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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

北米で一番美しい鳥ウツクシキヌバネドリ

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     Trogon Male 1
    北米で最も美しい鳥と言われている”ウツクシキヌバネドリ(Elegant Trogon)"
    英名で”トロゴン”と呼ばれ、北アメリカでは南アリゾナでだけしか見られないバーダーや自然愛好家たち憧れの鳥である。 ちなみに世界で一番美しく、手塚治虫の「火の鳥」のモデルといわれる中米コスタリカの”ケツアール”はこのトロゴンと同じキヌバネ目の鳥である。

    Resplendent Quetzal
    世界で一番美しい鳥と言われている中米コスタリカに生息するケツアール(カザリキヌバネドリ /
    Resplendent Quetzal)

    Trogon Male 2
    ウツクシキヌバネドリは体長が30センチ以上あり日本のヒヨドリより大きい。
    強烈な金属光沢の青緑の背中、明るい大きな黄色い嘴、そして赤いアイリングがある大きな目は実に印象的で一度見たら忘れられない。 世界でトロゴンが属するキヌバネドリ科にはアフリカ、東南アジア、中南米の熱帯の森林に生息する7属42種類がいる。

    Trogon Male with Chick
    マデラ渓谷(Madera Canyon) には少なくとも2組のウツクシキヌバネドリが毎年営巣している。
    彼らは標高1200メートルから1800メートルの渓流沿いのスズカケノキの森林が特に好きで、その木の樹洞に巣を作り、2羽から4羽の雛を育てる。

    Trogon Female with Chick
    雛にエサを運ぶウツクシキヌバネドリの雌。 雄と違って全体が灰色がかった地味な茶色である。

    Trogon Male 3
    巣の近くの低い枝にワタリガラスが下りてきたので、エサを口に咥えたまま警戒をしながら腹の赤い羽を立てて相手を威嚇し始めた。

    Trogon Male 4
    高い枝の葉の上に止まったトンボを素早く見つけ飛び上がって見事に捕らえた。その敏捷さに驚き、シャッターを押すのも忘れ、しばしボヤーと見とれてしまった。

    Trogon Male 5
    ウツクシキヌバネドリは主に樹上で生活をしているので地上に下りることはほとんどないが、雛にエサを与える時期だけは大きな虫を見つけると、こうして低い岩場に下りて来ることがある。
    キツツキのように前指が2本、後指が2本の普段めったに見れない独特な足の形がよく判る。

    Trogon Male & Beetle
    グラウンドを歩いている緑色の大きな甲虫を見つけるや、高い枝からヒラヒラと舞い降りて素早く捕え、翅の付け根を咥えて頭を激しく左右に振って何とか翅を引きちぎろうと苦労していた。

    Green June Beetle
    ウツクシキヌバネドリの雛が大好きな緑色の甲虫は Green June Beetle (コガネムシ科)の一種で、全身金属光沢の緑色、足が紫の美しい虫である。

    Trogos Chick & Beetle
    小さな雛は雄親が捕ってきた緑色のコガネムシを飲み込もうとするが大き過ぎて飲み込めない。
    苦労した挙句とうとう巣の下へ落としてしまうが、雄親がこれを拾い上げ、少し細かくしてもう一度雛に与えなおしていた。

    Trogons Chick 1
    悪戦苦闘の末、ついに緑のコガネムシを飲み込み胸を膨らませ満足したのか・・・?ウツラウツラと眠りについた。

    Trogons Chick 2
    一週間後大きくなった雛(♀)は巣から離れて近くの大きな木の幹の又で親がエサを運んで来るのをじっと待っていた。 まだ飛ぶことが下手で、翼を広げてバサバサしながら枝移りをしていた。
    木の幹と同系色なので見つけるのが難しい。たまたま親がエサを与えに飛んで来たので、やっとその存在に気が付いたほどである。

    Trogon Male 6
    巣立ちしたての雛の近くで時々雄親が雛を安心させるように囀っている。 ”囀り”といってもけっして美しい声ではなく、しわがれ声で「コアーコアー」と鳴く。 しかしこの鳴き声は遠くまで届き、よく谷間の森に響き渡る。この声を聞いていると、いつも深い森にいる喜びを感じ、気持ちが豊かになる。

    Trogon Male 7
    ウツクシキヌバネドリはしばしば高い枝で尾を下へまっすぐたらし、直立してほとんど動くことなくじっと止まっていることがあり、トレールを歩いていても真上にいる彼らに気づかないことが多い。

    モンスター庭に現れる(アリゾナ)

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       Gila Monster 2
      ソノラ砂漠にある我家の庭には色々な鳥、動物、ヘビ、トカゲ、カエルなどの「生きもの」が餌とりや水飲みにやって来る。砂漠の夏は日中の気温が40度近い日が多いので、ほとんどの「生きもの」は夜行性であるが、真夏のモンスーン季は彼らは活動期なので日中でも盛んに動き回る。
      7月中頃めったに見られない珍しいアメリカドクトカゲ(Gila Monster) が庭に現れ大騒ぎになった。

      Gila Monster 1
      アリゾナ砂漠ならではのトカゲで”ヒラ・モンスター”と呼ばれる。全長60センチもあり、世界でも他に類を見ないアメリカでゆいつ毒を持った大トカゲである。特異性ゆえにアリゾナの砂漠地帯の生息地では見つけられるたびに片っ端から殺されてきたのでその数は激減。今ではなかなか見ることが難しい。
      1952年に州法が成立して殺すことはもちろん商品売買や生け捕りすることも禁止されている。

      Gila Monster 3
      小学生の頃に見たディズニー映画「砂漠は生きてる」の中にも登場しており、強烈な印象を受けた「生きもの」だったことを憶えている。彼らの一生の95%は地中生活、その為めったに地上に出て来ないので砂漠のトレールを歩いていてもまったく見ることはないし、アリゾナに生まれ住んでいる人でもほとんど見たことがないぐらい珍しい「生きもの」である。塀の上をのそのそ歩いているのを最初に見た時は信じられないほどびっくりした。

