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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

驚異的な旅をする蝶 オオカバマダラ ( Monarch )  その2

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    モナコ蝶の白い卵
    オオカバマダラ蝶の白い卵。

    卵はトウワタ ( Milkweed ) の葉の裏に産みつけられてる。幼虫に十分な食草がいくように一本のトウワタの葉の裏に一個の卵しか産まない。卵は大変小さく(1ミリ程度)、フィールドで見つけるのは難しい。庭の草花の手入れでも、誤ってトウワタを切り落としてしまうこともあるので、秋のこの時期は十分な注意が必要である。卵が孵化して無事蝶になれる確率はたった10%と言われているほど低い。
     
    モナコ蝶のブルーの卵
    オオカバマダラの白い卵が変色し始める。

    卵が産みつけられてから4日後には孵化して幼虫が出て来るほど短い。孵化寸前には白い卵が濃いブルーに変色し始める。こうなると幼虫が出て来るのも間近なので目が離せなくなる。
     
    モナコ蝶の幼虫 1
    卵の殻と出たばかりのオオカバマダラの幼虫。

    卵が濃いブルーに変色してから数十分後、幼虫が卵から出て来る。体長5ミリほどの小ささであるが、オオカバマダラの幼虫の特徴である縞模様がすでにはっきり見られる。
     
    モナコ蝶の幼虫 2
    孵化一週間後の幼虫。

    孵化したばかりの幼虫と比べると2倍の大きさになってきたが、幼虫の特徴である頭と尾の黒い角のような突起はまだ見られない。葉の表面を削るようにして食べているが、まだ食べる量は少ない。
     
    モナコ蝶の幼虫 3
    孵化後2週間経った縞模様が美しい幼虫。

    すっかり大きくなった幼虫はトウワタの葉を食べるのを止めて、毎日大量の花を食べるようになってくる。オオカバマダラの幼虫の特徴である前に2本、後に2本の角のような黒い突起が見られる。そして幼虫はまもなくトウワタを離れ、サナギになれる適当な静かな場所で直射日光が当たらない所を見つけるために活発に動き始める。

    驚異的な旅をする蝶 オオカバマダラ ( Monarch )  その1

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      ピンククラウドの花に止まるモナコ蝶
      秋の渡り途中のオオカバマダラ ( Monarch ) 。

      オオカバマダラはタテハチョウ科のマダラチョウ亜科に属する蝶で、渡り鳥のように旅をする蝶として北米では有名である。日本で見られるやはり渡りをする蝶のアサギマダラと同じ仲間である。オオカバマダラはウイングスパン(翅長)が10センチ以上と大きく、しかも橙色で黒い淵の美しい蝶なので " The King of Butterflies " と呼ばれて非常に人気がある。
       
      翅がボロボロのモナコ蝶
      長い渡りで翅がボロボロになったオオカバマダラ ( Danaus plexippus ) 。

      オオカバマダラは4世代にかけて一年間のサイクルで越冬地メキシコから北へ3500キロほど移動をし、秋になると一斉に南下する驚異的な旅をする蝶である。3月〜4月に生まれる第一世代、5月〜6月に生まれる第二世代、7月〜8月に生まれる第三世代は北への旅をしながらメーティングの相手を見つけ卵を産んでいく。いわゆる世代を交代しながら次世代へ命を繋いでいくマラソンのようなものである。その後、9月〜10月に生まれる第四世代はマラソンでいう「アンカー」で、両親、祖父母、祖祖父母とちがって一気に越冬地の中央メキシコへ南下しなくてはならないので寿命が8ヶ月近くと大変長い。(第一、第二、第三世代はそれぞれ3週間から6週間と短い)第四世代のオオカバマダラは一日130キロ近くも移動し、2ヶ月近く飛び続けるのもいる。ウイングスパンが10センチ程度しかないことを思うと、この蝶は飛行能力が非常に高く、北風に上手く乗ってメキシコまでの遠距離を飛び続ける驚異的な技を持っていることが判る。
       
