ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その5)最終
雛は腹が膨れると雌親に甘えるしぐさをする。
上をじっと見つめて懸命に雌親を探す雛
背中の玉虫色の青銅色が美しい雌親
ハミングバードは巣作りから抱卵、子育て全てメス親だけで行う、オスは一切協力しない、所謂「シングルマザー」なのである。メスが巣作りを始めるとオスは巣の周りから姿を消し、庭では全く見られなくなった。
黄色い花粉がべったりついてる嘴を雛の口の中へ入れエサを与えている。
エサをもらう雛が「もっとくれ!」と言わんばかりに嘴を離さない。雌親は枝から落ちそうになり慌てて翼を広げバタバタする姿を見てて思わず笑ってしまった。
広い砂漠のフィールドではほとんど見ることが出来ない雌親のエサ渡しの姿であるが、今年は庭で子育てをしてくれたので、しっかり観察することが出来た。
雌親はホバリング(空中停止)しながら雛にエサを与える。ハミングバードが得意とする業である。
雌親の曲芸的なエサ渡し
ハミングバードは飛ぶことが大変上手である。尾で舵を取りながら上下、左右、前方、後方、そして宙返りなど自由自在に飛ぶことが出来る。エサ取り方法はホバリングしながら花に長い嘴を差し込んで花蜜を舐める。この時の翼の羽ばたきは八の字を描きながら一秒間に80回以上と、目に留まらぬ速さである。
メス親はじっとして動こうとしない雛の周りをホバリングしながらぐるぐる回る。まるで「じっとしてないで、飛ぶ練習をしなさい・・・」と𠮟咤激励しているようである。
雛はまず翼を広げてゆっくり羽ばたく練習から始めている。そして、もう一段遠くへ飛ぼうと試みる。
ほとんどのハミングバードは冬になると中南米へ渡りをするが、アンナハチドリの多くは営巣が終わると一時的に西側のカリフォルニアへ移動し、夏の終わりごろにまた南アリゾナに戻って来る。
巣立ちした雛は夕方には飛ぶ距離を少し延ばして、花蜜が良く出るチュパロサまで来た。
巣立ちして10日もたつと、雛は自分で花蜜を舐めようと努力し始める。まだ、花の前でホバリングする「力」が弱いので、細い茎に止まったまま花に嘴を入れ花蜜を舐める。アンナハチドリの平均寿命は8.5年(飼育下だと15年)で、小さい体としては長生きをする。
- 2018.07.14 Saturday
- ハチドリ(ハミングバード / Hummingbird
- 01:59
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- by シンラン