title





米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

残暑お見舞い 2020年南アリゾナのサマーストーリー

0

    昼の山火事カタリナ連山

    カタリナ連山 ( Catalina Mountains ) の山火事

     

    我が家から20キロ、一番近いマイフィールド「カタリナ州立公園」( Catalina State Park ) を含むカタリナ連山の南端プッシユリッジ山 ( Putsh Ridge Mt. ) に6月5日3個の雷が同時に落ちて山火事となった。丁度南アリゾナはドライサマーに入っており、非常に乾燥していて(湿度5%以下)気温が35度近い高温が続く天候の毎日で、火は一気に広がった。

     

     

    夜の山火事カタリナ連山

    家の間から巨大サボテンサワーロ ( Saguaro ) 超しに見る山火事の炎は、今まで見たことがないソノラ砂漠ならではの迫力ある夜景であった。

     

    我が家からも山火事は毎晩よく見え、時には煙の臭いも漂うことがあった。このカタリナ連山に生息するオオツノヒツジ ( Bighon ) から名前を取って " Bighorn Fire " と名付けられた。南のプッシュリッジ山から燃え始めた山火事は北のレモン山 ( Mt. Lemmon ) の一部まで燃え広がり、48日間燃え続けて200,000エーカー (Acres ) 燃えつくし、7月23日にやっと消えた。南アリゾナでは10年ぶりの山火事で、これほど町や商店街、住宅街の近くで燃え続けたのは初めてで、一時は避難命令が出されたが、大型飛行機とヘリコプター、千人以上の山岳消防隊などの努力で、家の消失死亡による犠牲者は一人も出ない完ぺきな消火作業となった。

     

     

    庭の滝全景

    ハミングバードが水を飲んでる庭の小さな滝の水場

     

    南アリゾナの夏は通常4月から6月の3か月間は「ドライサマー」と呼ばれ、雨が全くなく乾燥している(湿度5%以下)。日向の気温は30度ぐらいでも日陰に入れば20度と涼しく大変凌ぎやすい。そして後半の7月から9月の3か月間は「モンスーン」と呼ばれる夏で、2日ないし3日に一度は雷雨に見舞われる。ソノラ砂漠の象徴サワーロサボテンは、このモンスーン期の雨を溜め込んで一年の水とする。ところが、今年の南アリゾナの夏は4月から35度近い日が多く、しかも7月8月に入っても「モンスーン」がなく40度になる日が続くことがあって記録的な猛暑となっている。砂漠で暮らしている鳥や動物たちもこの猛暑は応えるらしく、庭の滝の水場は大混雑となった。

     

     

    滝の水飲むヒメキンヒワ

    水が流れる滝の岩に降りて、足を冷やしながら旨そうに水を飲むヒメキンヒワ ( Lesser Goldfinch / Carduelis psaltria ) の雄。彼らは流れてる水に降りて休むことは滅多にしない。よほど暑さが応えてるようだ。

     

     

    ズアカカンムリウズラ雄雌雛滝

    雛を連れて水飲みに現れたズアカカンムリウズラの雄雌 ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

     

    夏になると住宅の庭、家の周りの道路で子連れのズアカカンムリウズラを多く見かけるようになる。もともと水が大好きなウズラであるが、今年のように異常に暑い夏だと雛を引き連れた大家族で一日に何回もやって来る。卵から孵って直ぐ巣離れして歩かなくてはならない雛にとってこの異常猛暑は死活問題である。水場に現れる彼らの家族を見てると、最初は生まれたての雛15羽ぐらい連れて来るが、日が経つにつれて半分の6羽になり、最終的には1羽から3羽ぐらいしか見られなくなる。最初の一年間の死亡率が非常に高いことが判る。このため彼らの平均寿命はたった一年半程度と大変短い。

     

     

    ズアカカンムリウズラ雛6羽滝

    雛6羽で滝を占拠するズアカカンムリウズラ(生れて2週間ぐらい)

     

    カンムリウズラの水飲みは午前中と午後遅くから夕方にかけてで、だいたいどの家族も同じ時間帯に庭に入って来るので、多い時は5家族が鉢合わせとなることがある。それぞれが雛を連れているので、雄は縄張り争いと雛を守ろうとして庭のあちらこちらで激しい争いが始まる。オス同士けたたましく鳴き合い羽ばたきしながら空中で体当たりをするのもいる。しかし争いは長続きせず、力の弱いと思われる雄の家族は庭の隅へ行って順番を待ち一番最後に水を飲む。どういう順番になってるか分からないが、見てると一組が終わって水場を去ると次がやって来て水を飲みだす。最終的には全家族がしっかり飲んでいくようである。

