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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (下)

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    大きな目で見上げる雛

    アメリカワシミミズクの雛は大きな目を開け、頭上の枝で囀る小鳥をじっと見る。本能的に動くものは美味そうな「獲物」に見えるのだろう。

     

     

    ルーシーアメリカムシクイ

    ワシミミズクの雛など一向に気にせず、長い時間、朝日を浴びて気持ち良さそうに囀っていたルーシーアメリカムシクイ

     

    雛がじっと見上げた先の枝には、砂漠のムシクイ Lucy's Warbler (Vermivora luciae ) が囀っていた。昼間のフクロウは怖くないようなのと、「雛」ということで馬鹿にしてるのかもしれない。

     

     

    布切れのようになって眠る雛

    使い古した布切れのようになって寝ている末っ子雛。巣がなくなっても逞しく育っていく。

     

     

    木に寄り掛るようにして眠る雛

    向きを変え、しっかり幹に寄りかかって眠ってる末っ子雛

     

     

    こちらをじっと見る雛

    寝飽きたのか、むっくり起き上げってこちらを見る末っ子雛

     

     

    縦に並んでるフクロウ一家

    細い木に縦に並んで昼寝するワシミミズク一家。上から雌親、末っ子雛、次男坊雛。

     

     

    正面を向く末っ子雛

    末っ子雛も大きくなって、獲物を掴む足の爪もしっかりしている。

     

    雌親のエサ捕りは主に夜である。枝に静かに止まっていて獲物の音を聞く。よく聞くために木から木へ動き、目指す獲物を見つけたら舞い降りて獲物に飛び掛かる。鋭い爪のついた足を大きく広げ獲物を掴む。小さい獲物は丸呑みするが、大きい動物は小さくちぎって食べる。

     

     

    風景とウサギの足

    雛たちがいる木の下に、昨夜、雌親が与えたワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii ) の足が落ちていた。(赤い丸印黄色い丸印はワシミミズクの雛

     

    アメリカワシミミズクの主なる獲物はワタオウサギ、ネズミ、ヘビ、カエル、バッタなどの昆虫類や、スカンクなどの大型の動物である。" Tiger Owl " というニックネームがあるほど、獲物の捕り方は攻撃的でパワーフルである。特にスカンクを食べる唯一のフクロウであり、臭いに対しては鈍感らしい。獲物の毛や翅、骨などはペレット ( Pellet ) の形で吐き出す。

     

     

    欠伸する

    背中に日が当たり暖かくなってくると盛んに欠伸をする末っ子雛

     

     

    目をつぶって眠る雛

    ついには目を閉じて眠ってしまった。一番小さかった末っ子雛もしっかり枝に止まって眠れるようになってきた。アメリカワシミミズク一家の巣離れも間近で、数日後には砂漠へ飛んで行ってしまう。


    住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (中)

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      ワシミミズクの雛・前向、後向

      前日の強風と雛3羽+雌親の4羽の重さに耐えられず、巣はとうとう地上に落ちてしまった。巣がなくなった裸の枝に残された2羽の雛が心細そうに枝にしがみついていた。

       

       

      ワシミミズクの雛2羽

      巣がなくなってしまいふらふらしながらも枝につかまっている2羽の雛

       

      一番大きい雛は巣と一緒に地上に落ち、家主に保護されて、犬や自動車そして天敵のコヨーテなどの害を防ぐため、囲いのある裏庭に移され保護された。まだ飛べない雛は直接グラウンドに置かれ、雌親からエサをもらっていた。雛は非常に緊張しており、ストレスを心配して写真撮影を諦め、家の中から双眼鏡で見るだけにしてそっとしておくことにした。

       

       

      木の後から覗くワシミミズクの雛

      一番小さい末っ子雛は、まだ二本足で長い時間枝に止まっておれないため巣があった幹の二股にかろうじて腰を下ろし、寄り掛るようにしてこちらを見ていた。

       

       

      眠ってるワシミミズクの雛

      巣が落ちてしまったショックに疲れたようで、この日はいつもより長い時間眠っていた。

       

       

      しゃがむ姿、立ってる姿のワシミミズクの雛

      巣がなくなってしまった枝で何とか不自由ながら2羽の雛はじっとして眠ったり私を見たりしていた。

       

       

