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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭で生れた野ウサギ 2018年春 (下)

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    靴に寄り添うワタオウサギの子
    靴にピッタリ寄り添うサバクワタオウサギの子

    まだ外敵の恐ろしさを知らない子ウサギ、写真を撮る私の足元に寄りかかって眠っている。巣立ち直前の子ウサギは体も大きくなって巣穴が小さすぎるのか、居心地が悪いらしく巣の外へ出たがって歩き回る。
     
    手に登るワタオウサギの子
    両手を差し伸べると、すぐ手のひらにのって来る子ウサギたち

    庭の作業用の手袋をはめた手をひろげると、匂いを嗅ぎながら登って来る。サバクワタオウサギは多産で、生まれて3ヶ月も経つと繫殖を始め、1回に2匹から4匹を産み、しかも一年中繁殖を続ける。子ウサギの生まれて一年間の生存率が非常に低いために、たくさん産まないと子孫を残すことが出来ないのだろう。
     
    手のひらで眠るワタオウサギの子2匹
    手のひらの温もりを楽しむ子ウサギ

    毛がまだ完全に生えてない子ウサギにとって、大きく開けた巣穴では北風が吹く早朝は寒いらしく、手のひらで丸く包んでやると直ぐ眠ってしまう。
     
    手のひらで眠る子ウサギ一匹
    一番体の大きな兄き格の子ウサギも手のひらに載って来る

    ワタオウサギは日中はあまり活動的でなく、早朝や夕方に活発に動き回る。また、風の強い日にはエサ探しをすることはまれである。それは彼らの敵が近づいてくる音や気配を聞き取る能力が鈍るからである。
     
    ワタオウサギの巣と子ウサギ
    巣立ちして庭を出て行く前日、巣に収まらないぐらい大きくなった子ウサギたち

    この写真を撮った翌日、まだ私が寝ている夜明け前に子ウサギたちは巣穴を離れ雌親と一緒に庭から出て行った。ワタオウサギは捕食動物から身を守る方法は持っておらず、非常に良い目と良い耳そして素早い逃げ足しかない。そのため生まれて一年間の死亡率は特に高く、3匹生まれても生き残れるのはラッキーで一匹だけと言われている。
     
    サバクワタオウサギの親
    庭の欄干をくぐって保護区へ出て行った雌親

    ボディサイズの14%にもなる大きな耳は、敵の気配を素早く察知するのに役立つばかりでなく、極暑の砂漠で生きるための体温調整にも役立っている。彼らは危険が迫るとフリーズしてじっとしている。危険が去ったと思うと猛烈な勢いでジグザグに飛びながら時速30キロ以上で走り去る。面白いことに、自分より小さい生き物に対しては花で小突いて前足でピタッとパンチを食わせることもある。

    庭で生れた野ウサギ 2018年春 (上)

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      ワタオウサギ後姿
      白くて丸い綿のような尾と長い耳が特徴のサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii )

      北米西側、南部の砂漠に生息するサバクワタオウサギはトレールを歩いていると一番よく目につく動物で、しかも時々庭にも現れる大変身近な「生きもの」でもある。体長40センチでヨーロッパのウサギとよく似ているが、耳が大変大きく時々直立することがある。北米には2種類のワタオウサギが生息している。もう一種のヒガシワタオウサギ ( Eastern Cottontail / Sylvilagus floridanus ) は大西洋側の東海岸から内陸中央にかけての全米広い地域で見られる。
       
      ワタオウサギの巣穴
      庭の小山に作られたサバクワタオウサギの巣穴

      4月に入って、庭のあちらこちらにウサギが掘ったと思われる穴が見られるようになった。彼らは前足を鍬の様に使って浅い窪地を作り、捕食動物から逃れるための避難所に使うことが多く、まさか狭い庭に巣まで作るとは思ってもいなかった。(実はこれが二回目であるが、ねずみが掘った穴を利用している)
       
