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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その3)

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    巣立ち直前のコスタハチドリ雛
    巣立ち間近の雛、翼が長くて大きく目もしっかり開いて、警戒しながらこちらを見てる。


    コスタハチドリの雛は非常に乾燥してる所で育つ。そのため営巣時期が2月から4月の「乾燥期」で湿度が3%から10%ぐらいと大変乾いてるので巣や雛に虫があまり付かないらしい。そのためか、他の種の親鳥は通常ヒナにエサを与えて巣から離れる時に、雛の糞をくわえて巣の外へ捨てるが、ハミングバードは雌親が糞をそのままにしておくので巣の周りは糞だらけ・・・となる。しかし、非常に乾燥してるので糞もすぐ乾いてしまい、巣材の補強の役割を果たしてるようだ。
     

    巣立ち直後のコスタハチドリ雛
    巣を離れたばかりの巣立ち雛


    卵から孵化して20日目4月21日早朝、まず一羽が巣を離れ隣の枯れ枝に移った。枝につかまるのが精いっぱい、まだ体力が弱いのか、すぐ疲れてうつらうつら眠ってしまう。この時が外敵に狙われやすい一番危ない時でもある。
     

    メス親からエサもらう雛
    巣立ちしたばかりの雛がメス親から最初のエサをもらう。


    雌親は巣を離れたばかりの雛とコール(地鳴き)し合いながら居場所を確認し、エサを与えている。エサは花蜜と小さな虫を混ぜて
    雛に流し込んでる。
     

    巣立ちした2羽の雛
    後発の雛も巣から離れて同じ枝に移り、2羽横に並んでボヤーと私を見つめている。


    まだ巣立ちしたばかりの雛であるが、オス、メスの特徴がよく出ている。右側の雛は喉からジョーゼット(まだ小さい)にかけてくっきりした黒い縞模様がみられ、中央に小さく紋章のようなボッチがあるのでオスと思われる。左側の雛は喉の白い部分が多いので雌であろう。
     

    枝に止まるコスタハチドリ雛

    オスの雛が枝移りしたので一羽だけとなった雌の雛、まだ警戒心が薄く、少々近づいても「何だろう?」と横目でこちらを見るだけで動こうともしない。


    ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その2)

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      孵化後の黒いコスタハチドリの雛
      孵化したばかりのコスタハチドリの雛

      卵が産まれてから15日目の3月31日朝、雛が生まれた。全身真っ黒で羽がまだ生えておらず、巣の底にべったりへばりついてるのでどちらが頭でどこが尾か?・・さっぱり判らない。辛うじて翼の軸になる白いすじが見えるので「鳥」だと納得するぐらいである。
       
      目が開いてないコスタハチドリの雛
      生まれて一週間目の雛

      一週間たってもまだ翅は生えてなく目も開いてないが、「雛」と判る形をしてきた。コスタハチドリは体長が7.6センチから8.9センチと大変小さく、北米では2番目に小さい鳥である。
       
      口を開けて上を見るコスタハチドリ雛
      上を向いて大きな口を開け、雌親がエサを持って戻って来るのをひたすら待つ雛2羽

      コスタハチドリは主に南アリゾナと南カリフォルニアの砂漠に生息するハミングバードであるが、時々アラスカやカナダで見られることもあり不思議がられてる。営巣が終わると、砂漠は暑くなるので樫や低木林が茂る涼しい渓谷 ( Cnyon ) へ移る。大きく育って親離れした雛だけが庭に残り、エサ場のテリトリー争いで若鳥同士が凄いバトルを早朝から繰り広げていた。
       
      目を開けて見るコスタハチドリ雛
      生まれて2週間が経つと、目も開いてボヤーとこちらを見ている。

      コスタハチドリの英名 " Costa " はフランスの貴族の名前からとったもの。アンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) と共に南アリゾナではごく普通に見られる最もポピュラーなハミングバードである。そのためかアンナハチドリとの Hybrids (交配種) はよく知られている。
       
      巣からはみ出るコスタハチドリ雛
      一段と体が大きくなって巣からはみ出そうである。まだ警戒心は薄く、顔を近づけても特別こちらを向くわけもなくじっとしている。

