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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 後編

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    Black Swallowtail
    満開の Penstemon で蜜を吸う Black Swallowtail ( Papilio polyxenes ) 。

    3月に入ると砂漠はぐーんと暖かくなって庭には大型のアゲハ蝶もヒラヒラ舞い始める。
     
    Curve-billed Thrasher
    マルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher / Toxostoma curvirostre ) の巣作り。

    Cholla サボテンでマルハシツグミモドキが巣作りを始める。大きな棘のあるサボテンによくまあー巣を作るナーと思うが、この棘が卵や雛をヘビや動物から守ってくれるようだ。しかし、この鋭い棘は雛にとって危険でもある。巣立ちに失敗してこの棘に引っかかってぶら下がってる無様な姿を見かけることがある。
     
    Cactus Wren
    大サボテン Saguaro のてっぺんでさえずるサボテンミソサザイ ( Cactus Wren / Campylorhynchus brunneicapillus ) 。

    庭から見上げる大きな(3階建てぐらいの高さ) Saguaro サボテンの上からサボテンミソサザイの「ギョギョギョ’’’’’」というさえずりが聞こえてくると、まさに砂漠の春を感じる。
     
    Gila Woodpecker 1
    長い舌を出して砂糖水を舐めるサバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker ) 。

    サバクシマセゲラは春の繁殖期になるとオス、メスで煩く鳴き合いながら庭のハチドリのフィーダーにやって来る回数が多くなる。砂糖水を舐め始めると長く居座るので、時々ハチドリが来ては文句を言うように自分の体の3倍はあるサバクシマセゲラの目の前でホブァリングしながら威嚇している姿を見ることがある。
     
    Gila Woodpecker 2
    日の出とともに換気扇の煙突に飛んで来るサバクシマセゲラ ( Melanerpes uropygialis ) 。

    キツツキの求愛行動の一つに木を嘴で叩いて太鼓のような音を出すドラミングがある。砂漠には良い音が出る大きな木がないためか、特にサバクシマセゲラは高い煙突が好きで、夜が明けるとすぐ屋根の上に飛んで来て煙突を猛烈な勢いで叩きまくる。同じドラミングでも耳に心地よい木の音と違ってブリキの安っぽい音なので、朝の寝起きの耳には少々こたえる。
     
    Annas Hummingbird
    フィーダーにとまるアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird / Calypte anna ) 。

    繁殖期のアンナハチドリの成鳥のオスは実に美しい。メスが近づき興奮すると頭から首、喉のピンク(マジェンタ)色がピカーと光り、その美しさにハッとする。
     

    庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 中編

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      コスタハチドリ、コートシップ
      コスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) の雄、雌によるコートシップ。

      2月に入るとハチドリたちの求愛行動が活発になる。オス、メスで空中をホブァリングしながら上昇して行き、オスがすごい勢いでまるで戦闘機のように U 字型に急降下して再び上昇する。この時、尾羽から出る大きな風切り音にびっくりさせられることがある。ベランダでコーヒーを飲みながら、ハチドリの曲芸飛行を見ていると、春らしくなかなか面白くて飽きない。
       
      コスタハチドリの巣の木
      コスタハチドリの巣がある小さなブーゲンビリアの木。

      ガレージ横、塀ぎわの冬枯れの小さな(私の背丈ぐらい)ブーゲンビリアの木に1月末頃からコスタハチドリが巣を作り始め、2月に完成。散歩する人や犬が行き交う歩道や車道のすぐ脇に巣を作ったのには少々驚いた。しかし、よく考えると、ブーゲンビリアの木は棘が大きく、天敵のヘビ(主にガラガラヘビ)が上がって来れないのと、巣のすぐ横を人や車が通るので卵や雛を狙う動物(コヨーテ、ボブキャットなど)が近寄りにくいからと思われる。
       
      巣に座るコスタハチドリ♀
      巣に座っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) の雌。