      ワタオウサギの子3匹
      巣穴で眠っている3匹のサバクワタオウサギの子

      ワタオウサギの雌親は夜暗くなってから巣に戻って来て子ウサギに乳を与え、夜が明けると、エサ取りのため砂漠へ帰ってゆき、夜まで戻ってこない。子ウサギがまだ小さくて目が開いてない時は雌親が巣穴を離れる時に入口を土でカバーして判らないように巣穴をふさいで行くが、子ウサギが大きくなると写真のように3分の一ぐらい開けて雌親は出て行くので、子ウサギをよく観察出来る。
       
      ワタオウサギの子穴から出る
      巣穴から身を乗り出して暖かい陽射しに当たる子ウサギ

      子ウサギは生まれたては毛が無く目が見えない。2週間で離乳して3周間で巣穴を出て行くので、写真の子ウサギたちは巣立ち直前と思われる。平均寿命はたった2年であるから非常に短い。
       
      ワタオウサギの子歩く1
      初めて巣から出た子ウサギ

      4月の砂漠の昼夜の気温差は激しくて、北から寒気が下りて来ると、早朝は3度から5度まで下がることがある。まだ完全に毛が生えそろっていない子ウサギにとっては、この早朝の寒さは堪えるだろう。
       
      ワタオウサギの子歩く2
      時々転びながらヨタヨタ歩く子ウサギ

      巣穴から出てきての初歩き、小石に躓いては転んでいる。サバクワタオウサギにとって砂漠に生息するほとんどの「生きもの」は敵である。ヘビ、コヨーテ、ボブキャット、キツネなどの動物、そして鷹やフクロウなどの猛禽類まで全てが捕食者である。
       
      ワタオウサギの子花食べる
      甘いサルビアの花を食べる子ウサギ

      離乳食として最適な柔らかく甘いサルビアの花をさっそく見つけて食べていた。サバクワタオウサギの主食は80%草の葉や茎、そしてサボテン類である。庭の野菜畑は彼らにとって大好物で、一夜で丸坊主になるぐらいきれいに食べられてしまう。ワタオウサギは菜園を持ってる人にとってはまさに憎き害獣でる。
       
      ワタオウサギの子岩陰で眠る
      歩き疲れて花の根元で眠る子ウサギ

      巣穴を出て初めての歩きはすぐ疲れてしまうのだろう・・・?ものの3メートルも歩くとサルビアの根元の岩に寄りかかってじっとしてしまう。サバクワタオウサギが外敵から身を守る方法は木の下や岩陰に隠れてフリーズするか、思いっきりジャンプして速足でジグザグに走るしかない。しかし、まだ子ウサギに走ることは無理なので、こうして岩に隠れるようにじっとしているのが安全であることを本能的に判っているようだ。

      アリゾナ砂漠で見る皆既月食のスーパームーン 2018年1月

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        ブラッドムーンとサワーロサボテン
        砂漠の象徴、サワーロサボテン ( Saguaro ) と皆既月食のスーパー、ブルー、ブラッドムーン

        1月31日午前5時52分、北米では1866年3月以来150年ぶりの天体ショーを我が家の庭で見ることが出来た。月が地球に近くて大きく明るいのでスーパームーン ( Super moon ) と呼ばれ、カレンダーの同じ月に2回ある満月の2回目の月なので、別に色が青くないのにブルームーン ( Blue moon ) と名付けられてる。そして、皆既月食で血のような赤い色に染まるのでブラッドムーン ( Blood moon ) というニックネームも付けられてる。

         
        スーパームーン
        皆既月食が始まる前のスーパーブルームーン

        今回の満月は通常の満月より14%大きく、しかも30%明るい当にスーパームーンである。庭から見る野生生物保護区の巨大サボテン Saguaro や灌木のパロベルディーの木々がくっきり見えるほど明るい。
         