      Gila Monster 4
      ずんぐりした体型、黒ずんだピンク色の体は砂漠の中にいると保護色となって木切れや石ころにしか見えない。毒を持っているが性格は大変おとなしく向こうから攻撃はしてこない。しかし彼との距離が近すぎると”シュー”という音を出して口を大きく開け威嚇しながらワニのように早足で近づいて来る。
      咬まれるとスッポンのように離れず指を噛み切られることもあり、毒が強いので非常に痛いらしい。
      ばかに出来ない恐ろしい生きものであるが、彼らとの距離の保ち方をしっかり学べば怖がることはまったくない。こんな珍しい爬虫類が庭に来たことは本当の”生の自然”がまだまだ家の周りに残っているのをじかに感じられ実にうれしくなった。

      アリゾナ・ツーソン近郊のハイキングでついに熊に遭遇

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         Madera Canyon
        山の後ろから朝日が照り始めると、黒いマデラ渓谷が緑一色に変化していく。
        アリゾナ・ソノラ砂漠の町ツーソンの近郊には砂漠の海に浮かぶ島のような緑濃い山並みがいくつか
        ある。2700万年前の火山爆発で出来たもので、高いのは標高3,000メートル近いのもある。
        その山の森林には砂漠では考えられないマウンテンライオンやアメリカクロクマなどの大型動物が生息
        している。

        American Black Bear 1
        その山の一つにコロナド国立森林のサンタリタ連山がある。その幾つかの渓谷の一つでバーダーやハイカーにとっては有名なマデラキャニオンは私のフィールドの一つで、特に6月・7月にウツクシキヌバネドリ
        (Elegant Trogon) を撮影するためにちょくちょく歩く森である。
        先日この渓谷でハイキングをしている時、アリゾナに来て初めてアメリカクロクマ(Black Bear) に遭遇した。ニューヨークでは時々出会うことがあったが、まさかアリゾナでお目にかかるとは思ってもいなかった。

        American Black Bear 3
        アメリカクロクマは全米各地に生息していて、ハイカーやキャンパーにとってはごく身近な動物で、性格はおとなしく好奇心が旺盛なので人間とのトラブルがけっこう多い。
        嗅覚が大変発達していて、山小屋や森に近い住宅などでは部屋に食べ物を置いておくと窓や戸を壊して家の中へ入り暴れまくる話を時々耳にする。
        アリゾナでも森のトレール入口の立て看板には必ず「ここは熊が暮らしている森なのでピクニックテーブルでランチを食べる時は食べ物が入ったバックなどから目を離さないように!キャンプをした後のゴミの始末には充分気をつけるように!」と大きな字で書かれてある。

        American Black Bear 2
        今回遭遇した若熊は体長1.5メートルで体重200キロぐらいの大きさであった。出会った時、私と熊との距離がわずか15メートルほどで大変近かったため少々機嫌が悪く口を開けてこちらを睨みつけ少し威嚇しているような顔だった。これ以上こちらへ歩き出したらどうしよう・・・・とドキドキしながら恐々震える手でシャッターを押し続け静かに後ずさりした。

        American Black Bear 4
        性格のおとなしいクロクマとはいえ、時には攻撃的になり物を壊す話も聞いている。心臓が止まる思いでじっと動かず(動いているのはシャッターを押す指だけ)睨みあった1〜2分間の長かったこと・・・・。
        やがて静かに後ろを向いて大きなお尻を振りながら森へ帰って行った。
        アメリカ人が大好きな"Teddy Bear" は可愛いが、野生の"Bear" は威圧感があり森の「ぬし」といった威厳を感じ、やはり恐ろしくて冷や汗をかいた。



        庭の片隅で4日間を過ごしたズアカカンムリウズラの親子(アリゾナ)

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           オス欄干上
          ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail) はソノラ砂漠で見られる鳥の中でも最も数の多い鳥の一つであるが、フィールドでは意外となかなかゆっくり見ることが出来ない。むしろ庭のフィーダーには毎日のように現れるので、多くの人々は涼しいクーラーのきいた家の中から見ることが多いだろう。ズアカカンムリウズラの雄は雌とつがうと、常に雌につきそって行動をする。雌が餌取りちゅうは塀の欄干に立って見張りをすることが多い。

          オスとメスと雛
          毎年モンスーン季に入る7月、ズアカカンムリウズラの雄と雌が生まれたての雛を連れて庭に現れる。

          オスが虫取りを教える
          雛に虫の捕り方を教えている雄親の姿を見ていると、実にほほえましく気持ちが安らかになる。

          虫を捕る雛
          親に教わったとおり虫捕りを始める雛。ズアカカンムリウズラが主に虫を食べるのは雛の間だけで、成長すると草木の種子がメイン食となる。

          草の虫を探す雛2羽
          日差しが強く照りつけるなか、草の葉の裏についてる虫を丹念に探す雛の姿を見ていると、その生きるたくましさを感じる。

          雛3羽で歩く
          今年は5羽の雛を連れてきたが、多い年は10羽ぐらい連れてくる年もある。雛は大変早熟で卵が孵化して数時間以内には巣を離れ親と歩き始める。

          ブーゲンビリアと雛
          ギラギラと太陽が照りつける真夏の庭は40度を越す暑さで、パティオのコンクリートの照り返しが大変強く、ブーゲンビリアの花や雛もモヤーと見えて幻想的である。

          座り込む雛
          虫捕りに疲れ、座り込む雛。ズアカカンムリウズラは地上を歩き回って餌取りする生活なので天敵が大変多く、そのため10羽生まれても残れるのは2羽か3羽程度と非常に少ない。しかも平均寿命はたった1年から2年と大変短い命である。

          へこたれた雛(2)
          暑い日中の餌取りは雛にとっては大変な重労働である。体力の弱い巣立ちまもない雛はすぐへこたれて座り込み、1〜2分死んだように寝込んでしまう。

          雛とメス親
          ズアカカンムリウズラはほとんど飛ぶ姿は見られず、地上を歩き回る一生であるため極端に大きな足を持っている。生まれたての雛の足も親に負けないくらい大きい。

          雄の胸で寝る雛(2)
          雄親の胸で寝る雛たち。ズアカカンムリウズラは人が出入りする庭をめったに塒にすることはないが、よっぽどこの一家は恐ろしい目にあったのだろうか?天敵から身を守る上で、人間のすぐそばにいた方が都合がよいのであろう・・・4日間も小さな我家の庭でゆっくりと過ごしていった。おかげでその間は庭の花の手入れをするのにも大変気を使う毎日であった。