      体長9センチの小さなコスタハチドリ、片手の手のひらにすっぽり入ってしまうほど小さな巣である。こんな小さな巣でも、枯れ葉や鳥の羽根を巧く混ぜて作られてる。花や葉がまだ出ていない丸裸の木で丸見えのようだが、ちょっと見たぐらいではほとんど巣の有り場所は判らない。うまくブーゲンビリアの枝に同化している。
       
      コスタハチドリの卵
      コスタハチドリが産んだばかりの卵。

      2月中旬、巣には2個の卵があった。1センチ少々の小さな卵で、10センチぐらいの巣の大きさからみると2個が限度であろう。1週間もすると雛の姿が見られるのが楽しみである。ハチドリはアリゾナ生活では何時も側に居る身近な鳥である。一日中庭の花を飛び回り、小さな水場で水浴びをし、疲れると小木で休む。そして、繁殖期になると庭木に巣を作って子育てをする。そんな姿に毎日接していると、時には家族の一員のような感じがすることがある。
      オオカバマダラ蝶
      Red-Justicia の花にとまるアサギマダラの仲間オオカバマダラ ( Monarch / Danaus plexippus ) 。

      今年は春が早くやって来たせいか’’’’2月中旬というのにオオカバマダラが庭に現れた。4世代にわたってメキシコからカナダまで渡りをする蝶で、旅の途中に立ち寄ったと思われる。長旅で少し羽が傷んでおり、一日だけの滞在で翌日にはもう現れなかった。

       
      ヒメアカタテハ蝶
      ヒメアカタテハ ( Painted Lady / Vanessa cardui ) 。

      世界中広く分布している蝶で、ソノラ砂漠では少数であるが冬でも見られる。我が家の庭では今年初めて見られた。2月のまだ寒い早朝なので、日溜まりの暖かくなった石の上でじっと暖をとっていた。
       

      庭に早い春の訪れ(ソノラ砂漠2015年) 前編

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        Mexican Gold Poppy 1
        暦の上では「大寒」の一月末、春を告げる " Mexican Gold Poppy " の花一輪が庭の片隅に咲き始めた。

        今冬のアメリカ中西部や東海岸(ニューヨーク、ボストン)は大雪と大変厳しい寒さに見舞われ、しかも2月中旬を過ぎても零下の日が続いているようである。一方、南アリゾナは穏やかな冬で、2月に入ると日中の気温が20度を超す日が多くなり、庭に砂漠の野花が早くも咲き始めた。
         
        Mexican Gold Poppy 2
        庭一面に春の色をもたらす " Mexican Gold Poppy ( Eschscholzia mexicana ) " 

        南アリゾナの今冬は例年より暖かく、しかもまとまった量の雨が降ったので庭の野花もいつもより早く咲き始め、幸先の良い「立春」となった。
         
        Mexican Gold Poppy 3
        日が傾き始める夕方には " Mexican Gold Poppy " は花びらを閉じてしまう。

        砂漠の春は朝夕と日中の寒暖の差が大変大きい。昼間に20度を超す暖かい日でも朝方は零度近くまで気温が落ちることがある。そのため野花には日が沈むと花びらを閉じて、朝日が照り始めると再び開く種類が多い。
         
        Penstemon & Costas Humm
        ペンステモンの花とコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) のオス。

        イワブクロの仲間ペンステモン ( Parry's Penstemon ) の花も今年は1月末頃から咲き始め、2月の立春の頃には満開となった。この花が咲くと、冬枯れで色が乏しかった玄関や庭もパッと明るくなる。
         
        Penstemon & Annas Humm
        ペンステモン ( Penstemon parryi ) とアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) の♀

        ハチドリの主食となる花蜜を出す花が少ない早春は、このペンステモンがハチドリにとって貴重な花となる。背丈が高い茎に春らしいピンクの花がたくさん咲くので艶やかで大変美しい。花を見ていると気持ちが春のように明るくなり浮き浮きしてくる。

