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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭の花に集まるハミングバード その2

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    コスタハチドリとペンストムの花
    ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) の蜜を舐めるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) メス。

    南アリゾナの本格的な冬は12月末頃から1月いっぱいと大変短いので、ペンステモンのような早咲きの花は2月の中旬には咲き始める。蜜の出る花が少ない冬の間はフィーダーの砂糖水に頼っていたコスタハチドリも、ピンク色のペンステモンの花が咲き出すと、だんだんフィーダーに来る回数が少なくなってくる。
     
    コスタハチドリ正面
    ​枝先で侵入者を見張っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) オス。

    ​コスタハチドリは体長9センチの小さなハミングバードであるが、陽の光に当たると首のまわりの大きな長いジョーゼットが紫色に光って大変美しい。コスタハチドリは非常に縄張り意識が強く、いつも木の梢や枝先の見晴らしの良い所に止まって、庭に入って来る他のハミングバードをチェックしている。侵入者が花蜜を求めて庭に入って来ると、素早く見つけて徹底的に追い回し、時にはホバリングしながら見合って長い嘴をカチカチとぶっつけ合うこともある。小さいくせに、とにかく気性が激しく、見ていてもすごい迫力ある戦いを繰り広げることがある。
     
    コスタハチドリ滝の水飲み
    滝の流れる水を上手に舌で舐めるコスタハチドリのメス。

    ​ハミングバードは花蜜を舐めるので喉が乾くのだろうか・・・?ちょくちょく水を飲みにやって来る。通常、鳥たちはポットの淵に止まって溜まってる水を飲むが、ハミングバードは流れる水が好きで、ホバリングしながら嘴の’先を流れてる水につけて、長い舌で実に器用に舐める。
     
    コスタハチドリ滝の水浴び
    ​滝の水に顔を擦りつけて水浴びするコスタハチドリのメス。

    ​ハミングバードは長い嘴を花の奥に入れて蜜を舐めるので、嘴のまわりや顔に花粉が付いて黄色くなっていることが多い。そのため、ちょくちょく顔を水に擦りつけることがあり、特に5月・6月の乾燥している「ドライサマー」時にはよく見られる。
     
    フィーダーのノドグロハチドリ 1
    ​フィーダーの砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) のオス。

    ​ノドグロハチドリは北米ではテキサス州から西側でしか見られないハミングバードである。冬は中南米で過ごす渡り鳥なので、庭で見られるのは春、秋の渡りの時が多く、しかも、フィーダーに来る姿を見るのがほとんどである。しかし、近年、温暖化のせいで、中南米へ降りて行かずに南アリゾナで越冬する個体もおり、1月末の寒い「大寒」の頃でも庭で見られる。庭にはハミングバード用のフィーダーが3個掛けてある。ハミングバードは非常にテリトリー意識が強いので、3個を近づけて並べて掛けると、1羽が全部を占領してしまって色々な種類が見れなくなる。そのため我が家では、庭の正面と家の両側にそれぞれ離して1個づつ掛けてある。これだと庭木と小灌木に隠れてお互いが見えないため、数多くのハミングバードを呼ぶことが出来るようになった。
     
    フィーダーのノドグロハチドリ 2
    蜜蜂が足元に来たので驚くノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) 。

    ​ノドグロハチドリは遠くで見ると喉が黒くて地味であるが、明るい光の中でしかも近くで見ると、黒い喉の下の小さな美しい紫色のバンドが光って見える。庭ではほとんどフィーダーの砂糖水を舐めてる姿が多いが、時々空中を飛んでいる虫をフライングキャッチもすることがある。
     
    庭のポーチ
    ​庭に面してるポーチのガラス窓やガラスドアーはすべてスクリーンがはめ込まれている。

    ​私にとって庭のポーチは、庭に来る鳥たちや蝶などを驚かさずに、ゆっくり観察したり写真を撮ったりするのに非常に役立つ重要な場所である。しかし、アリゾナは一年のほとんどが青空の毎日で、太陽の光がさんさんとふりそそぐリゾート地なので、ほとんどの家は窓が大きく、しかも窓ガラスには紫外線除けのフィルムが入っている。そのため、庭の木や青空などがガラスに映ってしまい、特にテリトリー意識が強いハミングバードが侵入者を追い回してガラスに激突する事故が多い。我が家ではそれを防ぐため、すべての窓ガラス、ガラス戸にはスクリーンが付けてある。そのおかげで、これを付けてからバードストライクは皆無となった。

