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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

カーディナル − 雛の巣立ち(後編)

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    Cardinal 雄親と雛
    雛を誘導するカーディナルの雄親

    5月12日、雛3羽のうち2羽は朝早い時間に巣を離れてしまったが、最後の一番小さい雛(たぶん最後に卵から孵った雛だろう)がまさに巣立ちしようとしていた。 小さくてモタモタしているので雄親が鳴きながら自分について来るようにと誘導し始める。

    Cardinal 雄雌親と雛
    カーディナルの雛と雄親、雌親

    雛はまだ飛べない翼をばたつかせ、飛び降りたり歩いたりしながら親の誘導に従って庭の塀ぎわにやっと到着。 巣を離れる生まれて初めての大冒険に雛はすっかり疲れて目をつぶりしばらく寝てしまう。雄・雌の親が雛の横で心配そうに見守っている。

    Cardinal 雛
    雛は塀ぎわのヤシの木の上から誘導する親を不安げに見上げる。

    Cardinal 雛 2
    ヤシの木を登り始めた雛

    雛はついに勇気を振り絞ってヤシの木をふらふらしながら登り始める。 2回ほど力尽きて途中で落ちてしまったが、3度目の挑戦で、やっと親が待つ高い枝に到達出来た。

    Cardinal 雛 3
    ハンギングポットをよじ登る雛

    ヤシの木の高い枝の横に釣り下がってる花のハンギングポットに移り、鎖を伝わってさらに高い所へ登る。 ここまで来れば、庭から砂漠へ出て行ける欄干は目の前である。

    塀の上の雛
    雛の巣立ちを祝うように、丁度庭はキョウチクトウの仲間 "Oleander" の花が満開。 雛はやっとたどり着いた高い塀の上で、落ちないよう両足を踏ん張ってバランスをとりながら一息ついてる。

    Cardinal 雄親と雛 2
    ここまで来れば庭から砂漠への出口はすぐ横。 雄親は「チ、チ、チ、・・・」と地鳴きをしながら最後の誘導をする。 まるで「頑張れ!」と雛にはっぱをかけているようである。

    Cardinal 雌親と雛
    最後に雌親の誘導に従って、塀からずり落ちそうになりながらも、よたよたと左の欄干の間から砂漠へ出て行った。 まだ砂漠が暑くならない早朝から始まった巣立ちのドラマも、2時間かかって無事終ったのでほっとした。 立派な若鳥になって、庭のバードバス(水場)に戻って来てくれることを祈りながら、砂漠の潅木に消えて行く雛を見送った。

    カーディナル − 雛の巣立ち (前編)

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       Cardinal ♂
      ショウジョウコウカンチョウ (Northern Cardinal) ♂

      全米どこでも見られ、色々なロゴマークにも使われている人気もので「カーディナル」の愛称で呼ばれている。 冬はフィーダーに来てエサを食べ、夏はバードバスで水を飲んだり、水浴びをするごく身近な鳥の一つである。 今回はこの鳥の雛の巣立ちのドラマである。

      Cardinal ♀
      ショウジョウコウカンチョウ (Cardinalis cardinalis ) ♀

      カーディナルの雌は雄ほど派手な色ではないが、可愛い顔をしている。写真の雄・雌はここ3年ほど毎日庭に現れる仲の良いカップルである。

      巣のある木
      カーディナルの巣が作られた窓辺の小潅木

      このカップルは昨年、食堂の窓辺に植えられてるムクロジの一種 (Hopbush ) に巣を作り雛を育てていたが、 強風を伴った激しい雷雨で雛もろとも巣が吹き飛ばされてしまった。しかし、それにも懲りずに今年も昨年と同じこの木に巣を作り始めたのを4月8日に確認。

      巣上のカーディナル♂♀
      食堂の網戸越しに見られる巣とカーディナルの雄・雌

      一週間後の4月15日、巣に座っている雌をいたわるように上から見守る雄のほほえましい姿を見ることが出来た。

      カーディナル卵
      カーディナルの卵

      4月19日巣に卵が2個あるのを確認。 翌々日、もう一個が産まれ合計3個となる。カーディナル(体長22センチでムクドリより少し小さい)の体から推測しても卵が大変大きいのには驚く。

      カーディナル雛 1
      卵から孵ったばかりの雛3羽

      4月30日、3羽の雛が無事孵っているのを確認。まだ目も開いておらず、羽もはえてない丸裸の雛は体を寄せ合ってこんこんと寝ていた。

      カーディナル雛 2
      見る見るうちに大きくなった雛3羽

      一週間後の5月6日、3羽の雛は大変元気で順調に育ち、翼の羽がはえて体も大きくなり、小さな巣で窮屈そうである。

      巣立ちした雛
      巣から離れた雛1羽

      5月10日、雛3羽のうち一番大きい雛(たぶん最初に孵った雛と思われる)が窮屈になった巣から出て枝に移り、親がエサを運んでくるのをじっと静かに待っている姿が見られた。

      天井裏に入り込んだ可愛い生きもの

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         Ringtail 1
        カコミスル (Ringtail)

        ソノラ砂漠の我家のまわりには色々な夜行性の動物が住んでおり、夜ともなると庭や玄関の前を徘徊する。   先週、友人としこたま飲んで夜中過ぎに帰宅、ベッドに入り眠りについたとたん「ギャーギャーギャー」というものすごい動物の叫び声に飛び起きる。 スポットライトとカメラを持って声がする玄関の扉を恐々と開けると、2匹のコヨーテ(オオカミの一種Coyote)に追い詰められ、屋根の梁にしがみついて鳴き叫ぶカコミスル(Ringtail ) を見つける。


        Ringtail 2
        カコミスル (Bassariscus astutus )

        愛称を「リングテイル・キャット(Ringtail Cat )」と呼ばれるが、ネコではなくアライグマ(Raccoon) の仲間である。 体長は40センチとネコより少し小さいぐらいであるが、何しろ体より長い鮮やかな白黒の縞模様のブラシのような尾、そして黒くて大きい瞳が実に愛らしい。足の関節が柔軟で180度以上回転させることが出来るので、   垂直の家の壁も素早く簡単に登れる能力を持っている。

        Cactus Mouse
        カコミスルが大好きな砂漠のネズミ Cactus Mouse (Peromyscus eremics)

        リングテイルのネズミを捕る腕前はネコよりも優れており、しかも人に馴れやすいので昔は鉱山でのネズミ駆除のため飼育され、"Miner's Cat "(鉱夫ネコ)という俗称で呼ばれていた。

        Ringtail captured 2
        大型動物用捕獲罠に収まったリングテイル

        南アリゾナの砂漠で生活をしていく上で、常に夜行性の動物や毒蛇、毒グモ、サソリなどに注意を払わなくてはならない。そのため Pest Controller (害獣、害虫を駆除する専門業者)と契約を結び、定期的に庭や天井裏、ガレージなどを見てもらい、家のまわりに殺虫剤を散布してもらう。 夜中のリングテイル騒動の後、数日してどうも屋根裏でゴソゴソ動物の歩く音がするので急きょペストコントローラーに来てもらい大きな罠を天井に仕掛けたところ、何と前の週にご対面したリングテイルが御用となった。

        Ringtail captured

        リングテイルは1986年にアリゾナの「州獣」に指定され殺すことは法律で禁止されているので、このリングテイルは二度と住宅街に現れないよう何十キロも離れた山に離されることになった。

        Cap - Ringtail

        グランドキャニオン国立公園の土産用帽子の刺繍にも使われているほどリングテイルは人気者である。しかし、夜行性のため実際にこの動物を見てる人は非常にすくないので、写真を見せ、話をすると皆びっくりする。





        庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たち シリーズ(後編)

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           Magnificent Hummingbird
          アオノドハチドリ(Magnificent Hummingbird / Eugenes fulgens)

          紫色の頭と緑の喉が美しいアオノドハチドリは冬を中南米で過ごし、夏になると南アリゾナのほんの一部の標高の高い針葉樹林で営巣する。 そのため、春と秋の渡りの時期だけ何日間か庭のフィーダーに現れる。

          Violet crowned Humm.
          スミレハチドリ(Violet-crowned Hummingbird / Amazilia violiceps)