      親と雛2羽が縦に並ぶワシミミズク

      雌親と丸く伏せている末っ子雛、その下に2番目に生まれた雛の3羽が寛いでいる。保護された一番大きい雛は,裏庭のグラウンドで一羽で寂しく眠っているのだろう。兄弟がバラバラになってしまったが、今回のように巣が落ちるケースや雛が巣から落ちてしまうことはよくあるようで、まだ飛べない雛がグラウンドで雌親からエサをもらってる姿を毎年見る機会がある。

       

       

      ボーと正面を見るワシミミズクの雛

      すっかり大きくなった二番目に大きい雛、この木から離れるのも間近なようだ。

       

       

      翼を伸ばして伸びするワシミミズクの雛

      時々翼を大きく下へ伸ばして伸びをする。場所替えが近いのだろう。雛は飛べるようになるまで10週間ぐらい掛る。飛べるようになっても自分でエサ探しは出来ないので、数か月間は親からエサを与えてもらう。

       

       

      後ろを振り向き睨むワシミミズクの

      雛たちの写真を撮り始めて半月以上経過、一番小さかった雛もすっかり大きくなって精悍な顔つきとなった。


      住宅地の小さな木で雛を育てたアメリカワシミミズク (上)

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        ワシミミズクの雌親

        アメリカワシミミズク ( Great Horned Owl / Bubo virginianus ) アリゾナで見られる種は全体的に色が薄い亜種 " Subarcticus "

         

        アメリカワシミミズクは北はアラスカからカナダ、北米全域そして中南米まで広い地域に生息している最もポピュラーなフクロウで、古くはディズニー映画の漫画、子供の絵本、装飾品や置物、コマーシャルなどのキャラクターとして今だにしばしば登場する人気者である。南アリゾナは特にその数が多く、繁殖期が始まる12月になると毎晩のように我が家の屋根にも雄雌で飛んで来て鳴き合う声が聞かれるほど身近な鳥でもある。

         

         

        眠ってるワシミミズクの雌親

        目を閉じて静かに眠っているアメリカワシミミズクの雌

         

        体長56センチウイングスパーン125センチ以上と日本のフクロウより大きく、耳のような冠毛か特徴である。英語で " Ear Tufts " と呼ばれる長い冠毛は、ボディーランゲージを伝えると言われている。怒っている時は真っ平に寝かせてしまうし、「何だろう?‥」と好奇心を持って知ろうとする時は真っ直ぐに立てる。鳴き声は低い典型的なフクロウの声で「ホッホ・ホーホー」と鳴き、英語の聞きなしは " Whose Awake, Me Too " (フーザウエイク、ミートゥー)である。夜行性なので昼間はこうして木の枝に寄り掛るようにして眠っている。

         

         

        風景ー巣の場所

        車が通り、犬を散歩する人が行きかう玄関前のコートヤードの小さな木にアメリカワシミミズクの巣がある。(赤丸印

         

        我が家のすぐ近くに住む友人から「家の前のアカシアの木にワシミミズクの雛が居る・・・」というメールが入り、さっそく出かけてみた。ワシミミズクは自分で巣を作ることが出来ないので、他の大型の鳥、アリゾナではクーパーハイタカ、アカオノスリなどの鷹類やワタリガラスの古い巣を利用する。この巣はクーパーハイタカが巣を作り終えたところで、ワシミミズクが乗っ取ったようである。ワシミミズクは大変ずる賢く、巣の主クーパーハイタカが威嚇しても知らん顔でデーンと座り続け、ついにはハイタカは諦めて去ったようである。彼らの巣は通常地上から6メートル〜18メートルの高さであるが、この巣は5メートルぐらいしかない低い枝に作られていた。

         

         

        眠ってるワシミミズクの雛と雌親

        巣に座る雌親の足元で横になってうずくまって眠る雛、卵から孵化後15日ぐらい経っている。

         

        ワシミミズクの営巣は大変早く、冬の1月・2月から4月にかけて卵を産む。ソノラ砂漠では巨大サボテン Saguaro の幹と枝の間に作られたワタリガラスの古巣を利用することが多く、サボテンに座るフクロウの姿は独特な光景である。

         

         

        私を睨んでるワシミミズクの雛と雌親

        目を覚ましむっくり起き上がって不思議そうに私を見る雛

         

         

        雌親に寄り添うワシミミズクの雛

        雌親に甘えるようにぴったりの寄り添う雛

         

         

        片目を開け眠ってるワシミミズクの雛と雌親

        時々目を開けて周りを見渡すが、5分もすると再び眠ってしまう雛。それでも片目はうっすらと開けてこちらを見ている。

         