    庭の花に集まるハミングバード その1

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      アンナハチドリとジャスティシア

      Red Justicia ( Justicia candicans ) の花蜜を舐めるアンナハチドリのオス ( Anna's Hummingbird )

      ​庭にやって来る鳥たちの中で最も愛らしいのは、やはりハミングバード(ハチドリ)である。体長9センチから13センチほどの小さな鳥で、南の強くて明るい太陽光に当たるとメタリックに耀き、ハッとして息をのむほど美しい。
       

      アンナハチドリとチュパロサ

      ​ホバリングしながら Chuparosa ( Justicia californica ) の花の奥深く嘴を入れるアンナハチドリ (Calypte anna )

      ​毎年、春と秋の渡りの途中、庭に寄って花の蜜やフィーダーの砂糖水を舐めて行く4種類を加えると、6種類のハミングバードを見ることが出来る。その内、アンナハチドリとコスタハチドリの2種類はソノラ砂漠の留鳥で、一年中毎日庭にやって来るし、夜には大きな灌木の中で寐ていることもある。また、春には小さな庭木で営巣するのもおり ( Categories - ハチドリ・ハミングバード「ハミングバードの子育て2015年」)、子育てする姿や可愛いヒナを見ることが出来る。
       

      枝先のアンナハチドリ
      ​興奮すると頭と首、喉が見事な金属光沢のピンクに輝くアンナハチドリのオス


      ​アンナハチドリはもともとカリフォルニアを中心とする太平洋沿岸地帯にだけ生息するハミングバードであった。しかし、ハチドリの中でも一番フィーダーの砂糖水への適応力に優れていたので、近年、人家の庭や町の公園などにフィーダーを掛けるところが多くなり、彼らの生活拠点も徐々に内陸へ移動していった。今ではアリゾナでも、一年中庭で見られるポピュラーなハミングバードである。
       

      滝とアンナハチドリ
      ​流れる滝の水を飲もうとするアンナハチドリのメス。


      ​ハミングバードは水が大変好きで、特にアンナハチドリは溜まっている水より滝のように流れてる水を好むようである。彼らはこうしてホバァリングしながら、岩の上を流れる水や下に落ちていく水を長い舌を使って舐めるように飲むのが上手である。
       

      体をこするアンナハチドリ
      ​しっとり濡れた庭木の枝で体を擦るアンナハチドリのメス。


      ​夏の暑い日、雷雨が降り始めると、雨の中でホバァリングしながら水浴びをしている姿を時々見かけることがある。とにかく、アンナハチドリは好奇心が強いのと、流れる水が好きなので、早朝、庭木や花にホースで水をかけていると、ホバァリングしながら水に乗るような格好で滑るように流されて行く面白い姿を時々見せてくれる。まさに愛嬌があって可愛く一緒に遊んでいるような楽しい気持ちにさせられる。
       

      顔をこするアンナハチドリ
      痒いのか?水に濡れた枝に盛んに顔を擦りつける。


      ​40度を超す日が続くと、砂漠のハミングバードもこたえるらしく、一日に何回も水場にやって来る。ホースの水かけで濡れた枝に体や顔を擦りつけている姿はフィールドではほとんど見られない、実にユーモアラスな格好で思わず吹き出してしまう。
       

      昼寝のアンナハチドリ

      ​アンナハチドリは午後になると、ポーチのテーブルの上に置いてある小さなポットの植木で昼寝をする。

      ​真夏の砂漠の庭は午後になると大変熱くなる。庭に直接太陽が当たり始めると、涼しさ求めて日陰になっているポーチの中に入って来る。ここは日中は人が出入りしないのと、直射日光を遮るために日よけのスクリーンが下げてあるのでハミングバードにとってはまさにシエスタの場所であろう。


      ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (最終)

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        巣のメス親と雛2羽
        巣立ちそして初飛びに疲れてしまった雛は巣に戻って座り込む。

