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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たち シリーズ(後編)

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     Magnificent Hummingbird
    アオノドハチドリ(Magnificent Hummingbird / Eugenes fulgens)

    紫色の頭と緑の喉が美しいアオノドハチドリは冬を中南米で過ごし、夏になると南アリゾナのほんの一部の標高の高い針葉樹林で営巣する。 そのため、春と秋の渡りの時期だけ何日間か庭のフィーダーに現れる。

    Violet crowned Humm.
    スミレハチドリ(Violet-crowned Hummingbird / Amazilia violiceps)

    頭のすみれ色と胸、腹の白のコントラストが美しいスミレハチドリは、北米では南アリゾナのメキシコ国境沿いでしか見られない珍しいハチドリである。 ここ2年ほど毎年春になると一日か二日庭のフィーダーに現れる。

    Annas Hummingbird
    アンナハチドリ(Anna's Hummingbird / Calypte anna) 早朝の雷雨で汚れた窓ガラス越しに撮影

    頭と喉が美しいピンク色に輝くアンナハチドリは、昔、太平洋沿岸のカリフォルニアやワシントンにしか生息していなかった。 近年、南アリゾナでもその数が増え、我家の庭木で毎年巣を作って子育てをしている。

    Broad billed Humm.
    アカハシハチドリ(Broad-billed Hummingbird/Cynanthus latirostris)

    フィーダーに集まるハチドリの中でも数が多いアカハシハチドリはソノラ砂漠ではごく普通に見られるが、南アリゾナの砂漠にのみ生息するハチドリで、我家のフィーダーに一年中来る。 体全体が派手な色をしているのでフィーダーでもよく目立つ。

    Costas Hummingbird
    コスタハチドリ(Costa's Hummingbird / Calypte costae) 幼鳥

    コスタハチドリはソノラ砂漠で特に数が多く、”砂漠のハチドリ”と言われ、フィーダーに来る数も大変多い。リビングの窓と書斎の窓にフィーダーを付けてあるので、一日中ひっきりなしに窓辺に来るコスタハチドリはごくごく身近な鳥である。

    Great Horned Owl
    アメリカワシミミズク(Great Horned Owl / Buvo virginianus)

    初夏の暖かい風が吹くと、毎夜7時ごろ庭先の高い木で鳴き始める。全米どこでもごく普通に見られるポピュラーな大型のフクロウで、体長56センチとハシブトガラスと同じ大きさである。 夜ともなると、庭にはフィーダーのおこぼれを食べに”サバクネズミ”が出て来るので、これを目当てに現われるようである。ワシミミズクの子育てが終る頃には南米からサボテンフクロウ(Elf Owl), ヒゲコノハズク(Whiskered Screech-Owl) が戻ってきて、毎夜鳴き声を聞かせてくれる。 そして、我家のフィーダーも全て取り払われ、冬まで庭で鳥を見たり撮影したりするのもしばらくおわずけである。

    庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たち シリーズ(中編)

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       Western Tanager 2889
      ニシフウキンチョウ(Western Tanager)

      庭のフィーダーにはめったに現れないニシフウキンチョウは西側の標高の高い山岳地帯の針葉樹林で営巣し、冬は中南米で過ごす渡り鳥である。

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      ニシフウキンチョウ (Piranga ludoviciana)

      ニシフウキンチョウは春の渡りの時期だけ庭の水場に寄って行くので、年にせいぜい1度か2度ぐらいしか見られない、バックヤードでは珍しい鳥である。

      Black Phoebe 4201
      クロツキヒメハエトリ (Black Phoebe / Sayornis nigricans)

      フィーダーの餌を取りに来る鳥ではないが、ここ2年ほど初夏になると2日か3日ほど庭に現れ、プールの上を飛びまわるトンボやガなどの虫をフライングキャッチしては同じ岩に戻る可愛らしい姿を見せてくれる。

