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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

南アリゾナの珍鳥さわぎ 2016年6月 (中)

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    Ramsey Canyon 1

    今夏、珍鳥が営巣した南アリゾナの超有名な探鳥スポット、ラムゼイ渓谷 ( Ramsey Canyon ) 

     

    ラムゼイ渓谷はツーソンの町から2時間ほど東南へ走ったワチカ連山 ( Huachica Mountains ) にある。私にとっては、毎年8月になるとハミングバードの渡りを見に行く好きなスポットで、一日で12種〜15種見られる日がある。ここのトレールはしっかり造られてあり、山奥深くまで入れ、しかもメキシコとの国境が近いので近年中南米からの密入国者が多く、場所によってはボーダーパトロール(国境警備警察員)と山中で出会って職務質問を受けたり、空からボーダーパトロールのペリコプターが低く降りて来て双眼鏡でウオッチされたり、軍のベースも近くにあるので山中訓練隊に出会ったり’’’’’’’’’’’’と米国他州ではなかなか経験出来ない南アリゾナならではのちょっと緊張するバーディングとなることもある。しかし、ここはバーダーにとっては探鳥地のメッカ、首から双眼鏡を下げていると、ボーダーパトロールに出会っても皆にこにこして丁寧に挨拶をしてくる。バーダーならではの強みである。

     

     

    Ramsey Canyon 2

    ラムゼイ渓谷のハイカー用トレールから見る水量豊かな渓流。

     

    ラムゼイ渓谷のトレールは自然保護団体の " The Nature Conservancy " が管理する自然保護区にあり、ここから急勾配な険しい岩の多いトレールをスイッチバックしながら標高1950メートルまで登る。このトレールは渓流に沿って歩くので、鳥以外に色々な種類の蝶や野花を楽しむことが出来、時には熊やハナグマ ( Coati ) などの動物に出会えることもある。

     

     

    Ramsey Canyon 3

    珍鳥フサボウシハエトリが営巣する(手前右側)ラムゼイ渓谷の奥深い森林。

     

    5月22日に初めて見られたフサボウシハエトリの営巣場所は " Nature Conservancy " のビジターセンターから入り、大変厳しい急斜面と渓流沿いで石がごろごろしてる狭いトレールを3.3キロも歩かなくてはならなかった。距離は短いが足場が平坦でないので時間が掛かり、しかも南アリゾナの夏の暑い盛りなので飲み水を大量に持って歩く必要があり、その上に機材を背負ってのトレール歩きなので、やはり少々苦労した。

     

     

    フサボウシハエトリ雄 1

    北米での営巣が初確認された珍鳥フサボウシハエトリ ( Tufted Flycatcher ) のオス。

     

    フサボウシハエトリが米国に現れたのは今回で8回目の記録である(最初は1991年テキサス)。しかし、今回の確認は初の営巣で、しかもすでにメスが巣に座っていることもあって、やはり大騒ぎとなった。

     

     

    フサボウシハエトリ雄 2

    連日バーダーたちを夢中にさせたフサボウシハエトリ ( Mitrephanes phaeocercus ) のオス。

     

    フサボウシハエトリはメジロより少し大きいぐらいの小さなハエトリ種である。オスは顔と喉、胸が赤みがかった茶色、そしてしゃれた冠毛がある独特な姿でたいへん可愛い。

     

     

    フサボウシハエトリ虫狙う

    頭上を飛ぶ虫を狙うフサボウシハエトリのオス。

     

    フサボウシハエトリは、空中を飛ぶ虫をフライングキャッチしてはまたもとの枝に戻る動作を繰り返すので、楽にじっくりと観察が出来るのでありがたい。これはハエトリやタイランチョウ類に見られるエサ捕り方法で、虫が急降下すれば彼らも同じ急降下するし、上昇すれば一緒に上昇し、曲がる角度も急で実にその素早い飛翔力には驚く。

     

     

    フサボウシハエトリ飛び立つ

    飛んでる虫を見つけると枝から素早く飛び上がって空中で捕える。

     

    フサボウシハエトリは中米のメキシコから南米のボリビアまで幅広く生息している。春夏には標高の高い森林へ行き営巣し、子育てを終える晩秋には標高の低い川沿いの森に移る。

     

     

    フサボウシハエトリ雌

    胸から腹が白いフサボウシハエトリのメス。

     

    メスは胸から腹にかけて白いがその他はまったくオスと同じ。巣のまわりの低い枝で、オス、メスが高い声で「ピーピーピー」と

    " call " を繰り返しながら鳴き合っている。その声は大きくないが、静かな森にはよく響く。

     

