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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その4)

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    巣と雛と風景
    コスタハチドリの雛たちが巣から眺めてる風景。

    産まれて3週間も経過すると2羽の雛ともすっかり大きくなって、巣のすぐ前の歩道を散歩する人々や車道を行く車を興味しんしんにじっと眺めている。もちろん巣の横のガレージを出入りする私もじっと睨みつけられるが’’’’’。
     
    くつろぐ雛とメス親
    エサ運びに疲れると、メス親は雛と一緒に巣でくつろいでいる。

    雛が大きくなるにつれ狭くなった巣、窮屈になった巣でも時々こうしてボーとしているメス親の姿を見かけることがある。花の奥深くまで嘴を突っ込んで花の蜜を舐めるため、嘴の根元が花粉で黄色くなっている。
     
    巣の雛 1
    巣立ちが間近にせまった雛2羽。

    頭や背中の羽もすっかり密にはえ、翼も一段と大きくしっかりして何時でも飛び出せるように見える。目も良く見えるらしく、まだ警戒心はないようだが、私をじっと見ている。
     
    エサもらう雛
    短い嘴を大きく開けてエサをもらう雛。

    メス親は長い嘴を雛の喉深く差し入れ、集めた花密と虫を吐きもどして入れてやる。このため雛の嘴は親の長い嘴が入り易いように非常に短い。
     
    ホバリングしながらエサを与えるメス親
    ホバリングしながら雛にエサを与えるメス親。

    雛が2羽とも大きくなり巣もパンパンと膨れてメス親も巣の淵に止まることが出来ず、こうしてホバリングしながらエサを与えることが多くなる。多くの小鳥の雛たちは、通常親がエサをもって巣に戻って来ると大きな口を開けて「シーシー」とか「ジャージャー」とか大声を出して鳴くが、ハチドリの雛はいっさい声を出さない。彼らは鳴くことが出来ないのである、ハチドリは成鳥でも警戒する時に小さく地鳴きをすることがあるが、さえずる声は聞いたことがない。
     
    巣の雛 2
    巣から今にもこぼれ落ちそうなぐらい大きく育った2羽の雛。

    産まれて25日目、雛たちは体が一回り大きくなり目もしっかりしてこちらをじっと見つめている。私が良く見えるようで、左右に動くと彼らも首を振って私を追う。しかし、まだ警戒心が薄く、そばに寄っても静かに巣に座っている。
     
    雛の上に座り込むメス親
    2羽の雛の上に座り込むメス親。

    早朝からのエサ運びに疲れたのか、雛の上にどかーんと座り込んだメス親。日に日に大きくなっていく雛で巣ははち切れそう。とうとうメス親が止まる場所さえなくなってしまった。

    ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その3)

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      コスタハチドリ雛 1
      やっと羽毛がはえ、目が開いたコスタハチドリの雛。

      3月に入ると雛たちもすっかり大きくなって全身柔らかい羽毛に包まれ、目が開いて見えるようになり顔がハチドリらしくなってきた。
       
      コスタハチドリ♀親エサ与える
      雛に与える花蜜が嘴から溢れ出ているメス親。

      3月中旬、雛が大きくなるにつれて1日に食べるエサの量もがぜん多くなり、メス親のエサ運びの回数が大変増えて忙しくなる。雛に与える主なるエサは花蜜に小さな虫を混ぜたもので、花蜜は花から採り、小さな虫は空中を飛んでいるのをフライングキャッチする。
       
