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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たちシリーズ (前編)

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     Greater Roadrunner 1
    塀の柵の間を通って庭に入って来るオオミチシバリ(Greater Roadrunner )

    ソノラ砂漠は春が短いので4月に入るとすぐ初夏となってしまう。 砂漠で冬を過ごした鳥たちは北へ向って渡り始め、いつのまにか庭に姿を現わさなくなってしまい、かわりに夏鳥たちが中南米から帰って来る。我家の庭には年間40種類以上の鳥たちが訪れる。 庭に来てくれる身近な”生きもの”とのふれあいを通して、彼らと共に暮らす生活はうるおいがあって実に心がやすまる。

    Greater Roadrunner 2
    塀沿いを歩きながら好物のトカゲを探すオオミチバシリ (Geococcyx californianus )

    愛称ロードランナーと呼ばれているオオミチバシリは渡りをしない留鳥なので、年間を通して我家の周りにいるが、庭のフィーダーのえさ場にはほとんど来ない。しかし、春になると家のまわりでハトに似た低い「クークークー・・・」という彼らのさえずりが聞こえて来る。そして夏の子育ての時期には水を飲みに庭にほぼ毎日のように現れる。

    Lark Sparrow 1
    ヒバリヒメドリ (Lark Sparrow )

    庭に初めて現れたヒメドリで、北への渡りの途中、水を求めて立ち寄ったようである。 砂漠では水は生きものにとって大変貴重で、流れる水音を聞きつけて色々な鳥たちがやって来る。

    Lark Sparrow 2
    プールに流れえる水をうまそうに飲む ヒバリヒメドリ (Chondestes grammacus )

    アメリカは庭にフィーダーを掛け、水場を作って鳥見を楽しんでいるバーダーが大変多く、「如何にたくさんの鳥を庭に呼べるか・・・」を専門に特集する雑誌も数多く売られている。この手のバーダーを”バックヤードバーダー”とか”アームチェアーバーダー”と呼んでいる。 彼らは鳥見の旅に出かけることもなく、もっぱら自宅の庭に来る鳥を楽しんでいる。

    Hooded Oriole 1
    ハチドリ用の砂糖水を失敬する ムナグロムクドリモドキ (Hooded Oriole )

    中南米で冬を過ごしたたくさんの夏鳥たちが春から夏にかけてソノラ砂漠に戻って来る。 中でもひときわ派手なムナグロムクドリモドキが現れると、庭も一段と華やかになる。

    Hooded Oriole 2
    ムクドリモドキ専用のフィーダーを掛けてやると、喜んで砂糖水をなめに3羽から5羽も庭にやって来る。
    ムナグロムクドリモドキは先の尖った嘴で花のベースを突き刺して花蜜を取るほど甘党である。

    Hooded Oriole ♂♀水浴び
    珍しくムナグロムクドリモドキの雄と雌が同時に小さなバードバスに入る。

    バードバスの水に足を入れ、これから水浴びをしようとしているところだが、どちらが先か・・・どうやら言い争っているようである。

    Hooded Oriole ♀水浴び
    言い争いは雌が勝利、得意げにゆっくりと自分だけで水を浴びる。

    ムナグロムクドリモドキはもともと水辺に生息していた鳥で、近年になって庭のフィーダーにも現れるようになった。そのため水浴びが大好きで、特に雌は一日に2回から3回はバードバスに現れる。

    鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏シリーズ(3)

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       Ocotillo & Puschridge Mt.
      新緑のOcotillo(オカティーヨ)とプッシュリッジ山

      初夏に入ると陽射しは日増しに強くなり、殺風景だったソノラ砂漠も緑の葉や色とりどりの花が咲き始め、明るく華やかになってくる。

      Ocotillo & Saguaro
      Saguaro(サワーロ)サボテン林に咲く赤い”オカティーヨ”の花はソノラ砂漠の初夏の象徴である。 ソノラ砂漠からメキシコにかけて多い”オカティーヨ”は棘が多いがサボテンではなく、多脂性の低木でハナシノブの仲間である。