      トウワタの花に止まるモナコ蝶
      トウワタ ( Dsert Milkweed / Asclepias subulata ) の花に止るオオカバマダラ。

      オオカバマダラのホストプラントは幼虫の食草であり、成虫である蝶の主食花蜜を提供するトウワタである。彼らは花蜜を求めて渡りをし、しかも、この上に産卵をし、そして幼虫はこの葉を食べる。つまりオオカバマダラは旅の道中、このトウワタがないと生きてゆけない。おもしろいことに、幼虫はトウワタの葉を食べるとアルカロイドが体内に溜まり毒化する。蝶の天敵である鳥などがオオカバマダラを補食すると、この毒で吐き出してしまうほど苦しむのでめったに捕食しない。捕食者を排除する不思議な自然界のシステムである。
       
      モナコ蝶のコートシップ
      オオカバマダラのコートシップ(求愛行動)。

      南アリゾナのソノラ砂漠はオオカバマダラが越冬する中央メキシコの山岳地帯に近いので、夏の終わりから秋にかけては庭に植えられてるトウワタの花を求めて毎日のようにオオカバマダラがやって来る。秋の青空を第四世代と思われるオス、メスで北風に乗ってヒラヒラ舞う姿は、とても優雅で秋の風物詩でもある。
       
      産卵するモナコ蝶
      トウワタに卵を産みつけるオオカバマダラのメス。

      オオカバマダラの数は過去20年間で90%も減少してきている。減少の主な原因は越冬地である中央メキシコのミチョアカン州の "Sierra Madre Mountains " の森林が大規模に伐採されてきてるのと、北米中西部の広範囲にわたる農地化、宅地開発などにより畑や路傍での除草剤の使用が多くなり、オオカバマダラにとっての旅の途中の主食であるネクターを出し、また産卵場所を提供するホストプラントとであるトウワタが減少してきていることにある。

      冬眠を終えたばかりのアメリカドクトカゲ 後編

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        足元のアメリカドクトカゲ
        草木が萌える陽気に誘われてか、トレールのすぐ横をゆっくり歩きながら私の足元まで近寄って来たアメリカドクトカゲ。英名は Gila Monster (ヒラ・モンスター)と言われ、彼らがたくさん生息していた南アリゾナの川 (Gila River ) の名前に由来する。
         
        岩の上のアメリカドクトカゲ
        アメリカドクトカゲは主に薄暮時に動き回ることが多く、昼間はほとんど岩の隙間や地中で寝ている。しかし、冬眠から出て来る2月から3月は晴天の日でも昼間に活動することがあり、一年で一番見れるチャンスが多い。
         
        歩くアメリカドクトカゲのアップ
        アメリカドクトカゲは新陳代謝が非常に低いのでトカゲの中でも走る速さが一番遅い。ゆっくりのそのそと歩き、黒いフォークのような形をした舌をヘビのように出し入れするが、その動作は大変速く、舌を出す姿をカメラで捉えるのが非常に難しい。
         
        枯草の間を歩くアメリカドクトカゲ
        アメリカドクトカゲはソノラ砂漠を象徴する「生きもの」であるが、彼らは一生の95%近くを地下で過ごすのでめったに人の目にふれることがない。ソノラ生活4年になる私も、これまでにたった4回しかお目にかかったことがないほど見るのが難しく、自然愛好家たちがぜひ見たいと思う珍しいトカゲの一種である。
         
        岩を登るアメリカドクトカゲ
        アメリカドクトカゲは体が太く重そうであるが、手足を器用に使って木や岩をよじ登る。かってはペットとして日本にも輸入されていたこともあったが、近年、牧草地や野菜農場、綿花畑などが増え、その結果彼らの生息地が破壊されてきており、それにつれてその数も激減している。米国動物保護法の「絶滅危惧種」に指定されており、1952年に成立したアリゾナ州法によって殺すことはもちろん、商品としての売買、生け捕りなどはいっさい禁止されている。
         
        岩の隙間のアメリカドクトカゲ
        岩の隙間に身を隠しこちらを威嚇しているアメリカドクトカゲ。彼らは危険を感じると口を大きくあけ、ガスを噴出すような噴気音をあげて威嚇してくることがある。アメリカインディアンのアパッチ族の間では、かってこの息が人を殺すと信じられ恐れられていたこともあった。どう見てもあまり可愛くなくグロテスクな姿をしているので、最初出会った時は少々ギョッとして身構えたが、今では私が大好きな砂漠の「生きもの」の一つである。