          メスについて出て行く雛
          4泊を庭で過ごしたズアカカンムリウズラは5日目の朝早く、雄親を先頭にゆっくりと歩いて庭から出て行った。

          庭のゲートをまたぐ雛
          庭のゲートの間を一羽づつ上り静かに外へ出て行く姿を見ながら、みんな無事に育って大きくなってくれよ・・と祈る気持ちで見送った。


          アリゾナ・ソノラ砂漠の巨大なサボテン

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             Saguaro & Mountain
            アリゾナからカリフォルニアの南、そして北メキシコまで広がるソノラ砂漠でだけしか見られない巨大なサボテン"Saguaro"。米国人はサワーロと読むが和名は「ベンケイチュウ」(弁慶柱)、またの名を柱のように背が高いので「ハシラサボテン」とも呼ばれている。

            Saguaro & Phinopepla
            サワーロとレンジャクモドキ(Phainopepla)
            サワーロは人間に似た外観、野性的で想像的なイメージを持つ、まさにソノラ砂漠の樹木といっていいほどの存在感がある。サワーロの林を歩くと、一本一本の間隔が均等で離れているのを不思議に思うが、これは互いに水分の奪い合いをしないようにするためらしい。

            Saguaro & Rainbow
            ソノラ砂漠の夏はモンスーン季で、バケツをひっくり返したような激しい雷雨が毎日午後になるとあり、大量の雨を降らせる。巨大な幹のゼラチン質の細胞部分に水分を吸い込み、(最大757リットルもの水分を吸収)次の乾期に備える。たった一回の雨で一年分の水分を蓄えてしまうらしい。雷雨が終る夕方には気温が下がって涼しくなり、雨雲が残っている灰色の空に七色の虹がかかる。

            Saguaro & Gila Woodpecker
            幹に穴をあけて巣を作るサバクシマセゲラ(Gila Woodpecker)、穴の中は昼間涼しく夜は温かい。キツツキが使い古した穴はサボテンフクロウやチョウゲンボウ(小さい鷹の一種)などがよく利用している。
            サワーロの成長は極端に遅く、年間たった0.6センチしか成長しない。15年後に30センチ、50年後にやっと2メートルになる。そして約75年後に初めて枝をつける、寿命は150年から200年であるが、この頃には高さは10メートルから15メートル、重さ8トンの大きさに成長する。

            Saguaro with Flower
            5月になると太い幹の横から伸びたアームの先や幹のてっぺんに白い蝋で作ったような花弁を持つ花をつける。サワーロの花はアリゾナの州の花である。

            6 Flowers of Saguaro
            日本の諺に「桃栗3年柿8年柚子は9年で花が咲く」と言われるが、サワーロは35年以上たたないと花が咲かない。まさに砂漠ならわでののんびりした一生である。

            1 Flower of Saguaro
            花が咲いているサワーロはほとんどが高さ10メートルから15メートルと背が高くて大きい、しかもサワーロは岩がごろごろしているスロープに立っていることが多く、花を見るのに苦労する。

            Curve-billed Thrasher on Saguaro
            サワーロの花の蜜を吸うマルハシツグミモドキ(Curve-billed Thrasher)
            花の命は24時間と短く、その間に運よく鳥たちやコウモリが来てくれれば受粉が行われ、6月から7月にかけて赤い果実をつける。砂漠に住むインディアンはこの赤い実を好んで食べるし、煮詰めてシロップやゼリーを作ったり、熟成させて果実酒にしたりする。

            Snow Moutain
            ソノラ砂漠はアメリカ大陸においては最も暑く乾燥した土地の一つと言われている。真夏の昼間は35度を越す日が毎日続き、冬(12月ー2月)になると日中は15度から20度と凌ぎやすいが、夜には凍りつくほどの気温まで下がり、朝方など小雪が降ることもある。

            Snow & Saguaro
            明け方、雪が降った直後のサワーロの林は何とも言えない不思議な世界である。
            このサボテンは特別保護されていて、砂漠から持ち出すことはもちろん、売買、移動(移植)も禁止されている。植木屋で売られている人の手で育てられたサワーロを買って庭に植える場合でも、その証明書を保管しておく必要がある。

            オクラホマ州ウイチタ・マウンテン野生生物保護区(2012年5月)

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               Prairie Dog 1
              オジロプレリードッグ( White tail Prairie Dog )
              ニューヨークで早春のSongbirdの渡りを楽しんだ後、アリゾナへの帰り道中西部のオクラホマ州の西南
              "wichita Mountains Wildlife Refuge"へ寄り3日間ほどのバーディングを楽しんだ。何しろニューヨークから我家のアリゾナ・ツーソンまでは3,465キロの遠距離。日本の最北(稚内)から最南(鹿児島)までの距離より100キロ長いドライブである。私の体力を考えると、どうしても中西部では4ヶ所に泊まらなくてはならないので鳥見を織り交ぜての長旅となる。それにしてもオクラホマのハイウエイ、車の窓から両側を眺めると、地平線の何処までも人工物がいっさい目に入ってこない、ランチの牛や家畜の姿さえ見えない呆れるほど広大な大平原である。

              Prairie Dog 2
              オジロプレーリードッグ(White tail Prairie Dog)
              体長30センチのモルモットの仲間。丈の短い草が密生する平原を好み、地下に複雑なトンネルを作ってコミュニティを形成する。牧草を食い荒らすので牧場のカーボーイから目のかたきにされ凄い勢いで駆除されその数は激減。アリゾナでもかっては生息していたが、すでに絶滅しており今では見られない。何種類もの鳴き方を持っており、特に警戒の時、尾を振りながら奇声を出して危険を仲間に知らせる仕草は見ていて面白く思わず笑ってしまう。

              Bison
              バイソンまたはバッファロー(Bison)
              体重が460〜900キログラムもありアメリカで一番大きな動物である。かっては全米の草原に6000万頭以上が生息していた。大昔には平原は文字どうりバイソンの真っ黒い海と化していたようだ。鉄道が西のオレゴン州やカリフォルニア州まで完成したことにより移住者が増加。乱獲されて20世紀初頭にはわずか25頭まで激減。その後の懸命なる保護で現在は5万頭まで回復してきているが、残念ながらほとんどが家畜種と野生種との
              雑種である。