     

    フサボウシハエトリ巣

    北米で初確認されたフサボウシハエトリの巣とメス。

     

    フサボウシハエトリの営巣した場所は標高1700メートルの松やモミ、樫の森林で、巣は太い枝の折れた所に作られ、皿状の形をしていた。私が見た時はまだメスが盛んに巣の補修をしたり、時々座り心地をチェックしていたが、6月の下旬には一羽の雛が無事孵化したニュースがネットの " ebird " に出ていてほっとした。


    南アリゾナの珍鳥さわぎ 2016年6月 (上)

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      マデラキャニオン 1

      今夏も珍鳥が現れ、大変賑わったマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) の上級ハイカー用トレール。

       

      夏の南アリゾナは毎年、中南米の珍しい鳥が国境を超えて現れるので、全米やカナダのバーダーにとっては大変魅力的な人気のある場所となる。特に今年の夏は例年以上の数の珍しい鳥が色々なスポットに現れ、おうぜいのバーダーたちが南アリゾナにやって来た。そのスポットの一つ、マデラ渓谷は私の家から1時間程度で行けるので、四季をとおしてよく鳥見をする「マイフィールド」である。

       

       

      マデラキャニオン 2

      早朝、珍鳥カササギツグミが現れるのを20人ぐらいのバーダーと待ったマデラ渓谷の狭いトレール。

       

      今夏は南アリゾナに5種類の珍鳥が現れ、全米のバーダーたちの注目のスポットとなった。その珍鳥の一つがマツメジロハエトリ ( Pine Flycatcher / Empidonax affinis ) で、北アメリカで初めて確認された’’’’’’’’とあって、ここ数週間毎日のようにたくさんのバーダーが馳せ参じた。この珍鳥が見られる場所は私の家から遠くてメキシコ国境に近い大変険しい渓谷で、普通の乗用車ではもちろん上がれないのと、岩がごろごろして滑りやすいトレールを3キロ以上も登ったり下ったりしなくてはならない難所なので、残念であるが、私は今回行くことをあきらめた。

       

       

      カササギツグミ 1

      早朝、山奥の狭いトレールで待つこと1時間半、ついに現れた珍鳥カササギツグミ ( Azutec Thrush ) 

       

      今夏は私がマイフィールドとしているマデラ渓谷に2種類の珍鳥が現れ大騒ぎとなった。その一つが私の「ライフバード」であるカササギツグミなので、何が何でも行かなくては’’’’’’’’と頑張った。珍鳥が現れた場所は、マデラ渓谷の本格的ハイカー専門のトレールを登り、そしてさらに非常に険しく滑りやすい鉱山跡の登山路を5キロ近くも歩かなくてはならない標高2千メートルに近い狭い渓流沿いで、行くのに大変苦労した。それでも何とか頑張って現場に到着すると、すでに20人ほどのバーダーたちがカササギツグミが現れるのを待っていた。中には真っ暗な朝4時頃から3時間近くも待っている’’’’’’’’’という凄い鳥キチもいたので驚いた。また、他州から飛行機に乗ってレンタカーで駆けつけた人もいて、思わず話を聞いてみた。彼はカリフォルニアのトゥイッチャーで、しかも米国内の鳥845種類をすでに見ているトップグループで、このカササギツグミで又一種増える’’’’’’’と大喜びしていた。この熱意に思わず脱帽!

       

       

      カササギツグミ 2

      一週間マデラ渓谷にたくさんのバーダーを呼び込んだ珍鳥メキシコ種カササギツグミ ( Ridgwayia pinicola

       

      この珍鳥は5月末マデラ渓谷の奥深いトレールでハイカーが偶然見慣れない鳥を見つけ、写真に撮って報告をしたところ、10年ぶりに現れたカササギツグミと判り大騒ぎとなった。私は幸運にも現場に着いて待つことたったの1時間半、お目当てのカササギツグミがエサ取りに現れてくれた。湧き水の細い流れの周りにいる小さな虫を盛んに捕っていた。努力のかいあってライフバードを写真におさめることが出来、久しぶり興奮した一日であった。この珍鳥、連日大勢のバーダーたちが押し寄せるのに嫌気がさしたか、6月5日を最後に見られなくなった。

       

       

      カササギツグミ 3

      翌日、再度マデラ渓谷を訪れ、同じ場所でまた会うことが出来たカササギツグミ。

       