      House Finch 0710
      メキシコマシコ (House Finch) バードバスの水を美味そうに飲む。

      全米どこでもごく普通に見られる鳥で、庭に来る鳥の中でも一番数が多い。 砂漠が暑くなる夏になると涼しさを求めて渓谷深い森林へ移動するので、家のまわりではまったくその姿が見られなくなる。

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      メキシコマシコ (Carpodacus mexicanus) 水を飲んだ後、気持ちよさそうに水浴びする。

      学名からとられたと思う和名は「メキシコマシコ」。しかし、この小さな美しい鳥はメキシコとはまったく関係がなく、昔は「ムネアカヒワ(Linnet) 」と呼ばれていた。 1940年代にヨーロッパから籠の鳥としてニューヨーク・ロングアイランドに持ち込まれた鳥で、またたく間に全米にその数が広まり、今では同じくヨーロッパから輸入された「イエスズメ(House sparrow) 」の数より多い。

      Yellow-rumped Warbler 7199
      キヅタアメリカムシクイ (Yellow-rumped WarblerのAudubon種 / Dendroica coronata) 玄関のマットの上で虫捕りをする。

      フィーダーにはほとんど来ないが、春・秋の渡りの時期には毎年庭に現れ、高い木の枝や庭のまわり、屋根などで盛んに虫を捕っている。

      White-winged Dove 8084
      ハジロバト (White-winged Dove / Zenaida asiatica) 翼の淵が白いのが特徴。

      庭に来るハトは冬の間はナゲキバト(Mourning Dove) だけであるが、春も終わり暑い夏のモンスーンが近づいてくると、中米からハジロバトが帰って来る。大サボテン(Saguaro) の花の蜜を吸っている姿はよくソノラ砂漠を紹介する絵葉書やガイドブックに出ている。

      庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たちシリーズ (前編)

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         Greater Roadrunner 1
        塀の柵の間を通って庭に入って来るオオミチシバリ(Greater Roadrunner )

        ソノラ砂漠は春が短いので4月に入るとすぐ初夏となってしまう。 砂漠で冬を過ごした鳥たちは北へ向って渡り始め、いつのまにか庭に姿を現わさなくなってしまい、かわりに夏鳥たちが中南米から帰って来る。我家の庭には年間40種類以上の鳥たちが訪れる。 庭に来てくれる身近な”生きもの”とのふれあいを通して、彼らと共に暮らす生活はうるおいがあって実に心がやすまる。

        Greater Roadrunner 2
        塀沿いを歩きながら好物のトカゲを探すオオミチバシリ (Geococcyx californianus )

        愛称ロードランナーと呼ばれているオオミチバシリは渡りをしない留鳥なので、年間を通して我家の周りにいるが、庭のフィーダーのえさ場にはほとんど来ない。しかし、春になると家のまわりでハトに似た低い「クークークー・・・」という彼らのさえずりが聞こえて来る。そして夏の子育ての時期には水を飲みに庭にほぼ毎日のように現れる。

        Lark Sparrow 1
        ヒバリヒメドリ (Lark Sparrow )

        庭に初めて現れたヒメドリで、北への渡りの途中、水を求めて立ち寄ったようである。 砂漠では水は生きものにとって大変貴重で、流れる水音を聞きつけて色々な鳥たちがやって来る。

        Lark Sparrow 2
        プールに流れえる水をうまそうに飲む ヒバリヒメドリ (Chondestes grammacus )

        アメリカは庭にフィーダーを掛け、水場を作って鳥見を楽しんでいるバーダーが大変多く、「如何にたくさんの鳥を庭に呼べるか・・・」を専門に特集する雑誌も数多く売られている。この手のバーダーを”バックヤードバーダー”とか”アームチェアーバーダー”と呼んでいる。 彼らは鳥見の旅に出かけることもなく、もっぱら自宅の庭に来る鳥を楽しんでいる。

        Hooded Oriole 1
        ハチドリ用の砂糖水を失敬する ムナグロムクドリモドキ (Hooded Oriole )