        月食の始まり
        満月が上から地球の影に隠れ始める

        南国のアリゾナとは言え、ブラッドムーンが見られる「大寒」の早朝の気温は3度と大変寒く、普段着る機会がないがっちりした冬のコートを着て手袋をはめ、温かいコーヒーを飲みながらの3時間に及ぶ奮闘であった。
         
        紫色のスーパームーン
        月食が進んで半分以上暗くなると、スーパームーンは紫色に変化していく

        夜明け前の砂漠はたいへん静かで何の音もしない。アリゾナは州の法律で動物保護のためネオンサインはもちろん、道路のライト、家の周りの街路灯などはいっさい灯すことを禁止されている。月明かり、星明かり以外は何も光がないのでスーパームーンがひときわ明るく見える。
         
        赤くなり始めたスーパームーン
        月食が始まって30分が過ぎる頃、満月もしだいに赤みが増してくる

        皆既月食の天体ショーを見ている間、近くでアメリカワシミミズクとアメリカオオコノハズクが盛んに鳴き合う声が耳に心地よく響いて、大変印象的なスーパーブラッドムーンであった。
         
        月食のスーパームーン
        月全体がどんどん赤くなっていく

        ここ数日間新聞やTVで大騒ぎをするからには、頑張って早起きせねばならない・・・と思いつつベッドに入った。早朝4時、目覚ましに起こされ眠い目をこすりながら、カメラのファインダー越しに刻々と色が変わっていく神秘的なブラッドムーンを楽しんだ。
         
        ブラッドムーン
        2時間後皆既月食となって、スーパームーン全体が血のような赤い色に染まっていった。まさにブラッドムーン ( Blood moon ) である。何とも言えない不思議で神秘的な宇宙の現象に寒さも忘れ酔いしれた。

        ハッピーニューイヤー! 2018年元旦

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          初日の出カタリナ州立公園
          南アリゾナ・ソノラ砂漠・カタリナ州立公園の初日の出

          明けましておめでとうございます。
          昨年は私のブログを見ていただきありがとうございました。今年もアリゾナ、そして米国内のより質の高い自然情報をお届け出来ますよう一生懸命努力する所存ですのでよろしくお願い申し上げます。南アリゾナ・ソノラ砂漠は東側にカタリナ連山とリンコン連山があるため残念ながら地平線から上がって来る大きな太陽は見れず、標高2000メートルを超す山々の間から出て来る初日の出となりました。
           
          カタリナ州立公園全景
          マイフィールド「カタリナ州立公園」の元旦の朝

          午前0時、4か所で一斉に花火が上がり、日本から16時間遅れ(時差16時間のため)の新年を迎えた。砂漠に響く大きな花火の音、さぞ野生の動物や鳥たちはびっくりして怖がっているだろうな・・・?と思うと複雑な気持ちになる。2018年の元旦初歩きは近くの州立公園のトレール歩きでした。早朝は零下2度の寒さでしたが、11時ごろには20度を超す暖かさで、冬鳥たちが元気よくグラウンドに下りてエサ取りをしていた。
           
          サワーロとトレール
          巨大サボテン・サワーロ (Saguaro ) を見ながら2018年新年も元気にトレールを歩ける喜びに感謝する。

          冬といっても南アリゾナは暖かい。しかし、冬枯れで花が少なくなった正月の我が家の庭はハミングバードが砂糖水の入ってるフィーダーをすっかり頼りにしているので、エサ場の確保のためテリトリーの取り合いが激しく、よそ者が入って来るとすごいバトルが繰りひろげられる。また、その甘い砂糖水をキツツキのサバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker ) が頻繫にフィーダーにやって来るので、これを狙って小型の鷹クーパーハイタカ ( Cooper's Hawk ) が襲う。自然界には正月休みはないようである。
          そして、少なくなった花の蜜を求めて数匹の蝶が飛んでいるのも南国ならではの新年であろう。
           
          ロードランナーカタリナ州立公園
          元旦の朝の鳥見歩きで、さっそく新年のあいさつに現れたオオミチバシリ(ロードランナー Greater Roadrunnner )

