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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

カタリナ州立公園 2017年春 その(2)

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    Canade del oro Wash
    ​大きな " Wash " Canada del oro

    ​" Wash " は大きな乾いた川底で、夏のモンスーン期の激しい雷雨があると、山から流れてくる雨水が鉄砲水となってたちまち溢れ一瞬の内に幅広い川となり、もちろん渡ることが出来なくなる。冬から春にかけての乾燥した時期は、ここでエサ取りする色々な鳥たちが多く集まるので、天気の良い日は最高のスポットとなる。
     
    Lark Sparrow 1
    南アリゾナで一年中見られる留鳥のヒバリヒメドリ ( Lark Sparrow ) 。

    ​道化師のようなまだら模様の顔をしてるのでフィールドでもよーく目立つ。長いさえずりは大変美しく、しばしば、飛びながら鳴くので英名 " Lark Sparrow " 、和名「ヒバリヒメドリ」と呼ばれている。
     
    Lark Sparrow 2
    小さな草の種子を食べるヒバリヒメドリ ( Chondestes grammacus )

    冬の間は小さな(4羽〜5羽)群れで動きまわっているが、春になると1羽ないしツガイで主に " Wash " のような拓けたグラウンドの砂地でエサ取りすることが多いので近くでじっくり観察できる。17センチと中型の鳥で、日本のホオジロと同じ大きさである。
     
    Lincolns Sparrow
    早朝、低い灌木の枝先で日に当たるヒメウタスズメ ( Lincoln's Sparrow / Melospiza lincolnii ) 。

    ​ヒメウタスズメはカナダの北からアラスカにかけての地域で繁殖し、越冬のために南アリゾナに下りてくるので、冬の間だけ見られる。大変臆病な鳥で、よく葉が茂ってゴチャゴチャした低い灌木の中で隠れるようにエサ取りするので少々見つけにくい。全米で見られるポピュラーな留鳥のウタスズメ ( Song Sparrow / Melospiza melodia ) とよく似ているので慣れないと見間違うことがある。
     
    White-crowned Sparrow 1
    春一番に咲く " Red maids " の花の下でエサ取りするミヤマシトド ( White-crowned Sparrow )

    ​ミヤマシトドもカナダの太平洋岸からアラスカにかけての北の地域で繁殖し、越冬のため南アリゾナに下りて来るので冬の間はこの公園でもしっかり見ることが出来る。よく似ているノドジロシトド ( White-throated Sparrow / Zonotrichia albicollis ) はニューヨークなど東側で多くみられるが、西側のアリゾナではほとんど見られない。
     
    White-crowned Sparrow 2
    ​小さな種子のついた枯草をくわえるミヤマシトド ( Zonotrichia leucophrys )

    日本ではミヤマシトドは迷鳥として記録がある珍しい鳥であるが、冬の南アリゾナはその数が多いのでごく普通に見られる。丸々とした体形で体長18センチと大きく、頭が白黒のストライプで派手なので遠くからでも見つけ易い。
     
    Rufous-winged Sparrow
    南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないフタスジスズメモドキ ( Rufous-winged Sparrow / Aimophila carpalis )

    ​北メキシコの一部、そして、北米では南アリゾナの限られた狭い地域でしか見られない珍しい砂漠種である。頭と肩の赤茶が特徴で、カタリナ州立公園では毎年何組かが営巣しており、わりと簡単にみられるので、春、夏にはこの鳥を目当てに全米から多くのバーダーたちがわざわざやって来る。
     

    カタリナ州立公園 2017年春 その(1)

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      サワーロの林と雪山
      ​巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) の林と雪山

      ​カタリナ州立公園 ( Catalina State Park ) は南アリゾナ・ツーソン ( Tucson ) の町から26キロ北へ上がった所で、広さは 22,258 平方キロと大変大きい。1983年にアリゾナ州政府によって造られ、キャンピング施設、乗馬用トレール、数多くの自然探索トレールなどがあり、非常に質の高い公園である。私の家からはたった15分ほどで行けるので、年間で一番多く通う「マイフィールド」でもある。
       
