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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

レモン山(南アリゾナ)の美しい自然 シリーズ(1)

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     レモン山全景
    レモン山の頂上から望むサンタカタリナの山々とソノラ砂漠

    砂漠の町ツーソンの北にそびえる標高2,100メートルを越すサンタカタリナの山々は、「砂漠の海に浮かぶ島」と呼ばれる緑濃い山並みである。 その中でもひときわ高い標高2,800メートルのレモン山(Mt. Lemmon) は、私が夏よく通うフィールドの一つである。 鳥見のスポットを歩きながら、魅力あるレモン山の自然を紹介したい。

    ハシラサボテンの林
    レモン山へ上がる山岳ハイウエーの入口、巨大なハシラサボテン Saguaro (サワーロ)が林立する。

    ツーソンの町から車で40分も走るとレモン山の麓に着く。 ここから山頂までの48キロの山岳ハイウエーは素晴らしい風景と眺望があり、しかも、5つの生物分布帯を走るので、植物層はまさにメキシコからカナダへ旅するのにひってきするほど魅力に富んでいる。

    樫の木
    車窓から見る景色はサボテンの林から樫の木の並ぶ草原に変る。

    標高1,300メートルを越すあたりから緑が一段と濃くなり、南アリゾナ特有のメキシコ・ブルーオークやホワイト・オーク、エモリー・オークなどの樫の木が目立ちはじめる。

    Bear Canyon
    松の香りが漂う "Bear Canyon"

    標高1,800メートルの " Bear Canyon " に入ると植生ががらっと変って、アメリカイトスギやスズカケノキ、五葉松などの林が主となって、心地良い「松」の香りが車内に充満し、まるで北の深い森の中を走っている感じがしてくる。 そしてここでは砂漠とはまるで違う魅力溢れる鳥たちが出迎えてくれる。

    Northern Pygmy Owl
    日本のヒバリと同じ大きさの小さな ロッキースズメフクロウ(Northern Pygmy Owl / Glaucidium gnoma)

    人影がまったくない早朝、松の香りに包まれるピクニックテーブルでコーヒーを飲んでいると、頭上でローキースズメフクロウが盛んに鳴く。 「フッーフッー」という2拍子を単純に繰り返す声が谷間によく響く。

    Mexican Jay 1
    北米では南アリゾナだけでしか見られない メキシコカケス(Mexican Jay)

    松林の奥から「ジェイ、ジェイ・・・・」と大きな声が聞こえてくる。 腰を下ろしてコーヒーを飲んでいるすぐ横の枝でピーナツのおこぼれにありつこうと、もの欲しそうな顔でこちらをじっと見つめる。 食べ物を嗅ぎつける彼らの勘はすごい。実にカケスはクールな鳥である。

    Mexican Jay 2
    "Thank you" とポーズをとる メキシコカケス(Aphelocoma ultramarina)

    メキシコカケスはピーナツが大好きである。 テーブルの上に置いてやると、すぐ高い枝から下りて来て美味そうに食べる。

    Red-naped Sapsucker
    真っ赤な頭と喉がよく目立つ アカエリシルスイキツツキ(Red naped Sapsucker / Sphyrapicus nuchalis)

    静かな松林に突然「コツコツコツ・・」という大きな音が響く、驚いて見上げると、シルスイキツツキが幹に小さい穴を開け、盛んに樹液を吸っていた。

    カエルの大合唱 − ソノラ砂漠

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       Red-spotted Toad 1
      Red-spotted Toad グラウンドをたたきつける雷雨の音を合図に庭に現れる

      一年のほとんどが太陽いっぱいの青空で非常に乾燥(湿度3%−10%)しているソノラ砂漠も、7月8月の2ヶ月間は恵みの雨が降るモンスーン季となる。 この期間は2日ないし3日に一度の割合でスコールのような激しい雷雨がある。 午後になると真っ白な積乱雲がもくもくとわき上がり、見る見るうちに空全体に拡がる。そして雨を持ったカーテンのような黒い雲が空から降りてくると辺りは夜のように真っ暗となって稲妻が走り、強風を伴った大粒の雨が滝のように落ちてくる。そして一年間この激しい雨を土の中でじっと待っていた色々なカエルが水を求めて一斉に地表へ出て来る。