          冬の早朝歩きはほとんど人がいないので静かでロードランナーもトレールにちょくちょく出てくる。アリゾナを象徴する鳥の一種であり、飛ぶことより速足で歩いたり走ったりすることが得意である。トレールを歩いてると、前を横切ったり、先導してくれるかのように同じ方向に同じ速度で歩いたり、こっそり後ろを気づかれないように歩いたり・・・と大変愛嬌があり人気者で私も大好きな鳥でもある。
           
          ハイカーの後ろロードランナー
          ハイカーの後ろを何気なくロードランナーが歩いて行く、これも砂漠の元旦ならではの、のんびりした光景であろう。

          他の州や外国からアリゾナに来るバーダーはもちろん、観光客もぜひ見たいと思う鳥ロードランナー。全身がグラウンドや枯草に近い地味な色をしていて、めったに飛ばないので目立たず意外と見つけにくい鳥の一種であるが、秋から冬にかけては人家近くや町の公園、車が行きかう道路にもちょくちょく現れるので目につきやすくなる。2018年新年の「元旦鳥見」の第一号はやはり人気者のロードランナーであった。
           

          ハッピーホリデー 2017年12月

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            xmax card 1
            アートフェスティバルで見つけたハミングバードのクリスマスカード

            ​11月23日の " Thanksgiving day " (日本の勤労感謝の日に相当)を迎えると、クリスマスを中心に元旦の1月1日まで米国はホリデーシーズンに入る。この時期に連続休暇を取る人が多く、帰郷して家族と一緒にホリデーを過ごしたり、バケーションで暖かい中南米へ行きバーディングを楽しんだりする。冬でも温かく穏やかな気候のリゾート地、南アリゾナにも色々な州からたくさんの人々が青空と温かい天候を求めてやって来る。ニューヨークでは小雪舞い散る零下の寒さでも、南アリゾナは日中25度以上の暖かさである。また、南アリゾナにはアーティストが多く住んでおり、特に自然や花、鳥、蝶、動物などを主題とする絵画、彫刻のアーティストが集まってるので、この時期は「アートフェスティバル」があちらこちらで開かれる。大きなテントのブースを一つ一つ訪ね、この手の絵描きや彫刻家と自然や生き物の話をし、気に入った作品をそこで作者からダイレクトに買えるのが実に楽しい。歩き疲れた後は、露店のカフェで南国の太陽にさんさんと当たり、よく冷えた白ワインを飲みながらのんびりした暮れのひと時を過ごすのもバーダーにとってこの時期のしばし鳥見を離れてのもう一つの楽しみである。
             
            xmas card 2
            日常の生活の中で最も身近に見るハミングバードはクリスマスのオーナメントやカードなどによく描かれ大変人気がある。

            ​米国のバーダーにとってホリデーシーズンの大きなイベントは「クリスマスバードカウント」であろう。今年で118回目という長い歴史を持っている。このイベントの始まりは、19世紀のクリスマス休暇に始められた「クリスマス・シューティング」である。いわゆるハンターたちが野山へ出かけて手当たり次第に鳥を打ち落として、一日の獲物の数を競い合った。これがクリスマスのお祝いだったようだ。しかし、これはあまりにも野蛮なお祝い行事ではないか・・・と鳥類学者のフランク・チャップマンという人が抗議を始め、これを止めて、かわりにどれだけたくさんの鳥を一日に見たかを競い合うことを提案した。そして、銃を捨てエンピツで鳥の数を記録していく「クリスマスバードカウント」へ変更、第一回大会が1900年にニューヨークのセントラルパークで開かれたのである。この行事はアメリカにいる鳥についての毎年一回行われる国勢調査のようなもので、貴重な記録として残されている。
            ​今年の「クリスマスバードカウント」は12月14日から来年の1月5日までの間に行われる。参加者はグループごとに自然保護団体であり主催者でもある「オーデュボン協会」( The National Audubon Society ) に名前を登録し、公園や森へ出かけ、半径にして12キロ(直径24キロ)の円内で一日(24時間)に見た鳥の数をすべて記録して協会へ提出する。ちなみに、昨年2016年は76,669人のボランティアーが参加、2、505グループで行われ、総計58.9百万羽の鳥が数えられた。
             