      ハミングバード(コスタハチドリ)のヒナ誕生 2018年春 (その1)

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        ポットの花コスタハチドリ
        暖かい朝日が花のポットと壁に当たって、コスタハチドリの雌 ( Costa's Hummingbird / Calypte costae ) は体を膨らませ気持ち良さそうにじっとしている。

        2月中旬のソノラ砂漠の早朝は、寒くて気温が零度近くまで下がる日がある。朝早く家の壁が朝日で温まることをコスタハチドリの雌はよく知っているのか?、毎朝温まった壁の前のポットに止まってじっとしていることが多い。それでも、コスタハチドリは比較的他のハミングバードと比べ低温に強いので、2月に入ると早くも繁殖期となって巣作りを開始する。
         
        指とコスタハチドリの巣
        私の指が大変大きく見えるコスタハチドリの小さな巣。

        我が家の庭は、今年アンナハチドリとコスタハチドリ2種類のハミングバード(ハチドリ)が巣を作ってくれた。巣材は植物の繊維、小さい草木の枝、葉、花、鳥の羽などで、それらをクモの巣の糸で結び付けてる。巣の大きさは直径5センチ、高さ3.5センチと大変小さい。蜘蛛の糸を嘴だけで編み上げる技量は大したものだ。誰に教わるわけでもなく、「本能の力」と思われるが、素晴らしくただ驚くだけである。蜘蛛の巣はハミングバードや色々な鳥たちにとって巣を作る上で貴重な材料なので、庭にある蜘蛛の巣は出来る限り取らずにそのまま置いておくことにしてる。
         
        巣に座るコスタハチドリ雌
        巣に座り始めたコスタハチドリの雌

        巣の位置は地上から1メートル60センチほどで私の目の高さより低い。メスは非常に寛容で、肉眼ではっきり見えるぐらい近づいても巣から飛び出さずじっとしている。
         
        風景コスタハチドリ巣場所
        フロントヤード(家の前庭)の小灌木ホップブッシュの真ん中に巣は作られてる。

        巣が造られた場所は家の前庭で、人の出入りが少なく天敵の動物も滅多に来ない比較的安全な所である。巣の前20メートルの所には歩道と車道があるが、一般道路ではなく私道なので人の歩きや車の行き交いが少ない静かな場所である。巣がある木の後の塀の向こう側は裏庭で、花蜜の豊富な花がたくさん咲いており、砂糖水のフィーダーと水場もあるので、ハミングバードの子育ての環境としては一等地と思われる。
         
        コスタハチドリの卵
        メスが巣に座り始めて3日後、白い無地の卵が見られた。

        3月19日朝、2個の卵を確認できた。卵は楕円形でサイズは長さ12.4ミリ、横幅8.2ミリの小ささであった。卵の周りは柔らかい鳥の羽で包まれていて、卵は砂漠の春先の低温から守られている。

        暑中お見舞い 2018年夏

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          Mexican Silene
          標高2000メートルの山の松林に咲く Mexican Silene ( Silene laciniata )

          暑中お見舞い申し上げます。
          南アリゾナソノラ砂漠も夏の真っ盛りです。40度近い気温と湿度40%から50%の日が続き、10%以下のカラカラ天気に慣れてる体には堪えます。砂漠の夏ですからすごい猛暑を想像されるでしょうが、真夏の6月下旬から9月中旬ぐらいまでは「モンスーン期」と呼ばれ、毎日午後には激しいスコールに見舞われますので助かります。乾燥しきった砂漠に降る雷雨は,樹木、草花、生き物にとってはまさに「恵みの雨」で,花が咲き木々の緑も濃くなって多くの鳥たちは2回目の繁殖をしますので「第2の春」とも呼ばれます。真夏の私のフィールド歩きも涼しい山林へ移ります。標高3000メートル近い山には松林、アスペンの林、すずかけの木があり、苔が生える暗い渓流沿いには赤い花が咲いており、松の匂いを嗅ぎ水の流れる音を聞きながら眺めてますと心が和みます
           
          Queen of the Night
          Desert Night-Blooming Cereus ( Peniocereus gregii ) 別名 " Arizona Queen of the Night "


