特徴がよく出ている。右側の雛は喉からジョーゼット(まだ小さい)にかけてくっきりした黒い縞模様がみられ、中央に小さく紋章のようなボッチがあるのでオスと思われる。左側の雛は喉の白い部分が多いので雌であろう。
             

            枝に止まるコスタハチドリ雛

            オスの雛が枝移りしたので一羽だけとなった雌の雛、まだ警戒心が薄く、少々近づいても「何だろう?」と横目でこちらを見るだけで動こうともしない。


            ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その2)

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              孵化後の黒いコスタハチドリの雛
              孵化したばかりのコスタハチドリの雛

              卵が産まれてから15日目の3月31日朝、雛が生まれた。全身真っ黒で羽がまだ生えておらず、巣の底にべったりへばりついてるのでどちらが頭でどこが尾か?・・さっぱり判らない。辛うじて翼の軸になる白いすじが見えるので「鳥」だと納得するぐらいである。
               
              目が開いてないコスタハチドリの雛
              生まれて一週間目の雛

              一週間たってもまだ翅は生えてなく目も開いてないが、「雛」と判る形をしてきた。コスタハチドリは体長が7.6センチから8.9センチと大変小さく、北米では2番目に小さい鳥である。
               
              口を開けて上を見るコスタハチドリ雛
              上を向いて大きな口を開け、雌親がエサを持って戻って来るのをひたすら待つ雛2羽

              コスタハチドリは主に南アリゾナと南カリフォルニアの砂漠に生息するハミングバードであるが、時々アラスカやカナダで見られることもあり不思議がられてる。営巣が終わると、砂漠は暑くなるので樫や低木林が茂る涼しい渓谷 ( Cnyon ) へ移る。大きく育って親離れした雛だけが庭に残り、エサ場のテリトリー争いで若鳥同士が凄いバトルを早朝から繰り広げていた。
               
              目を開けて見るコスタハチドリ雛
              生まれて2週間が経つと、目も開いてボヤーとこちらを見ている。

              コスタハチドリの英名 " Costa " はフランスの貴族の名前からとったもの。アンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) と共に南アリゾナではごく普通に見られる最もポピュラーなハミングバードである。そのためかアンナハチドリとの Hybrids (交配種) はよく知られている。
               
              巣からはみ出るコスタハチドリ雛
              一段と体が大きくなって巣からはみ出そうである。まだ警戒心は薄く、顔を近づけても特別こちらを向くわけもなくじっとしている。

              ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その1)

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                ポットの花コスタハチドリ
                暖かい朝日が花のポットと壁に当たって、コスタハチドリの雌 ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) は体を膨らませ気持ち良さそうにじっとしている。

                2月中旬のソノラ砂漠の早朝は、寒くて気温が零度近くまで下がる日がある。朝早く家の壁が朝日で温まることをコスタハチドリの雌はよく知っているのか?、毎朝温まった壁の前のポットに止まってじっとしていることが多い。それでも、コスタハチドリは比較的他のハミングバードと比べ低温に強いので、2月に入ると早くも繁殖期となって巣作りを開始する。
                 
                指とコスタハチドリの巣
                私の指が大変大きく見えるコスタハチドリの小さな巣。

                我が家の庭は、今年アンナハチドリとコスタハチドリ2種類のハミングバード(ハチドリ)が巣を作ってくれた。巣材は植物の繊維、小さい草木の枝、葉、花、鳥の羽などで、それらをクモの巣の糸で結び付けてる。巣の大きさは直径5センチ、高さ3.5センチと大変小さい。蜘蛛の糸を嘴だけで編み上げる技量は大したものだ。誰に教わるわけでもなく、「本能の力」と思われるが、素晴らしくただ驚くだけである。蜘蛛の巣はハミングバードや色々な鳥たちにとって巣を作る上で貴重な材料なので、庭にある蜘蛛の巣は出来る限り取らずにそのまま置いておくことにしてる。
                 
                巣に座るコスタハチドリ雌
                巣に座り始めたコスタハチドリの雌

                巣の位置は地上から1メートル60センチほどで私の目の高さより低い。メスは非常に寛容で、肉眼ではっきり見えるぐらい近づいても巣から飛び出さずじっとしている。
                 
                風景コスタハチドリ巣場所
                フロントヤード(家の前庭)の小灌木ホップブッシュの真ん中に巣は作られてる。

                巣が造られた場所は家の前庭で、人の出入りが少なく天敵の動物も滅多に来ない比較的安全な所である。巣の前20メートルの所には歩道と車道があるが、一般道路ではなく私道なので人の歩きや車の行き交いが少ない静かな場所である。巣がある木の後の塀の向こう側は裏庭で、花蜜の豊富な花がたくさん咲いており、砂糖水のフィーダーと水場もあるので、ハミングバードの子育ての環境としては一等地と思われる。
                 