            紅葉と山
            ​クリスマス間近でもサボテン Saguaro の林の間に秋の色合いが残る南アリゾナの師走風景

            今年の12月の南アリゾナは例年より暖かく、日中25度以上になる日も多い。そのためか、北から下りて来るミヤマシトド (White-crowned Sparrow ) , ヒバリヒメドリ (Lark Sparrow ) , ブリューワーヒメドリ (Brewer's Sparrow) などの冬鳥の群れがいつもより少ない。しかし、砂漠独特の朝晩の冷え込みは厳しく、5度近くまで下がるのでハミングバードのエサとなる蜜が出る花が庭から消えていく。そのため,冬の間の砂糖水によるフィーダーを掛け始めるのも我家の暮れの作業の一つである。ハミングバードがフィーダーに頼るのは花の咲きが良くない冬(12月〜2月)の間だけで、春になり庭に花が咲き始めると,彼らはフィーダーから離れていく。
             

            雛を連れたアメリカワシミミズク 2017年夏 (下)

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              ワシミミズクの雛と親
              ​私を睨み付ける雛、人の存在など全く感知しない親

              ​アメリカワシミミズクはヨーロッパで見られるワシミミズクと近い種類であるが、体長は56センチと少々小さい。大きな耳の羽毛が立っているので識別は簡単であるが、体の色が森の木の幹や山の斜面の岩に同化して非常に見つけるのに苦労する。英名の " Great Horned " (大きな角)は冠毛で " Plumicorus " と呼ばれる耳の羽毛である。
               
              ワシミミズク雛じっと睨む
              ​親がえさ捕りの間、残った雛はじっと私と睨めっこ。

              ​一羽になった雛は心細そうな顔で時々大きな声で「シー」と鳴き、鋭い金切り声を出しながら一人前に私を威嚇してくる。巣やヒナを守る親はもっとアグレッシブで、近づく敵に対して容赦ない攻撃をしてくる。もちろん人を襲うことがあり、鋭い爪で頭や顔を狙ってくる。
               
              ワシミミズク雛片目つぶる
              雛はそろそろ疲れて来たのか、眠そうに片目をつぶる。

              ​雛の行動を見ていると実に面白い。私をじっと見つめながらカメラのシャッター音に首をかしげ、周りをぐるりと見渡したり、私一人しか居ないのを確かめると目をつぶり始めナップする。親について夜の獲物探し獲物捕りは、雛にとっては相当の重労働であろう。
               
              ワシミミズク親両目閉じる
              エサ探しに疲れたのか、両目をつぶって眠そうな顔をしている。

              ​アメリカワシミミズクは大きな木に作られてる鷹やワタリガラスの古巣を利用して営巣することが多い。しかし、南アリゾナは巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) の数が特に多いので、サワーロサボテンを利用するモモアカノスリ ( Harris's Hawk ) の古巣をもっぱら利用している。葉もないまる裸のサワーロサボテンの人の腕のような枝に作られた巣に,フクロウが座っている姿は南アリゾナ独特な光景で面白い。
               
              ワシミミズク雛飛ぶ姿
              雛は少しづつ飛ぶ練習をしながら、保護区の奥へ移って行った。

              ​一週間、毎朝楽しませてくれたフクロウの親子の姿も、この雛の飛ぶ後ろ姿を最後に、翌朝からは見られなくなった。無事に大きく育って、来年の春には親と同じように屋根に来て鳴いてくれることを願う。ワシミミズクは子供の絵本をはじめ、小説や映画にもよく出て来る人気者であるが、アメリカインディアンの戦士たちは、アメリカワシミミズクの「力強さ、勇気、美しさ」を称賛した。又、私が住んでる " Pima " 郡のインディアン " Pima " 族たちは、夜アメリカワシミミズクが飛んでいる姿を死んだ戦士たちの亡霊と信じていたようだ。