              Elk
              エルクまたはワピチ(Elk)
              かってはアメリカ国内で最も幅広い地域に生息していたが、その”角”や”牙”や”歯”を求める狩猟者によって殺され、現在は主にワイオミング州からカナダにかけてのロッキー山脈の山沿いに生息している。この保護区のエルクは1908年に移入され、その後の手厚い保護のもとに現在700頭まで数が増えてきている。秋にはハーレムを作って大きな声で鳴く姿を見ることが出来る。

              Scissor-tailed Flycatcher
              エンビタイランチョウ(Scissor-tailed Flycatcher)
              体長35センチで尾の長い優雅なタイランチョウである。春に中米から渡ってくる夏鳥で、主にテキサスを中心に中西部で多く見られる。長い尾を流しヒラヒラ舞うように飛びながら空中の虫を捕る姿は翼の内側のサーモンピンクの色が浮き上がっていて実に美しい。

              Dickcissel
              ムナグロノジコ(Dickcissel)
              この保護区は全米に550ある国立野生生物保護区の一つで、広さは23万9千平方キロもあって、草が密生している草原と樫の森そして湖沼などがうまく混在している。主にバイソンとエルクの保護を行っており、年間291種類の鳥が見られる。よく整備された25キロ近いハイキングトレールは大変歩きやすい。

              Eastern Meadowlark
              ヒガシマキバドリ(Eastern Meadowlark)
              平原には欠かせない鳥で、中西部では亜種のニシマキバドリも同じ場所で見られる。大変よく似ていてフィールドでは囀りで識別する以外見分けるのは非常に難しい。平原の鳥は大きな木がないので電線や鉄条網に好んで止まる。ネイチャーフォトでは写真に人工物が入るのを嫌うが、私は彼らの生息状況をありのまま写すことで良いと思う。

              Black-capped Vireo
              ズグロモズモドキ(Black-capped Vireo)
              北米に生息する15種のモズモドキ(Vireo)の一種であるが、世界でもテキサスの一部、オクラホマのこの保護区そしてメキシコの一部でしか見られない貴重種。近年特にコウウチョウ(Brown-headed Cowbirdー他の鳥の巣に卵を産み自分たちでは雛を育てないー托卵鳥)が広い地域で数が増加、アメリカムシクイやモズモドキが特に托卵の犠牲になる例が多くそのためズグロモズモドキの数も急激に減少して今では絶滅危惧種に上げられている。かって数多く見られたこの保護区では何とかこのモズモドキの営巣を成功させようと、コウウチョウを常にモニターして適度に捕獲をし、モズモドキの営巣地から他へ移したり、また、モズモドキの営巣状況やその数などを常に監視して営巣環境を整備して来たので、ここへきて少しずつではあるがその数が増えてきている。保護区内では囀る場所を見つけるとけっこう見るのは簡単であるが何しろじっとしない鳥で、こんもりした潅木の深い中で餌取りや囀りをおこない静止をしてくれないので写真撮りが大変難しい。

              Rufous-crowned Sparrow
              ズアカスズメモドキ(Rufous-crowned Sparrow)
              小高い山のMt.Scott を車で上がり、岩場の急斜面が好きなズアカスズメモドキを探す。風がものすごく強い朝で、人の気配がまったくなかったので盛んに餌取りしている姿をたっぷり見ることが出来た。

              Rufous-crowned Sparrow 2
              ズアカスズメモドキ(Rufous-crowned Sparrow)
              比較的数は多いが、南部の一部の州でしか見られない地域種であり、多くのバーダーがぜひ見たいと思うSparrowの一種である。

              Painted Bunting
              ゴシキノジコ(Painted Bunting)
              この華やかな色は秋冬に変ることがないので、一年中実に派手な鳥で人気がある。テキサス、ルイジアナ、オクラホマなどの地域ではごく普通に見られ、フィーダーにもやって来る身近な鳥でもある。トレールを歩いていてもよく目立つ鳥なのですぐ見つけられるが、今回は時期的に遅かったせいか、高い枝に止まってることが多く、
              グラウンドに下りて来ないので非常に写真撮りに苦労させられた。

              Mississippi Kite
              ミシシッピートビ(Mississippi Kite)
              灰色で先の尖った長い翼で飛ぶ姿が美しいハヤブサぐらいの大きさのタカで、数が多くないので見れる機会が少ない。

              Eastern Collared Lizard
              クビワトカゲ(Eastern Collared Lizard)
              早朝のトレール歩きは思わぬ「生きもの」に会える。めったに見れないこのトカゲもそのひとつ。体がヒョロ長く
              大きい頭と長い尾で恐竜のミニチュア版のようで、35センチほどの美しいトカゲである。"Mountain Boomer"と
              昔から呼ばれているが、この’トカゲは声をいっさい出さないので何故このように呼ばれているのか解らない。

              ニューヨーク郊外デラウエアー・ウオーターギャップの春(2012年)

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                 Eastern Towhee
                ワキアカトウヒチョウ(Eastern Towhee)
                今年も春のSongbird(春に南から渡って来る鳴禽の総称)の渡りの時期に丁度ニューヨークへ戻っていたので再び近郊で鳥見をする機会があった。昨年何回か訪れて堪能した早朝のSongbirdの朝の大合唱が忘れられず、今回もそんな期待を胸に再度「デラウエアー・ウオーターギャップ」を訪れてみた。ニュージャージーとペンシルベニアの州境を流れるデラウエアー川沿いの森林の中を通る「オールドマインロード」がそのスポット。ここでは車で声を聞きながら止まっては見る楽な鳥見が出来る。近年は何処へ行ってもこれほどボリュームのある朝のコーラスはほとんど聞けなくなった。

                Palm Warbler

                ヤシアメリカムシクイ(Palm Warbler)
                北米で見られる約990種類の鳥のうち私はアメリカムシクイが特に好きである。ほとんどの種類が冬を中南米のコーヒー園で過ごし、4月に入ると春風に乗ってメキシコユカタン半島からガルフ湾を渡って北上してくる。ヤシアメリカムシクイは肌寒くまだ春の兆しにはほど遠いころすでに姿を現わし、枯れ枝で春の歌を聞かせてくれる。