      日本のツグミ ( Turdus naumanni ) とほぼ同じ大きさのメキシコ種で、北米ではこれまでに南アリゾナの東部に稀な迷鳥としての記録があるだけの珍鳥である。大変おとなしい鳥で、さえずる声はあまり知られておらず、地鳴きもほとんどしない。飛ぶと翼の白色、尾の上の白が大変目立って派手であるが、葉の茂った大木の高い所に好んで止り、1時間でも2時間でも動かずにじっとしていることが多いので見つけるのに苦労する。

       

       

      ムジボウシノドフサハチドリ 1

      やはりマデラ渓谷に現れた珍鳥ハミングバード、ムジボウシノドフサハチドリ ( Plain-capped Starthroat ) 。

       

      5月末、マデラ渓谷の有名なサンタリタロッジ ( Santalita Lodge ) のフィーダーにムジボウシノドフサハチドリが現れ大騒ぎとなった。中米のメキシコやガテマラに生息するハミングバードで、北米では南アリゾナにのみ稀な迷鳥としての記録があるだけで、近年では2010年に記録されて以来6年ぶりの出現であった。それにしても、今年はマイフィールドで2種類ものライフバードが見れたので、私にとって大変満足の初夏のバーディングシーズンとなった。

       

       

      ムジボウシノドフサハチドリ 2

      多くのバーダーにとってライフバードの一つであるムジボウシノドフサハチドリ ( Heliomaster constantii ) のオス。

       

      体長13センチとハミングバードとしては大きい。英名の " Starthroat " の色は光が当たらないとほとんど見えないで、ただ全体がさえない茶系の色である。こうして枯れ枝に止っていると嘴が非常に大きくて長く、腰と脇の白色、そして目の上と下の白い線、喉の長い房が目立つ。ほとんどのバーダーたちはこの珍鳥をサンタリタロッジのフィーダーの前で何時間もベンチに座って見ているのだが、私はたまたまロッジから近い渓流沿いのトレールを早朝歩いていて幸運にも見つけることが出来た。フィーダーに来て砂糖水を舐めてる人工的な姿でなく、枯れ枝に止る自然な姿をじっくり見たので大満足な初見となった。


      スターバックカフェー、食べものを強請るロードランナー親子 (下)

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        目の前のロードランナー親子
        超接近!食べものをもらうまで、ジーと私をにらみつけるロードランナーの親。

        店の人の話だと、ここ1〜2週間ほど毎日ではないが、ランチのおこぼれをもらうためちょくちょく雛を連れて現れる’’’’’’’とのこと。肉食の鳥なのでハンバーガーやソーセージが大好きで、これらの味をすっかり憶えてしまい、ランチタイムには客のテーブルを歩き回ってエサ請いをしているようだ。
         
        ピザをくわえるロードランナー
        ピザの欠片をくわえて歩くロードランナーの親。

        面白いことに、最初、友人が食べていたチキンサンドイッチの欠片を投げてやったが、ロードランナーはあまり興味を示さなかった。しかし、私が食べていたペパロニソーセージのトッピングのピザの欠片を投げてやると、美味しそうにくわえて雛の所へ持って行った。鳥のくせに好き嫌いの激しいのにはしばし苦笑。
         
        雛にピザを与えるロードランナー
        ピザの欠片を雛に与えようとしている親。

        私があげたピザの欠片は少し大きかったようで、雛に与えるのに苦労していた。それにしても、自然界にはない人間の食べ物をこうして食べても大丈夫なのだろうか’‘’‘’‘’‘’? 人が美味しく食べられるように作ってあるピザは、チーズが濃く肉は熱を加えた加工品なので、こんなのを雛の時から食べていたら、長生き出来ないのでは’’’’’’?と友人と大笑いをした。
         
        去って行くロードランナー親子
        ペパロニピザの欠片をくわえて満足そうに雛と砂漠へ帰って行く。

        ロードランナーは大変好奇心の強い鳥で、人から食べもの(特にハンバーガーを好む)をもらうため、毎日同じ時刻に庭に現れて来る話は友人から聞いていたが、まさかヒナ連れで、しかもカフェーのようなたくさんの人々が集まる所でお目にかかるとは’’’’’’’’’’。
        鳥好きの私にとって、嬉しい予期せぬロードランナーとの出会いのお陰で、ランチタイムを楽しく過ごすことが出来た。

        スターバックカフェー、食べものを強請るロードランナー親子 (上)

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          ロードランナー全身アップ
          砂漠の人気者ロードランナー。

