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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

カタリナ州立公園 2017年春 その(5)

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    Birding Trail
    ​春の使者 " Songbird " たちが戻って来て賑やかになった " Birding Trail "

    ​3月も中旬が過ぎて「春分」近くになると、新緑が目につき " Songbird " (ソングバード)と呼ばれる歌のうまい春を告げる渡り鳥アメリカムシクイ ( Wood Warbler ) たちが中南米から戻って来る。そして私のカタリナ州立公園通いが忙しくなってくる。    " Birding Trail " は前が拓けた大きな " Wash " があり、背後は雑木と岩の斜面林となっているので、春の鳥たちにとっては素晴らしいエサ取り場となる。トレールからちょっと外れた林に入ると、半分枯れてる下草に悩まされる。草の丈がくるぶしまでかかり、しかも草の先が棘のように尖ってるので、これが靴下に着いたり靴の中へ入ったりすると非常に痛いのには参る。
     
    ベルモズモドキ
    " Songbird " と呼ばれる春の渡り鳥の内、一番早く公園に現れるベルモズモドキ ( Bell's Vireo / Vireo bellii )

    ​色が地味で特別特徴のない小さな鳥であるが、テリトリー意識が大変強く、短く単調な鳴き声で「ジュジュジュ・・」と一日中囀ってる。縄張りの境界は厳格で、オス同士が出会うと激しく争う。葉が密に茂ってる低灌木の中で囀ることが多く、落ち着きなく一声、二声囀るとすぐ枝移りするので、大きな鳴き声は聞こえるものの、双眼鏡で姿を捉えるのが難しい。
     
    Plumbeous Vireo
    ​フタスジモズモドキ ( Plumbeous Vireo / Vireo plumbeous )

    ​和名フタスジモズモドキは1990年代までは英名 " Solitary Vireo " と呼ばれる一種類であったが、繁殖地が3か所に分かれて、オーバーラップする地域が少ないので近年3種類の別種に分けられて、それぞれ異なる英名と学名がつけられた。写真の " Plumbeous Vireo " はアリゾナから北へかけての中西部の内陸に生息している。その他の2種類は渡りの時期にニューヨークでも数多く見られる " Blue headed Vireo / Vireo solitarius " と西太平洋側の北で主に繁殖する " Cassin's Vireo / Vireo cassinii " である。カタリナ州立公園で営巣が見られるのは写真の " Plumbeous Vireo " だけである。
     
    ルーシーアメリカムシクイ
    ​「砂漠のアメリカムシクイ」と言われるルーシーアメリカムシクイ ( Lucy's Warbler )

    ​主にアリゾナで見られるルーシーアメリカムシクイ、女性の名前からつけた鳥名で、日本のメジロ ( Zosterops japonicus ) より小さい。この " Songbird " も春一番に中南米から戻って来ると、単純な短いハイピッチな「チェ、チェ、チェ・・」という春の歌を聞かせてくれる。特別ソングスポットを決めずにせわしく枝移りしながら囀るため、落ち着いてじっくり観察するのが難しい。3月も終わりに近づくと砂漠はルーシーアメリカムシクイの囀りに包まれる。
     
    ルーシーアメリカの巣
    2羽のヒナにエサを与えるルーシーアメリカムシクイ ( Vermivora luciae )

    ​ルーシーアメリカムシクイはアリゾナの砂漠で繁殖する唯一のアメリカムシクイで、西側では唯一大きな木の割れ目や洞に営巣するアメリカムシクイである。大西洋側の東には唯一木の洞に営巣するオウゴンアメリカムシクイ ( Prothonotary Warbler ) がいるが、アメリカムシクイの仲間ではこの2種だけである。この写真のルーシーアメリカムシクイの巣はアメリカツリスガラ ( Verdin ) の古い巣を利用している珍しいケースで、巣穴の入り口が横についてる袋の形をしてる。丁度木の洞のような感じなので、チャッカリ巣に使用したものと思われる。
     
    ウイルソンアメリカムシクイ
    西側で多く見られるウイルソンアメリカムシクイ ( Wilson's Warbler / Wilsonia pusilla ) の Pacific 型。