                Prairie Warbler
                チャスジアメリカムシクイ(Prairie Warbler)
                アメリカのバーダーがよく口にする"Migratory Traps"と呼ばれる場所はアメリカムシクイや夏鳥たちが集中して通って行くスポットで、こんな所で毎春彼らが来るのを待ちわびる喜びは格別である。テキサスのハイアイランドやニュージャージーのケープメイ、オハイオのマギーマーシュなどが超有名な「マイグラトリー・トラップ」であるが、ここ「デラウエアー・ウオーターギャップ」もそれらに負けないぐらい鳥の数が多く春の重要な探鳥地である。

                Black-throated Green Warbler
                ノドグロミドリアメリカムシクイ(Black-throated Green Warbler)
                アメリカムシクイはユーラシア大陸には存在せずアメリカにしか生息しない鮮やかな色彩の鳥で、北米では54種類見られる。"Wood Warbler"と呼ばれオオアメリカムシクイを除いてはほとんどが全長12センチから14センチと日本のシジュウカラより小さい。こんな小さな体で毎年春と秋には何百キロという遠距離の渡りをするのでよけい人々の興味を集めるのかもしれない。

                Blue-winged Warbler
                アオバネアメリカムシクイ(Blue-winged Warbler)
                アメリカムシクイは渡り鳥のなかでもなぜこんなに人気があるのだろうか・・・。それは多くのアメリカムシクイに色々な色彩のパターンがあり、しかも非常に鮮やかな明るい色が多いのと、体が小さく動きが機敏であり、高い木の葉の裏表をちょこまかしてエサ取りをするのである程度フィールドでの経験を積まないと見るのが難しい・・・・などが魅力なのかもしれない。とにかくベテランバーダーはまず耳で追い囀り、コール(地鳴き)で聞き分け、そして最後に目で追ってすばやく識別する。私の例だとこれが出来るようになるまでやはり5年近く掛かってしまった。

                Golden-winged Warbler
                キンバネアメリカムシクイ(Golden-winged Warbler)
                多くのバーダーが憧れる格別なアメリカムシクイである。エレガントで美しくハンサムな鳥で、虫のような声で囀る。その数は年々減ってきており、そのため営巣地が似ている近種のアオバネアメリカムシクイとのハイブリット種(交配種)であるブリュースターアメリカムシクイの数が増えて来ているのが問題視されている。キンバネアメリカムシクイはオープンフィールドで5年未満しか経っていない潅木を特に好むが、近年宅地開発によってこのような環境は少なくなってきている。そのためか電力会社によってよく潅木が管理され適度に刈り残してある送電線用地の再生林を営巣場所に利用する数が増え、最近ではこのアメリカムシクイを効率よく見れるスポットの一つとなっている。

                Cerulean Warbler
                ミズイロアメリカムシクイ(Cerulean Warbler)
                冬を過ごす中南米の自然環境が近年いちじるしく変化してきている影響でミズイロアメリカムシクイの数は激減してきており、見れる機会が少なくなった。このムシクイはメジロと同じ大きさで小さくしかも高い木を好みエサ取りはもっぱら天辺の樹冠でやることが多いので双眼鏡でとらえるのが難しい。

                Black-and-White Warbler
                シロクロアメリカムシクイ(Black-and-white Warbler)
                アメリカムシクイのなかでも大変変っていて、大きな樹木の幹や枝をゴジュウカラのように自由自在に横に歩いたり逆さまになったりしながらエサ取りをする。数が多いのと目の高さで囀ることが多く初心者でも見易いワーブラーである。

                Hooded Warbler
                クロズキンアメリカムシクイ(Hooded Warbler)
                早朝の大合唱を聞いているとその中でも比較的数多く鳴き声が聞こえてくるムシクイである。大きな黒い瞳がとても印象的で、アメリカムシクイの中でも一番目が大きいと言われている。地上近くに巣を作るのでグラウンドへ下りて来てエサ取りすることが多く近距離で見られる楽しいワーブラーである。

                Yellow-rumped Warbler
                キヅタアメリカムシクイ(Yellow-rumped Warbler)
                このキヅタアメリカムシクイは東種の"Myrtile"と呼ばれる種で喉が白いのが特徴。アリゾナなど西側で見られるのは喉が黄色い"Audubon"種である。

                Ovenbird
                カマドムシクイ(Ovenbird)
                アメリカムシクイの中では珍しく主にグラウンドを歩きながらエサ取りをしたり囀ったりする変ったやつで
                ある。しかし繁殖期だけはテリトリー宣言をするため目の高さの枝に上がって横に歩きながら囀る姿が
                見られる。"Teacher(先生),Teacher,Teacher"と聞きなされる声で鳴く囀りは森の中でよく響く。

                Brown Thrasher
                チャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)
                アリゾナなど西側ではほとんど見られないSongbirdの東種で、ニューヨーク近郊では公園や庭などでもよく現れる。背中から尾にかけての赤茶色が日に映えて実に美しい。

                White-breasted Nuthatch
                ムナジロゴジュウカラ(White-breasted Nuthatch)
                日本のゴジュウカラより少し大きい。全米各地の公園や森林で一年中見られる身近な鳥である。繁殖期になると大変人懐っこくなりおもしろい行動をする。特に公園にいる人なれしたゴジュウカラは双眼鏡を首から提げて鳥見をしながら歩いていると何となく近くのそれも目の高さの枝に寄って来て甘えた声で鳴きながらついて来る。やおらポケットからピーナツを取り出し近くの岩の上に置いてやるとすぐ捕りに来るし、時には手のひらにのせたピーナツも捕りにくることがある。こんな時日本のヤマガラを思い出す。

                Porcupine
                カナダヤマアラシ(Porcupine)
                春先は冬眠から覚めたばかりの熊にちょくちょく出会う。この森は熊がけっこう多く鳥見をしていても遠い距離であるが時々双眼鏡の視界に入ることがある。ヤマアラシはめったに会う機会が無い動物だが、早朝でまだ肌寒いためか枯れ枝で体を丸めて眠そうな顔でじっとしていた。

