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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その7・最終)

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    Says Phoebe 1

    夕陽の弱い光が当たる柵の欄干で休むチャイロツキヒメハエトリ ( Say's Phoebe )

     

    北米で見られるツキヒメハエトリ(英名 Phoebe / フィービー)は3種類で、そのうち、アリゾナから西側で見られるのはこのチャイロツキヒメハエトリとクロツキヒメハエトリ ( Black Phoebe ) の2種類である。この2種類とも我が家の庭に来るが、四季を通して一年中庭に来てエサ取りするのはこのチャイロツキヒメハエトリである。

     

     

    Says Phoebe 2

    上目づかいで空中を飛ぶ虫を狙うチャイロツキヒメハエトリ ( Sayornis saya )

     

    チャイロツキヒメハエトリの虫捕り方法は大変アクティブで、虫めがけて空中を矢のように飛んでキャッチしたり、虫を見ながらホバァリングして舞い降りるように飛び掛かって捕えることもある。庭ではよーく口笛のようなもの悲しい音色で「ピーピー」と鳴ので、家の中に居てもエサ捕りに来てるなーとすぐわかる。

     

     

    Black-tailed Gnatcatcher

    灌木の細い枝先に止まって休むオグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher / Polioptila melanura )

     

    キクイタダキと同じ大きさで尾の長いオグロブユムシクイは家のまわりで一年中見られるが、フィーダーに来る鳥ではないので、庭には木の花に付く虫を捕るために午前中の早い時間に来ることが多い。「ジェージェージェー」という独特の地鳴きをしながら草花を飛び渡り、細い茎にも軽々と止まって虫を探したり、時には空中でフライングキャッチもする。

     

     

    Harriss Hawk

    煙突に止まり、庭でエサ取りしている小鳥たちを狙うモモアカノスリ ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus )

     

    モモアカノスリは南アリゾナと南テキサスの一部の砂漠でしか見られない鷹で、よく道路わきの電柱やフェンスに止まっている。日本全国で見られるノスリ ( Buteo buteo ) と同じ大きさの鷹で、朝早くに、ちょくちょくお気に入りのこの煙突に止まってしばらくじっとしていることがある。

     

     

    Western Screech Owl

    庭の片隅のローズマリーの木の根元で眠る西アメリカオオコノハズク ( Western Screech-Owl / Otus kennicottii )

     

    この西アメリカオオコノハズクは北米の東側で見られる東オオコノハズク ( Otus asio ) とは別種で、アリゾナからカリフォルニアにかけての西側でしか見られない。夜行性なので、夜、庭のベンチや屋根に止まっているのを窓越しにちょくちょく見ることはあるが、庭の片隅のしかもグラウンドで昼に寝ている姿は今年初めて見た。何もされないと判っているのか、夕方エサ捕りに飛び立つまでじっと動かずに寝ていた。たぶん、ローズマリの木が独特の匂いを出すので、多くの動物が嫌って近寄らないのをフクロウは判っているのかもしれない。


    庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その6)

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      Ash-throated Flycatcher 1

      連日の暑さに口を開けて耐えるハイノドヒタキモドキ ( Ash-throated Flycatcher ) 。

       

      ハイノドヒタキモドキはアリゾナに夏鳥として中南米からやって来る渡りである。営巣するレンジが砂漠の低灌木の林から2500メートルを超す常緑針葉樹林の山岳地帯までと大変広いので、庭でエサ取りする姿が見られるのも春の終わりごろの一時期だけである。

       

       

      Ash-throated Flycatcher 2

      塀の上から家の中を窺うハイノドヒタキモドキ ( Myiarchus cinerascens )

       

      英名の Flycatcher (フライキャッチャー)と称するハエトリ類のエサ取り方法は、枝から飛び上がって空中で虫を捕ってはまた元の枝にもどるやり方が多い。しかし、ハイノドヒタキモドキは枝の上でホバリングしたり、飛び降りたり、また枝から急にまっすぐ前に飛び出したりしながら虫を捕るが、元の枝に戻ることは珍しい。そして空中だけでなく、時にはグラウンドに下りて虫捕りをすることもある。