    ​冬を中南米で過ごし、主に北カナダの大西洋沿岸から太平洋沿岸の針葉樹林帯で繁殖するウイルソンアメリカムシクイは、春と秋の渡りの時期にはほぼ全米で見られる。東側で多く見られるのは Taiga 型であるが、カタリナ州立公園で見られるのは Pacific 型である。顔から胸にかけて明るい黄色が特徴で、あまり人を怖がらず、しかも好奇心が強いのでバーダーのピッシング(口でピシピシピシという音を出す)によく反応して目の前の枝に現れる。非常に活発で尾を上げ下げしながら枝移りし、葉の裏についてる虫を拾い集める。黒いベレーボーのような頭と黒いボタンのような目が可愛いので人気者である。
     
    キイロアメリカムシクイ
    全米ほとんどの地域でごく普通に見られるキイロアメリカムシクイ ( Yellow Warbler / Dendroica petechia )

    ​キイロアメリカムシクイはアメリカムシクイの中でも一番繁殖地域が広く、北から南のカナダからメキシコまで、そして東から西への大西洋沿岸から太平洋沿岸までと,ほぼ全米どこでも見られるポピュラーな " Songbird " である。冬、中南米で過ごした後,
    カタリナ州立公園に戻って来るキイロアメリカムシクイは " Southwest " 型で、胸の赤い筋が細くて薄くしかも少ない。灌木やよく茂った大きな木の中でエサ取りすることが多いが、あまり人を恐れず,高い枝のよく見える所をソングスポットにするので、大変見やすい。
     

    カタリナ州立公園 2017年春 その(4)

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      Palo Verde
      ​3月、早咲きのパロベルデ ( Palo Verde / Cercidium microphyllum ) の花が咲き始める。

      幹、枝、葉、すべて同じ緑色の美しい木で、アリゾナの州の樹でもある。大サボテン、サワーロ ( Saguaro ) が林立するソノラ砂漠には特に多く見られる。3月に木いっぱいに咲く黄色い花は豪華で大変美しい。生育が早いので庭木に植える人が多いが、幹や枝が柔らかく、しかも強風に裂けやすいので我が家の庭には植えられてない。
       
      ズアカカンムリウズラーさえずり
      ​霞がかった春の空に向かって思いっきりさえずるズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail ) 。

      ​秋から冬にかけ群れでグラウンドでエサ取りしていたズアカカンムリウズラが、3月に入るとオス、メスがカップルになってオスがメスをエスコートしながら仲良くエサ取りする姿が見られるようになる。高い木の枝先に登り、テリトリー宣言のため、のんびりした高い声で「ウアー」と鳴く。短い単調な鳴き声であるが、砂漠によーく響く春の音色でもある。俳句の季語に「春昼」(しゅんちゅう)という言葉があったのを思い出す。まさに明るくのどかな春の昼に、日に当たってズアカカンムリウズラの鳴き声を聞いてると眠くなってくる。
       
      ズアカカンムリウズラー飛ぶ姿
      ​テリトリー宣言が終わって、高い枝から飛び出し滑空するズアカカンムリウズラ ( Callipepla gambelii ) 。

      ​ズアカカンムリウズラは体長28センチと日本のコジュケイとほぼ同じ大きさで、翼が短くて丸い体をしており、しかもほとんどグラウンドを歩いたり走ったりしながらエサ取りするのでとても飛ぶ鳥には見えない。ところが、けっこう飛翔力が強く、危険が迫って驚いたりするとかなりの高さと距離を飛ぶことがある。メスがエサ取りしてる間、近くの高い木の枝で囀り、メスが見えなくなるとこうして滑空しながらグラウンドへ降りて行く。この姿は3月の春しか見られない珍しい姿である。
       
      Oregon Junco - Dark
      ​Dark-eyed Junco の一種ユキヒメドリ ( Oregon Junco, Dark Adult / Junco hyemalis oregonus ) 。

      ​北米で見られるユキヒメドリ(英名 :Junco ジャンコ)は大きく分けて、目が黒い英名 " Dark-eyed Junco " と目が黄色いメキシコユキヒメドリ ( Ywllow-eyed Junco / Junco phaeonotus ) の2種類である。メキシコユキヒメドリは南アリゾナのごく限られた一部の標高1800メートル以上の針葉樹林帯に生息しているが、私がフィールドにしているレモン山(2900メートル)では一年中見られる。一方、平地のソノラ砂漠のカタリナ州立公園で見られるのはユキヒメドリの Dark-eyed Junco のみで、しかも主に冬の短い期間グラウンドでエサ取りしているのを見れるだけで、春先には早々と北へ渡って行ってしまう。
       
      Oregon Junco - Pale
      正面から見ると大変かわいらしいユキヒメドリ ( Oregon Junco,Pale adult / Junco hyemalis oregonus )