        庭の水場に来る身近な鳥たち シリーズ(5)

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          Coopers Hawk 1
          水場の鳥を捕食しようと塀から飛び降りる クーパーハイタカ (Cooper's Hawk) の雄

          庭の鳥、水場の鳥にとって一番の天敵は鷹である。なかでも小形のクーパーハイタカは彼らにとって最も恐ろしい。翼を巧みに広げたりすぼめたりしながら尾羽で舵をとり、狭い庭の木々の間をすごいスピードで飛びながら獲物を探す。時には庭の向こうの砂漠の低い木に隠れるようにひっそりと止まって水場やフィーダーの様子をじっと見ていることがある。そして、飛び立つや、グラウンドすれすれに低く滑空し、塀すれすれに飛び上がりすぐ急降下して庭に入って来るアクロバティックな飛翔は実に見事である。
           
          Coopers Hawk 2
          水場に下りたものの、殺気を感じた鳥たちはすでに飛んでしまって一羽も居ないので、キョトンとしているクーパーハイタカ (Accipiter cooperii)

          クーパーハイタカは一年中家のまわりに居り、春先は雄・雌で「キーキーキー」と甲高い声で鳴き合う姿が見られる。短くて幅広い翼と長い尾を使ってもうスピードで鳥を追跡・捕食する能力は素晴らしいものである。庭の花を手入れしている時、フィーダーや水場にいる鳥を狙ったクーパーハイタカが私の顔すれすれにすり抜けて行きびっくりさせられることが何回もあった。
           
          Mourning Dove
          連日の暑さに頭から水をかぶる ナゲキバト(Mourning Dove / Zenaida macroura)

          クーパーハイタカが獲物として一番狙う鳥はこのナゲキバトである。我家の庭でも毎年2羽ないし3羽程度は犠牲になっている。逃げ遅れてフリーズして動かなくなったハトを見つけるや、それを抱え込み、翼を広げて隠し、素早く羽をむしりとって、いつも獲物を食べるお気に入りの木へ持って行く。捕えた獲物を処理し運ぶまでの時間が非常に早いのには驚く。
           
          Gambels Quail
          ハイタカがハトの次に獲物として狙う ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail / Callipepla gambelii)

          この鳥は砂漠の「ウズラ」と呼ばれ、ソノラ砂漠では数が多く、家の周りや庭でもごく普通に見られる。そして、クーパーハイタカがよく獲物として狙う鳥でもある。主にグラウンドを歩きながらエサ取りするので、クーパーハイタカが庭に現れると近くの木陰に素早く入り込みフリーズする。まるで置物のように全く動かず、ハイタカが飛び去るまで何分でもじっとしている忍耐力には驚く。生死を分ける状況下では、これしか助かる手立てがないのだから仕方ないかもしれない。タカが飛び去ると、普段めったに見られない力強い飛翔力で庭の向こうの砂漠へ「キリキリキリ・・・」と鳴きながら、バタバタバタ・・・と大きな羽音を出してすっ飛んで行く。
           
          Rock Squirrel
          岩場に住むリス Rock Squirrel(Spermophilus variegatus) も水場やフィーダーの常連である。

          このバードバスは小鳥専用に作られてるので40センチX5センチと小さいポットである。毎日朝夕細菌がわかないよう丁寧に水洗いをして、新しい水に取り替えてやるので彼らにとっては大変美味しいらしい。砂漠の生活では生きものにとって水は常に必需品。我々もハイキングや散策で歩く時はもちろん、車で買い物へ出かける時も必ず水筒を持ち歩くことを忘れない。
           
          Desert Tortoise
          庭で初めて見た珍しいソノラサバクゴファーガメ(Sonora Desert Tortoise/Gopherus agassizii) の子供