              雛を連れたアメリカワシミミズク 2017年夏 (上)

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                アメリカワシミミズク親前向き
                アメリカワシミミズク ( Great Horned Owl ) 

                ​アメリカワシミミズクは北米全域で見られる最もポピュラーなフクロウで、新大陸、アラスカの北極圏から南アメリカまで幅広く生息している。子供の時に見たディズニーのアニメ映画「バンビ」に森の博士として出てきたのを思い出す。そして、絵本にも数多く描かれてるので、子供たちにも人気がある身近なフクロウでもある。
                 
                アメリカワシミミズク親後ろ向き
                顔を真後ろに回して警戒するアメリカワシミミズク ( Bubo virginianus

                ​私が住んでる南アリゾナはアメリカワシミミズクの数が特に多く、繁殖期が始まる3月中旬ごろから6月初旬まで毎晩のように我が家の屋根に来て低い声で「ホッホ・ホーホー」と鳴いている。時々寝室の横の塀の上で明け方に鳴かれることがあって、たびたび起こされることがあり、「煩いなー、勘弁してくれよ!」と思わず怒鳴りたくなるほど大変身近な鳥である。何しろ鳴き声の英語による聞きなしが " You awake? " " Me too ! " で、和訳すると「目が覚めた?」「私も覚めたよ」というぐいだから、仕方ないかも・・
                 
                アメリカワシミミズク親と雛
                ​じっと私を見つめるアメリカワシミミズクの親子

                ​今年も3月の終わりごろから毎晩屋根で鳴いてくれたアメリカワシミミズクが6月初めの早朝、庭に隣接する「野生生物保護区」の大きな木に雛を連れて現れ、一週間、毎朝親子の仲睦まじい姿を楽しむことが出来た。「雛が生まれ、無事育てたヨ」と自慢げに見せに来てくれたような感じがして、実に嬉しい連日の朝だった。
                 
                アメリカワシミミズク雛伸びする
                翼を広げて伸びをするヒナ

                ​アメリカワシミミズクの雛は10週間ぐらいで飛べるようになり、数か月間は親についてエサ捕りの方法を会得していく。フクロウの中でも最も「力」のある種類で、主に脊椎動物を捕り、自分よりも大きいボブキャット(野生の猫)、スカンク、ヤマアラシ、ウサギなどを狙うこともしばしばある。
                 
                アメリカワシミミズク雛枝登る
                ​雛は親に負けない太い脚を使って枝を登り始める

                鳥の雛も人間の子供と同じようにひと時もじっとしていない。常に足を動かしたり、首を回したり、枝を登ったり下ったりヨロヨロと千鳥足で危なげに歩き回り、今にも木から落ちるのでは・・・と見ていてハラハラしてくる。
                 
                アメリカワシミミズク親に甘える雛
                親子で語り合ってるような微笑ましい姿

                ​アメリカワシミミズクは夜行性であるが、時々は日中でもエサ捕りをする。特に雛を育ててる時は、夏の太陽がさんさんと照りつける暑い昼間でも盛んにエサ捕りする姿を見ることがある。雛の食欲はおおせいで、夜の狩りだけでは間に合わないのかもしれない。

                暑中見舞い 2017年夏

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                  トロゴン1横向
                  北米では南アリゾナでしか見られない美しい夏鳥ウツクシキヌバネドリ ( Elegant Trogon ) 

