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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

暑中見舞い 2017年夏

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    トロゴン1横向
    北米では南アリゾナでしか見られない美しい夏鳥ウツクシキヌバネドリ ( Elegant Trogon ) 

    ​暑中お見舞い申し上げます。
    南アリゾナの夏は4月、5月、6月の「ドライサマー」と7月、8月の「モンスーンサマー」の前期と後期2回に分けられてます。今年の「ドライサマー」の6月は40度以上の日が2週間以上も続き、しかも湿度10%以下(時には3%台)というまさにカラカラの「ドライサマー」でした。あまりにも乾燥した猛暑なのでアリゾナ州、隣のカリフォルニア州、ユタ州などでは何か所にも渡って大規模な山火事が発生、そのほとんどが一か月以上も燃え続け、一時は私のところからも煙が見えました。7月に入って「モンスーンサマー」になり、メキシコから湿った空気が入ってきて砂漠の乾いた高熱の空気とぶつかって積乱雲ができ、ほぼ毎日のように激しいスコールが降ります。雷を伴った雨は「ゲリラ集中豪雨」のような降雨で、短時間に多量の雨が降って砂漠からの鉄砲水が流れ、あふれだしそれが道路に溜まってしばしば交通止めとなります。でもこの雨は砂漠の「生きもの」にとっては嬉しい恵みの雨です。草木は生き返ったように新しい芽を出して花が咲きます。そして、砂漠の鳥たちは2回目の子育てをするので、この時期を " Second Spring " (2回目の春)と呼ばれてます。
     
    トロゴン2正面 
    ​キャニオン ( Canyon ) と呼ばれる緑深い山の渓流沿いで見られる夏鳥のウツクシキヌバネドリ ( Trogon elegans

    ​真夏になると砂漠での鳥見は危険を伴うこともあり、私のフィールドも2000メートルを超す山々のキャニオンへ移り、主に森林で鳥見を楽しみます。南アリゾナの森林のシンボルの鳥と言えばウツクシキヌバネドリ(通称トロゴン)でしょう。大きさはキジバト ( Streptopelia orientalis ) とほぼ同じで、胸から下腹にかけての鮮明な赤、首から背中にかけての絹のような光沢をした青と緑は実に美しい。独特な低いしゃがれ声で切れ目なく続く鳴き声は森の中から聞こえてくるが、なかなか姿が見れないことが多い。
     
    トロゴン3後姿
    ​ウツクシキヌバネドリはほぼ直立姿勢で、長い尾を真っ直ぐ下へたらして置物のように動かず長い時間高い枝に止まっている。

    ​この鳥は涼しい深い森の渓流沿いの大きな鈴懸の樹やオークの樹を好み、それらの樹洞に営巣する。繁殖期に入る直前の5月の早朝には、オスがしゃがれ声で低く「クワークワー」と繰り返し鳴きながら渓流沿いをメスを求めてパトロールをする。そして、近くの枝にポッと止まることがよくあるので、一番この鳥を見れるチャンスが多い。ウツクシキヌバネドリの数は多くないが、私のフィールドの一つにしてるマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) には、今年の報告では3組のカップルが営巣しているようである。7月8月の「モンスーン期」の山での自然探索は集中豪雨はもちろん落雷(森の高い木にはよく落ちる)に十分注意をし、常に天気予報を見ながらの歩きなので非常に疲れる。それでも双眼鏡をぶら下げて早朝から山に入ると、全米各地からの同じような仲間が歩いており情報交換に忙しい。

    アメリカドクトカゲ庭に現れる 2017年初夏 (下)

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      ヒラモンスター歩き
      ​水をたっぷり飲み終えて、もと来た方へ帰って行くアメリカドクトカゲ(ヒラモンスター / Gila Monster ) 

      ​アメリカドクトカゲは亜種を入れると2種類に分けられる。写真のアミメアメリカドクトカゲ ( Heloderma suspectum ) は主にアリゾナ南部、隣の州ニューメキシコ南部、そして隣国のメキシコ北部に生息する。もう一種のオビアメリカドクトカゲ ( Heloderma cinctum ) はアリゾナ西部、カリフォルニア南西部、ネバタ、ユタ、メキシコに生息し、私が住んでる南アリゾナでは見られない。
       
      ヒラモンスター舌出して歩く
      ​舌を出し方向を確認しながら入って来た塀の方へ歩いて行く。

      ​有毒な「ヒラモンスター」は噛まれると激しい痛みや腫れをともない吐き気、目眩などを起こすが、健康な成人の場合は噛まれても死に至ることはほとんどない。それでも「出会ったらむやみに近づかないこと」と言われており、少々緊張しながら観察しなくてはならない「生きもの」である。唾液に含まれる毒は糖尿病者の治療薬(リキシセナチド)として用いられる。
       
      ヒラモンスター歩く後姿
      ​庭を去っていく後姿も堂々としていて格好良い。

      ​「ヒラモンスター」はきわめて動きがスローで向こうから攻撃してくることはないが、近づぎ過ぎて危険を感じると口を開け「ハー」という噴気音をあげて威嚇してくる。昔、インディアンの「アパッチ族」の間では「ヒラモンスター」は獲物や外敵に対し毒息を吹きかけて殺してしまう「怪物」と信じられ恐れられていた。
       
