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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

カタリナ州立公園 2017年春 その(9)

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    ブユムシクイ巣作り
    巣作り中のブユムシクイ ( Blue-gray Gnatcatcher ) 

    ​カタリナ州立公園では山の麓のキャニオン ( Canyon ) で写真のブユムシクイ ( Blue-gray Gnatcatcher ) 、山麓から離れたサボテン林の砂漠ではオグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher / Polioptila melanura ) の2種類のナットキャッチャー ( Gnatcatcher ) が見られる。南アリゾナでは総体的に西側の南部でしか見られないオグロブユムシクイの方が数多い。この2種は非常によく似ていて、初心者には識別が難しい。大きさと鳴き声、尾の裏側の模様の違いから識別する方法がベストである。
     
    ブユムシクイ雄雌
    巣作り中のメスにエサを運ぶブユムシクイ ( polioptila caerulea ) の雄

    ​日本のメジロより小さくほっそりしたブユムシクイは主に北米東側の高い広葉樹林に生息している。春に中南米から戻って来る渡り鳥であるが、南アリゾナでは夏冬一年中見られる留鳥である。落ち着きのない鳥で、枝先をくりくりしながらエサ取りするので見にくいが、雛が鳴くような高く細い声で「ジージージー」とよく鳴くので居場所を見つけるのは簡単である。
     
    ブユムシクイ巣に座る
    ​メスと交代して巣に座るブユムシクイの雄

    ​ブユムシクイの巣は蜘蛛の糸を多く用いてしっかり作られており、樹の下から見上げると樹のこぶのように見える。巣づくりしている初期の段階で邪魔されると、その巣を取り壊し別の場所に作り直す習性がある。枝先で長い尾を広げて左右に振りながらエサ探しをするが、時には蜘蛛の巣に引っかかってる虫を失敬することもある。
     
    シロハラミソサザイと巣
    ​雛にエサを運ぶシロハラミソサザイ ( Bewick's Wren ) 

    ​英名「ビューイックス ( Bewick's ) 」は人の名前(米国の鳥類学者で画家であるオージュボンの友人で英国の画家トーマス・ビューイック)に由来する。かって全米の広い地域に生息していたシロハラミソサザイは1960年以降東側では数が減少、今では地域によっては珍鳥となっている。カタリナ州立公園では毎春大きな木の樹洞に営巣している姿が見られる。雄はテリトリー内に幾つかの見せかけの巣を作り、雌がそのうちの一つを選ぶ。そして巣が決まると、雄雌共同で巣を完成させる。
     
    シロハラミソサザイ正面向き
    カタリナ州立公園では数が多いシロハラミソサザイ ( Thryomanes bewickii

    ​尾を高く上にあげ左右に振りながらオス、メスでうるさく鳴き合うのでよく目につく。また、人を恐れることがないので、しばしば目の前の枝に来てこちらをじっと見ていることがある。
     
    シロハラミソサザイ囀り
    一日中さえずるシロハラミソサザイ

    ​日本のミソサザイ ( Troglodytes troglodytes ) より大きい。他のミソサザイと同じようによく囀る。頭を後ろにのけぞり、上にあげた長い尾をゆっくり下へ押し下げながら鳴く。採餌はグラウンドが多く、時には木の枝から虫や蜘蛛を下へ落として拾って食べている。
     
    クーパーハイタカと巣
    数年使用した古巣を手直しするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk ) 

    ​南カナダからメキシコまで幅広く生息している中型の鷹で、日本のハイタカ ( Accipiter nisus ) より大きい。英名 " Cooper " は最初にこの鳥を捕獲して識別した " William Cooper " の名前に由来する。
     
    クーパーハイタカ獲物を食べる
    獲ったばかりの獲物を頭から食べ始めるクーパーハイタカの雌 ( Accipiter cooperii

    ​昔、クーパーハイタカは別名 " Blue Darter " (すばしっこい奴)とか " Chicken Hawk " (ニワトリを狙う鷹)とか呼ばれ、農夫には嫌われていたが、近年の調査でニワトリなどの家禽類は捕らないことが判り汚名返上をした。写真の獲物はミヤマシトド ( White-crowned Sparrow ) で、クーパーハイタカは小鳥の他に小型の動物を狙うこともある。
     
    クーパーハイタカ雄
    ​メスが獲物を食べてる間、すぐ横の枝でじっとメスをエスコートしてるクーパーハイタカのオス。

    ​クーパーハイタカの獲物捕りの方法は他の鷹たちと異なり、大きな葉が密に茂る林で、木の幹近くに寄り添うように止まり、じっと獲物が来るまで待ち伏せする。獲物の動きを察知すると素早く飛び立ち、猛烈な速さで狭い木立の間を飛び、時には上がったり下がったりしながら狙った獲物に近づき、鋭い爪で引っ掛ける。また、クーパーハイタカはテリトリー意識が非常に強く、同じ中型のアシボソハイタカ ( Sharp-shinned Hawk ) がテリトリーに入って来ると猛烈な勢いで追い払う。

    カタリナ州立公園 2017年春 その(8)

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      Saguaro & Mt.Lemon
      アリゾナ州のシンボル、大サボテン ( Saguaro ) の林とレモン連山。