                  ​暑中お見舞い申し上げます。
                  南アリゾナの夏は4月、5月、6月の「ドライサマー」と7月、8月の「モンスーンサマー」の前期と後期2回に分けられてます。今年の「ドライサマー」の6月は40度以上の日が2週間以上も続き、しかも湿度10%以下(時には3%台)というまさにカラカラの「ドライサマー」でした。あまりにも乾燥した猛暑なのでアリゾナ州、隣のカリフォルニア州、ユタ州などでは何か所にも渡って大規模な山火事が発生、そのほとんどが一か月以上も燃え続け、一時は私のところからも煙が見えました。7月に入って「モンスーンサマー」になり、メキシコから湿った空気が入ってきて砂漠の乾いた高熱の空気とぶつかって積乱雲ができ、ほぼ毎日のように激しいスコールが降ります。雷を伴った雨は「ゲリラ集中豪雨」のような降雨で、短時間に多量の雨が降って砂漠からの鉄砲水が流れ、あふれだしそれが道路に溜まってしばしば交通止めとなります。でもこの雨は砂漠の「生きもの」にとっては嬉しい恵みの雨です。草木は生き返ったように新しい芽を出して花が咲きます。そして、砂漠の鳥たちは2回目の子育てをするので、この時期を " Second Spring " (2回目の春)と呼ばれてます。
                   
                  トロゴン2正面 
                  ​キャニオン ( Canyon ) と呼ばれる緑深い山の渓流沿いで見られる夏鳥のウツクシキヌバネドリ ( Trogon elegans

                  ​真夏になると砂漠での鳥見は危険を伴うこともあり、私のフィールドも2000メートルを超す山々のキャニオンへ移り、主に森林で鳥見を楽しみます。南アリゾナの森林のシンボルの鳥と言えばウツクシキヌバネドリ(通称トロゴン)でしょう。大きさはキジバト ( Streptopelia orientalis ) とほぼ同じで、胸から下腹にかけての鮮明な赤、首から背中にかけての絹のような光沢をした青と緑は実に美しい。独特な低いしゃがれ声で切れ目なく続く鳴き声は森の中から聞こえてくるが、なかなか姿が見れないことが多い。
                   
                  トロゴン3後姿
                  ​ウツクシキヌバネドリはほぼ直立姿勢で、長い尾を真っ直ぐ下へたらして置物のように動かず長い時間高い枝に止まっている。

                  ​この鳥は涼しい深い森の渓流沿いの大きな鈴懸の樹やオークの樹を好み、それらの樹洞に営巣する。繁殖期に入る直前の5月の早朝には、オスがしゃがれ声で低く「クワークワー」と繰り返し鳴きながら渓流沿いをメスを求めてパトロールをする。そして、近くの枝にポッと止まることがよくあるので、一番この鳥を見れるチャンスが多い。ウツクシキヌバネドリの数は多くないが、私のフィールドの一つにしてるマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) には、今年の報告では3組のカップルが営巣しているようである。7月8月の「モンスーン期」の山での自然探索は集中豪雨はもちろん落雷(森の高い木にはよく落ちる)に十分注意をし、常に天気予報を見ながらの歩きなので非常に疲れる。それでも双眼鏡をぶら下げて早朝から山に入ると、全米各地からの同じような仲間が歩いており情報交換に忙しい。

                  謹賀新年 2017年(平成29年) 元旦

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                    雪山とサワーロサボテン
                    巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の林と雪山。

                    明けましておめでとうございます。
                    南アリゾナの砂漠より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
                    今年も精一杯努力して皆様に喜んでいただけるブログを作成してゆきます。
                    どうぞよろしくお願いいたします。
                     
                    サワーロサボテンと岩山
                    初雪でうっすらと白化粧したプッシュリッジ山(1600メートル)とサワーロサボテン。

                    ​元旦の朝、マイフィールドのカタリナ州立公園を歩きました。ソノラ砂漠のトレールはまだ少し緑が残っていて、大サボテンも朝日を浴びて緑色に耀き冬らしくない風景ですが、遠くの山々に目を向けると、岩肌に雪が吹き付けられた対照的なソノラ砂漠ならではの面白い景色を見ることが出来ました。
                     