      ヒラモンスター欄干潜る
      塀の欄干をゆっくり潜り抜け保護区へ帰って行く。

      ​アメリカドクトカゲは、過去、毒を持つ恐ろしいトカゲとして嫌われた為、多くが殺され、また、ペット用として乱獲されたので一時生息数が大きく減少していた。日本にもたくさん輸入されていたらしい。1952年にアリゾナ州は「ヒラモンスター」への迫害行為や商品売買、生け捕りを禁止する法律を作り、現在は手厚く保護されている。
       
      ヒラモンスターウオッシュ渡る
      庭を出て灌漑用の水路「ウオッシュ ( Wash ) 」を登り「野生生物保護区」へ帰って行った。

      ​野生の「アメリカドクトカゲ」は20年近い寿命で長生きする。ガラガラヘビのような毒蛇は上顎から毒を分泌するが、「ヒラモンスター」は下顎から分泌する。しかし、毒蛇のように毒を噴出する強力な筋肉を持ってないので、獲物を歯で咀嚼しながら歯の間から毒を出す。また、「ヒラモンスター」は獲物の場所を見つける鋭い嗅覚を持っており、特に大好物の鳥や爬虫類の卵を探し出す能力はすごい。卵がある巣を感知すると、大きな太い木や棘だらけの太いサボテンも簡単に登っていく。

      アメリカドクトカゲ庭に現れる 2017年初夏 (上)

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        Gila Monster 1
        北米で唯一の毒を持つ大型のアメリカドクトカゲ ( Gila Monster ) 

        ​英名 " Gila Monster " (ヒラモンスター)の由来は、アリゾナの隣の州ニューメキシコ州とアリゾナ州にかけて流れるヒラ川 (Gila River ) であり、昔この川の流域にはたくさんの「ヒラモンスター」が生息していた。体長50センチから60センチと非常に大きく。太いボディーと尾が短くて太い、そしてビーズ玉のような皮膚で、ピンクと黒のコントラストが大変美しい。北米で一番大きいトカゲであり、英名の意味もまさしく「ヒラ川の怪物」である。
         
        Gila Monster 2
        隣接する野生生物保護区から壁を登って庭に入って来るアメリカドクトカゲ ( Heloderma suspectum

        ​アメリカドクトカゲ(ヒラモンスター)は主に南アリゾナの砂漠、山麓の乾燥した岩場に生息しており、、重たく太い体であるが鳥の卵を求めて高い木に登ることが出来る。食性は主にトカゲ、ヘビーなどの卵、鳥の卵や雛、小さな動物などである。
         
        Gila Monster 3
        ワニのようにゆっくり歩きながら庭の奥深く入って来るヒラモンスター

        ​アメリカドクトカゲは一年の90%以上を地中で生活しているが、春から初夏にかけての繁殖期には盛んに地上へ出てきてメスを求めて歩き回る。主に薄暮時に活動するが、繁殖期は昼間でもこうして活発に動き回る。
         
        ヒラモンスター花の間
        岩の間に植えられてる野草の花の間から顔を出すアメリカドクトカゲ

        ​「ヒラモンスター」は主に地中で生活してるのと夜行性なのでなかなか見れるチャンスがない。アリゾナのシンボルでもあるが、よく歩き回る地元のハイカーでも「ヒラモンスター」にお目にかかれた人は非常に少ない。そんな珍しい「生きもの」が庭に現れた(2日間)というので、近所の人々が大勢やって来て大騒ぎしながらこわごわと写真を撮って行った。地元の新聞に投稿して掲載してもらった人もおり、エキサイティングな2日間であった。
         
        ヒラモンスター滝の上
        ​滝の岩の上に出てきた「ヒラモンスター」

        ​アリゾナソノラ砂漠の晩春から初夏(4月から5月)にかけてはドライシーズンで、雨はほとんど降らないので湿度が10%以下(時には3%)になる。しかも、強い日照りと風がよく吹くので全てがカラカラといった感じで暑く、砂漠の「生きもの」たちが水場に集まって来る。
         
        ヒラモンスター水飲み
        滝の流れる水をうまそうに飲む「ヒラモンスター」

        ​自然の岩を流れる水音を聞きたいのとハミングバードをはじめとする砂漠の鳥たちに庭へ来てもらうためにポンプで水を汲み上げて岩の間を通して冷やす人工の小さな滝を造ってもらった。4年経過したこの滝も砂漠の「生きもの」たちの間では有名になり,鳥たちはもちろんウサギやボブキャット(野生の猫)、地リス、スカンクなどの動物たちも、昼夜、水を飲みに来る。

        カタリナ州立公園 2017年春 その(10)

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          Ash-throated Flycatcher 1
          目の前の枝に止まってけげんそうな顔で見つめるハイノドヒタキモドキ ( Ash-throated Flycatcher ) 

          ​北米西側の中部から南部にかけての広い地域に夏になると渡って来る夏鳥である。繁殖地は乾燥してる砂漠の灌木地帯から標高2500メートルの樫の林や常緑針葉樹林帯まで非常に幅広い。巣は主に樹洞を利用するが、カタリナ州立公園のような砂漠地帯は大きな木が少ないので、キツツキ(サバクシマセゲラ / Gila Woodpecker / Melanerpes uropygialis )が巣に使った巨大サボテン(サワーロサボテン / Saguaro )の穴を利用することが多い。
           
          Ash-throated Flycatcher 2
          ​尾が長く大きくて派手な色のハイノドヒタキモドキ ( Myiarchus cinerascens