      Red-spotted Toad 2
      穴から一年ぶりに出て来たばかりで眠そうな顔の Red-spotted Toad(Bufo punctatus) 明るい昼間はカモフラージュのために、体全体を砂漠の土色の赤茶に変える。
       
      Red-spotted Toad は体長3センチから8センチほどの小さいカエルで、平べったい頭とボディー、赤いイボが特徴。モンスーン季はカエルにとっては年に一度の交配期。雨が降った後の水溜りをメスが産卵場所に使用することが多い。また、アリゾナはプールが大変普及していて、庭にプールを持つ家が多いので、砂漠のカエルたちはこれらも産卵場所に利用している。 卵はたった3日以内で孵化してオタマジャクシになり、6週間でカエルになるので成長が非常に早い。

      Red-spotted Toad 3
      喉を膨らませて思いっきり大声で鳴く Red-spotted Toad

      カエルの鳴き声を日本の言葉で表せば「ケロケロケロ・・・」というところだろうか・・・。ところが、砂漠のカエルの声は日本のカエルのように愛嬌がないばかりか、「これ本当にカエルの鳴き声?」と首をかしげるような面白い声ばかりである。 人間のいびきにそっくりな「グーグー」という鳴き声や羊の「メーメー」という声によく似た鳴き声、猫が「ゴロゴロ・・」と喉を鳴らす音に似た声など、色々千差万別である。 Red-spotted Toad はコオロギによく似た声であるが、こんな小さな体でよくこんな大きな声が出るもんだ・・と不思議に思うほどすごい声で鳴く。

      Western Spadefoot toad
      スキアシカエルの一種 Western Spadefoot toad(Scaphiopus hammondi)

      ソノラ砂漠を代表する生きものの一つで、水溜りやプールを見つけると、大声で鳴いて仲間やメスに知らせる。 その鳴き声は猫が「ゴロゴロ・・」と喉を鳴らす声によく似ている。

      Couchs Spadefoot Toad
      プールで気持ち良さそうに泳ぐ Couch's spadefoot Toad(Scaphiopus couchi)

      ソノラ砂漠では2種類のスキアシカエルが見られ、両種ともよく似ている。このCouchs Spadefoot toad は足の裏に鎌の形をした黒い小さい模様がある。その鳴き声はまったくカエルらしくなく、羊の「メーメー」という声にそっくりである。名前のスキアシカエルのスキアシは後ろ足の根元の骨の一部が”鋤”のようになっていて、これを使って土に深い穴を堀り、一年のほとんどを土中で暮らす。そして、モンスーンの間だけ雷の音や雨が土を叩く音を聞くとすぐ穴から出て来る面白い習性を持っている。

      Sonoran Desert Toad 1
      南アリゾナからメキシコにかけてのソノラ砂漠にのみ生息する Sonoran Desert Toad

      Sonoran Desert Toad は体長10センチから19センチと大きい。動作が鈍くてゆっくりしているが、耳の後ろにあるリンパ腺を膨らませ強い特別な毒を分泌するのでうっかり触れない。 大きな金色の目が魅力的で、ペットとして飼う人も結構いる。

      Sonoran Desert Toad 2
      寝室の壁に向って大きな声でいつまでも鳴き続ける Sonoran Desert Toad(Bufo alvarius)

      鳴き声はやはり変っていて「ピュー」というフェリーボートの汽笛によく似ている。 モンスーン季はこのような色々な面白い鳴き声のカエルが毎晩プールの周りに集まって来る。そして夜9時過ぎ頃から特徴ある声で一斉に鳴き始めるのでまさに大合唱となる。 長い時は夜中の1時過ぎぐらいまで鳴き続けるので睡眠不足となりいささか堪える。 しかし、この期間は彼らが穴から地上へ出て来て子孫を残す一年に一回の交配期だと思うと我慢出来るが、一週間も経つとこのカエルの合唱がだんだん子守唄となって寝れるようになってくるのは不思議である。

      南アリゾナ・マデラ渓谷の珍しい鳥

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        Fan-tailed Warbler 3
        北米ではほとんど見ることが出来ないメキシコの珍鳥 オウギアメリカムシクイ(Fan-tailed Warbler)

        マデラ渓谷はメキシコから国境を越えて来る珍しい鳥が時々出るスポットとしても有名である。 一昨年(2011年)の5月下旬、北メキシコの一部地域にだけに生息する固有種オウギアメリカムシクイが現れた。このニュースがネットで全米に拡がり大騒ぎとなって、色々な州から多くの人々がマデラ渓谷に集まった。