      Ocotillo Flower
      初夏のぬけるような青空に映える”オカティーヨ”の赤い花”オカティーヨ”の花蜜は春の渡りをするハチドリ(Hummingbird)の重要な栄養源となる。

      Parry Penstemon Flower
      オオバコの仲間 Parry penstemon

      こんなさりげない野花でも季節の変化を見事に教えてくれる。初夏の砂漠のトレールは歩く足元の草花が花を咲かせ、小さな虫たちが飛びまわり始め、ソングバード(Songbird) が新緑の梢でさえずり始める。

      Black taled Gnatcatcher 1
      オグロブユムシクイ (Black-tailed Gnatcatcher ) ♂

      初夏に入ると、色々な鳥たちが巣材集めや巣作りを始める。オグロブユムシクイはメキシコと国境を接する南の砂漠地帯に生息する留鳥で、3月には早くも雄・雌で仲良く巣材を運ぶ姿が見られる。

      Black tailed Gnatcatcher 2
      オグロブユムシクイ (Polioptila melanura) ♂

      オグロブユムシクイは雄・雌で巣作りをし雛を育てる仲の良い鳥である。雌が巣材の鳥の羽を持ってきて巣底に敷き、雄が色々と体の角度を変えながら座り心地をチェックしている。

      Black tailed Gnatcatcher 3
      青空に向かってさえずるオグロブユムシクイ。こんな小さな仕草でも初夏を感じる。

      オグロブユムシクイは体長10センチとメジロより小さい。さえずりは単調で、忙しくただ”ジェージェージェー”をくり返すだけである。

      Black tailed Gnatcatcher 4
      オグロブユムシクイの雌は雄のさえずりを横でじっと聞きほれているようである。

      Curve billed Thrasher
      マルハシツグミモドキ (Curve-billed Thrasher / Toxostoma Curvirostre)

      早くも3月に生まれたマルハシツグミモドキの雛はすっかり親と同じ大きさになり巣の周りを歩き始めた。それにしても、チョーヤサボテンの大きな棘に囲まれた巣は外敵から雛を守るには最適であるようだ。

      鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏シリーズ(2)

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         Pyrrhuloxia 1
        ムネアカコウカンチョウ (Pyrrhuloxia ) ♂

        ラテン語そのままの英名は「ピルロキシア」と呼ぶ。 巨大な Saguaro(サワーロ)サボテンの天辺で高らかにさえずるムネアカコウカンチョウはオオムのような嘴で、大変愛嬌のある顔をしている。

        Pyrrhuloxia 2
        ムネアカコウカンチョウ (Cardinalis sinuatus )

        赤い花が咲き始めた「Ocotillo](オカティーヨ)の枝先でさえずるムネアカコウカンチョウのクリアーな鋭い口笛のような鳴き声は砂漠によく響く。 初夏!自然の中での鳥のさえずりは大変気持ちをいやしてくれる。

        Pyrrhuloxia ♀
        ムネアカコウカンチョウ ♀

        メスは地味な色で目立たない。オカティーヨの花蜜を食する姿も初夏ならではの光景である。

        Rufous-winged Sparrow
        フタスジスズメモドキ (Rufous-winged Sparrow - Aimophila carpalis )

        南アリゾナの一部と北メキシコの一部でしか生息してない固有種で、バーダーたちがぜひ見たいと思う人気種である。 初夏のソノラ砂漠ではあちらこちらでさえずりが聞け、営巣する姿も見られる。

        Black-throated Sparrow
        ノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow - Amphispiza bilineata )

        白黒のパターンが美しいので広い砂漠の中でもよく目立つ。トリルをともなったハイピッチの澄んだ鳴き声はまさに初夏のサウンドである。

        Greater Roadrunner
        オオミチバシリ (Greater Roadrunner - Geococcyx californianus )

        愛称「ロードランナー」はほとんどグラウンドを歩いたり走ったりする姿しか見かけないが、初夏になると、潅木の高い枝に登り、低くさえない声で「クークークー・・・・」と鳴く。 この声を聞くと、ロードランナーはカッコウの仲間であることがよーく判る。

        Gambels Quail 1
        高い木の天辺でさえずる ズアカカンムリウズラ (Gambel's Quail )