          ​日本のモズ ( Lanius bucephalus ) より大きいので飛ぶと目立つが、木の中ほどの枝に静かに止まっている時は、周りに上手く溶け込んで見つけにくい。しかし、朝早くから独特な声でいつまでも鳴くので居場所は簡単にわかる。鳴き声はまさにサッカーのレフリーの笛のようで、「プリリリリ」「ピピピ」と非常に特徴があり、鳥らしくないその変な声を一度聞くと忘れられない。
           
          Ash-throated Flycatcher 3
          頭上を飛んでる蜜蜂を狙うハイノドヒタキモドキ

          ​ハイノドヒタキモドキのエサ捕り方法は、枝に止まってじっと空中を飛ぶ虫を探し、見つけると枝から急に飛び出してフライングキャッチする。時々目の高さの枝に止まり頭を左右に振ったり傾げたりする。この動作はまるで何かを詮索しているようにも見えるので、何時も見てるとついつい笑ってしまう。この鳥は乾燥してる所が好きなので、水をあまり必要としないようだ。夕方遅く陽が沈むときによく鳴くので、この声を聞くと砂漠の夕焼を思い出す人が多い。
           
          Northern Mockingbird 1
          木の実を大事そうに銜えて飛び去っていくマネシツグミ ( Northern Mockingbird ) 

          ​もともと北米南部から中南米にかけて生息していたが、近年どんどん北へ生息地を広げており、今では全米何処でも見られ、色々な歌や詩にも出てくるポピュラーな鳥となった。灰色の地味な鳥であるが、日本のツグミ ( Turdus naumanni ) より大きく、飛ぶと太くて白い翼帯が鮮やかに目立つので識別しやすい。
           
          Northern Mockingbird 2
          朝から晩まで一日中鳴きまくるマネシツグミ ( Mimus polyglottos

          ​学名(ラテン語)の " polyglottos " は「二枚舌ならぬ沢山の色々な舌を持つ」という意味であり、何しろ「もの真似」が上手い。数十種類にも及ぶ鳥の鳴き真似や動物、虫などを器用に真似る。また、市街地に近い所に生息するマネシツグミは車の音、機械音、楽器の音色まで上手に真似るのには驚く。おまけに、この鳥は実にお喋りで、写真のような高い枝先で囀るだけでなく、時には飛びながらも囀ってる姿を見る。しかも、昼だけでなく月が明るい夜や街灯が輝いてる所では一晩中鳴き続けることもある。以前、ニューヨークに住んでいた頃、時々寝室の横の樹で夜中に大きな声で鳴かれるのには参ったことがった。
           
          Broad-billed Hummingbird
          ​北米で最も小さく、最も美しい派手なハミングバードのアカハシハチドリ ( Broad-billed Hummingbird / Cynanthus latirostris

          ​アカハシハチドリはカタリナ州立公園には特に多い。もともとメキシコ種で、夏に南アリゾナの山麓のキャニオンに渡って来る。他のハチドリにも見られるが、特にアカハシハチドリは赤い色が好きで、人の赤い服や赤いパッチなどがあると、何処からともなくやって来てホバリングしながらチェックする。時には車の赤いテールライトにも反応することがあるので面白い。
           
          Black-chinned Hummingbird
          ​南アリゾナで数多く見られるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird / Archilochus alexandri ) のメスと2羽の雛

          ​北米では主に西側でしか見られない体長10センチほどの小さなハミングバードである。乾燥してる砂漠地帯に生息しており、中米で冬を過ごす渡り鳥であるが、南アリゾナには冬になっても南へ渡らない個体がおり、庭のフィーダーによくやって来るポピュラーなハミングバードでもある。このハミングバードはコートシップ(求愛飛翔)が大変面白い。オスは時計の振り子が揺れるような弧を描いて飛び、翼を震わせながら「ジー」という大きな音を出してメスが止まってる枝の前を急降下する。

          カタリナ州立公園 2017年春 その(9)

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            ブユムシクイ巣作り
            巣作り中のブユムシクイ ( Blue-gray Gnatcatcher ) 

            ​カタリナ州立公園では山の麓のキャニオン ( Canyon ) で写真のブユムシクイ ( Blue-gray Gnatcatcher ) 、山麓から離れたサボテン林の砂漠ではオグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher / Polioptila melanura ) の2種類のナットキャッチャー ( Gnatcatcher ) が見られる。南アリゾナでは総体的に西側の南部でしか見られないオグロブユムシクイの方が数多い。この2種は非常によく似ていて、初心者には識別が難しい。大きさと鳴き声、尾の裏側の模様の違いから識別する方法がベストである。
             
            ブユムシクイ雄雌
            巣作り中のメスにエサを運ぶブユムシクイ ( polioptila caerulea ) の雄

            ​日本のメジロより小さくほっそりしたブユムシクイは主に北米東側の高い広葉樹林に生息している。春に中南米から戻って来る渡り鳥であるが、南アリゾナでは夏冬一年中見られる留鳥である。落ち着きのない鳥で、枝先をくりくりしながらエサ取りするので見にくいが、雛が鳴くような高く細い声で「ジージージー」とよく鳴くので居場所を見つけるのは簡単である。
             