        Fan-tailed Warbler 2
        少しの木漏れ日に全身がやっと見れた オウギアメリカムシクイ(Euthlypis lachrymosa)

        オウギアメリカムシクイは米国では過去10数例しか出現の記録がないほどの珍鳥であり、この日も10年ぶりの出現で大騒ぎとなった。 この珍しいムシクイが現れた"the Madera Amphitheater" の駐車場は他の州から来た車が列をなして狭い山道まで溢れた。 日本で珍鳥が出ると、瞬く間に大きなレンズを持った数百人が集まって鳥を見れる状況でなくなるが、マデラ渓谷ではせいぜい40人から50人程度の鳥好きが集まったぐらいでカメラマンの数も少なく、みんなゆっくりと珍鳥を楽しんだ。

        Fan-tailed Warbler 1
        特徴ある尾を扇形に広げエサ取りする オウギアメリカムシクイ

        オウギアメリカムシクイが囀り、エサ取りをしていた場所は鬱蒼とした大きな木が茂る暗い渓谷の岩場のスロープで、しかもグラウンドを歩いたりホップしたりしながらエサ取りすることが多く、写真撮影に大変苦労した。

        Rufous-capped Warbler 2
        小さな声でこじみに囀る クリボウシアメリカムシクイ(Rufous-capped Warbler)

        クリボウシアメリカムシクイは時々南アリゾナとメキシコとの国境沿いに現れる新熱帯種(中南米に生息)で、一昨年に続いて昨年秋にもマデラ渓谷に現れた。

        Rufous-capped Warbler 1
        秋の陽だまりでエサ取りする クリボウシアメリカムシクイ(Basileuterus rufifrons)

        クリボウシアメリカムシクイは頭の赤茶と喉の黄色が非常に目立つのでフィールドでも見つけ易いが、密に茂った低潅木のグラウンド近くを活発に枝移りしながらエサ取りするので、これまた写真を撮るのに少々苦労する。

        Northern Beardless-Tyrannulet 1
        冬を過ごした中南米から渡って来たばかりの メグロハエトリ(Northern Beardless-Tyrannulet)

        体長11センチと小さなこのハエトリは大変数が少ない北メキシコ種である。 毎夏南アリゾナのごく一部の地域のみで見られるが、ラッキーなことに今年は春先にマデラ渓谷でアメリカムシクイを探している時、たまたま双眼鏡に入ってきたのでじっくりと見ることが出来た。

        Northern-beardless Tyrannulet 2
        春先でまだ囀りが聞かれない メグロハエトリ(Camptostoma imberbe)

        メジロと同じぐらいの大きさの地味なハエトリなのでなかなか見つけ難いバーダー泣かせの鳥である。頭がボサボサして立っているのと、淡黄色の翼帯が2本、嘴の根元がクリームピンク色などがフィールドで見られる特徴である。

        南アリゾナ・マデラ渓谷の自然 (秋)

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           マデラ渓谷の紅葉
          マデラ渓谷の紅葉

          南アリゾナのソノラ砂漠は一年中カンカラカンの暑い夏の気候と思われがちだが、ある程度の四季はあって、秋に森深い渓谷に入れば美しい紅葉も楽しめる。

          Mountain marigold
          キンセンカの一種 Mountain marigold (Tagetes lemmoni)

          晩秋になるとヒナギクに似たこの花が一面に咲き、下に落ちてる松ぼっくりと調和して大変美しく、秋らしくて私の好きな構図の一つである。

          Pink Muhly
          一面ピンク色に染まった秋草 Pink muhly (Muhlenbergia capillaris)

          賑やかに囀っていたSongbird (ソングバード)の姿もなくなり、マデラ渓谷が静かな初冬へ移り変わっていくのを感じる。

          Black Bear
          冬眠を前にエサ探しに忙しい アメリカクロクマ (Black Bear / Ursus americanus )

          マデラ渓谷はアリゾナの中でも「熊天国」と言われているが、熊は臆病な動物なので、トレールを歩いていてもちょくちょく会える生きものではない。 アメリカクロクマはアラスカに生息するグリーズリーベアーのように獰猛ではなくおとなしい性格であるが、人のいないトレールで一対一で出会うと、やはりドキッとしてフリーズしてしまう。