       

       

      White-winged Dove

      警戒しながら欄干を歩くハジロバト ( White-winged Dove / Zenaida asiatica )

       

      毎年6月になると中南米からアリゾナに渡って来る夏鳥である。一日中よく鳴くハトで、真夏の40度を超す炎天下でも、のんびりした独特な調子で「フオッフオ、フオッフオー」と鳴いている。一年中全米で見られるナゲキバト ( Mourning Dove ) と違って、庭のフィーダーに来るハトではないがよく庭の水場にやって来る。非常に水を必要とするので、水を求めて時には30キロ以上も飛んで行くことがある。8月中旬になると、群れを作り始め、30羽以上で空を力強く飛んでいることがある。これは冬を過ごす南米へ渡って行く飛行準備と思われる。

       

       

      curve-billed Thrasher

      柵の欄干に止まるマルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher / Toxostoma curvirostre )

       

      主に南アリゾナと南テキサスでしか見られないマルハシツグミモドキもソノラ砂漠では庭の鳥である。四季を通して、一年中庭でエサ取りしたり水場で水浴びしたりしている。日本のツグミよりずっと大きく、朝は一番早く、夕方は一番遅くまで鋭い声で「ホイホイホイ・・・」と鳴く。毎年柵のすぐ前の Cholla サボテンに巣を作り子育てをしている。

       

       

      Rock Wren

      エサ取りの合間に杭に止まって休むイワサザイ ( Rock Wren / Salpinctes obsoletus )

       

      日本のスズメより少し大きい。冬の間から春にかけて毎日のように庭に来てエサ取りをする。灌木の下や家のまわり、屋根瓦、雨ドヨなどで盛んに虫を探す。「ピリリ・・・ピリリ・・・」と鳴きながら短い尾を上げ、腰を振ってエサ取りする姿は見ていても実に可愛い。夏が近づくと、営巣のために山の岩場へ移って行き庭から姿を消す。


      庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その5)

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        庭木に止まるノドグロヒメドリ

        シダの仲間テキサスエボニーでこじみに囀るノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow ) のオス。

         

        ノドグロヒメドリは主に南アリゾナに住む美しいヒメドリで、長期間水を飲まなくても生きていけるまさに砂漠の鳥である。砂漠の鳥たちは棘の木を好むので、庭にはテキサスエボニーのような棘のある小灌木を多く植えてある。

         

         

        欄干に止まるノドグロヒメドリ

        柵の欄干で高らかに囀るノドグロヒメドリ ( Amphispiza bilineata ) のオス。

         

        ノドグロヒメドリはいわゆるフィーダーに来る庭鳥ではなく、グラウンドの虫を捕りに庭へ入って来るので、あまり長い時間庭には居ない。囀りは鈴の高い音色に近い美しい声である。大変好奇心が強い鳥で、アメリカのバーダーがよくする " Pishing " (唇でピシピシピシ・・・という音を出すこと)をすると、すぐ目の前のよく見える枝先に出てきてこちらをじっと見る。

         

         

        ヒメキンヒワの雄 1

        セージの小さな花の実を食べるヒメキンヒワ ( Lesser Goldfinch ) のオス。

         

        朝、昼、夕、一日に少なくとも3回は4羽から5羽の群れで庭にやって来るヒメキンヒワ、日本に冬鳥として渡来するマヒワ ( Carduelis spinus ) より小さい。南テキサスから南アリゾナ、カリフォルニアにかけての広い地域でごく普通に見られる。

         

         

        ヒメキンヒワの雄 2

        横になったり逆さまになったり、小さな草花の種を取るヒメキンヒワ ( Carduelis psaltria ) 。

         