        冬眠を終えたばかりのアメリカドクトカゲ 前編

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          ドクトカゲと風景
          3月6日は日本のカレンダーで二十四節気の「啓蟄」(けいちつ)。大地が暖まり土の中にいた虫や生きものが地上に出て来る季節である。この頃はソノラ砂漠もすっかり春らしくなって、冬眠をしていたいろいろな生きものが顔を出し始める。3月の中頃、「マイフィールド」のプッシュリッジ山トレールを早朝歩いていると、冬眠を終えて穴から出て来たばかりと思われる珍しいアメリカドクトカゲ (Gila Monster) に出会った。春の陽の光がまぶしい青空の下をのっしのっし歩いていた。
           
          ドクトカゲの保護色
          全長60センチもある大きなアメリカドクトカゲ(英名ヒラモンスター)は体の色がピンクで黒の横帯があり非常に派手であるが、砂や小石が多い砂漠だと保護色となって直ぐ横を歩いていても見逃してしまうほど目立たない。
           
          倒木の下を歩くドクトカゲ
          北アメリカでは唯一毒を持ったトカゲで、咬まれると非常に激しい痛みを伴って、めまいや吐き気などの症状が出ることがあるが、死に至るほどの強い毒性ではないようだ。
           
          じっとしてるドクトカゲ
          アメリカドクトカゲ (Heloderma suspectum) は主に南アリゾナとメキシコの砂漠や乾燥した荒地に生息している。主にグラウンドを歩きながら獲物を探すが、時には大好物の鳥の卵を食べるため高い木に登ることもある。
           
          枯れ木の下のドクトカゲ
          このトカゲの食性は動物食で鳥の卵や雛などの他にトカゲやカエル、死んだ動物の肉なども食べる。獲物を捕えると、力強い顎で噛み砕いてしまう。また、毒は下顎にある唾液腺で作られる。(猛毒のガラガラヘビは上顎の唾液腺で毒を作る)。
           
          穴へ入るドクトカゲ
          アメリカドクトカゲは大変臆病な生きもので、大きな動物や人が近づくと、静かに木の根の穴や岩の隙間に入り込んで動かずに天敵が通り過ぎて行くのをじっと待っている。

          乾燥した砂漠で出会う珍しいカメ

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            Desert Tortoise 1
            陸ガメの一種 ソノラサバクゴファーガメ (Sonora Desert Tortoise)

            水場がほとんどない砂漠のトレールでは、めったに「亀」にはお目にかかれないが、春先の早朝、マイフィールドのトレールを歩いている時、目の前をゆっくりと横切るゴファーガメの姿を見て、「砂漠にカメ・・・?」としばし目を疑うほど驚いた。このカメは草や低木の花、多肉植物などを主に食べるまさにベジタリアン-Vegetarian (菜食主義者)の生きものである。
             
            Desert Tortoise 2
            甲羅の長さが38センチと大きい ソノラサバクゴファーガメ (Gopherus agassizii) の雄

            砂や砂礫の砂漠、Wash (枯れた河川)に生息している。昼間や夜間は巣穴の中で生活し、暑い夏季や寒い冬季になると、深い巣穴の中で休眠するので、春の早朝か夕方でないとなかなか見れるチャンスはない。喉の下に「ノド角」と言われる長い突起があるのが成長した雄の特徴。おとなしいカメで人を恐れず、悠然と歩いて黄色や白の花が咲く背丈の高い草の中へ消えて行った。
             
            Desert Tortoise 3
            サバクゴファーガメは隣のカリフォルニア州の州爬虫類に指定されている。

            近年の宅地開発や放牧などにより生息地が破壊されてきたため、その生息数は減少して来ている。法的には手厚く保護されており、殺傷や採集、輸出が禁止されている。ゴファーガメのような陸生のカメは、草や野花につく”露”から水分を取っている。そして、この水分を袋状の組織内に蓄えておけるので、何ヶ月も水がない乾燥した砂漠でも元気に生きていけるようだ。
             
            Box Turtle
            ミナミニシキハコガメ (Desert Box Turtle/Terrapene ornataluteola)

            甲羅の長さ14センチと小形のカメである。アメリカハコガメの4亜種の内の一つで、南アリゾナの砂漠地帯に生息する。昼でも活発に動き回るので、夕立の後などは道をよく横切ることがあって、車に轢かれることが多い。また、近年は牧場や宅地開発による生息地の破壊やペット用の乱獲などで生息数が減少している。かってはペット用として日本にも輸入さていたこともある。
             
            Red-eared Slider
            ミシシッピアカミミガメ (Pondo Slider/Trachemys scripta) の亜種 Red-Eared Slider (Trachemys scripta elegans)

            甲羅の長さ28センチと中形のカメで目の後からの赤色の太い筋模様が特徴。緑色のボディーに黄色い縞模様がり大変美しく、亜種の学術名の "elegans" は「優雅な」の意味でもある。色鮮やかなカメなので、ペットとして最もポピュラーで、その生息地は世界中に広がっている。今では世界の侵略的外来種ワースト100に入り、日本でも特に1980年代以降に多く輸入され全国に広がったので、日本生態学会による日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。
             
            Red eared Slider & Cinnamon Teal
            ミシシッピアカミミガメ とアカシマアジ (Cinnamon Teal/Anas cyanoptera) の雄と雌

            ソノラ砂漠のオアシスと言われる「ツーソン市下水処理場」の池には数多くのミシシッピアカミミガメが生息している。彼らは冷血爬虫類なので気温の低い日の朝などは水から出て日光浴をよーくする。寒い冬の朝などは、冬枯れの葦に上がって暖かい朝日に当たり、日光浴をしているカモのすぐ横でアカミミガメが一緒に陽に当たっている姿をよく見る。

            面白いかわったトカゲ(ソノラ砂漠) 後編

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              Western Fence Lizard 1
              カキネハリトカゲの一種 Western Fence Lizard

              このトカゲはソノラ砂漠では大変ポピュラーで、窓にはめてある金網に逆さまにへばりついて虫を捕っている姿をよく見かける。カメレオンのように、周りの色に合わせて体の色を変えることが出来る。また、真っ青なお腹をしてるのでブルー・ベリー・リザード(Blue-belly Lizard) とも呼ばれている。
               
              Western Fence Lizard 2
              ウエスターン・フェンス・リザード (Sceloporus occidentalis)

              ソノラ砂漠で見られるトカゲは色々と面白い動きをすることがあるので、長時間見ていても厭きない。その一つに塀の上やグラウンドで手と足を伸ばして体を持ち上げ、ちょうど腕立て伏せをするように体を上げたり下げたりする動作がある。これは雌に対するコートシップ(求愛行動)の一つと言われているが、時には何匹かが同時にやり出すことがあって実に滑稽である。
               
              Desert Iguana
              サバクイグアナ ( Desert Iguana / Dipsosaurus dorsalis )

              「イグアナ」と聞くと、中南米に生息する超大型のトカゲを想像するが、アリゾナの「サバクイグアナ」は30センチから40センチの中形である。岩がゴロゴロしていて低潅木のあるソノラ砂漠ではごく普通に見られる。リザード(Lizard) と呼ばれるトカゲ類と非常に似ているが、イグアナ(Iguana) は大きな丸いボディーと長い尾、そして小さい丸い頭が特徴。
               
              Gila Monster 1
              50センチ以上はある大きな アメリカドクトカゲ(Gila Monster)

              英名「ヒラ・モンスター」。ずんぐりとして黒ずんだピンク色の北米で唯一毒を持ったトカゲである。昔から人間に見つけられると片っ端から殺されてきたので、近年その数が激減。1952年アリゾナ州で迫害行為、生け捕り、商品売買などを禁止する法律ができてやっと保護されるようになった。
               
              Gila Monster 2
              こんなに太った丸い体でも木登りが上手いアメリカドクトカゲ( Heloderma suspectum )