          水場には鳥だけでなく色々な生きものがやって来る。そのほとんどが夜行性のため残念ながら写真がまだ撮れてないが、たまたま夜中過ぎに目が覚め庭を覗くと、月明かりの中で水を飲むキットギツネ(Kit Fox) やボブキャット(Bob Cat), スカンクなどと目が合ったりすることがある。都会ではなかなか体験出来ない出会いであろう。この亀はフィールドでもめったに見られないソノラ砂漠の希少種で、まだ子供なので大変小さい。プールで泳ぐわけでもなく、まわりを歩き回って砂漠へ帰って行った。

          庭の水場に来る身近な鳥たち シリーズ(4)

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            Pyrrhuloxia 1
            砂漠のカージナル(ショウジョウコウカンチョウ)と言われる ムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia) の雄

            英名「ピルロキシア」という難しい鳥名のこの鳥、オウムのような大きな嘴をした派手な鳥で、特に冬から春先にかけてよく庭に現れ、ほぼ一日中フィーダーの餌を食べたり、バードバスの水を飲んだりする。
             
            Pyrrhuloxia 2
            ムネアカコウカンチョウ(Cardinalis sinuatus)

            春によく見られる姿で、水浴びをせずに、こうして胸と腹だけをたっぷり水に濡らしてあわてて砂漠へ飛んで行くことがある。普通、鳥たちは水浴びの後必ず近くの低い枝でプルミング(羽づくろい)をするが、それもせずに濡れたまま飛んで行くのは、近くに巣があるように思われた。子育ての時、彼らは砂漠の炎天下、巣の中でじっとしている雛を濡れた体で冷やしてやる・・・と言われている。あらためて、水の貴重さをつくづく感じる。
             
            Hooded Oriole ♀
            美味しそうに水を飲む ムナグロムクドリモドキ(Hooded Oriole) の雌

            この鳥は5月になると、冬を過ごした南米からアリゾナの砂漠に戻ってくる。大型の美しい鳥が現れると庭もパッと明るくなり、本格的な暑い夏の近づきを感じる。彼らは甘党なので、砂糖水の入った彼ら専用のフィーダーを掛け始めるのもこの頃である。
             
            Hooded Oriole ♂
            水浴びを始める ムナグロムクドリモドキ(Icterus cucullatus) の雄

            この鳥は大変警戒心が強いので、庭のフィーダーの餌を食べに来てもなかなか水場には下りて来なかった。バードバスを置きだして2年目にやっと水場に来るようになり、水を飲んだり、ゆっくり水を浴びたりする姿を見れるようになった。派手な色をした鳥はよく目立つので、だいたいが警戒心が強く臆病である。
             
            Brewers Sparrow
            庭にはめったに現れない ブリューワーヒメドリ(Brewer's Sparrow/Spizella breweri)

            冬の間だけ北から下りて来てソノラ砂漠で越冬するヒメドリである。家の周りのフィールドには群をなしているが、バードバスの水を飲みに来たり、フィーダーの餌を食べにやって来ることはほとんどなく、庭では大変珍しい姿である。

            庭の水場に来る身近な鳥たち シリーズ(3)

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              Blue Grosbeak ♂
              ターコイズブルーがまぶしいぐらい美しい ルリイカル(Blue Grosbeak) の雄

              ゆっくりと時間をかけバードバスの水をたっぷり飲んで、満足して砂漠へ帰って行く。口の中に残ってる水をこぼさないよう気にしながら飛び立つ姿が滑稽である。
               
              Blue Grosbeak ♀ 1
              美味しそうに水を飲む ルリイカル(Guiraca caerulea) の雌

              雄が飛び立つと、交代で雌が水を飲み始める。どっしりと腰をすえて水を飲む雌、度胸が据わってるのか、いつも雄より水場にいる時間が長い。
               
              Blue Grosbeak ♀ 2
              水浴びする ルリイカルの雌

              たっぷり水を飲んだ後はゆっくりと水浴びを始める。雄と違って雌は警戒心が薄いのか、水場に来てもキョロキョロせず、カメラのシャッター音にも無頓着である。
               
              Gila Woodpecker
              ソノラ砂漠にだけ住む サバクシマセゲラ(Gila Woodpecker /Melanerpes uropygialis) の雌