        この鳥もめったに飛ばず、グラウンドを歩き回る姿しか見れないが、やはり初夏になると、高い木の枝や岩に登ってよく響くのんびりした声で「ポアー」と鳴く。

        Gambels Quail 2
        ズアカカンムリウズラ (Callipepla gambelii )

        我家の庭の欄干のウチワサボテンに向かって「ポアー」とさえずる姿も初夏ならでは・・・である。 この時期のズアカカンムリウズラの雄の行動は実に面白い。 テリトリーを守るため高いソングスポットで「テリトリー宣言」のさえずりをし、また、連れ合いの雌にいつもぴったりくっついて歩き、雌が餌取りをしている間は高い所に上がって連れ合いを守るようにじっと見張りをしている微笑ましい姿も見られる。

        鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏 シリーズ(1)

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           Lucys Warbler 1
          初夏の砂漠の歌い手 ルーシーアメリカムシクイ(Lucy's Warbler)

          ソノラ砂漠の春は大変短く、4月に入るとすぐ初夏の気候となり、朝晩は10度以下の涼しさでも日中は25度以上となる。 そして、中南米で冬を過ごしたルーシーアメリカムシクイがどの鳥よりも早く、一番最初に歌を聞かせてくれる。

          Lucys Warbler 2
          赤い頭の毛を立ててさえずる ルーシーアメリカムシクイ(Vernivora luciae)

          高くて細い「シェリ、シェリ、シェリ・・・・」というさえずりは、まだ他の鳥が鳴いていない静かな砂漠によーく響く。

          Lucys Warbler 3
          枝から枝へ激しく動き回りながら囀るルーシーアメリカムシクイ

          これと言った特徴のないアメリカムシクイで、主にアリゾナで見られる。 体長11センチとメジロと同じ大きさの北米で一番小さなムシクイで、しかも落ち着きなく枝から枝へ飛び移りながらさえずるので写真を撮るのが難しい。

          Bells Vireo 1
          早くも3月下旬にはメキシコから渡って来る ベルモズモドキ(Bell's Vireo)

          ベルモズモドキは大変小さく、全体にくすんだ灰色なので目立たない。しかも、囀りがさえなくて単調で耳障りな歌である。 「ジュル、ジュル、ジュル・・・・」と終わりなく鳴き続けるので、時には暑苦しい感じがする。

          Bells Vireo 2
          地味な色をした ベルモズモドキ(Vireo bellii)

          大きな潅木の枝先に出て来ることはめったになく、幹近くの枝で葉に隠れるように動きまわりながら囀るので、じっくり見ることが難しい鳥である。

          Phainopepla ♂
          レンジャクモドキ(Phainopepla) ♂ 

          学名ラテン語からとった英名は「ファイノペプラ」と呼ぶ。潅木の高い枝先で鳴くレンジャクモドキは独特なシルエットなので遠くからでも見つけやすい。 口笛のような「ホイ・・・」という鳴き声は砂漠の初夏ののんびりした雰囲気にぴったりである。

          Phainopepla ♀
          レンジャクモドキ(phainopepla nitens) ♀

          オス・メスで鳴き合いながら乱舞して飛ぶ姿はなかなか美しい。 ソノラ砂漠で最初の子育てをした後、真夏の暑いモンスーン季に入ると、涼しい渓谷深くへ移動して2回目の営巣をする。

          Hooded Oriole
          ムナグロムクドリモドキ(Hooded Oriole / Icterus cucullatus)

          明るいオレンジ色と黒のパターンが派手で、遠くにいてもよく目立つ。 この鳥が中南米から戻って来ると、      殺風景だった砂漠も一段と華やかになって、まさに初夏を感じる。

          突然きた我家のハチドリとの悲しい別れ

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             コスタと山
            山に白い雪が被る「大寒」の寒さにじっと耐える コスタハチドリCosta's Hummingbird) の元気な姿。