          砂漠の夏の花、一夜だけしか咲かないサボテンの花、しかも「今夜咲くのか?」はその日の朝でないと判らないので見るのに大変苦労する花でもある。ライトに照らされて浮かび上がる11.5センチの大きな花は豪華で品があり、まさに愛称「アリゾナ・夜の女王」である。花は甘い良い香りがして花蜜がたくさん出るのでミツバチが大変好む。
           
          Painted Redstert
          南アリゾナの夏の山林の鳥、カタジロアメリカムシクイ ( Painted Redstart / Myioborus pictus ) 尾を広げ幹を踊るように歩く姿が大変美しい。
           
          Rivolis Hummingbird
          夏のフィーダーの花形、アオノドハチドリ ( Rivoli's Hummingbird / Eugenes fuigen's )

          旧英名 " Magnificent Hummingbird "、 山の渓谷 ( Canyon ) で見られるハミングバードで、フィーダーの砂糖水を好み、持参したフィーダーを木の枝に吊るすと、何処からともなく直ぐ飛んできて砂糖水を舐め始めた。林の中では全身黒にしか見えないが、夏の強い日差しが当たると、頭の紫色と喉の青い色が金属光沢してハッとするほど美しい。
           
          Grand Western Cicada
          砂漠で唯一のセミ(シカーダ、Grand Western Cicada / Tibicen dorsata )

          南アリゾナソノラ砂漠にも一種類セミがおり、モンスーン期に入ると盛んに鳴き出す。体長4センチと大きくないが、声は良く聞こえてもなかなか姿を見ることが出来ない。日本のアブラゼミのように常時鳴き続けることはなく、突然大きな甲高いしかも一本調子で「ジー’’’」と短く鳴くが居場所を見つけるだけでも苦労する。
           
          Round Tailed Horned Lizard
          モンスーン期に入ると庭に現れ、蟻をたくさん食べてくれるサバクツノトカゲ ( Round Tailed Horned Lizard / Phruynosoma modestu )

          体長6センチと大変小さく丸くて亀のような形をしているが、これでも立派なトカゲである。英名 " Horned Lizard " は「角があるトカゲ」という意味で、頭の後ろに短い角の形をした鱗が8本ある。体全体が白っぽい灰色で砂漠の土と同じ色なのでカモフラージュされていてフィールドではなかなか見つけにくい。庭でガーデニングをしている時はグラウンドに両膝をつけて這いつくばって作業をすることが多いので偶に見つけるチャンスがある。主食は蟻で、大きな石の上で小石に見えるようなポーズをとり、背中を丸め猫背にして蟻が登って来るのをじっと待ち、近づくと舌を出してパクリ・・と食べてしまう。

          ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その5)最終

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            雌親に甘える雛
            雛は腹が膨れると雌親に甘えるしぐさをする。
            上を見つめる雛
            上をじっと見つめて懸命に雌親を探す雛
            嘴を付け合う雛と雌親
            背中の玉虫色の青銅色が美しい雌親

            ハミングバードは巣作りから抱卵、子育て全てメス親だけで行う、オスは一切協力しない、所謂「シングルマザー」なのである。メスが巣作りを始めるとオスは巣の周りから姿を消し、庭では全く見られなくなった。
             
            雛にエサを与える雌親
            黄色い花粉がべったりついてる嘴を雛の口の中へ入れエサを与えている。
            枝から落ちそうな雌親
            エサをもらう雛が「もっとくれ!」と言わんばかりに嘴を離さない。雌親は枝から落ちそうになり慌てて翼を広げバタバタする姿を見てて思わず笑ってしまった。
             
            雛にエサを与える雌親
            広い砂漠のフィールドではほとんど見ることが出来ない雌親のエサ渡しの姿であるが、今年は庭で子育てをしてくれたので、しっかり観察することが出来た。
             
            ホバリングしながらエサ渡し1
            雌親はホバリング(空中停止)しながら雛にエサを与える。ハミングバードが得意とする業である。
            ホバリングしながらエサ渡し2
            雌親の曲芸的なエサ渡し