      ​サワーロサボテン(和名:弁慶柱)は主にソノラ砂漠で見られる高さ10メートル以上の巨大サボテンで、両腕を上げて突っ立ってる姿は人に似ているので非常に人気がある。これだけの規模でサワーロサボテンが林立しているのは、南アリゾナ、ツーソンの町の周りのソノラ砂漠だけであり、中でも特にカタリナ州立公園は有名である。
       
      レンジャクモドキの雄
      ​中南米で見られる " Silky Flycatcher " の仲間、レンジャクモドキ ( Phainopepla ) のオス。

      ​英名「ファイノペプラ」( Phainopepla ) はギリシャ語で「輝く外套」の意味で、オスの美しい黒い姿から付けられた。南カリフォルニアから南アリゾナの砂漠に一年中いる留鳥だが、冬と春は暖かい砂漠で過ごし、暑い夏には涼しい山の渓谷(キャニオン)へ移動して年に2回繫殖する北米で唯一の鳥である。
       
      レンジャクモドキの飛翔
      ​白黒の美しいレンジャクモドキ ( Phainopepla nitens ) の飛翔。

      ​レンジャクモドキは主に木の実や種を食べるが、時にはハエトリのように飛びながら空中の虫を捕えることがある。オスによる「コートシップ」(求愛行動)が大変美しく、100メートル近く空高く舞い上がって、ジグザグ又は弧を描きながらテリトリー内に降りてくる。
       
      ミドリトウヒチョウ 1 
      ​カタリナ州立公園とその周りの砂漠で冬を過ごすミドリトウヒチョウ ( Green-tailed Towhee )

      ​密に茂った灌木の根元近くでエサ取りをし、陽が当たる明るい所へなかなか出て来ないので、全身を双眼鏡に入れるのが難しい。
       
      ミドリトウヒチョウ2採餌
      ​細かい野草の実を食べるミドリトウヒチョウ ( Pipilo chlorurus )

      ​開けたところより茂みや暗い木陰を好み、薄明薄暮の時間帯に活発にグラウンドを動き回ってエサ取りするのでゆっくり観察するのが難しい鳥である。
       
      アメリカツリスガラ 1
      ​ハックベリーの実をついばむアメリカツリスガラ ( Verdin )

      ​砂漠では一年中ごく普通に見られ、庭にも来るポピュラーな可愛い鳥である。小さな虫や甘い花を好んで食べるが、砂漠で暮らす鳥なので、時々水分補給のため小さい木の実も食べる。
       
      アメリカツリスガラ 2
      実を銜えるアメリカツリスガラ ( Auriparus flaviceps )

      ​日本で見られるツリスガラ ( Remiz pendulinus ) と同じ仲間ではないが、同じような袋状の吊り巣を作り、体長も同じ大きさであるが、尾が短いのでずっと小さく見える。冬鳥として日本に渡来するツリスガラは平地の葦原に生息して、葦の中に居るカイガラムシ類を食べるが、アメリカツリスガラは留鳥で、テキサスから南アリゾナ、メキシコにかけての砂漠地帯に一年中生息し渡りをしない。

      カタリナ州立公園 2017年春 その(7)

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        プッシュリッジ連山と新緑
        粗削りなゴツゴツした岩肌、イヌワシが営巣するプッシユリッジ連山と美しいトレールの新緑。

        ​4月に入ると、カタリナ州立公園の新緑の樹木もみっちり若葉が茂って本格的な夏鳥の到来となる。ルーシーアメリカムシクイ、ベルズモズモドキの囀りに混じってハエトリ ( Flycatcher ) の種類も多くなり、奇妙で面白いテリトリーソングが聞こえてくる。
         
        メグロハエトリ囀り
        南アリゾナの一部の狭い地域でしか見られないメグロハエトリ ( Northern Beardless Tyrannulet )

        ​北米で見られるハエトリの仲間で英名「ティラヌレット」 ( tyrannulet ) と呼ばれるのはこのメグロハエトリ1種類である。もともとメキシコ種で、以前はメキシコとの国境を接するアリゾナ東南の Patagonia あたりまで行かないと見れなかったが、近年少しづつ数が増えてカタリナ州立公園でも毎年見られるようになった。
         
        メグロハエトリ左向
        メグロハエトリ ( Camptostoma imberbe ) の Worm 型

        ​メグロハエトリは長い英名がつけられてるが、体長は短く地味で小さな鳥である。日本で一番小さい鳥のキクイタダキ ( Regulus regulus ) にほぼ近い大きさである。よく葉が茂った木の枝に止まっていることが多く、姿や居場所を見つけるのが大変難しい。鳴き声を頼りに探すが、これまた鳴き声は口笛のようなクリアーな声だが、高くて消えるようなか細い声で「ピーピーピー」と囀るので非常に聞きづらい。
         
        メグロハエトリ後姿
        メグロハエトリの Fresh 型

        ​メグロハエトリは特徴である頭のボサボサした冠毛とハエトリの仲間では一番小さいサイズであること、また、枝に止まっている姿が直立している姿勢で尾を振ることなどを総合して識別するしか手がない。ハエトリなので空中を飛んでる虫をフライングキャッチして元の枝に戻るので、じっくり双眼鏡で追うとキャッチするチャンスはある。
         
        ハイイロメジロハエトリ
        ​識別に苦労するハイイロメジロハエトリ ( Gray Flycatcher )