            我家の庭のフィーダーには年間11種類のハチドリが来て砂糖水を舐めていく。 その中でもコスタハチドリは
            一年中庭で見られ、しかも食堂や書斎の窓に付けてあるフィーダーには四六時中来ているので、大変身近な鳥の一つである。 ニックネーム「オンタ」と名づけたこのコスタハチドリの雄は3年間ほど我家のフィーダーに来ておりすっかり私に馴れてしまい、フィーダーの砂糖水を取り替えるため近づいても飛んで行かずにすぐ横の枝でじっと新しい砂糖水がくるのを待っているほどである。

            グラウンドのコスタ 1
            3月に入って春の暖かい日が続く先週の朝、グラウンドに下りているコスタハチドリ(オンタ)の異常な姿に驚く。

            グラウンドにうずくまる「オンタ」は私が近づいても飛ぼうとせず羽を少し開いてじっとしている。横のソーラライトと比べても、コスタハチドリが如何に小さいか(体長9センチ、体重3グラム)がよーく分かる。

            グラウンドのコスタ 2
            「オンタ」にさらに近づくと、羽を広げて飛ぼうとするが力弱く飛ぶことが出来ないらしい。これではフィーダーにも上がれないので、きっと朝から砂糖水が取れておらず、衰弱してきているな・・と思い、これは大変なことになった・・・と少々慌てる。

            手の上のコスタ
            手を差し伸べると、やっと這い上がってきてじっとしている。

            何しろハチドリは昼間4時間エサを取れないと死んでしまうらしいので相当衰弱している・・・と思われた。

            手の上のコスタとフィーダー
            「オンタ」を手にのせたままフィーダーまで持っていくと、かろうじて弱い力をふりしぼって砂糖水を舐め始めた。 すっかり体力が弱っているのだろう・・・・横に飛んで来た別のコスタハチドリを追い払うことも出来ず、ただひたすら静かに砂糖水を舐めていた。

            Palm 幹のコスタ
            砂糖水をゆっくり舐め終えたので「オンタ」がいつも止まっていたやしの木の太い枝に置いてやると、体を寄せてやっと止まっておれるようだ。 目は元気な時の鋭さがなく、半分寝ているようである。

            箱の中のコスタ
            「オンタ」は飛ぶことも花やフィーダーへ行き蜜や砂糖水を自力で取ることが出来ないようなので、仕方なくプラスチックの箱に入れてフィーダーを側に置いて家に入れることにした。 ほとんど目を閉じて寝ており、時々思い出したように砂糖水を舐めていた。 その舐める力も大変弱く、舌を出すことも出来ずに嘴のまわりについた砂糖水をかろうじて舐めていた。

            死んだコスタ
            「オンタ」は夜中にはまだ背中と尾が時々少し動いていたが、翌朝ついに動かなくなってしまった。 美しい紫色の頭とジョウゼットの羽を膨らませたまま静かに寝ているようであった。 庭の隅に小さな穴を掘り、丁度満開になっていた庭の花を引きつめて埋めてやる。

            Palm の枝のコスタ
            「オンタ」の死ぬ2週間前の姿である。ヤシの枝でフィーダーの砂糖水を取り替える私をじっと見ている。

            これまでたくさんの鳥や動物をフィールドで見てきたが、彼らの死んだ姿を見ることはほとんどない。今回は野生のハチドリが弱っていき、その命尽きていく姿をゆっくり見ることが出来たのは貴重な経験であった。

            冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その5)

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               Coopers Hawk ♂ 1
              花のハンギングポールに止まって庭を見下ろす クーパーハイタカ(Cooper's Hawk) ♂

              クーパーハイタカはニューヨークからカリフォルニアまでの全米でごく普通に見られる中形の鷹で、別名「Feeder's Hawk」(フィーダーの鷹)と呼ばれるぐらい、よーく庭のフィーダーに集まる鳥を狙う。アリゾナの砂漠では特にナゲキバトとズアカカンムリウズラが彼の主なターゲットのようだ。

              Coopers Hawk ♂ 2
              庭木の陰に隠れる鳥たちの動きをじっと見つめるクーパーハイタカ

              クーパーハイタカは非常にクールかつトリッキーな鳥で、目立たない庭木の低い枝や塀の隅などに止まってじっと動かずに待ち伏せをする。 フィーダーにハトやウズラが現れるや、庭の狭い空間を低く驚くほどのスピードで曲芸師のようにダッシュして鋭い爪で引っ掛けて獲物を捕る。