      ​ユキヒメドリ ( Dark-eyed Junco ) は色、大きさ、繁殖地などによって違いがあるので、7種類もの亜種に分けられている。和名は「ユキヒメドリ」一つであるが、英名はそれぞれ異なる名称が付けられてる。冬の間、カタリナ州立公園でごく普通に見られる3種類を除いて、他の4種類は主にコロラド地域で見られる " White-winged Junco " ( Junco hyemalis aikei ) , アリゾナで少数見られる " Gray-headed Junco ( Junco hyemalis caniceps ), そして、やはりアリゾナのごく限られた所で見られる " Red-backed Junco " ( Junco hyemalis dorsalis ), まだ私が見ていない " Guadalupe Junco " ( Junco hyemalis insularis ) である。
       
      Slate-colored Junco
      グラウンドに落ちてる草の実を拾うユキヒメドリ ( Slate-colored Junco / Junco hyemalis hyemalis )

      ​ニューヨークやボストン地域の東側からカリフォルニアの西側まで、全米にわたって最もごく普通に見られる亜種で、全体的に灰色で頭と体のコントラストがあまりない。昔住んでいた雪が降り積もるニューヨークの我が家の庭のフィーダーにもよくやって来たごく身近な庭鳥でもあった。
       
      Pink-sided Junco
      ​ユキヒメドリ ( Pink-sided Junco / Junco hyemalis mearnsi )

      ​Oregon Junco とよく似ているが、青灰色のフードを被って脇腹はピンクに近い赤茶色をしているのが特徴。主に冬の間アリゾナのソノラ砂漠の砂地で、他の Junco の群れに混じってエサ取りしていることが多い。ユキヒメドリ7種類の亜種は1970年代初めに「アメリカ鳥学会」 ( The American Ornithologist's Union ) によって分類されたもので、分類学上いまだに最終結論がでていない未解決状態の亜種でもある。
       

      カタリナ州立公園 2017年春 その(3)

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        Sutherland Trail
        ​トレールの一つ " Sutherland Trail " の入り口。

        ​たくさんあるトレールの中でも、この " Sutherland Trail " は春先に私が好んで歩くトレールである。パーキングのソノラ砂漠は早い新緑が始まり、下草も緑色になって小さい野花が咲いている。カタリナ連山のレモン山(標高2900メートル)の登山道とつながってるトレールで、春は雪解け水が流れていて、早咲きの野花を楽しむことが出来る。
         
        雪解けの水流
        ​トレールを標高1500メートルまで登ると、綺麗な雪解け水が流れている。

        ​乾いたソノラ砂漠のトレール入り口から1時間半の登り、水の流れる心地よい音が耳に入って来る。流れに手を入れると、雪解け水なので非常に冷たくて気持ち良い。今冬は麓のソノラ砂漠でも驚くほど雨が多く、山の積雪も例年より多かったので流れる水の量も豊富で勢いよく流れている。
         
        Desert Dandelion
        春の早咲き花 " Desert Dandelion ( Malacothrix californica )

        ​タンポポのような、また菊のような面白い形をした野花である。まだ花が咲いてない一面茶色の3月初めのトレールで、一際美しいこの花を目にすると、久しぶりの出会いに心が和む。
         
        Monkey Flower
        山から吹き下ろす冷たい風の中、小さいがひときわ明るい花 Common Monkey Flower ( Mimulus guttatus )

        ​この花は冷たい雪解け水が流れる小さな川の水辺に咲き、見方によって猿の顔に見えるらしく英名は " Monkey Flower " 。緑濃いこの葉を昔インディアンはサラダにして食べてたようだ。
         
        Canyon Treefrog 1
        冷たい雪解け水の中でじっとしている Canyon Treefrog ( Hyla arenicolor )

        ​アマガエルの仲間、冬眠から目覚めたばかりで動作が非常に鈍く、川底でじっとしている。体の色が周りの小石に同化してカモフラージュされて、動かないとカエルが居ることすらまったく判らない。
         
        Canyon Treefrog 2
        水中から這い上がって来た Canyon Treefrog 。

        ​水辺の大きな岩に腰をおろして観察していると、日中の陽射しで水も岩も温まったためか、岩をゆっくり登って来た。このカエルは南アリゾナには数多く居るが、夜行性のため日中はほとんど見ることが出来ない。しかし、春の「啓蟄」の頃は、こんなハプニングに出会えるのでトレール歩きも実に楽しい。
         