      サワーロ2本と山
      ​2月のカタリナ州立公園、サワーロサボテン越しに雪を被ったレモン山を見る。

      ​ソノラ砂漠にあるカタリナ州立公園はサンタカタリナ山脈 ( Santa Catalina Mountains ) の麓に位置し、群生しているサワーロサボテンやアリゾナの州の樹であるマメ科の棘がある低木パロベルデ( Palo Verde ) 、メスキート林 ( Mesquit ) 、アメリカスズカケノキ ( Sycamore ) そしてオークの林などが保護されている。その変化に富んでる豊かな自然はソノラ砂漠の多くの鳥を見るのに最適な場所で、年間174種類も見ることが出来る。
       
      ムジトウヒチョウ歩く姿
      トレールを歩く足元でエサ取りするムジトウヒチョウ ( Canyon Towhee ) 。

      ​ムジトウヒチョウはソノラ砂漠では一年中見られるごく普通の鳥である。グラウンドで歩くというよりホップしながらエサ取りすることが多いので見つけやすい。低木にまだ葉が茂ってない冬(12月、1月)はグラウンドに下りたり枝へ上がったりする姿もよく見れるのでゆっくり観察することが出来る。
       
      ムジトウヒチョウ虫を捕える
      小さな蜂を捕えたムジトウヒチョウ ( Pipilo fuscus ) 。

      この鳥は昔、" Brown Towhee " と呼ばれていたが、現在はムジトウヒチョウとよく似ているカリフォルニア州でしか見られない " California Towhee " が別種に分けられたので、名称が " Canyon Towhee " となった。体長23センチで日本のツグミより少し小さい。頭と尻の赤茶が日に当たると目立つが、その他は全身灰色の地味な鳥である。
       
      Chipping Sparrow
      小さな草の実を食べるチャガシラヒメドリ ( Chipping Sparrow / Spizella passerina ) 。

      ​全米のほとんどの地域で見られるポピュラーな鳥であるが、カタリナ州立公園では主に冬の間しか見られない。砂漠、草原、松やオークの森など・・・と生息範囲が大変広い。体長14センチ、日本のヤマガラぐらいしかない小さなヒメドリである。
       
      House Finchi
      春が間近になると赤い色が鮮やかで美しいメキシコマシコ ( House Finch / Carpodacus mexicanus ) 。

      ​日本のベニマシコ ( Uragus sibiricus ) と同じ大きさで、全米どこでも見られ、だれでも知ってるポピュラーな鳥である。昔は Linnet (ヨーロッパでごく普通に見られるムネアカヒワ)と呼ばれていた。理由は、1940年代、ニューヨークのロングアイランドにヨーロッパから持ち込まれた飼い鳥が籠脱けしてその後野生化したもので、今では ABA ( American Birding Association ) の公式リストにあげられてる米国種である。南アリゾナでは朝晩零度近くまで気温が下がる寒い日が何日間かあるが、暖かい南へ移動をしないので一年中生息している。

      庭の花に集まるハミングバード その2

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        コスタハチドリとペンストムの花
        ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) の蜜を舐めるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) メス。

        南アリゾナの本格的な冬は12月末頃から1月いっぱいと大変短いので、ペンステモンのような早咲きの花は2月の中旬には咲き始める。蜜の出る花が少ない冬の間はフィーダーの砂糖水に頼っていたコスタハチドリも、ピンク色のペンステモンの花が咲き出すと、だんだんフィーダーに来る回数が少なくなってくる。
         
        コスタハチドリ正面
        ​枝先で侵入者を見張っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) オス。

        ​コスタハチドリは体長9センチの小さなハミングバードであるが、陽の光に当たると首のまわりの大きな長いジョーゼットが紫色に光って大変美しい。コスタハチドリは非常に縄張り意識が強く、いつも木の梢や枝先の見晴らしの良い所に止まって、庭に入って来る他のハミングバードをチェックしている。侵入者が花蜜を求めて庭に入って来ると、素早く見つけて徹底的に追い回し、時にはホバリングしながら見合って長い嘴をカチカチとぶっつけ合うこともある。小さいくせに、とにかく気性が激しく、見ていてもすごい迫力ある戦いを繰り広げることがある。
         
