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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その1)

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    チュマカコリ公園のフランシスコ教会

    チュマカコリ国立歴史公園 ( Tumacacori National Historical Park ) のフランシスコ教会 ( Franciscan Churchi )

     

    メキシコとの国境に近い「マイフィールド」、チュマカコリ国立歴史公園はツーソン (Tucson) からハイウエイI−19を75キロ南へ下がった所で、メキシコ国境の町 Negales までは30キロの近さである。主要道路には中南米からの違法入国者及び麻薬運び人を取り締まるため検問所があり、身分証明書(パスポートかグリーンカード)の提示を求められるので、まさにメキシコとの国境沿いでのバーディングである。この公園は1752年メキシコを植民地にしていたスペインが北の要塞地として宣教師を送り開拓をして住み始めた場所で、もともと住んでいた " Oodham " と呼ばれる人々の生活方法を取り入れ、牧畜をしながら小麦やフルーツの木をたくさん植えて教会を建てた。公園内には当時のアドービレンガとプラスターそして木材を使って建てられた家屋や教会が保存されており、内部には当時の生活の様子などが見られるよう色々なものが展示されてる。南アリゾナの歴史そしてバーディングの両方が楽しめるスポットである。

     

     

    チュマカコリ公園のフランシスコ教会鐘楼

    フランシスコ教会 ( Franciscan Church ) の鐘楼

     

    スペインの入植者たちは原住民のインディアン、特にアパッチ族やヤキ族の襲撃に悩まされ、1800年代に入って他の地域へ移動し始めた。そして、メキシコがスペインから独立した後、米国との戦争に入り、1848年終戦と共に米国はメキシコからアリゾナを15百万ドルで取得する取引が成立、そしてアリゾナは米国の州の一つとなった。

     

     

    ミュージアム看板とツバメ及び巣

    歴史公園のミュージアム入口、ツバメの巣(赤い矢印)と看板に止まるツバメ(黄色の矢印

     

    ツバメ ( Barn Swallow / Hirundo rustica ) は夏になると南米から戻って来る渡り鳥で、市街地周辺や人家、店舗などの建造物に営巣する。日本で夏に見られるツバメ(亜種の Hirundo rustica gutturalis ) と同じ仲間である。紺碧の空、古い教会の建物、鐘楼の周りを飛ぶツバメの姿は夏の到来を感じ、見ていて嬉しくなる。

     

     

    ドアーに止まるツバメ

    ミュージアム入口ドアーで出迎えてくれるツバメ ( Barn Swalliow )

     

    ツバメは夏になると街中でもかなりの数が見られる。大きなスーパーマーケットや店舗がたくさん入ってるモールの建物に巣を作り雛を育てている。多くの人々が出入りするスーパーマーケットなどは、さすが出入り口の上などには巣が作れないよう針金を張り巡らしているが、その他のカート置き場などの天井近くには椀型の巣がたくさん作られている。巣の雛を見守る親ツバメが時々カートに止まってることがあり、身近に暮らしてる鳥の感じがして思わず " How are you? " と声を掛けたくなる。買い物客がふっと足を止めて雛にエサを与える親ツバメの姿を見てる光景は実に良いものだ。

     

     

    アンザトレール入口

    アンザ自然探索路 ( Anza Trail ) の入口

     

    チュマカコリ国立歴史公園にはサンタクルーズ川 ( Santa Cruz River ) 沿いにチュマカコリ公園からチュバック要塞州立歴史公園 ( Tuback Presidio State Historic Park ) まで7キロのアンザ自然探索路が作られあり、気楽な自然散策やバーディングが出来る。

     

     

    風景ーアンザトレール

    ポプラの仲間ハヒロハコヤナギ ( Cotton Wood ) や Willow が密集して鬱蒼とした緑のアンザ自然探索路、ここは " Santa Cruz River Valley " と呼ばれている。

     

    近年、アンザ自然探索路 ( Anza Trail ) はメキシコ種の珍鳥バラノドカザリドリモドキが2017年夏から毎年巣作りをしており、じっくり観察出来るスポットなのでバーダーたちの間で一躍有名になった。バラノドカザリドリモドキの巣はオフィシャルな自然探索路から少し外れた所にあり、バーダーたちが下草を刈って切り開いたテンポラリーのトレール沿いで、" Social Trail " と呼ばれている。赤いリボンの目印が結ばれており、全米からこの珍鳥見たさにやって来るバーダーたちに判りやすくしてある。昨年は2組の巣が見つかり、年々少しづつ増えてるのかもしれない。

     

     

    バラノドカザリドリモドキ雄

    メキシコ種の珍鳥バラノドカザリドリモドキ ( Rose-throated Becard / Pachyramphus aglaiae ) の雄

     

    アンザ自然探索路 ( Anza Trail ) で見られる南アリゾナの夏鳥を数回に分けて紹介してゆきたい。まずトップはバラノドカザリドリモドキ。この美しいメキシコ種は近年アンザ自然探索路を有名にした鳥である。メキシコからコスタリカにかけての中米に主に生息し、雄は喉がバラ色で美しく、中米で見られる " Tityridae " 種の仲間である。そしてこのバラノドカザリドリモドキは唯一の北米で見られる " Tityridae " 種である。