        中南米で冬を過ごしたたくさんの夏鳥たちが春から夏にかけてソノラ砂漠に戻って来る。 中でもひときわ派手なムナグロムクドリモドキが現れると、庭も一段と華やかになる。

        Hooded Oriole 2
        ムクドリモドキ専用のフィーダーを掛けてやると、喜んで砂糖水をなめに3羽から5羽も庭にやって来る。
        ムナグロムクドリモドキは先の尖った嘴で花のベースを突き刺して花蜜を取るほど甘党である。

        Hooded Oriole ♂♀水浴び
        珍しくムナグロムクドリモドキの雄と雌が同時に小さなバードバスに入る。

        バードバスの水に足を入れ、これから水浴びをしようとしているところだが、どちらが先か・・・どうやら言い争っているようである。

        Hooded Oriole ♀水浴び
        言い争いは雌が勝利、得意げにゆっくりと自分だけで水を浴びる。

        ムナグロムクドリモドキはもともと水辺に生息していた鳥で、近年になって庭のフィーダーにも現れるようになった。そのため水浴びが大好きで、特に雌は一日に2回から3回はバードバスに現れる。

        冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その5)

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           Coopers Hawk ♂ 1
          花のハンギングポールに止まって庭を見下ろす クーパーハイタカ(Cooper's Hawk) ♂

          クーパーハイタカはニューヨークからカリフォルニアまでの全米でごく普通に見られる中形の鷹で、別名「Feeder's Hawk」(フィーダーの鷹)と呼ばれるぐらい、よーく庭のフィーダーに集まる鳥を狙う。アリゾナの砂漠では特にナゲキバトとズアカカンムリウズラが彼の主なターゲットのようだ。

          Coopers Hawk ♂ 2
          庭木の陰に隠れる鳥たちの動きをじっと見つめるクーパーハイタカ

          クーパーハイタカは非常にクールかつトリッキーな鳥で、目立たない庭木の低い枝や塀の隅などに止まってじっと動かずに待ち伏せをする。 フィーダーにハトやウズラが現れるや、庭の狭い空間を低く驚くほどのスピードで曲芸師のようにダッシュして鋭い爪で引っ掛けて獲物を捕る。

          Coopers Hawk ♂ 3
          ついには庭のポーチに下りて、バードバスの周りに隠れる鳥を探し始めたクーパーハイタカ

          クーパーハイタカは朝夕一日に2回オス・メスのカップルで庭に現れるので、フィーダーに来る鳥たちも逃げ隠れに忙しい。 しかし、彼らの目は大変良く、鷹が飛来するのを素早く見つけ。あっという間に四方へ散って行く。 見てる限り庭で犠牲になるハトは年間2羽から3羽程度、ウズラにいたっては見たことがない。クーパーハイタカの獲物捕りもなかなか簡単にはいかないようだ。

          Coopers Hawk ♀
          クーパーハイタカ 幼鳥、一年目のメス

          クーパーハイタカが突然フィーダーに現れると、ハトやウズラは一斉にすごい羽音を立てて飛び上がり砂漠へ散って行く。特にいつもグラウンドをのんびり歩く姿しか見ないカンムリウズラが「こんなに飛べるの・・・?」と思わず言ってしまうほど、力強く、勢いよく、飛び立つ姿にはびっくりさせられる。 また、飛び立てなかったウズラは その場でフリーズ(じっと動かない)してしまい、鷹が飛び去るまで首も足もいっさい動かさず、何分でも置物の ようにじっとしている。 野生の鳥の間にある「食う〜食われる」の関係をこうして庭で間近に見ていると、自然の中で生きる彼らの厳しさが伝わってくる。

          Verdin 1
          ハチドリ用のフィーダーの砂糖水を失敬する アメリカツリスガラ(Verdin)

          アメリカツリスガラは北米南部の砂漠では一年中見られる留鳥であるが、フィーダーには冬の間だけしか姿を見せない。 メジロぐらいの大きさで、非常に身軽、フィーダーで逆さまになったり、ぶら下がったり・・とカラ類のようにアクロバティックな動きをするので見ていても飽きない。