            ブユムシクイ巣に座る
            ​メスと交代して巣に座るブユムシクイの雄

            ​ブユムシクイの巣は蜘蛛の糸を多く用いてしっかり作られており、樹の下から見上げると樹のこぶのように見える。巣づくりしている初期の段階で邪魔されると、その巣を取り壊し別の場所に作り直す習性がある。枝先で長い尾を広げて左右に振りながらエサ探しをするが、時には蜘蛛の巣に引っかかってる虫を失敬することもある。
             
            シロハラミソサザイと巣
            ​雛にエサを運ぶシロハラミソサザイ ( Bewick's Wren ) 

            ​英名「ビューイックス ( Bewick's ) 」は人の名前(米国の鳥類学者で画家であるオージュボンの友人で英国の画家トーマス・ビューイック)に由来する。かって全米の広い地域に生息していたシロハラミソサザイは1960年以降東側では数が減少、今では地域によっては珍鳥となっている。カタリナ州立公園では毎春大きな木の樹洞に営巣している姿が見られる。雄はテリトリー内に幾つかの見せかけの巣を作り、雌がそのうちの一つを選ぶ。そして巣が決まると、雄雌共同で巣を完成させる。
             
            シロハラミソサザイ正面向き
            カタリナ州立公園では数が多いシロハラミソサザイ ( Thryomanes bewickii

            ​尾を高く上にあげ左右に振りながらオス、メスでうるさく鳴き合うのでよく目につく。また、人を恐れることがないので、しばしば目の前の枝に来てこちらをじっと見ていることがある。
             
            シロハラミソサザイ囀り
            一日中さえずるシロハラミソサザイ

            ​日本のミソサザイ ( Troglodytes troglodytes ) より大きい。他のミソサザイと同じようによく囀る。頭を後ろにのけぞり、上にあげた長い尾をゆっくり下へ押し下げながら鳴く。採餌はグラウンドが多く、時には木の枝から虫や蜘蛛を下へ落として拾って食べている。
             
            クーパーハイタカと巣
            数年使用した古巣を手直しするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk ) 

            ​南カナダからメキシコまで幅広く生息している中型の鷹で、日本のハイタカ ( Accipiter nisus ) より大きい。英名 " Cooper " は最初にこの鳥を捕獲して識別した " William Cooper " の名前に由来する。
             
            クーパーハイタカ獲物を食べる
            獲ったばかりの獲物を頭から食べ始めるクーパーハイタカの雌 ( Accipiter cooperii

            ​昔、クーパーハイタカは別名 " Blue Darter " (すばしっこい奴)とか " Chicken Hawk " (ニワトリを狙う鷹)とか呼ばれ、農夫には嫌われていたが、近年の調査でニワトリなどの家禽類は捕らないことが判り汚名返上をした。写真の獲物はミヤマシトド ( White-crowned Sparrow ) で、クーパーハイタカは小鳥の他に小型の動物を狙うこともある。
             
            クーパーハイタカ雄
            ​メスが獲物を食べてる間、すぐ横の枝でじっとメスをエスコートしてるクーパーハイタカのオス。

            ​クーパーハイタカの獲物捕りの方法は他の鷹たちと異なり、大きな葉が密に茂る林で、木の幹近くに寄り添うように止まり、じっと獲物が来るまで待ち伏せする。獲物の動きを察知すると素早く飛び立ち、猛烈な速さで狭い木立の間を飛び、時には上がったり下がったりしながら狙った獲物に近づき、鋭い爪で引っ掛ける。また、クーパーハイタカはテリトリー意識が非常に強く、同じ中型のアシボソハイタカ ( Sharp-shinned Hawk ) がテリトリーに入って来ると猛烈な勢いで追い払う。

            カタリナ州立公園 2017年春 その(8)

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              Saguaro & Mt.Lemon
              アリゾナ州のシンボル、大サボテン ( Saguaro ) の林とレモン連山。

              ​サワーロサボテン(和名:弁慶柱)は主にソノラ砂漠で見られる高さ10メートル以上の巨大サボテンで、両腕を上げて突っ立ってる姿は人に似ているので非常に人気がある。これだけの規模でサワーロサボテンが林立しているのは、南アリゾナ、ツーソンの町の周りのソノラ砂漠だけであり、中でも特にカタリナ州立公園は有名である。
               
              レンジャクモドキの雄
              ​中南米で見られる " Silky Flycatcher " の仲間、レンジャクモドキ ( Phainopepla ) のオス。

              ​英名「ファイノペプラ」( Phainopepla ) はギリシャ語で「輝く外套」の意味で、オスの美しい黒い姿から付けられた。南カリフォルニアから南アリゾナの砂漠に一年中いる留鳥だが、冬と春は暖かい砂漠で過ごし、暑い夏には涼しい山の渓谷(キャニオン)へ移動して年に2回繫殖する北米で唯一の鳥である。
               
              レンジャクモドキの飛翔
              ​白黒の美しいレンジャクモドキ ( Phainopepla nitens ) の飛翔。

              ​レンジャクモドキは主に木の実や種を食べるが、時にはハエトリのように飛びながら空中の虫を捕えることがある。オスによる「コートシップ」(求愛行動)が大変美しく、100メートル近く空高く舞い上がって、ジグザグ又は弧を描きながらテリトリー内に降りてくる。
               
              ミドリトウヒチョウ 1 
              ​カタリナ州立公園とその周りの砂漠で冬を過ごすミドリトウヒチョウ ( Green-tailed Towhee )

