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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その4(最終)

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    ロウサンクチュアリー入口
    オーデュボン協会のロウサンクチュアリー ( Rowe Sanctuary ) 。

    ロウサンクチュアリーの入口の看板には「大歓迎!ツルが見られます」と書かれてる。ロウサンクチュアリーは南ネブラスカの小さな町 " Kearney " にあり、渡りで集結しているカナダヅルの大群が日中エサ取りするトウモロコシ畑や、塒にしているプラット川に隣接しているので、カナダヅルの観察や写真撮影にはもってこいのスポットである。
     
    カナダヅル観察小屋
    団体用カナダヅル観察小屋。

    「ロウサンクチュアリーが主催する「夜のカナダヅル観察ツアー」にあらかじめ予約しておくと、カナダヅルが塒に次々と帰って来る壮大な光景を見ることが出来る。サンクチュアリー内の観察小屋はプラット川横に建てられてあり、目の前がカナダヅルの塒となっている。レインジャーの丁寧な説明を聞き、目の前に広がる川原を眺めながらカナダヅルが集まって来るのを待つ。
     
    ブラインド小屋
    写真撮影用のブラインド小屋。

    ロウサンクチュアリーでは個人の写真撮影者用に小さなブラインド小屋(二人用)も用意されてる。夕方、機材と寝袋、食料を持参して、レインジャーから特別の豆ライトと簡易トイレを受け取って小屋の中に入る。翌朝、ツルたちが塒を去ってエサ取りに出かけた後、7時頃にレインジャーが迎えに来るのでそれまで一歩も小屋から外へ出れない。小屋の前は川なので気温の低い北風が吹く夜は寒さが少々堪えるが、ツルと一緒に寝て、ツルと一緒に起きる不思議な体験が出来る。
     
    ツルの塒の中州
    ツルの塒となるプラット川の中州。

    昼に降った雪が積もったままの川の中州。ここは夜になると何万羽ものカナダヅルが集まる大きな塒の一つである。
     
    中州に集まるカナダヅル
    中州に下りて来るカナダヅル。

    太陽が沈み、辺りが薄暗くなる頃、色々な方向から「クルル’’‘’‘’クルル’‘’‘’‘’」という鳴き声が聞こえて来る。やがてその声は騒音のように大きくなり、川の上空はカナダヅルの大群で黒くなる。そして、雪が積もった真っ白な中州や浅瀬に次々と下り始める。
     
    眠りに入るカナダヅル
    眠りに入る直前のカナダヅル。

    すっかり日が落ちて中州は真っ暗闇となるが、積もった雪でまわりが明るい。白い川原、そこに浮かび上がる黒いツルの大群の影は幻想的である。川原のカナダヅルの数はどんどん増えて、黒いツルの影が波のように押し寄せて観察小屋の前まで迫って来る。言葉では言い表せないほど凄い迫力である。この夜のカナダヅルの数はレインジャーによると5万羽で、これだけツルが集まる集団塒は世界でも他にないだろうと自慢していた。

    ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その3

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      夕焼けのプラット川
      プラット川 ( Platte River ) の夕焼け。

      プラット川のむこうに夕日が沈んで行く光景は実に美しい。そして夕日に赤く染まる空をカナダヅルの大群がV字になったり横に広がったり、滑空しながら川の流れのように頭上を通過して行く。時にはハクガン ( Snow Goose ) やカナダガン ( Canada Goose ) の群も見られる。
       
      ツルの足跡
      雪の上のツルの足跡。

      早朝に降った雪の上をカナダヅルが歩いた足跡がいつまでも残っており、毎日朝から晩までツルと一緒に過ごす一週間は実に心が満たされる日々であった。
       
      コーン畑のカナダヅル
      夕方のエサ取り。

      塒へ帰る前の今日最後のエサ取りで、後方で農夫が作業をしていても一向に気にせずゆっくり食べている。
       
      カナダヅルの群
      塒に帰るため集まり出したカナダヅル。

      夕暮れ近くになると、塒へ帰るためにエサ取りを終えたカナダヅルがぞくぞくと集まり始める。
       
      飛び立つカナダヅルの群
      一斉に飛び立つカナダヅル。

      暗くなるぎりぎりまでエサ取りしていたカナダヅルは、プラット川の塒へ一斉に飛び立って行く。プラット川は川幅が広い浅瀬が多いのでカナダヅルが安心して夜眠れる塒を提供している。そして周りの湿地には彼らの淡白質源となる蛙やヘビ、昆虫などがたくさん生息している。

      ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その2

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        吹雪のカナダヅル
        吹雪の中、じっと動かないカナダヅル ( Sandhill Crane ) の群。

        中西部の春の天候は非常に変わりやすく、午前中日が射していても午後になると猛吹雪となることがある。吹雪の中、風に向かってじっと立っているカナダヅルの姿はとても幻想的である。
         
        道路脇の畑のカナダヅル
        道路わきの畑でエサ取りするカナダヅルの群。

        大型トラックが行き交う国道のすぐわきの畑にも、百羽単位の大きな群が集まり盛んにエサ取りしている。時々トラックがフォーンを鳴らすと、驚いて一斉に飛び上がり、すごい光景となる。
         
        黒い畑のカナダヅル
        地肌が出ている狭い所に集まるカナダヅル。

        大雪が降ると、トウモロコシ畑は白一色となり餌場は小さくなる。そのため地肌が出て黒くなっている所にツルたちは集まって来る。ここだけで一千羽以上は集まっていると思われた。


        カナダヅルの密集
        カナダヅルがこのように密集してエサ取りする光景は他では見られないすごい迫力に満ちたシーンである。

        カナダヅルは日本でも冬に迷鳥として鹿児島の出水地方に渡来することがある。何しろ、カナダヅルの中には11200キロもあるシベリアまでの長い旅をする個体もおり、その中から日本までさらに渡って行く個体もいるのでそれが出水地方に現れるのだろう’’’’’と思われる。
         
        警戒するカナダヅル
        バーダーが近づいてきたので一斉に首を上げて警戒するカナダヅル。

        カナダヅルはナベヅル ( Grus monacha ) よりやや小さく、薄茶が混じった全体が灰色のツルである。渡りをする " Northern Subspecies " の3種類と渡りをしない ' Tropical Subspecies " の3種類の6亜種がいる。ネブラスカに寄って行く3種類は一番数の多い(80%)ヒメカナダヅル ( Lesser Sandhill Crane ) 、チュウカナダヅル ( Canadian Sandhill Crane 15% ) 、オオカナダヅル ( Greater Sandhill Crane  5% ) であるが、ヒメカナダヅルとチュウカナダヅルのフィールドでの識別はほとんど不可能に近い。

        ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その1

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          上空を飛ぶカナダヅル
          白一色のネブラスカの小さな町 Kearney 、寒々とした夕空をカナダヅルの群が飛ぶ。

          ネブラスカ州の中央を流れるプラット川 ( Platte River ) は、初春の2月末頃から3月にかけて世界のカナダヅルの80%以上が集まるので有名なスポットである。この期間、プラット川沿いの町は「ツル祭り」で大いに賑わい、ヨーロッパや米国各地からたくさんのバーダーが集まる。そして5万羽以上のカナダヅルの大群がエサ取りする姿や、夕方、塒に集まる壮大な光景を楽しむ。
           
          プラット川の流れ
          3月に入っても、まだまだ寒風が吹くプラット川の流れ。

          初春の3月とはいえネブラスカは大変寒く、日中でも零度以下になる日が多い。時には吹雪きに見舞われることもあり、小雪舞い散る寒い中、積もった雪と凍ってつるつるの農道をハンドルをとられながら、エサ取りするカナダヅルを求めて走るのはスリルに満ちた鳥見である。
           
          雪のトウモロコシ畑
          切り株が残る雪に覆われたトウモロコシ畑。

          プラット川の周りの畑地には、カナダヅルが渡りに必要な栄養源であるトウモロコシが豊富にある。カナダヅル保護のための州政府による援助もあって、農家は毎年秋の収穫時に、トウモロコシを全部穫らずツル用に一部を残しておく。カナダヅルを見に世界中からバーダーたちが訪れることは、ネブラスカ州にとって大きな観光産業の一つとなっている。
           
          トウモロコシ畑のツル
          群でエサ取り中のカナダヅル ( Sandhill Crane / Grus canadensis ) 。

          ネブラスカ中央を流れるプラット川流域は渡り鳥たちが春に北へ渡って行く北米中央のルート " North America's Central Flyway "  にある。そのため、冬を南アリゾナやニューメキシコ、テキサス、メキシコの北部で過ごしたカナダヅルが営巣地である北カナダ、アラスカ、シベリアへの春の渡りの途中に寄る貴重な栄養補給中継地でもある。
           