        いさぎよく巣立ちしたものの、まだ体力のない雛は直ぐへたばり巣に戻ってしまった。2羽の雛がメス親からエサをもらう姿はこれが最後であった。
         
        ホバリングしながらエサを与える
        巣で見る親子3羽のコスタハチドリの最後の姿。

        巣立ちした後、砂漠へ飛んで行った雛が、どのようにしてメス親からエサをもらっているのか今だに専門家の間でも判らないらしい。何しろ広い砂漠の’中、ほとんど鳴くこともなく移動する雛を探しながらエサを与えるメス親の能力の高さは驚異である。
         
        巣で伸びをする雛
        巣に残ったもう1羽の雛も、のびをして本格的な巣立ちの準備を始める。

        それにしても、雛の翼がやたら大きいのには驚いた。ハミングバードが非常に飛ぶことに長けていて、やがてこの雛も色々な難しい飛び方をするようになるのが想像出来る。特にディスプレー(求愛飛行)の時は、翼を1秒間に200回も羽ばたいて時速60キロ以上のスピードで急降下する。また、時には前後、逆さまに自由に飛ぶことが出来、しかも尾羽を広げて宙返りもすることが出来るので軽業師のようで見ていても楽しい。
         
        羽ばたきながら枝を歩く雛
        翼を拡げ、バランスを取りながら枝先を歩く雛。

        巣に残っていた雛も、前日すでに巣立って行った兄貴分の雛と同じように、翼を拡げ飛ぶ訓練をしながらバタバタ’’’’’’’とブーゲンビリアの枝先へ移って行った。
         
        雛の初飛び
        最後の巣立ち雛が生まれて初めて飛び立った瞬間。

        最初の雛の初飛びの時は「上手くいくか?’’’’’’」心配でハラハラしながら緊張して見たが、2羽目のこの雛の初飛びはゆっくり観察することが出来た。
         
        オコティヨに止まる雛
        棘トゲのオコティーヨ ( Ocotillo ) の枝に、体当たりしてしがみつくようにやっと止まることが出来た。

        一ヶ月以上毎日のように朝、昼、夕とつき合って、雛が育っていく姿をたっぷり見せてくれたコスタハチドリ、私にとってますます身近な鳥となり、しかも、共にソノラ砂漠に暮らす「生きもの」だなーとつくづく感じている。
         
        古巣を見上げる雛
        生まれて一ヶ月以上を過ごした古巣を見上げる雛。

        巣を離れた雛が、今まで過ごした巣を懐かしそうに見上げている姿は実に印象的であった。ハミングバードの寿命は3年から5年と短いが、この雛たちも庭に咲いている花の蜜を舐めに、またフィーダーの砂糖水を舐めにきっとすぐ戻って来るであろう。
         
        コスタハチドリのオス
        コスタハチドリのオス。

        オスは興奮すると頭の羽と長いジョーゼットを青紫に光らせる。しかし、この色鮮やかなオスは子育てにまったく協力せず、メス親が雛を育ててる間は巣の周りにもいないので一度も見ることがなかった。雛のことなど我関せずで、庭の花の周りを飛び回って蜜を舐めていた。

        ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その5)

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          エサ与えるメス親、背中姿
          巣立ち目前の雛たちにエサを与えるメス親。

          こうした雛たちとメス親の微笑ましい姿が見られるのも今日、明日ぐらい’’’’’’’と思われる。日々変化していく雛たちを毎日眺めることが出来た喜びと満足感は実に大きなもので、このコスタハチドリのメス親に感謝したい。
           
          巣の雛2羽
          孵化して25日が経った巣立ち直前の雛たち。

          いよいよ巣立ちの日は目の前である。嘴もかなり長くなり翼も太く大きい。背中の緑色もメス親に近いぐらい濃く、まさにハミングバードの姿となってきた。
           
          雛、巣立ち準備
          いよいよ巣立ちの準備を始めた最初に生まれた雛。

          生まれて27日目、最初に卵から出て来た兄貴分の雛が巣の淵に立ってこれから飛び出して行く下界を眺めながら巣立ちの準備をしている。
           
          巣立ち雛、枝先へ登る
          巣を離れた雛は最初の飛び立ちを前に不安げにまわりを眺めている。

          最初に生まれた大きい雛がいよいよ巣から離れ、バタバタしながらブーゲンビリアの枝先へ移動して行った。雛が巣から飛び立つ最初のフライトは、ほとんどメス親が巣を離れている留守の時が多いようである。この謎の理由は今だに解明されてないようだが’’’’。
           