        ​アメリカのバーダーの間で通称エンピ ( Empid ) と呼ばれる学名 " Empidonax " のメジロハエトリ類は全米で11種類見られるが、非常によく似ているので初心者にはフィールドでの識別が大変難しい。鳴き声による区別が一番確実性が高い。しかし、ハイイロメジロハエトリは大変臆病で、驚くとすぐ密に茂った小灌木の隠れ場所に飛び込んでじっとしているので囀りが聞こえても見つけにくい。
         
        ハイイロメジロハエトリ地上採餌
        ​ハエトリの仲間では珍しいグラウンドに降りて採餌するハイイロメジロハエトリ ( Empidonax wrightii )

        ​ハイイロメジロハエトリは低い枝に止まって低く飛びながら虫をフライングキャッチするが、時には地面に下りて虫を探すこともある。動作の特徴として、長い尾をぴくっと上げてゆっくり下へおろしてゆき、最後にまた元の位置に戻す仕草を時々する。アリゾナでは春と秋の渡りの時だけ通過していくので短い間しか見られない。
         
        Pacific Slope Flycatcher
        アリゾナでは珍しいキノドメジロハエトリ ( Pacific-slope Flycatcher / Empidonax difficilis )

        ​昔は " Western Flycatcher " と呼ばれていたが、近年写真の " Pacific-slope Flycatcher " とアリゾナの森林渓谷でごく普通に見られる " Cordilleran Flycatcher / Empidonax occidentalis ) の2種類に分けられた。この2種のフィールドでの識別は大変難しく、鳴き声で区別するしか方法がない。 " Pacific-slope Flycatcher " はアリゾナではごく少数が春の渡りの時に通過して行き、繁殖地は英名の由来である太平洋沿岸の森林で営巣する。動作の特徴として枝に止まる時にしばしば尾と翼を同時に震わせることがあるが、常時ではないので残念ながらあまり識別の手助けとはならない。

        カタリナ州立公園 2017年春 その(6)

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          ベニタイランチョウ正面
          ​赤黒の派手なベニタイランチョウ ( Vermilion Flycatcher ) のオス


          ​ベニタイランチョウはタイランチョウの中でも最も美しいと言われ、春の新緑の林の中ではその姿がひときわ目立つ。南アリゾナから南テキサスにかけての狭い地域でしか見られないハエトリの仲間である。
           
          ベニタイランチョウ横向
          ​陽に当たると美しい金色に輝くベニタイランチョウ ( Pyrocephalus rubinus )

          ​体長15センチ、日本のシジュウカラ ( Parus major ) と同じ大きさの小さなタイランチョウであるが、毎春、全米から南アリゾナに集まって来るバーダーたちが「ぜひ見たい」と思う人気ある鳥でもある。

           
          ベニタイランチョウ羽繕い
          羽繕いするベニタイランチョウ、赤い頭がひときわ美しい。

          ​ベニタイランチョウは水が大変好きで、自然の水流はもちろん、人工の用水路や牧場の水槽、池などの近くでよく見かける。
          ゴルフをプレーしてると、池の周りの低い枝に止まっている姿をちょくちょく見る。砂漠の春から初夏にかけての気候は非常に乾いているので(湿度10%前後)、鳥たちの水浴びする姿が見れるチャンスが多い。
           
          ベニタイランチョウ飛ぶ姿
          頭上の蜂をフライングキャッチしようとするベニタイランチョウ。

          ​ベニタイランチョウは低い灌木の枝先に止まってじーと飛んでいる虫や蝶を探し、見つけると瞬発的に追いかけ空中でフライングキャッチする。ところが、蝶は上下、左右に飛ぶので捕まえるのが難しいらしくよく失敗している。
           
          ベニタイランチョウ蜜蜂くわえる
          見事に蜂を捕らえて近くの枝に止まるベニタイランチョウ。

          ​ベニタイランチョウは蜜蜂が特に好きで、空中でうまくキャッチすると近くの枝先に止まって美味しそうに食べる。蜜蜂は袋にたっぷり蜜を蓄えているので栄養価が大変高く、彼らにとって一番のご馳走であろう。
           
          ベニタイランチョウ雌正面
          ​地味な色をしてるが可愛らしいベニタイランチョウの雌。

          ​砂漠の鳥たちの繁殖期は大変早い。まだうすら寒い日が時々ある3月後半、ベニタイランチョウは雄と雌でヒラヒラ舞いながら空高く上がっていくコートシップを始める。そして4月に入ると巣作りに忙しくなり、巣材を運ぶ雄・雌の姿を見ることが出来る。
           
          ベニタイランチョウ巣に座る
          巣に座るベニタイランチョウの雌。

          ​ベニタイランチョウの雌は雄のような派手な赤い色はないが、尻の薄い赤色がアクセントとなってなかなか可愛らしい。巣に座るのは主に雌で、雄が時々雌にエサ運びをしているのを見かける。カタリナ州立公園には、毎春3組から5組ほどのベニタイランチョウのカップルが戻って来て営巣するので、ほぼ確実にこの美しい姿を堪能することが出来る。
           
          ベニタイランチョウ雛2羽
          ​強風で折れた枝の巣にうずくまってるベニタイランチョウの雛2羽。

          ​砂漠でも時々「春雷」に見舞われることがあり、強風で古い木が倒れたり枝が折れたりする。夜中から朝方まで続いた激しい雷雨で起こされ、眠い目をこすりながらカタリナ州立公園へ行ってみると、ベニタイランチョウの巣の枝が折れて下へ垂れ下がり、斜めになった巣に2羽の雛がうずくまってしがみついていた。
           