         

        2羽のワシミミズクの雛、大欠伸の姿

        巣の中に雛は3羽おり、こちらを睨んでいるのが一番最初に生まれた大きい雛(長男?)、右の欠伸をしてるのが二番目に生まれた中ぐらいの大きさ雛(次男?)、三番目に生まれた小さい雛(末っ子)は雌親の腹の下に潜り込んでいて見えない。

         

         

        大きな目を開け睨んでる2羽のワシミミズクの雛

        雛2羽とも大きくしっかりと目を開けてこちらを見ている。

         

         

        一番大きいワシミミズクの雛

        眠ってる一番小さな雛(末っ子)の上に乗ってこちらを見つめている一番大きい雛(長男)

         

         

        口を開け威嚇するワシミミズクの雛

        威嚇するように口を開け私を睨みつける一番大きな雛(長男)

         

         

        ぐっすり眠るワシミミズクの雛と雌親

        朝の温かい陽射しに当たりながらぐっすり眠る雛と雌親

         

         

        ワシミミズク、2羽寄り添って私を見てる

        兄弟で寄り添って私を睨みつける雛たち


        写真で綴るオオカバマダラ蝶の生育 (下)

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          綿にしみこませた砂糖水と蝶

          蛹から蝶が出てきたのが午後遅っかったので、翌朝、庭に放すことになる。オオカバマダラ蝶は花の蜜を探すセンサーが足についてるので,コットンボールにハミングバードのフィーダー液を浸して、足を着けてやりエサを覚えさせる。

           

           

          瓶から蝶を出す

          翌朝、いよいよ瓶からオオカバマダラ蝶を出してやる。

           

           

          チュパロサの枝に移る蝶

          低いチュパロサの枝に掴ませる。

           

           

          チュパロサの枝を登る蝶

          手から離れて自力でチュパロサの枝を登る。

           

           

          飛び立つ準備をする蝶

          大きく翅を広げたり閉じたりしながら飛ぶ準備をする。

           

           

          秋空に舞う蝶2匹

          元気に秋空に飛び立ったオオカバマダラ蝶。丁度 Giant Swallow-taile (下の蝶)が飛んできてランデブーをするかのように舞い上がって、雌を探しながら越冬地メキシコへ旅たって行った。


          写真で綴るオオカバマダラ蝶の生育 (上)

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            手の上モナコ蝶幼虫

            卵から孵ったのが12月と季節的に少々遅いので、瓶に入れて観察することにしたオオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) の幼虫。

             

             

            瓶に入ったモナコ蝶幼虫と蛹

            瓶に入れたオオカバマダラの幼虫(右)とサナギ(左)。両方とも同じトウワタの葉に産み付けられた卵から孵化した。

             

             

            Jの字になったモナコ蝶幼虫

            瓶に入れた翌日、トウワタの茎を上がったり下がったりしてサナギになるのに適した場所を探し、”J”の字になった。

             

             

            揺れるモナコ蝶蛹

            その日の夜中、幼虫は体を大きく揺らしながらサナギへ変わっていった。

             

             

            モナコ蝶蛹1

            最後に頭の部分を出して(下に落ちてる黒い塊)、完全に緑の外骨格に包まれたサナギをなった。

             

             

            モナコ蝶蛹2

            緑色の美しいサナギとなった。

             

             

            黒いモナコ蝶蛹1

            サナギになって8日目、全体が黒くなり、蝶が出て来るのも間近である。

             

             

            黒いモナコ蝶蛹2

            黒くなったサナギ、翅がすっかり出来上がってるのがよく見える。

             

             

            蛹から出たモナコ蝶1

            サナギの殻がパクッと割れ、中から足で蹴るようにして逆さまになった蝶の頭の部分が出てきた。

             

             

            蛹から出たモナコ蝶2

            次に、小さく折りたたまれたままの黄色の翅が出てくる。

             

             

            蛹から出たモナコ蝶3

            そして、最後に太い胴体が殻から出てきた。

             

             

            蛹から出たモナコ蝶4

            いよいよ蝶全体の姿が蛹の殻から現れる。

             

             

            蛹から出たモナコ蝶5

            逆さまになった体を起こして位置を変えていく。

             

             

            翅を乾かすモナコ蝶1

            液体を翅に吹き付けて、縮まっている翅の皺を伸ばしていく。

             

             