          Verdin 2
          スエットフィーダーのピーナツバターを食べる アメリカツリスガラ

          和名で「ツリスガラ」と呼ばれるように、砂漠のチョーヤサボテンに手の込んだ球形の巣を器用に作る。 巣内の壁は厚く、砂漠の暑い太陽熱や朝晩の冷たい寒気を絶縁出来るようになっている。

          Northern Cardinal ♂
          庭木(Palm Tree)でくつろぐ ショウジョウコウカンチョウ♂(Northern Cardinal-Southwest)

          全米で最もポピュラー、しかも人気がある鳥の一つで、カトリックの枢機卿のマントの色に似ているので「カーディナル」と呼ばれている。 7つの州の「州鳥」であり、野球メジャーリーグのセントルイスやフットボールのアリゾナのロゴマークにもなっている。

          Northern Cardinal ♀
          餌箱からヒマワリの種を取り出す ショウジョウコウカンチョウの♀

          アリゾナで見られる「カーディナル」はSouth West 型で、冠羽が大きく立派なので東側で見られるのより体が大きく見える。 昨年、庭木で巣を作り子育てをしていたところ、春の突然の突風と雷を伴った嵐に遭遇し、ヒナが巣もろとも飛ばされて下へ落ちてしまった悲しい出来事があった。

          冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その4)

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             Phainopepla 1
            レンジャクモドキ(Phainopepla) ♂

            レンジャクモドキは黒っぽい鳥であるが、光を浴びると水色がかった色となって大変美しい。
            ヤドリギやベリーの実を求めて移動する放浪性の高い鳥なので、フィーダーの餌には興味を示さないが、冬の間、バードバスの水を飲みにたまに姿を見せることがある。

            Phainopepla 2
            バードバスで水を飲む レンジャクモドキ

            レンジャクモドキは冬から春にかけて砂漠で過ごし子育てもする。そして暑い夏になると標高の高い湿気のある涼しい渓谷深く移動して、2回目の子育てをする面白い習性を持っている。

            Rock Wren 1
            塀の上で腰を振りながら”ピリリ・・ピリリ・・・”と鳴く イワサザイ(Rock Wren)

            冬の間は家の周りで虫捕りをすることが多いが、ピーナツは特に好きなようで、ちょくちょくフィーダーにも寄って行く。初夏になるといつの間にか家の周りから居なくなり、涼しい渓谷深く移動してしまう。

            Rock Wren 2
            庭のソーラライトの上に止まって日に当たるイワサザイ

            イワサザイは家の壁の隙間や花のポットの下、マットの上、屋根や煙突の隙間などから虫を見つけ出しては食べている。 砂漠の冬も鳥が生活していく上ではやはり厳しい季節である。比較的暖かい家の周りに集まる虫は彼らの生活を支える重要な食物資源となる。

            Lesser Goldfinch 1
            アザミの種が入ったフィーダーが特にお気に入りの ヒメキンヒワ(Lesser Goldfinch)

            ヒメキンヒワは全米でごく普通に見られる同じ仲間のオウゴンヒワ(American Goldfinch)よりずっと小さく、日本のメジロと同じ大きさで、北アメリカ西側の暖かい南部で普通に見られる。

            Lesser Goldfinch 2
            気持ち良さそうに水浴びをする ヒメキンヒワ

            ヒメキンヒワは水浴びが大好きで、一日に何回も水場に来る。流れている水でも怖がらず、こうして長い時間  浸かっていることがある。

            冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その3)

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               Aberts Towhee 1
              メグロトウヒチョウ(Abert's Towhee) 南アリゾナの砂漠だけに生息する固有種

              目立たない地味な鳥で、主にグラウンドを歩きながら餌取りをするので、このように高い塀の欄干に足をかける姿はフィールドでは考えられない大変珍しい姿である。

              Aberts Towhee 2
              フィールドでは明るい所にめったに出て来ない メグロトウヒチョウ

              この鳥は大変臆病で、人の気配がするとすぐ岩陰や低い潅木の中に隠れてしまうのでフィールドで見るのが難しい。 庭では餌につられて写真も比較的楽に撮らしてくれるが、少しでも室内のブラインドが動いたり小さな物音がするとすぐ飛んでしまう。