          和名オオミチバシリ、英名 Greater Roadrunner , 学名 Geococcyx californianus 。南アリゾナでロードランナーは親しみのわく身近な鳥の一つであるが、観光客や一般の人々にとっては、しっかりと近くで見ることがけっこう難しい鳥でもある。車の前を横切ったり、ゴルフ場の大きな樹の下で暑さを凌いでいる姿は時々見られるが’’’’’’’’’’。
           
          ビル横から出て来るロードランナー
          ビルの後ろの砂漠からゆっくり歩きながらカフェーの庭に入って来るロードランナー。

          先日、家の近くのカフェーの庭で友人とブランチ(朝食兼昼食)をしている時、木陰からロードランナーが現れ、場所が場所だけに砂漠の鳥を見慣れてる私でも少々びっくりした。
           
          ロードランナー親子ベンチ下
          カフェーのテーブル、ベンチの日陰に入るロードランナー親子。

          ロードランナーは体長58センチと日本のキジより少し小さい。飛ぶことより首を前に突き出して長い尾で舵を取りながら早足で歩くのが得意で、その姿が大変愛嬌があるので昔から色々なキャラクターに使われている。
           
          ロードランナー親子
          私たちのテーブルにどんどん近づいて来るロードランナー親子。

          人を恐れる気配はまったくなく、翼を震わせ大きな口を開けてエサをねだる雛を連れて、ついに食事中の私たちのテーブル下までやって来た。
           
          足下のロードランナー親子
          私の足下で食べものを強請るロードランナー親子。

          ついには、ベンチに座ってる私の足下、手を伸ばせばとどく所までやって来て、雛と2羽でじーと私を見つめている。残念ながら手元にカメラがなく急遽スマートフォンで撮りまくった。

          ハッピーイースター 2016年 春

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            イースターデコレーション
            イースターデコレーション

            3月27日は「イースターサンデー」、待ちに待った春の到来である。北ヨーロッパの人々はイースター4連休の長い春休み、毎年、暖かい南ヨーロッパへ民族の大移動をする。北米では特別休暇はないので、旅に出る人は少なくウサギの人形を飾ったり、玄関のドアーに花輪を掛けたり、庭に色とりどりの卵を埋めて子供たちに掘らせて楽しむパーティー ( Easter Egg Hunt ) をする家庭が多い。
             
            手のひらの子ウサギ
            庭で生まれたサバクワタオウサギ ( Desert Cottontail / Sylvilagus audubonii ) 。

            「イースター」と言えば主役はバニー( Bunny / ウサギ )。イースターを前にして「待ってました!’’’’’’」と庭に子ウサギが現れ驚いた。砂漠ネズミの巣穴を利用していつの間にかワタオウサギが2匹の子供を産んでいたようだ。巣穴の入口はうまくカモフラージュされていてまったく気がつかず、先日、巣穴から顔を出しこちらを見ている子ウサギに初めて気がつき、びっくりしたのが彼らとの出会いである。
             
            ウサギの巣穴
            サバクワタオウサギの巣穴。

            庭の小さな小山にあった古いネズミの巣を改築して作った巣で、夜、母ウサギは巣穴に戻って来て子ウサギに乳を与え、朝になると上手く分からないように穴を塞いで巣から離れて行くようである。(夜なので観察出来ないのが残念だった。)子ウサギが巣立ちした後、穴の奥から動物の毛を利用した巣材が出て来た。子ウサギは生まれた時は毛もない丸裸の状況なので、母親は自分の体の毛をむしって穴の中に敷き、子ウサギの毛が生えるまでの砂漠の夜の寒さを防いでいる。
             
            眠った子ウサギ 1
            手の温かみで眠ってしまったサバクワタオウサギの子供。

            巣穴から出て来たばかりの子ウサギはすでに毛もしっかり生え、大きく目を開けて走るのが早い。しかし、子ウサギはまだ天敵の怖さを経験したことがないので、手を差し伸べるとノソノソ乗って来る。持ち上げて両手で包んでやると目を閉じて眠ってしまう無邪気な姿となる。サバクワタオウサギは体長35センチから43センチ、耳が8センチから10センチと大変大きく,ピーンと立っているのが特徴。この大きな耳で砂漠の暑さから体温を調整している。日中は活発でなく早朝から夕方によく小さなグループでエサ取りしている。白い綿のボールのような尾が走ると目につくが、これは仲間に危険を知らせる手段のようである。
             
