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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ソノラ砂漠の珍しくて可愛い生き物 (上)

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    トレールとポケットネズミ

    早朝のカタリナ州立公園、トレール(遊歩道)を歩いている時、目の前を横切って草陰に隠れた小さな生き物を見つける。(赤い丸印

     

    写真の珍しい Arizona pocket Mouse ( Perognathus amplus ) は夜行性のため穴で生活することが多く、昼間はめったにお目にかかれない。しかも、体長13センチと非常に小さく、外敵(ガラガラヘビ、コヨーテ、ボブキャット、キツネ、スカンクなど)に出会ったり驚いたりすると直ぐ穴に入ってしまうか、草の陰でフリーズしてじっと動かないので大変見つけ難い。

     

     

    ポケットネズミ

    アリゾナポケットネズミ ( Arizina Pocket Mouse ) は南アリゾナ・ソノラ砂漠に生息する固有種である。

     

    餌(主に草の種や葉)を巣穴に運ぶために頬に小さな袋を持っており「ネズミ」に似てるので英名 " Pocket Mouse " と付けられてるが、実はネズミではなく「齧歯動物」 ( Heteromyidae ) の仲間で、北米には他の種がいない「地リス」( Ground Squairrels ) に近い独立種である。

     

     

    灌木の根元ポケットネズミ

    巣穴がある低い灌木の根元でじっとしている。(赤い矢印

     

    Arizona Pocket Mouse はミシシッピー川より西側の砂漠や平原に多く生息してる Little Pocket Mouse ( Perognathus logimembris ) の仲間であり、大きな体の Ord's Kangaroo Rat ( Dipodomys ordii ) によく似ている。巣穴は小さく昼間は土で入口を塞いで砂漠の日中の暑さと乾燥を防ぎ、穴の中の湿度を保っている。

     

     

    写真撮る小生とポケットネズミ

    しゃがんだ姿勢でカメラを構え、ポケットネズミが歩き出すのをじっと待つ。

     

    なかなか動こうとしないポケットネズミを、荒地の斜面で長時間待つのは非常にきつくて体がしびれて来る。周りには大きな鋭い棘を持ったサボテンが多く、手を付くことや腰を下ろすことが出来ない。しかも、近くの木の根や草の根には猛毒なガラガラヘビがいることもあるので、細心の注意をを払いながら常に周りにも気を配らなくてはならない。ソノラ砂漠はたとえ公園と言えども、出来る限り「人手」を入れず自然のままの状態が保たれてるので、色々な「生きもの」が暮しており、歩いていると思いもよらない「生きもの」に出会える楽しみが多い。

     

     

    ポケットネズミのアップ

    灰色が混じった淡い茶色のソフトな毛と、大きな黒い瞳が実に可愛い。

     

    ポケットネズミはネズミと異なる種類であり、その特徴は後ろの足が大きくて長い、そしてパワフルである。また、前足は短く、歩く場合や外敵から逃げる時などは、長い尾を使って体のバランスを保ちながら、カンガルーのようにホップ、ジャンプする。時には20センチ以上も跳ね上がることもある。彼らは水が少ない砂漠に住んでいるが、腎臓で「尿」を再生しそれを水分として使用出来るので、ほとんど水を飲まなくても大丈夫な体にできてる。


    謹賀新年 2019年元旦

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      カタリナ州立公園と雪山

      2019年新年、初雪のソノラ砂漠、カタリナ連山

       

      新年おめでとうございます。

      本年も皆様に南アリゾナの自然を少しでも多くご紹介するため精いっぱい努力する所存ですので、引き続きよろしく

      お願い申し上げあげます。

       

       

      サワーロと雪山

      今冬初の積雪が見られたカタリナ連山とマイフィールド・カタリナ州立公園のサボテン " Saguaro "

       

      南アリゾナは、31日大晦日の夜から降り出した雨が翌日の元旦の午前中いっぱい降ったので、新年の初日の出は見られなかった。翌2日の朝、今年初のマイフィールド(カタリナ州立公園)歩きをする。クリスマスまで暖かった南アリゾナも晦日の前日から朝方零下、日中も5度ぐらいしか気温が上がらない寒い日が続き、ソノラ砂漠も本格的な冬となった。巨大サボテン " Saguaro " 超しに見る雪景色は実に荒々しく荘厳で雄大である。この組み合わせは冬のソノラ砂漠でしか見られない美しいシーンで、北風に顔が突っ張る寒さも忘れてしばし見とれてしまう。

       

       

      キツツキ、サワーロ、雪山

      寒そうに Saguaro の天辺で雪空を見上げる砂漠のキツツキ、サバクシマセゲラ ( Gila Woodpecker / Melanerpes uropygialis )

       

      ツーソンを中心とする南アリゾナソノラ砂漠は東と南北に標高1500メートル以上の山が連なっている。冬に入ると、この山々が白化粧をした姿に変わり、砂漠も寒々としてくる。南アリゾナの冬は12月末から2月初旬までの一か月半と大変短い。一番寒いのは1月の「寒」に入った頃で、毎年一日か二日ぐらい平地にも雪が降る。元旦に降る雨や雪を昔の人は「御降(おさがり)」と言ったそうだが、書斎から「御降」を静かに眺め過ごす年始は、南アリゾナの例年と違って冬らしい趣があった。

       

       

      Brittlebush

      寒い雪空の中、岩場の斜面に咲く小さなヒマワリに似たキク科の Brittlebush ( Encelia farinosa )

       

      例年2月中旬ごろの春に一番早く咲く花であるが、新年にしかも冬空の中でこの花を目にするのは初めてである。

      南アリゾナの正月はあっさりとしたものである。大晦日はもちろん「除夜の鐘」、「紅白〜」もなく、夜中12時から打ち上げられる花火だけで、 " Happy New Year " である。暦の上の休日は元旦の一日だけ。二日は銀行、証券取引所などすべてのマーケットが開く「御用始め」である。

       

       

      Paper Flower

      例年だと4月に咲き始める Paper Flower ( Psilostrophe cooperi ) が正月にチラホラ咲いてるのにもびっくりした。

       

