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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その2)

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    Santa Cruz River

    メキシコから国境を越えて流れてくるサンタクルーズ川 ( Santa Cruze River )

     

    チュマカコリ歴史公園のアンザトレールはサンタクルーズ川に沿って作られてるので、鳥たちが水浴びや水飲みに降りてくるスポットがいくつもある。南アリゾナでの水場は生き物にとって大変貴重で、しかも数が少ないので水辺に居ると色々な鳥たちに出会える。

     

     

    Coopers Hawk in river

    早朝、川の中にいるクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii ) 雄

     

    クーパーハイタカはカラスぐらいの大きさの中型の鷹で、短く丸い翼と長くて丸い尾が特徴。アシボソハイタカ ( Sharp-chinned Hawk ) とよく似ているので、鷹の渡りのカウントする時には識別に大変苦労する。成鳥の雄は胸から腹にかけての赤茶色の縞模様と濃い灰色の頭のコントラストが美しい鷹である。南カナダから北メキシコまでのほぼ北米全域に生息しており、落葉樹の森に好んで営巣するが、1970年代以降、町の公園や庭のフィーダーにも獲物(ハトやウズラ、リスなど)を狙ってよくやって来るようになった。この鷹は狩りの仕方が変わっていて、密集して葉が茂る枝を移りながら獲物に静かに近づき、そして急に力強く飛び立って急襲する。また、時々捕らえた獲物を水辺に運んで水に浸けて殺すこともある。

     

     

    川の中のササゴイ

    水中の小魚をじっと狙うササゴイ ( Green Heron / Butorides virescens )

     

    アメリカのササゴイは日本のササゴイ ( Butorides striatus ) より小さい。しかし、首が濃い栗色で背中は緑色と色鮮やかで美しい。南アリゾナでは一年中見られる留鳥であるが、北に生息する個体は南へ渡りをし、中米パナマまで下りて冬を過ごすのもいる。

     

     

    ササゴイと赤トンボ

    ササゴイと夏の終わりを告げる赤トンボ ( Red Skimmer / Libellula saturata )

     

    ササゴイは静かにゆっくり流れる川によく一羽でいることが多い。早朝など水辺のトレールを歩いてると、突然目の前から飛び出し「キョー」という大きな声を発するのでびっくりさせられる。そして驚いて警戒すると尾をピッと動かして頭の冠を立てる。

     

     

    水辺のルリイカル

    水辺に現れたルリイカル ( blue Grosbeak / Guiraca caerulea ) 雄

     

    ルリイカルは体長17センチと日本のイカルよりずーと小さい。全身が陽に当たると目が覚めるような鮮やかなブルーで、幅の広い栗色の翼帯が大変目立つ美しい鳥である。しかし、日が照らない曇りの日に遠くから見ると、ただ全身が真っ黒にしか見えない。夏に中米から戻って来る渡り鳥で、ほぼ全米でごく普通に見られる。

     

     

    水を飲むルリイカル

    水辺で腰を下ろして静かにじっと待っていると、ルリイカルは私を気にすることなく、ゆっくり水を飲み始めた。

     

     

    川に降りてきたムラサキノジコ

    水浴びをしようと川に降りてきたムラサキノジコ ( Varied Bunting / Passerina versicolor ) 雄

     

    ムラサキノジコは首が深い紅色、頭は青紫、胸は紫に近い深紅色、そして背中と翼は黒と色の変化に富んでいる美しいノジコである。同じ仲間ではないが、日本の夏鳥ノジコ ( Emberiza sulphurata ) と同じ大きさである。この鳥も陽に当たると非常にカラフルで美しいが、日が当たらない曇りの日は全身真っ黒にしか見えない。

     

     

    水浴び後のムラサキノジコ

    水浴びが終わってプルミング中のムラサキノジコ

     

    この美しいムラサキノジコは夏鳥で、南アリゾナとテキサスのメキシコとの国境沿いの一部地域で、しかも水の流れがある棘の生い茂った雑木林でしか見られないので、南アリゾナに来るバーダーたちがぜひ見たいと探す憧れの渡り鳥である。営巣場所のテリトリーソングを囀る枝が棘のある木が多い林なので、近づくのに少々苦労する。しかし、この鳥は臆病でないので、ある程度近づければじっくり囀る姿が見れるし、主なエサは草や木の種なのでグラウンドに降りてエサ取りすることがあり、観察するチャンスはけっこう多い。

     

     

    ムラサキノジコの雌

    木の枝に止まって、下から伸びてる草の種を取って食べるムラサキノジコの雌。オスと違って茶色で地味である。

     

     

    川に降りてきたゴシキノジコ

    水浴びのため川に降りてきたゴシキノジコ ( Painted Bunting / Passerina ciris ) 雄

     

    濃いブルーの頭、緑色の背中、そして喉から腹にかけての赤、これ以上派手な鳥は居ない…と思われるほど非常に目立つ鳥である。「天下一品の無比の鳥」という意味で " Nonpareil " とも呼ばれている。東海岸沿いの南部、ジョージア、フロリダからルイジアナ、テキサスにかけて主に生息しているが、近年南アリゾナでも少数であるが見られるようになった。昔は飼い鳥として大変人気があったが、現在は国の法律で捕獲、輸入が全て禁止されてる。しかし、メキシコや中米では、いまだに飼い鳥として密売されている。

     

     

    水浴びのゴシキノジコ

    顔を水中に入れての豪快なゴシキノジコの水浴び

     

    ゴシキノジコは葉が密集している低灌木の低い枝に隠れるように止まっていることが多いので見にくいが、繁殖期には目立つ高い枝に止まって囀るのであまりの美しさにハッとすることがある。性格は少々激しく、特に雄はテリトリーの取り合いとなると凄い争いをすることがあり、殺し合うこともある。

     

     

    水に入るクロズキンアメリカムシクイ

    水に入る南アリゾナでは珍しいクロズキンアメリカムシクイ ( Hooded Warbler / Wilsonia citrina )

     

    クロズキンアメリカムシクイは東側の河川や湖沼のある森ではごく普通に見られる夏鳥であるが、南アリゾナを含む西側ではごく稀にしか見られない大変珍しいアメリカムシクイである。「チュマカコリ歴史公園」では年に2〜3回程度は見れるチャンスがある。しかし、近年木材の伐採などによる営巣地の縮小やアメリカムシクイの巣を主に托卵先としているコゥウチョウ ( Brown-headed Cowbird / Molothrus ater ) の増加などによりその総数は減少してきている。

     

     

    水浴びするクロズキンアメリカムシクイ

    顔を上に向けて思いっきり水浴びするクロズキンアメリカムシクイ雄

     

    クロズキンアメリカムシクイは葉の密集した小灌木の暗い低い枝に静かに居ることが多いが、私がニューヨーク在住時に郊外の営巣地で毎年観察した経験では、けっして臆病な鳥ではないように思われた。繁殖期には近くの枝でよく囀るし、グラウンドに降りてエサ取りしたり、飛び上がって空中の虫を捕らえたり、時には腰をかがめて観察している私の足元近くまで寄って来て囀ってくれたり…と非常にフレンドリーな親しみがわくアメリカムシクイであったことが思い出される。


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