          Tropic Queen
          アサギマダラに似た Tropic Queen (Danaus eresimus )

          晩秋になると現れる蝶で、渡りをするので有名なオオカバマダラに似ているが、この蝶は短距離の旅しかしない。

          Arizona Caltrop
          ケシの花に似た Arizona caltrop (Kallstroemia grandiflora )


          心地良い風が吹く草原に別名「アリゾナ・ポピー」と呼ばれるこの美しい花が一面に咲き始めると秋も深まってくる。

          Two-tailed Tiger Swallowtail
          トラフアゲハの一種 Two-tailed Tiger Swallowtail (Pterourus multicaudetus )

          マデラ渓谷にアゲハ蝶とトンボが一段と多くなるのも秋ならわである。夕立で少しでも水が溜まると、色々な蝶が集まってくる。

          Canyon Wren
          ムナジロミソサザイ (Canyon Wren / Catherpes mexicanus )

          夏の間は馬のいななきに似た声で高らかに囀っていたムナジロミソサザイも秋を感じているのか、ただ静かに岩の上で朝日を浴び、ひたすらエサ取りをしていた。

          南アリゾナ・マデラ渓谷の自然 (夏)シリーズ (後編)

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            Acorn Woodpecker 1
            ドングリキツツキ (Acorn Woodpecker)

            アリゾナとカリフォルニアの樫の木が茂る森で普通に見られるキツツキ。 10年ほど前はマデラ渓谷でも数多く見られたが、近年の宅地造成と牧草地化が進んで松や樫の森がなくなったため、その数が減少しているのが 心配である。

            Acorn Woodpecker 2
            大好物のドングリをじっと見つめ、まさに取ろうとしている ドングリキツツキ

            赤い帽子を被った派手な顔、そして白くて大きいびっくりしたような目は実にマンガチックで愛嬌がある。 
            小さい群で「ウワッカ、ウワッカ・・・」とうるさく鳴きながら、のべつまくなし動き回っている。

            Acorn Woodpecker 3
            松の幹にドングリを埋め込む ドングリキツツキ (Melanerpes formicivorus)

            松や樫の幹(時には電柱)に小さな穴をたくさん開けて、取ってきたドングリを一つ一つその穴に埋めて冬の蓄えにする。 一本の木に多い場合は2万個以上のドングリが埋められていることもある。 しかも毎年同じ群が  「穀倉樹」として利用するおもしろい習性を持っている。

            Ladder-backed Woodpecker
            枯れ木の先で朝日に当たる シマアカゲラ (Lsadder-backed Woodpecker / Picoides scalaris )

            西側のしかも南の地方でしか見られないシマアカゲラはマデラ渓谷では数の多いキツツキ。 大変小さなキツツキで、日本のコゲラより少し大きい程度である。

            Western Scrub Jay 1
            日本のカケスより小さい ニシアメリカカケス (Western Scrub  Jay )

            マデラ渓谷では数多く見られるカケスで、白い眉毛が特徴。 いつもグループでエサ取りをしており、好奇心が 大変強いので歩いているとすぐそばの木の枝に飛んで来てよーくこちらを見ていることがある。

            Western Scrub Jay 2
            ピーナツをねだりに寄って来た ニシアメリカカケス (Aphelocoma californica)

            ニシアメリカカケスは人をあまり恐れないフレンドリーな鳥で、ピーナツを手のひらにのせると、高い枝から飛んで来て取って行くこともある。

            Black-headed Grosbeak
            雛にエサを運ぶ チャバライカル (Black-headed Grosbeak / Pheucticus melanocephalus)

            マデラ渓谷の森ではごく普通に見られるイカルである。 近年、東側のムネアカイカル(Rose-breasted Grosbeak) との交配種が時々見られる。 実際にマデラキャニオン・ロッジのフィーダーで両種が仲良く並んでエサ取りしている姿を何回か見たことがある。

            Western Wood-Pewee
            16センチと小さくて可愛い ニシモリタイランチョウ (Western Wood-pewee/Contopus sordidulus)

            スズメとほぼ同じ大きさのタイランチョウで、マデラ渓谷のような山岳地帯の広葉樹の森ではごく普通に見られる。 東側(大西洋側)で見られるモリタイランチョウ(Eastern Wood-pewee) とよく似ている。