        好物の小さな草花の種子を食べる時は、非常にアクティブに軽業的な動きをするので見ていても楽しい。太くて頑丈な嘴で実の果肉を取り除き中にある種を食べる。近くに寄ると「クシャクシャクシャ・・」という食べる音が聞こえてくる。庭の草花は花が終わって実がなる頃は雑草のようになって庭が汚らしくなるが、これを食べに来るヒメキンヒワのことを考えると、刈り取ることも出来ずにしばらくそのままにしておく。

         

         

        ヒメキンヒワの幼鳥

        杭に止まるヒメキンヒワの幼鳥。

         

        ヒメキンヒワは小さくて仕草が可愛いのと、アメリカムシクイに似た元気あふれる囀り、そして花が終わった後の小さな種を大量に食べてくれるので庭を持ってる人にとっては非常に人気がある。また、彼らは大変人懐っこくて、私が庭の手入れをしている時でも驚いて飛んで行かず、庭端の杭の上に止まって横目でチラチラ見ながら私が作業を終えるのをじーと待っている。作業を終えて家の中に入ると、すぐエサ場に戻って再びエサ取りの続きをし始める。


        庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その4)

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          滝とハミングバード

          滝の流れる水に足をつけて水浴びを始めるハミングバード。

           

          年間の雨量が少ない砂漠で生活する「生きもの」にとって、きれいな水は非常に大切なものである。彼らにこの貴重な水を常時与えられるよう、自然の岩を利用した小さな水の流れを造ってもらった。その効果あって、昼夜、色々な「生きもの」が水を飲みに来るし、鳥たちは水飲みだけでなく水浴びもして行く。特にフィールドではなかなか見れるチャンスがないハミングバードの水浴びも目の前で見られるし、岩を伝わって流れる水音は心を癒やしてくれる。

           

           

          滝とナゲキバト

          滝の水をうまそうに飲むナゲキバト ( Mourning Dove / Zenaida macroura )

           

          ほぼ全米一帯でごく普通に見られるハトで、日本のキジバト ( Streptopelia orientalis ) より少し小さい。夜が明けると同時に庭に来て、もの悲しい声で「ウーワオ、ホーホーホー」と鳴く。目覚めの悪い朝など、フクロウによく似たこの暗い声を聞くと、またベッドに戻って眠りの続きをしたくなる。

           

           

          滝に足をつけるルビーキクイタダキ

          警戒しながら枝移りし滝へ飛んで来たルビーキクイタダキ ( Ruby-crowned Kinglet )

           

          日本で見られる最小の鳥キクイタダキ ( Regulus regulus ) とほぼ同じ大きさで、メスなので頭頂のルビー色がない。鳥たちが水場に来る時は非常に警戒心が強い。葉が茂る灌木を、まわりの様子を伺いながら時間を掛けて枝移りして来る。

           

           

          水浴びするルビーキクイタダキ

          滝で水浴びを始めたルビーキクイタダキ ( Regulus calendula )

           

          ルビーキクイタダキはほぼ全米に生息しているが、我が家の庭に来るのは主に冬の間だけで、春後半になると北へ渡って行ってしまう。渡り前の「化粧直し」というところか’’’’’’’’’’?

           

           

          水浴びするルビーキクイタダキ2

          ついには顔から体すべてを水につけての行水。

           

          秋になるとルビーキクイタダキは冬を過ごすため南アリゾナの砂漠に下りて来る。庭に現れ始める頃はまだ警戒心が強くてなかなか水場に来ないが、日が経って春ともなると庭にもすっかり慣れて、ポーチのソファーでカメラを構えていても特別驚かず、ゆっくりと目の前で水浴びをしていく。しかし、水浴びする時間は大変短くまさに「カラスの行水」であるが、水場が安全と判ると何回もやって来る。


          庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その3)

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            屋根上のズアカカンムリウズラ3羽

            屋根の上を歩くズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail ) のオスたち。

             