        Buckeye Butterfly
        ​春一番に出て来るタテハモドキの仲間 Buckeye (バックアイ / Junonia coenia

        ​3月初めはまだ花が少ないので、蝶もほとんど見られない。バックアイは毎年春になると一番早く見られる美しい蝶である。久しぶり見る春の蝶の美しさは、まもなく来る待ちに待った本格t来な春の到来を感じ、大変気持ちを温かくしてくれる。

        カタリナ州立公園 2017年春 その(2)

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          Canade del oro Wash
          ​大きな " Wash " Canada del oro

          ​" Wash " は大きな乾いた川底で、夏のモンスーン期の激しい雷雨があると、山から流れてくる雨水が鉄砲水となってたちまち溢れ一瞬の内に幅広い川となり、もちろん渡ることが出来なくなる。冬から春にかけての乾燥した時期は、ここでエサ取りする色々な鳥たちが多く集まるので、天気の良い日は最高のスポットとなる。
           
          Lark Sparrow 1
          南アリゾナで一年中見られる留鳥のヒバリヒメドリ ( Lark Sparrow ) 。

          ​道化師のようなまだら模様の顔をしてるのでフィールドでもよーく目立つ。長いさえずりは大変美しく、しばしば、飛びながら鳴くので英名 " Lark Sparrow " 、和名「ヒバリヒメドリ」と呼ばれている。
           
          Lark Sparrow 2
          小さな草の種子を食べるヒバリヒメドリ ( Chondestes grammacus )

          冬の間は小さな(4羽〜5羽)群れで動きまわっているが、春になると1羽ないしツガイで主に " Wash " のような拓けたグラウンドの砂地でエサ取りすることが多いので近くでじっくり観察できる。17センチと中型の鳥で、日本のホオジロと同じ大きさである。
           
          Lincolns Sparrow
          早朝、低い灌木の枝先で日に当たるヒメウタスズメ ( Lincoln's Sparrow / Melospiza lincolnii ) 。

          ​ヒメウタスズメはカナダの北からアラスカにかけての地域で繁殖し、越冬のために南アリゾナに下りてくるので、冬の間だけ見られる。大変臆病な鳥で、よく葉が茂ってゴチャゴチャした低い灌木の中で隠れるようにエサ取りするので少々見つけにくい。全米で見られるポピュラーな留鳥のウタスズメ ( Song Sparrow / Melospiza melodia ) とよく似ているので慣れないと見間違うことがある。
           
          White-crowned Sparrow 1
          春一番に咲く " Red maids " の花の下でエサ取りするミヤマシトド ( White-crowned Sparrow )

          ​ミヤマシトドもカナダの太平洋岸からアラスカにかけての北の地域で繁殖し、越冬のため南アリゾナに下りて来るので冬の間はこの公園でもしっかり見ることが出来る。よく似ているノドジロシトド ( White-throated Sparrow / Zonotrichia albicollis ) はニューヨークなど東側で多くみられるが、西側のアリゾナではほとんど見られない。
           
          White-crowned Sparrow 2
          ​小さな種子のついた枯草をくわえるミヤマシトド ( Zonotrichia leucophrys )

          日本ではミヤマシトドは迷鳥として記録がある珍しい鳥であるが、冬の南アリゾナはその数が多いのでごく普通に見られる。丸々とした体形で体長18センチと大きく、頭が白黒のストライプで派手なので遠くからでも見つけ易い。
           
          Rufous-winged Sparrow
          南アリゾナのごく一部の地域でしか見られないフタスジスズメモドキ ( Rufous-winged Sparrow / Aimophila carpalis )

          ​北メキシコの一部、そして、北米では南アリゾナの限られた狭い地域でしか見られない珍しい砂漠種である。頭と肩の赤茶が特徴で、カタリナ州立公園では毎年何組かが営巣しており、わりと簡単にみられるので、春、夏にはこの鳥を目当てに全米から多くのバーダーたちがわざわざやって来る。
           

          カタリナ州立公園 2017年春 その(1)

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            サワーロの林と雪山
            ​巨大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) の林と雪山

            ​カタリナ州立公園 ( Catalina State Park ) は南アリゾナ・ツーソン ( Tucson ) の町から26キロ北へ上がった所で、広さは 22,258 平方キロと大変大きい。1983年にアリゾナ州政府によって造られ、キャンピング施設、乗馬用トレール、数多くの自然探索トレールなどがあり、非常に質の高い公園である。私の家からはたった15分ほどで行けるので、年間で一番多く通う「マイフィールド」でもある。
             
