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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その3)

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    木に下がるモナコ蝶蛹1

    木の葉と同じ色でカモフラージュされてるオオカバマダラのサナギ(赤丸)

     

    幼虫がサナギになるための場所の選択は色々あって、卵から孵って幼虫の時を過ごすトウワタから、だいたい半径1メートルの範囲内を歩いて小灌木のしっかりした枝を見つける。しかし、無精して何処にも行かず、トウワタの茎でそのままサナギになってしまうのもいる。また、場所探しでグラウンドを歩いてる時にパティオに入ってきてしまい、ソファーやテーブルの脚にぶら下がってそのままサナギになるのもいる。鳥などの天敵に食べられないよう低い所でサナギをしっかり固定出来る物であれば何でも良いようだ。

     

     

    木に下がるモナコ蝶蛹2

    幼虫から変ったばかりのオオカバマダラのサナギ

     

    サナギの上部に幼虫時のすじ模様が残っている。しっかりと木の幹にくっついてるサナギは、雨が降ろうが強い風が吹いてもびくともせず、2週間以上このままの状態が続く。

     

     

    トウワタのモナコ蝶蛹

    小さくて背丈の低いトウワタの茎にぶら下がってるオオカバマダラのサナギ。一週間経ったサナギは緑色も濃くなり、金色の縁どりが出てくる。

     

     

    木に下がるモナコ蝶蛹3

    サナギになって13日目には蝶の翅の模様が少し見えてくる。蛹の中で日一日と蝶のボディー、翅が出来上がっていくのが判る。

     

     

     

    黒くなったモナコ蝶蛹1

    サナギになって16日目、サナギは色が黒くなり中の蝶の翅の模様がくっきり見えるようになってくる。この段階になると、蝶が現れてくるのも間近である。

     

     

    黒くなったモナコ蝶蛹2

    サナギの中から蝶が現れる寸前、翅の色、縞模様の黒いボディーがさらにくっきりと見えてくる。


    庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その2)

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      モナコ蝶幼虫 1

      指と比較してもその小ささが判るオオカバマダラの生まれたての幼虫

       

      卵から孵った幼虫は体長1センチ程で薄い緑の半透明な色、そして、まだオオカバマダラの特徴のボディーに派手な帯がない。幼虫は卵の殻を食べ、やがてトウワタの花や葉を食べ始める。幼虫はくるくると円運動をするが、これは食べたトウワタの乳液を体の中に流し込むためである。

       

       

      モナコ蝶幼虫 2

      卵から孵って10日目の幼虫

       

      幼虫はサナギになるまでに5回脱皮をする。その度に大きくなり体内に栄養分を貯め、一切何も食べれなくなるサナギの時に備える。

       

       

      モナコ蝶大小2匹の幼虫

      トウワタの葉を食べる大小の幼虫

       

      右の小さな幼虫、3回目の脱皮ステージまで大きくなると体に白、黄色、黒の帯状の縞模様が濃くなって大変きれいである。前と後ろに2本の長い触角が2組出てくる。このステージを超すと幼虫は葉のエッジに沿って歩き始め、花は食べずに葉を食べ始める。左の大きい幼虫は4回目の脱皮ステージで、足の外側に大きな白い斑点が出てくる。

       

       

      モナコ蝶Jの字の幼虫 1

      サナギになる時が近づくと、アルファベットの”J”の字型になってくる。

       

      トウワタの葉をたくさん食べて大きくなった幼虫、5回目の脱皮ステージを終えた段階では体の大きさも4センチ以上、太さも8ミリ、重さは最初の1回目の脱皮ステージ時の2000倍にもなっている。

       

       

      モナコ蝶Jの字の幼虫 2

      サナギになる準備のため尻から白い液体(赤丸)を出す

       

      サナギになる直前には、細いトウワタの茎を登り糸を紡ぐように絹のような白い液体を出す。この液体がセメンダインのような役割をして幼虫の体を茎に固定し、いよいよサナギになる最終ステージに入っていく。

       

       

      モナコ蝶Jの字の幼虫 3

      ”J”の字型になって逆さまにぶら下がるサナギ直前の幼虫

       

      尻から出した白い液体で体を固定した幼虫は、逆さまにぶら下がったまゝ外側の皮を溶かしながら関節のある緑の外骨格に包まれていく。最後に頭の部分を落とし、緑色のサナギとなる。


      ソノラ砂漠に大雪 2019年2月末

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        サワーロサボテンに積もる雪

        巨大サボテン「サワーロ」 (Saguaro) に雪が積もる

         

        2月22日南アリゾナのソノラ砂漠に大雪が降る。毎年冬には1〜2度ぐらいは小雪が散らつくことがあっても、これほどの大雪は5年ぶりである。西隣のカリフォルニア州のロスアンゼルスでも雪が降ったようで、これも珍しくTVニュースでは大騒ぎであった。

         

         

        雪が積もったプリザーブ

        一面、白銀の世界となったソノラ砂漠

         