            飛ぶことよりグラウンドを歩いたり走ったりするのが得意なズアカカンムリウズラ。ところが、繁殖期が近くなると、屋根に上がり、独特な「コケッゴーゴー、コケッゴーゴー」と鳴きながらテリトリー宣言をする姿が見られるようになる。

             

             

            ズアカカンムリウズラ、オス

            屋根の上から私を見下ろすズアカカンムリウズラ ( Callipepla gambelii

             

            カンムリウズラが屋根の上から庭で水まきしてる私をじーと見下ろしてるのに最初気がついた時はやはりびっくりした。南アリゾナからネバタ、南カリフォルニアの砂漠ではごく普通に見られるウズラであるが、人家の周りで見られるのは繁殖期の短い間だけで、その他の季節は10羽から15羽ほどのグループで砂漠を歩きながらエサ取りしていることが多い。繁殖期(6月ー7月)が近づくと、メスを連れて仲良く2羽で庭や塀の上、屋根、時には車が行き交う住宅街の道を歩き回るので非常に身近な鳥となる。

             

             

            ズアカカンムリウズラ、オス、ヒナ

            雨ドイに入ってエサ取りするズアカカンムリウズラのオス親と幼鳥。

             

            日本のコジュケイ ( Bambusicola thoracia ) より大きい。庭のグラウンドに簡単な巣を作って10個から15個の卵を産むことがあり、10羽以上の雛を連れて一列に道を渡って行く可愛らしい姿を時々見ることがある。人家近くで営巣し雛を育てることが、天敵から身を守るのに一番適してることを彼らは知っているようである。それでも雛の生存率は大変低く、せいぜい1羽か2羽程度で、しかも今だに米国では最も狩猟されるゲームバードでもある。

             

             

            ズアカカンムリウズラ滑空

            屋根から飛びながら滑空するズアカカンムリウズラの珍しい姿。

             

            飛ぶことが不得意と思われる短い翼の体型であるが、危険が迫った時はかなりの距離を飛ぶのには驚かされる。オスの「ポアー」というのどかな地鳴きはまさに砂漠の鳴き声で、昔よく見た「西部劇」のバックにこの声が入っていたのを思い出す。

             

             

            ワタリガラス

            屋根を歩きながらシャガレ声で鳴くワタリガラス ( Common Raven / Corvus corax ) 。

             

            ズアカカンムリウズラの天敵の一つがワタリガラスである。卵や雛を狙うので、ズアカカンムリウズラが庭や屋根をウロウロ歩きだすと、いつのまにかワタリガラスも家の近くにやって来る。ワタリガラスは日本のワタリガラスと同じ仲間で、山から砂漠、海岸と全米のあらゆる場所で見られる。一方、全米広く分布していて何処でもごく普通に見られるアメリカガラス ( American Crow ) はなぜか南アリゾナではほとんど見られない。


            庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その2)

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              アメリカツリスガラ正面

              四季を通して毎日、朝、昼、夕にエサ取りのため庭にやって来るアメリカツリスガラ ( Verdin ) 。

               

              庭に来る身近な親しい鳥の一種で、黄色の頭と喉、そして肩の栗色のパッチがとてもチャーミングである。庭の前の動植物保護地域からエサ取りのため庭に入って来る時は、まるで「庭へ行くぞー!」と知らせるかのように必ず「ツイー、ツイー、ツイー」と鳴きながらやって来る。日本の庭の鳥に例えると、丁度メジロみたいな感じである。

               

               

              ハニーサックル花とアメリカツリスガラ 1

              スイカズラの仲間メキシコハニーサックル ( Mexican Honeysuckle ) の花に顔を突っ込むアメリカツリスガラ ( Auriparus flaviceps

               

              この鳥は大変甘党で、庭に咲くハニーサックルやペンステモンなど甘い花蜜が出る花が大好きである。主たる食べ物は花蜜、フルーツと虫で、そのため、あまり水を必要としないのでまさに砂漠で生きられる鳥である。

               

               