                コスタハチドリの卵
                メスが巣に座り始めて3日後、白い無地の卵が見られた。

                3月19日朝、2個の卵を確認できた。卵は楕円形でサイズは長さ12.4ミリ、横幅8.2ミリの小ささであった。卵の周りは柔らかい鳥の羽で包まれていて、卵は砂漠の春先の低温から守られている。

                ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その5)最終

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                  雌親に甘える雛
                  雛は腹が膨れると雌親に甘えるしぐさをする。
                  上を見つめる雛
                  上をじっと見つめて懸命に雌親を探す雛
                  嘴を付け合う雛と雌親
                  背中の玉虫色の青銅色が美しい雌親

                  ハミングバードは巣作りから抱卵、子育て全てメス親だけで行う、オスは一切協力しない、所謂「シングルマザー」なのである。メスが巣作りを始めるとオスは巣の周りから姿を消し、庭では全く見られなくなった。
                   
                  雛にエサを与える雌親
                  黄色い花粉がべったりついてる嘴を雛の口の中へ入れエサを与えている。
                  枝から落ちそうな雌親
                  エサをもらう雛が「もっとくれ!」と言わんばかりに嘴を離さない。雌親は枝から落ちそうになり慌てて翼を広げバタバタする姿を見てて思わず笑ってしまった。
                   
                  雛にエサを与える雌親
                  広い砂漠のフィールドではほとんど見ることが出来ない雌親のエサ渡しの姿であるが、今年は庭で子育てをしてくれたので、しっかり観察することが出来た。
                   
                  ホバリングしながらエサ渡し1
                  雌親はホバリング(空中停止)しながら雛にエサを与える。ハミングバードが得意とする業である。
                  ホバリングしながらエサ渡し2
                  雌親の曲芸的なエサ渡し

                  ハミングバードは飛ぶことが大変上手である。尾で舵を取りながら上下、左右、前方、後方、そして宙返りなど自由自在に飛ぶことが出来る。エサ取り方法はホバリングしながら花に長い嘴を差し込んで花蜜を舐める。この時の翼の羽ばたきは八の字を描きながら一秒間に80回以上と、目に留まらぬ速さである。
                   
                  雛の後ろでホバリングする雌親
                  メス親はじっとして動こうとしない雛の周りをホバリングしながらぐるぐる回る。まるで「じっとしてないで、飛ぶ練習をしなさい・・・」と𠮟咤激励しているようである。
                   
                  羽ばたく雛
                  雛はまず翼を広げてゆっくり羽ばたく練習から始めている。そして、もう一段遠くへ飛ぼうと試みる。

                  ほとんどのハミングバードは冬になると中南米へ渡りをするが、アンナハチドリの多くは営巣が終わると一時的に西側のカリフォルニアへ移動し、夏の終わりごろにまた南アリゾナに戻って来る。
                   
                  チュパロサに止まる雛
                  巣立ちした雛は夕方には飛ぶ距離を少し延ばして、花蜜が良く出るチュパロサまで来た。

                  巣立ちして10日もたつと、雛は自分で花蜜を舐めようと努力し始める。まだ、花の前でホバリングする「力」が弱いので、細い茎に止まったまま花に嘴を入れ花蜜を舐める。アンナハチドリの平均寿命は8.5年(飼育下だと15年)で、小さい体としては長生きをする。

                  ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その4)

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                    コスタハチドリ雛初飛び
                    巣から隣りの木へ、いよいよ雛の巣立ちの初飛行

                    孵化してから20日目の4月18日朝、2羽のうち1羽が巣の淵に上がって2メートル横隣りの小灌木へ初めての飛行をした。「飛ぶ」と言うよりも、高い巣から低い枝へ小さな翼をバタバタさせながら落ちて行く・・・といった感じである。多くの小鳥たちは親が雛を誘導しながら巣立ちさせるが、ハミングバードは雌親がエサ取りで留守の間、雛は自分で決め、勇気を奮って「エイヤ!」といった感じで初飛びをしたように思えた。
                     
                    初めて枝につかまるコスタ雛
                    巣から飛び降りやっと枝につかまる雛

                    初飛びを決行したのは良いが、「枝に止まる」という動作は彼らにとってその次にやらなくてはならない難しい行動である。何しろ、体に触れた木の枝ならどれでもよいらしく、手当たり次第に足でつかむ・・・といった感じであった。
                     