      英名 " Paper Flower " (ペーパーフラワー)は、花が終わりに近づくと白くなって紙の造花のようになるところから付けられた。

      今年の元旦の夜明けは,小雨降る中,屋根の上で盛んに雄雌で鳴き合うアメリカワシミミズク ( Great Horned Owl ) の声で目が覚めた。新しいと年が明ける嬉しいファンファーレでもあり、耳に心地よかった。冬のこの時期は鳥種が少ないが、山から下りて来てソノラ砂漠で冬を越すチャガシラヒメドリ ( Chipping Sparrow ), ブリューワーヒメドリ ( Brewer's Sparrrow ), ヒバリヒメドリ

      ( Lark Sparrow ), ノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow ), ミヤマシトド ( White-crowned Sparrow ) などの所謂 Sparrow 類の群れがグラウンドで餌取しては低灌木を飛び回っている姿を近くで見ることが出来る。

       

       

      Marigold

      朝方、零下まで気温が下がる冬でも、枯れずに花を咲かせる砂漠の野花 " Desert Marigold ( Baileya multiradiata )

       

      冬のキャニオン ( Canyon ) 歩きは大変疲れる。まず、早朝の歩きだしと昼近くに帰って来る時の寒暖の差が大変激しい。冬の日の出は遅いのでキャニオンでは7時頃となる。太陽が山の稜線から顔を出す時に気温が下がり零度(時には零下2度から3度)近くにもなる。セーター、厚手のハイキング用ジャケット、これに時にはマフラーとホカロンが必要で手袋も厚手となる。太陽が高く上がって気温が少しづつ上昇してくる10時頃になると、やっと体全部が暖まって来てホッとしてくる。岩に腰を下ろし、持参の熱いコーヒーを飲みながらボヤーと過ごす時間が心地よい。周りでは、やっとサボテンミソサザイ ( Cactus Wren ) , マルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher ), アメリカツリスガラ ( Verdin ), オグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher ) など砂漠の鳥が鳴き始める。12時過ぎる頃の帰り道は気温も20近くになるので防寒具のほとんどをリュックに押し込み、シャツ一枚しかも腕まくりをしないと暑いぐらいである。砂漠の気候は実に激しい。

       

       

      Mexican Gold Poppy

      新年には珍しく、一輪だけ咲いていた春の花、メキシカンポピー ( Mexican Gold Poppy / Eschscholtzia mexicana )

       

      山の岩肌に吹き付けた雪と、岩がごろごろして寒々とした風景のソノラ砂漠でも、足元を見ると幾つかの春の花が咲いているのには驚いた。昨年の秋からクリスマスにかけて暖かく例年以上に雨が多く降ったので、野花が春の到来を待ちきれず咲き始めてしまった・・と思われる。

       

       

      Roadrunner

      今年見た第一号の鳥、オオミチバシリ ( Greater Roadrunner / Geococcyx californianus )

       

      新年の歩きで最初に視界に入って来たのは、ソノラ砂漠の人気者ロードランナーであった。しかもドンドン寄って来て、肉眼で翅の細部まで見れるほどの距離まで近づいて来るのでドキドキした。餌となるトカゲや昆虫類が少なくなる冬の砂漠では、エサ探しに苦労するようで人間の存在など無頓着、ゆっくり歩きながら木の上や幹、グラウンドなどを見つめながら何か動くものは居ないか・・懸命にエサ探しをする。幸先の良い今年の鳥見のスタートであり、砂漠の新年に相応しい鳥に最高の状況で出会えたので、大変満足した歩きとなった。


      ハッピーホリデー( Happy Holidays ) 2018年クリスマス

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        クリスマスカード

        早いものでもう年の瀬となりました。今年も私のブログを見ていただきありがとうございました。こちらは12月に入ってホリデーシーズンとなり多くの人々が休暇を取って旅に出たり、パーティーをしたり、一年で一番楽しい月です。

         

         

        カタリナ公園の紅葉

        12月に入って見られるソノラ砂漠ならではの巨大サボテン " Saguaro " と美しい紅葉

         

        そしてこの時期、愛鳥家にとっては「クリスマス・バードカウント」 ( Christmas Bird Count ) という大きなイベントがある。1900年に始まった長い歴史を持つイベントで、今年はその119回目にあたり、12月14日から来年の1月5日まで行われる。アメリカ合衆国、カナダ、カリブ海の島、太平洋の島で行われる鳥の国勢調査のようなもので、オーデュボン協会 ( The National Audubon Society ) が主催する。参加登録したグループが一日(24時間)で見た鳥の数、種類を全て記録して報告する。私が住んでるアリゾナ州は12月15日に行われた。ちなみに、昨年前回(118回目)の記録では、参加人員数76,987人(アメリカ合衆国58,719人、カナダ14,264人、その他4004人)で、2,585件のレポートが提出され、見られた鳥の数は59.242,067羽、鳥種は2,673種類が報告されている。

         

         

        12月の夕焼け空

        クリスマスイブの南アリゾナソノラ砂漠の夕焼け空。12月のソノラ砂漠の天候は、通常ドライで抜けるような青空の毎日であるが、

        今年は例年より雨の日が多く、12月としては珍しい美しい夕焼け空が見られた。夕陽を見て、コヨーテ ( Coyote ) の遠吠えを聞きながら迎えるクリスマスイブ、何とも言えない不思議な気持ちがする。


        ソノラ砂漠のオアシス・スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その4)最終

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          ロードランナー蜥蜴を銜える

          トカゲを銜えて目の前に現れたオオミチバシリ ( Greater Roadrunner / Geococcyx californianus )

           

          南アリゾナの人気者ロードランナー、テキサスからアリゾナ、カリフォルニア、そしてメキシコの乾燥した砂漠地帯に生息するポピュラーなジカッコウの仲間である。めったに飛ばないでグラウンドを歩き大きな木の陰に入ってじっと休んでたりすると、体色が地面の色に近くてカモフラージュされてるので以外と見つけ難い。スイートウオーターにいる個体は割と人馴れしていて、ちょくちょく人前に出て来るので見やすく写真も撮りやすい。