              Coopers Hawk ♂ 3
              ついには庭のポーチに下りて、バードバスの周りに隠れる鳥を探し始めたクーパーハイタカ

              クーパーハイタカは朝夕一日に2回オス・メスのカップルで庭に現れるので、フィーダーに来る鳥たちも逃げ隠れに忙しい。 しかし、彼らの目は大変良く、鷹が飛来するのを素早く見つけ。あっという間に四方へ散って行く。 見てる限り庭で犠牲になるハトは年間2羽から3羽程度、ウズラにいたっては見たことがない。クーパーハイタカの獲物捕りもなかなか簡単にはいかないようだ。

              Coopers Hawk ♀
              クーパーハイタカ 幼鳥、一年目のメス

              クーパーハイタカが突然フィーダーに現れると、ハトやウズラは一斉にすごい羽音を立てて飛び上がり砂漠へ散って行く。特にいつもグラウンドをのんびり歩く姿しか見ないカンムリウズラが「こんなに飛べるの・・・?」と思わず言ってしまうほど、力強く、勢いよく、飛び立つ姿にはびっくりさせられる。 また、飛び立てなかったウズラは その場でフリーズ(じっと動かない)してしまい、鷹が飛び去るまで首も足もいっさい動かさず、何分でも置物の ようにじっとしている。 野生の鳥の間にある「食う〜食われる」の関係をこうして庭で間近に見ていると、自然の中で生きる彼らの厳しさが伝わってくる。

              Verdin 1
              ハチドリ用のフィーダーの砂糖水を失敬する アメリカツリスガラ(Verdin)

              アメリカツリスガラは北米南部の砂漠では一年中見られる留鳥であるが、フィーダーには冬の間だけしか姿を見せない。 メジロぐらいの大きさで、非常に身軽、フィーダーで逆さまになったり、ぶら下がったり・・とカラ類のようにアクロバティックな動きをするので見ていても飽きない。

              Verdin 2
              スエットフィーダーのピーナツバターを食べる アメリカツリスガラ

              和名で「ツリスガラ」と呼ばれるように、砂漠のチョーヤサボテンに手の込んだ球形の巣を器用に作る。 巣内の壁は厚く、砂漠の暑い太陽熱や朝晩の冷たい寒気を絶縁出来るようになっている。

              Northern Cardinal ♂
              庭木(Palm Tree)でくつろぐ ショウジョウコウカンチョウ♂(Northern Cardinal-Southwest)

              全米で最もポピュラー、しかも人気がある鳥の一つで、カトリックの枢機卿のマントの色に似ているので「カーディナル」と呼ばれている。 7つの州の「州鳥」であり、野球メジャーリーグのセントルイスやフットボールのアリゾナのロゴマークにもなっている。

              Northern Cardinal ♀
              餌箱からヒマワリの種を取り出す ショウジョウコウカンチョウの♀

              アリゾナで見られる「カーディナル」はSouth West 型で、冠羽が大きく立派なので東側で見られるのより体が大きく見える。 昨年、庭木で巣を作り子育てをしていたところ、春の突然の突風と雷を伴った嵐に遭遇し、ヒナが巣もろとも飛ばされて下へ落ちてしまった悲しい出来事があった。

              冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その4)

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                 Phainopepla 1
                レンジャクモドキ(Phainopepla) ♂

                レンジャクモドキは黒っぽい鳥であるが、光を浴びると水色がかった色となって大変美しい。
                ヤドリギやベリーの実を求めて移動する放浪性の高い鳥なので、フィーダーの餌には興味を示さないが、冬の間、バードバスの水を飲みにたまに姿を見せることがある。

                Phainopepla 2
                バードバスで水を飲む レンジャクモドキ

                レンジャクモドキは冬から春にかけて砂漠で過ごし子育てもする。そして暑い夏になると標高の高い湿気のある涼しい渓谷深く移動して、2回目の子育てをする面白い習性を持っている。