          ベニタイランチョウ空の巣
          ​ついに巣は垂直に立ってしまい、雛は外へ放り出されたようで、巣の中は空っぽであった。

          ​強風を伴う春の嵐が3日間続いたため、ベニタイランチョウの巣を支えていた枝もついに折れて下へ落ちてしまった。そのため、巣は垂直になって雛は放り出されたようだ。周りを探しても雛の形をしたものは見つからず、推測するに、夜行性のボブキャットやコヨーテ、ガラガラヘビの獲物になってしまったとおもわれる。
           
          ベニタイランチョウ朝日浴びる
          雛を失って寂しそうなベニタイランチョウの雄親。

          ​雛を失った親鳥はしばらく巣の周りの枝に止まったり、巣のあった木の周りを雛を探しているかのように飛び回っていた。砂漠の天候の激しさ、自然界の厳しさをつくづく感じた日々である。砂漠の鳥たちは年2回営巣する種類が多く、たくましい彼らはまた新しい巣作りを始めるだろう。

          カタリナ州立公園 2017年春 その(5)

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            Birding Trail
            ​春の使者 " Songbird " たちが戻って来て賑やかになった " Birding Trail "

            ​3月も中旬が過ぎて「春分」近くになると、新緑が目につき " Songbird " (ソングバード)と呼ばれる歌のうまい春を告げる渡り鳥アメリカムシクイ ( Wood Warbler ) たちが中南米から戻って来る。そして私のカタリナ州立公園通いが忙しくなってくる。    " Birding Trail " は前が拓けた大きな " Wash " があり、背後は雑木と岩の斜面林となっているので、春の鳥たちにとっては素晴らしいエサ取り場となる。トレールからちょっと外れた林に入ると、半分枯れてる下草に悩まされる。草の丈がくるぶしまでかかり、しかも草の先が棘のように尖ってるので、これが靴下に着いたり靴の中へ入ったりすると非常に痛いのには参る。
             
            ベルモズモドキ
            " Songbird " と呼ばれる春の渡り鳥の内、一番早く公園に現れるベルモズモドキ ( Bell's Vireo / Vireo bellii )

            ​色が地味で特別特徴のない小さな鳥であるが、テリトリー意識が大変強く、短く単調な鳴き声で「ジュジュジュ・・」と一日中囀ってる。縄張りの境界は厳格で、オス同士が出会うと激しく争う。葉が密に茂ってる低灌木の中で囀ることが多く、落ち着きなく一声、二声囀るとすぐ枝移りするので、大きな鳴き声は聞こえるものの、双眼鏡で姿を捉えるのが難しい。
             
            Plumbeous Vireo
            ​フタスジモズモドキ ( Plumbeous Vireo / Vireo plumbeous )

            ​和名フタスジモズモドキは1990年代までは英名 " Solitary Vireo " と呼ばれる一種類であったが、繁殖地が3か所に分かれて、オーバーラップする地域が少ないので近年3種類の別種に分けられて、それぞれ異なる英名と学名がつけられた。写真の " Plumbeous Vireo " はアリゾナから北へかけての中西部の内陸に生息している。その他の2種類は渡りの時期にニューヨークでも数多く見られる " Blue headed Vireo / Vireo solitarius " と西太平洋側の北で主に繁殖する " Cassin's Vireo / Vireo cassinii " である。カタリナ州立公園で営巣が見られるのは写真の " Plumbeous Vireo " だけである。
             
            ルーシーアメリカムシクイ
            ​「砂漠のアメリカムシクイ」と言われるルーシーアメリカムシクイ ( Lucy's Warbler )

            ​主にアリゾナで見られるルーシーアメリカムシクイ、女性の名前からつけた鳥名で、日本のメジロ ( Zosterops japonicus ) より小さい。この " Songbird " も春一番に中南米から戻って来ると、単純な短いハイピッチな「チェ、チェ、チェ・・」という春の歌を聞かせてくれる。特別ソングスポットを決めずにせわしく枝移りしながら囀るため、落ち着いてじっくり観察するのが難しい。3月も終わりに近づくと砂漠はルーシーアメリカムシクイの囀りに包まれる。
             
            ルーシーアメリカの巣
            2羽のヒナにエサを与えるルーシーアメリカムシクイ ( Vermivora luciae )

            ​ルーシーアメリカムシクイはアリゾナの砂漠で繁殖する唯一のアメリカムシクイで、西側では唯一大きな木の割れ目や洞に営巣するアメリカムシクイである。大西洋側の東には唯一木の洞に営巣するオウゴンアメリカムシクイ ( Prothonotary Warbler ) がいるが、アメリカムシクイの仲間ではこの2種だけである。この写真のルーシーアメリカムシクイの巣はアメリカツリスガラ ( Verdin ) の古い巣を利用している珍しいケースで、巣穴の入り口が横についてる袋の形をしてる。丁度木の洞のような感じなので、チャッカリ巣に使用したものと思われる。
             
            ウイルソンアメリカムシクイ
            西側で多く見られるウイルソンアメリカムシクイ ( Wilson's Warbler / Wilsonia pusilla ) の Pacific 型。