           

           

          ロードランナー後ろ姿

          獲物を見せてくれた後、後ろを向いて得意げに長い尾を左右に振りながら去って行った。

           

          ロードランナーは可愛くて愛嬌のある鳥であり、獲物を捕ると得意げに見せに近寄って来ることがある。主な食べ物はトカゲ、ヘビ(特に猛毒なガラガラヘビを好む)小鳥、ネズミ、リスなどの動物食である。尾が長くキジ ( Phasianus versicolor ) のように歩くが、大きさはキジの三分の二程度しかない。囀りは冴えない低い声でハトのように「クークークー」と最後が消えるように下がるので、フィールドでは聞きなれてないとほとんど耳に入って来ない。

           

           

          Aberts Towhee

          南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないメグロトウヒチョウ ( Abert's Towhee / Pipilo aberti )

           

          この希少種のトウヒチョウは、スイートウオーターでは毎年繁殖をしてるので写真を撮れる機会が多い。しかし、非常に臆病な鳥で、何時もこそこそしていて、ちょっとでも外敵の気配がすると驚いて直ぐ近くの藪の隠れ場所へ走り去ってしまうので見るのに苦労する。日本のツグミ ( Turdus naumanni ) と同じ大きさで、地面ををかいたり落ち葉をひっくり返して種や草の実、虫などを取り出して食べる。

           

           

          Western Kingbird

          北米の西側で主に見られる最もポピュラーなタイランチョウのニシタイランチョウ ( Western Kingbird / Tyrannus verticalis )

           

          スイートウオーターでは春に中米から戻てくる夏鳥である。大変環境の変化への順応性が高く、郊外の住宅街や公園でも目にすることがある。町ではエサ取りのために止まる高い木の枝に代わって高い塀や電線に止まってることが多々あり、しかも、電柱や他の人工物を巣作りの場所に利用している。エサ取り方法は木の枝や電線にじっと止まり虫の動きを見て、見つけると飛び出して空中で捕まえ、またもとの枝に戻る。又、しばしばグラウンドの上でホバリングして虫を掬い上げる芸当もする。求愛行動が大変大袈裟で、矢のように上空へ飛んで行き、翼を震わせながら鳴く。

           

           

          Yellow-rumped Warbler

          水浴びをするキヅタアメリカムシクイ ( Yellow-rumped Warbler / Dendroica coronata )

           

          スイートウオーターには幾つかの水の流れがあり、砂漠の鳥たちにとっても貴重な水場となっている。腰を下ろしてじっとしてると、次から次へと色々な鳥たちが水飲みにまた水浴びにやって来る。キヅタアメリカムシクイは写真のように喉が黄色い " Audubon's Warbler " と喉が白い " Myrtle Warbler " の2種類が居る。以前は別々に分けられていたが、今は " Yellow-rumped Warbler " 一種となった。 " Myrtle Warbler " は主にニューヨークなどの東側で見られ、アリゾナには大変少ない。日本のウグイス( Cettia diphone ) とほゞ同じ大きさか少し小さい。

           

           

          Common Yellowthroat

          臆病な鳥で、周りを気にしながら少しづつ水辺に近づいて来るカオグロアメリカムシクイ ( Common Yellowthroat / Geothlypis trichas )

           

          水辺の低灌木を好むので、スイートウオーターには数組のペアーが営巣している。地域による亜種が多く、南アリゾナで見られるのは

          " chryseola " 種である。大きい草や灌木の幹を垂直に登りながら虫やクモなどを探す。また、時には空中を飛んでる虫をフライングキャッチすることもある。

           

           

          Orange-crowned Warbler

          水浴びするサメズアカアメリカムシクイ ( Orange-crowned Warbler / Vermivora celata )

           

          南アリゾナでは主に冬の間だけ見られる渡り鳥で、夏には繁殖のためカナダ、アラスカへ北上して行く。南アリゾナで見られるのは明るい黄色の亜種 " lutescens " である。アメリカムシクイの多くは高い木のキャヌピーでエサ取りするが、サメズアカアメリカムシクイは低い枝を好み、時にはグラウンドでエサ取りすることもある。

           

           

          Coopers Hawk

          日本のキジバトより小さいクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii )

           

          スイートウオーターでは猛禽類も近くで見ることが出来る。留鳥のクーパーハイタカは町の公園や人家近くでもごく普通に見られる鷹で、庭のフィーダーに集まって来る鳥(特にナゲキバト)を狙ってちょくちょく庭でハンティングすることがある。多くの鷹は空をソワリングしながら獲物を探すが、クーパーハイタカはソワリングはほとんどせず、鬱蒼と葉の茂った木の枝のしかも幹に近い所に止まり、じっと静かに待ちながら獲物の動きを見る所謂待ち伏せスタイルで、獲物を見つけると、素早くダッシュして木と木の間を低く曲芸飛行のように凄いスピードで獲物に襲い、足の爪で捕獲する。

           

           

          ワシミミズクの巣と雛

          大きなユーカリの木、鷹の古巣を利用したアメリカワシミミズク ( Great Horned Owl / Bubo virginianus ) の巣と雛

           

          アメリカワシミミズクは大きな木が少ない南アリゾナソノラ砂漠では巨大サボテン " Saguaro " に造られたモモアカノスリ

          ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus ) やワタリガラス ( Common Raven / Corvus lorax ) の古巣を利用することが多い。人家の庭の低灌木でも見られるポピュラーなフクロウであり、秋から冬にかけては特に雄・雌で夜ごと屋根の上で鳴き合うので大変身近な鳥でもある。

           

           

          ワシミミズクの親

          雛の頭上の枝でじーと私を見ているアメリカワシミミズクの雌親

           