          上を向いて鳴くカナダヅル
          カナダヅルのオスはエサ取り中でも時々上を向いて鳴き、春のコートシップのプラクティスをする。

          雪に覆われた静かな寒いトウモロコシ畑で、エサ取りをしながら時々オスが「クルル、クルル’’’’’’’’’’」と大きなとおる声で鳴くので遠くにいてもよーく聞こえる。

          アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その5(最終)

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            エンビタイランチョウ
            エンビタイランチョウ ( Scissor-tailed Flycatcher / Tyrannus forficatus ) 。

            アランサス国立野生生物保護区は約5万5千エーカー(東京山手線内側の3倍以上の面積)で大変大きい。この保護区ではボートからの鳥見だけでなく、車で走れる19.5キロほどの一方通行のトレール ( Tour Loop Road ) があり、所々で車を止めて歩き専門の小さなトレール ( Joned Lake Trail , Hog Lake Trail ) で自然探索が出来る。早い春の渡りで3月には中南米から戻って来るエンビタイランチョウが長い流れるような尾と脇の下の美しいピンクを見せながら草原の上を矢のように飛んで行く姿を見ていると、まさに初夏が近いことを感じる。英名(シッザーテイルド / Scissor-tailed ) は長く二股に分かれた尾をハサミのように開いたり閉じたりしながら飛ぶ姿からきている。
             
            マキバシギ
            マキバシギ ( Upland Sandpiper / Bartramia longicauda ) 。

            マキバシギは日本で草原の夏鳥として見られるオオジシギ ( Gallinago hardwickii ) とほぼ同じ大きさで、やはり草原と牧草地で主に見られる。アランサス保護区では、南アメリカで冬を越した後北へ渡って行く途中に寄っていくので数は少ないが春には時々見ることが出来る。細長い首、小さい鳩のような頭が特徴で、フェンスや杭、電柱などに止ることが多く大変見つけ易い。
             
            ハマヒメドリ
            ハマヒメドリ ( Seaside Sparrow / Ammodranus fisheri ) 。

            ハマヒメドリは主に大西洋沿岸とメキシコ湾沿岸の塩性湿地で多く見られ、色や大きさ、生息地域などで大きく4亜種に分けられる。アランサス保護区で見られるのはこの内の Gulf Coast 型 ( fisheri ) で、胸や顔が赤茶であるのが特徴。背の高い草地に潜り込み、グラウンドでエサ取りすることが多いので見るのに苦労するが、春はオスがテリトリー宣言をするため、よく草の天辺で囀ることが多いので見つけ易い。
             
            ハゴロモガラス
            ハゴロモガラス ( Red-winged Blackbird / Agelaius phoeniceus ) 。

            ハゴロモガラスは北米で最もポピュラーな鳥の一種で、オスは全身真っ黒で肩の部分に真っ赤なパッチがある美しい鳥である。そしてオスの群での優性度はこの肩の赤いパッチの大きさに比例している。テリトリー意識が大変強く、侵入者をアグレッシブに追い払う鳥としても有名である。海辺に響く「コンコリーン」という春の歌はとても耳に心地良い。
             
            カラカラ
            カラカラ ( Crested Caracara / Caracara plancus ) 。

            大きな頭、長い首と足が特徴で、しばしばこの長い足でグラウンドを歩きながら獲物を探してる姿を見る。よくヒメコンドル ( Turkey Vulture ) と一緒にゴミや動物の死体などをあさっている。近年生息地を西へ拡大してきており、私が住んでる南アリゾナソノラ砂漠でも見られるようになった。
             
            アルマジロ
            アルマジロ ( Nine-banded Armadillo / Dasypus novemcinctus ) 。

            アランサス保護区ではよく昼間草地を歩いているのでお目にかかるチャンスは大変多い。アルマジロは北米で見られる唯一の骨質の固い鎧で覆われてる動物である。英名 ( Armadillo ) の由来はスペイン語からきたもの。16世紀メキシコを征服したスペイン人がこの奇妙な生き物に遭遇してこの名をつけたようだ。ちなみに、スペイン語では「鎧を着た小男」という意味である。

            アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その4

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              ベニヘラサギ
              ベニヘラサギ ( Roseate Spoonbill / Ajaia ajaja ) 。

              北米で唯一土着の水鳥であり、また唯一ピンク色した大型の渉禽類であり、しかも南部の沿岸にだけ生息しているので世界のバーダーたちが見たいと思う鳥種である。アメリカシロヅルが保護区で見られる3月末から4月初めにかけてはその数は少ないが、夏ともなると何万羽と集まるのでアランサス湾はピンク色に染まる。エサ捕りが面白く、浅瀬を歩きながらへらの形をした嘴を水に入れて前後に払うようにして魚を捕る。青空を群で飛ぶ姿は体全体がピンク色に映えフラミンゴのようで実に美しい。
               
              シロトキ
              シロトキ ( White Ibis / Eudocimus albus ) 。

              日本のトキ ( Nipponia nippon ) より小さい。沿岸の塩性湿地や沼などでごく普通に見られる。全身が白で下方に曲がった赤い嘴と深紅色の顔、そして赤い足がよく目立つので見つけ易い。
               
              アカクロサギ
              アカクロサギ ( Reddish Egret / Egretta rufescens ) 。

              ピンクの嘴で先が黒い、そして赤茶の頭と首がシャギーなのが特徴。アカクロサギは「色彩が濃い型」と全身が「白い型」の2種類いるが、この「濃い型」の方がポピュラーである。エサの捕り方が大変面白い。魚を捕った後、しばしばダッシュして走り、左右によろめきながら翼を突き出して拡げ、キャヌピー(天涯)のような形を作る。水面に影を作ることで魚をおびき寄せてるのである。1800年代に羽毛を集める狩猟者によって殺され続けたので一時はその数が減少したが、近年手厚い保護のかいがあって数は増加して来ている。しかし、今でも北米での個体数はたった2000ペアーほどであある。
               
              アメリカヘビウ
              翼と尾を拡げ乾かしているアメリカヘビウ ( Anhinga / Anhinga anhinga ) 。

              木の枝に止ってる時は実に不格好で、地上では動きが鈍いアメリカヘビウは、ソアリングが出来るのでその飛んでる姿は実に優雅である。主にフロリダからメキシコ湾にかけて生息しており、水中を泳ぎながら鋭く尖った嘴で魚やカエルを突く。泳ぐ時は首まで水中に沈め、長くて細い首と小さな頭だけが水面に出るので、まるでヘビが泳いでるように見えるところから別名ヘビ鳥 ( Snakebird) とも呼ばれている。
               
              アメリカムラサキバン
              アメリカムラサキバン ( Purple Gallinule / Porphyrula martinica ) 。

              日本で見られるバン ( Gallinula chloropus ) とほぼ同じ大きさ。バンの仲間でもひときわ美しく、明るい色と長い黄色い足で水草の浮葉の上を優雅に歩く。歩く時にポンプのように頭を上下に振りヒョイとお辞儀をするように頭を下げるのが見ていて面白い。

              アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その3

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                アメリカシロヅル、アメリカシロペリカン
                アメリカシロヅルとアメリカシロペリカン ( American White Pelican / Pelecanus erythrorhynchos ) 。

                アメリカシロペリカンもアランサス保護区で数多く越冬し、4月に入ると営巣地であるアメリカの北部やカナダの内陸の湖へ移動する。旅たちの日が近づくと、大きな群で鷹のようにソアリングしながら高い空へ上がって行く美しい光景を目にすることが出来る。アメリカシロペリカンのエサ取り方法は、いつも群で泳ぎ、しかも共同で魚を浅瀬に追い集めて水から魚をすくいあげて捕る。特徴である嘴の袋は11リッターの水が入るほど大きい。
                 
                シロペリカン、カッショクペリカン
                中州で休むアメリカシロペリカン ( American White Pelican )、カッショクペリカン ( Brown Pelican ) ミミヒメウ ( Double-crested Cormorant ) 、ミヤコドリ ( Amerikan Oystercatcher ) の群。

                アランサス湾には大きな中州がいくつもあり、これらをボートで案内してくれるのでたっぷりと水鳥が楽しめる。春の暖かい午後には、色々な種類の水鳥が中州に上がって羽を休めているのでボートからだと簡単に見ることが出来る。特にアメリカシロペリカンは体長158センチ、ウイングスパン274センチと非常に大きな美しい水鳥で、しかも、ここでは冬の間しか見られないので、春先にまだ残っている数羽が見れるとちょっと得した気分になれる鳥でもある。
                 