              この鳥はいつも横座りのような変な姿勢で水を飲むので、見ていて笑ってしまう。キツツキは樹の幹に縦に止まることが出来るので、羽軸が太くて頑丈な尾羽で体を支えるようになっている。低いバードバッスでは、その固くて長い尾が邪魔のようである。
               
              Gila Woodpecker & Hooded Oriole
              サバクシマセゲラの雌とムナグロムクドリモドキ(Hooded Oriole/Icterus cucullatus) の雌

              水場では珍しい鉢合わせである。サバクシマセゲラがゆっくり水を飲んでいる時、ムナグロムクドリモドキが飛んで来てお構いなしにダイレクトに水に入り水浴びを始めた。別々の種類で仲良く貴重な水を分け合う姿は、暑い砂漠ならではの光景かもしれない。

              庭の水場に来る身近な鳥たち シリーズ(2)

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                Black Phoebe
                プールの水面をヒラヒラ飛び回っては岩の上で休むクロツキヒメハエトリ(Black Phoebe /Sayornis nigricans)

                この鳥は、春・秋の渡りのシーズンだけ毎年一週間ほど庭に毎日のようにやって来る。フィーダーやバードバスの水にはまったく興味がなく、プールの上を飛ぶトンボや羽虫を捕えるために現れるようだ。岩の上から軽やかに飛び上がっては空中で虫をキャッチ(フライングキャッチ)し、また同じ岩に戻る仕草は見ていても実に可愛らしい。
                 
                Lark Sparrow
                庭にはめったに現れないヒバリヒメドリ(Lark Sparrow /Chondestes grammacus)

                今年の春、初めて庭に現れたヒバリヒメドリ。プールに流れる岩場の水を美味そうに飲んでいる。プールの水は殺菌のために軽く消毒液が入れられてるので、飲んでも大丈夫かいな・・・?と少々心配しながらシャッターを押す。
                 
                N.Cardinal & White-crowned Sparrow
                ショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal /Cardinalis cardinalis) とミヤマシトド(White-crowned Sparrow /Zonotrichia leucophrys)

                小さなバードバスに異なる2種類の鳥がはち合わせ。並んで仲良く水飲みするこうした姿を見るのはやはり珍しい。よっぽど喉が渇いているのだろうか・・・?すぐ横でコーヒーを飲みながらカメラを構える私などいっこうに気にしない様子。
                 
                Lazuli Bunting 1
                庭木用のイリゲーションの水を飲むムネアカルリノジコ(Lazuli Bunting)

                ルリノジコは春と秋の渡りのシーズンだけ庭に立ち寄っていくので、年に数回しか見られない。アリゾナでは庭木や花を枯らさないよう乾燥した砂漠の気候から守ってやるため、イリゲーションと呼ばれる灌漑散水装置を庭に張り巡らしてる家が多い。タイマーを使って定時的に毎日散水されているのを鳥たちはいつの間にか知り、その時間になると水飲みや水浴びにやって来る。
                 
                Lazuli Bunting 2
                イリゲーションの給水口をまたいで水浴びを始めたムネアカルリノジコの雌冬羽 (Passerina amoena)

                すぐ近くにあるバードバスは見向きもせず、すっかりイリゲーションの水が気に入ったようで、水飲みを終えたら今度はイリゲーションの給水口を腹の羽毛の中に入れ、気持ち良さそうに水浴びを始めた。フィールドでは絶対に見られないおかしな姿である。

                庭の水場に来る身近な鳥たち シリーズ(1)

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                  Greater Roadrunner 1
                  プールの水を飲みたそうに見つめる ロードランナー(オオミチバシリ /Greater Roadrunner )