            翅を乾かすモナコ蝶2

            完全に翅を伸ばし、いよいよ飛び立つ準備である。


            庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その4)

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              蛹から出たモナコ蝶1

              蛹から出たばかりのオオカバマダラ

               

              幼虫がサナギになってから16日目の朝、足で蹴るようにして殻を破り中から蝶が出てきた。折りたたまれて皺くちゃの翅と、太いボディーが目立つ。

               

               

              蛹から出たモナコ蝶2

              翅を少しづつ広げながら乾かしていく。

               

              オオカバマダラは幼虫、サナギ、蝶どれも鮮やかで派手な色をしている。これは天敵である捕食者に毒を持ってることを知らせる警戒色である。

               

               

              蛹から出たモナコ蝶3

              サナギの殻から少しづつ離れて行く蝶

               

              蝶は翅を盛んに広げたり縮めたりしながら枝先の方に移動し、花蜜を吸うため花に向かって飛び立つ準備をする。春に北へ渡って行くオオカバマダラは蝶になって5日以内には成熟するが、秋の我が家の庭で生れた世代は冬が終わるまで完全には成熟しない。

               

               

              蛹から出たモナコ蝶4

              低いトウワタの枝に下がっていたサナギからもオオカバマダラが出てきた。

               

              近い将来、絶滅が心配されてるオオカバマダラを何とか救おうと色々な形での運動がなされている。その結果、庭に蝶を呼ぶ " Butterfly Garden " を造る家も増えてきている。そして、学校や道路わきにオオカバマダラの " Host Plant " のトウワタを植えて蝶の渡りを助ける運動 " Monarch Waystation Habitats " に参加する人々や企業なども増えてきている。既に 22,481 の Waystation が登録されているのも嬉しいニュースである。

               

               

              蛹から出たモナコ蝶5

              翅をゆっくり少しづつ伸ばしていく。

               

              生まれたての蝶は、茶色の分泌液をポンプで押し出すように翅にかけて、一時間近く掛かりながら折りたたまれて縮こまっていた翅の皺を丁寧に伸ばして乾かしていく。そして、開いたり閉じたりしながら時間を掛けて乾かしていく。サナギから出てきて、半日近くかけてゆっくり飛び出す準備をする。

               

               

              翅を広げたモナコ蝶

              乾かしが最終ステップになると、翅の美しい表が見え始める。

               

              近年その数が減少しているオオカバマダラであるが、色々な原因が指摘されている。その大きな原因が二酸化炭素の増加により、オオカバマダラの幼虫が食べるただ一つの植物「トウワタ」の減少である。又、越冬地であるメキシコの森林が開発で多く伐採されて畑になってしまったことや、米国内では、近年トーモロコシ畑や大豆畑、道路わきで大量の除草剤を使用するため、トウワタが群生する草原が減って来て、渡り途中の幼虫のエサがなくなってきてることなどが挙げられてる。

               

               

              初飛び寸前のモナコ蝶

              トウワタの枝先まで登り、初飛びの準備をしているオオカバマダラ

               

              オオカバマダラの数が急減しているニュースがTVや新聞で大きく取り上げられてる。特にカリフォルニアを中心とする西側での減少が顕著で、1980年代と比べても90%近く減少している。毎年全米で行われるオオカバマダラの数をカウントするイベント " Monarch Thanksgiving Count " によると、全米でもこの20年間で80%以上減少している報告がなされている。

               

               

              トウワタの花に止まるモナコ蝶

              4時間近く掛けて翅の乾かしを終了、近くのトウワタの花までの短い距離の初飛びを行った。

               

              メキシコと並んで越冬地とされてる南カリフォルニアでは,1980年代に10百万匹だったオオカバマダラの数が、2018年にはたった 28,429 匹だけという驚くべき数字が報告された。この状況が続くと、20年後には絶滅してしまうかも?・・・という報告もなされていた。庭で生まれ育ったこのオオカバマダラが、無事越冬地メキシコへ渡って行ってくれることをただただ祈るだけである。


              庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その3)

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                木に下がるモナコ蝶蛹1

                木の葉と同じ色でカモフラージュされてるオオカバマダラのサナギ(赤丸)

                 