                オオアジサシ、カッショクペリカン
                カッショクペリカン ( Brown Pelican / Pelecanus occidentalis ) とアメリカオオアジサシ ( Royal Tern ) 。

                カッショクペリカンは体長122センチ、ウイングスパン213センチと世界で一番小さなペリカンである。主に大西洋沿岸、メキシコ湾沿岸、太平洋沿岸に生息しており内陸ではほとんど見られない。殺虫剤や炭化水素の影響で卵の殻が薄くなって孵化できない状況が続いたため一時は絶滅の危機に落ち入ったが、現在は少しづつリカバリーしてきている。しかし、今でも絶滅にひんする危険がある鳥のリストには上がっている。えさの捕り方がアメリカシロペリカンと違って、空中からまっすぐ水に飛び込んで水面近くにいる魚をすくいあげて飲み込み嘴の大きな袋に入れる。カッショクペリカンはフライトパターンが大変面白く、しばしば群で水面すれすれを長い列になって飛び、しかも動作が一致して羽ばたきや滑空をするので夕日をバックに見ると実に美しい絵になる。
                 
                オオアジサシ、サンドウィッチアジサシ
                アメリカオオアジサシ ( Royal Tern / Sterna maxima ) とサンドウィッチアジサシ ( Sandwich Tern / Sterna sandvicensis

                アメリカオオアジサシは体長51センチ、ウイングスパン104センチと北米で2番目に大きなアジサシで、夏鳥として日本の小笠原諸島で見られるオオアジサシ ( Thalasseus bergii ) より大きい。カッショクペリカンと一緒に居ることが多く、ちょくちょくカッショクペリカンが捕った魚をひったくるのを見かける。えさ捕りは水面上12メートルから18メートルの高い所から突っ込むように水に飛び込んで魚を捕る。一方、サンドウィッチアジサシは中型のアジサシで日本のアジサシ ( Sterna hirundo ) より少し大きい。細長い黒い嘴で先が黄色のが特徴。えさ捕りは高い上空でホバリングし水中に飛び込んで魚を捕る。えさ捕りをしていない時は島の浜辺や中州でアメリカオオアジサシの群と一緒に休んでることが多い。
                 
                アメリカソリハシセイタカシギ
                夏羽のアメリカソリハシセイタカシギ ( American Avocet / Recurvirostra americana ) の大群。手前はワライカモメ( Laughing Gull ) とクロハサミアジサシ ( Black Skimmer ) 。

                春のメキシコ湾は急に天候が荒れることがある。強い風と横なぐりの雨、渡り途中のアメリカソリハシセイタカシギの大群(300羽ほど)が横に一列になって風かみに向かってじっとしている姿が印象的。日本で見られる体全体が白黒のモノトーンのソリハシセイタカシギ ( Recurvirostra avosetta ) と同じ大きさである。足の長い優雅なこの鳥は、冬羽は白黒のダンディーな姿であるが、夏羽は頭と首が錆色の黄褐色にお変わって別種のように見える。
                 
                砂丘
                小さな無人島の砂丘の風紋。

                アランサス湾にはたくさん小さな島が点在している。一日ボートをチャーターすると誰も居ない島へ上陸してくれるので、昼の弁当を食べながらゆっくり羽を休めてるアジサシ類やペリカンなどの水鳥を間近に見ることが出来る。砂浜に座っていると、風の音と水鳥の鳴き声しか聞こえてこないほど静かで、日に当たりながらまったく人の足跡がない砂浜を歩くのも実に気持ちよい。
                 
                サンドラー
                砂の「ドル硬貨」と呼ばれるサンドダラー ( Sand Dollar ) 。

                砂浜に白い花が咲いたような美しい Sand Dollar 。別名海のクッキー ( Sea Cookie ) とも呼ばれてる。貝殻ではなく、北半球の海洋の海底に住んでるウニやヒトデと同じ軟体動物で、外側が固い骨で包まれている。死ぬとその骨が体から離れて海に漂い砂浜に打上げられる。この Sand Dollar の骸骨は大変美しいので人気があり、土産物屋にたくさんつり下げられてる。

                アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その2

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                  観光用ボート
                  アメリカシロヅルを見る一般観光用ボート。