            南アリゾナ・マデラ渓谷の自然 (夏)シリーズ (前編)

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               Elegant Trogon ♂
              ウツクシキヌバネドリ ♂ (Elegant Trogon)

              米国で一番美しいと言われるウツクシキヌバネドリは北米では南アリゾナの一部地域でしか見られず、愛鳥家が一度は見たいと思うカリスマ的な鳥である。近年ここマデラ渓谷には2組から3組が毎年営巣しているので、夏にはほぼ100%近い確立で見られる。(2012年9月19日記事)

              Elegant Trogon Chick
              巣立ったばかりのウツクシキヌバネドリの雛 ♀ (Trogon elegans)

              雛は保護色ですっかり樫の木に同化してしまい、しかも静かにほとんど動かないので探すのは非常に難しい。

              Western Tanager 1
              ニシフウキンチョウ ♂ (Western Tanager)

              夏の間、西側山岳地帯の針葉樹林でよく見られる鳥であるが、南アリゾナでは数がそれほど多くないので見れる機会が少ない。

              Western Tanager
              ニシフウキンチョウ(Piranga ludoviciana)

              夏羽のニシフウキンチョウは暗い森の中でもひときわ目立つ色なので、簡単に見つけることが出来る。 しかし、中南米へ渡って行く秋には美しい繁殖羽から地味な冬の装いの黄緑色となって、フィールドで見てもあまり感激しない。

              Blue Grosbeak 1
              ルリイカル ♂ ( Blue Grosbeak )

              ルリイカルは暗い曇り空の下で見ると全身真っ黒に見えるが、日に当たるとその深いブルーと翼の赤茶のコントラストが大変美しい。

              Blue Grosbeak 2
              ルリイカル ( Guiraca caerulea )

              東から西にかけて全米広く色々な場所で見られるポピュラーな鳥である。 マデラ渓谷でも数多く見られ、しかも、よく目立つ枝で囀ることが多いので見つけ易い。

              Scotts Oriole
              セグロムクドリモドキ (Scott's Oriole / Icterus parisorum )

              メキシコから北米南部で見られる新熱帯種で、マデラ渓谷でもユッカとオークの林がある乾燥した山腹でよく見られる。 高い木のてっぺんで囀る口笛を吹くような歌声はよく響き渡る。

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              ムラサキノジコ ♂ ( Varied Bunting )

              南アリゾナからメキシコにかけての国境沿いでしか見られない数少ないノジコである。 臆病で警戒心が強く、密に茂った低潅木のグラウンド近くで隠れるようにエサ取りをしていることが多い。 複雑な色合いをしているので、よく日が当たる好条件下でないとそれぞれの色を写真に出すのが難しい

              Varied Bunting 1
              ムラサキノジコ ( Passerina versicolor )

              ムラサキノジコは遠くから見たり暗い所で見ると、ただ全身が真っ黒にしか見えないが、日に当たると赤、青、紫色がさまざまに変化するので実に美しい。

              南アリゾナ・マデラ渓谷の自然 (春)シリーズ (後編)

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                 Huttons Vireo 1
                スナイロモズモドキ (Hutton's Vireo )

                スナイロモズモドキは南アリゾナの一部と太平洋沿岸の森林で見られ、マデラ渓谷でも春は数が多い。

                Huttons Vireo 2
                スナイロモズモドキ (Vireo huttoni)

                背中が灰色がかったオリーブ色で、北米で最も小さい鳥(ハチドリを除く)の一つルビーキクイタダキ(Ruby-crowned Kinglet) に似ており、しかも一緒の群で行動することがあるので、フィールドでは非常にまぎらわしい。

                Warbling Vireo
                ウタイモズモドキ (Warbling Vireo / Vireo gilvus)

                夏に全米でごく普通に見られるソングバード(Songbird) であるが、羽の色が地味で、森ではカモフラージュされて見難く、意外と多くの人々に知られてない鳥である。

                Plumbeous Vireo 1
                プランビアス・ビレオ (Plumbeous Vireo)

                昔は東側のフタスジモズモドキ(Blue-headed Vireo) の亜種とされていたが、近年別種に分けられた。この2種は大変よく似ていてフィールドでの姿による識別は難しいが、囀りやコール(地鳴き)はまるっきり違うので、春はよく囀ってくれて簡単に見分けられる。