                幼虫がサナギになるための場所の選択は色々あって、卵から孵って幼虫の時を過ごすトウワタから、だいたい半径1メートルの範囲内を歩いて小灌木のしっかりした枝を見つける。しかし、無精して何処にも行かず、トウワタの茎でそのままサナギになってしまうのもいる。また、場所探しでグラウンドを歩いてる時にパティオに入ってきてしまい、ソファーやテーブルの脚にぶら下がってそのままサナギになるのもいる。鳥などの天敵に食べられないよう低い所でサナギをしっかり固定出来る物であれば何でも良いようだ。

                 

                 

                木に下がるモナコ蝶蛹2

                幼虫から変ったばかりのオオカバマダラのサナギ

                 

                サナギの上部に幼虫時のすじ模様が残っている。しっかりと木の幹にくっついてるサナギは、雨が降ろうが強い風が吹いてもびくともせず、2週間以上このままの状態が続く。

                 

                 

                トウワタのモナコ蝶蛹

                小さくて背丈の低いトウワタの茎にぶら下がってるオオカバマダラのサナギ。一週間経ったサナギは緑色も濃くなり、金色の縁どりが出てくる。

                 

                 

                木に下がるモナコ蝶蛹3

                サナギになって13日目には蝶の翅の模様が少し見えてくる。蛹の中で日一日と蝶のボディー、翅が出来上がっていくのが判る。

                 

                 

                 

                黒くなったモナコ蝶蛹1

                サナギになって16日目、サナギは色が黒くなり中の蝶の翅の模様がくっきり見えるようになってくる。この段階になると、蝶が現れてくるのも間近である。

                 

                 

                黒くなったモナコ蝶蛹2

                サナギの中から蝶が現れる寸前、翅の色、縞模様の黒いボディーがさらにくっきりと見えてくる。


                庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その2)

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                  モナコ蝶幼虫 1

                  指と比較してもその小ささが判るオオカバマダラの生まれたての幼虫

                   

                  卵から孵った幼虫は体長1センチ程で薄い緑の半透明な色、そして、まだオオカバマダラの特徴のボディーに派手な帯がない。幼虫は卵の殻を食べ、やがてトウワタの花や葉を食べ始める。幼虫はくるくると円運動をするが、これは食べたトウワタの乳液を体の中に流し込むためである。

                   

                   

                  モナコ蝶幼虫 2

                  卵から孵って10日目の幼虫

                   

                  幼虫はサナギになるまでに5回脱皮をする。その度に大きくなり体内に栄養分を貯め、一切何も食べれなくなるサナギの時に備える。

                   

                   

                  モナコ蝶大小2匹の幼虫

                  トウワタの葉を食べる大小の幼虫

                   

                  右の小さな幼虫、3回目の脱皮ステージまで大きくなると体に白、黄色、黒の帯状の縞模様が濃くなって大変きれいである。前と後ろに2本の長い触角が2組出てくる。このステージを超すと幼虫は葉のエッジに沿って歩き始め、花は食べずに葉を食べ始める。左の大きい幼虫は4回目の脱皮ステージで、足の外側に大きな白い斑点が出てくる。

                   

                   

                  モナコ蝶Jの字の幼虫 1

                  サナギになる時が近づくと、アルファベットの”J”の字型になってくる。

                   

                  トウワタの葉をたくさん食べて大きくなった幼虫、5回目の脱皮ステージを終えた段階では体の大きさも4センチ以上、太さも8ミリ、重さは最初の1回目の脱皮ステージ時の2000倍にもなっている。

                   

                   

                  モナコ蝶Jの字の幼虫 2

                  サナギになる準備のため尻から白い液体(赤丸)を出す

                   

                  サナギになる直前には、細いトウワタの茎を登り糸を紡ぐように絹のような白い液体を出す。この液体がセメンダインのような役割をして幼虫の体を茎に固定し、いよいよサナギになる最終ステージに入っていく。

                   

                   

                  モナコ蝶Jの字の幼虫 3

                  ”J”の字型になって逆さまにぶら下がるサナギ直前の幼虫

                   

                  尻から出した白い液体で体を固定した幼虫は、逆さまにぶら下がったまゝ外側の皮を溶かしながら関節のある緑の外骨格に包まれていく。最後に頭の部分を落とし、緑色のサナギとなる。


                  ソノラ砂漠に大雪 2019年2月末

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                    サワーロサボテンに積もる雪

                    巨大サボテン「サワーロ」 (Saguaro) に雪が積もる

                     