                  アランサス国立野生生物保護区は内部の多くの所が一般に開放されてないので、アメリカシロヅルを見るにはトレールの途中にあるタワーに上がって見るのが一般的である。しかし、ツルとの距離が非常に遠いのでスコープで見るのでも苦労することが多い。ゆっくりと間近にアメリカシロヅルを見たい場合は、保護区に隣接する " Rock Port Harber " から観光客用(20人〜50人乗り)ボートが出てるので、この船を利用して見るのが手っ取り早く、しかも近くで確実にアメリカシロヅルが見られる。
                   
                  チャーターボート
                  個人客用ボートからアメリカシロヅルを撮影する。

                  アメリカシロヅルの写真を撮りたい場合は、少々値段が高いが小さな個人客用のボート(6人乗り)を借りるのがベスト。夜明けとともに港を出て夕方帰って来る一日チャーターで、船頭兼ガイドが昼食を用意してくれるのと、アメリカシロヅルがエサ取りしているスポットを効率良く案内してくれるばかりでなく、アランサス湾内の色々な水鳥をしっかり見せてくれるので心ゆくまで堪能出来る。
                   
                  アメリカシロヅル5羽
                  早朝、エサ取り中のアメリカシロヅル。

                  美しい日の出を見ながらボートはアランサス湾 ( Aransas Bay ) を横切って Carlos Bay に入り、ゆっくりと陸からの一般客は入れないアランサス国立野生生物保護区の南にある湿地帯まで入って行く。ここでは水際でエサ取り中のアメリカシロヅルのすぐ横までボートを近づけ、背丈の低い水草が鬱蒼とはえる水辺にボートを乗り上げるが、アメリカシロヅルは大部ボートに慣れてるようで、一向に驚いて飛ぶ気配はなくゆっくりとエサ取りを続けている。
                   
                  アメリカシロヅルーメス
                  目の前でエサ取りするアメリカシロヅルのメス。

                  アメリカシロヅルは遅くとも4月の第一週には北カナダの営巣地への長い旅をしなくてはならず、体力を作るために食欲はものすごく旺盛で、ボートで2〜3メートル近づいてもほとんど気にすることなく夢中でエサ取りをしている。
                   
                  アランサス保護区看板
                  「国立野生生物保護区」の看板の横でエサ取りするアメリカシロヅルの群。

                  個人客用の小さなチャーターボートでも、この看板から中へは入れない。アメリカシロヅルの主食は蛤の一種である Blue Clam であるが、タニシの一種である Snail や蟹またタンパク質源としてのヘビやカエルなども食べる。エサ取りする群の大きさは2羽から6羽程度で、それ以上の大きな群は見られない。船でごく近くまで近寄れるアメリカシロヅルも警戒心が強いのでエサ取り中は必ず一羽が首を上げて周りを時々チェックしている。
                   
                  レインジャーの船’
                  保護区内の水路を時々レインジャーの船が通って行く。

                  保護区内の水路は一般に開放されてないので観光客やバーダーたちが入って来ることはなく、レインジャーが船で調査をしたり、水路の補修をしたりしている。アメリカシロヅルは慣れていて特別驚く様子もなく、飛び立つ気配も見せずのんびりエサ取りをしている。

                  アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その1

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                    アランサス保護区入口
                    アランサス国立野生生物保護区 ( Aransas National Wildlife Refuge ) 

                    アランサス国立野生生物保護区は世界中で最も個体数の少ないツル、アメリカシロヅルの越冬地で、彼らの95%がここで冬を過ごす。宇宙センターがあるテキサス、ヒューストンの町から車で4時間南へ下がったメキシコ湾沿いにある。
                     
                    アランサス保護区ビジターセンター
                    アランサス国立野生生物保護区ビジターセンター。

                    ビジターセンターではアメリカシロヅルに関する色々な資料と、保護区の鳥や動物のチェックリストが手に入る。アランサス国立野生生物保護区は1937年に設けられ、米国魚類野生生物局 ( USFWS ) の管理下でアメリカシロヅルの手厚い保護がなされてる。
                     
                    Whooper Score Boad
                    ビジターセンター内にある「アメリカシロヅル、スコアーボード」 ( Whooper Score Boad ) 。

