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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

突然きた我家のハチドリとの悲しい別れ

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     コスタと山
    山に白い雪が被る「大寒」の寒さにじっと耐える コスタハチドリCosta's Hummingbird) の元気な姿。

    我家の庭のフィーダーには年間11種類のハチドリが来て砂糖水を舐めていく。 その中でもコスタハチドリは
    一年中庭で見られ、しかも食堂や書斎の窓に付けてあるフィーダーには四六時中来ているので、大変身近な鳥の一つである。 ニックネーム「オンタ」と名づけたこのコスタハチドリの雄は3年間ほど我家のフィーダーに来ておりすっかり私に馴れてしまい、フィーダーの砂糖水を取り替えるため近づいても飛んで行かずにすぐ横の枝でじっと新しい砂糖水がくるのを待っているほどである。

    グラウンドのコスタ 1
    3月に入って春の暖かい日が続く先週の朝、グラウンドに下りているコスタハチドリ(オンタ)の異常な姿に驚く。

    グラウンドにうずくまる「オンタ」は私が近づいても飛ぼうとせず羽を少し開いてじっとしている。横のソーラライトと比べても、コスタハチドリが如何に小さいか(体長9センチ、体重3グラム)がよーく分かる。

    グラウンドのコスタ 2
    「オンタ」にさらに近づくと、羽を広げて飛ぼうとするが力弱く飛ぶことが出来ないらしい。これではフィーダーにも上がれないので、きっと朝から砂糖水が取れておらず、衰弱してきているな・・と思い、これは大変なことになった・・・と少々慌てる。

    手の上のコスタ
    手を差し伸べると、やっと這い上がってきてじっとしている。

    何しろハチドリは昼間4時間エサを取れないと死んでしまうらしいので相当衰弱している・・・と思われた。

    手の上のコスタとフィーダー
    「オンタ」を手にのせたままフィーダーまで持っていくと、かろうじて弱い力をふりしぼって砂糖水を舐め始めた。 すっかり体力が弱っているのだろう・・・・横に飛んで来た別のコスタハチドリを追い払うことも出来ず、ただひたすら静かに砂糖水を舐めていた。

    Palm 幹のコスタ
    砂糖水をゆっくり舐め終えたので「オンタ」がいつも止まっていたやしの木の太い枝に置いてやると、体を寄せてやっと止まっておれるようだ。 目は元気な時の鋭さがなく、半分寝ているようである。

    箱の中のコスタ
    「オンタ」は飛ぶことも花やフィーダーへ行き蜜や砂糖水を自力で取ることが出来ないようなので、仕方なくプラスチックの箱に入れてフィーダーを側に置いて家に入れることにした。 ほとんど目を閉じて寝ており、時々思い出したように砂糖水を舐めていた。 その舐める力も大変弱く、舌を出すことも出来ずに嘴のまわりについた砂糖水をかろうじて舐めていた。

    死んだコスタ
    「オンタ」は夜中にはまだ背中と尾が時々少し動いていたが、翌朝ついに動かなくなってしまった。 美しい紫色の頭とジョウゼットの羽を膨らませたまま静かに寝ているようであった。 庭の隅に小さな穴を掘り、丁度満開になっていた庭の花を引きつめて埋めてやる。

    Palm の枝のコスタ
    「オンタ」の死ぬ2週間前の姿である。ヤシの枝でフィーダーの砂糖水を取り替える私をじっと見ている。

    これまでたくさんの鳥や動物をフィールドで見てきたが、彼らの死んだ姿を見ることはほとんどない。今回は野生のハチドリが弱っていき、その命尽きていく姿をゆっくり見ることが出来たのは貴重な経験であった。

    冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その5)

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       Coopers Hawk ♂ 1
      花のハンギングポールに止まって庭を見下ろす クーパーハイタカ(Cooper's Hawk) ♂

      クーパーハイタカはニューヨークからカリフォルニアまでの全米でごく普通に見られる中形の鷹で、別名「Feeder's Hawk」(フィーダーの鷹)と呼ばれるぐらい、よーく庭のフィーダーに集まる鳥を狙う。アリゾナの砂漠では特にナゲキバトとズアカカンムリウズラが彼の主なターゲットのようだ。

      Coopers Hawk ♂ 2
      庭木の陰に隠れる鳥たちの動きをじっと見つめるクーパーハイタカ

      クーパーハイタカは非常にクールかつトリッキーな鳥で、目立たない庭木の低い枝や塀の隅などに止まってじっと動かずに待ち伏せをする。 フィーダーにハトやウズラが現れるや、庭の狭い空間を低く驚くほどのスピードで曲芸師のようにダッシュして鋭い爪で引っ掛けて獲物を捕る。

      Coopers Hawk ♂ 3
      ついには庭のポーチに下りて、バードバスの周りに隠れる鳥を探し始めたクーパーハイタカ

      クーパーハイタカは朝夕一日に2回オス・メスのカップルで庭に現れるので、フィーダーに来る鳥たちも逃げ隠れに忙しい。 しかし、彼らの目は大変良く、鷹が飛来するのを素早く見つけ。あっという間に四方へ散って行く。 見てる限り庭で犠牲になるハトは年間2羽から3羽程度、ウズラにいたっては見たことがない。クーパーハイタカの獲物捕りもなかなか簡単にはいかないようだ。

      Coopers Hawk ♀
      クーパーハイタカ 幼鳥、一年目のメス

      クーパーハイタカが突然フィーダーに現れると、ハトやウズラは一斉にすごい羽音を立てて飛び上がり砂漠へ散って行く。特にいつもグラウンドをのんびり歩く姿しか見ないカンムリウズラが「こんなに飛べるの・・・?」と思わず言ってしまうほど、力強く、勢いよく、飛び立つ姿にはびっくりさせられる。 また、飛び立てなかったウズラは その場でフリーズ(じっと動かない)してしまい、鷹が飛び去るまで首も足もいっさい動かさず、何分でも置物の ようにじっとしている。 野生の鳥の間にある「食う〜食われる」の関係をこうして庭で間近に見ていると、自然の中で生きる彼らの厳しさが伝わってくる。

      Verdin 1
      ハチドリ用のフィーダーの砂糖水を失敬する アメリカツリスガラ(Verdin)

      アメリカツリスガラは北米南部の砂漠では一年中見られる留鳥であるが、フィーダーには冬の間だけしか姿を見せない。 メジロぐらいの大きさで、非常に身軽、フィーダーで逆さまになったり、ぶら下がったり・・とカラ類のようにアクロバティックな動きをするので見ていても飽きない。

      Verdin 2
      スエットフィーダーのピーナツバターを食べる アメリカツリスガラ

      和名で「ツリスガラ」と呼ばれるように、砂漠のチョーヤサボテンに手の込んだ球形の巣を器用に作る。 巣内の壁は厚く、砂漠の暑い太陽熱や朝晩の冷たい寒気を絶縁出来るようになっている。

      Northern Cardinal ♂
      庭木(Palm Tree)でくつろぐ ショウジョウコウカンチョウ♂(Northern Cardinal-Southwest)

      全米で最もポピュラー、しかも人気がある鳥の一つで、カトリックの枢機卿のマントの色に似ているので「カーディナル」と呼ばれている。 7つの州の「州鳥」であり、野球メジャーリーグのセントルイスやフットボールのアリゾナのロゴマークにもなっている。

      Northern Cardinal ♀
      餌箱からヒマワリの種を取り出す ショウジョウコウカンチョウの♀

      アリゾナで見られる「カーディナル」はSouth West 型で、冠羽が大きく立派なので東側で見られるのより体が大きく見える。 昨年、庭木で巣を作り子育てをしていたところ、春の突然の突風と雷を伴った嵐に遭遇し、ヒナが巣もろとも飛ばされて下へ落ちてしまった悲しい出来事があった。

      冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その4)

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         Phainopepla 1
        レンジャクモドキ(Phainopepla) ♂

        レンジャクモドキは黒っぽい鳥であるが、光を浴びると水色がかった色となって大変美しい。
        ヤドリギやベリーの実を求めて移動する放浪性の高い鳥なので、フィーダーの餌には興味を示さないが、冬の間、バードバスの水を飲みにたまに姿を見せることがある。

        Phainopepla 2
        バードバスで水を飲む レンジャクモドキ

        レンジャクモドキは冬から春にかけて砂漠で過ごし子育てもする。そして暑い夏になると標高の高い湿気のある涼しい渓谷深く移動して、2回目の子育てをする面白い習性を持っている。

        Rock Wren 1
        塀の上で腰を振りながら”ピリリ・・ピリリ・・・”と鳴く イワサザイ(Rock Wren)

        冬の間は家の周りで虫捕りをすることが多いが、ピーナツは特に好きなようで、ちょくちょくフィーダーにも寄って行く。初夏になるといつの間にか家の周りから居なくなり、涼しい渓谷深く移動してしまう。

        Rock Wren 2
        庭のソーラライトの上に止まって日に当たるイワサザイ

        イワサザイは家の壁の隙間や花のポットの下、マットの上、屋根や煙突の隙間などから虫を見つけ出しては食べている。 砂漠の冬も鳥が生活していく上ではやはり厳しい季節である。比較的暖かい家の周りに集まる虫は彼らの生活を支える重要な食物資源となる。

        Lesser Goldfinch 1
        アザミの種が入ったフィーダーが特にお気に入りの ヒメキンヒワ(Lesser Goldfinch)

        ヒメキンヒワは全米でごく普通に見られる同じ仲間のオウゴンヒワ(American Goldfinch)よりずっと小さく、日本のメジロと同じ大きさで、北アメリカ西側の暖かい南部で普通に見られる。

        Lesser Goldfinch 2
        気持ち良さそうに水浴びをする ヒメキンヒワ

        ヒメキンヒワは水浴びが大好きで、一日に何回も水場に来る。流れている水でも怖がらず、こうして長い時間  浸かっていることがある。

        冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち (その3)

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           Aberts Towhee 1
          メグロトウヒチョウ(Abert's Towhee) 南アリゾナの砂漠だけに生息する固有種

          目立たない地味な鳥で、主にグラウンドを歩きながら餌取りをするので、このように高い塀の欄干に足をかける姿はフィールドでは考えられない大変珍しい姿である。

          Aberts Towhee 2
          フィールドでは明るい所にめったに出て来ない メグロトウヒチョウ

          この鳥は大変臆病で、人の気配がするとすぐ岩陰や低い潅木の中に隠れてしまうのでフィールドで見るのが難しい。 庭では餌につられて写真も比較的楽に撮らしてくれるが、少しでも室内のブラインドが動いたり小さな物音がするとすぐ飛んでしまう。

          Green-tailed towhee
          ミドリトウヒチョウ(Green-tailed Towhee) めったにフィーダーには来ないので、庭で見れたのは大変ラッキー。

          ミドリトウヒチョウは標高の高い森林で営巣をするので、砂漠で見られるのは冬の間だけである。 しかも岩場の急斜面や低潅木の密集しているグラウンドで餌取りをするので、フィールドでは見るのがなかなか難しい。 両足をそろえて飛び上がり、グラウンドを引っ掻くようにして餌取りする姿は滑稽で、こんな行動を見れるのも庭ならではである。

          Gambels Quail 1
          親子並んで仲良く水を飲む ズアカカンムリウズラ(Gambel's Quail)

          ズアカカンムリウズラはソノラ砂漠でごく普通に見られる鳥で、初夏には10羽近くの雛を連れて庭で虫捕りをする姿も見られる。(7/20/2012の記事) 冬になると大きな群を作ってフィーダーに現れ、「丸呑みスタイル」であっという間に餌を食べつくしてしまう。

          Gambels Quail 2
          臆病もののズアカカンムリウズラも庭では大きな顔をして餌取りをする。

          庭には3ヶ所にフィーダーが掛けてあるが、カンムリウズラやミヤマシトドなどはグラウンドを歩きながら餌取りをするので、朝夕に限り、少量だけ彼らが食べやすいようにポーチに蒔いておく。 夜には「サバクネズミ」や「カンガルーネズミ」が出て来てこれらの餌の残りをきれいに平らげていく。

          Pyrrhuloxia ♂
          塀の欄干でくつろぐ ムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia ♂)

          ムネアカコウカンチョウは北アメリカ南部のメキシコ国境沿いの砂漠でしか見られない貴重種。 全米どこでも見られる最もポピュラーな「ショウジョウコウカンチョウ」によく似ているので「砂漠のカーディナル」とも呼ばれる。

          pyrrhuloxia ♀
          全身が灰色で地味なムネアカコウカンチョウのメス

          読みづらいラテン語からきた英名は「ピルロキシア」と呼ぶ。 オウムのような嘴をしているのでフィーダーのピーナツを食べるのに苦労する。 庭に来る鳥たちは皆クールで、人間の行動をよく観察している。 朝起きがけにフィーダーに餌を入れた後、ポーチでコーヒーを飲んでいても、安全と分かれば彼らはすぐバラバラと飛んで来て餌を食べ始める。

          ソノラ砂漠に春が来た。

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             Mexican Gold Poppy 1
            Saguaroサボテンの斜面に咲き始めたハナビシソウの一種 Mexican Gold Poppy

            ソノラ砂漠は2月下旬に大雪が降り、幻想的な冬景色を楽しんだが、3月に入るや、一転して日中の気温が20度を越す日が続き、すっかり春らしくなってきた。

            Mexican Gold Poppy 2
            ソノラ砂漠に春を告げる Mexican Gold Poppy

            アリゾナの人々はこの花を見ると「春がきた・・・・」と感じ、たくさんの人々がハイキングや花見歩きを始める。   まさに春一番の花である。

            Red maids
            Red maids

            この時期、砂漠のトレール歩きをしていると、まだ数は少ないが小さな野花が咲き始め、「ブンブンブン・・・」という蜂の羽音が耳に入ってきて、心地良い春を感じる。

            Fiddle neck
            緑の野草の間で埋もれるように咲く地味で小さな Fiddle neck

            Golden Eagle
            春風に乗って頭上を低くオス・メス2羽でランデブー飛行をするイヌワシ(Golden Eagle) 春一番の
            「砂漠便り」にぴったりのシャッターチャンスであった。

            Cactus Wren
            たぶんアメリカチョウゲンボウ(American Kestrel)が小鳥を捕え、この Saguaroサボテンの枝の上でむしったと思われる羽毛を巣材用に懸命に集めているサボテンミソサザイ(Cactus Wren)
            もう鳥たちの巣作りが始まっている砂漠の早い春の光景である。

            ソノラ砂漠に大雪が降る

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               吹雪のSaguaro
              吹雪の中のサワーロ(Saguaro)サボテンは幻想的で何とも言えないモノトーンの不思議な美しさである。

              立春が過ぎ、暦の上では春。しかし、南アリゾナでは珍しく雪が降り積もった。
              アリゾナはグランドキャニオンがある北は冬に雪が降るが、南の砂漠では積もるほどの雪が降る光景はほとんど見られない。

              吹雪のPyrrhuloxia
              ソノラ砂漠を象徴するムネアカコウカンチョウ(Pyrrhuloxia)や砂漠の鳥たちは予期せぬ吹雪のなかで戸惑っているのか・・・動かず静かにじっとしている。

              吹雪のWhite-crowned Sparrow
              しんしんと雪が降り続き、渡り直前のミヤマシトド(White-crowned Sparrow)も寒そうである。

              雪とBarrel Cactus
              タマサボテンの一種 Barrel Cactus もすっぽり雪を被って、とても砂漠とは思えない。

              Pusch Ridge Mt. Trail
              我家の裏のプッシュリッジ山トレールも見る見るうちに銀世界となった。

              Black-chinned Sparrow
              雪を被った枝先で寒そうにボーとしているアゴグロヒメドリ(Black-chinned Sparrow)

              Black-throated Sparrow
              雪が積もったグラウンドで餌取りするノドグロヒメドリ(Black  throated Sparrow)の珍しい姿。

              Lincolns Sparrow
              北への渡りを始めたヒメウタスズメ(Lincoln's Sparrow)も思わぬ雪にびっくりしているようである。

              Cactus Wren
              降り積もった雪は翌日の昼にはすっかり消えてしまった。 サワーロサボテンの天辺に残った雪の上で高らかに囀るサボテンミソサザイ(Cactus Wren) 。 まもなくやって来る春を告げているようである。

              冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち その2

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                 White-crowned Sparrow 1
                派手な頭の白黒パターンが美しい ミヤマシトド(White-crowned Sparrow)

                ミヤマシトドは日本では珍鳥であるが、冬の砂漠ではフィーダーに来る鳥のなかでも大変数が多く、10羽以上の群で一日中好きなピーナツを食べたり、水を飲んだりする。 特に寒い夜には、庭木で寝ているらしく、夜中に「チッチッ・・・」と鳴き声が聞こえてくる。

                White-crowned Sparrow 2
                丸いピーナツをくわえては転がし、細かく割りながら食べる ミヤマシトド

                ミヤマシトドは冬は暖かい砂漠で過ごし、初夏になると北カナダの西部やアラスカへ渡って行く。 庭のフィーダーで少しでも多くの栄養を蓄え、エネルギー源である脂肪をつけて、無事長い旅をしてほしいと思いながら 毎日餌を出す。 賑やかだった彼らが春先にいつの間にか居なくなると、庭も実に寂しくなる。

                Lincolns Sparrow 1
                庭木の間から静かにひっそりと姿を現わす ヒメウタスズメ(Lincoln's Sparrow)

                ヒメウタスズメは水辺が好きな鳥なので庭のフィーダーにはめったに現れない。 しかも非常に数が少なく群れないので目立たず、その姿を庭で見れるチャンスも多くない。

                Lincolns Sparrow 2
                スエットフィーダーから落ちてくるピーナツバターのおこぼれを拾う ヒメウタスズメ

                ヒメウタスズメも北カナダやアラスカの山岳地帯で夏を過ごすので、アリゾナ砂漠では短い冬の間だけしか見られない。 彼らはグラウンドを歩きながら餌取りをするので、フィーダーに直接上がることが出来ず、もっぱらフィーダーの下に落ちる餌をついばんでる。

                Rufous-winged Sparrow
                フタスジスズメモドキ(Rufous-winged Sparrow) 家の周りの砂漠で一年中過ごす留鳥であるが、フィーダーにはめったに現れない。

                フタスジスズメモドキは南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないメキシコ種で、バーダーたちがアリゾナでぜひ見たいと思う鳥である。 真冬の朝方、気温が零下にまで下がる日が続くと、フィーダーに現れることが   ある。

                Curve-billed Thrasher
                マルハシツグミモドキ(Curve-billed Thrasher) 大きな体のくせに小さなフィーダーの中に入り込んで好きなピーナツを食べる。

                この鳥も渡りをしないので一年中砂漠で見られる留鳥である。 フィーダーでじっくりピーナツやヒマワリの種を 食べた後、バードバスに寄ってゆっくりと美味そうに水を飲んで行くのが彼の行動パターン。

                冬・庭のフィーダーに集まる砂漠の鳥たち その(1)

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                   Coopers Hawk & Pushridge 山
                  塀に止まるクーパーハイタカ(Cooper's Hawk)とプッシュリッジ山

                  我家はアリゾナ第2の町「ツーソン」の北20キロにあり、プッシュリッジ山の麓で「カタリナ州立公園」に隣接しているので、四季(砂漠にも四季があるのには驚いたが・・)折々に色々な鳥や生きものたちが庭のフィーダーや
                  水場にやって来る。

                  Cactus Wren & House Finch
                  サボテンミソサザイ(Cactus Wren)とメキシコマシコ(House Finch)
                  スエット(ピーナツバター)のフィーダーは大変人気があり、いろいろな鳥が取り合いをする。

                  サボテンミソサザイはアリゾナの「州の鳥」で、まさにソノラ砂漠を代表する鳥である。 体長が22センチと日本のスズメより大きく、北米で一番大きいミソサザイ。 冬は砂漠も食べ物が少なくなり、しかも朝晩はかなり寒くなるので鳥たちはどうしてもフィーダーを頼りにする。

                  Cactus Wren singing
                  水浴びをした後、庭木で囀るサボテンミソサザイ

                  サボテンミソサザイは姿や大きさだけでなく、鳴き声もとてもミソサザイとは思えない。 「囀り」は悪声で、低く
                  単調な「ギョギョギョ・・・」を繰り返すだけである。 しかも、この奇妙で耳障りな鳴き声はよく砂漠に響き渡る。

                  Gila Woodpecker 餌箱
                  フィーダーに頭を入れ大好物のヒマワリの種を取るサバクシマセゲラ(Gila Woodpecker)

                  南アリゾナのソノラ砂漠のみに生息するキツツキで、フィーダーに来る時はかならず”キーキーキー・・・”と甲高い声で煩く鳴くので直ぐ分かる。

                  Gila Woodpecker ハムフィーダー
                  ハチドリのフィーダーから砂糖水を失敬する甘党のサバクシマセゲラ

                  サバクシマセゲラはなかなか頭が良くクールである。ハチドリのフィーダーに止まり、揺すりながら出てくる砂糖水を器用に舐める。 彼らはサーカスのアクロバットのように実に身軽にどこでも逆さまにぶら下がったりする。

                  Gila Woodpecker スエットフィーダー
                  スエットのフィーダーからピーナツを取り出すサバクシマセゲラ

                  サバクシマセゲラは貪欲で何でも食べる。フィーダーの中のヒマワリの種やピーナツをじっくり時間をかけて食べた後、ハチドリ用の砂糖水を舐め、最後にスエットのピーナツバターをしっかり食べ、水を飲んで砂漠へ帰って行く。

                  Gila Woodpecker 煙突
                  屋根上の煙突でドラミングするサバクシマセゲラ(♀)

                  サバクシマセゲラは大変いたづら好きで、家の壁や柱にへばりついて窓から室内を覗いたりする愛嬌ものである。また、特に朝早くやっと夜が明ける頃、屋根上の煙突でドラミング(ドラムを打つように嘴で激しく叩く)をすることがあり、その大きな音に目が覚めて起こされるのにはいささか参る。

                  1月の「寒」入り、南アリゾナの記録的な寒さに震えるハチドリ

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                     プッシュリッジ山と雪
                    庭から眺めるプッシュリッジ山も薄っすらと雪化粧の「寒」入り。

                    クリスマスぐらいまで、庭にはブーゲンビリアやハイビスカスの花が咲いていたソノラ砂漠も、1月中旬「寒」に入るや南アリゾナは記録的な寒波に見舞われた。 例年この時期は日中の平均気温が20度ぐらいで暖かいが、今冬の「寒」入りからの5日間の気温は早朝、零下5度から8度、日中でもプラス4度から6度ぐらいしか上がらず、しかもミゾレや小雪が散らつく日もあって、砂漠ではまれな厳しい寒さが続いた。

                    Broad-billed Humm
                        からだ全体をぷっくり膨らませ、早朝の冷たい寒風に耐えるアカハシハチドリ(Broad-billed
                        Hummingbird) ♂

                    ハチドリ(ハミングバード)はもともと冬に中南米で過ごす渡り鳥であるが、近年、温暖化と庭にフィーダーを掛ける家が多くなり、冬でも南アリゾナに残って過ごす「無精もの」が増えてきた。
                    冬は花の蜜がほとんど取れないので、彼らにとってフィーダーの砂糖水は生命を左右する貴重な飲み物である。

                    私とBroad-billed Humm.
                    凍らないように室温で温めたフィーダーを持って庭へ出たとたん、待ちきれんばかりにアカハシハチドリ
                    が砂糖水を舐め始めた。

                    零下の日が何日間も続くと、ハチドリのフィーダーを面倒見るのが大仕事となって来る。 フィーダーを庭に掛けっぱなしにしておくと、朝方には完全に砂糖水が凍ってしまう。 そのため夜にはフィーダーを家に入れ、翌朝まだ真っ暗な夜明け前に庭に出してやらなければならない。 彼らは夜になるとエネルギーの消耗を防ぐため新陳代謝を低くしている。 そのためまだ薄暗いうちの寝起きに体を暖めるため蜜を必要とする。

                    私とCosts Humm 2羽
                    コスタハチドリ(Costa's Hummingbird) ♂ ♀ 手に持ったままのフィーダーに次から次へとハチドリ
                    たちがやって来る。

                    砂漠の気温は東の空が白んでくる頃の1時間が最も低く、せっかく早朝に室温で温めて出した砂糖水もシャーペト状になり凍り始める。 そのため再びフィーダーを少し温めなおして、太陽が山の端から顔を出し始めると又それを出してやらねばならず、凍りつくような早朝の作業(4つのフィーダー)は寒さで身体が冷え込み大変疲れる。

                    私とCostas Humm.♀
                    コスタハチドリ(♀)はフィーダーを持っている私をまったく気にせずに、無我夢中で砂糖水を舐める。 そして体が暖まって少し落ち着くと、やおら私の顔をじっと見上げる。 どうやら身の安全を確認しているようであるが・・・・・?。 たった9センチの小さな体で、この寒さのなか頑張って生きている姿をこうして見ていると、厳しい自然のなかで生きる彼らの生命力に頭が下がり、フィーダーを出す者としての責任の重さをつくづく感じる。

                    私とVerdin
                    突然ハチドリを押しのけるようにアメリカツリスガラ(Verdin)が現れ、砂糖水を舐め始めたのには驚いた。 警戒心の強いこの鳥がこれだけ人間に近づく姿を初めて見る。 冬の寒い朝、とにかく早く砂糖水を舐めて体を暖めたいのはハチドリだけではないようだ。

                    フィーダーの3羽のHumm.
                    ハチドリは縄張りを守る習性が強いので、時々空中で絡み合って下へ落ちて来るぐらいの激しい戦いをすることがある。 一つのフィーダーにこうしてコスタハチドリとアンナハチドリ3羽が並んで仲良く砂糖水を舐める姿は冬の寒い朝ならではの大変珍しい光景である。

                    クーラーの上に止まるCosta Humm.
                    フィーダーは嘴を入れて砂糖水を舐める穴が3つしかなく、先着3羽のハチドリで「満員御礼」の状況。
                    そのため、仕方なくすぐ横のクーラー機の上に止まって、じっとフィーダーが空くのを待っているコスタハチドリ。 こんな姿を間近かに見ていると、彼らの間での”力”関係、それからくる序列があるのかなー・・・と
                    思ったりするのだが・・・・・。

                    2013年の干支「ヘビ」にちなんだアリゾナの「毒蛇」の話

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                       Diamond-back Rattlesnake 1
                      我家の庭に現れたヒシモンガラガラヘビ(Western Diamond-back Rattlesnake)茶色種

                      2013年(平成25年)は「巳年」である。 ヘビは生命と英知の象徴とされ、大昔から尊敬されている
                      「生きもの」と同時にその姿から大変嫌われている「生きもの」でもある。
                      アリゾナと言えばすぐ思い浮かぶのが「砂漠」と「サボテン」そして「ガラガラヘビ」であろう。
                      その「ガラガラヘビ」は夜行性のため、日中フィールドではめったに見られないが・・・・・・?

                      Diamond-back Rattlesnake 2
                      私を警戒しながら塀に沿って移動するヒシモンガラガラヘビ。尾の白黒の帯状の模様が特徴

                      ヒシモンガラガラヘビは2メートル近い大きさであるが非常に毒が強く、咬まれると血管や神経組織の
                      細胞が壊されるので、人間にとっては致命的となるほど怖い「生きもの」である。
                      しかし、通常は人間に対して攻撃をしてくることはなく、気が付かず踏んでしまうとか、棒でたたくなどの
                      行為をしない限り、おとなしく人間を避けて逃げて行く。

                      Diamond-back Rattlesnake 3
                      庭のイリゲーション(タイマーで定時的に庭木に水をさす装置)の水を飲みに現れたヒシモンガラガラヘビ(灰色種)

                      ガラガラヘビは4月から6月にかけて特に行動が活発になるので、この時期、庭の手入れをする場合は
                      細心の注意を払う必要がある。 昨年の5月に庭の手入れをしていて足元にガラガラヘビが居るのに気づかず、うかつにも50センチほど近づいてしまった。その時ヘビが独特な「シュルシュルシュル・・・」という警戒音を出してくれたので、すぐ気がつき止まることが出来て危機一髪で助かった。 もう10センチヘビに近かったら、間違いなく咬まれたであろうと思うと、さすが冷や汗がどっと出た。
                      色々な「生きもの」が豊富にいるアリゾナ砂漠で彼らと共存しながら生活することは、日本ではとても考えられない緊張感がある。


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