            ハミングバードは飛ぶことが大変上手である。尾で舵を取りながら上下、左右、前方、後方、そして宙返りなど自由自在に飛ぶことが出来る。エサ取り方法はホバリングしながら花に長い嘴を差し込んで花蜜を舐める。この時の翼の羽ばたきは八の字を描きながら一秒間に80回以上と、目に留まらぬ速さである。
             
            雛の後ろでホバリングする雌親
            メス親はじっとして動こうとしない雛の周りをホバリングしながらぐるぐる回る。まるで「じっとしてないで、飛ぶ練習をしなさい・・・」と𠮟咤激励しているようである。
             
            羽ばたく雛
            雛はまず翼を広げてゆっくり羽ばたく練習から始めている。そして、もう一段遠くへ飛ぼうと試みる。

            ほとんどのハミングバードは冬になると中南米へ渡りをするが、アンナハチドリの多くは営巣が終わると一時的に西側のカリフォルニアへ移動し、夏の終わりごろにまた南アリゾナに戻って来る。
             
            チュパロサに止まる雛
            巣立ちした雛は夕方には飛ぶ距離を少し延ばして、花蜜が良く出るチュパロサまで来た。

            巣立ちして10日もたつと、雛は自分で花蜜を舐めようと努力し始める。まだ、花の前でホバリングする「力」が弱いので、細い茎に止まったまま花に嘴を入れ花蜜を舐める。アンナハチドリの平均寿命は8.5年(飼育下だと15年)で、小さい体としては長生きをする。

            ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その4)

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              コスタハチドリ雛初飛び
              巣から隣りの木へ、いよいよ雛の巣立ちの初飛行

              孵化してから20日目の4月18日朝、2羽のうち1羽が巣の淵に上がって2メートル横隣りの小灌木へ初めての飛行をした。「飛ぶ」と言うよりも、高い巣から低い枝へ小さな翼をバタバタさせながら落ちて行く・・・といった感じである。多くの小鳥たちは親が雛を誘導しながら巣立ちさせるが、ハミングバードは雌親がエサ取りで留守の間、雛は自分で決め、勇気を奮って「エイヤ!」といった感じで初飛びをしたように思えた。
               
              初めて枝につかまるコスタ雛
              巣から飛び降りやっと枝につかまる雛

              初飛びを決行したのは良いが、「枝に止まる」という動作は彼らにとってその次にやらなくてはならない難しい行動である。何しろ、体に触れた木の枝ならどれでもよいらしく、手当たり次第に足でつかむ・・・といった感じであった。
               
              こちらを見るコスタ雛
              枝につかまってやっと体勢を立て直すことが出来た。

              雛はバタバタしながらも枝にしっかりつかまって揺れる体を抑えることが出来た。一段落したところで周りを見渡し私の存在に気が付いたらしく、本能的に少し警戒をした顔でこちらを見ていた。
               
              雛の周りを飛ぶコスタ親
              雌親は暫くの間巣から離れた雛を探していたが、やっと細い枝にじっとしてる雛を見つけた。

              巣から出た雛を雌親はコール(地鳴き)しながら探す。雛はそれに返答するかのごとくコールするのであまり苦労せずに見つけることが出来た。巣を離れた雛と巣に残っているもう一羽の雛の2か所へのエサ運びは「シングルマザー}のメス親にとってますます忙しくなる。
               
              雛に近づくコスタ親
              雛は雌親が近づくと,鋭いきしるような声で「ジリジリ・・・」とコール(地鳴き)しながら自分の居場所を親に知らせる。
               
              嘴を付け合うコスタ雛と親
              細くて長い嘴を雛の嘴の先にくっつけて水を飲ませている。
              雛にエサ与えるコスタ親
              雛の口の中へ長い嘴を深く入れて花の蜜に小さい虫、そして水を混ぜて流し込んでいる。
              雛から離れるコスタ親
              巣立ちした雛へのエサ与えが終わると、巣に残っているもう一羽の雛へエサを与えるために飛んで行く。均等に2羽の雛にエサを与えなくてはならないので「シングルマザー」は忙しい。

              ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その3)

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                アンナハチドリの雄
                頭と喉、ジョーゼットが美しいアンナハチドリの雄