                Plumbeous Vireo 2
                雛にえさを与えるプランビアス・ビレオ(Vireo plumbeus)

                大きな松と樫の混在してる森で巣を作り雛を育てる。マデラ渓谷は特に数が多く、その囀りもあちらこちらでよく聞かれる。

                Bridled Titmouse
                シロガオエボシガラ (Bridled Titmouse / Baeolophus wollweberi )

                アリゾナのごく一部でしか見られないメキシコ種。松や樫の森に多く、小さい群で動き回りエサ取りをしている。大きな種子を両足に挟んでこじ開け、太い嘴で粉々にして食べるのがとくいである。

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                ヤブガラ (Bushtit )

                どこにでも居そうであるが、けっこう見れる機会が少ない。小さくてもじゃもじゃとした感じの面白い鳥である。藪に群で居るのがよく見られるので、この名前がついているのだろう。

                Bush tit 2
                ヤブガラ (Psaltriparus minimus )

                ヤブガラは地味な鳥であるが、いつも大きな群で忙しく動き回りながらエサ取りをしているので、出会えればすぐ分かる。

                南アリゾナ・マデラ渓谷の自然 (春)シリーズ (前編)

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                   maderacanyon
                  朝日がまぶしい鬱蒼とした森、そして清らかな水が流れるマデラ渓谷(Madera Canyon)

                  ツーソンの町から北へ40キロ、サンタリタ・マウンテンズにあるマデラ・キャニオン(Mdera Canyon) は全米でもベスト5に入るバーディング・スポットで、年間256種類、ハチドリだけでも15種類見られ、私が四季折々よく通うお気に入りのフィールドの一つである。 そのマデラ渓谷で出会える鳥や生き物、自然を6シリーズに分けて紹介したい。

                  Black-throated Gray Warbler
                  ノドグロハイアメリカムシクイ (Black throated Gray Warbler )

                  このアメリカムシクイが南米から戻ってきて鳴き始めると、マデラ渓谷は本格的な春となる。 西側でしか見られないムシクイで、アメリカコガラやシロクロアメリカムシクイによく似ていて、フィールドでは非常に間違えやすい。

                  Black-throated Gray Warbler 2
                  盛んに囀るノドグロハイアメリカムシクイ (Dendroica nigrescens)

                  このアメリカムシクイは杜松(トショウ)や樫の森でよく囀る。 あまり人を恐れないので比較的近くで見れることが多い。

                  Wilsons Warbler
                  ウイルソンアメリカムシクイ (Wilson's Warbler )

                  昨年発表された「日本鳥類目録改訂第7版」で日本の鳥に加えられたが、全米で最もポピュラーなアメリカムシクイの一種である。 冬は中南米で過ごすので、アリゾナでは春と秋の渡りの時だけしか見られない。

                  Wilsons Warbler 2
                  ウイルソンアメリカムシクイ (Wilsonia pusilla )

                  全身鮮やかな黄色で、ユダヤ人が被る”ヤムカ”のような黒い布を頭にのせた感じで、大変愛嬌がある。
                  活発に動き回り、好奇心が大変強いので "Pishing"(ピシュピシュ・・・と口で音を出す)をすると直ぐ反応して近くの枝に飛んで来る。

                  Painted Redstart
                  カタジロアメリカムシクイ (Painted Redstart )

                  主にアリゾナでしか見られないアメリカムシクイで、赤、白、黒の明るく派手な色彩が薄暗いマデラ渓谷の森でもよく目立つ。

                  Painted Redstart 2
                  カタジロアメリカムシクイ (Myioborus pictus)

                  このアメリカムシクイは時々尾を扇形に広げ、蝶が舞うようにヒラヒラ枝移りすることがあり、その姿は実に美しい。

                  艶やかなサボテンの花咲くソノラ砂漠 (後編)

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                     Saguaro
                    花が咲き始めた Saguaro

                    ユーモラスな姿をした巨大なソノラ砂漠を象徴するサボテン Saguaro (サワーロと発音、和名ベンケイチュウ)は15メートル近い高さで、重さは10トンにもなる。 5月・6月には頭頂部に小さく可愛らしい白い花がたくさん咲く。

                    Saguaro & White-winged Dove
                    Saguaro の蜜を吸うハジロバト

                    砂漠に自生する Saguaro は急斜面に立っているのが多く、高い所に咲いてる花をじっくり見るのがなかなか難しい。 花蜜は濃くて甘いので、ハジロバト(White-winged Dove) のような砂漠の鳥たちが大好物である。