              Green-tailed towhee
              ミドリトウヒチョウ(Green-tailed Towhee) めったにフィーダーには来ないので、庭で見れたのは大変ラッキー。

              ミドリトウヒチョウは標高の高い森林で営巣をするので、砂漠で見られるのは冬の間だけである。 しかも岩場の急斜面や低潅木の密集しているグラウンドで餌取りをするので、フィールドでは見るのがなかなか難しい。 両足をそろえて飛び上がり、グラウンドを引っ掻くようにして餌取りする姿は滑稽で、こんな行動を見れるのも庭ならではである。

              Gambels Quail 1
              親子並んで仲良く水を飲む ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail)

              ズアカカンムリウズラはソノラ砂漠でごく普通に見られる鳥で、初夏には10羽近くの雛を連れて庭で虫捕りをする姿も見られる。(7/20/2012の記事) 冬になると大きな群を作ってフィーダーに現れ、「丸呑みスタイル」であっという間に餌を食べつくしてしまう。

              Gambels Quail 2
              臆病もののズアカカンムリウズラも庭では大きな顔をして餌取りをする。

              庭には3ヶ所にフィーダーが掛けてあるが、カンムリウズラやミヤマシトドなどはグラウンドを歩きながら餌取りをするので、朝夕に限り、少量だけ彼らが食べやすいようにポーチに蒔いておく。 夜には「サバクネズミ」や「カンガルーネズミ」が出て来てこれらの餌の残りをきれいに平らげていく。

              Pyrrhuloxia ♂
              塀の欄干でくつろぐ ムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia ♂)

              ムネアカコウカンチョウは北アメリカ南部のメキシコ国境沿いの砂漠でしか見られない貴重種。 全米どこでも見られる最もポピュラーな「ショウジョウコウカンチョウ」によく似ているので「砂漠のカーディナル」とも呼ばれる。

              pyrrhuloxia ♀
              全身が灰色で地味なムネアカコウカンチョウのメス

              読みづらいラテン語からきた英名は「ピルロキシア」と呼ぶ。 オウムのような嘴をしているのでフィーダーのピーナツを食べるのに苦労する。 庭に来る鳥たちは皆クールで、人間の行動をよく観察している。 朝起きがけにフィーダーに餌を入れた後、ポーチでコーヒーを飲んでいても、安全と分かれば彼らはすぐバラバラと飛んで来て餌を食べ始める。

              冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち その2

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                 White-crowned Sparrow 1
                派手な頭の白黒パターンが美しい ミヤマシトド(White-crowned Sparrow)

                ミヤマシトドは日本では珍鳥であるが、冬の砂漠ではフィーダーに来る鳥のなかでも大変数が多く、10羽以上の群で一日中好きなピーナツを食べたり、水を飲んだりする。 特に寒い夜には、庭木で寝ているらしく、夜中に「チッチッ・・・」と鳴き声が聞こえてくる。

                White-crowned Sparrow 2
                丸いピーナツをくわえては転がし、細かく割りながら食べる ミヤマシトド

                ミヤマシトドは冬は暖かい砂漠で過ごし、初夏になると北カナダの西部やアラスカへ渡って行く。 庭のフィーダーで少しでも多くの栄養を蓄え、エネルギー源である脂肪をつけて、無事長い旅をしてほしいと思いながら 毎日餌を出す。 賑やかだった彼らが春先にいつの間にか居なくなると、庭も実に寂しくなる。

                Lincolns Sparrow 1
                庭木の間から静かにひっそりと姿を現わす ヒメウタスズメ(Lincoln's Sparrow)