          全米の広い地域で見られるポピュラーな大型のフクロウで、日本で迷鳥として記録があるワシミミズク ( Bubo bubo ) より小さい。主たる獲物はスカンクなど大きな動物からリス、ネズミまで幅広く食べる。秋になると庭の灌木の豆が下に落ち、野ネズミの Cacutus Mouse がそれを食べに庭に現れるので,それを狙ってアメリカワシミミズクが夜頻繁に庭に来てくれる。


          ソノラ砂漠のオアシス・スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その3)

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            風景トレール

            よく整備されてるトレールの一部は舗装されてるので車椅子でのバーディングも可能。

             

            砂漠のウエットランド「スイートウオーター」は大小10以上の池があり、それらを取り巻くように全長2キロ近いトレールが造られてる。池には「ガマ」が密生しており、水辺には大きなユーカリの木やポプラの仲間「ハヒロハコヤナギ」そして低灌木も点在してるので水鳥だけでなく小鳥たちの絶好のエサ場となっている。

             

             

            killdeer

            水辺のグラウンドに営巣するフタオビチドリ ( Killdeer / Charadrius vociferus )

             

            北はアラスカのツンドラ地帯から南はアリゾナまでの全米広い地域でごく普通に見られるチドリで、草原や海岸の砂浜、河川、湖沼、町の公園など、どこでも見られるポピュラーな鳥である。和名の由来である二本の太い黒い帯が特徴で、英名 " Killdeer " (キルディア)はその甲高い声からつけられた。日本全国広く分布しているシロチドリ ( Charadrius alexandrinus ) よりずーと大きい。小走りしては止まって私を見たり、私の歩く音を聞いたりして突然嘴でトントンとグラウンドを突っついていた。

             

             

            Chick of Killdeer

            生まれたばかりのフタオビチドリの雛

             

            巣は開けたグラウンドで、砂礫の上に直に卵を産む。孵化した雛はすぐ歩き始めてよく走る。主な食べ物は虫で、親から直に与えられていた。雛に近づくと、親は翼が傷ついたような擬態をして、尾を広げ足を引き摺ってヨタヨタ歩き出した。私を雛から遠ざけるためのようなので、一枚だけ写真を撮らせてもらって直ぐその場を退散した。

             

             

            Red-winged Blackbird

            両肩の赤い羽を大きく膨らませて囀るハゴロモガラス ( Red-winged Blackbird / Agelaius phoeniceus )

             

            ハゴロモガラスは全米で一番数の多い鳥の一種で、全米各地の湿地帯、水辺でごく普通に見られる。「スイートウオーター」では群れを成して営巣している。日本のツグミ ( Turdus naumann ) より小さいが、囀りはよく通る大きな声で「コンコリーン」となくので大変目立つ。繁殖期に雄は雌の前で肩の赤いパッチを膨らませるが、この赤い面積が大きいほど雌にもてるようである。

             

             

            Great-tailed Grackle - Male

            英名の由来である、非常に大きな尾を持つオナガクロムクドリモドキ ( Great-tailed Grackle / Quiscalus mexicanus ) の雄

             

            北米のテキサスから西側の南部地域でごく普通に見られる鳥種で、南アリゾナではスーパーマーケットの大きな駐車場にもおり、腰を振りながら地面を歩き、人々が落としていく食べ物を拾って食べている。主なエサは虫、カタツムリ、小魚、カエル、果実など、時々他の小鳥が捕った獲物を盗むのが得意である。

             

             

            Great-tailed Grackle - Female

            雄と異なり全身薄い茶色一色のオナガクロムクドリモドキの雌

             

            開けたグラウンドを好んで歩き回るが、風が強い日など、大きな尾に風が当たって「風見鶏」のように左右に体を回すことがあり、見ていて思わず笑ってしまう。群れで行動してることが多く、大きな通る声で「キーキーキー」と鳴き合うので非常に騒々しい。繁殖期に雌を観察してると、ちょくちょく他の鳥の巣材を盛んに盗んでいるのが見られる。

             

             

            Ladder-backed Woodpecker

            砂漠のキツツキと言われるシマアカゲラ ( Ladder-backed Woodpecker / Picoides scalaris ) 雄

             

            美しい白黒の縞模様の背中と可愛らしい赤い帽子を被ったキツツキで、サボテンが生えていて低灌木が点在する乾燥した砂漠を好む。テキサスからアリゾナ、カリフォルニアの南部地域で年中見られる留鳥である。日本のコゲラ ( Dendrocopos kizuki ) より大きい。雄と雌でエサ取りするスポットが異なる面白い習性を持っている。雄は木の低い枝や時にはグラウンドに下りてきて虫(特に蟻)を食べるが、雌は高い枝で他のキツツキと同様、樹皮を突っついて虫を拾い集める。また、雄と雌両方ともサボテンの実をよく食べ水分の補給をしているので、庭の水場にはほとんど姿を現さない。

             

             

            Song Sparrow

            名前の通り美しい歌を聞かせてくれるウタスズメ ( Song Sparrow / Melospiza melodia )

             

            大変数が多く、全米ほとんどの地域で見られるポピュラーな鳥である。また、31種類と亜種が多いが、南アリゾナの砂漠で見られる亜種は " Saltonis " で全体が薄い茶色。日本のホオジロ ( Emberiza cioides ) と同じ大きさ。クリアーな口笛のような音色で囀るので遠くに居てもよく聞こえてくる。

             

             

            Cottontail

            カメラを気にしながらものんびりと草を食べるサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii )

             

            早朝のスイートウオーターは色々な動物に会える。コヨーテ、ボブキャット、キツネなどが時々目の前をチラッと横切って灌木の中へ入ってしまい、なかなかシャッターチャンスを与えてくれない。砂漠の動物は夜行性が多いので、いつも彼らの朝帰りの姿を見るだけであるから、ゆっくり写真が撮れないのは仕方ないのかもしれない。


            ソノラ砂漠のオアシス・スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その2)

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              スイートウオーターの池

              ハシビロガモ ( Northern Shoveler / Anas clypeata ) が泳ぐスイートウオーターの池

               