              ​密に茂った灌木の根元近くでエサ取りをし、陽が当たる明るい所へなかなか出て来ないので、全身を双眼鏡に入れるのが難しい。
               
              ミドリトウヒチョウ2採餌
              ​細かい野草の実を食べるミドリトウヒチョウ ( Pipilo chlorurus )

              ​開けたところより茂みや暗い木陰を好み、薄明薄暮の時間帯に活発にグラウンドを動き回ってエサ取りするのでゆっくり観察するのが難しい鳥である。
               
              アメリカツリスガラ 1
              ​ハックベリーの実をついばむアメリカツリスガラ ( Verdin )

              ​砂漠では一年中ごく普通に見られ、庭にも来るポピュラーな可愛い鳥である。小さな虫や甘い花を好んで食べるが、砂漠で暮らす鳥なので、時々水分補給のため小さい木の実も食べる。
               
              アメリカツリスガラ 2
              実を銜えるアメリカツリスガラ ( Auriparus flaviceps )

              ​日本で見られるツリスガラ ( Remiz pendulinus ) と同じ仲間ではないが、同じような袋状の吊り巣を作り、体長も同じ大きさであるが、尾が短いのでずっと小さく見える。冬鳥として日本に渡来するツリスガラは平地の葦原に生息して、葦の中に居るカイガラムシ類を食べるが、アメリカツリスガラは留鳥で、テキサスから南アリゾナ、メキシコにかけての砂漠地帯に一年中生息し渡りをしない。

              カタリナ州立公園 2017年春 その(7)

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                プッシュリッジ連山と新緑
                粗削りなゴツゴツした岩肌、イヌワシが営巣するプッシユリッジ連山と美しいトレールの新緑。

                ​4月に入ると、カタリナ州立公園の新緑の樹木もみっちり若葉が茂って本格的な夏鳥の到来となる。ルーシーアメリカムシクイ、ベルズモズモドキの囀りに混じってハエトリ ( Flycatcher ) の種類も多くなり、奇妙で面白いテリトリーソングが聞こえてくる。
                 
                メグロハエトリ囀り
                南アリゾナの一部の狭い地域でしか見られないメグロハエトリ ( Northern Beardless Tyrannulet )

                ​北米で見られるハエトリの仲間で英名「ティラヌレット」 ( tyrannulet ) と呼ばれるのはこのメグロハエトリ1種類である。もともとメキシコ種で、以前はメキシコとの国境を接するアリゾナ東南の Patagonia あたりまで行かないと見れなかったが、近年少しづつ数が増えてカタリナ州立公園でも毎年見られるようになった。
                 
                メグロハエトリ左向
                メグロハエトリ ( Camptostoma imberbe ) の Worm 型

                ​メグロハエトリは長い英名がつけられてるが、体長は短く地味で小さな鳥である。日本で一番小さい鳥のキクイタダキ ( Regulus regulus ) にほぼ近い大きさである。よく葉が茂った木の枝に止まっていることが多く、姿や居場所を見つけるのが大変難しい。鳴き声を頼りに探すが、これまた鳴き声は口笛のようなクリアーな声だが、高くて消えるようなか細い声で「ピーピーピー」と囀るので非常に聞きづらい。
                 
                メグロハエトリ後姿
                メグロハエトリの Fresh 型

                ​メグロハエトリは特徴である頭のボサボサした冠毛とハエトリの仲間では一番小さいサイズであること、また、枝に止まっている姿が直立している姿勢で尾を振ることなどを総合して識別するしか手がない。ハエトリなので空中を飛んでる虫をフライングキャッチして元の枝に戻るので、じっくり双眼鏡で追うとキャッチするチャンスはある。
                 
                ハイイロメジロハエトリ
                ​識別に苦労するハイイロメジロハエトリ ( Gray Flycatcher )

                ​アメリカのバーダーの間で通称エンピ ( Empid ) と呼ばれる学名 " Empidonax " のメジロハエトリ類は全米で11種類見られるが、非常によく似ているので初心者にはフィールドでの識別が大変難しい。鳴き声による区別が一番確実性が高い。しかし、ハイイロメジロハエトリは大変臆病で、驚くとすぐ密に茂った小灌木の隠れ場所に飛び込んでじっとしているので囀りが聞こえても見つけにくい。
                 
                ハイイロメジロハエトリ地上採餌
                ​ハエトリの仲間では珍しいグラウンドに降りて採餌するハイイロメジロハエトリ ( Empidonax wrightii )

                ​ハイイロメジロハエトリは低い枝に止まって低く飛びながら虫をフライングキャッチするが、時には地面に下りて虫を探すこともある。動作の特徴として、長い尾をぴくっと上げてゆっくり下へおろしてゆき、最後にまた元の位置に戻す仕草を時々する。アリゾナでは春と秋の渡りの時だけ通過していくので短い間しか見られない。
                 
                Pacific Slope Flycatcher
                アリゾナでは珍しいキノドメジロハエトリ ( Pacific-slope Flycatcher / Empidonax difficilis )

                ​昔は " Western Flycatcher " と呼ばれていたが、近年写真の " Pacific-slope Flycatcher " とアリゾナの森林渓谷でごく普通に見られる " Cordilleran Flycatcher / Empidonax occidentalis ) の2種類に分けられた。この2種のフィールドでの識別は大変難しく、鳴き声で区別するしか方法がない。 " Pacific-slope Flycatcher " はアリゾナではごく少数が春の渡りの時に通過して行き、繁殖地は英名の由来である太平洋沿岸の森林で営巣する。動作の特徴として枝に止まる時にしばしば尾と翼を同時に震わせることがあるが、常時ではないので残念ながらあまり識別の手助けとはならない。