        今年の冬は、例年より雨の日が多いので、春には野花 (Wild Flower) がいつもより多く咲き見事な花畑が予想されてたところ、春を目の前にした2月末、早朝から牡丹雪が降り始め、街中でも5センチ近く積もった。サボテンと雪の風景は珍しく、住んでる人はもちろん、観光客も大喜びでカメラを持って雪降る中を大騒ぎしていた。興奮した雪の光景も一日だけで、翌日には青空が戻り雪もきれいに消えてしまった。

         

         

        雪が被ったフィーダー

        庭のハミングバード用フィーダーもすっぽり雪に包まれてしまう

         

        花蜜が出る花が少ない冬は、ハミングバードはどうしてもフィーダーの砂糖水に頼る。寒い雪空の中では彼らは糖分がいつもより多く必要となるため、庭に来るハミングバードの数も急増したので急遽フィーダーを増やした。フィーダーは彼らにとって命綱であり、並んで仲良く分け合えばいいものを、他から庭に入って来るハミングバードを体当たりして追い払うほどテリトリー意識が強いのには驚く。

         

         

        積雪の枝に止まるコスタハチドリ雄

        雪が積もった小さな木でじっと寒さに耐えてるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) の雄

         

        コスタハチドリ ( Calypte costae ) は「砂漠のハチドリ」と言われており、主に南アリゾナ、南カリフォルニア、北メキシコのソノラ砂漠に生息している体長9センチの北米で二番目に小さい鳥である。一部は中米に渡りをするが、我が家の庭では一年中見られ営巣もしている。

         

         

        花蜜を舐めるアンナハチドリ

        雪の重さで地面すれすれに垂れた花から懸命に花蜜を舐めるアンナハチドリ (Anna's Hummingbird / Calypte anna)

         

        寒い冬でもよく花が咲く「チュパロサ」はハミングバードにとって貴重なエサ(花蜜)のもとで、出来る限り多くこの花を植えることにしている。アンナハチドリは元々主にカリフォルニアの太平洋沿岸に生息していたハミングバードであるが、フィーダーに対する順応性が非常に高く、近年、庭の飾り物として一般の家庭でもフィーダーを掛ける所が多くなり、そのため内陸へどんどん移動してきて、今では南アリゾナでも一年中見られるポピュラーなハミングバードとなった。

         

         

        横向になった巣

        真横に傾いたコスタハチドリの巣

         

        庭には丁度一週間前に卵から孵った雛がいる巣があり、その巣の枝が雪の重さで下へ垂れてしまい、巣(赤い矢印)が横向きになって雛が落ちそうになったので少々慌てた。雛は巣に懸命にしがみついてるが雌親は巣に座ることすら出来ず、近くの灌木の枝にじっと止まってボー然としていた。

         

         

        巣のある灌木の雪払い

        雪降る中、巣の周りと枝に積もった雪払いを開始

         

        雪が降り続く中、とにかく巣を元へ戻さないと雛が落ちて死んでしまうので、ひとまず、ほうきで垂れた枝と巣の周りの雪を払い落す。コスタハチドリの雌親は観念したのか、パニックになって飛ぶこともなく、すぐ横の灌木でじっとこちらを向いて見ていた。何時もフィーダーの砂糖水を取り換えてる私との間の信頼関係が出来上がってるのかもしれない。

         

         

        元の位置へ戻った巣

        葉に積もった雪を下ろしたので巣は元の位置に戻る。これで雌親も巣に座れるだろう。まだ完全に羽が生えてない雛が寒さで凍え死なないことを祈りながら雌親が巣に座るのを待つ。

         

         

        巣に座るコスタハチドリ雌親

        安心したように巣に座る雌親

         

        晴天の翌日にはすっかり雪も消えて雛の無事を確認。雌親もしっかり巣に座って雛を温めていたので一安心した。小さなハミングバードの生命力の強さには驚く。コスタハチドリはハミングバードの中でも一番営巣が早い。暖冬だと12月に巣作りを開始するのもいる。しかし、砂漠の気候は変化が激しいので、今回のようなリスクに直面することもある。


        庭で生まれ育ったオオカバマダラ蝶 (その1)

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          欄干上を飛ぶモナコ蝶

          ハミングバードのフィーダーの上を舞っている渡り途中のオオカバマダラ ( Monarch Butterfly )

           

          晩秋の青空を、渡りのオオカバマダラがひらひら飛んで行く風景は秋の風物詩の一つである。オオカバマダラは渡りをする蝶として有名で、大型で派手な色をしているので北米では一番人気のある蝶の一種である。近年はペットや学校の教材として飼育され、又、結婚式や大きなセレモニーでこの蝶を大量に放つことが流行っており、100匹単位で飼育しそれを商売にしてる人もいる。そして、越冬地の南カリフォルニアやメキシコでは、この蝶が大きな樹木に鈴なりになってる光景がエコーツーリズムに役立ってもいる。

           

           

          屋根上を飛ぶモナコ蝶

          秋の青空から庭に下りて来るオオカバマダラ ( Donaus plexippus )

           