                    アメリカシロヅルは一般的に「ウーパー ( Whooper ) と呼ばれて親しまれている。アランサス国立野生生物保護区ではアメリカシロヅルが冬を過ごす11月から4月初め頃まで毎日のように軽飛行機でその数がカウントされ、スコアボードに記入されているので現在保護区内に何羽居るのか直ぐ判るようになっている。
                     
                    アメリカシロヅル3羽
                    家族でエサ取りするアメリカシロヅル ( Whooping Crane ) 、首が茶色の個体が昨年生まれた雛。

                    ブラックジャック半島にあるアランサス国立野生生物保護区は約5万5千エーカーと大変広く、塩性湿地、淡水の湿地、草地、オーク林、アランサス湾、多くの水路や河口、その回りに点在する小さな島々、淡水池、小灌木に覆われた台地など自然が非常に変化に富んでいて鳥や動物が大変豊富なので、満足行く自然探索が出来る素晴らしいスポットである。
                     
                    アメリカシロヅルのオス 1
                    アメリカシロヅル ( Whooping Crane / Grus americana ) のオス成鳥。

                    アメリカシロヅルは西部開拓による繁殖地の減少や、長年の狩猟によりその数が急速に減少していった。1940年代にはたった15羽まで減少、その後1967年に米国魚類野生生物局による飼育下でその数を増やす復活プログラムが始まった。そして1973年絶滅危惧種に指定され、国によって本格的に保護されることになったが、当時その数はまだ50羽ほどしかいなかった。その後人々の手厚い保護の努力の効果が少しづつ現れ、現在アランサス国立野生生物保護区で越冬する数は320羽まで回復して来ている。
                     
                    アメリカシロヅルのオス 2
                    エサ取り中のアメリカシロヅルのオス。

                    アメリカシロヅルは体長132センチ、ウイングスパン221センチで、日本のタンチョウ(体長145センチ)より少し小さい。アランサス国立野性生物保護区には毎年10月末頃から集まりだし、冬を過ごした後4月の第一週には保護区を離れ、唯一の営巣地である北西カナダのウッドバッファロー国立公園 ( Wood Buffalo National Park ) へ向かって4025キロの長旅をする。

                    パイニー、トラクト草原(ペンシルベニア州)の珍しいヒメドリ (後編)

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                      州看板
                      「歓迎」と書かれた看板の上にとまるボボリンク ( Bobolink ) 。

                      ヘンスローヒメドリを特別保護しているこのサンクチュアリーはボボリンクのような近年数が減少してきてなかなか見れなくなった草原の鳥たちも簡単に見ることが出来る。
                       
                      Bobolink 1 Singing
                      草原によく響くボボリンク ( Bobolink ) の鳴き声。

                      ボボリンクは草原を象徴する鳥である。ぶくぶく泡が立つような独特な歌声はけっして美声ではないが、うす黄色のベレー帽を被り、体の前全体が黒で後ろの背中から尾にかけて真っ白のダンディーな姿は一度見ると忘れられないほど強烈な印象を受ける。
                       
                      Bobolink 2 Flying
                      時には飛びながら鳴くボボリンク ( Dolichonyx oryzivorus ) 。

                      水平線の彼方まで緑色の草原が広がり、一面に咲いている黄色や白い花の上をボボリンクは飛びながらコートシップのさえずりをする。英名は大きな声で鳴く歌の聞きなし " Bob - o - link " からきている。
                       
                      Northern Harrier
                      ゆっくりと滑空しながら獲物を探すハイイロチュウヒ ( Northern Harrier / Circus cyaneus ) 。

                      日本で冬鳥として局地的に見られるハイイロチュウヒと同じであるが、日本で使用されてる英名は " Hen Harrier " 。まさに草原の鷹で、全米広く生息している。背丈の低い草の上をぎりぎりに滑空していく姿は実に美しい。
                       
                      Flower-Evening Lychnis
                      「センノウ」の仲間 " Evening Lychnis " 。

                      早朝の朝露でしっとり濡れた草原に日の出の光が射すと、草花が光り輝く。派手でない野花もハッとするほど美しく思わず足を止めて見とれてしまう。
                       
                      輝く蜘蛛の巣
                      朝露に濡れて輝く蜘蛛の巣。

                      シャンデリアのような大きく豪華な蜘蛛の巣。このペンシルベニアの草原は鳥だけでなく花や昆虫、蜘蛛など色々な生きものが楽しめる。
                       


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