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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

マイフィールドの珍鳥及び希少種 2017年夏 その(5)

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    Five Atriped Sparrow 1
    メキシコ種のムナフスズメモドキ ( Five Striped Sparrow )

    主たる生息地は西メキシコで、近年ごく少数が南アリゾナの小さな限られた地域で営巣している。1950年代までは米国では見られなかった鳥種で、1957年南アリゾナの Santa Rita Mountains で初めて1羽発見されたのが米国での初確認である。
     
    Five Striped Sparrow 2
    顔と喉の白い5本線が特徴のムナフスズメモドキ ( Aimophila quinquestriata )

    英名の " Five Striped " は眉毛とひげ、喉にくっくり目立つ白い5本の線があることからつけられた。なお、和名の「ムナフ」の由来は胸の黒い斑点であろう。南アリゾナのメキシコとの国境沿いにある、限られた Canyon (渓谷)に5月に渡って来て9月にはメキシコへ戻っていく。
     
    Five Striped Sparrow 3
    バーダーたちの目につく所にはなかなか現れてくれないムナフスズメモドキ

    1969年南アリゾナでの営巣が初確認されて以来、1991年までほとんどのバーダーが行けない Chino Canyon でごく少数が毎年見られたが、托卵鳥(他の鳥の巣に卵を産み、自分ではヒナを育てない。日本ではカッコウ類が該当種)のコウウチョウ ( Cowbird / Molothrus ) の犠牲になったのと、熱心すぎるバーダーによるしつっこいテープ音に嫌がってすっかり姿を消してしまった。しかし、2000年に入ってごく少数(1羽から2羽)が南アリゾナに戻って来て限られたスポットで見られるようになってきた。
     
    Five Striped Sparrow 4
    Ocotillo の棘だらけの茎をソングスポットとして好むムナフスズメモドキ

    ムナフスズメモドキは米国では南アリゾナのごく限られた狭い地域でしか見られない、そして数が大変少ない夏鳥の珍種である。しかもその営巣地(見れるスポット)はメキシコ国境沿いのアクセスが難しい Canyon の奥深い岩だらけの所で、しかもいばらの生い茂った Hackberry や Mexquite の藪の中で目立たないように静かに虫を探していることが多いので見つけるのが大変難しい鳥でもある。囀りは特徴ある金属的な声であるが、色々バラエテイーに富んでいて、200以上の異なったバージョーンで歌うこともあるので鳴き声による識別も注意が必要である。
     
    Five Striped Sparrow 5
    後姿や飛んでる姿はただシンプルな赤茶に見えるムナフスズメモドキ

    この鳥は大変臆病で、フレンドリーに近くの枝に来て全身を見せることは非常に少ない。枝先近くに出てきてもほんの数秒いるだけで、直ぐに葉の茂る灌木の中へ入ってしまう。再度見える枝に出てくるのをじっと待つぐらいの辛抱が必要なので、見るのが難しくましてや写真を撮るのは大変忍耐のいる鳥でもある。
     
    風景ムナフスズメモドキ営巣場所
    ムナフスズメモドキが好んで営巣する渓谷の急こう配の崖といばらの生い茂った藪

    ムナフスズメモドキはなかなか見るのが難しく、多くのバーダーたちが一度は見たいと思う憧れの鳥であるが、何と8月中旬に我が家から1時間で行ける近場で、しかも簡単に車で行ける Montosa Canyon と Box Canyon の2か所に出現のニュースがネットに流れ大騒ぎとなる。何しろ今までこの鳥を見るためには地元のガイドを雇ってアクセスが非常に困難なメキシコ国境沿いの California Gulch でしか見られなかった珍鳥が、有名な探鳥スポットがいくつもある Santa Rita Mountains で見つかったこともあって、米国の色々な州からバーダーが殺到して連日大賑わいであった。
     
    風景車道のガラガラヘビ
    ムナフスズメモドキの早朝撮影を終えての帰り道、車の前をゆっくりと猛毒のヒシモンガラガラヘビ ( Western Diamond-back Rattlesnake / Crotalus atrox ) が 横ぎって行く。

    ムナフスズメモドキが最も人目を引いて目につくのは激しい雷雨が降るモンスーン期の夏の短い間だけで、谷底の灌木の茂るぐちゃぐちゃした所で営巣し始めて雌が座りだすと、雄はテリトリーソングを歌い始める。雄は早朝と夕方、谷底から灌木の枝伝いに鳴きながら移動し、見晴らしの良い崖の上に上がって来る。大きな Ocotillo の茎に止まって囀るのが特に好きなようで、数日通ってソングスポットをやっと見つけることが出来た。谷の上の山岳道路で朝日が山から出始めると、やがて雄が下から上がって来る。囀りながら近づいてくる雄を山岳道路で待つのだが、狭い道路なので車と人で溢れることもあり、こんな時は彼はけっして上まで上がって来ず、双眼鏡で見なくてはならないぐらい距離は遠くなる。早朝5時半ぐらいから11時ぐらいまで5時間から6時間、人の動きを見ながら数日間シャッターチャンスを待った。
     

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