      コスタハチドリ♀親背中の姿
      雛にエサを与えるメス親の背中の緑が大変美しい。

      毎日、朝、昼、夕方、カメラを向ける私にメス親はすっかり慣れたようで、時々私に背中を向けて、安心しきった様子でゆっくりと雛にエサを与えている。
       
      コスタハチドリ雛 2
      雛たちはすっかり体が大きくなって巣からはみ出しそうである。

      孵化後2週間が経った3月中旬頃には、背中に親と同じ緑色の羽根が生え始めた。しかも、彼らが生きて行く上で最も重要な翼が長くてしっかりとした形になっている。
       
      コスタハチドリ雛 3
      短い嘴を上に突き出し、メス親が帰って来るのを待つ雛たち。

      メス親がエサを持って帰って来るのをひたすら待っている雛たち。思いっきり上に突き出した嘴は大変短くて、まだハチドリの形をしていない。
       
      コスタハチドリ♀親木の天辺
      メス親はエサ運びが一段落すると、高い枝の先に止まって巣の周りのテリトリーを警戒する。

      ハチドリは主たるエサとなる花蜜がたくさん出る花や、砂糖水のフィーダーのある庭を好んでテリトリーとするので、オス、メス両方ともそれを守るのが大変である。そして一度テリトリーを作ると、幾つか好きな高い木の枝先に止まって首を左右にに振りながら見張っている。しかも大変目が良いので、他のハチドリがオスメス関係なく視界に入るや、すっ飛んで近づきものすごい勢いでアタックして追い出しにかかる。

      ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その2)

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        コスタハチドリ雛2羽
        最初の雛が孵化して1日遅れで2羽目の雛も卵から出て来る。

        2羽の雛とも全身真っ黒で羽毛もなければまだ目も開いていない。この状況では雛たちは自分たちで体温の調整が出来ないので、気温の下がる夜はメス親がしっかり巣に座って温めている。
         
        口を開ける雛
        目はまだ見えないが、大きな口を開けてエサをねだる雛たち。

        ハミングバード(ハチドリ)は夜になると気温が低くなるので半冬眠のような状態でエネルギーの消費を防いでいる。しかし、メス親は孵化したてで羽毛も生えてない雛を温めなくてはならないので半冬眠も出来ず、エネルギーを大量消費しながら雛を守っている。
         
        雛にエサを与えるメス親
        孵化したばかりの雛にエサを与えるメス親。

        ハミングバード(ハチドリ)は巣作りから卵を産むことはもちろん雛を育てる全てをメス親のみで行う。オスは何もしないばかりか、巣の近くに居ないので用心棒の役にもたたず、巣に近づく他のハチドリや大きい鳥たちを追い払うのもメス親がおこなわなくてはならない。
         
        先に産まれた大きな雛
        先に産まれた雛(手前)の方は一回り大きく、後で産まれた雛(奥)は小さいので埋もれている。

        孵化がたった一日違いであるが、体の大きさが毎日どんどん違っていくのには驚いた。雛たちは一日のほとんどを眠っているか、メス親がエサを持って戻って来るのを静かに待っているだけである。
         
        雛の横を飛ぶメス親
        口を開けて見上げる雛たちの横をメス親がホバリングしながら飛んで行く。

        ハミングバード(ハチドリ)はほかのどの鳥よりもホバリング(空中停止)が上手である。翼の構造が普通の鳥と違って、翼は肩の関節以外が固定されており、しかも固いので翼をあらゆる方向に自由に動かせる。

        ハミングバード(ハチドリ)の子育て 2015年春 (その1)

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          巣のあるブーゲンビリア
          ハミングバード(ハチドリ)の巣があるガレージ横の小さな冬枯れのブーゲンビリア。

          2月中旬私の背丈ぐらいしかない、しかも冬枯れでまだ葉もないスカスカのブーゲンビリアにコスタハチドリが可愛らしい小さな巣を作っているのを見つける。横は車が出入りするガレージ、前は車が行き交う車道、そして犬を連れて散歩をする人々が歩く歩道、こんな場所で、しかも巣がほとんど丸見えなのにはいささかびっくりした。
           
          巣に座るコスタハチドリ
          巣に座り始めたコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) のメス。

