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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

マイフィールドに珍鳥及び希少種 2017年夏 その(6)

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    シロスジヒメドリ枝に止まる
    アリゾナでは過去2回しか記録されてないシロスジヒメドリ ( Le Conte's Sparrow )

    9月下旬、インターネット上の Rare Bird (珍鳥)情報 " ebird " にアリゾナでは3回目の記録(これまで2004年と2005年の2回のみ)としてシロスジヒメドリのニュースが流れた。この鳥は珍種ではなく、北カナダで営巣し冬にはガルフ湾沿いのテキサス、ルイジアナの湿地帯の一部で過ごす渡り鳥である。短距離であるが渡りをするコモン ( common ) なヒメドリであるが、不思議なことに多くのバーダーにとって非常になじみが薄く、しかも近くでしっかりと観察できたバーダーが少ない。そのため多くのバーダーにとってぜひ見たい鳥の一種となっている。
     
    シロスジヒメドリ芝生の上
    エサ取りのため芝生に下りてきたシロスジヒメドリ ( Ammodramus leconteii )

    何故シロスジヒメドリがバーダーたちに馴染みが薄いのか?・・・その理由はまず、営巣場所がカナダのあまり人が行けない草が密に茂った湿地や沼地なので、巣を見つけるのが大変難しい。又、秋の渡りで南へ下る時も、丈の高い草に覆われてしっとりとした草原や浅瀬の沼地の淵の草を好み、しかも主にグラウンドを歩きながらエサ取りをする。そして、草が密生した地面をこそこそと隠れるように忍び歩き、驚くと鼠のようにチョコチョコ走るだけで飛ぶことは極めて珍しい。他のヒメドリのようにびっくりして草からパッと飛び出してくることはほとんどなく、飛び出しても、ほんの1メートルから3メートルぐらいの距離を飛ぶだけで、すぐ草の下に下りて見えなくなってしまう。このように見れるチャンスが非常に少ないので、この鳥に関する情報や知識も少なく、主に何を常食としているのか、又どんな営巣状況なのかに関しても記録報告が少ないので、いまだにあまり判ってない部分が多い鳥でもある。
     
    風景ゴルフ場
    2日間シロスジヒメドリが現れ大騒ぎとなった名門ゴルフ場リッツカールトンゴルフコースの5番フェアーウエイ。赤円がエサ取りをしていたスポット。

    今回シロスジヒメドリが現れた場所は、オープンな誰にでも行き易いゴルフコースのフェアウエーだったので、バーダーたちにとって、この見つけるのが困難なヒメドリをじっくり観察出来るまたとないチャンスとなって大騒ぎになった。これほど人目に付かないこそこそしている鳥がこんなオープンな場所にどうして現れたのか?・・・たぶん渡りの途中で十分にエサ取りが出来なかったのと、毎日早朝と夕方のゴルファーがプレーをしていない時間帯にフェアウエーのスプリンクラーから水が散布され、この鳥が好きな草の種が水分を含んで柔らかくなったのを彼は偶然にも見つけたのだろう・・・と多くのバーダーが推測していた。
     
    シロスジヒメドリとヒメウタスズメ
    シロスジヒメドリ(左)と付かず離れず一緒にエサ取りをしているヒメウタスズメ(右)

    9月27日夕方4時頃報告に出ていたゴルフコースの5番に行き、すでにフェアウエーの周りでシロスジヒメドリを探している10人ほどのバーダーのグループに合流し、プレーヤーがいなくなったフェアウエーとラフを1時間ほど歩いて一緒に探す。ラフ横の低灌木からまずヒメウタスズメが芝生に下りてエサ取りを始めだしたので、数分間しゃがんで静かに待っているとお目当てのシロスジヒメドリが同じ灌木の中から出てきた。めったに見れないこの鳥が目の前に現れた姿を見た時の息を吞む驚きは今でも忘れられない。
     
    ヒメウタスズメ餌取
    ヒメウタスズメ ( Lincoln Sparrow / Melospiza lincolnii )

    ヒメウタスズメは営巣場所がシロスジヒメドリと同じような草が茂った湿地や沼地であるが、アラスカからカナダ全域にかけての幅広い地域で見られるポピュラーな鳥である。秋に南下して越冬する場所も太平洋側のカリフォルニアから大西洋側のフロリダまで暖かい北米南部の幅広い地域であり、しかもシロスジヒメドリのような隠密行動を取らず人目につきやすい所に出て来るので、比較的普通に見られる鳥である。
     
    シロスジヒメドリ芝生に嘴入れる
    芝生の根元に嘴を深く入れ夢中でエサ取りするシロスジヒメドリ

    エサ取りに忙しいシロスジヒメドリを10メートルほど離れたところで、半円状に囲むようにフェアーウエー上にバーダーたちが並んで観察しているが、エサ取りに夢中になっているらしく我々のことなど一向に気にすることなくどんどん我々の方に近づいて来て、ついに2メートルぐらいまで寄って来られたのには皆口を開けてポカーンとするほど驚いた。臆病で人目に付きにくいシロスジヒメドリをたっぷり観察出来た珍しいチャンスに遭遇した喜びに大いに沸き、帰り際に皆で握手をし笑顔でこの幸運を祝いあった。
     
    シロスジヒメドリ種食べる
    美味しそうに草の種を食べるシロスジヒメドリ。丁度夕陽が顔に当たってさらに美しく見えた。

    シロスジヒメドリはヒメドリの中でも最も小さい種で、日本のコガラ ( Parus montanus ) と同じ大きさである。和名(シロスジ)にあるように頭のてっぺんの白いすじが目立つ。そしてオレンジ色に近い黄色の額、襟首の茶色のすじ、太くて赤茶の眉、背中の淡黄褐色の線などが特徴で、小さくて人目に付かないが美しいヒメドリである。短くて高い声で虫のようにブジーという地鳴きを時々繰り返していた。ラッキーなことに、このゴルフコースの同じ場所で2日間エサ取りする姿が見られたが、3日目以降には "ebird " 上に「見た!」という報告が出なくなったのでさらに西へ移動して行ったのだろう。

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