              彼らの一生のほとんどは地中生活でめったに地上に出て来ない。夏のモンスーン季(7月、8月)の雷雨の後などに地中から出て来ることはあるが、よほどチャンスに恵まれないと見ることは難しい。アリゾナ生活4年になる私もこれまでにたった2回しか出会っていない。強力な顎を持っていて、獲物を見つけると噛み砕いて殺してしまう。「むやみに手出しをするときわめて危険な生きもの・・・・」と言われているが、性格はおとなしく、むこうから攻撃してくることはほとんどないようだ。しかし、咬まれると大変痛いのと強い毒を持っているので近づくには細心の注意が必要。この写真を撮る時も、おっかなびっくりのへっぴり腰で「どうか動かないでくれ・・・・」と言いながら静かにソロソロと一歩一歩慎重に近づいた。(2012年08月29日記事)
               

              面白いかわったトカゲ(ソノラ砂漠) 中編

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                Zebra-tailed Lizard 1
                長い尾を持ったスレンダーな ゼブラ・テイル・リザード(Zebra-tailed Lizard)

                23センチと大きなトカゲで、ほっそりしたボディーと長い尾の黒いバンドが特徴である。砂漠のひらけた固い砂地に生息しており、昼間でも活発に動き回るが、非常に警戒心が強く、近づくとすぐ隠れてしまうので見るのがなかなか難しい。黒い太いマークのついた目立つ尾は鷹などの捕食者に襲撃される時、彼らの目をボディーから尾へそらせるのに役立っているらしい。何と言っても、トカゲは最悪の場合、もし尾を食べられても又再生出来る体のシステムを持っているので・・・・・・。
                 
                Zebra-tailed Lizard 2
                さっと自慢の長い尻尾を上げてスタコラ逃げる Zebra-tailed Lizatrd (Callisaurus draconoides)

                大変臆病なトカゲで、スレンダーな体を生かしてすごいスピードで走ることが出来る。走る時は長い尾を丸めるように背中の上にあげ、バランスをとりながら猛スピードで走る。彼らは暑い日中、2本足で半立ちになり足を交互にスイッチしながら足踏みするように踊る仕草をすることがあるので見ていて実に滑稽である。残念なことに近年その数が激減してきており、場所によっては絶滅危惧種のリスト入りするだろうと言われている。
                 
                Desert Spiny Lizard 1
                サバクハリトカゲ(Desert Spiny Lizard)

                まさにソノラ砂漠原産のトカゲで、30センチと大きく先の尖った鱗のような皮膚が全身を覆っている。動きは大変俊敏で、なかなか近づけさせてくれない。強力な顎を持っていて、手で掴もうとすると咬まれることがある。日本にはペット用として昔から輸入されているようだ。
                 
                Desert Spiny Lizard 2
                塀にへばりついてこちらを睨みつけてるサバクハリトカゲ(Sceloporus magister)

                アメリカ合衆国の南の砂漠地帯とメキシコに分布してる。多くのトカゲと同じように、このトカゲもメタクロマジーがあって気温によって体の色を変化させることが出来る。寒い時は太陽の熱を吸収しやすいよに濃い色になり、反対に暑い真夏は太陽熱を反射するよう体の色を薄くする。

                面白いかわったトカゲ(ソノラ砂漠) 前編

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                  Regal Horned Lizard 1
                  ツノトカゲの一種 Regal Horned Lizard

                  砂漠はトカゲの天国である。トレールを歩いていても庭のフェンスでも、色々な大きさや形をしたトカゲを見ることが出来る。なかでも、このツノトカゲは面白い形をしているので大変人気がある。赤茶色の Reddish 型とうすい灰色の Light Gray 型の2種類がおり、それぞれ保護色で、生息している場所の土の色や砂の色にマッチしているので非常に見つけ難い。
                   
                  Regal Horned Lizard 3
                  頭の後に立派な角を持った Regal Horned Lizard (Reddish 型 )

                  よく見る普通のトカゲは一般的に尾が細くて長く、胴体も細長い形をしているが、ツノトカゲは尾が短くボディーは丸っこい蛙のような姿をしている。そのため、別名ツノヒキガエル(Horny Toad ) と呼ばれている。12センチと丁度人間の手のひらの大きさで、巨大サボテンSaguaroが生えてるゆるやかなスロープに多く生息している。砂漠のグラウンドと同系色、しかも掴むと体をまったいらにして固くなり後ろにひっくり返る面白い習性がある。
                   
                  Regal Horned Lizard 2
                  Regal Horned Lizard (Phrynosoma solare ) Light Gray 型

                  銀硬貨のようなボディーの形で、しかも頭の後に角が突き出てる奇妙な姿をしているので、どうもそれが猛禽類や動物などツノトカゲの捕食者が捕えようと思う気持ちをそいでしまう役をはたしているようだ。これは捕食者対策の一つと考えられている。また、彼らは防衛のため目の端から捕食者の顔に向けて血を噴出してぶっ掛ける能力も持っている。主食は蟻で、驚くことに一度に2,500匹以上の蟻を食べることが出来るようである。
                   
                  Greater Short-horned Lizard 1
                  半分の大きさのツノトカゲ Greater Short-horned Lizard

                  6センチと小さなツノトカゲである。頭の後の角が小さくその数も少ない。人や捕食者が近づくと、フリーズして動かなくなり、しかも保護色で砂地に同化しているので見つけるのがなかなか難しい。
                   
                  Greater Short-horned Lizard 2
                  砂漠をよく歩くハイカーでもほとんど見たことがないと言われる Greater Short-horned Lizard(Phrynosoma hemandesi)

                  彼らの主食も蟻で、見晴らしの良い少々高くなった所で蟻を一生懸命探している姿を見ることがある。彼らもツノヒキガエル(Horned Toad)と呼ばれるが、小さくても立派な爬虫類で両生類ではない。

                  身近な怖い生きもの(ソノラ砂漠)

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                    Black Widow Spider
                    ゴケグモの一種 Western Black Widow Spider (Latrodectus hesperus)

                    自然が豊かな南アリゾナの砂漠での暮らしは鳥や動物、生きものが豊富で素晴らしいが、その中には危険な生きものが数多くいるので、毎日の生活でも大変注意を払わなくてはならない。今回はそんな怖い身近な生きものを紹介したい。 写真のゴケグモは1.3センチほどの小さな蜘蛛であるが、毒が非常に強く、刺されると子供や年寄りは呼吸困難を引き起こす。最近日本の福岡や大阪で刺される事件が起き、大騒ぎとなったオーストラリア原産の”セアカゴケグモ”と同じ仲間である。家の中にはめったに入って来ないが、庭ではごく普通に見られるので庭木や花などの手入れをする時は細心の注意がいる。
                     
                    Tarantula ♀
                    夜行性であるが、時には日中でも庭に現れるサバクタランチュラ Western Desert Tarantula の雌

                    ヨーロッパの伝説に登場する有名な毒蜘蛛「タランチュラ」である。我家の庭に現れるのは別名「アリゾナ・ブロンド・タランチュラ」と呼ばれ、体全体がブロンドのような黄褐色の毛で覆われている。体長は10センチ以上あって大変大きいので、壁などにへばりついてると「生きもの」好きの私でもさすがドキッとする。 東南アジアでは虫を食べる習慣のある国が多いようであるが、以前カンボジアを旅した時、タランチュラの姿揚げが店先にあり村人が美味しそうに食べているのを見て思わず食べてしまったことがある。
                     
                    Tarantula ♂
                    ウエスターン・デザート・タランチュラ (Aphonopelna chalcodes ) の雄

                    雄は足が黒く、8センチぐらいで雌より小さいが、私の指と比べても大きな蜘蛛であることが判るだろう。毒は蜂より弱く、刺されても致命傷にはならない。しかも大変おとなしく臆病なので家の中に入って来ることはほとんどない。時々遊びに行く中米コスタリカではこの蜘蛛をペットとして飼っている人が結構居る。以前、峠の茶屋に昼食で入った時、テーブルに蓋の無いガラスケースが置いてあり、中に10匹ほどのタランチュラがゆっくり動いていた。店の主人がその内の一匹を私の手の上にのせてくれて少々緊張したが、タランチュラは静かにゆっくりと腕を上に登ってきただけで、何もせずにおとなしく主人の手に戻っていった。
                     