          巣材を盛んに運ぶ姿を見てから5日ほど経った2月18日にはしっかりした巣が出来上がり、コスタハチドリが座り始めた。これから卵が産まれてやがて孵化して可愛い雛が出て来る’’’’’’’’’’’。そんな光景を毎日見れると思うと胸がわくわくして楽しくなってくる。
           
          巣と私の手にひら
          私の手のひらと比べても、巣がいかに小さいか’’’’’’’’が判る。

          コスタハチドリは体長が8センチから9センチの小さな鳥で、それがすっぽり入って座れる巣なので非常に小さい。巣の外側は苔のような地衣類で包まれ、内側はふわふわした綿のような植物繊維や鳥の羽根が敷き詰められてる。しかもメス親の体にぴったりとフィットするような形で、蜘蛛の糸で絡めてあるので丈夫にできている。そして巣の中は、メス親が卵を孵化するのに適した温かさに保たれるように作られてある。。
           
          巣と卵コスタハチドリ
          巣の中にはいつの間にか2個の卵があった。

          メスが巣に座り出して数日後2個の卵が見られた。巣のある高さは地上からたった1メートル40センチぐらいと低いが、ブーゲンビリアは木全体が大きな固い棘に覆われているので、外敵であるヘビやワタリガラス、コヨーテ、ボブキャットなどが容易に近づけないので巣はしっかり天敵から守られている。
           
          コスタハチドリ雛と卵 2
          一つの卵が割れて中から出て来たコスタハチドリの雛。

          巣に卵があるのを見つけてから一週間後の2月末、いよいよ卵の一つが割れ白い殻を蹴散らかすようにして中から真っ黒な雛が出て来た。卵の殻はメス親が巣から離れた所まで嘴でくわえて持って行き捨てているようだ。
           
          コスタハチドリ雛と卵 1
          雛は「力」を振り絞って卵の殻を蹴散らかす。

          卵が割れて30分後、雛は全身を現す。まだ毛はまったくはえていないので、何か黒い固まりがベチャと巣に置かれている感じでまったく動く気配すらない。


           

          突然きた我家のハチドリとの悲しい別れ

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             コスタと山
            山に白い雪が被る「大寒」の寒さにじっと耐える コスタハチドリCosta's Hummingbird) の元気な姿。

            我家の庭のフィーダーには年間11種類のハチドリが来て砂糖水を舐めていく。 その中でもコスタハチドリは
            一年中庭で見られ、しかも食堂や書斎の窓に付けてあるフィーダーには四六時中来ているので、大変身近な鳥の一つである。 ニックネーム「オンタ」と名づけたこのコスタハチドリの雄は3年間ほど我家のフィーダーに来ておりすっかり私に馴れてしまい、フィーダーの砂糖水を取り替えるため近づいても飛んで行かずにすぐ横の枝でじっと新しい砂糖水がくるのを待っているほどである。

            グラウンドのコスタ 1
            3月に入って春の暖かい日が続く先週の朝、グラウンドに下りているコスタハチドリ(オンタ)の異常な姿に驚く。

            グラウンドにうずくまる「オンタ」は私が近づいても飛ぼうとせず羽を少し開いてじっとしている。横のソーラライトと比べても、コスタハチドリが如何に小さいか(体長9センチ、体重3グラム)がよーく分かる。

            グラウンドのコスタ 2
            「オンタ」にさらに近づくと、羽を広げて飛ぼうとするが力弱く飛ぶことが出来ないらしい。これではフィーダーにも上がれないので、きっと朝から砂糖水が取れておらず、衰弱してきているな・・と思い、これは大変なことになった・・・と少々慌てる。

            手の上のコスタ
            手を差し伸べると、やっと這い上がってきてじっとしている。

            何しろハチドリは昼間4時間エサを取れないと死んでしまうらしいので相当衰弱している・・・と思われた。

            手の上のコスタとフィーダー
            「オンタ」を手にのせたままフィーダーまで持っていくと、かろうじて弱い力をふりしぼって砂糖水を舐め始めた。 すっかり体力が弱っているのだろう・・・・横に飛んで来た別のコスタハチドリを追い払うことも出来ず、ただひたすら静かに砂糖水を舐めていた。