          オオカバマダラは,一年の内に四世代から五世代かけて世代交代を繰り返しながら,南から北へそして北から南への渡りをする。春になると,越冬地であるメキシコと南カリフォルニアからカナダまで主に太平洋沿岸を北上し、秋になると,大西洋の東海岸から真ん中のコロラド山脈沿いにかけてメキシコへ南下して行く。春に Host Plant (卵を産み付ける花)を求めて北上する世代は,蝶として2週間から4週間ぐらいしか生きられないが、秋に南へ渡って行く世代は寿命が非常に長く6か月から8か月近く生きるので、一世代でメキシコまでの長旅をすることが出来る。

           

           

          ハチドリのフィーダーとモナコ蝶

          庭に下りて来てハミングバードのフィーダーの周りを飛ぶオオカバマダラ

           

          オオカバマダラはあまり羽ばたかず風に乗ってゆっくりと滑空しながら飛ぶので、その姿は実に優雅である。非常に飛行能力に優れているので気流に乗って遠距離を飛び続けることが出来、特に秋の渡りはカナダの南からメキシコに向かって一世代で3000キロ以上の旅をする。

           

           

          ミルクウイードに止まるモナコ蝶

          翅を広げて休むオオカバマダラ

           

          翅が黒とオレンジ色で白のパターンがある派手な蝶で、翅を広げた時の横幅の長さが10センチ近くもあって大きい。毎年秋の渡り途中に庭に寄って行くオオカバマダラは夏に羽化した世代で、多くの花から蜜を吸い体内に脂肪を大量に蓄える。この脂肪をエネルギーにしてメキシコの越冬地へ渡って行く。

           

           

          花蜜を吸うモナコ蝶

          トウワタ ( Milkweed ) の花蜜を吸うオオカバマダラ

           

          別名 " Milkweed Wanderer " (トウワタの放浪者)と呼ばれ、トウワタの花を求めてさすらいの旅をする。英名 " Monarch " (モナコ)はその色から「オレンジプリンス」と言われた英国のウイリアム三世王の名から付けられた。花粉を媒介するアイコン的な昆虫で、世界的には主に北米で見られる " D. plexippus " と南米で見られる " D.erippus " そしてジャマイカ島に生息する " D.cleophile " の3種類がいる。

           

           

          卵を産むモナコ蝶

          トウワタの葉の裏に卵を産み付けるオオカバマダラの雌

           

          トウワタ ( Milkweed ) は幼虫の食草であり、幼虫はこの葉を食べることによってトウワタのアルカロイドを体内に蓄えて毒化する。このため鳥がオオカバマダラを捕食すると苦い味がして苦しみ、ついには吐き出してしまうので、二度とオオカバマダラを捕食しない。長旅をする蝶にとって、これと言った天敵から逃れるすべを持たないので、オオカバマダラの唯一の防御方法と思われる。

           

           

          モナコ蝶の卵

          体長がたった2ミリ程度しかないオオカバマダラの小さな卵(赤い矢印

           

          オオカバマダラの卵から蝶になる変態期間は暖かい夏だと25日間ぐらいであるが、うすら寒い晩秋だと7週間以上掛かることがあるようだ。しかもその生存率はトウワタの成長にもよるが、極端な天候の変化や天敵、病気などにも左右されるので平均して10%以下と思われてる。


          謹賀新年 2019年元旦

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            カタリナ州立公園と雪山

            2019年新年、初雪のソノラ砂漠、カタリナ連山

             

            新年おめでとうございます。

            本年も皆様に南アリゾナの自然を少しでも多くご紹介するため精いっぱい努力する所存ですので、引き続きよろしく

            お願い申し上げあげます。

             

             

            サワーロと雪山

            今冬初の積雪が見られたカタリナ連山とマイフィールド・カタリナ州立公園のサボテン " Saguaro "

             

            南アリゾナは、31日大晦日の夜から降り出した雨が翌日の元旦の午前中いっぱい降ったので、新年の初日の出は見られなかった。翌2日の朝、今年初のマイフィールド(カタリナ州立公園)歩きをする。クリスマスまで暖かった南アリゾナも晦日の前日から朝方零下、日中も5度ぐらいしか気温が上がらない寒い日が続き、ソノラ砂漠も本格的な冬となった。巨大サボテン " Saguaro " 超しに見る雪景色は実に荒々しく荘厳で雄大である。この組み合わせは冬のソノラ砂漠でしか見られない美しいシーンで、北風に顔が突っ張る寒さも忘れてしばし見とれてしまう。

             

             

            キツツキ、サワーロ、雪山

            寒そうに Saguaro の天辺で雪空を見上げる砂漠のキツツキ、サバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker / Melanerpes uropygialis )

             

            ツーソンを中心とする南アリゾナソノラ砂漠は東と南北に標高1500メートル以上の山が連なっている。冬に入ると、この山々が白化粧をした姿に変わり、砂漠も寒々としてくる。南アリゾナの冬は12月末から2月初旬までの一か月半と大変短い。一番寒いのは1月の「寒」に入った頃で、毎年一日か二日ぐらい平地にも雪が降る。元旦に降る雨や雪を昔の人は「御降(おさがり)」と言ったそうだが、書斎から「御降」を静かに眺め過ごす年始は、南アリゾナの例年と違って冬らしい趣があった。