            ​冬を中南米で過ごし、主に北カナダの大西洋沿岸から太平洋沿岸の針葉樹林帯で繁殖するウイルソンアメリカムシクイは、春と秋の渡りの時期にはほぼ全米で見られる。東側で多く見られるのは Taiga 型であるが、カタリナ州立公園で見られるのは Pacific 型である。顔から胸にかけて明るい黄色が特徴で、あまり人を怖がらず、しかも好奇心が強いのでバーダーのピッシング(口でピシピシピシという音を出す)によく反応して目の前の枝に現れる。非常に活発で尾を上げ下げしながら枝移りし、葉の裏についてる虫を拾い集める。黒いベレーボーのような頭と黒いボタンのような目が可愛いので人気者である。
             
            キイロアメリカムシクイ
            全米ほとんどの地域でごく普通に見られるキイロアメリカムシクイ ( Yellow Warbler / Dendroica petechia )

            ​キイロアメリカムシクイはアメリカムシクイの中でも一番繁殖地域が広く、北から南のカナダからメキシコまで、そして東から西への大西洋沿岸から太平洋沿岸までと,ほぼ全米どこでも見られるポピュラーな " Songbird " である。冬、中南米で過ごした後,
            カタリナ州立公園に戻って来るキイロアメリカムシクイは " Southwest " 型で、胸の赤い筋が細くて薄くしかも少ない。灌木やよく茂った大きな木の中でエサ取りすることが多いが、あまり人を恐れず,高い枝のよく見える所をソングスポットにするので、大変見やすい。
             

            カタリナ州立公園 2017年春 その(4)

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              Palo Verde
              ​3月、早咲きのパロベルデ ( Palo Verde / Cercidium microphyllum ) の花が咲き始める。

              幹、枝、葉、すべて同じ緑色の美しい木で、アリゾナの州の樹でもある。大サボテン、サワーロ ( Saguaro ) が林立するソノラ砂漠には特に多く見られる。3月に木いっぱいに咲く黄色い花は豪華で大変美しい。生育が早いので庭木に植える人が多いが、幹や枝が柔らかく、しかも強風に裂けやすいので我が家の庭には植えられてない。
               
              ズアカカンムリウズラーさえずり
              ​霞がかった春の空に向かって思いっきりさえずるズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail ) 。

              ​秋から冬にかけ群れでグラウンドでエサ取りしていたズアカカンムリウズラが、3月に入るとオス、メスがカップルになってオスがメスをエスコートしながら仲良くエサ取りする姿が見られるようになる。高い木の枝先に登り、テリトリー宣言のため、のんびりした高い声で「ウアー」と鳴く。短い単調な鳴き声であるが、砂漠によーく響く春の音色でもある。俳句の季語に「春昼」(しゅんちゅう)という言葉があったのを思い出す。まさに明るくのどかな春の昼に、日に当たってズアカカンムリウズラの鳴き声を聞いてると眠くなってくる。
               
              ズアカカンムリウズラー飛ぶ姿
              ​テリトリー宣言が終わって、高い枝から飛び出し滑空するズアカカンムリウズラ ( Callipepla gambelii ) 。

              ​ズアカカンムリウズラは体長28センチと日本のコジュケイとほぼ同じ大きさで、翼が短くて丸い体をしており、しかもほとんどグラウンドを歩いたり走ったりしながらエサ取りするのでとても飛ぶ鳥には見えない。ところが、けっこう飛翔力が強く、危険が迫って驚いたりするとかなりの高さと距離を飛ぶことがある。メスがエサ取りしてる間、近くの高い木の枝で囀り、メスが見えなくなるとこうして滑空しながらグラウンドへ降りて行く。この姿は3月の春しか見られない珍しい姿である。
               
              Oregon Junco - Dark
              ​Dark-eyed Junco の一種ユキヒメドリ ( Oregon Junco, Dark Adult / Junco hyemalis oregonus ) 。

              ​北米で見られるユキヒメドリ(英名 :Junco ジャンコ)は大きく分けて、目が黒い英名 " Dark-eyed Junco " と目が黄色いメキシコユキヒメドリ ( Ywllow-eyed Junco / Junco phaeonotus ) の2種類である。メキシコユキヒメドリは南アリゾナのごく限られた一部の標高1800メートル以上の針葉樹林帯に生息しているが、私がフィールドにしているレモン山(2900メートル)では一年中見られる。一方、平地のソノラ砂漠のカタリナ州立公園で見られるのはユキヒメドリの Dark-eyed Junco のみで、しかも主に冬の短い期間グラウンドでエサ取りしているのを見れるだけで、春先には早々と北へ渡って行ってしまう。
               
              Oregon Junco - Pale
              正面から見ると大変かわいらしいユキヒメドリ ( Oregon Junco,Pale adult / Junco hyemalis oregonus )

              ​ユキヒメドリ ( Dark-eyed Junco ) は色、大きさ、繁殖地などによって違いがあるので、7種類もの亜種に分けられている。和名は「ユキヒメドリ」一つであるが、英名はそれぞれ異なる名称が付けられてる。冬の間、カタリナ州立公園でごく普通に見られる3種類を除いて、他の4種類は主にコロラド地域で見られる " White-winged Junco " ( Junco hyemalis aikei ) , アリゾナで少数見られる " Gray-headed Junco ( Junco hyemalis caniceps ), そして、やはりアリゾナのごく限られた所で見られる " Red-backed Junco " ( Junco hyemalis dorsalis ), まだ私が見ていない " Guadalupe Junco " ( Junco hyemalis insularis ) である。
               