            Palm 幹のコスタ
            砂糖水をゆっくり舐め終えたので「オンタ」がいつも止まっていたやしの木の太い枝に置いてやると、体を寄せてやっと止まっておれるようだ。 目は元気な時の鋭さがなく、半分寝ているようである。

            箱の中のコスタ
            「オンタ」は飛ぶことも花やフィーダーへ行き蜜や砂糖水を自力で取ることが出来ないようなので、仕方なくプラスチックの箱に入れてフィーダーを側に置いて家に入れることにした。 ほとんど目を閉じて寝ており、時々思い出したように砂糖水を舐めていた。 その舐める力も大変弱く、舌を出すことも出来ずに嘴のまわりについた砂糖水をかろうじて舐めていた。

            死んだコスタ
            「オンタ」は夜中にはまだ背中と尾が時々少し動いていたが、翌朝ついに動かなくなってしまった。 美しい紫色の頭とジョウゼットの羽を膨らませたまま静かに寝ているようであった。 庭の隅に小さな穴を掘り、丁度満開になっていた庭の花を引きつめて埋めてやる。

            Palm の枝のコスタ
            「オンタ」の死ぬ2週間前の姿である。ヤシの枝でフィーダーの砂糖水を取り替える私をじっと見ている。

            これまでたくさんの鳥や動物をフィールドで見てきたが、彼らの死んだ姿を見ることはほとんどない。今回は野生のハチドリが弱っていき、その命尽きていく姿をゆっくり見ることが出来たのは貴重な経験であった。

            1月の「寒」入り、南アリゾナの記録的な寒さに震えるハチドリ

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               プッシュリッジ山と雪
              庭から眺めるプッシュリッジ山も薄っすらと雪化粧の「寒」入り。

              クリスマスぐらいまで、庭にはブーゲンビリアやハイビスカスの花が咲いていたソノラ砂漠も、1月中旬「寒」に入るや南アリゾナは記録的な寒波に見舞われた。 例年この時期は日中の平均気温が20度ぐらいで暖かいが、今冬の「寒」入りからの5日間の気温は早朝、零下5度から8度、日中でもプラス4度から6度ぐらいしか上がらず、しかもミゾレや小雪が散らつく日もあって、砂漠ではまれな厳しい寒さが続いた。

              Broad-billed Humm
                  からだ全体をぷっくり膨らませ、早朝の冷たい寒風に耐えるアカハシハチドリ(Broad-billed
                  Hummingbird) ♂

              ハチドリ(ハミングバード)はもともと冬に中南米で過ごす渡り鳥であるが、近年、温暖化と庭にフィーダーを掛ける家が多くなり、冬でも南アリゾナに残って過ごす「無精もの」が増えてきた。
              冬は花の蜜がほとんど取れないので、彼らにとってフィーダーの砂糖水は生命を左右する貴重な飲み物である。

              私とBroad-billed Humm.
              凍らないように室温で温めたフィーダーを持って庭へ出たとたん、待ちきれんばかりにアカハシハチドリ
              が砂糖水を舐め始めた。

              零下の日が何日間も続くと、ハチドリのフィーダーを面倒見るのが大仕事となって来る。 フィーダーを庭に掛けっぱなしにしておくと、朝方には完全に砂糖水が凍ってしまう。 そのため夜にはフィーダーを家に入れ、翌朝まだ真っ暗な夜明け前に庭に出してやらなければならない。 彼らは夜になるとエネルギーの消耗を防ぐため新陳代謝を低くしている。 そのためまだ薄暗いうちの寝起きに体を暖めるため蜜を必要とする。

              私とCosts Humm 2羽
              コスタハチドリ(Costa's Hummingbird) ♂ ♀ 手に持ったままのフィーダーに次から次へとハチドリ
              たちがやって来る。

              砂漠の気温は東の空が白んでくる頃の1時間が最も低く、せっかく早朝に室温で温めて出した砂糖水もシャーペト状になり凍り始める。 そのため再びフィーダーを少し温めなおして、太陽が山の端から顔を出し始めると又それを出してやらねばならず、凍りつくような早朝の作業(4つのフィーダー)は寒さで身体が冷え込み大変疲れる。

              私とCostas Humm.♀
              コスタハチドリ(♀)はフィーダーを持っている私をまったく気にせずに、無我夢中で砂糖水を舐める。 そして体が暖まって少し落ち着くと、やおら私の顔をじっと見上げる。 どうやら身の安全を確認しているようであるが・・・・・?。 たった9センチの小さな体で、この寒さのなか頑張って生きている姿をこうして見ていると、厳しい自然のなかで生きる彼らの生命力に頭が下がり、フィーダーを出す者としての責任の重さをつくづく感じる。

              私とVerdin
              突然ハチドリを押しのけるようにアメリカツリスガラ(Verdin)が現れ、砂糖水を舐め始めたのには驚いた。 警戒心の強いこの鳥がこれだけ人間に近づく姿を初めて見る。 冬の寒い朝、とにかく早く砂糖水を舐めて体を暖めたいのはハチドリだけではないようだ。

              フィーダーの3羽のHumm.
              ハチドリは縄張りを守る習性が強いので、時々空中で絡み合って下へ落ちて来るぐらいの激しい戦いをすることがある。 一つのフィーダーにこうしてコスタハチドリとアンナハチドリ3羽が並んで仲良く砂糖水を舐める姿は冬の寒い朝ならではの大変珍しい光景である。

              クーラーの上に止まるCosta Humm.
              フィーダーは嘴を入れて砂糖水を舐める穴が3つしかなく、先着3羽のハチドリで「満員御礼」の状況。
              そのため、仕方なくすぐ横のクーラー機の上に止まって、じっとフィーダーが空くのを待っているコスタハチドリ。 こんな姿を間近かに見ていると、彼らの間での”力”関係、それからくる序列があるのかなー・・・と
              思ったりするのだが・・・・・。

              我家の庭のハミングバード(ハチドリ)たち (その2)

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                 Costas Humm.♀
                寒い冬の朝、朝日を背に受けて体を暖めるコスタハチドリ ♀ (Costa's Hummingbird)

                冬に入るとほとんどのハチドリは暖かい中南米へ渡って行くが、近年の温暖化の影響と庭にハチドリ用のフィーダーを掛ける家が多くなり、ここ数年、冬になっても渡りをせずに南アリゾナで越冬するハチドリの数が増えている。

                Costas Humm. ♂

                冬のアリゾナ砂漠の早朝の気温は時々零度近くまで下がることがある。 そんな寒い朝、コスタハチドリは太陽の光で暖められた塀の上に止まりうずくまって、腹をべったり塀につけて暖をとることがある。

                フィーダー下げる

                今年の1月末”大寒”に入って南アリゾナでは珍しく朝方零下になる日が3日間ほど続いた。そのためかなりの数のハチドリが凍死してしまい、地元の新聞やTVで大騒ぎとなった。 珍しく我家のフィーダーの砂糖水も凍ってしまい、あわてて温めた砂糖水をフィーダーに入れなおした。 そのフィーダーを持って部屋から庭へ出るや否や、ポーチのチェアーで死んだようにうずくまっていたハチドリが待ちきれんばかりにまだ手にぶら下げているフィーダーにふらふらしながら上がって来て砂糖水を舐め始めたのには驚いた。
                危機一髪で凍死を免れたハチドリの姿を見てほっとした朝であった。