              ガマ ( Cattails ) が鬱蒼と茂る池は水鳥達の隠れ場がであり、トンボなど水辺の昆虫が豊富である。水鳥を驚かさないようトレールがよく整備されており、幾つかの観察プラットホームが池に張り出していて、鳥たちがのんびりエサ取りや水浴びする姿をゆっくり撮影することが出来る。

               

               

              アカオタテガモ羽繕い

              羽繕いするアカオタテガモの雄 ( Ruddy Dack )

               

              全米各地で見られるポピュラーなカモで、南アリゾナでは冬の間群れで見られる。日本のコガモ ( Anas crecca ) より少し大きい。丸っこくて大きな頭、青くて広い嘴、ピンと真っ直ぐ上に立てる長い尾が特徴の愛嬌のある美しいカモである。

               

               

              アカオタテガモ水浴び

              水浴びを始めようと立ち上がるアカオタテガモ雄 ( Oxyura jamaicensis )

               

              主な食べ物は水草類や植物で、カイツブリのようにゆっくり潜ってエサ取りをする。驚くと、飛ばないで潜って水中を泳いで逃げる。可愛らしい灰色の足は体の真下についてるので地上を直立して歩けない。

               

               

              アカオタテガモ雌

              アカオタテガモの雌

               

              雄のような色の派手さはないが、縫いぐるみのようで実に可愛らしい。雌は雄よりフレンドリーで、こちらが動かないでじっとしてると、近くまで寄って来ることがしばしばある。

               

               

              アカシマアジ雄と雌

              アカシマアジ ( Cinnamon Teal ) の雄と雌

               

              雄は頭と首、体の下部が赤みがかった褐色で、遠くからでも目立つ。北米では主に西側の湖沼、池などでごく普通に見られる。日本のコガモとカルガモ ( Anas poecilorhyncha ) との中間ぐらいの大きさである。

               

               

              アカシマアジ雄

              陽に当たると赤みが増すアカシマアジ雄 ( Anas cyanoptera )

               

              アカシマアジとアカオタテガモは唯一北アメリカと南アメリカ両方で繫殖するカモである。主な食べ物は水草の種、虫、エビ、カニ類で、泳ぎながら嘴で水を掬うようにしてエサ取りを行う。驚いて水から飛び立つ時は、水面から助走なしで直接一気に飛び上がる。

               

               

              コスズガモ雄と雌

              コスズガモ ( Lesser Scaup ) の雄と雌

               

              南アリゾナではほとんど見ることが稀なスズガモ ( Greater Scaup / Aythya marila ) と非常に似ているので慣れないと識別に苦労するが、コスズガモは体が小さいのと頭の後が尖って盛り上がってるのが特徴。

               

               

              コスズガモ雄

              日本では迷鳥として記録があるミカズキシマアジ雄 ( Blue-winged Teal / Anas discors ) 

               

              夏は全米の広い地域の湖沼や池、河川、内湾で見られ、冬には南テキサスから南アリゾナで越冬する。日本で冬鳥として全国に渡来するコガモ ( Anas crecca) とほぼ同じ大きさ。和名の「ミカズキシマアジ」の由来である三日月形の白斑が嘴の付け根から眼先にかけてあり,よく目立つので見つけやすい。


              ソノラ砂漠のオアシス、スイートウオーター水再生処理場 2018年春(その1)

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                スイートウオーター案内板

                「ようこそ!スイートウオーター湿地へ」の入口看板

                 

                " Sweetwater Wetlands " はツーソン市の西、サンタクルーズ川沿いにある人造湖である。ここは1996年ツーソン市によって造られた水再生処理場で、色々な野生生物が生息できるようにデザインされてるので、南アリゾナの冬から春の「ベストバーディングスポット」の一つと言われている。南アリゾナは年間平均降雨量がたった30センチと低いので、水は非常に貴重である。そこで、一度使われた水をリサイクルして不純物をろ過して取り除き、きれいな水に再生した上で主にツーソンのゴルフ場や公園、学校などに配水され、飲み水以外の水として使用されている。ここは幾つかの池の周りを中心に緑が豊富な自然公園に造られていて、学校の郊外授業に利用され、環境と生態学を子供たちに教える場所も提供している。

                 

                 

                トレールマップ案内図

                 

                湿地に生息する色々な生き物が観察出来るトレールのマップ

                 

                南アリゾナ・ソノラ砂漠には大きな湖や池などがほとんどないので、何百羽の渡りの水鳥達が冬になるとスイートウオーターに集まる。ここでは年間250種類の鳥が見られ、鳥と人間の距離が大変近いので写真撮影も存分楽しめる。しかも、日本の町中の公園のように、大きな三脚とカメラを持って鳥を追い回すカメラマンはほとんど見たことがない。ここはツーソンの町から最も近い有名なバーディングスポットであるが、ウイークデーは人が少なくゆっくり「生きもの」を観察出来るのがありがたい。今回は、この魅力あふれる町中の公園「スイートウオーター」の鳥たちを紹介したい。

                 

                 

                ササゴイ

                スイートウオーター・ウエットランドで越冬するササゴイ ( Green Heron /  Butorides virescens )

                 

                日本に夏鳥とでして渡来するササゴイ( Butorides striatus ) と同じ仲間であるが、それより小さく、頭と首が濃い栗色で美しい。獲物を捕る時の仕草が大変おもしろい。ゆっくり歩きそして水の中で静かに動かずに獲物が近づくのを待ち、近づいたら素早く一突きで捕る。時々水面に張り出してる枝にじっと止まって水面を見つめながら獲物を待っている姿も見うけられる。

                 

                 

                ユキコサギ

                毎年冬にメキシコへ渡って行く途中「スイートウオーターウエットランド」に寄るユキコサギ ( Snowy Egret / Egretta thula )

                 

                全米の沿岸でごく普通に見られる鷺であり、よく似ている日本のコサギ ( Egretta garzetta ) とほぼ同じ大きさである。北米で一番美しい鷺と言われ、繁殖期の飾り羽は特に美しく歩く姿は実に優雅である。19世紀後半から20世紀にかけて,そのソフトでレースのような美しい飾り羽が装飾品となり、ハンターに狙われてその数が激減したことがあった。主なエサはエビやカニ、小魚、昆虫類で、水の中を走るように活発に動いては止まり、水中の獲物を鋭い嘴で突き,それを振りながら飲み込んでいく。