                  大都会と違って田舎のしかも豊かな自然に囲まれたソノラ砂漠の我家の庭には春・秋の渡りシーズンだけ立ち寄って行くソングバード(Songbird) を加えると年間45種類以上の鳥たちがやって来る。フィーダーの餌を目当てにやって来る鳥たちばかりでなく、水飲みや水浴びだけに寄って行く鳥もいる。特に水場は、厳しい暑さと乾燥した季節が長いソノラ砂漠では生きものにとって大変貴重な場所でもある。
                   
                  Greater Roadrunner 2
                  とうとうプールの水を飲み始めたロードランナー(オオミチバシリ /Geococcyx californianus

                  アリゾナの多くの家はプールやジャクーツィー(露天風呂)、池、滝、小さな小川などを庭に造ってリゾートの雰囲気を楽しむ人が多く、時にはこれらが砂漠の鳥や生きものにとって貴重な「オアシス」となっている。砂漠の人気者ロードランナーは木の実や草の実で水分を補給するのであまり水を飲まないが、6月、7月の子育ての時期には毎日のように庭の水場に現れる。この日は珍しくバードバスの水には目もくれず、よほど喉が渇いているようで、ひたすらプールの水を飲む珍しい姿が見られた。
                   
                  Greater Roadrunner 3
                  バードバスで水浴びをしようとするが、ロードランナーには少々小さ過ぎるらしく、こまったようにしばらくキョトンとしていた。

                  フィールドを歩いていてもそう簡単には見ることが出来ないロードランナーもゴルフ場や家の周りの道、そして庭では結構見れる機会が多い。面倒くさいのか、飛ぼうともせずに早足でそそくさと車を避けながら急いで道を渡って行く姿は何時見ても愛嬌がある。
                   
                  Aberts Towhee
                  南アリゾナの一部の地域でしか見られない珍しいメグロトウヒチョウ(Abert's Towhee / Pipilo aberti )

                  この鳥は南アリゾナの固有種であまり数は多くなく、しかも密生した低潅木の下を歩き回ることが多いので、フィールドではめったにお目にかかれない。バードバスを置いて3年目の冬に初めて庭に現れるようになり、今では水浴びの常連である。
                   
                  Lesser Goldfinch
                  一日何回も水浴びをする ヒメキンヒワ(Lesser Goldfinch / Carduelis psaltria )

                  この鳥は水浴びが大好きで、朝早くから夕方遅くまで何回でも水場にやって来る。プールにいきよいよく流れ込む水しぶきをものともせず、気持ち良さそうに浴びる姿を窓越しに見ていると「身近な小鳥」という親近感が湧く。そして、鳥それぞれ性格が違っているので、長時間眺めていても厭きない。

                  カーディナル − 雛の巣立ち(後編)

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                    Cardinal 雄親と雛
                    雛を誘導するカーディナルの雄親

                    5月12日、雛3羽のうち2羽は朝早い時間に巣を離れてしまったが、最後の一番小さい雛(たぶん最後に卵から孵った雛だろう)がまさに巣立ちしようとしていた。 小さくてモタモタしているので雄親が鳴きながら自分について来るようにと誘導し始める。

                    Cardinal 雄雌親と雛
                    カーディナルの雛と雄親、雌親

                    雛はまだ飛べない翼をばたつかせ、飛び降りたり歩いたりしながら親の誘導に従って庭の塀ぎわにやっと到着。 巣を離れる生まれて初めての大冒険に雛はすっかり疲れて目をつぶりしばらく寝てしまう。雄・雌の親が雛の横で心配そうに見守っている。

                    Cardinal 雛
                    雛は塀ぎわのヤシの木の上から誘導する親を不安げに見上げる。

                    Cardinal 雛 2
                    ヤシの木を登り始めた雛

                    雛はついに勇気を振り絞ってヤシの木をふらふらしながら登り始める。 2回ほど力尽きて途中で落ちてしまったが、3度目の挑戦で、やっと親が待つ高い枝に到達出来た。

                    Cardinal 雛 3
                    ハンギングポットをよじ登る雛

                    ヤシの木の高い枝の横に釣り下がってる花のハンギングポットに移り、鎖を伝わってさらに高い所へ登る。 ここまで来れば、庭から砂漠へ出て行ける欄干は目の前である。

                    塀の上の雛
                    雛の巣立ちを祝うように、丁度庭はキョウチクトウの仲間 "Oleander" の花が満開。 雛はやっとたどり着いた高い塀の上で、落ちないよう両足を踏ん張ってバランスをとりながら一息ついてる。

                    Cardinal 雄親と雛 2
                    ここまで来れば庭から砂漠への出口はすぐ横。 雄親は「チ、チ、チ、・・・」と地鳴きをしながら最後の誘導をする。 まるで「頑張れ!」と雛にはっぱをかけているようである。

                    Cardinal 雌親と雛
                    最後に雌親の誘導に従って、塀からずり落ちそうになりながらも、よたよたと左の欄干の間から砂漠へ出て行った。 まだ砂漠が暑くならない早朝から始まった巣立ちのドラマも、2時間かかって無事終ったのでほっとした。 立派な若鳥になって、庭のバードバス(水場)に戻って来てくれることを祈りながら、砂漠の潅木に消えて行く雛を見送った。

                    カーディナル − 雛の巣立ち (前編)

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                       Cardinal ♂
                      ショウジョウコウカンチョウ (Northern Cardinal) ♂

                      全米どこでも見られ、色々なロゴマークにも使われている人気もので「カーディナル」の愛称で呼ばれている。 冬はフィーダーに来てエサを食べ、夏はバードバスで水を飲んだり、水浴びをするごく身近な鳥の一つである。 今回はこの鳥の雛の巣立ちのドラマである。

                      Cardinal ♀
                      ショウジョウコウカンチョウ (Cardinalis cardinalis ) ♀

                      カーディナルの雌は雄ほど派手な色ではないが、可愛い顔をしている。写真の雄・雌はここ3年ほど毎日庭に現れる仲の良いカップルである。

                      巣のある木
                      カーディナルの巣が作られた窓辺の小潅木

                      このカップルは昨年、食堂の窓辺に植えられてるムクロジの一種 (Hopbush ) に巣を作り雛を育てていたが、 強風を伴った激しい雷雨で雛もろとも巣が吹き飛ばされてしまった。しかし、それにも懲りずに今年も昨年と同じこの木に巣を作り始めたのを4月8日に確認。

                      巣上のカーディナル♂♀
                      食堂の網戸越しに見られる巣とカーディナルの雄・雌

                      一週間後の4月15日、巣に座っている雌をいたわるように上から見守る雄のほほえましい姿を見ることが出来た。

                      カーディナル卵
                      カーディナルの卵

                      4月19日巣に卵が2個あるのを確認。 翌々日、もう一個が産まれ合計3個となる。カーディナル(体長22センチでムクドリより少し小さい)の体から推測しても卵が大変大きいのには驚く。

                      カーディナル雛 1
                      卵から孵ったばかりの雛3羽

                      4月30日、3羽の雛が無事孵っているのを確認。まだ目も開いておらず、羽もはえてない丸裸の雛は体を寄せ合ってこんこんと寝ていた。

                      カーディナル雛 2
                      見る見るうちに大きくなった雛3羽

                      一週間後の5月6日、3羽の雛は大変元気で順調に育ち、翼の羽がはえて体も大きくなり、小さな巣で窮屈そうである。

                      巣立ちした雛
                      巣から離れた雛1羽

                      5月10日、雛3羽のうち一番大きい雛(たぶん最初に孵った雛と思われる)が窮屈になった巣から出て枝に移り、親がエサを運んでくるのをじっと静かに待っている姿が見られた。


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