              ハニーサックル花とアメリカツリスガラ2

              警戒して尾を立て私をじっと睨むアメリカツリスガラ。

               

              アメリカツリスガラは日本のツリスガラと同じ大きさでメジロより小さい。南テキサスから南アリゾナ、南カリフォルニアにかけての砂漠に生息していて渡りをしない留鳥である。春秋に庭に立ち寄って行く渡り鳥たちや、アメリカツリスガラのように年間を通して砂漠に住む鳥たちが違和感なくエサ取りがし易いように、庭の木や草花は地元南アリゾナを中心として、テキサス、カリフォルニアなどの南部地帯に生える植物をメインに植えてもらった。

               

               

              ペンステモン花とアメリカツリスガラ

              春一番に咲くイワブクロの仲間ペンステモン ( Arizona Penstemon ) の花をじっと見つめるアメリカツリスガラ。

               

              アメリカツリスガラは二千本以上の小さな枝を使って手の込んだ球形の巣を作る。巣の壁は大変厚く、日中は砂漠の暑い太陽熱を防ぎ、夜は寒い空気を防ぐようになっている。アメリカツリスガラは年2回営巣するので、春先に作る巣は冷たい北風が入らないよう横に付いてる巣の入口が南に向かってあり、2回目の夏に作る巣は涼しい風が入るように北に向いている。

               

               

              飛ぶアメリカツリスガラ

              甘い蜜を求めて花から花を飛び回るアメリカツリスガラ。

               

              アメリカツリスガラのエサ探しは大変活発で、草や木の小枝や葉の間をくりくり動き、時には逆さまになったり、四十雀のように枝先にぶら下がったり、幹を登ったりもする。そして一つの花が終わると次の花に飛び移り、早朝、玄関前のコートヤード(前庭)に咲く花から始まってバックヤード(裏庭)の花へと移り、一日中家の周りをぐるぐる回っている。

               

               

              エントツの上サボテンミソサザイ

              屋根上のエントツ、メスに得意の歌を披露するサボテンミソサザイ ( Cactus Wren ) 。

               

              サボテンミソサザイは北米の南アリゾナ、南テキサスで一年中見られる砂漠の留鳥で、ミソサザイとはいえ大変大きく、日本のミソサザイ ( Troglodytes troglodytes ) の2倍、フィールドで見るとツグミと見まちがえるほどの大きさである。アリゾナの「州の鳥」で主にグラウンドを歩きながらエサ取りする。一年中よくさえずるが、鳴き声はおせいじにも美しいとは言えず、低いしゃがれ声で「ギョギョギョ’’’’’’’’」と鳴く。体の大きさといい、鳴き声といい、とてもミソサザイの仲間とは思えない鳥である。

               

               

              サボテンミソサザイと巣

              チョーヤサボテン ( Cholla ) に作った巣から早朝、顔を出すサボテンミソサザイ ( Campylorhynchus brunneicapillus

               

              サボテンミソサザイは庭の柵の前のチョーヤサボテンに毎年巣を作っている。サボテンの大きな棘は天敵から身を守るのに適している。雛が巣立った後、彼らはこの巣を夜の寝場所として利用する面白い習性を持っている。朝、目覚めると、まずチョーヤサボテンの巣の上で鳴き、それからまっすぐ庭に飛んで来てエサ取りを始める。


              庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その1)

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                庭全景

                庭から柵越しに見る動植物保護地域。

                 

                我が家の庭は小さいが、大サボテン Saguaro (弁慶柱)や Cholla (ウチワサボテン)が林立する動植物保護地域に隣接しているので、色々な砂漠の「生きもの」たちが庭にやって来る。3年前に家を建てた時に造園デザイナーと相談をし、鳥(特にハミングバード)や蝶が好む小灌木や草花を植えてもらい、鳥たちが水飲みや水浴びが出来る小さな水の流れを造ってもらった。庭が完成してまだ月日が浅いので、灌木は小さく鳥たちが営巣するところまで育ってないが、南アリゾナはほぼ四季を通して花が咲いてるのでハミングバードが一年中花の蜜を求めて飛び回っている。庭に来る野鳥を見ていると、アリゾナの砂漠でも四季の移り変わりを身近なものとして楽しめる。