                 

                 

                アメリカオオバン

                水浴び中のアメリカオオバン ( American Coot / Fulica americana )

                 

                全米の湖、沼、河川などの淡水域でごく普通に見られ、南アリゾナでも年間を通して見られる。日本のオオバン ( Fulica atra ) と同じ大きさである。泳いだり歩いたりする時、小さな頭を鶏のように前後に動かす。主なるエサは水草の葉や種、根などで時には昆虫、小魚、両生類なども食べる。浅瀬の水に頭と首を突っ込んで尾の先を上にあげてエサ取りするが、時には3メートルから7メートル近く潜ることもある。

                 

                 

                オビハシカイツブリ

                オビハシカイツブリ ( Pied-billed Grebe / Podilymbus podiceps )

                 

                全米で見られるポピュラーなカイツブリで、南アリゾナでは冬に公園の池やゴルフ場の池などに群れでいることが多い。日本のカイツブリ ( Tachybaptus ruficollis ) よりずっと小さい。英名、和名の由来である嘴の黒い帯が特徴。水草や小魚、カニ、エビなどを主に食べ、水中に潜って足をプロペラのように動かして進みながらエサ取りをする。鷹や人に驚くと、頭だけ水面上に出して体を水面下に沈めながら逃げて行く。

                 

                 

                オビハシカイツブリ2

                水浴びを始めるオビハシカイツブリ

                 

                冬に群れでいる時はとてもフレンドリーで、カメラを構えて静かに待っていると、驚くほど近くまで寄って来てくれる。そんな可愛い仕草に、ついつい撮影を忘れて長時間見とれてしまうことがある。


                意外と身近に居る猛毒なガラガラヘビ 2018年夏

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                  ガラガラヘビと留見子

                  マイフィールドの早朝、トレールに出てきてとぐろを巻くガラガラヘビ。もう少しで踏みそうになり冷や汗をかいた。

                   

                  アリゾナソノラ砂漠で見られるガラガラヘビは和名「西ヒシモンガラガラヘビ」で、菱形の紋の模様から名づけられた。英名 " Western Diamondback Rattlesnake " 学名 " Crotalus atrox " 通称 " Arizona Diamond Rattlesnake " とも呼ばれており、主に南アリゾナなど北米の南西部とメキシコに分布している猛毒なへびである。

                   

                   

                  留見子の前横切るガラガラヘビ

                  Wash (乾いた川)を横切って行く西ヒシモンガラガラヘビ、こわごわと双眼鏡で見るバーダー

                   

                  ガラガラヘビは夜行性のため昼間はほとんどお目にかかれないが、朝早い時間帯や夕方のバーディングではちょくちょく遭遇することがある。特に春、夏、彼らは活発にエサ取りをするので、鳥見歩きも細心の注意が必要となる。バーダーたちはしばしば鳥探しに夢中になり、よく整備された正規のトレールから外れて、ラフな馬用のトレール( Horse Trail )や Wash を歩く。こんな時しばしばガラガラヘビにお目にかかることがあり、鳥の姿を双眼鏡で追うのと同時に、常に足元や周りを気にしながら歩かなくてはならない。南アリゾナでのバードウオッチングは決して気楽な自然探索ではない。

                   

                   

                  灌木の根元ガラガラヘビ

                  低灌木の根元で静かに獲物を狙う西ヒシモンガラガラヘビ。

                   

                  昼間はこうして木の根元に居ることが多いが、土の色と同じ灰色がかった茶色でカモフラージュされてるので、見慣れないとなかなか見つけ難い。ただ性格はおとなしく向こうから襲ってくることはほとんどない。私の経験から、ガラガラヘビを見つけたらスティックで突っついたり足で蹴ったりしないで、静かに距離(40センチ以上)を保っていれば怖がることは一切ない。

                   

                   

                  ガラガラヘビの尾

                  西ヒシモンガラガラヘビの特徴である尾

                   

                  白黒の美しい縞模様の尾は、西ヒシモンガラガラヘビの特徴である。そのため愛称「アライグマの尾をしたガラガラヘビ」 " Coontail Rattler " とも呼ばれている。白黒の尾の先に付いてるプラスチックのキャップのような突起、これを振って音を出し、外敵に警告を発する。和名はその音から「ガラガラヘビ」と言われるが、実際にフィールドで聞くと、その音はホースで水を出してる時の音「シュル、シュル、シュル…」に似ている。今までの経験ではフィールドで彼らに出会う時、かなり近づかないとなかなか警戒音は出さない。ほとんど目が見えないので静かにとぐろを巻いて何時でもジャンプ出来る状態でいる。しかし、特に若いヘビは警戒音を全く出さない個体もいるので気は抜けない。

                   

                   

                  庭のホップブッシュ

                  6月の朝、ハミングバードのフィーダーの砂糖水を取り換えてる時、すぐ横の灌木ホップブッシュの根元(赤い矢印)にガラガラヘビが隠れてるのを見つける。

                   

                  ヒシモンガラガラヘビは夏のモンスーン期が特に活発で、毎年1〜2度は庭に入って来るのでこの時期のガーディニングは非常に注意を払わなくてはならない。恵みの雨のおかげで灌木の新芽が出てくるのと同時に、雑草が一挙にウワーと生えるので草取りをしなくてはならず、ガーディニングといえども少々緊張する作業となる。アメリカ人の多くは庭に除草剤を撒いて手っ取り早く草を枯らしてしまうが、近年この除草剤がミツバチを殺してしまい、その数が激減してきてる問題が生じている。庭には色々な昆虫が住んでるのと、これを食べに鳥やトカゲが庭に来るのでそれらへの悪影響を考えると、出来る限り除草剤、殺虫剤は使わないようにしている。庭の環境破壊を防ぐためにも「雑草は一本一本手で抜くしかない!」と自分に言い聞かせながら・・・重労働に耐えている。