                アンナハチドリ雄のメタリックな深紅色はハッとするほど美しいが、陽に直接当たるか、興奮している時でないと輝かず、暗い日や日陰を飛んでる時は黒い色にしか見えない。雄のコートシップ(求愛行動)は猛烈で、40メートルも空中高く急上昇して、時速27メートルの凄い勢いで急降下する。最後は尾羽の外側を広げて「ジージージー)という大きな機械音を出す
                 
                滝で水浴びアンナハチドリ雌
                滝の流れ落ちる水をホバリングしながら体に浴びる雌親

                ハミングバードの水浴びは、飲み水と同じく流れている水でないとダメ。ホバリング(空中停止)しながら少しづつ流れる水に近づき、しぶきを翼や体に浴びる。陽が当たって暑く成った巣の雛を濡れた体で冷やすために、雌親は体全体に水を浴びて直ぐ巣に戻って行く。日中の気温が30度を超すと、巣と滝の間を行ったり来たり何回も繰り返していた。
                 
                巣に座る雌親
                雌親は翼を広げて直射日光から雛を守る

                4月中旬を過ぎると日中の陽射しは大変強く、気温も30度を超す日が多い。雌親はボディーと翼に水をたっぷり浴びて巣に戻り、翼を大きく広げて巣の上から被さって、強い日の光と高温から雛たちを守っている。
                 
                巣のアンナハチドリ雛1
                翼、頭の羽が生えそろい、目もしっかり開けて上を向いてる2羽の雛

                アンナハチドリの雄はハミングバードの仲間ではめずらしくさえずりをする。声は良くないがギシギシした甲高い声で「ジージー」と鳴く。しかし、雄は巣作りはもちろん、抱卵、雛へのエサ与えなど子育てに関しては一切協力しない。雌が巣作りを始めると、その周りから姿を消し、別のメスを追い求める。
                 
                巣のアンナハチドリ雛2
                左側の大きな雛はアンナハチドリメスの特徴である喉のジョーゼットの小さい部分が既にポチンと見られる。また、右側の雛の喉は既に白黒の縞模様が見られるので多分オスと思われる。
                 
                巣の全体像
                雌親が雛にエサを与える時、必ず好きなスポットの枝に止まる。その枝先から、私も巣の雛たちを見てみた。

                4月は午後になると北西の強い風が吹く日が多い。時々風速80キロの突風が吹くこともあり、巣のある小灌木は大きく揺れて、巣がかなり斜めになるので雛が巣から落ちるのでは?・・・とハラハラさせられる。こんな時メス親は巣に座っておることが出来ず、近くの揺れの少ない木へ移動して、じっと風が弱まるのを待ちながら雛たちを見守っている。雛たちは姿勢を低くしてペチャンコに伏せ巣にうずもれる格好で巣から落ちないよう踏ん張っている。夜中に強風が吹く音で目が覚めることがあるが、雛たちは大丈夫かな?…と心配で眠れないこともある。

                ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その2)

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                  卵2個アンナハチドリ
                  巣に雌が座りだしてから3日目、2個の卵を確認

                  3月21日雌親がエサ取りで巣を留守にしている間、失敬して産まれたばかりの卵2個を撮影。斑点模様などが全くない真っ白な卵である。楕円形をした卵は縦1.27センチ、横0.76センチの小ささであった。
                   
                  雛の誕生
                  卵が割れて中からヒナが現れる

                  卵から出たての雛は全く毛が生えておらず、体の色は茶色である。しかし、半日も経つと体の色は全身黒く変色した。卵の手前の黒い物体は先に生まれた雛で、すでに体色は全身が黒く変わっている。
                   
                  アンナハチドリの雛
                  巣の底にべったりへばりついてる2羽の雛

                  卵から出てきて4日目、翼の翅の白い軸になる部分が見られる。まだ翅らしきものは生えておらず、目も開いていない。巣の中で足を延ばすことも出来ないので、巣の底でペチャンコになっている。
                   
                  アンナハチドリの雛2
                  孵化後10日目、やっと顔と嘴が上に向いて巣から出ているのが分かる

                  雛はハミングバードにしては大変嘴が短い。雌親がエサを与えやすいような形をしているのである。しかし、独り立ちする頃には、花の奥深く嘴を差し込めるよう親と同じ細く長い形になる
                   