             

             

            Brittlebush

            寒い雪空の中、岩場の斜面に咲く小さなヒマワリに似たキク科の Brittlebush ( Encelia farinosa )

             

            例年2月中旬ごろの春に一番早く咲く花であるが、新年にしかも冬空の中でこの花を目にするのは初めてである。

            南アリゾナの正月はあっさりとしたものである。大晦日はもちろん「除夜の鐘」、「紅白〜」もなく、夜中12時から打ち上げられる花火だけで、 " Happy New Year " である。暦の上の休日は元旦の一日だけ。二日は銀行、証券取引所などすべてのマーケットが開く「御用始め」である。

             

             

            Paper Flower

            例年だと4月に咲き始める Paper Flower ( Psilostrophe cooperi ) が正月にチラホラ咲いてるのにもびっくりした。

             

            英名 " Paper Flower " (ペーパーフラワー)は、花が終わりに近づくと白くなって紙の造花のようになるところから付けられた。

            今年の元旦の夜明けは,小雨降る中,屋根の上で盛んに雄雌で鳴き合うアメリカワシミミズク ( Great Horned Owl ) の声で目が覚めた。新しいと年が明ける嬉しいファンファーレでもあり、耳に心地よかった。冬のこの時期は鳥種が少ないが、山から下りて来てソノラ砂漠で冬を越すチャガシラヒメドリ ( Chipping Sparrow ), ブリューワーヒメドリ ( Brewer's Sparrrow ), ヒバリヒメドリ

            ( Lark Sparrow ), ノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow ), ミヤマシトド ( White-crowned Sparrow ) などの所謂 Sparrow 類の群れがグラウンドで餌取しては低灌木を飛び回っている姿を近くで見ることが出来る。

             

             

            Marigold

            朝方、零下まで気温が下がる冬でも、枯れずに花を咲かせる砂漠の野花 " Desert Marigold ( Baileya multiradiata )

             

            冬のキャニオン ( Canyon ) 歩きは大変疲れる。まず、早朝の歩きだしと昼近くに帰って来る時の寒暖の差が大変激しい。冬の日の出は遅いのでキャニオンでは7時頃となる。太陽が山の稜線から顔を出す時に気温が下がり零度(時には零下2度から3度)近くにもなる。セーター、厚手のハイキング用ジャケット、これに時にはマフラーとホカロンが必要で手袋も厚手となる。太陽が高く上がって気温が少しづつ上昇してくる10時頃になると、やっと体全部が暖まって来てホッとしてくる。岩に腰を下ろし、持参の熱いコーヒーを飲みながらボヤーと過ごす時間が心地よい。周りでは、やっとサボテンミソサザイ ( Cactus Wren ) , マルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher ), アメリカツリスガラ ( Verdin ), オグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher ) など砂漠の鳥が鳴き始める。12時過ぎる頃の帰り道は気温も20近くになるので防寒具のほとんどをリュックに押し込み、シャツ一枚しかも腕まくりをしないと暑いぐらいである。砂漠の気候は実に激しい。

             

             

            Mexican Gold Poppy

            新年には珍しく、一輪だけ咲いていた春の花、メキシカンポピー ( Mexican Gold Poppy / Eschscholtzia mexicana )

             

            山の岩肌に吹き付けた雪と、岩がごろごろして寒々とした風景のソノラ砂漠でも、足元を見ると幾つかの春の花が咲いているのには驚いた。昨年の秋からクリスマスにかけて暖かく例年以上に雨が多く降ったので、野花が春の到来を待ちきれず咲き始めてしまった・・と思われる。

             

             

            Roadrunner

            今年見た第一号の鳥、オオミチバシリ ( Greater Roadrunner / Geococcyx californianus )

             

            新年の歩きで最初に視界に入って来たのは、ソノラ砂漠の人気者ロードランナーであった。しかもドンドン寄って来て、肉眼で翅の細部まで見れるほどの距離まで近づいて来るのでドキドキした。餌となるトカゲや昆虫類が少なくなる冬の砂漠では、エサ探しに苦労するようで人間の存在など無頓着、ゆっくり歩きながら木の上や幹、グラウンドなどを見つめながら何か動くものは居ないか・・懸命にエサ探しをする。幸先の良い今年の鳥見のスタートであり、砂漠の新年に相応しい鳥に最高の状況で出会えたので、大変満足した歩きとなった。


            ハッピーホリデー( Happy Holidays ) 2018年クリスマス

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              クリスマスカード

              早いものでもう年の瀬となりました。今年も私のブログを見ていただきありがとうございました。こちらは12月に入ってホリデーシーズンとなり多くの人々が休暇を取って旅に出たり、パーティーをしたり、一年で一番楽しい月です。

               

               