                    2月22日南アリゾナのソノラ砂漠に大雪が降る。毎年冬には1〜2度ぐらいは小雪が散らつくことがあっても、これほどの大雪は5年ぶりである。西隣のカリフォルニア州のロスアンゼルスでも雪が降ったようで、これも珍しくTVニュースでは大騒ぎであった。

                     

                     

                    雪が積もったプリザーブ

                    一面、白銀の世界となったソノラ砂漠

                     

                    今年の冬は、例年より雨の日が多いので、春には野花 (Wild Flower) がいつもより多く咲き見事な花畑が予想されてたところ、春を目の前にした2月末、早朝から牡丹雪が降り始め、街中でも5センチ近く積もった。サボテンと雪の風景は珍しく、住んでる人はもちろん、観光客も大喜びでカメラを持って雪降る中を大騒ぎしていた。興奮した雪の光景も一日だけで、翌日には青空が戻り雪もきれいに消えてしまった。

                     

                     

                    雪が被ったフィーダー

                    庭のハミングバード用フィーダーもすっぽり雪に包まれてしまう

                     

                    花蜜が出る花が少ない冬は、ハミングバードはどうしてもフィーダーの砂糖水に頼る。寒い雪空の中では彼らは糖分がいつもより多く必要となるため、庭に来るハミングバードの数も急増したので急遽フィーダーを増やした。フィーダーは彼らにとって命綱であり、並んで仲良く分け合えばいいものを、他から庭に入って来るハミングバードを体当たりして追い払うほどテリトリー意識が強いのには驚く。

                     

                     

                    積雪の枝に止まるコスタハチドリ雄

                    雪が積もった小さな木でじっと寒さに耐えてるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) の雄

                     

                    コスタハチドリ ( Calypte costae ) は「砂漠のハチドリ」と言われており、主に南アリゾナ、南カリフォルニア、北メキシコのソノラ砂漠に生息している体長9センチの北米で二番目に小さい鳥である。一部は中米に渡りをするが、我が家の庭では一年中見られ営巣もしている。

                     

                     

                    花蜜を舐めるアンナハチドリ

                    雪の重さで地面すれすれに垂れた花から懸命に花蜜を舐めるアンナハチドリ (Anna's Hummingbird / Calypte anna)

                     

                    寒い冬でもよく花が咲く「チュパロサ」はハミングバードにとって貴重なエサ(花蜜)のもとで、出来る限り多くこの花を植えることにしている。アンナハチドリは元々主にカリフォルニアの太平洋沿岸に生息していたハミングバードであるが、フィーダーに対する順応性が非常に高く、近年、庭の飾り物として一般の家庭でもフィーダーを掛ける所が多くなり、そのため内陸へどんどん移動してきて、今では南アリゾナでも一年中見られるポピュラーなハミングバードとなった。

                     

                     

                    横向になった巣

                    真横に傾いたコスタハチドリの巣

                     

                    庭には丁度一週間前に卵から孵った雛がいる巣があり、その巣の枝が雪の重さで下へ垂れてしまい、巣(赤い矢印)が横向きになって雛が落ちそうになったので少々慌てた。雛は巣に懸命にしがみついてるが雌親は巣に座ることすら出来ず、近くの灌木の枝にじっと止まってボー然としていた。

                     

                     

                    巣のある灌木の雪払い

                    雪降る中、巣の周りと枝に積もった雪払いを開始

                     

                    雪が降り続く中、とにかく巣を元へ戻さないと雛が落ちて死んでしまうので、ひとまず、ほうきで垂れた枝と巣の周りの雪を払い落す。コスタハチドリの雌親は観念したのか、パニックになって飛ぶこともなく、すぐ横の灌木でじっとこちらを向いて見ていた。何時もフィーダーの砂糖水を取り換えてる私との間の信頼関係が出来上がってるのかもしれない。

                     

                     

                    元の位置へ戻った巣

                    葉に積もった雪を下ろしたので巣は元の位置に戻る。これで雌親も巣に座れるだろう。まだ完全に羽が生えてない雛が寒さで凍え死なないことを祈りながら雌親が巣に座るのを待つ。

                     

                     

                    巣に座るコスタハチドリ雌親

                    安心したように巣に座る雌親

                     

                    晴天の翌日にはすっかり雪も消えて雛の無事を確認。雌親もしっかり巣に座って雛を温めていたので一安心した。小さなハミングバードの生命力の強さには驚く。コスタハチドリはハミングバードの中でも一番営巣が早い。暖冬だと12月に巣作りを開始するのもいる。しかし、砂漠の気候は変化が激しいので、今回のようなリスクに直面することもある。