        コスタハチドリ滝の水飲み
        滝の流れる水を上手に舌で舐めるコスタハチドリのメス。

        ​ハミングバードは花蜜を舐めるので喉が乾くのだろうか・・・?ちょくちょく水を飲みにやって来る。通常、鳥たちはポットの淵に止まって溜まってる水を飲むが、ハミングバードは流れる水が好きで、ホバリングしながら嘴の’先を流れてる水につけて、長い舌で実に器用に舐める。
         
        コスタハチドリ滝の水浴び
        ​滝の水に顔を擦りつけて水浴びするコスタハチドリのメス。

        ​ハミングバードは長い嘴を花の奥に入れて蜜を舐めるので、嘴のまわりや顔に花粉が付いて黄色くなっていることが多い。そのため、ちょくちょく顔を水に擦りつけることがあり、特に5月・6月の乾燥している「ドライサマー」時にはよく見られる。
         
        フィーダーのノドグロハチドリ 1
        ​フィーダーの砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) のオス。

        ​ノドグロハチドリは北米ではテキサス州から西側でしか見られないハミングバードである。冬は中南米で過ごす渡り鳥なので、庭で見られるのは春、秋の渡りの時が多く、しかも、フィーダーに来る姿を見るのがほとんどである。しかし、近年、温暖化のせいで、中南米へ降りて行かずに南アリゾナで越冬する個体もおり、1月末の寒い「大寒」の頃でも庭で見られる。庭にはハミングバード用のフィーダーが3個掛けてある。ハミングバードは非常にテリトリー意識が強いので、3個を近づけて並べて掛けると、1羽が全部を占領してしまって色々な種類が見れなくなる。そのため我が家では、庭の正面と家の両側にそれぞれ離して1個づつ掛けてある。これだと庭木と小灌木に隠れてお互いが見えないため、数多くのハミングバードを呼ぶことが出来るようになった。
         
        フィーダーのノドグロハチドリ 2
        蜜蜂が足元に来たので驚くノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) 。

        ​ノドグロハチドリは遠くで見ると喉が黒くて地味であるが、明るい光の中でしかも近くで見ると、黒い喉の下の小さな美しい紫色のバンドが光って見える。庭ではほとんどフィーダーの砂糖水を舐めてる姿が多いが、時々空中を飛んでいる虫をフライングキャッチもすることがある。
         
        庭のポーチ
        ​庭に面してるポーチのガラス窓やガラスドアーはすべてスクリーンがはめ込まれている。

        ​私にとって庭のポーチは、庭に来る鳥たちや蝶などを驚かさずに、ゆっくり観察したり写真を撮ったりするのに非常に役立つ重要な場所である。しかし、アリゾナは一年のほとんどが青空の毎日で、太陽の光がさんさんとふりそそぐリゾート地なので、ほとんどの家は窓が大きく、しかも窓ガラスには紫外線除けのフィルムが入っている。そのため、庭の木や青空などがガラスに映ってしまい、特にテリトリー意識が強いハミングバードが侵入者を追い回してガラスに激突する事故が多い。我が家ではそれを防ぐため、すべての窓ガラス、ガラス戸にはスクリーンが付けてある。そのおかげで、これを付けてからバードストライクは皆無となった。

        庭の花に集まるハミングバード その1

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          アンナハチドリとジャスティシア

          Red Justicia ( Justicia candicans ) の花蜜を舐めるアンナハチドリのオス ( Anna's Hummingbird )

          ​庭にやって来る鳥たちの中で最も愛らしいのは、やはりハミングバード(ハチドリ)である。体長9センチから13センチほどの小さな鳥で、南の強くて明るい太陽光に当たるとメタリックに耀き、ハッとして息をのむほど美しい。
           

          アンナハチドリとチュパロサ

          ​ホバリングしながら Chuparosa ( Justicia californica ) の花の奥深く嘴を入れるアンナハチドリ (Calypte anna )

          ​毎年、春と秋の渡りの途中、庭に寄って花の蜜やフィーダーの砂糖水を舐めて行く4種類を加えると、6種類のハミングバードを見ることが出来る。その内、アンナハチドリとコスタハチドリの2種類はソノラ砂漠の留鳥で、一年中毎日庭にやって来るし、夜には大きな灌木の中で寐ていることもある。また、春には小さな庭木で営巣するのもおり ( Categories - ハチドリ・ハミングバード「ハミングバードの子育て2015年」)、子育てする姿や可愛いヒナを見ることが出来る。
           