                  花蜜を舐めるアンナハチドリ
                  雌親はサルビア ( Salvia ) の花に長い嘴を入れて花蜜を集め、喉の奥の袋に貯める

                  庭にはハミングバードの好きな花が咲く Desert Willow の木、サルビア、チュパロサ ( Chuparosa ), ハニーサックル ( Honeysuckle ), バイオレットセイジ ( Sage ), レッドジャスティシア ( Justicia ) などいろいろな種類の植物が植えられてるが、特に花蜜が濃い赤いサルビアの Red Velvet を好み、雛に与える時は花の蜜に虫を混ぜて水と一緒に与えている。
                   
                  空高く飛ぶアンナハチドリ
                  空中高く舞い上がり、飛んでる虫を長い嘴を開いて捕える

                  多くのハミングバードの主なるエサは花蜜であるが、アンナハチドリは虫や蜘蛛類が多く、時には蜘蛛の巣に引っかかってる虫を引っ張って捕ることもある。虫の中でも、雛に与えるエサは主にユスリカやヨコバエで、何と一日に2000匹以上捕るようだ。
                   
                  滝の水を舐めるアンナハチドリ
                  鳥や動物の水飲み場用の滝、流れる水を長い舌で舐めている雌親

                  ハミングバードは溜まってる水はあまり好まず、水を飲む時や水浴びをする時も流れる水を好む。繁殖期には雌親は水を一旦喉の袋に入れて雛に与えている。雛を育てる間は通常よりも花蜜、虫などを捕る量が多くなるためか、いつもより頻繫にやって来る。

                  ハミングバード(アンナハチドリ)の子育て 2018年春(その1)

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                    フィーダーに止まるアンナハチドリ
                    フィーダーに止って休むアンナハチドリ ( Anna's Hummingbird ) 雌

                    アンナハチドリは20世紀初め頃まで、メキシコのバハカリフォルニア半島と南カリフォルニアの太平洋沿岸にしか生息していなかった。近年になって北はカナダそして内陸の南アリゾナまで生息地域を広げ、数も増えてきている。特に町の公園や郊外の住宅街に外国種の観賞植物を植えたり、ハミングバード用のフィーダーを掛ける所が増え、しかもアンナハチドリの外来植物の花蜜やフィーダーの砂糖水への適用性が高いこともあって、今では南アリゾナでも一年間見られ、毎日の生活でも大変身近な庭の鳥の一種となった。
                     
                    砂糖水を舐めるアンナハチドリ
                    吸い口に長い嘴を入れ長い舌でフィーダーの砂糖水を舐めるアンナハチドリ ( Calypte anna ) の雌

                    英名 " Anna's " の由来は19世紀のイタリア侯爵夫人の名前。ハミングバードは蜜を吸うことが出来ないので、長い嘴を花やフィーダーの吸い口に差し込んで、長い舌の先にある薄い膜で蜜を捉えて舐める。舐める速さは大変早く、一秒間に13回という早業である。
                     
                    アンナハチドリの巣作り
                    アンナハチドリの雌が綿のような植物の繊維と蜘蛛の糸を混ぜて巣作りをする。

                    3月10日、アンナハチドリの雌が巣材を運んで巣作りを始めたのを確認。巣の周りの淵を作る時は、こうして座ってぐるぐる回りながら作っていく。巣の高さは3センチほどしかない小さなものであるが、一週間で完成させる。
                     
                    アンナハチドリの巣作り2
                    丁寧に嘴で巣の外側を抑え込んでいく

                    巣作りは雌だけで行い、雄は一切協力しない。木の繊維、鳥の羽毛、動物の毛、小さい枝の欠片、時にはペンキの剝がれた欠片や煙草の紙などを蜘蛛の糸でくっつけていく。巣は地面から2メートルほどの高さで、直径5センチの楕円形をしている。苔の生えた枝のこぶのように見えるので、よくカモフラージュされている。
                     
                    巣から飛び立つ姿
                    誰も手助けしてくれない巣作り、朝から夕方まで何回も巣材集めに巣から飛び出しては戻ってくる忙しい一日である。
                     