            眠った子ウサギ 2
            さらに体を丸めて、深い眠りに入った子ウサギ。

            10分ぐらい手のひらで春の暖かい日に当たりながら眠った後、少し動き始めたので巣穴に戻してやると、そのまま穴の奥深く入って行き、また眠りの続きをするらしく動かなくなった。サバクワタオウサギは北米西側の乾燥した砂漠の草地に生息している。天敵は鷹、コヨーテ、ボブキャット、ヘビ、リス、人間(ハンター)などなど非常に多い。自己防衛は早足でジグザグに逃げることで、時速30キロ以上で走ることが出来る。そして、自分と同じ大きさ、あるいは自分より小さい相手に対しては、時には攻撃的になってころころ転がりながら足で「蹴り」を入れることもあるようだ。
             
            メキシコゴールドポピー
            ハナビシソウの仲間メキシコゴールドポピー ( Mexican Gold Poppy / Eschscholzia californica の亜種 mexicana )。

            2月入ると、庭に春を知らせる野花メキシコゴールドポピーが明るい鮮やかな黄色い花を咲かせる。砂漠の花なので夕方になると花弁を閉じて早春の砂漠の寒さを防ぎ、翌朝、日が照り始めると再び開く。群生するのでまだ花が少ない庭に黄色いジュータンを敷いたようで大変美しい。砂漠の春は短く、もうすぐ中南米から夏鳥である砂漠のアメリカムシクイ「ルーシーアメリカムシクイ」 ( Lucy's Warbler ) が戻って来て囀り始め、初夏となる。
             
            ペンステモン、コスタハチドリ
            イワブクロの仲間ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) とコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) 。

            ペンステモンも春一番に咲く野花である。背丈も草花にしては高く、春らしいピンクのラッパの形をした花をたくさんつけるので、これが咲きだすと庭や玄関がパッと明るくなる。甘い蜜が出るのでハミングバードがよく花蜜を舐めに来る。花のない冬の間は砂糖水のフィーダーに頼っていたハミングバードも、春に花が咲き始めるとフィーダーから離れてい行く。ペンステモンはもともとアリゾナのような北米の南西部の土着の花であるが、19世紀に入りヨーロッパで園芸種として盛んに栽培されたため市場にも色々な種類が出回っており、日本でも今ではおなじみの花である。

            寒中見舞い 2016年 (下)

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              煙突の間、ロードランナー
              屋根上の煙突の間で温まるオオミチバシリ ( Greater Roadrunner ) 。

              「大寒」の早朝、南アリゾナもさすがに寒く、ロードランナーも朝日が一番早く当たる屋根に上がり煙突の間に体を入れて冷たい北風を避けながら体を温めていた。これはめったに見られない大変珍しい姿である。
               
              屋根上のロードランナー
              屋根瓦に腹をつけて体を温めるオオミチバシリ ( Geococcyx californianus ) 。

              ロードランナーは飛ぶことよりもグラウンドを早足で歩いたり走ったりするのが得意な鳥である。霜が降りたグラウンドより朝日が当たる屋根が暖かいようで「ミチバシリ」ならぬ「屋根バシリ」となって軽やかに屋根を歩き、ついには日が当たって温まった瓦に腹を付けて10分間ほど気持ち良さそうにウトウトしていた。
               
              屋根上のイワサザイ
              屋根の上で朝日を浴びて体を温めるイワサザイ ( Rock Wren / Salpinctes obsoletus ) 。

              夏は渓谷の岩場へ移動するイワサザイ、冬になって寒くなると、砂漠に下りて来て人家の庭を徘徊し虫捕りをするので間近に見ることが出来る。夜が明けるとまず屋根へ上がって日の光を浴びるのが日課のようである。体が温まると屋根瓦の隙間にいる小さい虫を探し、そして庭に下りて来て岩や滝、池の周りをチョロチョロ歩きながら小石の間にいる虫を捕るのに忙しい。
               
              塀の前のオオコノハズク
              ガレージ横の小灌木の根元(右下)で眠っているアメリカオオコノハズク(西種)ー ( Western Screedch - Owl ) 。

              アメリカオオコノハズクは主に大西洋側の東に生息する " Otus asio " と太平洋側の西に生息する " Otus kennicottii ) の2種類がいる。南アリゾナで見られるのはこの内の西種である。「寒」に入って寒い日が3日間ほど続いたためか、北風を防ぐため塀に囲まれてる暖かい所を見つけたようである。すぐ横の車道や歩道を行き来する車や散策する住人や犬などを一向に我関せづ’’’’’’’’で昼間ずっと静かに眠っていた。
               