                ヒメウタスズメは水辺が好きな鳥なので庭のフィーダーにはめったに現れない。 しかも非常に数が少なく群れないので目立たず、その姿を庭で見れるチャンスも多くない。

                Lincolns Sparrow 2
                スエットフィーダーから落ちてくるピーナツバターのおこぼれを拾う ヒメウタスズメ

                ヒメウタスズメも北カナダやアラスカの山岳地帯で夏を過ごすので、アリゾナ砂漠では短い冬の間だけしか見られない。 彼らはグラウンドを歩きながら餌取りをするので、フィーダーに直接上がることが出来ず、もっぱらフィーダーの下に落ちる餌をついばんでる。

                Rufous-winged Sparrow
                フタスジスズメモドキ(Rufous-winged Sparrow) 家の周りの砂漠で一年中過ごす留鳥であるが、フィーダーにはめったに現れない。

                フタスジスズメモドキは南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないメキシコ種で、バーダーたちがアリゾナでぜひ見たいと思う鳥である。 真冬の朝方、気温が零下にまで下がる日が続くと、フィーダーに現れることが   ある。

                Curve-billed Thrasher
                マルハシツグミモドキ(Curve-billed Thrasher) 大きな体のくせに小さなフィーダーの中に入り込んで好きなピーナツを食べる。

                この鳥も渡りをしないので一年中砂漠で見られる留鳥である。 フィーダーでじっくりピーナツやヒマワリの種を 食べた後、バードバスに寄ってゆっくりと美味そうに水を飲んで行くのが彼の行動パターン。

                冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち その(1)

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                   Coopers Hawk & Pushridge 山
                  塀に止まるクーパーハイタカ(Cooper's Hawk)とプッシュリッジ山

                  我家はアリゾナ第2の町「ツーソン」の北20キロにあり、プッシュリッジ山の麓で「カタリナ州立公園」に隣接しているので、四季(砂漠にも四季があるのには驚いたが・・)折々に色々な鳥や生きものたちが庭のフィーダーや
                  水場にやって来る。

                  Cactus Wren & House Finch
                  サボテンミソサザイ(Cactus Wren)とメキシコマシコ(House Finch)
                  スエット(ピーナツバター)のフィーダーは大変人気があり、いろいろな鳥が取り合いをする。

                  サボテンミソサザイはアリゾナの「州の鳥」で、まさにソノラ砂漠を代表する鳥である。 体長が22センチと日本のスズメより大きく、北米で一番大きいミソサザイ。 冬は砂漠も食べ物が少なくなり、しかも朝晩はかなり寒くなるので鳥たちはどうしてもフィーダーを頼りにする。

                  Cactus Wren singing
                  水浴びをした後、庭木で囀るサボテンミソサザイ

                  サボテンミソサザイは姿や大きさだけでなく、鳴き声もとてもミソサザイとは思えない。 「囀り」は悪声で、低く
                  単調な「ギョギョギョ・・・」を繰り返すだけである。 しかも、この奇妙で耳障りな鳴き声はよく砂漠に響き渡る。

                  Gila Woodpecker 餌箱
                  フィーダーに頭を入れ大好物のヒマワリの種を取るサバクシマセゲラ(Gila Woodpecker)

                  南アリゾナのソノラ砂漠のみに生息するキツツキで、フィーダーに来る時はかならず”キーキーキー・・・”と甲高い声で煩く鳴くので直ぐ分かる。

                  Gila Woodpecker ハムフィーダー
                  ハチドリのフィーダーから砂糖水を失敬する甘党のサバクシマセゲラ

                  サバクシマセゲラはなかなか頭が良くクールである。ハチドリのフィーダーに止まり、揺すりながら出てくる砂糖水を器用に舐める。 彼らはサーカスのアクロバットのように実に身軽にどこでも逆さまにぶら下がったりする。

                  Gila Woodpecker スエットフィーダー
                  スエットのフィーダーからピーナツを取り出すサバクシマセゲラ

                  サバクシマセゲラは貪欲で何でも食べる。フィーダーの中のヒマワリの種やピーナツをじっくり時間をかけて食べた後、ハチドリ用の砂糖水を舐め、最後にスエットのピーナツバターをしっかり食べ、水を飲んで砂漠へ帰って行く。