     

     

    ノドグロハチドリ玄関の壁

    日陰になってる玄関ドアーの横の壁にしがみついてじっと目を閉じて暑さをしのいでいるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird / Archilochus alexandri )

     

    記録的な猛暑が続く今年の南アリゾナ、7月に入ってついに40度の日が続いた時の一番暑い午後3時過ぎ、ノドグロハチドリは木陰の枝に止まっておれず玄関の中に入ってきた。我が家の庭で渡りで寄って行く種類を除いて常時いるハミングバードは3種類である。このうち2種類は夏の猛暑が続く7月8月は涼しさを求めて移動して行く。アンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) は太平洋沿岸のカリフォルニアへ、コスタハチドリ ( Costa's Hummingbid ) は山の麓のキャニオンへ移る。一方ノドグロハチドリは猛暑でも庭に残っており、涼しい日陰を求めてパティオや玄関の中に入って来たり、滝の水が流れる岩に降りて水に顔を漬けたりして何とか体を冷やしてる姿を見る。

     

     

    ノドグロハチドリ壁にへばりつく

    キツツキの様に壁に縦に止まっているノドグロハチドリの珍しい姿。

     

    40度を超す日の午後3時から4時ぐらいまでほんの一時間ほどだけであるが、玄関の日陰の一番涼しい所を見つけ、猛暑を何とか凌いでいる。こうして見てると、自然の中で生きる厳しさ、生命の危険と隣り合わせの状況で精一杯生きてる凄さが伝わってくる。一方、一定の温度に保たれてる家の中に居る人間は何と幸せなんだろう!とつくづく思う。人にとって暑さでの生命の危険はほとんどない当たり前の毎日の夏の生活かもしれないが、自然の中で生きてる「生き物」の厳しさを見ていると考えさせられる。

     

     

    ワタオウサギ滝の水飲む

    滝の水をうまそうに飲むサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / sylvilagus audubonii )

     

    大きな耳を持った臆病な生き物で、滅多に水場には来ないが、40度の猛暑となると朝夕2度も滝に現れる。水をたっぷり飲んで、流れる水で冷えた岩に体を伸ばしてべったりくっつけて涼を取る姿も見られる。この暑さにあんな密な毛皮を背負っていては、暑さが半端でないことが想像できる。天敵が大変多く、空からは鷹やフクロウ、グラウンドではコヨーテやボブキャットなどの動物に常に狙われてる。そのため大変臆病で頻繁に庭の水を飲みに来るのは若い今年の春に生まれたウサギが多く、大きなアダルトは数日間に一度の頻度でしか庭に入って来ない。生まれて一年目の最初の夏の猛暑は若ウサギにとっては一つの試練なのかもしれない。

     

     

    リス滝の水飲む

    珍しいHarris Antelope Squirrel ( Ammospermophilus harrisii ) の水飲む姿。

     

    この夏の暑い砂漠に暮らすリスで、毛がふさふさしてるのはこの一種だけである。日中も活動するので、長い尾を上げて頭の上まで持っていき日傘の様にして強い陽射しを遮っている。警戒心が非常に強く臆病なので庭には滅多に入って来ないし、水もほとんど

    飲みに来ない。水分は木の実や草の実を食べて補給してるようだ。今年の猛暑は猛烈でリスも水を飲まざる得なくなったのだろう。ほんの5秒ほど水飲みをして、直ぐ駆け足ですっ飛ぶように砂漠へ帰って行った。


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930   
    << September 2020 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    • チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その4)最終
      藤波
    • 春のワイルドフラワーと生き物たち カタリナ州立公園 2020年(上)
      imakarayarou
    • チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その4)最終
      imakarayarou
    • チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その1)
      藤波
    • チュマカコリ国立歴史公園 南アリゾナ (その1)
      imakarayarou
    • 雪が舞い氷雨が降る真冬、子育てに頑張るコスタハチドリ (その4)最終
      imakarayarou
    • 雪が舞い氷雨が降る真冬、子育てに頑張るコスタハチドリ (その3)
      藤波
    • 雪が舞い氷雨が降る真冬、子育てに頑張るコスタハチドリ (その3)
      imakarayarou
    • 豪華なワイルドフラワーに沸く2019年春のソノラ砂漠 (上)
      藤波
    • 謹賀新年 2020年南アリゾナ・ソノラ砂漠の元旦
      藤波

    links

             

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode