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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(10)

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    Cordilleran Flycatcher
    高山のハエトリと呼ばれる キノドメジロハエトリ(Cordilleran Flycatcher/Empidonax occidentalis)

    このハエトリは高い山の深い森で夏を過ごすので、レモン山では比較的数多く見られる。2拍子の”ピッツィー”という単調な囀りは東側ニューヨーク近郊の森でよく聞かれるミドリメジロハエトリ(Acadian Flycatcher) によく似ている。森に響くよく透る声で鳴くので居場所はすぐ判るが、枝先で囀ることはほとんどなく、葉が茂った枝の中央で隠れるようにして鳴くので見つけ難い。しかし、ハエトリはエサ捕りが空中を飛んでる虫を捕える方法なので、じっと待っていると必ず枝から飛び出してくる。
    Pygmy Nathatch - Imm
    いつ見ても可愛らしい ヒメゴジュウカラ(Pygmy Nathatch) の幼鳥

    高い山の針葉樹林が好きで、いつも大きな群で木々の間をうるさく鳴き合いながら枝移りしエサ取りをするので見つけ易い。しかし、体が小さいのと活発に枝を歩いたり逆さまになったりするので、双眼鏡にその姿を入れるのに苦労する。
    Pygmy Nathatch Adult
    日本のゴジュウカラやメジロよりも小さいヒメゴジュウカラ (Sitta pygmaea ) の成鳥

    レモン山の山頂トレールには数多く生息している。特に初秋は渡り途中のアメリカムシクイと一緒の大きな混群で動き回るので、群を見かけたら要注意。時には珍しいムシクイをその群の中に見つけることが出来るだろう。
    Pygmy Nathatch - Imm & Adult
    ヒメゴジュウカラの親子喧嘩

    この鳥の幼鳥(頭の後ろが白い)が成鳥にベギング(餌乞い行動)をしているのを見ていると大変面白い。親が忙しく食べもの探しをしている時でも、子供は「シリシリ・・・」とうるさく鳴きながら親につきまとい餌をねだる。しかし、あまりひつこいと、このように親は子を突っついて枝から下へ突き落とすことがある。それでも鳴きながらまた飛び上がって親について行く姿は、人間の家族と同じなのでついつい見ていても笑ってしまう。
    Spotted Towhee 1
    目の高さの低い枝に時々下りて来てくれる ホシワキアカトウヒチョウ(Spotted Towhee)

    西側でしか見られない美しいトウヒチョウである。ニューヨークなど東側でごく普通に見られるワキアカトウヒチョウ(Eastern Towhee) とよく似ているが、背中の大きな星のような白いスポットが特徴。
    Spotted Towhee 2
    よく響く声で囀る ホシワキアカトウヒチョウ(Pipilo maculatus)

    初夏は高い木の見通しの良い枝で青空に向って高らかに囀るので、その美しい姿がよく見られる。しかし、囀り、地鳴きとも東側のワキアカトウヒチョウとまったく異なる。その鳴き声からきている英名"Towhee"(トウィー)とは聞こえず、私にはどうしても猫のような”ニャーニャー”としか聞こえてこない。
    Red Crossbill ♂
    日本のイスカと同じ種類の イスカ(Red Crossbill) の雄

    レモン山ではイスカは針葉樹林で時々見られる。松ボックリが好きで、実り方がずれるのを追って、収穫量の多い森から森へ気まぐれでさまようように移動するので、探し歩いてもそう簡単には見られない厄介な鳥である。
    Red Crossbill ♀
    赤い色がない地味な イスカ (Loxia curvirostra ) の雌

    この鳥は松かさがびっしりついてるとど松の風で揺れてる枝の上を軽やかに動き回る。下へ曲がってくい違ってる嘴をオウムのように上手く使い、しかも逆立ちの姿勢で大きな松かさにぶら下がりながら種子を取り出して食べるその姿を見ていても大変面白く飽きない。
    40度以上の猛暑が続く夏のソノラ砂漠でも、一時間半車を走らせば2,900メートルのレモン山の頂上で涼感バードウオッチングが楽しめる。バラエティーに富んだアリゾナの自然に感謝。

    レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(9)

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       MacGillivrays Warbler 1
      ニシノドグロアメリカムシクイ (MacGillivray's Warbler)

      レモン山は動植物の多様性、渡り鳥の多さは全米屈指で、特に春と秋のアメリカムシクイの渡りは種類も多く素晴らしい。 麓から頂上までたくさんのトレールやキャンプ場があり、標高に応じて色々違った種類の鳥や野花を、雪積もる冬以外は存分に楽しめる。

      MacGillivras Warbler 2
      声はすれど、なかなか見やすい枝に現れてくれないニシノドグロアメリカムシクイ(Oporornis tolmiei)

      この鳥は密に茂った下草の中で食べものを探すことが多く、なかなかじっくりと全身を見るのが難しいアメリカムシクイである。 東側で見られるノドグロアメリカムシクイ(Mourning Warbler) と姿や形、エサ取りの仕方などがよく似ている。両側が欠けた白いアイリングが特徴。

      Orange-crowned Warbler
      花畑でこじみに囀る サメズアカアメリカムシクイ(Orange-crowned Warbler/Vermivora celata)

      全身ウグイス色した特徴のない地味なアメリカムシクイであるが、囀りながら花畑を乱舞しエサ取りする姿はほれぼれするぐらい実に美しい。英名にある頭の細いオレンジ色の冠毛はめったに見ることが出来ない。

      Nashville Warbler
      白いアイリングが可愛い ズアカアメリカムシクイ(Nashville Warbler/Vermivora ruficapilla)

      英名にはナッシュビル(Nashville) という中西部の地名が付けられているが、これは最初の標本作成のために捉えられた場所と言われている。 全米でごく普通に見られるポピュラーなアメリカムシクイで、南アリゾナ特にレモン山では春と秋の渡りの時期だけ通過して行くのが見られる。 カナダやアラスカまで北上し子育てをした後、中南米へ下がって行く渡り鳥である。

      Lesser Goldfinch
      メジロより小さな ヒメキンヒワ(Lesser Goldfinch/Carduelis psaltria)

      アザミや野花の種子が大好きで、しかも大変活発に動き回る。 大きなアザミの花にぶら下がったり、逆さまになったりしながら食べものを探す姿は見ていても実に楽しい。 冬には山を下りて砂漠で過ごすので、我家のフーダーにも群で現れる。 全米でごく普通に見られるキンヒワはオウゴンヒワ(American Goldfinch) で、このヒメキンヒワよりずっと大きい。

      Western Bluebird
      日に当たると背中から尾にかけてのターコイズブルーが美しい チャカタルリツグミ(Western Bluebird/Sialia mexicana)

      このルリツグミはレモン山には大変数が多い。花畑の上を10羽以上の群で乱舞している光景はハッとするほど美しい。 東側でごく普通に見られるニューヨークの州鳥ルリツグミ(Eastern Bluebird) とよく似ているが、肩の赤茶色が特徴である。

      Hepatic Tanager
      レモン山でも数少ない レンガフウキンチョウ(Hepatic Tanager/Piranga flava)

      南アリゾナと隣のニューメキシコ州の一部でしか見られない珍しいフウキンチョウである。 もともと数が少ないので、レモン山でも渡りの時期に見られればラッキーである。


      レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(8)

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        Mt.Lemmon Wild Flower
        鬱蒼とした暗い森をぬけ、視界がパッと開けると赤や黄色、紫の草花が目に入ってくる。 トレールの両側には色とりどりの野生の花がたくさん咲いており、歩く足元から”ブーン、ブーン”と蜜蜂の羽音が聞こえてくる。

        Broad-tailed Humm. 1
        高い山の涼しい花畑が好きな フトオハチドリ(Broad-tailed Hummingbird)

        インディアン・ペイント・ブラッシュ(Indian Paint-Brush) の赤い花にホバリングしながら長い嘴を差込み、盛んに蜜をなめる。ハチドリはホバリングが得意技であり、空中の一点で飛びながら留まる妙技はいつ見てもおもしろい。

        Broad-tailed Humm. 2
        尾羽の赤茶、黒、白のパターンがよく目立つフトオハチドリ(Selasphorus platycercus)

        「少しは蜜が出るのかな・・・?」と思われるような小さい草花でも、一つ一つ丹念に嘴を差し込んでは蜜を探す。高山で生活する彼らにとって、数が多くない野花の蜜は大切なエサの一つである。

        Broad-tailed Humm. 3
        頭から背にかけて美しい金属光沢の金色に輝くフトオハチドリの雌

        高山が好きなので、別名"The Mountain Hummingbird"(山のハチドリ)と言われている。 西側の山岳地帯で巣を作り子育てをし、秋には中米へ渡って行ってしまう。 夏のレモン山ではかなりの数が見られるが、どうしたことか雌がやたらに多い。

        Broad-tailed Humm.4(B)
        手が届きそうな目の前の枝で、目を閉じてウツラウツラ昼寝をし出したフトオハチドリ

        レモン山は夏の終りが近づくと、夜はかなり冷え込む。 背中に暖かい陽の光を浴びて体が暖まり、ついつい眠くなるのは人間同様ハチドリも同じ。 こんな姿を見ていると、小さな体で一生懸命毎日を生きてる強い生命力をひしひしと感じる。 10センチと小さな体でも、秋になるとメキシコの山岳地帯まで渡って冬を過ごす立派な渡り鳥である。

        A view from Mt. Lemmon
        樹高20メートルから30メートルはあろう大木が鬱蒼と茂る見事な針葉樹林。健康的な森、色々な生きものが住むレモン山の森は心を豊かにしてくれる。

        レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(7)

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           レモン山の頂上付近
          10年経った今でも、いたるところに山火事の跡が残る山頂付近。

          レモン山は2002年と2003年の夏に2回破壊的な山火事にあっている。 特に2003年の"Aspen Fire" が大きく、山の45%が焼けてしまった。

          焼けた松とステラーカケス
          山火事で焼け残った松の根とステラーカケス(Steller's Jay)

          2003年の"Aspen Fire" の時、私は丁度、鳥見旅でニューヨークから南アリゾナに来ていた。 レモン山の頂上から大きな煙がモクモクと出ていて、まるで火山の爆発のような光景を見たのを思い出す。 この時はアリゾナの公園という公園は全て閉鎖されてしまい、アリゾナでの鳥見はまったく出来なく、南下してメキシコへ入った。この年のアリゾナは雨が少なく、異常に乾燥していたるところで山火事が発生し、強制的に避難させられた人々も多く、州全体に非常事態宣言が出されていた。

          山頂からのソノラ砂漠
          焼け野原となった山頂付近よりソノラ砂漠を望む。

          北アリゾナのホワイト・マウンテンからどんどん延焼して来た山火事は、乾燥した暑い風にあおられて南下し、レモン山の山頂のアスペン林や松林をことごとく焼き尽くしてしまった。 深い緑の森は見るも無残になくなり、草と低潅木だけの開けたスロープとなってしまった。

          焼け跡の野花
          鬱蒼としていた森は2年続きの山火事ですっかり丸裸になってしまい、今では太陽がさんさんと当たる焼け跡には色とりどりの美しい野花が咲いている。

          オビオノスリ 1
          高山の鷹と言われる オビオノスリ(Zone-tailed Hawk)

          10年前の山火事ですっかり松林が無くなってしまった山頂近くの一部分は大きく開けて青空が見え、頭上を滑空していく鷹類がよく見えるようになった。

          オビオノスリ 2
          小さいネズミを捕獲した オビオノスリ(Buteo albonotatus)

          オビオノスリはアリゾナの高山地帯に生息している鷹なので、レモン山では高く密集した樹木が視界を邪魔して見れる機会が少なかった。ところが、山火事で山頂付近がオープン・フィールドになってしまい、今ではこうしてちょくちょく飛んでいる美しい姿を存分見ることが出来るようになった。


          レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(6)

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             Arizona Gray Squirrel
            アリゾナハイイロリス (Arizona Gray Squirrel / Sciurus arizonensis )

            レモン山の松林や岩場には大型の動物”ピューマ”(Mountain Lion) や”熊”などが生息していて、キャンプをしていると出会うことがあるようだ。残念ながら私は熊は時々出会うことがあるがピューマにはまだ遭遇していない。しかし、可愛らしい小さな動物はちょくちょくトレール近くに現れ、愛嬌をふりまいてくれる。

            Red Squirrel
            松林のリスと呼ばれる Red Squirrel 又の名を Pine Squirrel(Tamiasciurus hudsonicus)

            Cliff Chipmunk 1
            シマリスの一種 Cliff chipmunk

            岩の間から顔を出してはこちらの様子を伺う愛嬌ものである。大変お喋りで、のべつまくなし尾を振りながら甲高い声で叫びまくる。

            Cliff Chipmunk 2
            クリフチップマンク(Cliff Chipmunk / Tamias dorsalis)

            早朝、陽の当たる岩場で毛づくろいをしているのを見つけ、カメラを向けると、恥ずかしそうに両手で顔を隠すしぐさをしてくれた。そのタイミングの良さに思わず笑ってしまう。

            Mule Deer
            ミュールジカ(Mule Deer / Odocoileus hemionus)

            夏の間は涼しい高い山で過ごし、冬になると砂漠に下りて来る。このシカはピューマが最も好む獲物の一つで、彼らの群の動きに合わせてピューマも移動するようだ。昨年の秋、早朝ハイキングをしている時、ピューマがちょっと前に襲って食べたと思われる、まだ生々しい赤い肉切れがついたミュールジカのあばら骨とピューマの大きな足跡を見たことがあった。ピューマは非常に獰猛で、「遭遇したら決して逃げるな!目をしっかり見て大きい声を出せ」と言われている。キャンプ中に襲われた(特に子供)・・・というニュースは年に何回かあちらこちらのパークで聞くことがある。

            レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(5)

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               Olive Warbler 1
              葉の裏に隠れる虫を素早くつまむ オリーブアメリカムシクイ(Olive Warbler)

              北米では南アリゾナの標高の高い山林でしか見られない、しかも数が少ない希少種のムシクイである。標高2,100メートル以上の松柏類の森に好んで生息する。 見れるスポットが限られているのと、松の高い枝でせわしく動き回りながらエサ取りをするので、見るのに大変苦労する。

              Olive Warbler 2
              オリーブアメリカムシクイ(Peucedramus taeniatus)

              オリーブアメリカムシクイは近年のDNA鑑定でアメリカムシクイ(Wood Warbler)の仲間ではなく、独立した別の一種であることが判明。 学名"Peucedramus"(オリーブアメリカムシクイ)属で、"Peucedramidae"(オリーブアメリカムシクイ)科の唯一の種となった。 そう言われれば、オリーブアメリカムシクイの囀りはとてもアメリカムシクイ類(Wood Warbler)の囀りとは思えない、カラ類に似たクリアーな口笛を吹くような声で「ピーターピーター・・・」と繰り返す。また、地鳴きもアメリカムシクイ類とはまったく異なり、「ヒューヒュー」という声でよく響く。

              Hermit Warbler 2
              キガシラアメリカムシクイ(Hermit Warbler)

              高い山の森林を好み、薄暗い松林の中でも抜けるような頭の黄色がよく目立つ。

              Hermit Warbler 1
              キガシラアメリカムシクイ (Dendroica occidentalis)

              キガシラアメリカムシクイは西海岸(太平洋)沿いの山で子育てをするので、春と秋の渡りの時期だけレモン山を通って行くが、驚くほど臆病で、しかも暗い針葉樹林から離れないので見れる機会が少ない。

              Townsends Warbler 1
              タウンゼントアメリカムシクイ (Townsend's Warbler)

              西側のごく一部の森林地帯でしか見られないアメリカムシクイである。 東側でごく普通に見られる喉が真っ黒なノドグロミドリアメリカムシクイ(Black-throated Green Warbler)とよく似ているので間違えられやすい。

              Townsends Warbler 2
              タウンゼンドアメリカムシクイ (Dendroica townsendi)

              このアメリカムシクイの営巣地は北カナダ、アラスカの太平洋側なので、レモン山では春と秋の渡りの時期だけしか見られない。前のキガシラアメリカムシクイと近縁種で、しかも一緒に行動をすることが多く、両種の交配種(Hybrid)も時々見られる。

              Yellow-rumped Warbler
              キヅタアメリカムシクイ(Yellow-rumped Warbler / Dendroica coronata)

              全米何処でもごく普通に見られるアメリカムシクイであるが、アリゾナで見られるのは喉が黄色に輝く西側種の"Audubon Warbler"である。 東側で見られる喉の白い"Myrtle Warbler"と区別されている。



              レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(4)

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                 Mt.Lemon Trail
                私が山頂トレールと呼んでる "Lemmon Rock Lookout Trail"

                このトレールは標高が2,800メ=トル、五葉松 (Ponderosa Pine) やダグラスモミ (Douglas Fir) などの針葉樹林にかこまれ、真夏の日中でも15度から20度ぐらいで大変涼しく爽やかで、快適なハイキングが出来る。

                Mt.Lemon Forest
                落雷で焼けて黒焦げの太い松

                真夏の山麓の砂漠は35度から40度を越す凄い暑さであるが、2,800メートルの山頂の森は朝方は10度以下、日中でも20度以下と大変涼しい。 しかし、午後になると突然ものすごい強風を伴った雷雨があり、時には野球のボール大のヒョウが混じる荒々しい天気となることがある。

                赤いキノコ
                珍しい赤い毒キノコ (Fly Agaric / Amanitaceae agaricales)

                7月・8月の真夏のモンスーン季は雨が多いので、松林の林床には色々な形をしたキノコがはえ、目を楽しませてくれる。 最初にこのキノコを見た時は、アリゾナでこんな立派なキノコが見れるとは思ってもいなかったので大変びっくりした。

                Dayflower
                人知れず咲いている高山植物 Dayflower (Commelina dianthifolia)

                「デイ・フラワー」の英名どおり、この花は朝に咲いて夜には散ってしまう、一日だけの美しさである。

                Yellow eyed Junco 1
                メキシコユキヒメドリ (Yellow-eyed Junco )

                南アリゾナ高山のほんの一部の地域、しかも針葉樹林でしか見られないメキシコユキヒメドリは砂礫地などの開けた場所でエサ取りをするので大変見やすい。 時にはエサ取りに夢中になって、大胆にもチョロチョロと足元近くまでやって来ることがある。

                Yellow eyed Junco 2
                光るような黄色い大きな目が特徴のメキシコユキヒメドリ(Junco phaeonotus)

                北メキシコの標高1,800メートル以上の高山に生息するメキシコ種であるが、レモン山の山頂トレールには毎年少数が営巣している。

                Yellow eyed Junco /with Ring
                足輪をつけて放されるメキシコユキヒメドリ

                毎年8月になると、アリゾナ大学の学生が調査のため霞網を持って登ってくるので、この時期は彼らとの鳥談義がとても楽しみである。 身体の計測をして足輪をつけ、その生息状況を毎夏調べている。


                レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(3)

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                   Golden Columbine 1
                  暗い林の中でもひときわ目立つ セイヨウオダマキ(Golden Columbine)

                  Golden Columbine 2
                  セイヨウオダマキ (Golden Columbine / Aquilegia chrysantha)

                  緑濃い森林の中で見る明るく黄色いセイヨウオダマキの清楚な花の姿はハッとするほど美しい。

                  Common Mullen
                  珍しい高山植物 Common Mullein (Verbascum thapsusu)

                  一万一千年前の氷河期から残っていると言われる背の高い黄色い花で、コルクモミ(Corkbark Fir) の林に一本だけ咲いていた。

                  Red Rasberry
                  赤くて美味しい野生の ラズベリー(Red Rasberry / Rubus idaeus)

                  摘んで食べてみると、大変甘くて美味しい。 しかし、ほとんど熊に食べられてしまうので、レモン山ではめったに見られないのが残念である。

                  Indian Paintbrush
                  カステラソウの一種 Rincon Mountain Indian Peintbrush (Castilleja austromontana)

                  英名「インディアン・ペイント・ブラッシュ」とはよく名付けたものである。 赤い部分は花ではなくて包葉で、中に小さくて黄色い花が隠れている。

                  Mountain Chickadee
                  北米・西側の松林でごく普通に見られる マミジロコガラ(Mountain Chickadee/Poecile gambeli)

                  いつも群で動き回り、松の枝先で逆さまにぶらさがったり、とにかく忙しく枝移りしながらエサ取りをする。 大変好奇心が強く、Pishing(口でプシュプシュという音を出す)をすると、すぐ近くの枝に飛んで来てこちらの様子を伺う。

                  House Wren
                  全米どこでも見られる イエミソサザイ(House Wren / Troglodytes aedon)

                  南アリゾナ山岳地帯で見られるイエミソサザイは "Mexican Brown-throated Wren" と呼ばれる亜種である。 レモン山は大変数が多く、トレールによっては10メートルおきぐらいに巣があり、それぞれの雄がソングスポットでテリトリーソングを歌うので、夏は実に賑やかである。

                  Brown Creeper
                  見事な保護色によってすっかり木と同化してしまった アメリカキバシリ(Brown Creeper/Certhia americana)

                  レモン山で見られるキバシリはほとんどがメキシカン亜種で、嘴が短いのと色が濃いのが特徴。 地味でまだら模様が樹皮とよく調和しており、しかも樹幹を下から螺旋状に登って行く独特な行動なので人目につきにくい。

                  レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(2)

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                     Mt.Lemon Highway
                    奇怪な尖塔の群像を見ながら快適なドライブを楽しむ。

                    松林の香りを後にして再び山岳ハイウエーを走り、荘重な風景をエンジョイしながら標高2,200メートルまで上がって行く。 突然視界が広がり、おもしろい形をした奇岩が目に入ってくる。 2700万年前の火山爆発でできた火山岩が風と昼夜の温度差によって浸食されできたものである。

                    Wild Turkey
                    車の前をのんびり歩くシチメンチョウ(Wild Turkey / Meleagris galloparo) の一家

                    早朝の山岳ハイウエーは色々な”生きもの”が道を横切るのでヒヤーとすることがちょくちょくある。
                    " Watch to Wild Animals " の道路標識がいたるところに立ててあり目に入る。

                    Quaking Aspen
                    アスペンの林

                    山頂が近くなると、アスペン(Quaking Aspen) の林が風にそよいでザワザワと音を立てるのが聞こえてくる。 樹皮が白いので白樺のようだが、ポプラの仲間である。 レモン山は標高差が大きいので気温が低く、冬には積雪もあって南アリゾナ唯一のスキー場がある。

                    Red-faced Warbler 1
                    バーダー憧れの アカガオアメリカムシクイ(Red-faced Warbler)

                    標高2,800メートルの山頂トレール・アスペン林に入ると、アカガオアメリカムシクイの小さな群に出会う。 北米では南アリゾナの高山でしか見られない珍しいムシクイであるが、レモン山は特に数が多いのでじっくりと見ることが出来る。

                    Red-faced Warbler 2
                    求愛ソングを高らかに歌うアカガオアメリカムシクイ(Cardellina rubrifrons) ♂

                    アカガオアメリカムシクイは夏の間は標高1,800メートル以上の高い山で暮らす。 グラウンド近くで営巣するため低い枝でコートシップやエサ取りをするのでとても見やすい。 独特な真っ黒な頭と真っ赤な顔はフィールドで一度見たら忘れられないほど強烈な印象を受ける。

                    Aspen Sunflower
                    ヒマワリの一種 Aspen Sunflower (Helianthella quinquenervis)

                    暗い松林が切れると、明るく黄色い高山植物が一面に広がる。 このヒマワリは標高2,500メートル以上の高い山で咲くのでレモン山でも数が少ない。

                    Stellers Jay 1
                    高山の松林でよく見られる ステラーカケス (Steller's Jay)

                    松林のトレールを歩き始めると小さな群で樹間を低く飛び交うステラーカケスの騒々しい鳴き声が聞こえてくる。

                    Stellers Jay 2
                    近くの枝に飛んで来ては様子を伺うステラーカケス(Cyanocitta stelleri)

                    ステラーカケスは頭の冠毛が特徴で、グラウンドに下りてエサ取りすることが多い。 また、好奇心が大変強いのでかなり近くまで寄ってくる。

                    レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(1)

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                       レモン山全景
                      レモン山の頂上から望むサンタカタリナの山々とソノラ砂漠

                      砂漠の町ツーソンの北にそびえる標高2,100メートルを越すサンタカタリナの山々は、「砂漠の海に浮かぶ島」と呼ばれる緑濃い山並みである。 その中でもひときわ高い標高2,800メートルのレモン山(Mt. Lemmon) は、私が夏よく通うフィールドの一つである。 鳥見のスポットを歩きながら、魅力あるレモン山の自然を紹介したい。

                      ハシラサボテンの林
                      レモン山へ上がる山岳ハイウエーの入口、巨大なハシラサボテン Saguaro (サワーロ)が林立する。

                      ツーソンの町から車で40分も走るとレモン山の麓に着く。 ここから山頂までの48キロの山岳ハイウエーは素晴らしい風景と眺望があり、しかも、5つの生物分布帯を走るので、植物層はまさにメキシコからカナダへ旅するのにひってきするほど魅力に富んでいる。

                      樫の木
                      車窓から見る景色はサボテンの林から樫の木の並ぶ草原に変る。

                      標高1,300メートルを越すあたりから緑が一段と濃くなり、南アリゾナ特有のメキシコ・ブルーオークやホワイト・オーク、エモリー・オークなどの樫の木が目立ちはじめる。

                      Bear Canyon
                      松の香りが漂う "Bear Canyon"

                      標高1,800メートルの " Bear Canyon " に入ると植生ががらっと変って、アメリカイトスギやスズカケノキ、五葉松などの林が主となって、心地良い「松」の香りが車内に充満し、まるで北の深い森の中を走っている感じがしてくる。 そしてここでは砂漠とはまるで違う魅力溢れる鳥たちが出迎えてくれる。

                      Northern Pygmy Owl
                      日本のヒバリと同じ大きさの小さな ロッキースズメフクロウ(Northern Pygmy Owl / Glaucidium gnoma)

                      人影がまったくない早朝、松の香りに包まれるピクニックテーブルでコーヒーを飲んでいると、頭上でローキースズメフクロウが盛んに鳴く。 「フッーフッー」という2拍子を単純に繰り返す声が谷間によく響く。

                      Mexican Jay 1
                      北米では南アリゾナだけでしか見られない メキシコカケス(Mexican Jay)

                      松林の奥から「ジェイ、ジェイ・・・・」と大きな声が聞こえてくる。 腰を下ろしてコーヒーを飲んでいるすぐ横の枝でピーナツのおこぼれにありつこうと、もの欲しそうな顔でこちらをじっと見つめる。 食べ物を嗅ぎつける彼らの勘はすごい。実にカケスはクールな鳥である。

                      Mexican Jay 2
                      "Thank you" とポーズをとる メキシコカケス(Aphelocoma ultramarina)

                      メキシコカケスはピーナツが大好きである。 テーブルの上に置いてやると、すぐ高い枝から下りて来て美味そうに食べる。

                      Red-naped Sapsucker
                      真っ赤な頭と喉がよく目立つ アカエリシルスイキツツキ(Red naped Sapsucker / Sphyrapicus nuchalis)

                      静かな松林に突然「コツコツコツ・・」という大きな音が響く、驚いて見上げると、シルスイキツツキが幹に小さい穴を開け、盛んに樹液を吸っていた。


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