              カタリナ公園の紅葉

              12月に入って見られるソノラ砂漠ならではの巨大サボテン " Saguaro " と美しい紅葉

               

              そしてこの時期、愛鳥家にとっては「クリスマス・バードカウント」 ( Christmas Bird Count ) という大きなイベントがある。1900年に始まった長い歴史を持つイベントで、今年はその119回目にあたり、12月14日から来年の1月5日まで行われる。アメリカ合衆国、カナダ、カリブ海の島、太平洋の島で行われる鳥の国勢調査のようなもので、オーデュボン協会 ( The National Audubon Society ) が主催する。参加登録したグループが一日(24時間)で見た鳥の数、種類を全て記録して報告する。私が住んでるアリゾナ州は12月15日に行われた。ちなみに、昨年前回(118回目)の記録では、参加人員数76,987人(アメリカ合衆国58,719人、カナダ14,264人、その他4004人)で、2,585件のレポートが提出され、見られた鳥の数は59.242,067羽、鳥種は2,673種類が報告されている。

               

               

              12月の夕焼け空

              クリスマスイブの南アリゾナソノラ砂漠の夕焼け空。12月のソノラ砂漠の天候は、通常ドライで抜けるような青空の毎日であるが、

              今年は例年より雨の日が多く、12月としては珍しい美しい夕焼け空が見られた。夕陽を見て、コヨーテ ( Coyote ) の遠吠えを聞きながら迎えるクリスマスイブ、何とも言えない不思議な気持ちがする。


              アリゾナの夏・モンスーン 2018年晩夏

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                積乱雲と雨のカーテン
                「雲の峰」のように聳え立つ幾つかの積乱雲が一緒になって広がり、雨のカーテンが下りて来る。

                8月の南アリゾナは5月・6月の乾いた「ドライサマー」が終わって「モンスーン期」に入り、40度近い灼熱の日と猛烈な雷を伴う「ゲリラ豪雨」の日が交互にやって来る季節となる。「モンスーン」と言えば、日本では主にインドやタイの雨期を指す言葉として有名だが、もともとアラビア語の「季節」という意味の " mausiim" からとられたようである。米国では2008年に国立気象局によってアリゾナ州の6月15日から9月30日の期間をオフィシャルに「モンスーン・シーズン」と決められた。
                 
                空一面の雷雲
                夏の日差しが消えて、突然雷のファンファーレが鳴り出す。

                モンスーンの雷雨は大きな災害をもたらした「西日本豪雨」と形が似ている。いわゆる「バックビルディング現象」と言われるヤツで、同じ場所の上空で積乱雲が次々と生じ線状降水帯を形成する。灰色の雲のカーテンが下りてきて激しい雨が降り始め、庭でのんびりエサ取りしていた鳥たちも慌てふためいて飛び立ち、逃げ込み場所に潜り込む。
                 
                雨が激しく降る庭
                激しい雷雨は大きな雨粒を地面に叩きつける。神の力を現す「神立」(かんだち)とはよく言ったもんだ。

                一年のほとんどが乾燥している砂漠では「モンスーン期」だけ雨が激しく降って庭がしっとり濡れる。この時期に降る雨の量は年間平均降雨量(31.8センチ)の半分近くにもなる。この雨は夏の猛暑を抑え、水源に水を補給し砂漠の草木に滋養を与え、庭木の緑を一段と濃くする。
                 
                雨どいから流れる雨水
                雨どいからの雨水が勢いよく窪地(溜池)に流れていく。

                5月・6月の乾燥した西風が砂漠の大気を暖め、ジェット気流を北へ押し返す。それによって風は南に変わり、メキシコの湿気を大量に含んだモンスーンの大気がアリゾナに入って来る。強い夏の太陽に暖められた湿気を含んだ大気は積乱雲を作り雷雨となる。アリゾナのモンスーン雷雨は短時間で狭い局地的、しかも集中的に降るので途端に雨水は溢れ、道路や Wash (普段は川底が見える水のない乾いた川)へ勢い良く流れ込み、場所によっては道路の冠水や洪水が起きて、災害をもたらす激しい嵐が特徴でもある。しかし、この雨水は特に砂漠の庭の草花や木にとって大変恵みで貴重なので、雨どいに集めて大きな窪地に流し時間を掛けて土に浸透させ草や木の根へ万遍なく滋養を供給する。決して天然の水を無駄にしないよう庭がデザインされている。
                 
                サワーロサボテンに止まるモモアカノスリ
                雷雨の中、雨滴を全身に受けて水浴びするモモアカノスリ ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus )

                乾いた砂漠ならではの鷹の姿である。鷹ばかりでなく小さなハミングバードも、雨の中ホバリングしながら雨水を盛んに浴びる姿を見ることがある。乾燥した暑い天気が続いた間での雨は、砂漠の生きものにとっては、又、我々人間にとっても嬉しい天の恵みである。
                 
                翼を広げて踊るモモアカノスリ
                雨の中、巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の上で雨水を浴びるモモアカノスリ