          頭のすみれ色と胸、腹の白のコントラストが美しいスミレハチドリは、北米では南アリゾナのメキシコ国境沿いでしか見られない珍しいハチドリである。 ここ2年ほど毎年春になると一日か二日庭のフィーダーに現れる。

          Annas Hummingbird
          アンナハチドリ(Anna's Hummingbird / Calypte anna) 早朝の雷雨で汚れた窓ガラス越しに撮影

          頭と喉が美しいピンク色に輝くアンナハチドリは、昔、太平洋沿岸のカリフォルニアやワシントンにしか生息していなかった。 近年、南アリゾナでもその数が増え、我家の庭木で毎年巣を作って子育てをしている。

          Broad billed Humm.
          アカハシハチドリ(Broad-billed Hummingbird/Cynanthus latirostris)

          フィーダーに集まるハチドリの中でも数が多いアカハシハチドリはソノラ砂漠ではごく普通に見られるが、南アリゾナの砂漠にのみ生息するハチドリで、我家のフィーダーに一年中来る。 体全体が派手な色をしているのでフィーダーでもよく目立つ。

          Costas Hummingbird
          コスタハチドリ(Costa's Hummingbird / Calypte costae) 幼鳥

          コスタハチドリはソノラ砂漠で特に数が多く、”砂漠のハチドリ”と言われ、フィーダーに来る数も大変多い。リビングの窓と書斎の窓にフィーダーを付けてあるので、一日中ひっきりなしに窓辺に来るコスタハチドリはごくごく身近な鳥である。

          Great Horned Owl
          アメリカワシミミズク(Great Horned Owl / Buvo virginianus)

          初夏の暖かい風が吹くと、毎夜7時ごろ庭先の高い木で鳴き始める。全米どこでもごく普通に見られるポピュラーな大型のフクロウで、体長56センチとハシブトガラスと同じ大きさである。 夜ともなると、庭にはフィーダーのおこぼれを食べに”サバクネズミ”が出て来るので、これを目当てに現われるようである。ワシミミズクの子育てが終る頃には南米からサボテンフクロウ(Elf Owl), ヒゲコノハズク(Whiskered Screech-Owl) が戻ってきて、毎夜鳴き声を聞かせてくれる。 そして、我家のフィーダーも全て取り払われ、冬まで庭で鳥を見たり撮影したりするのもしばらくおわずけである。

          庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たち シリーズ(中編)

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             Western Tanager 2889
            ニシフウキンチョウ(Western Tanager)

            庭のフィーダーにはめったに現れないニシフウキンチョウは西側の標高の高い山岳地帯の針葉樹林で営巣し、冬は中南米で過ごす渡り鳥である。

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            ニシフウキンチョウ (Piranga ludoviciana)

            ニシフウキンチョウは春の渡りの時期だけ庭の水場に寄って行くので、年にせいぜい1度か2度ぐらいしか見られない、バックヤードでは珍しい鳥である。

            Black Phoebe 4201
            クロツキヒメハエトリ (Black Phoebe / Sayornis nigricans)

            フィーダーの餌を取りに来る鳥ではないが、ここ2年ほど初夏になると2日か3日ほど庭に現れ、プールの上を飛びまわるトンボやガなどの虫をフライングキャッチしては同じ岩に戻る可愛らしい姿を見せてくれる。

            House Finch 0710
            メキシコマシコ (House Finch) バードバスの水を美味そうに飲む。

            全米どこでもごく普通に見られる鳥で、庭に来る鳥の中でも一番数が多い。 砂漠が暑くなる夏になると涼しさを求めて渓谷深い森林へ移動するので、家のまわりではまったくその姿が見られなくなる。

            House Finch 0715
            メキシコマシコ (Carpodacus mexicanus) 水を飲んだ後、気持ちよさそうに水浴びする。

            学名からとられたと思う和名は「メキシコマシコ」。しかし、この小さな美しい鳥はメキシコとはまったく関係がなく、昔は「ムネアカヒワ(Linnet) 」と呼ばれていた。 1940年代にヨーロッパから籠の鳥としてニューヨーク・ロングアイランドに持ち込まれた鳥で、またたく間に全米にその数が広まり、今では同じくヨーロッパから輸入された「イエスズメ(House sparrow) 」の数より多い。

            Yellow-rumped Warbler 7199
            キヅタアメリカムシクイ (Yellow-rumped WarblerのAudubon種 / Dendroica coronata) 玄関のマットの上で虫捕りをする。

            フィーダーにはほとんど来ないが、春・秋の渡りの時期には毎年庭に現れ、高い木の枝や庭のまわり、屋根などで盛んに虫を捕っている。

            White-winged Dove 8084
            ハジロバト (White-winged Dove / Zenaida asiatica) 翼の淵が白いのが特徴。

            庭に来るハトは冬の間はナゲキバト(Mourning Dove) だけであるが、春も終わり暑い夏のモンスーンが近づいてくると、中米からハジロバトが帰って来る。大サボテン(Saguaro) の花の蜜を吸っている姿はよくソノラ砂漠を紹介する絵葉書やガイドブックに出ている。

            庭のフィーダーに集まる初夏の鳥たちシリーズ (前編)

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               Greater Roadrunner 1
              塀の柵の間を通って庭に入って来るオオミチシバリ(Greater Roadrunner )

              ソノラ砂漠は春が短いので4月に入るとすぐ初夏となってしまう。 砂漠で冬を過ごした鳥たちは北へ向って渡り始め、いつのまにか庭に姿を現わさなくなってしまい、かわりに夏鳥たちが中南米から帰って来る。我家の庭には年間40種類以上の鳥たちが訪れる。 庭に来てくれる身近な”生きもの”とのふれあいを通して、彼らと共に暮らす生活はうるおいがあって実に心がやすまる。

              Greater Roadrunner 2
              塀沿いを歩きながら好物のトカゲを探すオオミチバシリ (Geococcyx californianus )

              愛称ロードランナーと呼ばれているオオミチバシリは渡りをしない留鳥なので、年間を通して我家の周りにいるが、庭のフィーダーのえさ場にはほとんど来ない。しかし、春になると家のまわりでハトに似た低い「クークークー・・・」という彼らのさえずりが聞こえて来る。そして夏の子育ての時期には水を飲みに庭にほぼ毎日のように現れる。

              Lark Sparrow 1
              ヒバリヒメドリ (Lark Sparrow )

              庭に初めて現れたヒメドリで、北への渡りの途中、水を求めて立ち寄ったようである。 砂漠では水は生きものにとって大変貴重で、流れる水音を聞きつけて色々な鳥たちがやって来る。

              Lark Sparrow 2
              プールに流れえる水をうまそうに飲む ヒバリヒメドリ (Chondestes grammacus )

              アメリカは庭にフィーダーを掛け、水場を作って鳥見を楽しんでいるバーダーが大変多く、「如何にたくさんの鳥を庭に呼べるか・・・」を専門に特集する雑誌も数多く売られている。この手のバーダーを”バックヤードバーダー”とか”アームチェアーバーダー”と呼んでいる。 彼らは鳥見の旅に出かけることもなく、もっぱら自宅の庭に来る鳥を楽しんでいる。

              Hooded Oriole 1
              ハチドリ用の砂糖水を失敬する ムナグロムクドリモドキ (Hooded Oriole )

              中南米で冬を過ごしたたくさんの夏鳥たちが春から夏にかけてソノラ砂漠に戻って来る。 中でもひときわ派手なムナグロムクドリモドキが現れると、庭も一段と華やかになる。

              Hooded Oriole 2
              ムクドリモドキ専用のフィーダーを掛けてやると、喜んで砂糖水をなめに3羽から5羽も庭にやって来る。
              ムナグロムクドリモドキは先の尖った嘴で花のベースを突き刺して花蜜を取るほど甘党である。

              Hooded Oriole ♂♀水浴び
              珍しくムナグロムクドリモドキの雄と雌が同時に小さなバードバスに入る。

              バードバスの水に足を入れ、これから水浴びをしようとしているところだが、どちらが先か・・・どうやら言い争っているようである。

              Hooded Oriole ♀水浴び
              言い争いは雌が勝利、得意げにゆっくりと自分だけで水を浴びる。

              ムナグロムクドリモドキはもともと水辺に生息していた鳥で、近年になって庭のフィーダーにも現れるようになった。そのため水浴びが大好きで、特に雌は一日に2回から3回はバードバスに現れる。

              鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏シリーズ(3)

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                 Ocotillo & Puschridge Mt.
                新緑のOcotillo(オカティーヨ)とプッシュリッジ山

                初夏に入ると陽射しは日増しに強くなり、殺風景だったソノラ砂漠も緑の葉や色とりどりの花が咲き始め、明るく華やかになってくる。

                Ocotillo & Saguaro
                Saguaro(サワーロ)サボテン林に咲く赤い”オカティーヨ”の花はソノラ砂漠の初夏の象徴である。 ソノラ砂漠からメキシコにかけて多い”オカティーヨ”は棘が多いがサボテンではなく、多脂性の低木でハナシノブの仲間である。

                Ocotillo Flower
                初夏のぬけるような青空に映える”オカティーヨ”の赤い花”オカティーヨ”の花蜜は春の渡りをするハチドリ(Hummingbird)の重要な栄養源となる。

                Parry Penstemon Flower
                オオバコの仲間 Parry penstemon

                こんなさりげない野花でも季節の変化を見事に教えてくれる。初夏の砂漠のトレールは歩く足元の草花が花を咲かせ、小さな虫たちが飛びまわり始め、ソングバード(Songbird) が新緑の梢でさえずり始める。

                Black taled Gnatcatcher 1
                オグロブユムシクイ (Black-tailed Gnatcatcher ) ♂

                初夏に入ると、色々な鳥たちが巣材集めや巣作りを始める。オグロブユムシクイはメキシコと国境を接する南の砂漠地帯に生息する留鳥で、3月には早くも雄・雌で仲良く巣材を運ぶ姿が見られる。

                Black tailed Gnatcatcher 2
                オグロブユムシクイ (Polioptila melanura) ♂

                オグロブユムシクイは雄・雌で巣作りをし雛を育てる仲の良い鳥である。雌が巣材の鳥の羽を持ってきて巣底に敷き、雄が色々と体の角度を変えながら座り心地をチェックしている。

                Black tailed Gnatcatcher 3
                青空に向かってさえずるオグロブユムシクイ。こんな小さな仕草でも初夏を感じる。

                オグロブユムシクイは体長10センチとメジロより小さい。さえずりは単調で、忙しくただ”ジェージェージェー”をくり返すだけである。

                Black tailed Gnatcatcher 4
                オグロブユムシクイの雌は雄のさえずりを横でじっと聞きほれているようである。

                Curve billed Thrasher
                マルハシツグミモドキ (Curve-billed Thrasher / Toxostoma Curvirostre)

                早くも3月に生まれたマルハシツグミモドキの雛はすっかり親と同じ大きさになり巣の周りを歩き始めた。それにしても、チョーヤサボテンの大きな棘に囲まれた巣は外敵から雛を守るには最適であるようだ。

                鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏シリーズ(2)

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                   Pyrrhuloxia 1
                  ムネアカコウカンチョウ (Pyrrhuloxia ) ♂

                  ラテン語そのままの英名は「ピルロキシア」と呼ぶ。 巨大な Saguaro(サワーロ)サボテンの天辺で高らかにさえずるムネアカコウカンチョウはオオムのような嘴で、大変愛嬌のある顔をしている。

                  Pyrrhuloxia 2
                  ムネアカコウカンチョウ (Cardinalis sinuatus )

                  赤い花が咲き始めた「Ocotillo](オカティーヨ)の枝先でさえずるムネアカコウカンチョウのクリアーな鋭い口笛のような鳴き声は砂漠によく響く。 初夏!自然の中での鳥のさえずりは大変気持ちをいやしてくれる。

                  Pyrrhuloxia ♀
                  ムネアカコウカンチョウ ♀

                  メスは地味な色で目立たない。オカティーヨの花蜜を食する姿も初夏ならではの光景である。

                  Rufous-winged Sparrow
                  フタスジスズメモドキ (Rufous-winged Sparrow - Aimophila carpalis )

                  南アリゾナの一部と北メキシコの一部でしか生息してない固有種で、バーダーたちがぜひ見たいと思う人気種である。 初夏のソノラ砂漠ではあちらこちらでさえずりが聞け、営巣する姿も見られる。