                   

                   

                  庭に出たガラガラヘビ

                  ホップブッシュの根元で隠れるようにしてとぐろを巻く西ヒシモンガラガラヘビ。

                   

                  ガラガラヘビは夜行性なのと、人家の周りにはあまり近づかないので庭で目にすることは少ないが、噛みつかれると少々厄介なのであまり庭に入って来てほしくない「生きもの」ではある!噛みついた時に出す分泌液が神経組織を壊すので血管や心臓、筋肉などが駄目になり呼吸困難となってしまう。そして噛まれたらすぐ救急病院へ行き、解毒剤の投薬を受けないと死に至ることがある。しかも、この費用が非常に高価で3百万円から5百万円ぐらい最低でも掛かり健康保険も効かないので家計上大変なことにもなる。

                   

                   

                  ガラガラヘビ捕獲器

                  ガラガラヘビはもちろん手でつかめないので、特殊な捕獲器を使わなくてはならない。

                   

                  この捕獲器はスーパーマーケットなどどこでも手に入るポピュラーなもので、南アリゾナではヒシモンガラガラヘビが如何に身近な「生きもの」であるか・・・が判る。捕獲器は取っ手を握ると棒の先が開き、バネガ効いてヘビを挟むことが出来る。とぐろを巻いてるヘビをジャンプして襲ってくる前に手早くその形のまま挟まないと危険なので少々勇気とコツがいる。

                   

                   

                  捕獲器挟まれたガラガラヘビ

                  捕獲器に挟まれて木の根元から取り出された西ヒシモンガラガラヘビ。

                   

                  町の郊外の住宅街でも年に数件はガラガラヘビに噛まれる事故は起きてる。夜中ガレージのシャッターを開けっ放しで家の中に入られたり、街灯も点けない真っ暗な玄関や庭に出て、ガラガラヘビが居るのも気が付かずに踏んだりして噛まれるケースがほとんどである。また、飼い犬を夜庭に放して噛まれることはよくあり、ここでは飼い犬をガラガラヘビには近寄らないための訓練を受けさせないとならない。兎に角、彼らの習性をよく判っていれば日々の生活で危険な目に会うことは少ない。彼らも私たちと同じ砂漠に暮らしている「生きもの」、しかも自然界の食物連鎖の上で大切な「生きもの」なので間違っても殺すことは出来ない。

                   

                   

                  箱に入れられたガラガラヘビ

                  移動用プラスチックの箱に入れられた西ヒシモンガラガラヘビ、特徴の背中のひし形紋、縞模様の尾も大きくて、立派に成長した個体であった。

                   

                  西ヒシモンガラガラヘビは州法で殺すことが禁じられており、人家の庭に現れると消防署に電話して係員に来てもらって捕獲してもらう。もちろん有料であるが、慣れない手つきで恐々と捕獲器でヘビを捕まえようとして失敗し嚙まれた例が結構多くあるので「触らぬ神に祟りなし」である。たまたま私には爬虫類が大好きで、ガラガラヘビの捕獲を得意とする友人がいるので、今回も彼に頼んで来てもらい、素早く捕まえて二度と庭に入って来ないよう15キロ以上離れた場所(主に州立公園や国有林)へ運び砂漠へ返してもらった。これは砂漠で暮らす私たちにとって、そこで同じく生活している「生きもの」に対する礼儀の一つでもある。


                  パティオの花のポットにズアカカンムリウズラの巣 2018年夏(その3)最終

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                    バケツから出るズアカカンムリウズ雛

                     バケツの中の雛たちを親の近くに戻してやる。

                     

                    花のポットの巣から取り出し、バケツに入れた巣立ちしたての雛たちを、警戒しながらウロウロ歩いてる雄雌の親の近くに放してやる。元気に勢い良くバケツから飛び出して走る雛(右の赤い矢印)、また、巣から出れず、数時間格闘して疲れ果てたのか・・・ヨタヨタ出て行く雛(左赤い矢印)、ほとんど警戒心もなくゆっくり歩いて行く雛・・・と色々個性があって見ていて面白い。

                     

                     

                    雄親と雛2羽

                    雌親の傍に速足で走って行く雛(左)、パニックに疲れたようで、目を閉じて半分眠りながら歩いて行く雛(右)。

                     

                    バケツから出た雛たちは、親の姿を見て安心したらしく直ぐに落ち着いた。また、雄親も鳴くのを止めて雛が傍に来るのをじっと待っていた。一方雌親は、ポットに戻り巣に残ってる雛は居ないか・・・?と最終チェックをしている姿には大変驚いた。

                     

                     

                    庭歩くズアカカンムリウズラ雛1

                    何処に親が居るのか判らず、親を求めて反対方向へ歩き始めた雛。8羽も雛がいると、親も目が行き届かない。

                     

                     

                     

                    どの世界にもドジな奴は居るもんで、どんどん親の居る方と逆に歩く雛。仕方なく私が手をゆっくり振り、親の方へ誘導してやらなくてはならない。これも今回のレスキュー作戦の一環でもある。

                     

                     

                    雌親と寝るズアカカンムリウズラ雛

                    庭の片隅で、巣立ち後最初の夜を過ごす雌親と雛たち。

                     

                    巣離れがすっかり遅くなり、暗くなってしまったので庭から出ることが出来ず、ホップブッシュの根元で雌親にくっついて雛たちは眠り始めた。時計を見ると午後7時半、2時頃の雛の誕生から始まって何と5時間以上に渡った巣立ちの格闘であった。翌朝、太陽が昇る前の薄暗い時に庭をチャックすると、ウズラの親子の姿は全く見られなかった。外敵がたくさんいる砂漠に出て行った雛8羽、無事育ってくれることを祈るだけである。

                     

                     

                    滝の水飲むズアカカンムリウズラ親子

                    巣立ち一週間後、雌親に連れられた雛3羽が水場に現れた。

                     