          最初の雛の飛び立ち
          雛が生まれて初めて飛び立った瞬間。

          雛はメス親から飛び方を教わることもないのに、しっかりと翼を広げ足を縮めて上手に飛び上がった。思わず拍手をしてしまったぐらい嬉しくて興奮した瞬間であった。こうした自然界の小さな「生きもの」の営みが、身近な日常生活の中で見れる喜びを感じられることに感謝をする日々である。
           
          巣立ち雛、初めて幹に止まる
          上手く飛んだ後、ひっしの思いで枝にしがみつく雛。

          雛の最初の飛行はやはり短く、1メートルほどで近くの枝にしがみつくようにして止まれた。ハチドリの雛にとって最初のフライトの大きな問題は飛ぶことではなく、木の枝に止まることであるらしい。雛の足はまだ強くないので木に止まる能力が低く、これから毎日のように訓練してその能力を高めていくのであろう。
           
          巣立ち雛に近づくメス親
          巣を離れたばかりの雛にエサを持って近づくメス親。

          巣から離れてしまった雛にメス親はどうやってエサを与えるのか’’’’’’’?興味があったのでしばらく眺めることにした。何しろ雛は一切声を出さないので、メス親は巣のまわりを飛びながら雛を探す。幸いにもハチドリは大変目が良いので、すぐ雛を見つけることが出来る。
           
          巣立ち雛にエサ与えるメス親
          ホバリングしながら雛にエサを与えるメス親。

          雛はすでに巣を離れて近くの細い枝にいる。メス親は近くの枝に止まってエサを与えることが出来ないので、こうしてホバリングしながらエサを雛に与えていた。何しろ、ハチドリはホバリングが大変得意である。翼を前に動かし翼の先を180度回転させて再び動かす。この動きの時は翼の先は丁度八の字を描くように動いている。しかも翼を動かす速さは一秒間に80回転というから驚異の速さである。
           
          巣立ち雛と巣に残る雛
          先に巣を離れた兄貴分の雛(左下)とまだ巣に残っている遅組の雛(右上)。

          左下に巣立ったばかりの雛、そして右上の巣にはもう一羽の雛がまだ残っている。巣に残っている出遅れ「ヒナ」も巣立ちの準備体操の伸びをしているのが見える。先に巣立った雛が巣からこれだけ移動するのに1時間近く掛かっている。彼らにとって巣立ちという行為がいかに大変でしかも慎重に行われるか’’’’がよく判った。

          ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その4)

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            巣と雛と風景
            コスタハチドリの雛たちが巣から眺めてる風景。

            産まれて3週間も経過すると2羽の雛ともすっかり大きくなって、巣のすぐ前の歩道を散歩する人々や車道を行く車を興味しんしんにじっと眺めている。もちろん巣の横のガレージを出入りする私もじっと睨みつけられるが’’’’’。
             
            くつろぐ雛とメス親
            エサ運びに疲れると、メス親は雛と一緒に巣でくつろいでいる。

            雛が大きくなるにつれ狭くなった巣、窮屈になった巣でも時々こうしてボーとしているメス親の姿を見かけることがある。花の奥深くまで嘴を突っ込んで花の蜜を舐めるため、嘴の根元が花粉で黄色くなっている。
             