          枝先のアンナハチドリ
          ​興奮すると頭と首、喉が見事な金属光沢のピンクに輝くアンナハチドリのオス


          ​アンナハチドリはもともとカリフォルニアを中心とする太平洋沿岸地帯にだけ生息するハミングバードであった。しかし、ハチドリの中でも一番フィーダーの砂糖水への適応力に優れていたので、近年、人家の庭や町の公園などにフィーダーを掛けるところが多くなり、彼らの生活拠点も徐々に内陸へ移動していった。今ではアリゾナでも、一年中庭で見られるポピュラーなハミングバードである。
           

          滝とアンナハチドリ
          ​流れる滝の水を飲もうとするアンナハチドリのメス。


          ​ハミングバードは水が大変好きで、特にアンナハチドリは溜まっている水より滝のように流れてる水を好むようである。彼らはこうしてホバァリングしながら、岩の上を流れる水や下に落ちていく水を長い舌を使って舐めるように飲むのが上手である。
           

          体をこするアンナハチドリ
          ​しっとり濡れた庭木の枝で体を擦るアンナハチドリのメス。


          ​夏の暑い日、雷雨が降り始めると、雨の中でホバァリングしながら水浴びをしている姿を時々見かけることがある。とにかく、アンナハチドリは好奇心が強いのと、流れる水が好きなので、早朝、庭木や花にホースで水をかけていると、ホバァリングしながら水に乗るような格好で滑るように流されて行く面白い姿を時々見せてくれる。まさに愛嬌があって可愛く一緒に遊んでいるような楽しい気持ちにさせられる。
           

          顔をこするアンナハチドリ
          痒いのか?水に濡れた枝に盛んに顔を擦りつける。


          ​40度を超す日が続くと、砂漠のハミングバードもこたえるらしく、一日に何回も水場にやって来る。ホースの水かけで濡れた枝に体や顔を擦りつけている姿はフィールドではほとんど見られない、実にユーモアラスな格好で思わず吹き出してしまう。
           

          昼寝のアンナハチドリ

          ​アンナハチドリは午後になると、ポーチのテーブルの上に置いてある小さなポットの植木で昼寝をする。

          ​真夏の砂漠の庭は午後になると大変熱くなる。庭に直接太陽が当たり始めると、涼しさ求めて日陰になっているポーチの中に入って来る。ここは日中は人が出入りしないのと、直射日光を遮るために日よけのスクリーンが下げてあるのでハミングバードにとってはまさにシエスタの場所であろう。


          謹賀新年 2017年(平成29年) 元旦

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            雪山とサワーロサボテン
            巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の林と雪山。

            明けましておめでとうございます。
            南アリゾナの砂漠より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
            今年も精一杯努力して皆様に喜んでいただけるブログを作成してゆきます。
            どうぞよろしくお願いいたします。
             
            サワーロサボテンと岩山
            初雪でうっすらと白化粧したプッシュリッジ山(1600メートル)とサワーロサボテン。

            ​元旦の朝、マイフィールドのカタリナ州立公園を歩きました。ソノラ砂漠のトレールはまだ少し緑が残っていて、大サボテンも朝日を浴びて緑色に耀き冬らしくない風景ですが、遠くの山々に目を向けると、岩肌に雪が吹き付けられた対照的なソノラ砂漠ならではの面白い景色を見ることが出来ました。
             
            雪のレモン山
            ​2800メートルのレモン山の山頂は松林に雪がたっぷり被さってます。

            暖かい陽射しの砂漠トレールから双眼鏡で遠くの雪山の松林を見るのは豪快です。私が住んでる南アリゾナは砂漠の周りに2000メートルを超す山がいくつもあり、サボテンの林と雪山を同時に見られる冬ならではのマイフィールドの素晴らしい光景が楽しめます。

             
            カーディナル
            ​正月にふさわしい真っ赤な鳥、ショウジョウコウカンチョウ ( Northern Cardinal / Cardinalis cardinalis )