                写真のような鷹の姿は、砂漠のモンスーン期でないと見られない珍しいユーモラスな景観である。足を交互に上げながら踊るように翼を広げたりつぼめたりして雨水でしっかり体を濡らしている。モモアカノスリはメキシコとの国境沿いの乾いた砂漠に生息しており、サワーロサボテンにしばしば巣を作るポピュラーな中型の鷹である。
                 
                大木に止まるオオカバマダラ蝶、
                大きな木にしがみついて雷雨を逃れる蝶オオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) 毎年、夏から晩秋にかけて、メキシコへの長い旅の途中、庭の花に寄っていく。
                 
                枝の雨水に顔を擦りつけるコスタハチドリ
                雨が小やみになったのでコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) がしっとり濡れてる小枝に顔を擦りつけて水浴びを始める。
                 
                塀の欄干を登るヒラモンスター
                「モンスーン期」に入ってまもなく、非常に珍しいアメリカドクトカゲが欄干から庭に入って来た。

                和名「アミメアメリカドクトカゲ」、英名 " Gila Monster " (ヒラモンスター)、学名 " Heloderma suspectum " 体長60センチほどの太いボディーをした北アメリカでは唯一の毒トカゲである。英名にアリゾナの川の名前 (Gila ヒラ)が付けられて、まさにアリゾナのシンボルでもある。しかし、一年の90%以上を地中で生活しているので、フィールドで見れるチャンスは非常に少ない。昨年に続いて2年連続して庭に現れびっくりしたが、再度じっくりと観察することが出来、非常に嬉しいモンスーンとなった。
                 
                雨雲のカーテンが残る夕焼け空
                激しい雷雨が去って夕焼けが始まる。

                灰色のカーテンが残っている所はまだ雨が降っており、雷雨の地域が非常に局地的なことが判る。まさに、天気予報でよく使われる言葉 " Isolated Thunder Storm " の景観である。
                 
                ヨタカが飛ぶ夕焼け空
                雨上がりの後はグラウンドから虫がたくさん上がってくるので、まだ空が明るい内からヨタカが虫捕りに飛び始める。
                 
                コアメリカヨタカの飛翔
                夕陽が当たって体が赤茶色のコアメリカヨタカ ( Lesser Nighthawk / Chordeiles acutipenuis )

                雷雨が終わった後の夕空は、西側に雨雲が残って夕焼けが始まり夕陽に空が赤く染まるが、東側はすっかり雨雲がとれて青空が広がるモンスーン独特の夕空となる。コアメリカヨタカは「砂漠のヨタカ」と呼ばれ、5月中旬頃、中南米から渡って来て子育てを行い8月末には南へ帰っていく。夕方や夜、ライトに集まる虫を捕りにちょくちょく庭に入って来る。独特な低い声で鳴く「ポロロロ・・・」という鳴き声が8月中旬頃になると聞けなくなる。庭の上を飛ぶヨタカやコウモリの小群が見れなくなると、秋も間近で季節の変わり目を感じる。
                 
                サワーロサボテンと夕焼け空
                モンスーン期の夕焼け空は特に美しく、サワーロサボテンとの組み合わせはソノラ砂漠の写真の定番。

                モンスーンはアリゾナの夏の独特な特異な現象である。夏のモンスーンの雨は農家にとってはまさに恵みの「慈雨」で、ランチ(牧場)にとっても草の生育に役立つので貴重な「喜雨」でもある。
                 
                ソノラ砂漠の夕焼け空
                嵐の去った後の夕焼けはひときわ美しく、静寂が戻った砂漠にコヨーテ (Coyote) の遠吠えが良く響く。

                夏のアリゾナの大嵐には,
                雷雨の他に土埃を巻き上げるダストストーム ( Dust Storm ) がある。中国で起こる砂塵嵐 ( Sand Storm ) と区別されていて、ダストストームはアリゾナの砂漠独特な嵐で、乾燥した日が続くと起きる。町を包み込んでしまうぐらい幅広く大きな茶色のカーテン(大きな山のように見える)が迫ってくる景観は凄い恐怖を覚える。高速を走ってる時にすっぽり包まれると,自分の車のボンネットの先が見えないぐらい視界が落ち、運転が出来なくなるので車を停めて嵐が行き去るのを待つしかない。車の中にも土埃が入り込んできて、口や鼻の中がジャリジャリして少々息苦しくなるのを経験したことがある。

                暑中お見舞い 2018年夏

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                  Mexican Silene
                  標高2000メートルの山の松林に咲く Mexican Silene ( Silene laciniata )

                  暑中お見舞い申し上げます。
                  南アリゾナソノラ砂漠も夏の真っ盛りです。40度近い気温と湿度40%から50%の日が続き、10%以下のカラカラ天気に慣れてる体には堪えます。砂漠の夏ですからすごい猛暑を想像されるでしょうが、真夏の6月下旬から9月中旬ぐらいまでは「モンスーン期」と呼ばれ、毎日午後には激しいスコールに見舞われますので助かります。乾燥しきった砂漠に降る雷雨は,樹木、草花、生き物にとってはまさに「恵みの雨」で,花が咲き木々の緑も濃くなって多くの鳥たちは2回目の繁殖をしますので「第2の春」とも呼ばれます。真夏の私のフィールド歩きも涼しい山林へ移ります。標高3000メートル近い山には松林、アスペンの林、すずかけの木があり、苔が生える暗い渓流沿いには赤い花が咲いており、松の匂いを嗅ぎ水の流れる音を聞きながら眺めてますと心が和みます
                   