     

     

    昆虫銜えて飛ぶバラノドカザリドリモドキ雌

    バッタを銜えて巣へ運ぶバラノドカザリドリモドキの雌。雄のような派手さはないが、灰色と茶色、地味で大変可愛らしい。

     

     

    草に止まるバラノドカザリドリモドキ雌

    エサ取りのため低い草に降りてきたバラノドカザリドリモドキの雌

     

    バラノドカザリドリモドキのエサの捕り方は、葉の茂った大きな木の枝でじっと虫を探し、見つけると飛びながら葉についてる虫を捕り、枝に戻って食べる。時々短くホバリングしながら空中で飛んでる虫を捕ることもある。特に繁殖期には低い草木に下りて来てエサ探しをすることもあり、この珍鳥をじっくり観察が出来るチャンスである。

     

     

    バラノドカザリドリモドキの吊り巣

    高い木の枝先(地上15メートルの高さ)にぶら下がるように作られてるバラノドカザリドリモドキの吊り巣(赤い矢印

     

    巣は大きなフットボールの形をしていて、垂れ下がってる枝の先にぶら下がってる。遠くから見てもよく目立つ巣なので、巣を見て初めて今夏もバラノドカザリドリモドキが現れた…と判ることが多い。巣の大きさは高さ65センチから75センチ、幅は25センチから30センチである。巣の出入り口の穴は最初上横と底の二か所に作られており、巣が出来上がって来ると上の穴を塞ぎ下の底の穴を修理して一か所の出入り口にする。

     

     

    巣から飛ぶバラノドカザリドリモドキ雌

    大きな巣から飛び立つバラノドカザリドリモドキの雄

     

    バラノドカザリドリモドキの雄は体長18センチで日本の夏鳥オオヨシキリと同じ大きさであるが、黒い頭とピンクの喉が目立つダンディーな鳥である。しかし、高い木の天辺キャノピーの近くに静かに止まってることが多いので人目につかず少々見るのが難しい。しかし、繁殖期には巣材運びをしたり、巣の近くの枝で葉についてる虫をバタバタと羽ばたきしながら捕ることがあるので見れるチャンスが多い。私が中米コスタリカで何回も見たバラノドカザリドリモドキの雄は喉がピンクでなくて黒であった。たしか図鑑も黒であり、たぶんコスタリカで冬を過ごすのは冬羽に換羽した成鳥か幼鳥が多いのかもしれない。

     

     

    ウタイモズモドキ

    ウタイモズモドキ ( Warbling Vireo / Vireo gilvus )

     

    英名 " Vireo " 学名も同じ " Vireo " 和名「モズモドキ」。モズの仲間ではないが、短くて頑丈で先が曲がった嘴がモズに似ていて近い種類である。大きさは日本の冬鳥のジョウビタキと同じである。英名 " Warbling " は囀りが早いリズムでアップアンドダウンがあり陽気で明るいアメリカムシクイ ( Wood Warbler ) に似ているところから付けられた。中南米で冬を過ごし、北米には夏鳥として到来する。営巣地域は大変広く、ほぼ全米にわたっており大変コモンであるが、南アリゾナでは数が少ない。背中は灰色のウグイス色で、胸から腹にかけて白い地味な鳥で、鳴き声はよく聞こえて来るが、カモフラージュされてるので、姿を見つけるのに少々苦労する。このため少々鳥を知ってる人や初心者のバーダーにもほとんど名前を知られてない鳥でもある。主に虫を食べ、大きな落葉樹が好きで、高い所で静かに動きながら虫を丹念に探して捕まえる。

     

     

    ナツフウキンチョウ雄

    ナツフウキンチョウ ( Summer Tanager / Piranga rubra )

     

    体長20センチで日本のコムクドリの大きさ。雄は全身が大変目立つ輝くような赤色であり、川が流れる水辺の森を好む。冬は主に南米で過ごし、ブラジルまで遠くへ行くのもいる。そして夏には北米に戻って来て広い地域で営巣する。派手な赤色で識別に苦労しないが、大きな木の高い所でゆっくり動き,しばしば葉に隠れるようにじっとしてるので見つけるには忍耐が必要である。主に蜜蜂や大きなスズメバチを好み、空中を飛んでる蜂を飛びながら捕ることがあるので、この時が見れるチャンスでもある。スズメバチを狙う時はしばしば巣に載ってスズメバチを捕らえ、それを枝でこすって毒針を取り除いて食べる。また、養蜂家の蜜蜂箱の幼虫も狙うこともあり、養蜂家には嫌われてる鳥である。


    コメント
    メサに住む娘と孫が
    5月に帰国する予定ですが
    チケットまで取っているのに
    新型コロナヴィールスの問題で
    帰れなくなるかもしれません
    早く解決してほしいです
    Imakarayarou さん。コメントありがとうございました。アリゾナの図鑑を持ってらして、しかもお嬢さんがアリゾナに住んでいらっしゃるようですが、あとはアリゾナに来られ、自然探索されるだけですね。観光地化されてない南アリゾナの雄大で粗削りな自然を歩かれ、色々な生き物に出会う…と心が癒されますよ。
    • 藤波
    • 2020/03/21 1:49 PM
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