            ​山の麓の砂漠まで雪が降ることはまれですが、早朝の気温は大変低く、花の蕾がまだ固い冬枯れの枝先で鳥たちは朝日に当たって暖を取ります。ショウジョウコウカンチョウはほぼ全米で見られ、子供たちもよく知っているポピュラーな鳥ですが、ソノラ砂漠で見られるのは亜種の Southwest 型で、嘴が大きく、長いブラシのような冠毛が特徴で大きく見えます。
             
            クーパーハイタカ
            ​冬枯れの倒木でじっと獲物探しをするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii ) のオス。

            ​冬、日中は比較的暖かい南アリゾナでも、獲物となる小鳥や小動物の数が少なくなり又その動きも静かであるため、猛禽類はエサの捕獲に苦労するのでクーパーハイタカにとっては空腹な毎日と思われる。多くのタカ類の獲物探しは空高くソアリングしながらの行動が多いですが、クーパーハイタカは林の中の大きな木の枝にじっと止まって獲物を探してることが多い。獲物の動きを察知すると、素早く樹間を忍者のように低く飛び、獲物に近づくとアタックするすごい技術を持っています。
             
            ズアカカンムリウズラ
            上を向いて高らかに春の歌を歌うズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

            ​南アリゾナの冬は短く、2月中旬となると早くもペンステモンやポピーが咲き始めます。春を待ちかねてるズアカカンムリウズラ、主にグラウンドを歩きながらエサ取りをしますが、春が近くなると木の高い枝先によじ登って、高らかに独特の「ポアー」というのどかな鳴き声を発します。毎年、冬の終わりにこの姿を見ると、春の兆しを強く感じられ気持ちがウキウキしてきます。

            ハッピーホリデー 2016年12月

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              絵葉書ー雪とサワロ
              南アリゾナ・ツーソンの町で見つけたソノラ砂漠のクリスマスカードです。

              ​11月末の「サンクスギビングデー」が終わると南アリゾナも「ホリデーシーズン」に入ります。連休を取って故郷に帰る人、ヨーロッパへ旅をする人、友人たちを自宅に呼んでパーティーをする人など一年で一番アメリカ人が浮かれる楽しいシーズンです。クリスマスソングに " It's the most wonderful time of the year " という歌があるほどです。丁度、日本の正月のような雰囲気です。鳥好きの私は所属してる愛鳥家クラブが主催する「クリスマスバードカウント」に久しぶり参加し、鳥の数を競い自然保護団体への寄付金を集めようと準備をしてるところです。
               
              玄関のクリスマスオーナメント
              ​「師走」とはいえ、南アリゾナの日中は20度近い暖かさです。草木の緑はまだ残っていますし、ポットやハンギングバスケットの花が満開の中でクリスマスオーナメントが光る南アリゾナ独特のホリデーシーズン光景です。ソノラ砂漠名物、大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に豆電球をぐるぐる巻きにして飾る人もいます。巨大サボテン全体が棘で覆われてますので、電球を付けたり外したりするのに相当苦労するようです。

               
              Buckeye - Butterfly
              今年は雨が多く暖かい冬なので12月に入ってクリスマス近くになっても数種類の蝶が庭に来てます。庭では珍しいクジャク蝶に似た Buckeye ( Junonia coenia ) があらわれ、まさに自然がくれた美しいクリスマスプレゼントになりました。

              今年もブログを見ていただきありがとうございました。
              ​皆様、どうか良い年をお迎えください。

              ソノラ砂漠の秋の話題(2) ロードランナー 2016年

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                ロードランナー塀の上 1
                秋も深まり肌寒さを感じる朝、久しぶりロードランナーがエサ探しに塀を歩き始めた。

                ​ロードランナー(和名:オオミチバシリ、英名: Greater Roadrunner, 学名: Geococcyx californianus ) 。真夏は主食の一つトカゲを捕りに時々庭を歩いているのを見かけるが、毎年秋になると、ほとんど毎朝のように庭木の Desert Willow につく大きな青い虫を探しにやって来る。涼しくなった庭でのロードランナーとの毎朝のご対面は、私にとって秋の楽しい朝のひと時でもある。
                 