              Slate-colored Junco
              グラウンドに落ちてる草の実を拾うユキヒメドリ ( Slate-colored Junco / Junco hyemalis hyemalis )

              ​ニューヨークやボストン地域の東側からカリフォルニアの西側まで、全米にわたって最もごく普通に見られる亜種で、全体的に灰色で頭と体のコントラストがあまりない。昔住んでいた雪が降り積もるニューヨークの我が家の庭のフィーダーにもよくやって来たごく身近な庭鳥でもあった。
               
              Pink-sided Junco
              ​ユキヒメドリ ( Pink-sided Junco / Junco hyemalis mearnsi )

              ​Oregon Junco とよく似ているが、青灰色のフードを被って脇腹はピンクに近い赤茶色をしているのが特徴。主に冬の間アリゾナのソノラ砂漠の砂地で、他の Junco の群れに混じってエサ取りしていることが多い。ユキヒメドリ7種類の亜種は1970年代初めに「アメリカ鳥学会」 ( The American Ornithologist's Union ) によって分類されたもので、分類学上いまだに最終結論がでていない未解決状態の亜種でもある。
               

              カタリナ州立公園 2017年春 その(3)

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                Sutherland Trail
                ​トレールの一つ " Sutherland Trail " の入り口。

                ​たくさんあるトレールの中でも、この " Sutherland Trail " は春先に私が好んで歩くトレールである。パーキングのソノラ砂漠は早い新緑が始まり、下草も緑色になって小さい野花が咲いている。カタリナ連山のレモン山(標高2900メートル)の登山道とつながってるトレールで、春は雪解け水が流れていて、早咲きの野花を楽しむことが出来る。
                 
                雪解けの水流
                ​トレールを標高1500メートルまで登ると、綺麗な雪解け水が流れている。

                ​乾いたソノラ砂漠のトレール入り口から1時間半の登り、水の流れる心地よい音が耳に入って来る。流れに手を入れると、雪解け水なので非常に冷たくて気持ち良い。今冬は麓のソノラ砂漠でも驚くほど雨が多く、山の積雪も例年より多かったので流れる水の量も豊富で勢いよく流れている。
                 
                Desert Dandelion
                春の早咲き花 " Desert Dandelion ( Malacothrix californica )

                ​タンポポのような、また菊のような面白い形をした野花である。まだ花が咲いてない一面茶色の3月初めのトレールで、一際美しいこの花を目にすると、久しぶりの出会いに心が和む。
                 
                Monkey Flower
                山から吹き下ろす冷たい風の中、小さいがひときわ明るい花 Common Monkey Flower ( Mimulus guttatus )

                ​この花は冷たい雪解け水が流れる小さな川の水辺に咲き、見方によって猿の顔に見えるらしく英名は " Monkey Flower " 。緑濃いこの葉を昔インディアンはサラダにして食べてたようだ。
                 
                Canyon Treefrog 1
                冷たい雪解け水の中でじっとしている Canyon Treefrog ( Hyla arenicolor )

                ​アマガエルの仲間、冬眠から目覚めたばかりで動作が非常に鈍く、川底でじっとしている。体の色が周りの小石に同化してカモフラージュされて、動かないとカエルが居ることすらまったく判らない。
                 
                Canyon Treefrog 2
                水中から這い上がって来た Canyon Treefrog 。

                ​水辺の大きな岩に腰をおろして観察していると、日中の陽射しで水も岩も温まったためか、岩をゆっくり登って来た。このカエルは南アリゾナには数多く居るが、夜行性のため日中はほとんど見ることが出来ない。しかし、春の「啓蟄」の頃は、こんなハプニングに出会えるのでトレール歩きも実に楽しい。
                 
                Buckeye Butterfly
                ​春一番に出て来るタテハモドキの仲間 Buckeye (バックアイ / Junonia coenia

                ​3月初めはまだ花が少ないので、蝶もほとんど見られない。バックアイは毎年春になると一番早く見られる美しい蝶である。久しぶり見る春の蝶の美しさは、まもなく来る待ちに待った本格t来な春の到来を感じ、大変気持ちを温かくしてくれる。

                カタリナ州立公園 2017年春 その(2)

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                  Canade del oro Wash
                  ​大きな " Wash " Canada del oro

                  ​" Wash " は大きな乾いた川底で、夏のモンスーン期の激しい雷雨があると、山から流れてくる雨水が鉄砲水となってたちまち溢れ一瞬の内に幅広い川となり、もちろん渡ることが出来なくなる。冬から春にかけての乾燥した時期は、ここでエサ取りする色々な鳥たちが多く集まるので、天気の良い日は最高のスポットとなる。
                   
                  Lark Sparrow 1
                  南アリゾナで一年中見られる留鳥のヒバリヒメドリ ( Lark Sparrow ) 。

                  ​道化師のようなまだら模様の顔をしてるのでフィールドでもよーく目立つ。長いさえずりは大変美しく、しばしば、飛びながら鳴くので英名 " Lark Sparrow " 、和名「ヒバリヒメドリ」と呼ばれている。
                   