                    雪のレモン山
                    ​2800メートルのレモン山の山頂は松林に雪がたっぷり被さってます。

                    暖かい陽射しの砂漠トレールから双眼鏡で遠くの雪山の松林を見るのは豪快です。私が住んでる南アリゾナは砂漠の周りに2000メートルを超す山がいくつもあり、サボテンの林と雪山を同時に見られる冬ならではのマイフィールドの素晴らしい光景が楽しめます。

                     
                    カーディナル
                    ​正月にふさわしい真っ赤な鳥、ショウジョウコウカンチョウ ( Northern Cardinal / Cardinalis cardinalis )

                    ​山の麓の砂漠まで雪が降ることはまれですが、早朝の気温は大変低く、花の蕾がまだ固い冬枯れの枝先で鳥たちは朝日に当たって暖を取ります。ショウジョウコウカンチョウはほぼ全米で見られ、子供たちもよく知っているポピュラーな鳥ですが、ソノラ砂漠で見られるのは亜種の Southwest 型で、嘴が大きく、長いブラシのような冠毛が特徴で大きく見えます。
                     
                    クーパーハイタカ
                    ​冬枯れの倒木でじっと獲物探しをするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii ) のオス。

                    ​冬、日中は比較的暖かい南アリゾナでも、獲物となる小鳥や小動物の数が少なくなり又その動きも静かであるため、猛禽類はエサの捕獲に苦労するのでクーパーハイタカにとっては空腹な毎日と思われる。多くのタカ類の獲物探しは空高くソアリングしながらの行動が多いですが、クーパーハイタカは林の中の大きな木の枝にじっと止まって獲物を探してることが多い。獲物の動きを察知すると、素早く樹間を忍者のように低く飛び、獲物に近づくとアタックするすごい技術を持っています。
                     
                    ズアカカンムリウズラ
                    上を向いて高らかに春の歌を歌うズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

                    ​南アリゾナの冬は短く、2月中旬となると早くもペンステモンやポピーが咲き始めます。春を待ちかねてるズアカカンムリウズラ、主にグラウンドを歩きながらエサ取りをしますが、春が近くなると木の高い枝先によじ登って、高らかに独特の「ポアー」というのどかな鳴き声を発します。毎年、冬の終わりにこの姿を見ると、春の兆しを強く感じられ気持ちがウキウキしてきます。

                    ハッピーホリデー 2016年12月

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                      絵葉書ー雪とサワロ
                      南アリゾナ・ツーソンの町で見つけたソノラ砂漠のクリスマスカードです。

                      ​11月末の「サンクスギビングデー」が終わると南アリゾナも「ホリデーシーズン」に入ります。連休を取って故郷に帰る人、ヨーロッパへ旅をする人、友人たちを自宅に呼んでパーティーをする人など一年で一番アメリカ人が浮かれる楽しいシーズンです。クリスマスソングに " It's the most wonderful time of the year " という歌があるほどです。丁度、日本の正月のような雰囲気です。鳥好きの私は所属してる愛鳥家クラブが主催する「クリスマスバードカウント」に久しぶり参加し、鳥の数を競い自然保護団体への寄付金を集めようと準備をしてるところです。
                       
                      玄関のクリスマスオーナメント
                      ​「師走」とはいえ、南アリゾナの日中は20度近い暖かさです。草木の緑はまだ残っていますし、ポットやハンギングバスケットの花が満開の中でクリスマスオーナメントが光る南アリゾナ独特のホリデーシーズン光景です。ソノラ砂漠名物、大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に豆電球をぐるぐる巻きにして飾る人もいます。巨大サボテン全体が棘で覆われてますので、電球を付けたり外したりするのに相当苦労するようです。

                       
                      Buckeye - Butterfly
                      今年は雨が多く暖かい冬なので12月に入ってクリスマス近くになっても数種類の蝶が庭に来てます。庭では珍しいクジャク蝶に似た Buckeye ( Junonia coenia ) があらわれ、まさに自然がくれた美しいクリスマスプレゼントになりました。

                      今年もブログを見ていただきありがとうございました。
                      ​皆様、どうか良い年をお迎えください。


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