                Rock Wren 1
                塀の上で腰を振りながら”ピリリ・・ピリリ・・・”と鳴く イワサザイ(Rock Wren)

                冬の間は家の周りで虫捕りをすることが多いが、ピーナツは特に好きなようで、ちょくちょくフィーダーにも寄って行く。初夏になるといつの間にか家の周りから居なくなり、涼しい渓谷深く移動してしまう。

                Rock Wren 2
                庭のソーラライトの上に止まって日に当たるイワサザイ

                イワサザイは家の壁の隙間や花のポットの下、マットの上、屋根や煙突の隙間などから虫を見つけ出しては食べている。 砂漠の冬も鳥が生活していく上ではやはり厳しい季節である。比較的暖かい家の周りに集まる虫は彼らの生活を支える重要な食物資源となる。

                Lesser Goldfinch 1
                アザミの種が入ったフィーダーが特にお気に入りの ヒメキンヒワ(Lesser Goldfinch)

                ヒメキンヒワは全米でごく普通に見られる同じ仲間のオウゴンヒワ(American Goldfinch)よりずっと小さく、日本のメジロと同じ大きさで、北アメリカ西側の暖かい南部で普通に見られる。

                Lesser Goldfinch 2
                気持ち良さそうに水浴びをする ヒメキンヒワ

                ヒメキンヒワは水浴びが大好きで、一日に何回も水場に来る。流れている水でも怖がらず、こうして長い時間  浸かっていることがある。

                冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その3)

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                   Aberts Towhee 1
                  メグロトウヒチョウ(Abert's Towhee) 南アリゾナの砂漠だけに生息する固有種

                  目立たない地味な鳥で、主にグラウンドを歩きながら餌取りをするので、このように高い塀の欄干に足をかける姿はフィールドでは考えられない大変珍しい姿である。

                  Aberts Towhee 2
                  フィールドでは明るい所にめったに出て来ない メグロトウヒチョウ

                  この鳥は大変臆病で、人の気配がするとすぐ岩陰や低い潅木の中に隠れてしまうのでフィールドで見るのが難しい。 庭では餌につられて写真も比較的楽に撮らしてくれるが、少しでも室内のブラインドが動いたり小さな物音がするとすぐ飛んでしまう。

                  Green-tailed towhee
                  ミドリトウヒチョウ(Green-tailed Towhee) めったにフィーダーには来ないので、庭で見れたのは大変ラッキー。

                  ミドリトウヒチョウは標高の高い森林で営巣をするので、砂漠で見られるのは冬の間だけである。 しかも岩場の急斜面や低潅木の密集しているグラウンドで餌取りをするので、フィールドでは見るのがなかなか難しい。 両足をそろえて飛び上がり、グラウンドを引っ掻くようにして餌取りする姿は滑稽で、こんな行動を見れるのも庭ならではである。

                  Gambels Quail 1
                  親子並んで仲良く水を飲む ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail)

                  ズアカカンムリウズラはソノラ砂漠でごく普通に見られる鳥で、初夏には10羽近くの雛を連れて庭で虫捕りをする姿も見られる。(7/20/2012の記事) 冬になると大きな群を作ってフィーダーに現れ、「丸呑みスタイル」であっという間に餌を食べつくしてしまう。

                  Gambels Quail 2
                  臆病もののズアカカンムリウズラも庭では大きな顔をして餌取りをする。

                  庭には3ヶ所にフィーダーが掛けてあるが、カンムリウズラやミヤマシトドなどはグラウンドを歩きながら餌取りをするので、朝夕に限り、少量だけ彼らが食べやすいようにポーチに蒔いておく。 夜には「サバクネズミ」や「カンガルーネズミ」が出て来てこれらの餌の残りをきれいに平らげていく。

                  Pyrrhuloxia ♂
                  塀の欄干でくつろぐ ムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia ♂)