                コスタ・ハチドリとプッシュリッジ山

                ハチドリは夜になると脈拍や呼吸が低くなり、新陳代謝を低くして冬眠のような状態でエネルギーの消耗を防いでいる。 冬の寒い朝は特に動きが鈍いので、それをいいことに小さいコスタハチドリ(体長7.5センチ)と嶮しい岩山を一緒にした写真を何とか撮りたいと思い、短い23ミリの広角レンズをカメラにつけて彼の体にくっつくぐらい思いっきり近づけてみた。

                コスタ・ハチドリのドアップ

                フィーダーに来るハチドリを見ていると、こんな小さな鳥でもそれぞれ個性があって面白い。 人が近づくとすぐ逃げてしまう臆病ものや、手で触れられるほどの距離に近づいても飛ばずにドーンとしている度胸のある個体もいる。 写真のコスタハチドリ(オンタというニックネーム)の雄は我家の庭に来た時から私が近づいても怖がらず、カメラのレンズが体に触っても飛んで行かない度胸の座った愛嬌のあるヤツだった。

                Broad-billed Humm. ♂

                我家のフィーダーに来るハチドリは年間8種類で、春秋の渡りの時だけ寄って行く5種類を除くと3種類が常時見られる。 その内の一種がアカハシハチドリ(Broad-billed Hummingbird) で、体長10センチと日本のメジロより小さく、金属光沢の緑色と赤い嘴のコントラストが大変美しい。

                ブッシュに止まるアカハシハチドリ

                小さな潅木の枝先に止まって日向ぼっこしているアカハシハチドリ。 体全体が明るい日に当たると、そのメタリックグリーンが大変美しいが、光が当たらないと、全身真っ黒に見えるだけである。

                フィーダーのアカハシハチドリ
                フィーダーの砂糖水を美味しそうに舐めるアカハシハチドリ

                ハチドリは早い呼吸と早い心拍そして高い体温が必要なので、一日中花の蜜やフィーダーの砂糖水を取らなくてはならない。

                Costas Humm. ♂

                コスタハチドリ(Costa's Hummingbird) も一年中庭の周りで過ごすハチドリである。 体長7.5センチと小さいが、金属光沢の青紫の頭と長く伸びたジョーゼットが豪華で大変美しい。

                コスタハチドリのホブァリング

                コスタハチドリの求愛行動は大変激しく、30メートル近く上昇して時速45キロ近いスピードでアーチ型に急降下する。 しかも美しい青紫のジョーゼットが丁度日の光に当たって輝くようなアングルで急降下し、将来の番いとなる相手にその美しいジョーゼットを見せるのを得意とする。

                Annas Humm. ♂

                頭と喉の深紅色が美しいアンナハチドリ(Anna's Hummingbird) はもともと北米の太平洋西海岸だけに生息するハチドリだったが、近年内陸の南アリゾナ砂漠でもその数が増え、今では一年中フィーダーで砂糖水を取ったり、庭木に巣を作って子育てしたりする姿を見ることが出来る。

                White Lined Sphinx Moth

                多くの人々がハチドリと見間違うスズメガの一種 White-lined Sphinx Moth . ホブァリングしながら空中静止し、花の蜜を吸う姿はまさにハチドリによく似ている。

                我家の庭のハミングバード(ハチドリ)たち ( その1 )

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                   アカハシハチドリ ♂
                  アカハシハチドリ (Broad-billed Hummingbird) ♂

                  ハチドリはTVや雑誌などでよく取り上げられる鳥なので、日本でもその美しさや可愛らしさを知っている人は多いと思われる。 世界で最も小さい鳥のグループで、ほとんどが体長7.5センチから13センチ、
                  重さは2グラムから20グラムほどしかない。
                  ハチドリは翼を羽ばたいている時「ブンブンブン・・・」と蜂と同じような羽音をたてるので、和名「蜂鳥」、
                  英名を「Hummingbird」と名づけられた。