                巨大なサボテン(サワーロ)が林立するソノラ砂漠のトレール(アリゾナ)その2

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                   Saguaro & Poppy
                  ソノラ砂漠は一年中暑く、夏ばかりの所・・・と思われがちであるが、日本のように明白ではないにしても一応四季らしきものはある。モンスーンと称する夏は毎日40度を越える暑さで、時々短時間ではあるがバケツをひっくり返したような激しい雷雨にみまわれる。秋は紅葉はないものの草や木が枯れて砂漠全体が茶色の世界となる。そして冬は日中20度ぐらいまで上がる気温も夜中から朝方にかけては零下まで下がることがあり、時々アラレまじりの雨や小雪が降ることがあって、雪の中に立つサワーロサボテンの姿はこれまた格別美しいものがある。そして短い冬が終って3月初めとなると野の草花が咲き始め毎日抜けるような青空でサボテンのスロープにポピーが咲き始める。ソノラ砂漠は一番過ごしやすい快適な春となる。

                  Poppy up-photo
                  ソノラ砂漠の春を告げる花はポピーである。サワーロサボテンのスロープ一面にポピーが咲き始めると、丁度 日本の桜のように人々は春が来たなーと感じる。ここではアリゾナポピー(Arizona Poppy) とメキシコポピー(Mexican Poppy)が混在して咲くが、メキシコポピーの方が圧倒的に数が多い。花の色や形はほとんど同じで、 花びらが4枚あるのがメキシコポピーで5枚がアリゾナポピーである。

                  Pink-flowered Hedgehog
                  アリゾナの固有種 Pink-flowered Hedgehog
                  初春の野の草花やポピーの花が終わりに近づくとソノラ砂漠はいよいよ色々なサボテンの花が咲く初夏へと  移り変わり、砂漠の鳥たちも盛んに囀り、子育てを始める。

                  White-crowned Sparrow
                  ミヤマシトド(White-crowned Sparrow)
                  ソノラ砂漠はヒメドリ、シトド、スズメモドキなどいわゆる英名のSparrowと名のつく仲間たちがたくさん冬を過ごす所で、寒くなるとその数がぐーんと増えて賑やかになる。中でも特にミヤマシトドの数は大変多く、10羽単位の群が庭のフィーダーにもやって来る。彼らは営巣のため北カナダやアラスカへ渡って行くので、春近くになると その姿がまったく見られなくなる。

                  Black-throated Sparrow
                  ノドグロヒメドリ(Black - throated Sparrow)
                  日本のスズメと同じ大きさで、白黒のコントラストが美しいダンディーなSparrowである。岩場の斜面が好きでいつも5〜6羽の群でエサ取りをしている。大変好奇心が強く、口で「プシュプシュ・・・」と音を出すと目の前の枝に飛んで来てポーズをとり時にはこのように囀ってくれる。

                  Black-chinned Sparrow
                  アゴグロヒメドリ(Black-chinned Sparrow)
                  数が少ないのとSparrowではめずらしく群で行動をしないのでなかなか探すのが難しい。乾燥した岩場の斜面が好きで、滑りやすい岩場を重い機材を持ってこの鳥を追いかけるのは大変リスキーで体力がいる。

                  Brewers Sparrow
                  ブリューワーヒメドリ(Brewer's Sparrow)
                  ミヤマシトドについで数の多いSparrowで、いつも大きな群で低い潅木の枝とグラウンドを上がったり下がったりしながらエサ取りをしている。特徴のないボアーとした顔が私は好きだ。野の草花が咲き始めると群でいっせいに囀りだすので大合唱となる。泡立つような虫の鳴き声に似た「ジュルジュル・・・・」というへんな囀りはとても鳥とは思えない。

                  Rufous-winged Sparrow
                  フタスジスズメモドキ(Rufous - winged Sparrow)
                  ソノラ砂漠のほんの一部でしか見られない固有種で、バーダーが一度は見たいと思う憧れのSparrowである。渡りをしない留鳥で、このトレールでも何組か営巣している。英名の"Rufous-wing"の翼(雨覆い)の赤褐色は通常隠れていて見えない場合が多いが、この時は囀りに夢中で風が吹いても気にせず鳴き続けてくれたのでお目当ての赤茶をチラッと見ることが出来た。

                  Green-tailed Towhee
                  ミドリトウヒチョウ(Green - tailed Towhee)
                  冬だけをソノラ砂漠で過ごし、春になると北へ渡って行ってしまう。赤茶の頭とオリーブ色の背中、緑色の尾が日に当たると実に美しいが、非常に臆病で暗いグラウンドをこそこそ隠れるように歩きエサ取りをするのでなかなかその美しい色を見るのが難しい。

                  Canyon Towhee
                  ムジトウヒチョウ(Canyon Towhee)
                  砂漠でエサ取りするトウヒチョウはどうもこそこそとグラウンドを歩き回り、潅木の間を低く飛んで移動する種類が多く、このムジトウヒチョウも簡単に見れないばかりか写真に収めるのが難しい。鳥たちは水浴びをした後は気持ちが良いのかよく囀ることがある。トレールを歩いていてもこんなチャンスはめったにないが、出くわすととても嬉しく大変得をした気持ちになる。

                  Brown-crested Flycatcher
                  シロハラオオヒタキモドキ(Brown - crested Flycatcher)
                  ソノラ砂漠では数多く見られるハエトリで、春になると冬を過ごしたメキシコから渡って来る。キツツキのサバクシマセゲラが使用したサワーロサボテンの穴を上手に利用して雛を育てる姿をちょくちょく見かけることがある。 空中で虫をフライングキャッチしては元の同じ枝に戻り、大きな声で鳴くので簡単に見つけられる。

                  Golden Eagle
                  イヌワシ(Golden Eagle)
                  このトレールの先にあるプッシュリッジ山の麓近くまで上がると、時々山肌をなめるように滑空しながらエサ探しをしているイヌワシに出会える。この日は岩に腰を下ろして弁当を食べていると突然山から現れこちらへ向かって飛んで来たので「カメラカメラ・・・」と大慌て。あまりにも近く、大きく美しいので唖然としてしまった。金褐色の 首筋が光に映え美しい。

                  Golden Eagle & Red-tailed Hawk
                  イヌワシ(Golden Eagle) とアカオノスリ(Red-tailed Hawk)の空中戦。
                  春は子育てをしている鳥たちが多いソノラ砂漠。エサ探しに急降下して来るイヌワシをアカオノスリが目ざとく見つけモビングを始めた。何処までもひつっこく追いかけ時にはイヌワシに襲い掛かる、そして2羽でどんどん高い空へソワリングしながら上がって行き、やがて米粒ほどの大きさになって視界から消えていった。