                ロードランナー塀の上 2
                ​塀の一番高い所に上がり、愛嬌のあるとぼけた顔で私を見つめる。

                ​ロードランナーは、いわゆる目の前で動く「生きもの」は何でも食べてしまうほど悪食である。体長は58センチと大型の「ジカッコウ」なのでグラウンドを歩くのが得意で、時速25メートル以上の速さで走ることも出来る。ソノラ砂漠にはかなりの数がいるが、フィールドを歩いている時より庭や人家の屋根、塀などで見かける機会の方が多い。
                 
                ロードランナー木の前
                ​真横にいる私など無頓着で、さて獲物でも探そうか・・・・と歩き始める。

                ロードランナー(オオミチバシリ)はカッコウの仲間であるが、渡りをしない留鳥である。大きな木の下などに隠れるようにじっとして獲物を狙うので、フィールドを歩いていてもなかなか見つけるのが難しい。獲物探しで庭に頻繁に現れる秋は、私にとって一年で一番観察できる季節でもある。
                 
                ロードランナーオフィスの窓
                ​書斎の窓の前の Desert Willow の葉に隠れてる青い虫を探し始める。

                ​ロードランナーは猛毒なガラガラヘビをも追跡して捕食する習性を持っており、動くものは何でも食べてしまう肉食の鳥である。そのためロードランナーが庭に現れると、エサ取りしてる他の鳥たちは、猛禽類が飛んで来た時と同じように、慌てて木陰や草陰にじっと隠れているし、ハミングバードですら嫌がってホバリングしながら威嚇しようとするが、相手が大きいので場所変えをするほど・・。
                 
                ロードランナー伏せる姿
                ​葉の先にいる青虫を見つけたのか、しゃがみ込んで伏せの姿勢をとり青虫を狙う。

                ​青虫は木の葉に同化してよーく見ないと私の目でも判らない。ロードランナーは辛抱強くじーと葉の動きを上から下まで見ており、青虫が少しでも動くと葉の茂みに飛び込み大きな嘴で素早くつかみ取る。そして青虫は大きいのでそのまま飲み込むことが出来ず、銜えたままグラウンドに下り岩に叩きつけて食べる。これらの動作は一瞬の内に行うのでなかなか写真に納めるのが難しく、残念ながら未だに成功していない。
                 
                木の葉にいる青虫
                ​葉の一部と見まちがうほど青虫が何処にいるのか判りにくい。

                ​ロードランナーが好む青虫は、実はスズメ蛾の幼虫で、スズメ蛾が卵を産み付けるホストプラントが Desert Willow なのである。ロードランナーはスズメ蛾の幼虫が現れる時期やホストプラントの Desert Willow の木をよく知っており、庭木の中でもこの木だけを選んで獲物探しをする。
                 
                岩の上の青虫
                ​蛹になる直前の青虫(スズメ蛾の幼虫)。

                ​スズメ蛾の幼虫は10センチ以上もあって非常に大きいので初めて見るとぎょっとするが、手で触っても刺されたり被れたりすることが全くなく、とてもおとなしい。しかも、色合いが大変美しいのに驚く。この幼虫は蛹になる直前にグラウンドに下りてきて小さな穴を見つけ、そこへ入って蛹となり冬を越す。蛹になる直前の大きな青虫はロードランナーにとって食べごたえがあり、しかも栄養度が高いので大変好まれるようである。
                 
                White-lined Sphinx
                ​青虫の親でスズメ蛾の仲間 White-lined Sphinx ( Hyles limeata ) 。

                ​体長9センチと大型の「蛾」で、夕方から朝方にかけて花を求めて飛び回る。ホバリングしながら花の蜜を吸う美しい姿が非常にハミングバード(ハチドリ)に似ているのでよく間違える人が多い。

                ソノラ砂漠の秋の話題 ガラガラヘビ住宅街に現れる 2016年

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                  玄関の案山子人形とガラガラヘビ
                  ​玄関に飾ってある「サンクスギビングデー」の案山子人形の足元(右下)で丸まって暖をとるヒシモンガラガラヘビ ( Western Diamond-back Rattlesnake ) 。