                  Black-throated Sparrow
                  ノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow - Amphispiza bilineata )

                  白黒のパターンが美しいので広い砂漠の中でもよく目立つ。トリルをともなったハイピッチの澄んだ鳴き声はまさに初夏のサウンドである。

                  Greater Roadrunner
                  オオミチバシリ (Greater Roadrunner - Geococcyx californianus )

                  愛称「ロードランナー」はほとんどグラウンドを歩いたり走ったりする姿しか見かけないが、初夏になると、潅木の高い枝に登り、低くさえない声で「クークークー・・・・」と鳴く。 この声を聞くと、ロードランナーはカッコウの仲間であることがよーく判る。

                  Gambels Quail 1
                  高い木の天辺でさえずる ズアカカンムリウズラ (Gambel's Quail )

                  この鳥もめったに飛ばず、グラウンドを歩き回る姿しか見れないが、やはり初夏になると、高い木の枝や岩に登ってよく響くのんびりした声で「ポアー」と鳴く。

                  Gambels Quail 2
                  ズアカカンムリウズラ (Callipepla gambelii )

                  我家の庭の欄干のウチワサボテンに向かって「ポアー」とさえずる姿も初夏ならでは・・・である。 この時期のズアカカンムリウズラの雄の行動は実に面白い。 テリトリーを守るため高いソングスポットで「テリトリー宣言」のさえずりをし、また、連れ合いの雌にいつもぴったりくっついて歩き、雌が餌取りをしている間は高い所に上がって連れ合いを守るようにじっと見張りをしている微笑ましい姿も見られる。

                  鳥たちのさえずりに包まれるソノラ砂漠の初夏 シリーズ(1)

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                     Lucys Warbler 1
                    初夏の砂漠の歌い手 ルーシーアメリカムシクイ(Lucy's Warbler)

                    ソノラ砂漠の春は大変短く、4月に入るとすぐ初夏の気候となり、朝晩は10度以下の涼しさでも日中は25度以上となる。 そして、中南米で冬を過ごしたルーシーアメリカムシクイがどの鳥よりも早く、一番最初に歌を聞かせてくれる。

                    Lucys Warbler 2
                    赤い頭の毛を立ててさえずる ルーシーアメリカムシクイ(Vernivora luciae)

                    高くて細い「シェリ、シェリ、シェリ・・・・」というさえずりは、まだ他の鳥が鳴いていない静かな砂漠によーく響く。

                    Lucys Warbler 3
                    枝から枝へ激しく動き回りながら囀るルーシーアメリカムシクイ

                    これと言った特徴のないアメリカムシクイで、主にアリゾナで見られる。 体長11センチとメジロと同じ大きさの北米で一番小さなムシクイで、しかも落ち着きなく枝から枝へ飛び移りながらさえずるので写真を撮るのが難しい。

                    Bells Vireo 1
                    早くも3月下旬にはメキシコから渡って来る ベルモズモドキ(Bell's Vireo)

                    ベルモズモドキは大変小さく、全体にくすんだ灰色なので目立たない。しかも、囀りがさえなくて単調で耳障りな歌である。 「ジュル、ジュル、ジュル・・・・」と終わりなく鳴き続けるので、時には暑苦しい感じがする。

                    Bells Vireo 2
                    地味な色をした ベルモズモドキ(Vireo bellii)

                    大きな潅木の枝先に出て来ることはめったになく、幹近くの枝で葉に隠れるように動きまわりながら囀るので、じっくり見ることが難しい鳥である。

                    Phainopepla ♂
                    レンジャクモドキ(Phainopepla) ♂ 

                    学名ラテン語からとった英名は「ファイノペプラ」と呼ぶ。潅木の高い枝先で鳴くレンジャクモドキは独特なシルエットなので遠くからでも見つけやすい。 口笛のような「ホイ・・・」という鳴き声は砂漠の初夏ののんびりした雰囲気にぴったりである。

                    Phainopepla ♀
                    レンジャクモドキ(phainopepla nitens) ♀

                    オス・メスで鳴き合いながら乱舞して飛ぶ姿はなかなか美しい。 ソノラ砂漠で最初の子育てをした後、真夏の暑いモンスーン季に入ると、涼しい渓谷深くへ移動して2回目の営巣をする。