                カタリナ州立公園 2017年春 その(6)

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                  ベニタイランチョウ正面
                  ​赤黒の派手なベニタイランチョウ ( Vermilion Flycatcher ) のオス


                  ​ベニタイランチョウはタイランチョウの中でも最も美しいと言われ、春の新緑の林の中ではその姿がひときわ目立つ。南アリゾナから南テキサスにかけての狭い地域でしか見られないハエトリの仲間である。
                   
                  ベニタイランチョウ横向
                  ​陽に当たると美しい金色に輝くベニタイランチョウ ( Pyrocephalus rubinus )

                  ​体長15センチ、日本のシジュウカラ ( Parus major ) と同じ大きさの小さなタイランチョウであるが、毎春、全米から南アリゾナに集まって来るバーダーたちが「ぜひ見たい」と思う人気ある鳥でもある。

                   
                  ベニタイランチョウ羽繕い
                  羽繕いするベニタイランチョウ、赤い頭がひときわ美しい。

                  ​ベニタイランチョウは水が大変好きで、自然の水流はもちろん、人工の用水路や牧場の水槽、池などの近くでよく見かける。
                  ゴルフをプレーしてると、池の周りの低い枝に止まっている姿をちょくちょく見る。砂漠の春から初夏にかけての気候は非常に乾いているので(湿度10%前後)、鳥たちの水浴びする姿が見れるチャンスが多い。
                   
                  ベニタイランチョウ飛ぶ姿
                  頭上の蜂をフライングキャッチしようとするベニタイランチョウ。

                  ​ベニタイランチョウは低い灌木の枝先に止まってじーと飛んでいる虫や蝶を探し、見つけると瞬発的に追いかけ空中でフライングキャッチする。ところが、蝶は上下、左右に飛ぶので捕まえるのが難しいらしくよく失敗している。
                   
                  ベニタイランチョウ蜜蜂くわえる
                  見事に蜂を捕らえて近くの枝に止まるベニタイランチョウ。

                  ​ベニタイランチョウは蜜蜂が特に好きで、空中でうまくキャッチすると近くの枝先に止まって美味しそうに食べる。蜜蜂は袋にたっぷり蜜を蓄えているので栄養価が大変高く、彼らにとって一番のご馳走であろう。
                   
                  ベニタイランチョウ雌正面
                  ​地味な色をしてるが可愛らしいベニタイランチョウの雌。

                  ​砂漠の鳥たちの繁殖期は大変早い。まだうすら寒い日が時々ある3月後半、ベニタイランチョウは雄と雌でヒラヒラ舞いながら空高く上がっていくコートシップを始める。そして4月に入ると巣作りに忙しくなり、巣材を運ぶ雄・雌の姿を見ることが出来る。
                   
                  ベニタイランチョウ巣に座る
                  巣に座るベニタイランチョウの雌。

                  ​ベニタイランチョウの雌は雄のような派手な赤い色はないが、尻の薄い赤色がアクセントとなってなかなか可愛らしい。巣に座るのは主に雌で、雄が時々雌にエサ運びをしているのを見かける。カタリナ州立公園には、毎春3組から5組ほどのベニタイランチョウのカップルが戻って来て営巣するので、ほぼ確実にこの美しい姿を堪能することが出来る。
                   
                  ベニタイランチョウ雛2羽
                  ​強風で折れた枝の巣にうずくまってるベニタイランチョウの雛2羽。

                  ​砂漠でも時々「春雷」に見舞われることがあり、強風で古い木が倒れたり枝が折れたりする。夜中から朝方まで続いた激しい雷雨で起こされ、眠い目をこすりながらカタリナ州立公園へ行ってみると、ベニタイランチョウの巣の枝が折れて下へ垂れ下がり、斜めになった巣に2羽の雛がうずくまってしがみついていた。
                   
                  ベニタイランチョウ空の巣
                  ​ついに巣は垂直に立ってしまい、雛は外へ放り出されたようで、巣の中は空っぽであった。

                  ​強風を伴う春の嵐が3日間続いたため、ベニタイランチョウの巣を支えていた枝もついに折れて下へ落ちてしまった。そのため、巣は垂直になって雛は放り出されたようだ。周りを探しても雛の形をしたものは見つからず、推測するに、夜行性のボブキャットやコヨーテ、ガラガラヘビの獲物になってしまったとおもわれる。
                   
                  ベニタイランチョウ朝日浴びる
                  雛を失って寂しそうなベニタイランチョウの雄親。

                  ​雛を失った親鳥はしばらく巣の周りの枝に止まったり、巣のあった木の周りを雛を探しているかのように飛び回っていた。砂漠の天候の激しさ、自然界の厳しさをつくづく感じた日々である。砂漠の鳥たちは年2回営巣する種類が多く、たくましい彼らはまた新しい巣作りを始めるだろう。

                  カタリナ州立公園 2017年春 その(5)

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                    Birding Trail
                    ​春の使者 " Songbird " たちが戻って来て賑やかになった " Birding Trail "