                    庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その1)

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                      欄干上を飛ぶモナコ蝶

                      ハミングバードのフィーダーの上を舞っている渡り途中のオオカバマダラ ( Monarch Butterfly )

                       

                      晩秋の青空を、渡りのオオカバマダラがひらひら飛んで行く風景は秋の風物詩の一つである。オオカバマダラは渡りをする蝶として有名で、大型で派手な色をしているので北米では一番人気のある蝶の一種である。近年はペットや学校の教材として飼育され、又、結婚式や大きなセレモニーでこの蝶を大量に放つことが流行っており、100匹単位で飼育しそれを商売にしてる人もいる。そして、越冬地の南カリフォルニアやメキシコでは、この蝶が大きな樹木に鈴なりになってる光景がエコーツーリズムに役立ってもいる。

                       

                       

                      屋根上を飛ぶモナコ蝶

                      秋の青空から庭に下りて来るオオカバマダラ ( Donaus plexippus )

                       

                      オオカバマダラは,一年の内に四世代から五世代かけて世代交代を繰り返しながら,南から北へそして北から南への渡りをする。春になると,越冬地であるメキシコと南カリフォルニアからカナダまで主に太平洋沿岸を北上し、秋になると,大西洋の東海岸から真ん中のコロラド山脈沿いにかけてメキシコへ南下して行く。春に Host Plant (卵を産み付ける花)を求めて北上する世代は,蝶として2週間から4週間ぐらいしか生きられないが、秋に南へ渡って行く世代は寿命が非常に長く6か月から8か月近く生きるので、一世代でメキシコまでの長旅をすることが出来る。

                       

                       

                      ハチドリのフィーダーとモナコ蝶

                      庭に下りて来てハミングバードのフィーダーの周りを飛ぶオオカバマダラ

                       

                      オオカバマダラはあまり羽ばたかず風に乗ってゆっくりと滑空しながら飛ぶので、その姿は実に優雅である。非常に飛行能力に優れているので気流に乗って遠距離を飛び続けることが出来、特に秋の渡りはカナダの南からメキシコに向かって一世代で3000キロ以上の旅をする。

                       

                       

                      ミルクウイードに止まるモナコ蝶

                      翅を広げて休むオオカバマダラ

                       

                      翅が黒とオレンジ色で白のパターンがある派手な蝶で、翅を広げた時の横幅の長さが10センチ近くもあって大きい。毎年秋の渡り途中に庭に寄って行くオオカバマダラは夏に羽化した世代で、多くの花から蜜を吸い体内に脂肪を大量に蓄える。この脂肪をエネルギーにしてメキシコの越冬地へ渡って行く。

                       

                       

                      花蜜を吸うモナコ蝶

                      トウワタ ( Milkweed ) の花蜜を吸うオオカバマダラ

                       

                      別名 " Milkweed Wanderer " (トウワタの放浪者)と呼ばれ、トウワタの花を求めてさすらいの旅をする。英名 " Monarch " (モナコ)はその色から「オレンジプリンス」と言われた英国のウイリアム三世王の名から付けられた。花粉を媒介するアイコン的な昆虫で、世界的には主に北米で見られる " D. plexippus " と南米で見られる " D.erippus " そしてジャマイカ島に生息する " D.cleophile " の3種類がいる。

                       

                       

                      卵を産むモナコ蝶

                      トウワタの葉の裏に卵を産み付けるオオカバマダラの雌

                       

                      トウワタ ( Milkweed ) は幼虫の食草であり、幼虫はこの葉を食べることによってトウワタのアルカロイドを体内に蓄えて毒化する。このため鳥がオオカバマダラを捕食すると苦い味がして苦しみ、ついには吐き出してしまうので、二度とオオカバマダラを捕食しない。長旅をする蝶にとって、これと言った天敵から逃れるすべを持たないので、オオカバマダラの唯一の防御方法と思われる。

                       

                       

                      モナコ蝶の卵

                      体長がたった2ミリ程度しかないオオカバマダラの小さな卵(赤い矢印

                       

                      オオカバマダラの卵から蝶になる変態期間は暖かい夏だと25日間ぐらいであるが、うすら寒い晩秋だと7週間以上掛かることがあるようだ。しかもその生存率はトウワタの成長にもよるが、極端な天候の変化や天敵、病気などにも左右されるので平均して10%以下と思われてる。



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