              オオコノハズクのアップ
              大きな金色の目でこちらを威嚇するアメリカオオコノハズク(西種)ー ( Otus kennicottii ) 。

              冬になると、夜、庭に現れて小さな虫を捕ってる姿を時々見ることがあり、また、屋根の上で鳴く声を聞くこともあるが、昼間、車が出入りするガレージすぐ横の灌木で寝ている姿を見るのはさすが私も初めてのうれしい経験であった。郵便物を取りにメールボックスへ歩いて行く途中、足下で変な鳴き声を耳にしたので立ち止まって声の主を探すと何とフクロウであった。40センチぐらい近づいても飛び立つ気配もなく、この日は夕方までじっくりと寝ていった。
               
              夕焼け空のサワーロ
              「大寒」が過ぎて少し春の兆しが感じられるソノラ砂漠の夕焼け空と大サボテン Saguaro 。

              「寒」の冬の夕空は湿度10%以下の乾いた寒い空気が漂い、西の空は濃いブルーと薄いピンクに染まり、まるで飛行機から見る夕空であるが、「大寒」が過ぎ春が近くなると時々雨雲が覆う夕焼け空になることがある。赤い空に浮かぶ大サボテン Saguaro の黒い影は実に美しい。

              寒中見舞い 2016年 (中)

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                手に持つフィーダー
                手に持つフィーダーの砂糖水を舐めるコスタハチドリのオス。

                寒い真冬のソノラ砂漠は日の出直前に気温が零下に下がる日があり、そんな朝はフィーダーの砂糖水が凍りシャーペット状になってしまうので温めなくてはならない。一度フィーダーを家の中へ入れて、シャーペット状の砂糖水を溶かして再び庭に出す作業が大変である。しかし、ハミングバードにとっては花がない冬の間は生きていくためのフィーダーであり、数分でもなくなると少々パニックになるようだ。朝日が出て来たのでフィーダーを持って庭へ出ると、歩きながら手に提げてるフィーダーに待ちきれんばかりにホバリングしながら砂糖水を舐めに来る。
                 
                フィーダー横のコスタハチドリ
                フィーダー横の塀でじっとしているコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) 。

                寒い朝の冷たい雨はハミングバードにとって大変堪えるようだ。フィーダー横の塀の一角で雨が小やみになるまでじっとしている姿を見ることがある。今冬の南アリゾナは寒く、例年日中の平均気温は18度ぐらいであるが、今年は8度程度と大変厳しい。しかも、エルニーニョの影響で、けっこう雨も降る日があるので庭にフィーダーを出してる者としての責任を重く感じる。
                 
                塀でうずくまるコスタハチドリ
                体を丸く膨らませ、塀で冷たい雨を凌ぐコスタハチドリ ( Calypte costae ) のオス。

                ソノラ砂漠のハミングバードと呼ばれ南への渡りをしないコスタハチドリ、人工物の塀の隙間で冷たい北風や雨を避けてる姿はやはり珍しい。しかし、ハミングバードも個体によって色々寒さを凌ぐ方法が違うと思われるが、我が家の庭で塀を利用するのはこのオスのコスタハチドリだけである。
                 
                壁にへばりつくコスタハチドリ
                朝日で暖まった家の壁にへばりついて体を温めるコスタハチドリの珍しい姿。

                朝日が上がって家の壁が暖まる9時過ぎ、夜、よほど寒い思いをして寝たのだろうと思われるコスタハチドリの若鳥、15分ほどキツツキのような格好でじっとしていた。数日前の寒い夜、家の壁にへばりついて寝ている珍しい姿を見て驚いたばかりだが、このように壁で朝日に当たる姿も初めて見た。
                 
                欄干に止まるコスタハチドリ
                太陽で暖まった欄干に止まって体を温めるコスタハチドリのオス。

                10時頃になると外気も暖まって塀の欄干の鉄も暖かくなり、心地良さそうにしばらくじっと止まっていた。手前のブーゲンビリアの花や葉もこの数日後すっかり色あせて冬枯れとなっってしまった。
                 
                フィーダーとコスタハチドリ
                昼頃になると、すっかり体が暖まり、やっと通常に戻ってゆっくりとフィーダーの砂糖水を舐めるコスタハチドリ。