                    Saguaro Flower
                    蝋で作られたようなSaguaroの白い花は7センチから9センチの大きさで、アリゾナの「州の花」である。

                    Queen of the Night 1
                    Desert Night-blooming Cereus (Penio cereus greggii )

                    南アリゾナの一部の地域でしか自生していない大変貴重なサボテンで、近年コレクター(サボテン収集家)の乱獲によりその数が激減、今ではその群生を見るのは大変難しい。 サボテン保護区で毎年この花を見るウオークが行われるのであらかじめ名前を登録しておく。 そして花が咲くと思われる2日〜3日前に連絡が入りウオークの日が決まるので、それに参加して毎年この花を楽しんでいる。 何しろ一夜しか咲かない大変貴重な花なので、こうしたウオークも大変人気がある。

                    Queen of the Night 2
                    ライトアップされた Desert Night-blooming Cereus

                    5センチから10センチほどの香りの良い白い花で、夕暮れになると開き始め、翌朝、太陽が出るとつぼんで枯れてしまう。 白くて清楚な花はとてもサボテンの花とは思えないほど美しく、しかも、たった一夜だけの花なので別名 " Arizona Queen of the Night " (アリゾナ夜の女王)と呼ばれ、大変人気がある。

                    Fishhook Barrel
                    Fishhook Barrel (Ferocactus wislizeni )

                    別名 "Arizona Barrel Cactus" (アリゾナ樽サボテン)は3メートルから4メートルの大きさで、丸くてでっぷりした樽のような形をしていて、特に南アリゾナでは大変ポピュラーである。 5センチから9センチほどのオレンジ色の花は7月・8月のスコール(激しい雷雨)が降るモンスーン季に咲き始める。

                    艶やかなサボテンの花咲くソノラ砂漠 (前編)

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                       Prickly Pear
                      エンゲルマン・プリックリー・ペアー (Engelmann Prickly Pear )

                      冬の間のソノラ砂漠は裸の低潅木だけのモノトーンに近い世界であるが、4月に入り、サボテンの艶やかな花が咲き始めると、砂漠はいっぺんに明るくなる。ソノラ砂漠には約150種類のサボテンが自生している。「プリックリーペアー」はウチワサボテンの仲間で約200種類ほどあり、初夏一番に咲くサボテンの花である。

                      Prickly Pear Flower
                      プリックリーペアーの花 (Opuntia engelmannii )

                      この美しい花の棘は大変恐ろしい。 芝刺(ぼうし)と呼ばれる細かい棘が密生していて、手足や指が触れるとこの棘が束になって枝から抜け、ゴボッとくっつくので取り出すのに非常に苦労する。 しかも毛抜きで一本一本取らなくてはならないぐらい小さくて細い棘の束なので大変厄介である。 私の経験でもこの束になった棘はズボンの上からでも布を突き通って肌に直接刺さるので始末に悪い。

                      Staghorn Cholla
                      スタグホーン・チョーヤ (Staghorn Cholla )

                      メキシコ産のウチワサボテンの一種で特に南アリゾナに多く、木のようにがっしりしているのでサボテンとは思えない形である。

                      Staghorn Cholla Flower
                      スタグホーン・チョーヤ (Cylindropuntia versicolor ) の花

                      砂漠の鳥、サボテンミソサザイやマルハシツグミモドキなどはこのサボテンによく巣を作る。

                      Pink-flowered Hedgehog
                      Pink-flowered Hedgehog (Echinocereus fasciculatus )

                      「ピンクフラワード・ヘッジホッグ」はアリゾナでしか見られない固有種である。 サボテンの一つ一つは小さいが、いくつも一緒にくっついて一度にパッと咲くので、そのマジェンタ色の花はソノラ砂漠でもひときわ目立つ。

                      Fishhook Pincushion
                      Arizona Fish Hook Pincushion (Mammillaria grahamii )

                      15センチほどのこの小さなサボテン「フィッシュフック・ピンクッション」は低潅木の下に隠れるように生えていることが多く、トレールを歩いていてもうっかりしていると見逃してしまう。 大きな棘の先がカギ形で、釣針に似ていることから "Fish hook "の愛称で呼ばれている。


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