                 

                 

                フィーダー、サバクシマセゲラ

                ハミングバード用フィーダーの砂糖水を盗むサバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker ) のオス。

                 

                北米では主に南アリゾナの砂漠で見られるキツツキで、大サボテン Saguaro に穴をあけて子育てをする。大変甘党で、ハミングバード用のフィーダー(砂糖水)の常連である。体の大きさがハミングバードの3倍近くはあるので、彼らがフィーダーを占領するとハミングバードはキツツキの周りをホバリングしながら威嚇するが、その内あきらめすぐ横の枝に止ってキツツキが砂糖水を飲み終って飛び去るまでじーと待っている。

                 

                 

                屋根上のサバクシマセゲラ

                屋根の梁に止ってドラミングするサバクシマセゲラ ( Melanerpes uropygialis

                 

                キツツキのコートシップの一つに、嘴で木をたたきドラムのような音を出す仕草(ドラミング)がある。ところが、砂漠には良い音が出る大きな木がない。そこで彼らは屋根の上の煙突や金の筒になってる雨ドヨ、あげくの果ては家の梁や壁を叩きまわるので春夏の繁殖期には目が離せない。サバクシマセゲラは頭の良い鳥で、夏の「モンスーン期」に激しい雷雨が降り始めるとポーチの中に入って来て雨宿りをすることがよくある。

                 

                 

                屋根上のロードランナー

                屋根の上を歩くオオミチバシリ ( Greater Roadrunner ) 

                 

                カッコウの仲間で砂漠の人気者ロードランナーは、昔はジカッコウ ( Ground Cuckoo ) と呼ばれていた。飛ぶことよりグラウンドを走るのが得意で、しかも一日のほとんどをグラウンドでエサ捕りしたり休んだりしてることが多く、そのためフィールドでは以外と見れる機会が少ない。しかし、ブリーディングシーズン(繁殖期)となると、人家の近くや庭にちょくちょく現れるので、フィールドではなかなか見られない面白い行動を目にする機会が多くなる。その一つに、彼らはこの時期になると時々庭から塀づたいに屋根に上がり瓦の上を軽やかに歩く姿が見られる。

                 

                 

                コートシップ、ロードランナー

                屋根の上で翼と尾を拡げコートシップ(求愛行動)をするオオミチバシリ ( Geococcyx californianus

                 

                ロードランナーは繁殖期になると、砂漠の灌木の高い枝に登ってコートシップをする姿をちょくちょく見かけることがある。砂漠の背丈が低い灌木では高さが足りないとみえて、時々人家の屋根に上がって求愛行動をすることがあり、庭からゆっくり彼らの面白いコートシップを見ることが出来る。屋根の一番高い所でおじぎをするような格好で翼と尾を拡げ、しかも翼を左右交互に上げたり下げたりするのが彼らの独特なコートシップである。

                 

                 

                さえずるロードランナー

                屋根の上で喉を膨らませて囀るロードランナーの珍しい姿。

                 

                初夏に砂漠のトレールを歩いていると、冴えないロードランナーのさえずりを聞くことがある。その鳴き声はしゃがれ声で鳩に似た「クークークー」という終わりが下がる調子で、しかも声量が低くつぶやくような声なので慣れないとフィールドでは聞こえてこない。ところが、高い屋根の上でさえずるとその声は比較的大きくよく響くので、メスに聞かせるには大変効果があるのをこのオスは知っているかもしれない?下を向いて口を半分ぐらいしか開けず消え入るような声で鳴く姿は冴えないが愛嬌があって面白い。


                庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 後編

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                  Black Swallowtail
                  満開の Penstemon で蜜を吸う Black Swallowtail ( Papilio polyxenes ) 。

                  3月に入ると砂漠はぐーんと暖かくなって庭には大型のアゲハ蝶もヒラヒラ舞い始める。
                   
                  Curve-billed Thrasher
                  マルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher / Toxostoma curvirostre ) の巣作り。

                  Cholla サボテンでマルハシツグミモドキが巣作りを始める。大きな棘のあるサボテンによくまあー巣を作るナーと思うが、この棘が卵や雛をヘビや動物から守ってくれるようだ。しかし、この鋭い棘は雛にとって危険でもある。巣立ちに失敗してこの棘に引っかかってぶら下がってる無様な姿を見かけることがある。
                   
                  Cactus Wren
                  大サボテン Saguaro のてっぺんでさえずるサボテンミソサザイ ( Cactus Wren / Campylorhynchus brunneicapillus ) 。

                  庭から見上げる大きな(3階建てぐらいの高さ) Saguaro サボテンの上からサボテンミソサザイの「ギョギョギョ’’’’’」というさえずりが聞こえてくると、まさに砂漠の春を感じる。
                   
                  Gila Woodpecker 1
                  長い舌を出して砂糖水を舐めるサバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker ) 。

                  サバクシマセゲラは春の繁殖期になるとオス、メスで煩く鳴き合いながら庭のハチドリのフィーダーにやって来る回数が多くなる。砂糖水を舐め始めると長く居座るので、時々ハチドリが来ては文句を言うように自分の体の3倍はあるサバクシマセゲラの目の前でホブァリングしながら威嚇している姿を見ることがある。
                   
                  Gila Woodpecker 2
                  日の出とともに換気扇の煙突に飛んで来るサバクシマセゲラ ( Melanerpes uropygialis ) 。

                  キツツキの求愛行動の一つに木を嘴で叩いて太鼓のような音を出すドラミングがある。砂漠には良い音が出る大きな木がないためか、特にサバクシマセゲラは高い煙突が好きで、夜が明けるとすぐ屋根の上に飛んで来て煙突を猛烈な勢いで叩きまくる。同じドラミングでも耳に心地よい木の音と違ってブリキの安っぽい音なので、朝の寝起きの耳には少々こたえる。
                   
                  Annas Hummingbird
                  フィーダーにとまるアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird / Calypte anna ) 。

                  繁殖期のアンナハチドリの成鳥のオスは実に美しい。メスが近づき興奮すると頭から首、喉のピンク(マジェンタ)色がピカーと光り、その美しさにハッとする。
                   

                  庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 中編

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                    コスタハチドリ、コートシップ
                    コスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) の雄、雌によるコートシップ。

                    2月に入るとハチドリたちの求愛行動が活発になる。オス、メスで空中をホブァリングしながら上昇して行き、オスがすごい勢いでまるで戦闘機のように U 字型に急降下して再び上昇する。この時、尾羽から出る大きな風切り音にびっくりさせられることがある。ベランダでコーヒーを飲みながら、ハチドリの曲芸飛行を見ていると、春らしくなかなか面白くて飽きない。
                     
                    コスタハチドリの巣の木
                    コスタハチドリの巣がある小さなブーゲンビリアの木。

                    ガレージ横、塀ぎわの冬枯れの小さな(私の背丈ぐらい)ブーゲンビリアの木に1月末頃からコスタハチドリが巣を作り始め、2月に完成。散歩する人や犬が行き交う歩道や車道のすぐ脇に巣を作ったのには少々驚いた。しかし、よく考えると、ブーゲンビリアの木は棘が大きく、天敵のヘビ(主にガラガラヘビ)が上がって来れないのと、巣のすぐ横を人や車が通るので卵や雛を狙う動物(コヨーテ、ボブキャットなど)が近寄りにくいからと思われる。
                     
                    巣に座るコスタハチドリ♀
                    巣に座っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) の雌。