                南アリゾナはほとんどの家の庭にはハミングバード用のフィーダーが掛けられてある。可愛らしいハミングバードの姿を間近に見たい’’’’’’’’’’’’と思う人が多いためだが、残念ながらなかには庭の装飾品の一つとして掛けてる人も多く、フィーダーが汚れていたり、中の砂糖水が無くなってもそのまま何日間も吊る下げっぱなしの人がけっこう多いのに驚く。

                寒中見舞い 2016年 (上)

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                  サワーロと雪山
                  「小寒」を迎え、ソノラ砂漠は冷たい雨で、周りの山々では雪が降る。

                  寒中お見舞い申し上げます。
                  暦の上では「小寒」を過ぎてソノラ砂漠もめっきり寒くなり、花がなくなって落葉樹の葉も落ち、淋しい風景となりました。砂漠で生活する「生き物」たちはエサ探しと寒さを凌ぐため人家の庭や軒先を利用して一生懸命生き延びています。今回は庭で見られるそんな逞しい彼らの姿を紹介しましょう。
                   
                  アガベに止まるコスタハチドリ
                  テキーラ酒の原料となるアガベ( Agave / リュウゼツラン)に止まって、冷たい北風を避けるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) のメス。

                  夕方、日が落ちる頃になると、ハミングバードはフィーダーから出来る限り近い背丈の低い草や木の枝に来て、寝る前のエサ取りに忙しい。特に冷たい北風が吹く寒い夕方は、寝る直前ぎりぎりまでフィーダーの砂糖水を取らなくてはならないので、アガベからフィーダーに上がっては砂糖水を舐め、またアガベに戻って休むことを真っ暗になるまで繰り返し、庭にライトがつき始めると近くの小灌木に潜って眠る。
                   
                  壁で眠るコスタハチドリ
                  壁にへばりついて眠る珍しいコスタハチドリ ( Calypte costae ) の姿。

                  早朝の気温が零下まで下がる日が2日〜3日続き、しかも雨が降った寒い先週の夜、ハミングバードが玄関の壁と天井が合わさる角でキツツキのように尾を拡げて縦に止まり、朝までじっと寝ている不思議な姿を見た。ハミングバードが日中飛び回る姿は庭で毎日のように見ているが、このような寒さに耐え寝ている姿を間近に見るのは初めての経験で大変驚いた。
                   
                  玄関横のタランチュラ
                  玄関の片隅でじっとしている毒蜘蛛タランチュラ ( Desert Tarantula ) 。

                  冬の砂漠は日中と夜の気温の差が時には25度以上あることもあり、「生き物」にとっては厳しい生息環境となる。大型の蜘蛛タランチュラはめったに人家近くには現れないが、酷寒の日が続くと少しでも暖かさを求めて、北風が遮られる玄関や庭のポーチの壁に張り付いていたり、時にはガレージの中に入って来ることもある。
                   
                  タンチュラのクローズアップ
                  玄関のドアー横の片隅でじっとしているタランチュラ ( Aphanopelma chalcodes ) 。

                  タランチュラは砂漠に生息する大型の毒蜘蛛で、体長は8センチ、毛深く、黒くて大きい足と太い体なので最初見るとギョッとするが、人を襲うことはほとんどない。非常に性格がおとなしく、手のひらにのせても静かに歩くだけで、強く掴まないかぎりは刺さないし、毒はハチより弱いので刺されてもたいして痛くない。庭に植えてある花の芽を食べる害虫を駆除してくれるので、私にとっては大切な「生き物」である。

                  謹賀新年 2016年元旦

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                    ソノラ砂漠からレモン山
                    ソノラ砂漠から見る雪をいただく元旦のレモン山。

                    あけましておめでとうございます。本年もひきつづき私のブログ「藤波レポート」をよろしくお願い申し上げます。今年もアメリカ国内、南アリゾナの雄大な自然や美しい花、蝶、可愛い鳥たち、そしてそこに生活する「生きもの」たちの姿を写真とともにお届けいたします。
                     
                    虹がかかる大サボテン
                    大サボテン Saguaro の上にかかる元旦の虹。

                    除夜の鐘の音もなく、アメリカワシミミズク ( Great Horned Owl ) の低い鳴き声を聞きながら過ごす静かな晦日の夜、午前0時とともに何カ所から突然元旦を知らせる花火があ上がり、「ニューイヤーズ、イブ、パーティー」でシャンペンを飲み大晦を楽しんでいた家々からバラバラと人々が庭に出て来て、「ハッピーニューイヤー」の歓声があがり砂漠の静まりが吹っ飛んでしまう。日本が正月明けした16時間後(日本時間鵯日元旦の午後4時)、南アリゾナも元旦を迎えた。元日はあいにくソノラ砂漠の一部で冬の雨が降っており、今年初の虹が見らました。エルニーニョの関係で今冬のアリゾナは雨が例年より多く、早朝の零下になる日も時々ある寒さで、鳥たち特にハミングバード(ハチドリ)には少々寒さが辛い冬となりそうである。
                     