                  巨大なサボテン(サワーロ)が林立するソノラ砂漠のトレール(アリゾナ)その1

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                     Saguaro & Pusch Ridge Mt.
                    サワーロ・サボテン(Saguaro/弁慶柱/ハシラサボテン)の林
                    ツーソンの北郊外の我家に隣接する”カタリナ州立公園”はソノラ砂漠の自然や鳥、生きものが贅沢に見られる有名なスポットである。アリゾナでもご多分にもれず、キャンプ施設が整った大きな公園は季節によっては人が多く、週末などはゆっくり写真を撮れないことがある。しかしこの公園にも静かな穴場があることを友人に教えてもらい、そこは今では真夏を除く秋から春にかけての私の好きなフィールドの一つとなっている。

                    Trail & Wild Flower
                    その静かな穴場は”プッシュリッジマウンテン”と呼ばれるハイカー専用のトレールで一般にはあまり知られていない(地図にも出ていない)、また特別歩き易いように整備されていないのでまさに自然そのもの。
                    ウイークデーはほとんど人に会わないし、”砂漠の生きもの”が実に豊富で楽しめる。そして2月末には色とりどりの野の草花が咲き始め、けもの道のようなトレール全体が明るくなる。

                    Cactus flower & Mt.
                    ”ソノラ砂漠”は砂漠と言ってもまったく草木のない平坦な砂地ではなく、地平線まで草原が続く"Grass Land"があれば低い潅木が点在する岩場もあり、そして山の麓に行けば水の流れもあり樫の木が茂る緑深いキャニオンとなって自然が大変変化に富んでいる。今回はそんな素晴らしい”プッシュリッジマウンテン”で私が出会ったここで冬を過ごす鳥たちを紹介しよう。

                    Pyrrhuloxia
                    ムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia)
                    砂漠種の代表とも言える鳥で、囀りがショウジォウコウカンチョウ(Northern Cardinal)によく似ているので”西のカーディナル”と呼ばれている。下へ曲がったずんぐりした嘴で、顔と喉から胸にかけての赤い色が暑苦しいぐらいどぎつく、あまり可愛い感じがしないが・・・いかがでしょう・・・・。

                    Phainopepla
                    レンジャクモドキ(Phainopepla)
                    これも砂漠を代表する鳥の一つであるが、夏に入ると毎日40度を越す砂漠の暑さが我慢できないらしく、涼しく水の流れがあるキャニオン深く移動してしまうので秋まで見られなくなる。新世界(アメリカ大陸)種の熱帯鳥で、すべすべした光沢の絹のような羽が日に当たると実に美しい。エサ取りが変っていて大変面白い。翼を”V”字型にして蝶のように飛び、翼の上に乗せた虫をすばやく食べる軽業は見事な腕前である。

                    Gambels Quail
                    ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail)
                    日本のコジュケイより少し大きいウズラの仲間でアリゾナの州の鳥であり、砂漠ではごく普通に見られ、庭のフィーダーや水場にもちょくちょくやって来る身近な鳥である。まん丸な体で頭のチョンマゲのような冠を揺らせながら岩場のスロープを早足で登って行く姿は実に滑稽である。

                    Gambels Quail singing
                    ズアカカンムリウズラはふだん木の枝に止まっていることはほとんどなく、群でグラウンドを歩きながらエサ取りをしており、大変臆病なので近づくと「ブルルルン・・・」と大きな羽音を出して飛んで行ってしまうためフィールドではなかなかゆっくり見れない。ところが春になるとオス・メスのカップルでゆっくり歩く姿が見られるようになり、時にはオスが高い木の細い枝先で空に向かって”ウエアー”と縄張り宣言をすることもある。この時期だけ見せてくれる珍しい姿をじっくり楽しむことが出来る。のどかで砂漠に響き渡るその春の音色を聞いていると、のんびりした気持ちになり眠くなってくる。

                    Greater Roadrunner
                    オオミチバシリ(Greater Roadrunner)
                    日本のハシブトガラスより大きく、主にグラウンドでトカゲやガラガラヘビを好んで捕食するカッコウの仲間で、砂漠を代表する鳥の一つでもある。数は多いのだが、不思議とトレールを歩いてもなかなかお目に掛かれない。しかし、春から夏にかけてはゴルフ場や住宅街の身近な所を徘徊していることが多く、この時がじっくり見れるチャンスである。首を前に長く伸ばして足早に走る姿は実に愛嬌があり、マンガのキャラクターによく登場するのでおなじみの鳥であろう。

                    Gila Woodpecker
                    サバクシマセゲラ(Gila Woodpecker)
                    巨大なサボテン(サワーロ)の穴から顔を出す姿はまさにソノラ砂漠ならではのキツツキで、日本のアカゲラとほぼ同じ大きさである。ピョコンピョコンとおじぎをしながら高く大きな声で”クルルクルル・・・”と鳴き喚く姿は親しみが湧く。

                    Cactus Wren
                    サボテンミソサザイ(Cactus Wren)
                    日本のスズメよりずっと大きく見慣れないとフィールドでは小形のツグミ類と見間違えることがあり、とてもミソサザイの仲間とは思えない。鳴き声も他のミソサザイのようにメロディアスではなく、どちらか・・と言うと耳障りな低い声で”ギョギョギョ・・・”と鳴き続ける。春近くなると花が咲き始めたオコティーヨ・サボテン(Ocotillo)をオス・メスで踊りながら登って行く求愛動作がチョクチョク見られる。

                    Rock Wren
                    イワサザイ(Rock Wren)
                    岩場のスロープが好きで、日の当たる斜面の岩から岩を飛び回りながらピッコピッコと体を上下に振ってはよく鳴くので見つけやすい。冬の間は毎日のように我家の屋根に来てエサ取りをしながら可愛い声で”ピリーピリー”と鳴いているが、春になると北へ上がっていくのでいつの間にか姿がまったく見られなくなる。