                  ムネアカコウカンチョウは北アメリカ南部のメキシコ国境沿いの砂漠でしか見られない貴重種。 全米どこでも見られる最もポピュラーな「ショウジョウコウカンチョウ」によく似ているので「砂漠のカーディナル」とも呼ばれる。

                  pyrrhuloxia ♀
                  全身が灰色で地味なムネアカコウカンチョウのメス

                  読みづらいラテン語からきた英名は「ピルロキシア」と呼ぶ。 オウムのような嘴をしているのでフィーダーのピーナツを食べるのに苦労する。 庭に来る鳥たちは皆クールで、人間の行動をよく観察している。 朝起きがけにフィーダーに餌を入れた後、ポーチでコーヒーを飲んでいても、安全と分かれば彼らはすぐバラバラと飛んで来て餌を食べ始める。

                  ソノラ砂漠に春が来た。

                  0
                     Mexican Gold Poppy 1
                    Saguaroサボテンの斜面に咲き始めたハナビシソウの一種 Mexican Gold Poppy

                    ソノラ砂漠は2月下旬に大雪が降り、幻想的な冬景色を楽しんだが、3月に入るや、一転して日中の気温が20度を越す日が続き、すっかり春らしくなってきた。

                    Mexican Gold Poppy 2
                    ソノラ砂漠に春を告げる Mexican Gold Poppy

                    アリゾナの人々はこの花を見ると「春がきた・・・・」と感じ、たくさんの人々がハイキングや花見歩きを始める。   まさに春一番の花である。

                    Red maids
                    Red maids

                    この時期、砂漠のトレール歩きをしていると、まだ数は少ないが小さな野花が咲き始め、「ブンブンブン・・・」という蜂の羽音が耳に入ってきて、心地良い春を感じる。

                    Fiddle neck
                    緑の野草の間で埋もれるように咲く地味で小さな Fiddle neck

                    Golden Eagle
                    春風に乗って頭上を低くオス・メス2羽でランデブー飛行をするイヌワシ(Golden Eagle) 春一番の
                    「砂漠便り」にぴったりのシャッターチャンスであった。

                    Cactus Wren
                    たぶんアメリカチョウゲンボウ(American Kestrel)が小鳥を捕え、この Saguaroサボテンの枝の上でむしったと思われる羽毛を巣材用に懸命に集めているサボテンミソサザイ(Cactus Wren)
                    もう鳥たちの巣作りが始まっている砂漠の早い春の光景である。

                    ソノラ砂漠に大雪が降る

                    0
                       吹雪のSaguaro
                      吹雪の中のサワーロ(Saguaro)サボテンは幻想的で何とも言えないモノトーンの不思議な美しさである。

                      立春が過ぎ、暦の上では春。しかし、南アリゾナでは珍しく雪が降り積もった。
                      アリゾナはグランドキャニオンがある北は冬に雪が降るが、南の砂漠では積もるほどの雪が降る光景はほとんど見られない。

                      吹雪のPyrrhuloxia
                      ソノラ砂漠を象徴するムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia)や砂漠の鳥たちは予期せぬ吹雪のなかで戸惑っているのか・・・動かず静かにじっとしている。

                      吹雪のWhite-crowned Sparrow
                      しんしんと雪が降り続き、渡り直前のミヤマシトド(White-crowned Sparrow)も寒そうである。

                      雪とBarrel Cactus
                      タマサボテンの一種 Barrel Cactus もすっぽり雪を被って、とても砂漠とは思えない。

                      Pusch Ridge Mt. Trail
                      我家の裏のプッシュリッジ山トレールも見る見るうちに銀世界となった。

                      Black-chinned Sparrow
                      雪を被った枝先で寒そうにボーとしているアゴグロヒメドリ(Black-chinned Sparrow)

                      Black-throated Sparrow
                      雪が積もったグラウンドで餌取りするノドグロヒメドリ(Black  throated Sparrow)の珍しい姿。

                      Lincolns Sparrow
                      北への渡りを始めたヒメウタスズメ(Lincoln's Sparrow)も思わぬ雪にびっくりしているようである。

                      Cactus Wren
                      降り積もった雪は翌日の昼にはすっかり消えてしまった。 サワーロサボテンの天辺に残った雪の上で高らかに囀るサボテンミソサザイ(Cactus Wren) 。 まもなくやって来る春を告げているようである。


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