                  Lark Sparrow 2
                  小さな草の種子を食べるヒバリヒメドリ ( Chondestes grammacus )

                  冬の間は小さな(4羽〜5羽)群れで動きまわっているが、春になると1羽ないしツガイで主に " Wash " のような拓けたグラウンドの砂地でエサ取りすることが多いので近くでじっくり観察できる。17センチと中型の鳥で、日本のホオジロと同じ大きさである。
                   
                  Lincolns Sparrow
                  早朝、低い灌木の枝先で日に当たるヒメウタスズメ ( Lincoln's Sparrow / Melospiza lincolnii ) 。

                  ​ヒメウタスズメはカナダの北からアラスカにかけての地域で繁殖し、越冬のために南アリゾナに下りてくるので、冬の間だけ見られる。大変臆病な鳥で、よく葉が茂ってゴチャゴチャした低い灌木の中で隠れるようにエサ取りするので少々見つけにくい。全米で見られるポピュラーな留鳥のウタスズメ ( Song Sparrow / Melospiza melodia ) とよく似ているので慣れないと見間違うことがある。
                   
                  White-crowned Sparrow 1
                  春一番に咲く " Red maids " の花の下でエサ取りするミヤマシトド ( White-crowned Sparrow )

                  ​ミヤマシトドもカナダの太平洋岸からアラスカにかけての北の地域で繁殖し、越冬のため南アリゾナに下りて来るので冬の間はこの公園でもしっかり見ることが出来る。よく似ているノドジロシトド ( White-throated Sparrow / Zonotrichia albicollis ) はニューヨークなど東側で多くみられるが、西側のアリゾナではほとんど見られない。
                   
                  White-crowned Sparrow 2
                  ​小さな種子のついた枯草をくわえるミヤマシトド ( Zonotrichia leucophrys )

                  日本ではミヤマシトドは迷鳥として記録がある珍しい鳥であるが、冬の南アリゾナはその数が多いのでごく普通に見られる。丸々とした体形で体長18センチと大きく、頭が白黒のストライプで派手なので遠くからでも見つけ易い。
                   
                  Rufous-winged Sparrow
                  南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないフタスジスズメモドキ ( Rufous-winged Sparrow / Aimophila carpalis )

                  ​北メキシコの一部、そして、北米では南アリゾナの限られた狭い地域でしか見られない珍しい砂漠種である。頭と肩の赤茶が特徴で、カタリナ州立公園では毎年何組かが営巣しており、わりと簡単にみられるので、春、夏にはこの鳥を目当てに全米から多くのバーダーたちがわざわざやって来る。
                   

                  カタリナ州立公園 2017年春 その(1)

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                    サワーロの林と雪山
                    ​巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) の林と雪山

                    ​カタリナ州立公園 ( Catalina State Park ) は南アリゾナ・ツーソン ( Tucson ) の町から26キロ北へ上がった所で、広さは 22,258 平方キロと大変大きい。1983年にアリゾナ州政府によって造られ、キャンピング施設、乗馬用トレール、数多くの自然探索トレールなどがあり、非常に質の高い公園である。私の家からはたった15分ほどで行けるので、年間で一番多く通う「マイフィールド」でもある。
                     
                    サワーロ2本と山
                    ​2月のカタリナ州立公園、サワーロサボテン越しに雪を被ったレモン山を見る。

                    ​ソノラ砂漠にあるカタリナ州立公園はサンタカタリナ山脈 ( Santa Catalina Mountains ) の麓に位置し、群生しているサワーロサボテンやアリゾナの州の樹であるマメ科の棘がある低木パロベルデ( Palo Verde ) 、メスキート林 ( Mesquit ) 、アメリカスズカケノキ ( Sycamore ) そしてオークの林などが保護されている。その変化に富んでる豊かな自然はソノラ砂漠の多くの鳥を見るのに最適な場所で、年間174種類も見ることが出来る。
                     
                    ムジトウヒチョウ歩く姿
                    トレールを歩く足元でエサ取りするムジトウヒチョウ ( Canyon Towhee ) 。

                    ​ムジトウヒチョウはソノラ砂漠では一年中見られるごく普通の鳥である。グラウンドで歩くというよりホップしながらエサ取りすることが多いので見つけやすい。低木にまだ葉が茂ってない冬(12月、1月)はグラウンドに下りたり枝へ上がったりする姿もよく見れるのでゆっくり観察することが出来る。
                     
                    ムジトウヒチョウ虫を捕える
                    小さな蜂を捕えたムジトウヒチョウ ( Pipilo fuscus ) 。

                    この鳥は昔、" Brown Towhee " と呼ばれていたが、現在はムジトウヒチョウとよく似ているカリフォルニア州でしか見られない " California Towhee " が別種に分けられたので、名称が " Canyon Towhee " となった。体長23センチで日本のツグミより少し小さい。頭と尻の赤茶が日に当たると目立つが、その他は全身灰色の地味な鳥である。
                     
                    Chipping Sparrow
                    小さな草の実を食べるチャガシラヒメドリ ( Chipping Sparrow / Spizella passerina ) 。

                    ​全米のほとんどの地域で見られるポピュラーな鳥であるが、カタリナ州立公園では主に冬の間しか見られない。砂漠、草原、松やオークの森など・・・と生息範囲が大変広い。体長14センチ、日本のヤマガラぐらいしかない小さなヒメドリである。
                     