                    Bark Scorpion
                    台所の床に現れたサソリ(Arizona Bark Scorpion / Centruroides exilicauda)

                    サソリは甲殻類の形をしているが蜘蛛の仲間である。体長は8センチと小さいが、毒が非常に強く、刺されると電気ショックのような激痛が2日から3日続き、適切な処置をしないと刺される場所によっては手や腕などが一時的に痙攣して動かなくなることがある。このサソリはたった16ミリぐらいの小さな隙間でも簡単に家の中へ入って来れるので始末に悪い。砂漠で生活する我々にとっては一番厄介な生きものなのである。夜行性なので特に夜は庭への出入り口、窓ガラス、ガレージのシャッターなどを開けっ放しにしないよう注意をしている。アリゾナ生活4年になるが、幸運にも私はまだ一度も刺されたことがない。生きもの好きの私でもさすがこのサソリだけは苦手で、サソリ駆除専門会社に定期的に来てもらい、家の周りにサソリ避けの液体を撒いて貰ってサソリの家への侵入を防いでいる。
                     
                    Scorpion アメ
                    空港のみやげ物売り場で見つけたサソリの入った飴

                    アリゾナに来た当初はこんなゲテ物をよく売ってるなあーと思ったが、最近では南アリゾナ・ソノラ砂漠ならではの土産品かもしれない・・・と思うようになった。飴はたいして美味しくないが、中のサソリはパリパリとしていてもちろん食べられる。南アリゾナに長く住む人々にとっての「サソリ」はごく身近な生きものであり、よく「靴やズボンを履く時は必ず中にサソリが居ないか調べなさい・・・」と言われることが多いのもうなづける。
                     
                    Rattle Snake 1
                    早朝庭に現れたヒシモンガラガラヘビ別名ニシダイヤガラガラヘビ(Western Diamondback Rattlesnake)

                    庭の潅木の下やプールのまわりの岩の隙間に時々現れることがあるが、家の中にはめったに入って来ない。体長2メートル以上あり、毒は非常に強く量も多いので大変危険な生きものである。しかし、性格はおとなしく棒の先で突っついて怒らせたり、よほど身の危険を感じさせなければ、向こうから近づいて攻撃してくることはない。
                     
                    Rattle Snake 2
                    尾の白黒模様が特徴のヒシモンガラガラヘビ( Crotalus atrox )

                    私は一度だけ暗い夜の庭で気がつかずに50センチほど近づいてしまったことがあったが、その時は尻尾を震わせ独特な警戒音を出して私を威嚇してくれたので、冷や汗をかきながら静かに後ずさりして難を逃れることが出来た。このヘビに咬まれた場合は直ぐ救急病院へ行き解毒剤の投薬を受けないと強力な毒が身体中に回り、血管や神経組織の細胞が壊されて命取りとなる。しかも、この解毒剤治療費が大変高価で、時には2百万円から5百万円ぐらい取られることがあるらしい。 このように怖い生きもの達との共存のアリゾナ生活であるが、彼らの行動や性格などを知り、充分注意を払っていれば被害にあうことはまずほとんどない。いつもぬけるような青空、一年中暖かい気候で色とりどりの花に包まれる自然豊かなリゾート地に住む上での贅沢な悩みと思っている。

                    カエルの大合唱 − ソノラ砂漠

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                       Red-spotted Toad 1
                      Red-spotted Toad グラウンドをたたきつける雷雨の音を合図に庭に現れる

                      一年のほとんどが太陽いっぱいの青空で非常に乾燥(湿度3%−10%)しているソノラ砂漠も、7月8月の2ヶ月間は恵みの雨が降るモンスーン季となる。 この期間は2日ないし3日に一度の割合でスコールのような激しい雷雨がある。 午後になると真っ白な積乱雲がもくもくとわき上がり、見る見るうちに空全体に拡がる。そして雨を持ったカーテンのような黒い雲が空から降りてくると辺りは夜のように真っ暗となって稲妻が走り、強風を伴った大粒の雨が滝のように落ちてくる。そして一年間この激しい雨を土の中でじっと待っていた色々なカエルが水を求めて一斉に地表へ出て来る。