                  Queen of the Night
                  Desert Night-Blooming Cereus ( Peniocereus gregii ) 別名 " Arizona Queen of the Night "


                  砂漠の夏の花、一夜だけしか咲かないサボテンの花、しかも「今夜咲くのか?」はその日の朝でないと判らないので見るのに大変苦労する花でもある。ライトに照らされて浮かび上がる11.5センチの大きな花は豪華で品があり、まさに愛称「アリゾナ・夜の女王」である。花は甘い良い香りがして花蜜がたくさん出るのでミツバチが大変好む。
                   
                  Painted Redstert
                  南アリゾナの夏の山林の鳥、カタジロアメリカムシクイ ( Painted Redstart / Myioborus pictus ) 尾を広げ幹を踊るように歩く姿が大変美しい。
                   
                  Rivolis Hummingbird
                  夏のフィーダーの花形、アオノドハチドリ ( Rivoli's Hummingbird / Eugenes fuigen's )

                  旧英名 " Magnificent Hummingbird "、 山の渓谷 ( Canyon ) で見られるハミングバードで、フィーダーの砂糖水を好み、持参したフィーダーを木の枝に吊るすと、何処からともなく直ぐ飛んできて砂糖水を舐め始めた。林の中では全身黒にしか見えないが、夏の強い日差しが当たると、頭の紫色と喉の青い色が金属光沢してハッとするほど美しい。
                   
                  Grand Western Cicada
                  砂漠で唯一のセミ(シカーダ、Grand Western Cicada / Tibicen dorsata )

                  南アリゾナソノラ砂漠にも一種類セミがおり、モンスーン期に入ると盛んに鳴き出す。体長4センチと大きくないが、声は良く聞こえてもなかなか姿を見ることが出来ない。日本のアブラゼミのように常時鳴き続けることはなく、突然大きな甲高いしかも一本調子で「ジー’’’」と短く鳴くが居場所を見つけるだけでも苦労する。
                   
                  Round Tailed Horned Lizard
                  モンスーン期に入ると庭に現れ、蟻をたくさん食べてくれるサバクツノトカゲ ( Round Tailed Horned Lizard / Phruynosoma modestu )

                  体長6センチと大変小さく丸くて亀のような形をしているが、これでも立派なトカゲである。英名 " Horned Lizard " は「角があるトカゲ」という意味で、頭の後ろに短い角の形をした鱗が8本ある。体全体が白っぽい灰色で砂漠の土と同じ色なのでカモフラージュされていてフィールドではなかなか見つけにくい。庭でガーデニングをしている時はグラウンドに両膝をつけて這いつくばって作業をすることが多いので偶に見つけるチャンスがある。主食は蟻で、大きな石の上で小石に見えるようなポーズをとり、背中を丸め猫背にして蟻が登って来るのをじっと待ち、近づくと舌を出してパクリ・・と食べてしまう。

                  庭で生れた野ウサギ 2018年春 (下)

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                    靴に寄り添うワタオウサギの子
                    靴にピッタリ寄り添うサバクワタオウサギの子

                    まだ外敵の恐ろしさを知らない子ウサギ、写真を撮る私の足元に寄りかかって眠っている。巣立ち直前の子ウサギは体も大きくなって巣穴が小さすぎるのか、居心地が悪いらしく巣の外へ出たがって歩き回る。
                     
                    手に登るワタオウサギの子
                    両手を差し伸べると、すぐ手のひらにのって来る子ウサギたち

                    庭の作業用の手袋をはめた手をひろげると、匂いを嗅ぎながら登って来る。サバクワタオウサギは多産で、生まれて3ヶ月も経つと繫殖を始め、1回に2匹から4匹を産み、しかも一年中繁殖を続ける。子ウサギの生まれて一年間の生存率が非常に低いために、たくさん産まないと子孫を残すことが出来ないのだろう。
                     
                    手のひらで眠るワタオウサギの子2匹
                    手のひらの温もりを楽しむ子ウサギ

                    毛がまだ完全に生えてない子ウサギにとって、大きく開けた巣穴では北風が吹く早朝は寒いらしく、手のひらで丸く包んでやると直ぐ眠ってしまう。
                     
                    手のひらで眠る子ウサギ一匹
                    一番体の大きな兄き格の子ウサギも手のひらに載って来る

                    ワタオウサギは日中はあまり活動的でなく、早朝や夕方に活発に動き回る。また、風の強い日にはエサ探しをすることはまれである。それは彼らの敵が近づいてくる音や気配を聞き取る能力が鈍るからである。
                     