                  コスタハチドリ ♂
                  コスタハチドリ (Costa's Hummingbird) ♂

                  ハチドリはアメリカ大陸(新世界)のみに生息する鳥で341種類おり、その内北米で見られるのは21種
                  である。 ほとんどのハチドリは冬に中南米へ渡りをするが、こんな小さな体でアラスカからメキシコまで
                  4,800キロの長旅をするのもいる。

                  アンナハチドリ ♂
                  アンナハチドリ (Anna's Hummingbird) ♂

                  ハチドリは尾を広げて上手く舵を取りながら上下、左右、後方そして宙返りなど自由自在に飛ぶことが
                  出来るばかりでなく、「8の字」を描くように翼を羽ばたいてホブァリングしながら空中停止も可能である。
                  翼の羽ばたきは目に見えないぐらい早く、一秒間に80回以上も羽ばたく。

                  オフィスからのフィーダー
                  書斎の窓ガラスに取り付けてあるハチドリ用フィーダー

                  一年中暖かいアリゾナでの生活の上でハチドリはまさに日本でのスズメやメジロのような大変身近な鳥
                  の一種である。 我家では書斎やキッチンの窓、そして庭にもフィーダーが掛けてあり、色とりどりの
                  ハチドリが早朝から夕方遅くまで砂糖水を舐めにやって来る。

                  ハチドリ用フィーダー

                  窓に取り付けたフィーダーは横幅14センチほどの小さいもので、中には砂糖水(水10:砂糖4の割合)
                  が入れてある。 フィーダーには色々な形があるが、ハチドリは特に赤い色が好きなので赤が多く、
                  綺麗で庭の装飾にもなっている。

                  フィーダーに止まるコスタ
                  フィーダーに止まって書斎を覗いてるコスタハチドリ

                  一番数の多いコスタハチドリはフィーダーに止まってゆっくり砂糖水を舐めたり、時には目を閉じて休んだり、花の蜜を舐めに飛んだりして一日庭で過ごす。
                  デスクワークで疲れた時、ボヤーと彼らを眺めていると実に目や心が休まる。

                  フィーダーのコスタ ♂
                  フィーダーの砂糖水を舐めるコスタハチドリ ♂

                  ハチドリは蜜を吸うことが出来ないので、長い嘴を吸い口に差込み、長い舌の先にある薄い膜で蜜を捉
                  えて舐める。 蜜を舌で捉える速さは一秒間に13回とまさに驚異の早業である。

                  花とコスタ ♀
                  サルビアの花の蜜を舐めるコスタハチドリ ♀

                  ハチドリはフィーダーだけでなく庭に咲く花にもよく来る。 ホブァリングしながら空中停止し、長くて先が
                  細い嘴を花の中央に差し込み、蜜を舐めたり虫を捕ったりする。

                  コスタの戦い

                  ハチドリは縄張りを守る習性が大変強く、フィーダーを独り占めしようと相手を追い払ったりする。
                  時には嘴をぶっつけあい「カチカチ・・・」という音が聞こえてくるほどの激しい戦いをすることもある。
                  ハチドリの一生は「戦い」の明け暮れらしいが、平均寿命は3年から5年で、飼育下では12年も
                  長生きした記録がある。

                  巣に座るアンナ ♀

                  4月中旬、玄関の前の低い潅木にアンナハチドリが巣を作り雌が座っていた。
                  巾5センチぐらいの小さな巣で、蜘蛛の糸を上手く利用したしっかりしたものである。

                  雛に餌与えるアンナ ♀

                  5月に入ると卵が無事孵化して2羽の雛が生まれ、雌親が忙しくせっせと餌を運んでいた。
                  雄親は子育てをいっさい行わず、近くの高い枝で見張りをしているだけである。

                  アンナの雛

                  2羽の雛は目もしっかり開いて、巣に近づく私を警戒して見るようになった。
                  小さい巣の中で窮屈そうに位置を変えるので、時々巣から落ちそうになることがある。


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