                    House Finchi
                    春が間近になると赤い色が鮮やかで美しいメキシコマシコ ( House Finch / Carpodacus mexicanus ) 。

                    ​日本のベニマシコ ( Uragus sibiricus ) と同じ大きさで、全米どこでも見られ、だれでも知ってるポピュラーな鳥である。昔は Linnet (ヨーロッパでごく普通に見られるムネアカヒワ)と呼ばれていた。理由は、1940年代、ニューヨークのロングアイランドにヨーロッパから持ち込まれた飼い鳥が籠脱けしてその後野生化したもので、今では ABA ( American Birding Association ) の公式リストにあげられてる米国種である。南アリゾナでは朝晩零度近くまで気温が下がる寒い日が何日間かあるが、暖かい南へ移動をしないので一年中生息している。

                    庭の花に集まるハミングバード その2

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                      コスタハチドリとペンストムの花
                      ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) の蜜を舐めるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) メス。

                      南アリゾナの本格的な冬は12月末頃から1月いっぱいと大変短いので、ペンステモンのような早咲きの花は2月の中旬には咲き始める。蜜の出る花が少ない冬の間はフィーダーの砂糖水に頼っていたコスタハチドリも、ピンク色のペンステモンの花が咲き出すと、だんだんフィーダーに来る回数が少なくなってくる。
                       
                      コスタハチドリ正面
                      ​枝先で侵入者を見張っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) オス。

                      ​コスタハチドリは体長9センチの小さなハミングバードであるが、陽の光に当たると首のまわりの大きな長いジョーゼットが紫色に光って大変美しい。コスタハチドリは非常に縄張り意識が強く、いつも木の梢や枝先の見晴らしの良い所に止まって、庭に入って来る他のハミングバードをチェックしている。侵入者が花蜜を求めて庭に入って来ると、素早く見つけて徹底的に追い回し、時にはホバリングしながら見合って長い嘴をカチカチとぶっつけ合うこともある。小さいくせに、とにかく気性が激しく、見ていてもすごい迫力ある戦いを繰り広げることがある。
                       
                      コスタハチドリ滝の水飲み
                      滝の流れる水を上手に舌で舐めるコスタハチドリのメス。

                      ​ハミングバードは花蜜を舐めるので喉が乾くのだろうか・・・?ちょくちょく水を飲みにやって来る。通常、鳥たちはポットの淵に止まって溜まってる水を飲むが、ハミングバードは流れる水が好きで、ホバリングしながら嘴の’先を流れてる水につけて、長い舌で実に器用に舐める。
                       
                      コスタハチドリ滝の水浴び
                      ​滝の水に顔を擦りつけて水浴びするコスタハチドリのメス。

                      ​ハミングバードは長い嘴を花の奥に入れて蜜を舐めるので、嘴のまわりや顔に花粉が付いて黄色くなっていることが多い。そのため、ちょくちょく顔を水に擦りつけることがあり、特に5月・6月の乾燥している「ドライサマー」時にはよく見られる。
                       
                      フィーダーのノドグロハチドリ 1
                      ​フィーダーの砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) のオス。

                      ​ノドグロハチドリは北米ではテキサス州から西側でしか見られないハミングバードである。冬は中南米で過ごす渡り鳥なので、庭で見られるのは春、秋の渡りの時が多く、しかも、フィーダーに来る姿を見るのがほとんどである。しかし、近年、温暖化のせいで、中南米へ降りて行かずに南アリゾナで越冬する個体もおり、1月末の寒い「大寒」の頃でも庭で見られる。庭にはハミングバード用のフィーダーが3個掛けてある。ハミングバードは非常にテリトリー意識が強いので、3個を近づけて並べて掛けると、1羽が全部を占領してしまって色々な種類が見れなくなる。そのため我が家では、庭の正面と家の両側にそれぞれ離して1個づつ掛けてある。これだと庭木と小灌木に隠れてお互いが見えないため、数多くのハミングバードを呼ぶことが出来るようになった。
                       
                      フィーダーのノドグロハチドリ 2
                      蜜蜂が足元に来たので驚くノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) 。

                      ​ノドグロハチドリは遠くで見ると喉が黒くて地味であるが、明るい光の中でしかも近くで見ると、黒い喉の下の小さな美しい紫色のバンドが光って見える。庭ではほとんどフィーダーの砂糖水を舐めてる姿が多いが、時々空中を飛んでいる虫をフライングキャッチもすることがある。
                       
                      庭のポーチ
                      ​庭に面してるポーチのガラス窓やガラスドアーはすべてスクリーンがはめ込まれている。

                      ​私にとって庭のポーチは、庭に来る鳥たちや蝶などを驚かさずに、ゆっくり観察したり写真を撮ったりするのに非常に役立つ重要な場所である。しかし、アリゾナは一年のほとんどが青空の毎日で、太陽の光がさんさんとふりそそぐリゾート地なので、ほとんどの家は窓が大きく、しかも窓ガラスには紫外線除けのフィルムが入っている。そのため、庭の木や青空などがガラスに映ってしまい、特にテリトリー意識が強いハミングバードが侵入者を追い回してガラスに激突する事故が多い。我が家ではそれを防ぐため、すべての窓ガラス、ガラス戸にはスクリーンが付けてある。そのおかげで、これを付けてからバードストライクは皆無となった。


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