                    朝のコスタハチドリ
                    体を膨らませじっと日が差してくるのを待つコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) のオス。

                    元旦の朝、庭に出てまず今年最初に目に入って来た鳥はハミングバードでした。ほとんどのハミングバードが暖かい中南米へ下りて行ってしまった砂漠に、コスタハチドリは残って庭に出されるフィーダーを頼りにじっと寒さに耐えてます。体長たった9センチしかない小さいハミングバードは寒く零下になる夜はほぞ仮冬眠の状態で過ごすので朝日に当たって早く体を暖めなくてはならない。花から花へホバリングしながら舞うように優雅に飛ぶ可愛らしい姿とはまったく違う厳しい姿です。
                     
                    屋根の上のロードランナー
                    元旦の寒い朝、屋根に上がって初日の出を見るオオミチバシリ ( Greater Roadrunnner / Geococcyx californianus ) 。

                    ロードランナー(オオミチバシリ)は飛ぶことよりも歩くことと走ることが得意な鳥です。エサ取りのテリトリーが大変広いのと木陰に隠れるのが上手いので、ソノラ砂漠には数多くいてもなかなか身近に見れるチャンスが少ない。しかし、冬場は比較的暖かい人家の周りでエサ取りすることが多く、冬の寒い日はこうして屋根に上がり暖をとる珍しい姿も見ることがある。

                    ハッピーホリデー 2015年クリスマス

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                      カード/アカフトオハチドリ
                      南アリゾナ、ソノラ砂漠のクリスマスカード/アカフトオハチドリ

                      アメリカは11月末のサンクスギビングデーの休日からホリデーシーズンに入り冬休みをとる人が多く、家族が集まって、また友人同士でのパーティーが盛んです。南アリゾナのクリスマスは「ホワイトクリスマス」とはならない暖かさですが、日中20度ぐらいまで上がる気温も早朝は寒くなって時には零下まで下がって鳥たちも震えてます。
                       
                      サンタ帽子のサワーロサボテン
                      ソノラ砂漠を象徴する大サボテン ( Saguaro ) にサンタクロースの帽子が被されてます。

                      11月いっぱい咲いていた花はほとんど散ってしまい、花蜜を主食とする小さなハミングバード(ハチドリ)は人が与えてくれるフィーダーの砂糖水が頼りとなります。ほとんどのハミングバードは中南米へ渡って行きますが、近年庭にフィーダーを掛ける家が多くなり、この砂漠に残って冬をそしてクリスマスを過ごすハミングバードの数も多くなってきてます。
                       
                      ライト巻かれたサワーロサボテン
                      クリスマスライトが巻かれた大サボテン ( Saguaro / 弁慶柱 )

                      ソノラ砂漠に住んでる多くの人々は家の前や庭に Saguaro サボテンを植えております。雪が積もる北の州で見られるクリスマスツリーのモミの木はここでは見られません。そのかわり、大きくそびえるのは Saguaro だけです。ホリデーシーズンに入ると人々はこの大サボテンにサンタの帽子を被せたり、クリスマスのイルミネーションを巻いて楽しみます。全身固く鋭い棘に包まれたサボテンにライトを巻き付ける作業また取り外す作業は大変な苦労がいると思われます。私はやはり大自然の中で見る立派な Saguaro が好きですし、このように人工物で飾られたものはあまり見たくありませんので我が家にはいっさいありません。
                       
                      ミッスルトーとコスタハチドリ
                      玄関のミッスルトーの横(右上)で朝日に当たり暖をとるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) 。

                      クリスマスが近づくと、南アリゾナのソノラ砂漠も早朝は気温が零下まで落ちる時があります。寒い夜は半冬眠状態で眠るハミングバードは、夜が明けると体を温めなくてはなりません。朝日が当たって暖まった家の壁は彼らにとって絶好の場所であり、フィールドではなかなか見ることの出来ない、尾を拡げて体を支えるキツツキのような姿で暖まっています。

                      今年も一年私のブログを見ていただきありがとうございました。どうか皆様、良い年をお迎えください。
                      来る年もよろしくお願い申し上げます。


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