                  Gila Woodpecker 煙突
                  屋根上の煙突でドラミングするサバクシマセゲラ(♀)

                  サバクシマセゲラは大変いたづら好きで、家の壁や柱にへばりついて窓から室内を覗いたりする愛嬌ものである。また、特に朝早くやっと夜が明ける頃、屋根上の煙突でドラミング(ドラムを打つように嘴で激しく叩く)をすることがあり、その大きな音に目が覚めて起こされるのにはいささか参る。

                  庭の片隅で4日間を過ごしたズアカカンムリウズラの親子(アリゾナ)

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                     オス欄干上
                    ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail) はソノラ砂漠で見られる鳥の中でも最も数の多い鳥の一つであるが、フィールドでは意外となかなかゆっくり見ることが出来ない。むしろ庭のフィーダーには毎日のように現れるので、多くの人々は涼しいクーラーのきいた家の中から見ることが多いだろう。ズアカカンムリウズラの雄は雌とつがうと、常に雌につきそって行動をする。雌が餌取りちゅうは塀の欄干に立って見張りをすることが多い。

                    オスとメスと雛
                    毎年モンスーン季に入る7月、ズアカカンムリウズラの雄と雌が生まれたての雛を連れて庭に現れる。

                    オスが虫取りを教える
                    雛に虫の捕り方を教えている雄親の姿を見ていると、実にほほえましく気持ちが安らかになる。

                    虫を捕る雛
                    親に教わったとおり虫捕りを始める雛。ズアカカンムリウズラが主に虫を食べるのは雛の間だけで、成長すると草木の種子がメイン食となる。

                    草の虫を探す雛2羽
                    日差しが強く照りつけるなか、草の葉の裏についてる虫を丹念に探す雛の姿を見ていると、その生きるたくましさを感じる。

                    雛3羽で歩く
                    今年は5羽の雛を連れてきたが、多い年は10羽ぐらい連れてくる年もある。雛は大変早熟で卵が孵化して数時間以内には巣を離れ親と歩き始める。

                    ブーゲンビリアと雛
                    ギラギラと太陽が照りつける真夏の庭は40度を越す暑さで、パティオのコンクリートの照り返しが大変強く、ブーゲンビリアの花や雛もモヤーと見えて幻想的である。

                    座り込む雛
                    虫捕りに疲れ、座り込む雛。ズアカカンムリウズラは地上を歩き回って餌取りする生活なので天敵が大変多く、そのため10羽生まれても残れるのは2羽か3羽程度と非常に少ない。しかも平均寿命はたった1年から2年と大変短い命である。

                    へこたれた雛(2)
                    暑い日中の餌取りは雛にとっては大変な重労働である。体力の弱い巣立ちまもない雛はすぐへこたれて座り込み、1〜2分死んだように寝込んでしまう。

                    雛とメス親
                    ズアカカンムリウズラはほとんど飛ぶ姿は見られず、地上を歩き回る一生であるため極端に大きな足を持っている。生まれたての雛の足も親に負けないくらい大きい。

                    雄の胸で寝る雛(2)
                    雄親の胸で寝る雛たち。ズアカカンムリウズラは人が出入りする庭をめったに塒にすることはないが、よっぽどこの一家は恐ろしい目にあったのだろうか?天敵から身を守る上で、人間のすぐそばにいた方が都合がよいのであろう・・・4日間も小さな我家の庭でゆっくりと過ごしていった。おかげでその間は庭の花の手入れをするのにも大変気を使う毎日であった。

                    メスについて出て行く雛
                    4泊を庭で過ごしたズアカカンムリウズラは5日目の朝早く、雄親を先頭にゆっくりと歩いて庭から出て行った。

                    庭のゲートをまたぐ雛
                    庭のゲートの間を一羽づつ上り静かに外へ出て行く姿を見ながら、みんな無事に育って大きくなってくれよ・・と祈る気持ちで見送った。



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