                    ワタオウサギの巣と子ウサギ
                    巣立ちして庭を出て行く前日、巣に収まらないぐらい大きくなった子ウサギたち

                    この写真を撮った翌日、まだ私が寝ている夜明け前に子ウサギたちは巣穴を離れ雌親と一緒に庭から出て行った。ワタオウサギは捕食動物から身を守る方法は持っておらず、非常に良い目と良い耳そして素早い逃げ足しかない。そのため生まれて一年間の死亡率は特に高く、3匹生まれても生き残れるのはラッキーで一匹だけと言われている。
                     
                    サバクワタオウサギの親
                    庭の欄干をくぐって保護区へ出て行った雌親

                    ボディサイズの14%にもなる大きな耳は、敵の気配を素早く察知するのに役立つばかりでなく、極暑の砂漠で生きるための体温調整にも役立っている。彼らは危険が迫るとフリーズしてじっとしている。危険が去ったと思うと猛烈な勢いでジグザグに飛びながら時速30キロ以上で走り去る。面白いことに、自分より小さい生き物に対しては花で小突いて前足でピタッとパンチを食わせることもある。

                    庭で生れた野ウサギ 2018年春 (上)

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                      ワタオウサギ後姿
                      白くて丸い綿のような尾と長い耳が特徴のサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii )

                      北米西側、南部の砂漠に生息するサバクワタオウサギはトレールを歩いていると一番よく目につく動物で、しかも時々庭にも現れる大変身近な「生きもの」でもある。体長40センチでヨーロッパのウサギとよく似ているが、耳が大変大きく時々直立することがある。北米には2種類のワタオウサギが生息している。もう一種のヒガシワタオウサギ ( Eastern Cottontail / Sylvilagus floridanus ) は大西洋側の東海岸から内陸中央にかけての全米広い地域で見られる。
                       
                      ワタオウサギの巣穴
                      庭の小山に作られたサバクワタオウサギの巣穴

                      4月に入って、庭のあちらこちらにウサギが掘ったと思われる穴が見られるようになった。彼らは前足を鍬の様に使って浅い窪地を作り、捕食動物から逃れるための避難所に使うことが多く、まさか狭い庭に巣まで作るとは思ってもいなかった。(実はこれが二回目であるが、ねずみが掘った穴を利用している)
                       
                      ワタオウサギの子3匹
                      巣穴で眠っている3匹のサバクワタオウサギの子

                      ワタオウサギの雌親は夜暗くなってから巣に戻って来て子ウサギに乳を与え、夜が明けると、エサ取りのため砂漠へ帰ってゆき、夜まで戻ってこない。子ウサギがまだ小さくて目が開いてない時は雌親が巣穴を離れる時に入口を土でカバーして判らないように巣穴をふさいで行くが、子ウサギが大きくなると写真のように3分の一ぐらい開けて雌親は出て行くので、子ウサギをよく観察出来る。
                       
                      ワタオウサギの子穴から出る
                      巣穴から身を乗り出して暖かい陽射しに当たる子ウサギ

                      子ウサギは生まれたては毛が無く目が見えない。2週間で離乳して3周間で巣穴を出て行くので、写真の子ウサギたちは巣立ち直前と思われる。平均寿命はたった2年であるから非常に短い。
                       
                      ワタオウサギの子歩く1
                      初めて巣から出た子ウサギ

                      4月の砂漠の昼夜の気温差は激しくて、北から寒気が下りて来ると、早朝は3度から5度まで下がることがある。まだ完全に毛が生えそろっていない子ウサギにとっては、この早朝の寒さは堪えるだろう。
                       
                      ワタオウサギの子歩く2
                      時々転びながらヨタヨタ歩く子ウサギ

                      巣穴から出てきての初歩き、小石に躓いては転んでいる。サバクワタオウサギにとって砂漠に生息するほとんどの「生きもの」は敵である。ヘビ、コヨーテ、ボブキャット、キツネなどの動物、そして鷹やフクロウなどの猛禽類まで全てが捕食者である。
                       
                      ワタオウサギの子花食べる
                      甘いサルビアの花を食べる子ウサギ

                      離乳食として最適な柔らかく甘いサルビアの花をさっそく見つけて食べていた。サバクワタオウサギの主食は80%草の葉や茎、そしてサボテン類である。庭の野菜畑は彼らにとって大好物で、一夜で丸坊主になるぐらいきれいに食べられてしまう。ワタオウサギは菜園を持ってる人にとってはまさに憎き害獣でる。
                       
                      ワタオウサギの子岩陰で眠る
                      歩き疲れて花の根元で眠る子ウサギ

                      巣穴を出て初めての歩きはすぐ疲れてしまうのだろう・・・?ものの3メートルも歩くとサルビアの根元の岩に寄りかかってじっとしてしまう。サバクワタオウサギが外敵から身を守る方法は木の下や岩陰に隠れてフリーズするか、思いっきりジャンプして速足でジグザグに走るしかない。しかし、まだ子ウサギに走ることは無理なので、こうして岩に隠れるようにじっとしているのが安全であることを本能的に判っているようだ。


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