                    寝室の窓と巣の木
                    巣は寝室の窓の前の小さな灌木 ( Butterfly Bush ) に作られた。赤い矢印が巣の場所。

                    春のこの時期は気候も素晴らしいので、巣のすぐ右側のポーチで朝のコーヒーを飲んだり、昼食を取ったり、夕方には友人たちとワインを飲んだりするのでガヤガヤと騒々しい所であるが、アンナハチドリは一向に気にすることなく、巣作りに励んでいた。
                     
                    上から見る出来上がった巣
                    雑だがほぼ巣は出来上がった。しかし、卵はまだ見られない。
                    巣に座るアンナハチドリ
                    3月19日アンナハチドリの雌は卵を産むため巣に座り始めた

                    ハミングバードは世界で最も小さい鳥のグループで、体長は7.5センチから13センチ程度(アンナハチドリは10センチ)、重さも2グラムから20グラムほどしかない。新世界(アメリカ大陸)のみに生息する鳥で、341種類おり、その内北米で見られるのは21種類である。翼を羽ばたいてる時に「ブーン、ブーン・・・・」と蜂に似た羽音を出すので和名は「ハチドリ」、そして、人がハミングするような音なので英名は「ハミングバード ( Hummingbird ) 」と呼ばれる。

                    庭で生れた野ウサギ 2018年春 (下)

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                      靴に寄り添うワタオウサギの子
                      靴にピッタリ寄り添うサバクワタオウサギの子

                      まだ外敵の恐ろしさを知らない子ウサギ、写真を撮る私の足元に寄りかかって眠っている。巣立ち直前の子ウサギは体も大きくなって巣穴が小さすぎるのか、居心地が悪いらしく巣の外へ出たがって歩き回る。
                       
                      手に登るワタオウサギの子
                      両手を差し伸べると、すぐ手のひらにのって来る子ウサギたち

                      庭の作業用の手袋をはめた手をひろげると、匂いを嗅ぎながら登って来る。サバクワタオウサギは多産で、生まれて3ヶ月も経つと繫殖を始め、1回に2匹から4匹を産み、しかも一年中繁殖を続ける。子ウサギの生まれて一年間の生存率が非常に低いために、たくさん産まないと子孫を残すことが出来ないのだろう。
                       
                      手のひらで眠るワタオウサギの子2匹
                      手のひらの温もりを楽しむ子ウサギ

                      毛がまだ完全に生えてない子ウサギにとって、大きく開けた巣穴では北風が吹く早朝は寒いらしく、手のひらで丸く包んでやると直ぐ眠ってしまう。
                       
                      手のひらで眠る子ウサギ一匹
                      一番体の大きな兄き格の子ウサギも手のひらに載って来る

                      ワタオウサギは日中はあまり活動的でなく、早朝や夕方に活発に動き回る。また、風の強い日にはエサ探しをすることはまれである。それは彼らの敵が近づいてくる音や気配を聞き取る能力が鈍るからである。
                       
                      ワタオウサギの巣と子ウサギ
                      巣立ちして庭を出て行く前日、巣に収まらないぐらい大きくなった子ウサギたち

                      この写真を撮った翌日、まだ私が寝ている夜明け前に子ウサギたちは巣穴を離れ雌親と一緒に庭から出て行った。ワタオウサギは捕食動物から身を守る方法は持っておらず、非常に良い目と良い耳そして素早い逃げ足しかない。そのため生まれて一年間の死亡率は特に高く、3匹生まれても生き残れるのはラッキーで一匹だけと言われている。
                       
                      サバクワタオウサギの親
                      庭の欄干をくぐって保護区へ出て行った雌親

                      ボディサイズの14%にもなる大きな耳は、敵の気配を素早く察知するのに役立つばかりでなく、極暑の砂漠で生きるための体温調整にも役立っている。彼らは危険が迫るとフリーズしてじっとしている。危険が去ったと思うと猛烈な勢いでジグザグに飛びながら時速30キロ以上で走り去る。面白いことに、自分より小さい生き物に対しては花で小突いて前足でピタッとパンチを食わせることもある。


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