                  ​11月中旬にもなると、ソノラ砂漠は秋も深まり、朝晩は気温が5度近くまで下がって肌寒くなる。短パン(ショートパンツ)の生活が終わって、Gパンに履き替え、砂漠の「生きもの」の一部は冬眠生活に入る準備をし始める。夜行性のためフィールドを歩いていてもめったにお目にかからない猛毒なガラガラヘビが、この時期になると朝方の寒さを凌ぐために、また冬眠の寝場所探しのために人家近くに現れることがあり大騒ぎとなる。
                   
                  ガラガラヘビのアップ
                  ​玄関の片隅で眠っていたのは今年生まれた未成熟なヒシモンガラガラヘビ ( Crotalus atrox ) で、体長が90センチぐらいと小さい。

                  ​今年も11月に入ると、隣近所の家々で「ガラガラヘビがガレージに入ってきて困ってる」とか、「玄関の前でとぐろを巻いている」とか、「庭へ出ようとしたらポーチの出口であわゆくば踏むところだった」などなど大騒ぎになった。ほとんどの家ではこの手の騒ぎは毒蛇やサソリなどを駆除したり、捕えて別の場所へ移すことを専門にしている業者 ( Pest Control Co. ) に電話をして家に来てもらい一件落着となる。

                   
                  ガラガラヘビの子供
                  未成熟な子供のヒシモンガラガラヘビは尾に特徴である大きな白黒の縞模様はあるが、その先の「ガラガラ」という音を出すコイルの形をした突起がまだついていない。

                  ​この未成熟なガラガラヘビ、まだ子供の毒蛇であるが、これが意外と恐ろしい。尾の先端の突起がないので警戒する時に発する「ガラガラ」という音を出すことが出来ない。しかも、噛みついて毒を出す時、成熟した大人のヘビは毒を小出しにするが、子供のヘビはすべて出してしまうので毒が非常に強くなる。
                   
                  ガラガラヘビの大人
                  体長2メートル近くある成熟したヒシモンガラガラヘビ。

                  ​ヒシモンガラガラヘビは米国南部からメキシコにかけて生息する猛毒なヘビで、噛みつかれた時に出す分泌液が神経組織を壊すので主に血管や心臓、筋肉などを駄目にされ呼吸困難となる。致死率が高いので、噛まれたらもちろん救急病院へ行かなくてはならない。しかし、性格は攻撃的でなく大変おとなしい。家の中に入って来ることはほとんど稀で、よく被害に会う状況は、夜、ガレージを開けっ放しにして入って来られる場合や、ライトも持たず庭や玄関先にうっかり出て、踏んだり触れたりすると噛まれるケースがほとんどである。主なる獲物は砂漠に居る野ネズミや野ウサギ、トカゲなどの小型動物なので、ガラガラヘビの習性をよく理解していれば、まず危険な目に会うことはない。そして彼らも私たち人間と同じ砂漠で暮らしている生きものでもあり、自然界の食物連鎖の上で大切な生きものでもあるので、殺すことはアリゾナ州法で禁じられている。
                   
                  Western Banded Gecko 1
                  ​ヒシモンガラガラヘビの大好物であるトカゲの仲間 Western Banded Gecko 。

                  ​このトカゲ、ソノラ砂漠には非常に多く生息しているが、夜行性のため昼間フィールドではほとんど見られない。トカゲの仲間なのに家の壁や塀などを登ることが出来ない情けないやつである。それでも、天敵に襲われそうになると尾を上げてそれを左右に振りながら走るし、また尾をボディーの上にあげて丁度サソリのような形になり威嚇することもある。
                   
                  Western Banded Gexko 2
                  ​親しげに片手を私のスリッパにのせる Western Banded Gecko ( Coleonyx variegatus ) 。

                  ​このトカゲの主食は小さな昆虫やクモ、サソリで、秋には時々夜になるとガレージの中に入って来る。体長10センチから15センチの小さなトカゲなのでちょっとした隙間があればどっからでも入って来れる。見かけが華奢なこのトカゲは、他の種と違って瞼があり大きな瞳でじっと見るので実に可愛い。丸まると膨らんだ丸い尾には、9か月近い冬眠を支えるための脂肪が蓄えられてる。

                  スーパームーン 2016年11月

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                    Super Moon & Saguaro 1