                    Black-tailed Gnatcatcher
                    オグロブユムシクイ(Black-tailed Gnatcatcher)
                    10センチとメジロより小さく、新世界(アメリカ大陸)ならではの鳥である。まさに砂漠の鳥で、北米ではメキシコとの国境近くの南部でしか見られない。密な枝をチョコマカ動き回るのでフォトグラファー鳴かせの鳥だが、好奇心が大変強いので口で「プシュプシュ・・・」とならすと、近くの枝にポソと出て来ることがある。

                    Verdin
                    巣材を運ぶアメリカツリスガラ(Verdin)
                    メジロと同じぐらいの大きさで、「小さな妖精」のような鳥と言われている。南の砂漠地帯ではごく普通に見られ、渡りをしない留鳥である。低い潅木の間を舞うようにヒラヒラ飛び回り、入口にひさしの付いた手の込んだ長円形の巣を作る。冬には庭にもやって来てハチドリのフィーダーの砂糖水をしっけいするいたずら好きな身近な鳥である。

                    大草原の動物や鳥たち(南アリゾナ)

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                       Buenos Aires N.W.R
                      我家からまっすぐ南へ車で2時間ほど下ったメキシコとの国境沿いに広大な草原「ブエノスアイレス国立野生生物保護区」がある。250キロ近いドライブとはいえ車も少なくまっすぐな道路なのでほとんどクルージング走行ができ、アクセルから足が解放されるので運転が楽である。ここは見渡す限りの草原で素晴らしい景色が楽しめるのと、珍しい動物そして冬を過ごすたくさんの渡り鳥たちに会えるので今年も3月に早起きして出掛けてみた。

                      Buenos Aires N.W.R 2
                      遠くに荘厳なバブオキィブアリー山(2,360メートル)と樫の森林地を一望する477,500平方キロの大草原はビロードのカーペットを敷いたような美しい砂漠草原である。特別保護されている北米にだけ生息する動物プロングホーンがのんびりエサ取りをしている姿を見ながら、ウイークデーで人がまったく居ないトレールを歩く。

                      Pronghorn
                      プロングホーン(Pronghorn 学名Antilocapra americana)
                      特別保護されてるプロングホーンはアンティロープの仲間の中型の動物で、北米のみに生息している独立した一種である。アリゾナではこの保護区のみでしか見られないが、コロラドからモンタナにかけての中央草原地帯でも見られる。プロングホーンは”レイヨー”によく似ているので、間近かに見てるとアフリカのサバンナに居るような錯覚を覚える。

                      Barn Owl
                      メンフクロウ(Barn Owl)
                      この保護区は昔一部が牧場だった所で今でも古い納屋が残っており、管理人からの「メンフクロウがここ数年営巣していたが、年をとったせいかついに一羽だけになってしまった」との情報で、さっそく納屋へ行ってみる。早朝で人が誰も居ないのでラッキーにも納屋のわきの潅木でゆっくり休んでいるメンフクロウを見ることが出来た。かってはアメリカ全土で普通に見られたフクロウであったが、近年、牧場や農家の納屋が少なくなったためその数も激減しており、今ではめったに見られないフクロウの一種となってしまった。

                      Mountain Bluebird
                      ムジルリツグミ(Mountain Bluebird)
                      南アリゾナは多くの渡り鳥の冬の越冬地となっている。草原にはところどころ樫の林が点在していて、頭や背中のブルーが日の光に輝いて美しいムジルリツグミがひらひらと舞っている。彼らは夏に入ると1,500メートル以上の高原で暮らしており普段はめったにお目にかかれる鳥ではないが、冬は10羽前後の群で平地に下りて来るので大変見易い。北米で見られる他のルリツグミ2種のような栗色の部分がなく、全身ルリ色と白のみのシンプルな清楚な美しい鳥である、

                      Says Phoebe
                      チャイロツキヒメハエトリ(Say's Phoebe)
                      心地良い春風に吹かれながら、さざ波のように揺れる草原を見ているとボーと眠くなってくる。
                      時々杭や背の高い草からヒラヒラヒラ・・・と空中に舞い上がっては虫を捕って再び同じ所に戻るツキヒメハエトリの動きにハッとして我に返る。

                      Glass Land
                      この保護区はたくさんの人々のボランティア活動によって維持されている。この日管理事務所で話をした
                      ボランティアの管理人夫妻は大きなキャンピングカーで冬はアリゾナの公園、夏はオレゴンの公園と一年の半分以上を Songbird (春の渡り鳥)のような渡りの生活をしている。アメリカには結構この手の老夫婦がたくさんいる。保護区でボランティア活動をする代償にキャンピングカーの駐車代やそれに伴う電気、
                      水などの無料サービスが受けられる。彼らはもと学校の先生夫婦でアメリカの中流階級であるが、こうしてのんびりと自分のしたいことをして老後の人生を送っているのは実にうらやましい。

                      Skeleton
                      保護区のレンジャーが「おもしろい標本でしょう・・・」と説明をしてくれた”骨格標本”
                      北米で2番目に大きいアメリカワシミミズク(左56センチ)と小さなコスタハチドリ(右9センチ)のスケルトンが並べられてある。

                      Arizona Woodpecker
                      チャバネアカゲラ(Arizona Woodpecker)
                      Oak Woodland に入るとキツツキやカラ類に出会える。チャバネアカゲラもその一種で、キツツキの中でも唯一茶色の羽である。北米では南アリゾナの一部でしか見られず、数年前英名を「アリゾナキツツキ」と変更された。

                      Praire Falcon
                      ソウゲンハヤブサ(Prairie Falcon)
                      草原ではハイイロチュウヒと共に比較的普通に見られる鷹。ハヤブサと同じぐらいの大きさで杭や電柱に止まってエサ探しをしている姿をよく見る。

                      Smuggler
                      この保護区はメキシコと国境を接しているので、近年増え続けて問題となっている「違法密入国者」の取り締まりが非常に厳しい。主たる道路には検問所が数多くあり、通過の際は私のような外国人はグリーンカード(長期居住許可証)かパスポートを提示させられる。そして道路のところどころにはこのような「違法密入国者の出没に注意」と書かれた看板が立ててある。彼らの中には麻薬の売人が多く、時々「銃の撃ち合いがあった・・・」という新聞記事を目にすることがある。人のいない早朝に大きなレンズを持ってウロウロしなくてはならない私にとっては緊張する探鳥スポットである。


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