            巣の雛 1
            巣立ちが間近にせまった雛2羽。

            頭や背中の羽もすっかり密にはえ、翼も一段と大きくしっかりして何時でも飛び出せるように見える。目も良く見えるらしく、まだ警戒心はないようだが、私をじっと見ている。
             
            エサもらう雛
            短い嘴を大きく開けてエサをもらう雛。

            メス親は長い嘴を雛の喉深く差し入れ、集めた花密と虫を吐きもどして入れてやる。このため雛の嘴は親の長い嘴が入り易いように非常に短い。
             
            ホバリングしながらエサを与えるメス親
            ホバリングしながら雛にエサを与えるメス親。

            雛が2羽とも大きくなり巣もパンパンと膨れてメス親も巣の淵に止まることが出来ず、こうしてホバリングしながらエサを与えることが多くなる。多くの小鳥の雛たちは、通常親がエサをもって巣に戻って来ると大きな口を開けて「シーシー」とか「ジャージャー」とか大声を出して鳴くが、ハチドリの雛はいっさい声を出さない。彼らは鳴くことが出来ないのである、ハチドリは成鳥でも警戒する時に小さく地鳴きをすることがあるが、さえずる声は聞いたことがない。
             
            巣の雛 2
            巣から今にもこぼれ落ちそうなぐらい大きく育った2羽の雛。

            産まれて25日目、雛たちは体が一回り大きくなり目もしっかりしてこちらをじっと見つめている。私が良く見えるようで、左右に動くと彼らも首を振って私を追う。しかし、まだ警戒心が薄く、そばに寄っても静かに巣に座っている。
             
            雛の上に座り込むメス親
            2羽の雛の上に座り込むメス親。

            早朝からのエサ運びに疲れたのか、雛の上にどかーんと座り込んだメス親。日に日に大きくなっていく雛で巣ははち切れそう。とうとうメス親が止まる場所さえなくなってしまった。

            ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その3)

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              コスタハチドリ雛 1
              やっと羽毛がはえ、目が開いたコスタハチドリの雛。

              3月に入ると雛たちもすっかり大きくなって全身柔らかい羽毛に包まれ、目が開いて見えるようになり顔がハチドリらしくなってきた。
               
              コスタハチドリ♀親エサ与える
              雛に与える花蜜が嘴から溢れ出ているメス親。

              3月中旬、雛が大きくなるにつれて1日に食べるエサの量もがぜん多くなり、メス親のエサ運びの回数が大変増えて忙しくなる。雛に与える主なるエサは花蜜に小さな虫を混ぜたもので、花蜜は花から採り、小さな虫は空中を飛んでいるのをフライングキャッチする。
               
              コスタハチドリ♀親背中の姿
              雛にエサを与えるメス親の背中の緑が大変美しい。

              毎日、朝、昼、夕方、カメラを向ける私にメス親はすっかり慣れたようで、時々私に背中を向けて、安心しきった様子でゆっくりと雛にエサを与えている。
               
              コスタハチドリ雛 2
              雛たちはすっかり体が大きくなって巣からはみ出しそうである。

              孵化後2週間が経った3月中旬頃には、背中に親と同じ緑色の羽根が生え始めた。しかも、彼らが生きて行く上で最も重要な翼が長くてしっかりとした形になっている。
               
              コスタハチドリ雛 3
              短い嘴を上に突き出し、メス親が帰って来るのを待つ雛たち。

              メス親がエサを持って帰って来るのをひたすら待っている雛たち。思いっきり上に突き出した嘴は大変短くて、まだハチドリの形をしていない。
               
              コスタハチドリ♀親木の天辺
              メス親はエサ運びが一段落すると、高い枝の先に止まって巣の周りのテリトリーを警戒する。

              ハチドリは主たるエサとなる花蜜がたくさん出る花や、砂糖水のフィーダーのある庭を好んでテリトリーとするので、オス、メス両方ともそれを守るのが大変である。そして一度テリトリーを作ると、幾つか好きな高い木の枝先に止まって首を左右にに振りながら見張っている。しかも大変目が良いので、他のハチドリがオスメス関係なく視界に入るや、すっ飛んで近づきものすごい勢いでアタックして追い出しにかかる。

              ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その2)

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                コスタハチドリ雛2羽
                最初の雛が孵化して1日遅れで2羽目の雛も卵から出て来る。

                2羽の雛とも全身真っ黒で羽毛もなければまだ目も開いていない。この状況では雛たちは自分たちで体温の調整が出来ないので、気温の下がる夜はメス親がしっかり巣に座って温めている。
                 
                口を開ける雛
                目はまだ見えないが、大きな口を開けてエサをねだる雛たち。

                ハミングバード(ハチドリ)は夜になると気温が低くなるので半冬眠のような状態でエネルギーの消費を防いでいる。しかし、メス親は孵化したてで羽毛も生えてない雛を温めなくてはならないので半冬眠も出来ず、エネルギーを大量消費しながら雛を守っている。
                 
                雛にエサを与えるメス親
                孵化したばかりの雛にエサを与えるメス親。

                ハミングバード(ハチドリ)は巣作りから卵を産むことはもちろん雛を育てる全てをメス親のみで行う。オスは何もしないばかりか、巣の近くに居ないので用心棒の役にもたたず、巣に近づく他のハチドリや大きい鳥たちを追い払うのもメス親がおこなわなくてはならない。
                 
                先に産まれた大きな雛
                先に産まれた雛(手前)の方は一回り大きく、後で産まれた雛(奥)は小さいので埋もれている。

                孵化がたった一日違いであるが、体の大きさが毎日どんどん違っていくのには驚いた。雛たちは一日のほとんどを眠っているか、メス親がエサを持って戻って来るのを静かに待っているだけである。
                 
                雛の横を飛ぶメス親
                口を開けて見上げる雛たちの横をメス親がホバリングしながら飛んで行く。

                ハミングバード(ハチドリ)はほかのどの鳥よりもホバリング(空中停止)が上手である。翼の構造が普通の鳥と違って、翼は肩の関節以外が固定されており、しかも固いので翼をあらゆる方向に自由に動かせる。

                ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その1)

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                  巣のあるブーゲンビリア
                  ハミングバード(ハチドリ)の巣があるガレージ横の小さな冬枯れのブーゲンビリア。

                  2月中旬私の背丈ぐらいしかない、しかも冬枯れでまだ葉もないスカスカのブーゲンビリアにコスタハチドリが可愛らしい小さな巣を作っているのを見つける。横は車が出入りするガレージ、前は車が行き交う車道、そして犬を連れて散歩をする人々が歩く歩道、こんな場所で、しかも巣がほとんど丸見えなのにはいささかびっくりした。
                   
                  巣に座るコスタハチドリ
                  巣に座り始めたコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) のメス。

                  巣材を盛んに運ぶ姿を見てから5日ほど経った2月18日にはしっかりした巣が出来上がり、コスタハチドリが座り始めた。これから卵が産まれてやがて孵化して可愛い雛が出て来る’’’’’’’’’’’。そんな光景を毎日見れると思うと胸がわくわくして楽しくなってくる。
                   
                  巣と私の手にひら
                  私の手のひらと比べても、巣がいかに小さいか’’’’’’’’が判る。

                  コスタハチドリは体長が8センチから9センチの小さな鳥で、それがすっぽり入って座れる巣なので非常に小さい。巣の外側は苔のような地衣類で包まれ、内側はふわふわした綿のような植物繊維や鳥の羽根が敷き詰められてる。しかもメス親の体にぴったりとフィットするような形で、蜘蛛の糸で絡めてあるので丈夫にできている。そして巣の中は、メス親が卵を孵化するのに適した温かさに保たれるように作られてある。。
                   
                  巣と卵コスタハチドリ
                  巣の中にはいつの間にか2個の卵があった。

                  メスが巣に座り出して数日後2個の卵が見られた。巣のある高さは地上からたった1メートル40センチぐらいと低いが、ブーゲンビリアは木全体が大きな固い棘に覆われているので、外敵であるヘビやワタリガラス、コヨーテ、ボブキャットなどが容易に近づけないので巣はしっかり天敵から守られている。
                   
                  コスタハチドリ雛と卵 2
                  一つの卵が割れて中から出て来たコスタハチドリの雛。

                  巣に卵があるのを見つけてから一週間後の2月末、いよいよ卵の一つが割れ白い殻を蹴散らかすようにして中から真っ黒な雛が出て来た。卵の殻はメス親が巣から離れた所まで嘴でくわえて持って行き捨てているようだ。
                   
                  コスタハチドリ雛と卵 1
                  雛は「力」を振り絞って卵の殻を蹴散らかす。

                  卵が割れて30分後、雛は全身を現す。まだ毛はまったくはえていないので、何か黒い固まりがベチャと巣に置かれている感じでまったく動く気配すらない。


                   

                  突然きた我家のハチドリとの悲しい別れ

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                     コスタと山
                    山に白い雪が被る「大寒」の寒さにじっと耐える コスタハチドリCosta's Hummingbird) の元気な姿。

                    我家の庭のフィーダーには年間11種類のハチドリが来て砂糖水を舐めていく。 その中でもコスタハチドリは
                    一年中庭で見られ、しかも食堂や書斎の窓に付けてあるフィーダーには四六時中来ているので、大変身近な鳥の一つである。 ニックネーム「オンタ」と名づけたこのコスタハチドリの雄は3年間ほど我家のフィーダーに来ておりすっかり私に馴れてしまい、フィーダーの砂糖水を取り替えるため近づいても飛んで行かずにすぐ横の枝でじっと新しい砂糖水がくるのを待っているほどである。

                    グラウンドのコスタ 1
                    3月に入って春の暖かい日が続く先週の朝、グラウンドに下りているコスタハチドリ(オンタ)の異常な姿に驚く。

                    グラウンドにうずくまる「オンタ」は私が近づいても飛ぼうとせず羽を少し開いてじっとしている。横のソーラライトと比べても、コスタハチドリが如何に小さいか(体長9センチ、体重3グラム)がよーく分かる。

                    グラウンドのコスタ 2
                    「オンタ」にさらに近づくと、羽を広げて飛ぼうとするが力弱く飛ぶことが出来ないらしい。これではフィーダーにも上がれないので、きっと朝から砂糖水が取れておらず、衰弱してきているな・・と思い、これは大変なことになった・・・と少々慌てる。

                    手の上のコスタ
                    手を差し伸べると、やっと這い上がってきてじっとしている。

                    何しろハチドリは昼間4時間エサを取れないと死んでしまうらしいので相当衰弱している・・・と思われた。

                    手の上のコスタとフィーダー
                    「オンタ」を手にのせたままフィーダーまで持っていくと、かろうじて弱い力をふりしぼって砂糖水を舐め始めた。 すっかり体力が弱っているのだろう・・・・横に飛んで来た別のコスタハチドリを追い払うことも出来ず、ただひたすら静かに砂糖水を舐めていた。

                    Palm 幹のコスタ
                    砂糖水をゆっくり舐め終えたので「オンタ」がいつも止まっていたやしの木の太い枝に置いてやると、体を寄せてやっと止まっておれるようだ。 目は元気な時の鋭さがなく、半分寝ているようである。

                    箱の中のコスタ
                    「オンタ」は飛ぶことも花やフィーダーへ行き蜜や砂糖水を自力で取ることが出来ないようなので、仕方なくプラスチックの箱に入れてフィーダーを側に置いて家に入れることにした。 ほとんど目を閉じて寝ており、時々思い出したように砂糖水を舐めていた。 その舐める力も大変弱く、舌を出すことも出来ずに嘴のまわりについた砂糖水をかろうじて舐めていた。

                    死んだコスタ
                    「オンタ」は夜中にはまだ背中と尾が時々少し動いていたが、翌朝ついに動かなくなってしまった。 美しい紫色の頭とジョウゼットの羽を膨らませたまま静かに寝ているようであった。 庭の隅に小さな穴を掘り、丁度満開になっていた庭の花を引きつめて埋めてやる。

                    Palm の枝のコスタ
                    「オンタ」の死ぬ2週間前の姿である。ヤシの枝でフィーダーの砂糖水を取り替える私をじっと見ている。

                    これまでたくさんの鳥や動物をフィールドで見てきたが、彼らの死んだ姿を見ることはほとんどない。今回は野生のハチドリが弱っていき、その命尽きていく姿をゆっくり見ることが出来たのは貴重な経験であった。

                    1月の「寒」入り、南アリゾナの記録的な寒さに震えるハチドリ

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                       プッシュリッジ山と雪
                      庭から眺めるプッシュリッジ山も薄っすらと雪化粧の「寒」入り。