                      Red-spotted Toad 2
                      穴から一年ぶりに出て来たばかりで眠そうな顔の Red-spotted Toad(Bufo punctatus) 明るい昼間はカモフラージュのために、体全体を砂漠の土色の赤茶に変える。
                       
                      Red-spotted Toad は体長3センチから8センチほどの小さいカエルで、平べったい頭とボディー、赤いイボが特徴。モンスーン季はカエルにとっては年に一度の交配期。雨が降った後の水溜りをメスが産卵場所に使用することが多い。また、アリゾナはプールが大変普及していて、庭にプールを持つ家が多いので、砂漠のカエルたちはこれらも産卵場所に利用している。 卵はたった3日以内で孵化してオタマジャクシになり、6週間でカエルになるので成長が非常に早い。

                      Red-spotted Toad 3
                      喉を膨らませて思いっきり大声で鳴く Red-spotted Toad

                      カエルの鳴き声を日本の言葉で表せば「ケロケロケロ・・・」というところだろうか・・・。ところが、砂漠のカエルの声は日本のカエルのように愛嬌がないばかりか、「これ本当にカエルの鳴き声?」と首をかしげるような面白い声ばかりである。 人間のいびきにそっくりな「グーグー」という鳴き声や羊の「メーメー」という声によく似た鳴き声、猫が「ゴロゴロ・・」と喉を鳴らす音に似た声など、色々千差万別である。 Red-spotted Toad はコオロギによく似た声であるが、こんな小さな体でよくこんな大きな声が出るもんだ・・と不思議に思うほどすごい声で鳴く。

                      Western Spadefoot toad
                      スキアシカエルの一種 Western Spadefoot toad(Scaphiopus hammondi)

                      ソノラ砂漠を代表する生きものの一つで、水溜りやプールを見つけると、大声で鳴いて仲間やメスに知らせる。 その鳴き声は猫が「ゴロゴロ・・」と喉を鳴らす声によく似ている。

                      Couchs Spadefoot Toad
                      プールで気持ち良さそうに泳ぐ Couch's spadefoot Toad(Scaphiopus couchi)

                      ソノラ砂漠では2種類のスキアシカエルが見られ、両種ともよく似ている。このCouchs Spadefoot toad は足の裏に鎌の形をした黒い小さい模様がある。その鳴き声はまったくカエルらしくなく、羊の「メーメー」という声にそっくりである。名前のスキアシカエルのスキアシは後ろ足の根元の骨の一部が”鋤”のようになっていて、これを使って土に深い穴を堀り、一年のほとんどを土中で暮らす。そして、モンスーンの間だけ雷の音や雨が土を叩く音を聞くとすぐ穴から出て来る面白い習性を持っている。

                      Sonoran Desert Toad 1
                      南アリゾナからメキシコにかけてのソノラ砂漠にのみ生息する Sonoran Desert Toad

                      Sonoran Desert Toad は体長10センチから19センチと大きい。動作が鈍くてゆっくりしているが、耳の後ろにあるリンパ腺を膨らませ強い特別な毒を分泌するのでうっかり触れない。 大きな金色の目が魅力的で、ペットとして飼う人も結構いる。

                      Sonoran Desert Toad 2
                      寝室の壁に向って大きな声でいつまでも鳴き続ける Sonoran Desert Toad(Bufo alvarius)

                      鳴き声はやはり変っていて「ピュー」というフェリーボートの汽笛によく似ている。 モンスーン季はこのような色々な面白い鳴き声のカエルが毎晩プールの周りに集まって来る。そして夜9時過ぎ頃から特徴ある声で一斉に鳴き始めるのでまさに大合唱となる。 長い時は夜中の1時過ぎぐらいまで鳴き続けるので睡眠不足となりいささか堪える。 しかし、この期間は彼らが穴から地上へ出て来て子孫を残す一年に一回の交配期だと思うと我慢出来るが、一週間も経つとこのカエルの合唱がだんだん子守唄となって寝れるようになってくるのは不思議である。


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