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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

大変身近な我々の生活圏で暮らすフクロウたち (その3)

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    アナホリフクロウ雛3羽並ぶ

    尻つぼみな下半身に毛の生えた長い脚が一風変わった姿のアナホリフクロウ ( Burrowing Owl ) の雛たち

     

    北米では主にフロリダ、テキサス、アリゾナ、カリフォルニアの南部地域で留鳥として一年中見られる。日本のオオコノハズクやムクドリと同じ大きさで、フクロウとしては大変小さい。砂漠や草原、農地などの開けた環境に生息するが、時には人工的なゴルフ場や空港でも見られる。しかもフクロウとしては珍しく日中でも非常にアクティブなので見れる機会が多い。

     

     

    アナホリフクロウ雛正面向き1羽

    茶色で丸っこく脚の長いアナホリフクロウ ( Athene cunicularia ) の雛。バーダーにとってこのフクロウはしばしば見つけるのに苦労する。畑の土と同じ薄い茶色をしているのと、小さい体なので土の塊や牛の糞と見間違うことがある。

     

     

    車から眺める畑とアナホリフクロウ一家

    車の窓から見る野菜畑とアナホリフクロウ一家

     

    5月21日、近年アリゾナではめっきり数が少なくなってなかなか見る機会がなかったアナホリフクロウの雛が、我が家から車で20分ぐらい走った畑地で見られる情報を入手。一面広い畑なので隠れられる木や建物が全くない。仕方なく車をブラインドにして窓を開け長いレンズを出して撮影した。連日猛暑が続く炎天下一番気温が高い午後3時過ぎ(35度の暑さ)に巣穴の横に車を停めて雛が穴から出て来るのを待つ。4時半頃になると、いよいよ穴から一羽そして二羽‥‥と続いて雛が出て来る。夕日が沈む7時半ごろまで熱中症を心配しながらの3日間であった。

     

     

    アナホリフクロウ雛横向

    夕陽を斜めに背に受けて、親がエサ探しに出かけた畑をじっと見てる雛。親のエサ捕りは昼間は主にバッタや虫を捕り、夕方から夜にかけてはネズミなど小型の動物を捕食する。彼らは一日に一匹ないし二匹のネズミと、12匹以上の虫を捕る‥‥と言われる。

     

     

    アナホリフクロウ雛巣穴見つめる

    巣穴をじっと長いこと見つめてる雛

     

    アナホリフクロウは主に大草原に群れで生息するリスの仲間のプレーリードッグの古巣や、ジリスの古巣を棲家として生活する実に変わったフクロウである。北米の南部から中米、南米にかけての広い地域に生息しており、20種以上の亜種がいる。中にはフロリダ亜種のような自分で穴を掘って棲家を作るのもいる。彼らは天敵のコヨーテなどから何時でも逃げれるように、巣穴近くでウロウロして過ごすことが多いので、バーダーが近づくと直ぐ穴に入って隠れてしまう。また、雛たちは巣穴に入って来る侵入者を驚かす為、猛毒のガラガラヘビの「シュル、シュル、シュル…」という音を真似してコールする面白い習性を持っている。

     

     

    アナホリフクロウ雛私を見て叫ぶ

    カメラのシャッター音が気になるのか、警戒してこちらに向かって叫ぶ雛

     

    彼らは色々な面白い仕草をするので人気者である。その一つに、巣穴入口で挨拶するような仕草をするので、カーボーイたちは彼らを " Howdy birds  " と呼んでいた。小さくて昼行性で主に畑の害虫を食べてくれるので、農家の人々に好かれるフクロウでもある。

     

     

    アナホリフクロウ雛飛ぶ練習

    飛ぶ練習をする雛。卵から孵化してまだ一ヶ月経つか経たぬかと思われるが、成長が非常に早く、3ヶ月で立派な成鳥となって独立する。

     

     

    アナホリフクロウ親一羽

    エサ探しの合間、灌漑用水路の淵で一休みするアナホリフクロウの親

     

     

    アナホリフクロウ雛と親

    灌漑用水路の淵に止まるアナホリフクロウ親(右)と雛。雛へのエサ与えは雄親、雌親の両方で行うが、成鳥の違いはほとんどないのでDNA以外、特にフィールドでの識別は不可能である。

     

     

    アナホリフクロウ親からエサを貰う雛

    エサ取りから帰って来た親(左)に素早く近寄りエサをぶん取る雛。5羽いる雛の内この雛が一番すばしっこくて元気が良い。

     

     

    アナホリフクロウ親と雛の飛び立ち

    エサ探しに飛び出した親のあとを追って一緒に飛ぼうとする雛。しかし、悲しいかなまだ1メートルから2メートル程度しか飛べない。

     

     

    アナホリフクロウ雛草を引っ張る

    草を引っ張って食べ始める雛

     

    雛は腹がすいてるが、好物の虫やバッタを自分ではまだ捕れないので仕方なく草を食べる。雛がこのぐらい大きくなると、自分でエサ捕りが出来るよう親は雛にエサを与える回数を少なくしてくる。雛は腹がすくので自然と自分でエサ探しを始める。独立への一歩で、親の厳しい愛の鞭であろう。

     

     

    アナホリフクロウ親電線に止まる

    電線に止まるアナホリフクロウの親。地平線に沈んでいく夕陽に照らされて全身赤く染まって美しい。

     

    「砂漠」というと、我々日本人はアフリカや中東の砂地だけの広陵とした風景を思い浮かべるが、南アリゾナの「ソノラ砂漠」は、低灌木や背丈の低い草が生えてる広々とした草原に近い乾燥した所である。灌漑を施してやれば、「砂漠」でも見事に作物が出来る。そのため、近年、牛の放牧地が少なくなり広大な野菜畑があちらこちらで見られるようになってきた。こうした畑地に、一時は激減してほとんど見られなくなったアナホリフクロウが少しづつではあるが戻って来てその数が増え始めているのは嬉しい。


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