                    体長9センチの小さなコスタハチドリ、片手の手のひらにすっぽり入ってしまうほど小さな巣である。こんな小さな巣でも、枯れ葉や鳥の羽根を巧く混ぜて作られてる。花や葉がまだ出ていない丸裸の木で丸見えのようだが、ちょっと見たぐらいではほとんど巣の有り場所は判らない。うまくブーゲンビリアの枝に同化している。
                     
                    コスタハチドリの卵
                    コスタハチドリが産んだばかりの卵。

                    2月中旬、巣には2個の卵があった。1センチ少々の小さな卵で、10センチぐらいの巣の大きさからみると2個が限度であろう。1週間もすると雛の姿が見られるのが楽しみである。ハチドリはアリゾナ生活では何時も側に居る身近な鳥である。一日中庭の花を飛び回り、小さな水場で水浴びをし、疲れると小木で休む。そして、繁殖期になると庭木に巣を作って子育てをする。そんな姿に毎日接していると、時には家族の一員のような感じがすることがある。
                    オオカバマダラ蝶
                    Red-Justicia の花にとまるアサギマダラの仲間オオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) 。

                    今年は春が早くやって来たせいか’’’’2月中旬というのにオオカバマダラが庭に現れた。4世代にわたってメキシコからカナダまで渡りをする蝶で、旅の途中に立ち寄ったと思われる。長旅で少し羽が傷んでおり、一日だけの滞在で翌日にはもう現れなかった。

                     
                    ヒメアカタテハ蝶
                    ヒメアカタテハ ( Painted Lady / Vanessa cardui ) 。

                    世界中広く分布している蝶で、ソノラ砂漠では少数であるが冬でも見られる。我が家の庭では今年初めて見られた。2月のまだ寒い早朝なので、日溜まりの暖かくなった石の上でじっと暖をとっていた。
                     

                    庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 前編

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                      Mexican Gold Poppy 1
                      暦の上では「大寒」の一月末、春を告げる " Mexican Gold Poppy " の花一輪が庭の片隅に咲き始めた。

                      今冬のアメリカ中西部や東海岸(ニューヨーク、ボストン)は大雪と大変厳しい寒さに見舞われ、しかも2月中旬を過ぎても零下の日が続いているようである。一方、南アリゾナは穏やかな冬で、2月に入ると日中の気温が20度を超す日が多くなり、庭に砂漠の野花が早くも咲き始めた。
                       
                      Mexican Gold Poppy 2
                      庭一面に春の色をもたらす " Mexican Gold Poppy ( Eschscholzia mexicana ) " 

                      南アリゾナの今冬は例年より暖かく、しかもまとまった量の雨が降ったので庭の野花もいつもより早く咲き始め、幸先の良い「立春」となった。
                       
                      Mexican Gold Poppy 3
                      日が傾き始める夕方には " Mexican Gold Poppy " は花びらを閉じてしまう。

                      砂漠の春は朝夕と日中の寒暖の差が大変大きい。昼間に20度を超す暖かい日でも朝方は零度近くまで気温が落ちることがある。そのため野花には日が沈むと花びらを閉じて、朝日が照り始めると再び開く種類が多い。
                       
                      Penstemon & Costas Humm
                      ペンステモンの花とコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) のオス。

                      イワブクロの仲間ペンステモン ( Parry's Penstemon ) の花も今年は1月末頃から咲き始め、2月の立春の頃には満開となった。この花が咲くと、冬枯れで色が乏しかった玄関や庭もパッと明るくなる。
                       
                      Penstemon & Annas Humm
                      ペンステモン ( Penstemon parryi ) とアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の♀

                      ハチドリの主食となる花蜜を出す花が少ない早春は、このペンステモンがハチドリにとって貴重な花となる。背丈が高い茎に春らしいピンクの花がたくさん咲くので艶やかで大変美しい。花を見ていると気持ちが春のように明るくなり浮き浮きしてくる。


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