                    一晩中ソノラ砂漠を明るく照らしたスーパームーンが朝日が顔を出す直前、ブルーとピンク色に染まる西の空へ消えていく。

                     

                     

                    Super Moon & Saguaro 2

                    巨大サボテン Saguaro (サワーロ)とスーパームーン。

                     

                    11月14日は1948年以来68年ぶりに月が地球に最も近づき、見た目の大きさが通常の満月の1.14倍、明るさは1.3倍にもなった。アリゾナの秋空は非常に澄んでいるのと大都会の人工灯が少ないので星や月が大変クリアーに見える。月明りに照らされた砂漠は一面白く輝いていた。

                     

                     

                    Coyote

                    明るい月夜が大好きな狼の仲間コヨーテ ( Coyote ) 。

                     

                    秋の夜、特に明るい満月近辺の夜は人家近くをコヨーテが群れで練り歩き、オオカミのような遠吠えを繰り返す。夜中に庭の柵のすぐ前で鳴かれることもあり、びっくりして起こされ寝不足となることが時々ある。眠い目をこすり、砂漠でともに暮らす者としてしかたないナー・・・と思いながら、しばしベッドで聞き入る。


                    庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その7・最終)

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                      Says Phoebe 1

                      夕陽の弱い光が当たる柵の欄干で休むチャイロツキヒメハエトリ ( Say's Phoebe )

                       

                      北米で見られるツキヒメハエトリ(英名 Phoebe / フィービー)は3種類で、そのうち、アリゾナから西側で見られるのはこのチャイロツキヒメハエトリとクロツキヒメハエトリ ( Black Phoebe ) の2種類である。この2種類とも我が家の庭に来るが、四季を通して一年中庭に来てエサ取りするのはこのチャイロツキヒメハエトリである。

                       

                       

                      Says Phoebe 2

                      上目づかいで空中を飛ぶ虫を狙うチャイロツキヒメハエトリ ( Sayornis saya )

                       

                      チャイロツキヒメハエトリの虫捕り方法は大変アクティブで、虫めがけて空中を矢のように飛んでキャッチしたり、虫を見ながらホバァリングして舞い降りるように飛び掛かって捕えることもある。庭ではよーく口笛のようなもの悲しい音色で「ピーピー」と鳴ので、家の中に居てもエサ捕りに来てるなーとすぐわかる。

                       

                       

                      Black-tailed Gnatcatcher

                      灌木の細い枝先に止まって休むオグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher / Polioptila melanura )

                       

                      キクイタダキと同じ大きさで尾の長いオグロブユムシクイは家のまわりで一年中見られるが、フィーダーに来る鳥ではないので、庭には木の花に付く虫を捕るために午前中の早い時間に来ることが多い。「ジェージェージェー」という独特の地鳴きをしながら草花を飛び渡り、細い茎にも軽々と止まって虫を探したり、時には空中でフライングキャッチもする。

                       

                       

                      Harriss Hawk

                      煙突に止まり、庭でエサ取りしている小鳥たちを狙うモモアカノスリ ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus )

                       

                      モモアカノスリは南アリゾナと南テキサスの一部の砂漠でしか見られない鷹で、よく道路わきの電柱やフェンスに止まっている。日本全国で見られるノスリ ( Buteo buteo ) と同じ大きさの鷹で、朝早くに、ちょくちょくお気に入りのこの煙突に止まってしばらくじっとしていることがある。

                       

                       

                      Western Screech Owl

                      庭の片隅のローズマリーの木の根元で眠る西アメリカオオコノハズク ( Western Screech-Owl / Otus kennicottii )

                       

                      この西アメリカオオコノハズクは北米の東側で見られる東オオコノハズク ( Otus asio ) とは別種で、アリゾナからカリフォルニアにかけての西側でしか見られない。夜行性なので、夜、庭のベンチや屋根に止まっているのを窓越しにちょくちょく見ることはあるが、庭の片隅のしかもグラウンドで昼に寝ている姿は今年初めて見た。何もされないと判っているのか、夕方エサ捕りに飛び立つまでじっと動かずに寝ていた。たぶん、ローズマリの木が独特の匂いを出すので、多くの動物が嫌って近寄らないのをフクロウは判っているのかもしれない。



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