                      クリスマスぐらいまで、庭にはブーゲンビリアやハイビスカスの花が咲いていたソノラ砂漠も、1月中旬「寒」に入るや南アリゾナは記録的な寒波に見舞われた。 例年この時期は日中の平均気温が20度ぐらいで暖かいが、今冬の「寒」入りからの5日間の気温は早朝、零下5度から8度、日中でもプラス4度から6度ぐらいしか上がらず、しかもミゾレや小雪が散らつく日もあって、砂漠ではまれな厳しい寒さが続いた。

                      Broad-billed Humm
                          からだ全体をぷっくり膨らませ、早朝の冷たい寒風に耐えるアカハシハチドリ(Broad-billed
                          Hummingbird) ♂

                      ハチドリ(ハミングバード)はもともと冬に中南米で過ごす渡り鳥であるが、近年、温暖化と庭にフィーダーを掛ける家が多くなり、冬でも南アリゾナに残って過ごす「無精もの」が増えてきた。
                      冬は花の蜜がほとんど取れないので、彼らにとってフィーダーの砂糖水は生命を左右する貴重な飲み物である。

                      私とBroad-billed Humm.
                      凍らないように室温で温めたフィーダーを持って庭へ出たとたん、待ちきれんばかりにアカハシハチドリ
                      が砂糖水を舐め始めた。

                      零下の日が何日間も続くと、ハチドリのフィーダーを面倒見るのが大仕事となって来る。 フィーダーを庭に掛けっぱなしにしておくと、朝方には完全に砂糖水が凍ってしまう。 そのため夜にはフィーダーを家に入れ、翌朝まだ真っ暗な夜明け前に庭に出してやらなければならない。 彼らは夜になるとエネルギーの消耗を防ぐため新陳代謝を低くしている。 そのためまだ薄暗いうちの寝起きに体を暖めるため蜜を必要とする。

                      私とCosts Humm 2羽
                      コスタハチドリ(Costa's Hummingbird) ♂ ♀ 手に持ったままのフィーダーに次から次へとハチドリ
                      たちがやって来る。

                      砂漠の気温は東の空が白んでくる頃の1時間が最も低く、せっかく早朝に室温で温めて出した砂糖水もシャーペト状になり凍り始める。 そのため再びフィーダーを少し温めなおして、太陽が山の端から顔を出し始めると又それを出してやらねばならず、凍りつくような早朝の作業(4つのフィーダー)は寒さで身体が冷え込み大変疲れる。

                      私とCostas Humm.♀
                      コスタハチドリ(♀)はフィーダーを持っている私をまったく気にせずに、無我夢中で砂糖水を舐める。 そして体が暖まって少し落ち着くと、やおら私の顔をじっと見上げる。 どうやら身の安全を確認しているようであるが・・・・・?。 たった9センチの小さな体で、この寒さのなか頑張って生きている姿をこうして見ていると、厳しい自然のなかで生きる彼らの生命力に頭が下がり、フィーダーを出す者としての責任の重さをつくづく感じる。

                      私とVerdin
                      突然ハチドリを押しのけるようにアメリカツリスガラ(Verdin)が現れ、砂糖水を舐め始めたのには驚いた。 警戒心の強いこの鳥がこれだけ人間に近づく姿を初めて見る。 冬の寒い朝、とにかく早く砂糖水を舐めて体を暖めたいのはハチドリだけではないようだ。

                      フィーダーの3羽のHumm.
                      ハチドリは縄張りを守る習性が強いので、時々空中で絡み合って下へ落ちて来るぐらいの激しい戦いをすることがある。 一つのフィーダーにこうしてコスタハチドリとアンナハチドリ3羽が並んで仲良く砂糖水を舐める姿は冬の寒い朝ならではの大変珍しい光景である。

                      クーラーの上に止まるCosta Humm.
                      フィーダーは嘴を入れて砂糖水を舐める穴が3つしかなく、先着3羽のハチドリで「満員御礼」の状況。
                      そのため、仕方なくすぐ横のクーラー機の上に止まって、じっとフィーダーが空くのを待っているコスタハチドリ。 こんな姿を間近かに見ていると、彼らの間での”力”関係、それからくる序列があるのかなー・・・と
                      思ったりするのだが・・・・・。


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