                    ​3月も中旬が過ぎて「春分」近くになると、新緑が目につき " Songbird " (ソングバード)と呼ばれる歌のうまい春を告げる渡り鳥アメリカムシクイ ( Wood Warbler ) たちが中南米から戻って来る。そして私のカタリナ州立公園通いが忙しくなってくる。    " Birding Trail " は前が拓けた大きな " Wash " があり、背後は雑木と岩の斜面林となっているので、春の鳥たちにとっては素晴らしいエサ取り場となる。トレールからちょっと外れた林に入ると、半分枯れてる下草に悩まされる。草の丈がくるぶしまでかかり、しかも草の先が棘のように尖ってるので、これが靴下に着いたり靴の中へ入ったりすると非常に痛いのには参る。
                     
                    ベルモズモドキ
                    " Songbird " と呼ばれる春の渡り鳥の内、一番早く公園に現れるベルモズモドキ ( Bell's Vireo / Vireo bellii )

                    ​色が地味で特別特徴のない小さな鳥であるが、テリトリー意識が大変強く、短く単調な鳴き声で「ジュジュジュ・・」と一日中囀ってる。縄張りの境界は厳格で、オス同士が出会うと激しく争う。葉が密に茂ってる低灌木の中で囀ることが多く、落ち着きなく一声、二声囀るとすぐ枝移りするので、大きな鳴き声は聞こえるものの、双眼鏡で姿を捉えるのが難しい。
                     
                    Plumbeous Vireo
                    ​フタスジモズモドキ ( Plumbeous Vireo / Vireo plumbeous )

                    ​和名フタスジモズモドキは1990年代までは英名 " Solitary Vireo " と呼ばれる一種類であったが、繁殖地が3か所に分かれて、オーバーラップする地域が少ないので近年3種類の別種に分けられて、それぞれ異なる英名と学名がつけられた。写真の " Plumbeous Vireo " はアリゾナから北へかけての中西部の内陸に生息している。その他の2種類は渡りの時期にニューヨークでも数多く見られる " Blue headed Vireo / Vireo solitarius " と西太平洋側の北で主に繁殖する " Cassin's Vireo / Vireo cassinii " である。カタリナ州立公園で営巣が見られるのは写真の " Plumbeous Vireo " だけである。
                     
                    ルーシーアメリカムシクイ
                    ​「砂漠のアメリカムシクイ」と言われるルーシーアメリカムシクイ ( Lucy's Warbler )

                    ​主にアリゾナで見られるルーシーアメリカムシクイ、女性の名前からつけた鳥名で、日本のメジロ ( Zosterops japonicus ) より小さい。この " Songbird " も春一番に中南米から戻って来ると、単純な短いハイピッチな「チェ、チェ、チェ・・」という春の歌を聞かせてくれる。特別ソングスポットを決めずにせわしく枝移りしながら囀るため、落ち着いてじっくり観察するのが難しい。3月も終わりに近づくと砂漠はルーシーアメリカムシクイの囀りに包まれる。
                     
                    ルーシーアメリカの巣
                    2羽のヒナにエサを与えるルーシーアメリカムシクイ ( Vermivora luciae )

                    ​ルーシーアメリカムシクイはアリゾナの砂漠で繁殖する唯一のアメリカムシクイで、西側では唯一大きな木の割れ目や洞に営巣するアメリカムシクイである。大西洋側の東には唯一木の洞に営巣するオウゴンアメリカムシクイ ( Prothonotary Warbler ) がいるが、アメリカムシクイの仲間ではこの2種だけである。この写真のルーシーアメリカムシクイの巣はアメリカツリスガラ ( Verdin ) の古い巣を利用している珍しいケースで、巣穴の入り口が横についてる袋の形をしてる。丁度木の洞のような感じなので、チャッカリ巣に使用したものと思われる。
                     
                    ウイルソンアメリカムシクイ
                    西側で多く見られるウイルソンアメリカムシクイ ( Wilson's Warbler / Wilsonia pusilla ) の Pacific 型。

                    ​冬を中南米で過ごし、主に北カナダの大西洋沿岸から太平洋沿岸の針葉樹林帯で繁殖するウイルソンアメリカムシクイは、春と秋の渡りの時期にはほぼ全米で見られる。東側で多く見られるのは Taiga 型であるが、カタリナ州立公園で見られるのは Pacific 型である。顔から胸にかけて明るい黄色が特徴で、あまり人を怖がらず、しかも好奇心が強いのでバーダーのピッシング(口でピシピシピシという音を出す)によく反応して目の前の枝に現れる。非常に活発で尾を上げ下げしながら枝移りし、葉の裏についてる虫を拾い集める。黒いベレーボーのような頭と黒いボタンのような目が可愛いので人気者である。
                     
                    キイロアメリカムシクイ
                    全米ほとんどの地域でごく普通に見られるキイロアメリカムシクイ ( Yellow Warbler / Dendroica petechia )

                    ​キイロアメリカムシクイはアメリカムシクイの中でも一番繁殖地域が広く、北から南のカナダからメキシコまで、そして東から西への大西洋沿岸から太平洋沿岸までと,ほぼ全米どこでも見られるポピュラーな " Songbird " である。冬、中南米で過ごした後,
                    カタリナ州立公園に戻って来るキイロアメリカムシクイは " Southwest " 型で、胸の赤い筋が細くて薄くしかも少ない。灌木やよく茂った大きな木の中でエサ取りすることが多いが、あまり人を恐れず,高い枝のよく見える所をソングスポットにするので、大変見やすい。
                     

