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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

驚異的な旅をする蝶 オオカバマダラ ( Monarch )  その5(最終)

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    モナコ蝶のオス、メス
    我が家で育ったメスに近づくオスのオオカバマダラ。

    庭で生まれ育ったオオカバマダラのメスが初飛びをすると、何処からともなくオスが近づいて来た。オスはコートシップ独特の飛び方で、尾を上げて毛の束を出しフェロモンを放出しながらメスの周りを飛び回っていた。アメリカ各地には秋になると、オオカバマダラを捕獲し翅に標識シールを貼ったりマークを書いたりして放し、渡りの生態を調査している愛蝶家が多い。
     
    木にぶら下がるモナコ蝶
    大きな木の太い枝で休むオオカバマダラ。

    秋の天候は変化が激しく、雨、風が強く気温が低い日がある。悲しいかな、彼らは気温が15度以下になると飛べなくなる。そんな日は、ソノラ砂漠で唯一大きなマメ科の " Foothill Palo Verde " の枝にぶら下がってじっと雨が止むのを待つ。アメリカは近年、多くの州でオオカバマダラの数を増やそうと、ホストプラントであるトウワタ ( Milkweed ) を植える運動が盛んになってきている。非営業団体の " Monarch Watch " が行ってる運動もその一つで、 " Monarch Waystation " (オオカバマダラの渡りの中継地)を個人の家や学校、オフィス街、公園、ネイチャーセンターなどに作り、オオカバマダラの保護と生息地を守ろうというのが目的である。我が家の庭にもトウワタをたくさん植え、オフィシャルな " Monarch Waystation " として登録されてる。
     
    飛び去るモナコ蝶
    メキシコへ向けて去って行くオオカバマダラ。

    書斎の瓶の中で育ったオオカバマダラはサナギから蝶になった後5日間ほど花の蜜を吸いながらゆっくり庭で過ごし、6日目の朝、空高く舞い上がって北風に乗り去って行った。越冬地である中央メキシコ「ミチョアカン州」の森林までの長旅である。越冬地の一つ " Sierra Madre Mountains " には毎冬6千万匹から1億匹のオオカバマダラが集まるので、木々がオレンジ色と黒の毛布で包まれたようになる。ここで冬眠に入った蝶は非常に密で、時にはその重さで木の枝が折れて落ちることもあるようだ。ここは観光地としても有名で、山岳地帯にもかかわらず年間8万人以上の人々がオオカバマダラを見に来るらしい。
     
    ジョオウマダラの群
    トウワタ (Milkweed ) の花に群がるジョオウマダラ ( Queen / Danaus gilippus ) 。

    アリゾナではオオカバマダラに非常によく似ているジョオウマダラ ( Queen ) という蝶が見られる。ホストプラントがオオカバマダラと同じトウワタであり、しかも活動時期が同じで群で一緒に飛んでいる場合が多いので、見慣れてないとフィールドでの見分けには少々苦労する。
     
    モナコ蝶とジョオウマダラ
    左がオオカバマダラ、右はジョオウマダラ。

    ジョオウマダラもオオカバマダラと同じタテハチョウ科のマダラチョウ亜科に属する蝶で、開長7センチでオオカバマダラより小さい。翅を閉じた時、下翅の色がオオカバマダラは黄色く、翅を開いた時、オオカバマダラは全体的にオレンジ色が濃く、太くてはっきりしている黒いスジがたくさんある。そして、ジョオウマダラは渡りをしないので「砂漠の蝶」とも呼ばれている。
     
    ジョオウマダラの交尾
    ジョオウマダラの交尾。

    ジョオウマダラもオオカバマダラと同じくトウワタの花蜜を吸い、卵を産みつけていく。幼虫の形や色、模様はほぼオオカバマダラと同じであるが、角のような触覚の数が前、後、真ん中にそれぞれ2本ずつ6本あるのが特徴である。(オオカバマダラは4本)
    南アリゾナのソノラ砂漠では、このジョオウマダラの数の方が圧倒的に多い。今年もモンスーンが終わった夏の終わりから秋にかけて、オオカバマダラとジョオウマダラが庭のトウワタに来て、秋の風物詩「蝶の乱舞」が見られるのが楽しみである。

    コメント
    ニュージーランドよりご連絡しています。はじめての夏を迎え日本では見たことなのかったモナークに魅せられました。早速トウワタ、スワンプラントとこちらでは呼んでいるものを庭に植え、本日ついに羽化を見ることできました。
    情報を探して9歳息子がこちらのブログにたどり着きました。
    詳しく色々とありがとうございました。とても興味深く参考になりました。4世代にもわたるリレー、長距離移動など地球儀を出して真剣に確認していました。
    • せれ
    • 2016/12/17 10:25 PM
    せれ様遠いニュージーランドからうれしいコメントありがとうございます。モナークは近年数が減少してきており、心配されてる蝶です。友人や知り合いの人たち、ボランティアの自然ガイドで出会う人々にホストプラントのミルクウイードを庭に植えて下さいとお願いしてます。
    • 藤波
    • 2017/01/02 8:56 AM
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