                    Hooded Oriole
                    ムナグロムクドリモドキ(Hooded Oriole / Icterus cucullatus)

                    明るいオレンジ色と黒のパターンが派手で、遠くにいてもよく目立つ。 この鳥が中南米から戻って来ると、      殺風景だった砂漠も一段と華やかになって、まさに初夏を感じる。

                    突然きた我家のハチドリとの悲しい別れ

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                       コスタと山
                      山に白い雪が被る「大寒」の寒さにじっと耐える コスタハチドリCosta's Hummingbird) の元気な姿。

                      我家の庭のフィーダーには年間11種類のハチドリが来て砂糖水を舐めていく。 その中でもコスタハチドリは
                      一年中庭で見られ、しかも食堂や書斎の窓に付けてあるフィーダーには四六時中来ているので、大変身近な鳥の一つである。 ニックネーム「オンタ」と名づけたこのコスタハチドリの雄は3年間ほど我家のフィーダーに来ておりすっかり私に馴れてしまい、フィーダーの砂糖水を取り替えるため近づいても飛んで行かずにすぐ横の枝でじっと新しい砂糖水がくるのを待っているほどである。

                      グラウンドのコスタ 1
                      3月に入って春の暖かい日が続く先週の朝、グラウンドに下りているコスタハチドリ(オンタ)の異常な姿に驚く。

                      グラウンドにうずくまる「オンタ」は私が近づいても飛ぼうとせず羽を少し開いてじっとしている。横のソーラライトと比べても、コスタハチドリが如何に小さいか(体長9センチ、体重3グラム)がよーく分かる。

                      グラウンドのコスタ 2
                      「オンタ」にさらに近づくと、羽を広げて飛ぼうとするが力弱く飛ぶことが出来ないらしい。これではフィーダーにも上がれないので、きっと朝から砂糖水が取れておらず、衰弱してきているな・・と思い、これは大変なことになった・・・と少々慌てる。

                      手の上のコスタ
                      手を差し伸べると、やっと這い上がってきてじっとしている。

                      何しろハチドリは昼間4時間エサを取れないと死んでしまうらしいので相当衰弱している・・・と思われた。

                      手の上のコスタとフィーダー
                      「オンタ」を手にのせたままフィーダーまで持っていくと、かろうじて弱い力をふりしぼって砂糖水を舐め始めた。 すっかり体力が弱っているのだろう・・・・横に飛んで来た別のコスタハチドリを追い払うことも出来ず、ただひたすら静かに砂糖水を舐めていた。

                      Palm 幹のコスタ
                      砂糖水をゆっくり舐め終えたので「オンタ」がいつも止まっていたやしの木の太い枝に置いてやると、体を寄せてやっと止まっておれるようだ。 目は元気な時の鋭さがなく、半分寝ているようである。

                      箱の中のコスタ
                      「オンタ」は飛ぶことも花やフィーダーへ行き蜜や砂糖水を自力で取ることが出来ないようなので、仕方なくプラスチックの箱に入れてフィーダーを側に置いて家に入れることにした。 ほとんど目を閉じて寝ており、時々思い出したように砂糖水を舐めていた。 その舐める力も大変弱く、舌を出すことも出来ずに嘴のまわりについた砂糖水をかろうじて舐めていた。

                      死んだコスタ
                      「オンタ」は夜中にはまだ背中と尾が時々少し動いていたが、翌朝ついに動かなくなってしまった。 美しい紫色の頭とジョウゼットの羽を膨らませたまま静かに寝ているようであった。 庭の隅に小さな穴を掘り、丁度満開になっていた庭の花を引きつめて埋めてやる。

                      Palm の枝のコスタ
                      「オンタ」の死ぬ2週間前の姿である。ヤシの枝でフィーダーの砂糖水を取り替える私をじっと見ている。

                      これまでたくさんの鳥や動物をフィールドで見てきたが、彼らの死んだ姿を見ることはほとんどない。今回は野生のハチドリが弱っていき、その命尽きていく姿をゆっくり見ることが出来たのは貴重な経験であった。


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