                    カタリナ州立公園 2017年春 その(4)

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                      Palo Verde
                      ​3月、早咲きのパロベルデ ( Palo Verde / Cercidium microphyllum ) の花が咲き始める。

                      幹、枝、葉、すべて同じ緑色の美しい木で、アリゾナの州の樹でもある。大サボテン、サワーロ ( Saguaro ) が林立するソノラ砂漠には特に多く見られる。3月に木いっぱいに咲く黄色い花は豪華で大変美しい。生育が早いので庭木に植える人が多いが、幹や枝が柔らかく、しかも強風に裂けやすいので我が家の庭には植えられてない。
                       
                      ズアカカンムリウズラーさえずり
                      ​霞がかった春の空に向かって思いっきりさえずるズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail ) 。

                      ​秋から冬にかけ群れでグラウンドでエサ取りしていたズアカカンムリウズラが、3月に入るとオス、メスがカップルになってオスがメスをエスコートしながら仲良くエサ取りする姿が見られるようになる。高い木の枝先に登り、テリトリー宣言のため、のんびりした高い声で「ウアー」と鳴く。短い単調な鳴き声であるが、砂漠によーく響く春の音色でもある。俳句の季語に「春昼」(しゅんちゅう)という言葉があったのを思い出す。まさに明るくのどかな春の昼に、日に当たってズアカカンムリウズラの鳴き声を聞いてると眠くなってくる。
                       
                      ズアカカンムリウズラー飛ぶ姿
                      ​テリトリー宣言が終わって、高い枝から飛び出し滑空するズアカカンムリウズラ ( Callipepla gambelii ) 。

                      ​ズアカカンムリウズラは体長28センチと日本のコジュケイとほぼ同じ大きさで、翼が短くて丸い体をしており、しかもほとんどグラウンドを歩いたり走ったりしながらエサ取りするのでとても飛ぶ鳥には見えない。ところが、けっこう飛翔力が強く、危険が迫って驚いたりするとかなりの高さと距離を飛ぶことがある。メスがエサ取りしてる間、近くの高い木の枝で囀り、メスが見えなくなるとこうして滑空しながらグラウンドへ降りて行く。この姿は3月の春しか見られない珍しい姿である。
                       
                      Oregon Junco - Dark
                      ​Dark-eyed Junco の一種ユキヒメドリ ( Oregon Junco, Dark Adult / Junco hyemalis oregonus ) 。

                      ​北米で見られるユキヒメドリ(英名 :Junco ジャンコ)は大きく分けて、目が黒い英名 " Dark-eyed Junco " と目が黄色いメキシコユキヒメドリ ( Ywllow-eyed Junco / Junco phaeonotus ) の2種類である。メキシコユキヒメドリは南アリゾナのごく限られた一部の標高1800メートル以上の針葉樹林帯に生息しているが、私がフィールドにしているレモン山(2900メートル)では一年中見られる。一方、平地のソノラ砂漠のカタリナ州立公園で見られるのはユキヒメドリの Dark-eyed Junco のみで、しかも主に冬の短い期間グラウンドでエサ取りしているのを見れるだけで、春先には早々と北へ渡って行ってしまう。
                       
                      Oregon Junco - Pale
                      正面から見ると大変かわいらしいユキヒメドリ ( Oregon Junco,Pale adult / Junco hyemalis oregonus )

                      ​ユキヒメドリ ( Dark-eyed Junco ) は色、大きさ、繁殖地などによって違いがあるので、7種類もの亜種に分けられている。和名は「ユキヒメドリ」一つであるが、英名はそれぞれ異なる名称が付けられてる。冬の間、カタリナ州立公園でごく普通に見られる3種類を除いて、他の4種類は主にコロラド地域で見られる " White-winged Junco " ( Junco hyemalis aikei ) , アリゾナで少数見られる " Gray-headed Junco ( Junco hyemalis caniceps ), そして、やはりアリゾナのごく限られた所で見られる " Red-backed Junco " ( Junco hyemalis dorsalis ), まだ私が見ていない " Guadalupe Junco " ( Junco hyemalis insularis ) である。
                       
                      Slate-colored Junco
                      グラウンドに落ちてる草の実を拾うユキヒメドリ ( Slate-colored Junco / Junco hyemalis hyemalis )

                      ​ニューヨークやボストン地域の東側からカリフォルニアの西側まで、全米にわたって最もごく普通に見られる亜種で、全体的に灰色で頭と体のコントラストがあまりない。昔住んでいた雪が降り積もるニューヨークの我が家の庭のフィーダーにもよくやって来たごく身近な庭鳥でもあった。
                       
                      Pink-sided Junco
                      ​ユキヒメドリ ( Pink-sided Junco / Junco hyemalis mearnsi )

                      ​Oregon Junco とよく似ているが、青灰色のフードを被って脇腹はピンクに近い赤茶色をしているのが特徴。主に冬の間アリゾナのソノラ砂漠の砂地で、他の Junco の群れに混じってエサ取りしていることが多い。ユキヒメドリ7種類の亜種は1970年代初めに「アメリカ鳥学会」 ( The American Ornithologist's Union ) によって分類されたもので、分類学上いまだに最終結論がでていない未解決状態の亜種でもある。
                       


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