                    こちらを見るコスタ雛
                    枝につかまってやっと体勢を立て直すことが出来た。

                    雛はバタバタしながらも枝にしっかりつかまって揺れる体を抑えることが出来た。一段落したところで周りを見渡し私の存在に気が付いたらしく、本能的に少し警戒をした顔でこちらを見ていた。
                     
                    雛の周りを飛ぶコスタ親
                    雌親は暫くの間巣から離れた雛を探していたが、やっと細い枝にじっとしてる雛を見つけた。

                    巣から出た雛を雌親はコール(地鳴き)しながら探す。雛はそれに返答するかのごとくコールするのであまり苦労せずに見つけることが出来た。巣を離れた雛と巣に残っているもう一羽の雛の2か所へのエサ運びは「シングルマザー}のメス親にとってますます忙しくなる。
                     
                    雛に近づくコスタ親
                    雛は雌親が近づくと,鋭いきしるような声で「ジリジリ・・・」とコール(地鳴き)しながら自分の居場所を親に知らせる。
                     
                    嘴を付け合うコスタ雛と親
                    細くて長い嘴を雛の嘴の先にくっつけて水を飲ませている。
                    雛にエサ与えるコスタ親
                    雛の口の中へ長い嘴を深く入れて花の蜜に小さい虫、そして水を混ぜて流し込んでいる。
                    雛から離れるコスタ親
                    巣立ちした雛へのエサ与えが終わると、巣に残っているもう一羽の雛へエサを与えるために飛んで行く。均等に2羽の雛にエサを与えなくてはならないので「シングルマザー」は忙しい。

                    ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その3)

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                      アンナハチドリの雄
                      頭と喉、ジョーゼットが美しいアンナハチドリの雄

                      アンナハチドリ雄のメタリックな深紅色はハッとするほど美しいが、陽に直接当たるか、興奮している時でないと輝かず、暗い日や日陰を飛んでる時は黒い色にしか見えない。雄のコートシップ(求愛行動)は猛烈で、40メートルも空中高く急上昇して、時速27メートルの凄い勢いで急降下する。最後は尾羽の外側を広げて「ジージージー)という大きな機械音を出す
                       
                      滝で水浴びアンナハチドリ雌
                      滝の流れ落ちる水をホバリングしながら体に浴びる雌親

                      ハミングバードの水浴びは、飲み水と同じく流れている水でないとダメ。ホバリング(空中停止)しながら少しづつ流れる水に近づき、しぶきを翼や体に浴びる。陽が当たって暑く成った巣の雛を濡れた体で冷やすために、雌親は体全体に水を浴びて直ぐ巣に戻って行く。日中の気温が30度を超すと、巣と滝の間を行ったり来たり何回も繰り返していた。
                       
                      巣に座る雌親
                      雌親は翼を広げて直射日光から雛を守る

                      4月中旬を過ぎると日中の陽射しは大変強く、気温も30度を超す日が多い。雌親はボディーと翼に水をたっぷり浴びて巣に戻り、翼を大きく広げて巣の上から被さって、強い日の光と高温から雛たちを守っている。
                       
                      巣のアンナハチドリ雛1
                      翼、頭の羽が生えそろい、目もしっかり開けて上を向いてる2羽の雛

                      アンナハチドリの雄はハミングバードの仲間ではめずらしくさえずりをする。声は良くないがギシギシした甲高い声で「ジージー」と鳴く。しかし、雄は巣作りはもちろん、抱卵、雛へのエサ与えなど子育てに関しては一切協力しない。雌が巣作りを始めると、その周りから姿を消し、別のメスを追い求める。
                       
                      巣のアンナハチドリ雛2
                      左側の大きな雛はアンナハチドリメスの特徴である喉のジョーゼットの小さい部分が既にポチンと見られる。また、右側の雛の喉は既に白黒の縞模様が見られるので多分オスと思われる。
                       
                      巣の全体像
                      雌親が雛にエサを与える時、必ず好きなスポットの枝に止まる。その枝先から、私も巣の雛たちを見てみた。

                      4月は午後になると北西の強い風が吹く日が多い。時々風速80キロの突風が吹くこともあり、巣のある小灌木は大きく揺れて、巣がかなり斜めになるので雛が巣から落ちるのでは?・・・とハラハラさせられる。こんな時メス親は巣に座っておることが出来ず、近くの揺れの少ない木へ移動して、じっと風が弱まるのを待ちながら雛たちを見守っている。雛たちは姿勢を低くしてペチャンコに伏せ巣にうずもれる格好で巣から落ちないよう踏ん張っている。夜中に強風が吹く音で目が覚めることがあるが、雛たちは大丈夫かな?…と心配で眠れないこともある。


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