                    ズアカカンムリウズラの雛たちが巣立ちして庭を離れてから一週間後、親に連れられた雛3羽が庭に現れ、30分間ほど水場で水を飲みゆっくりエサ取りして庭を出て行った。親子が無事であったことでホッとして胸を撫で下ろす。秋になると、彼らは他のカンムリウズラの家族と一緒になり大きな群れで冬を越す。冬にトレールを歩いていると、足元から「ブルルル・・・」という大きな羽音を立てて一斉に群れが飛び立つことがあり、その凄い音にびっくりさせされる。

                     

                     

                    滝の水飲むズアカカンムリウズラ雛

                    うまそうに水を飲む雛たち。

                     

                    雛たちはどうしているのかな・・・?と思いながら毎朝巣のあったポットを見ていたが、やっと無事に少し大きくなった姿を見せてくれたのには感激した。しかし、8羽巣だっていった雛がたった3羽しか残ってないのには少々がっかりした。何しろズアカカンムリウズラの平均寿命はたった1.5年の短さで、しかも最初の半年の死亡率が非常に高いので、雛にとってはなかなか厳しい一生である。アリゾナ州では今でも狩猟鳥で、秋から冬のハンターシーズンの125日間だけ、一人一日当たり15羽限度で狩猟が許されている。


                    パティオの花のポットにズアカカンムリウズラの巣 2018年夏 (その2)

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                      ズアカカンムリウズラの卵

                      雌が巣に座り始めて15日目、5月20日に卵が8個となった。

                       

                      ポットのズアカカンムリウズラは、一日、時には2日に一個の割合で卵を産んでいった。通常平均12個から14個の卵を産むが、今回は8個と少ない。冬の間がドライかウエットによって卵の数が違ってくるようで、ウエットの冬は卵の数は増えるが、昨冬は雨があまり降らなかったためか・・?たった8個と少ない。

                       

                       

                      孵化したズアカカンムリウズラの雛

                      雌が抱卵し始めて21日目の6月10日、卵が孵って雛が誕生

                       

                      雌が本格的に抱卵し始めて18日目頃から巣に座ってる時間が長くなり、朝から夕方5時近くまで、何時エサ取りに出て行くのだろう?・・と心配になるぐらい長時間座っていた。しかし、雛の孵化には卵の表面の温度が32度から38度がベストで、気温が低い朝から午前中はしっかり座って卵を温めていたが、昼、大気が40度近くになると雌親は座るのを止めてポットの淵に上がり卵の表面を冷やしてる様子だった。また、気温が高くなるとエサ取りに出掛けてしまって、外気温が下がる夕方遅くまで長時間巣を留守にすることも多かった。

                       

                       

                      巣から出ようとするズアカカンムリウズラの雛

                      雛はエレファントツリーの生い茂った枝の間から何とかポットの外へ飛び出そうとジャンプを繰り返す。

                       

                      卵はほぼ同時に次から次へと2時間で全て8個が孵化した。生まれた雛は全身羽毛に覆われて、足も大きくしっかりしていて直ぐ活動が出来る状態だった。雛は孵化したその日のうちに巣を離れ、雄雌の親の誘導に従ってエサ取りを開始する。ズアカカンムリウズの主食は植物の種子、果実、昆虫類であるが、雛は小さな虫が主な食べ物となる。しかも、親から餌を与えられるのではなく、親が虫を捕る動作をよく見ていて、見よう見まねで虫の取り方を身に着けていく。

                       

                       

                      ポットの上ズアカカンムリウズラ雄雌

                      ポットから出ようと必死に奮闘してる雛に雌親と雄親は巣の上から声を掛けて励ましてる。

                       

                      孵化した雛は出来る限り早く親と一緒に巣から離れないとならない。割れた卵は雛の匂いがするので、外敵(コヨーテ、ボブキャット、ヘビ等)が近づく危険性が高いためである。しかし、巣の場所が雛にとって直ぐ歩いて離れることが出来ないタフな場所なだけに、雛もどうしてよいのか判らずパニック状態となってしまった。

                       

                       

                      ベンチから飛び上がるズアカカンムリウズラ雄

                      なかなか巣から離れられない雛に、雄親も少々パニックとなり、「クークー」鳴きながらベンチから何回も飛び上がり空中でバタバタ羽ばたいていた。

                       

                      ポットの中で雛はパニックになって走り回りジャンプしながら「ピーピーピー」と鳴く。その声と巣のポットの周りで「クークークー」「コケッコー」とうるさく鳴き合う雄親、雌親の声が重なり合って庭は騒然となり、大騒ぎとなってしまった雛の巣立ちである。

                       

                       

                      木のてっぺんで鳴くズアカカンムリウズラ雄

                      高い枝の天辺に飛び上がって雛たちを呼び続ける雄親。

                       

                      巣の場所が地上から少々高さのあるポットで、しかも植えられてるエレファントツリーの枝と葉が被さるように覆っていて、雛がジャンプしても抜け出せる隙間がない。雛にとっては悪い状況であり、しかも日照りの日中のさなかで、巣立ちに少々時間がかかり過ぎてるので我々も少々心配になってきた。

                       

                       

                      手でポットから雛を取出す

                      レスキュー作戦開始、一羽一羽を丁寧に優しく巣から取り出す。

                       

                      卵が孵化して2時間以上経過しても雛たちは巣から出れず、生まれたてで何も食べてない雛にとって体力の消耗が心配なのと、夜になって暗くなってしまうと巣から離れられなくなる・・・と思い、以前ウズラに詳しい鳥仲間から聞いていたレスキューアドバイスを思い出し、巣から雛を取り出す救出作戦に取り掛かる。

                       

                       

                      バケツに入れられたズアカカンムリウズラ雛

                      巣から取り出した雛8羽をバケツに入れる。

                       

                      密集してるポットの枝の間から手を差し入れ、雛一羽一羽を摑まえバケツに入れていく。何時間もパニックだった雛も、さすが疲れたらしくバケツの中でぐったりしていた。全員8羽全て居ることを確認して、親が鳴きながら右往左往している所の近くまで雛を持っていく。



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