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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

珍しいスズメフクロウの子育て マデラ渓谷 2019年夏 (その1)

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    スズメフクロウ雌正面

    日本のキジバトの大きさしかない小型のロッキースズメフクロウ

     

    和名:ロッキースズメフクロウ 英名: Northern Pygmy - Owl  学名:Glaucidium californicum

    スズメフクロウは北米には4種類の亜種がいる。その内アリゾナで見られるのは写真の別名 " Californian Pygmy-owl " と呼ばれる " californicum " と、別名 " Rocky Mountain Pygmy-owl " と呼ばれる " ponicola " の2種類である。ほとんどのフクロウ類は夜行性であるが、スズメフクロウは昼間も活発に獲物を捕る。特に繁殖期は日中の活動が多くなる。フクロウ類の多くは左右の耳の位置が上下にづれているため非常に優れた耳を持っているが、スズメフクロウの耳は左右が同じ位置のため聴力はあまり良くない。その代わり素晴らしい視力を持っているので、日中の活動には適してるのだろう。

     

     

    スズメフクロウ右向き

    昼間でも活発に獲物探しをするロッキースズメフクロウ

     

    スズメフクロウは南アラスカからカナダのバンクーバーがある British Columbia, カリフォルニア、アリゾナ、北メキシコにかけて西側の幅広い地域に生息しているが、山の渓谷深い森の林縁を好み、葉の茂った大きな木の中で人目に付かないよう静かに枝に止まっていることが多いので、見るのがなかなか難しい。フクロウ類は多くが夜ないし明け方に鳴くことが多いが、スズメフクロウは日中でも特に早い朝はよく鳴く。口笛のような高い音色のよく透る声で「フーフー」と単純な調子で鳴く。

     

     

    風景スズメフクロウと巣の木

    ロッキースズメフクロウの巣穴(黄色の丸印)と雛を見張ってる雌親(赤い丸印

     

    6月、鳥ヤ仲間の友人から稀にしか見れないスズメフクロウの巣と雌親がエサ運びをしてるのを見たという情報を受け、さっそくマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) へ探鳥に出かける。ここは我が家から車で1時間南へ下った「マイフィールド」の一つで、年間よく通うスポットなので巣の場所を見つけるのには苦労しなかった。巣穴は細い渓流沿いに生えてる大きなスズカケノキ ( Arizona Sycamore ) のキツツキが開けた穴を利用していた。縦に穴が二か所あって中でつながっているが、雌親の出入りは下の穴だけであった。巣は地上から6メートルぐらいの高さで、雛が穴の入口近くまで出て来る様子や雌親がエサを持って巣へ出入りする姿は双眼鏡で十分見られる距離であった。

     

     

    スズメフクロウ巣穴入口雌親

    小さな獲物をくわえて巣穴に入ろうとしてる雌親

     

    スズメフクロウが捕らえる獲物は小さい動物から小鳥、トカゲ、ヘビ、大きい昆虫などで、特にネズミや小鳥類、大きな虫を好む。小さなフクロウでありながら非常に大胆で、自分の体の3倍近い大きな獲物(例えば鶏など)を捕食することもある。腹が膨れてくると捕獲した獲物の残りを枝に刺したり、木の洞に貯蔵しておく、所謂モズ類がよくやる「ハヤ二エ」と同じようなことをする面白い習性を持っている。

     

     

    スズメフクロウ雌親雛にエサ与え

    巣穴の中の雛にエサを与える雌親

     

    巣穴が深いので雛がエサを貰う姿は見えなかったのと、穴の中に何羽の雛が居るのかも判らなかった。「シリ、シリ、シリ・・・」という雛独特のよく響く声が複数穴の中から聞こえて来るので、2羽以上は居るのだろうと推測していた。

     

     

    スズメフクロウ雛眠ってる

    巣穴入口近くまで出てきて暖かい日に当たって心地よさそうに眠る雛。この時初めて雛の姿を見る。

     

    スズメフクロウを観察し始めて5日目、最初に生まれたと思われる大きくなった雛が巣穴の入口近くまで上がって来て眠ってる姿を初めて見ることが出来た。大きさから巣立ちはそんなに遠くないだろうと思った。

     

     

    スズメフクロウ雛巣の中で2羽重なってる

    2羽の雛が重なって巣穴からこちらを見ている。

     

    狭い巣穴の中で大きくなった雛が窮屈そうに動き回ってるのが想像出来たが、ついに巣穴の入口近くまで2羽が出てきて、仲良く重なり合うようにして大きな目でこちらを見ていた。

     

     

    スズメフクロウ雛巣穴から顔出す

    巣穴から思いっきり顔を出して外の景色を見る最初に生まれたと思われる雛。

     

     

    スズメフクロウ雛巣穴入口の虫を見る

    巣穴の入口下に止まる蜂を見つめる雛。旨そうだなーと見てるのか?、本能的に何だろう…と見てるのか?蜂が飛んで行くまで5分間ぐらい寄り目になるほどじーと見つめていた。

     

     

    スズメフクロウ雛首を回して上を見る

    首をぐるっと大きくまわして青い空を眺める雛。フクロウならではの仕草である。

     

     

    スズメフクロウの巣穴を覗くドングリキツツキ

    巣穴の元の持ち主と思われるドングリキツツキ ( Acorn Woodpecker / Melanerpes formicivorus )

     

    スズメフクロウは主にキツツキの古巣を利用する。今回観察してる巣は、ドングリキツツキが作り上げた巣をスズメフクロウが横取りして、底に敷いてある鳥の羽根のクッションを全部外へ出してしまい、自分で新たに集めたクッションを敷いて巣をリニューアルしたようだ。巣穴を観察中に2回ほど巣の元の持ち主と思われるドングリキツツキの雄が飛んで来て、巣穴の中や周りを盛んにチェックしていた。丁度スズメフクロウはエサ捕りに出かけて留守中、巣の中の雛はきっと底で小さくなってうずくまって静かにしているのだろう。争いもなくドングリキツツキは静かに飛び去って行った。


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