            サワーロ2本と山
            ​2月のカタリナ州立公園、サワーロサボテン越しに雪を被ったレモン山を見る。

            ​ソノラ砂漠にあるカタリナ州立公園はサンタカタリナ山脈 ( Santa Catalina Mountains ) の麓に位置し、群生しているサワーロサボテンやアリゾナの州の樹であるマメ科の棘がある低木パロベルデ( Palo Verde ) 、メスキート林 ( Mesquit ) 、アメリカスズカケノキ ( Sycamore ) そしてオークの林などが保護されている。その変化に富んでる豊かな自然はソノラ砂漠の多くの鳥を見るのに最適な場所で、年間174種類も見ることが出来る。
             
            ムジトウヒチョウ歩く姿
            トレールを歩く足元でエサ取りするムジトウヒチョウ ( Canyon Towhee ) 。

            ​ムジトウヒチョウはソノラ砂漠では一年中見られるごく普通の鳥である。グラウンドで歩くというよりホップしながらエサ取りすることが多いので見つけやすい。低木にまだ葉が茂ってない冬(12月、1月)はグラウンドに下りたり枝へ上がったりする姿もよく見れるのでゆっくり観察することが出来る。
             
            ムジトウヒチョウ虫を捕える
            小さな蜂を捕えたムジトウヒチョウ ( Pipilo fuscus ) 。

            この鳥は昔、" Brown Towhee " と呼ばれていたが、現在はムジトウヒチョウとよく似ているカリフォルニア州でしか見られない " California Towhee " が別種に分けられたので、名称が " Canyon Towhee " となった。体長23センチで日本のツグミより少し小さい。頭と尻の赤茶が日に当たると目立つが、その他は全身灰色の地味な鳥である。
             
            Chipping Sparrow
            小さな草の実を食べるチャガシラヒメドリ ( Chipping Sparrow / Spizella passerina ) 。

            ​全米のほとんどの地域で見られるポピュラーな鳥であるが、カタリナ州立公園では主に冬の間しか見られない。砂漠、草原、松やオークの森など・・・と生息範囲が大変広い。体長14センチ、日本のヤマガラぐらいしかない小さなヒメドリである。
             
            House Finchi
            春が間近になると赤い色が鮮やかで美しいメキシコマシコ ( House Finch / Carpodacus mexicanus ) 。

            ​日本のベニマシコ ( Uragus sibiricus ) と同じ大きさで、全米どこでも見られ、だれでも知ってるポピュラーな鳥である。昔は Linnet (ヨーロッパでごく普通に見られるムネアカヒワ)と呼ばれていた。理由は、1940年代、ニューヨークのロングアイランドにヨーロッパから持ち込まれた飼い鳥が籠脱けしてその後野生化したもので、今では ABA ( American Birding Association ) の公式リストにあげられてる米国種である。南アリゾナでは朝晩零度近くまで気温が下がる寒い日が何日間かあるが、暖かい南へ移動をしないので一年中生息している。

            庭の花に集まるハミングバード その2

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              コスタハチドリとペンストムの花
              ペンステモン ( Parry's Penstemon / Penstemon parryi ) の蜜を舐めるコスタハチドリ ( Costa's Hummingbird ) メス。

              南アリゾナの本格的な冬は12月末頃から1月いっぱいと大変短いので、ペンステモンのような早咲きの花は2月の中旬には咲き始める。蜜の出る花が少ない冬の間はフィーダーの砂糖水に頼っていたコスタハチドリも、ピンク色のペンステモンの花が咲き出すと、だんだんフィーダーに来る回数が少なくなってくる。
               
              コスタハチドリ正面
              ​枝先で侵入者を見張っているコスタハチドリ ( Calypte costae ) オス。

              ​コスタハチドリは体長9センチの小さなハミングバードであるが、陽の光に当たると首のまわりの大きな長いジョーゼットが紫色に光って大変美しい。コスタハチドリは非常に縄張り意識が強く、いつも木の梢や枝先の見晴らしの良い所に止まって、庭に入って来る他のハミングバードをチェックしている。侵入者が花蜜を求めて庭に入って来ると、素早く見つけて徹底的に追い回し、時にはホバリングしながら見合って長い嘴をカチカチとぶっつけ合うこともある。小さいくせに、とにかく気性が激しく、見ていてもすごい迫力ある戦いを繰り広げることがある。
               
              コスタハチドリ滝の水飲み
              滝の流れる水を上手に舌で舐めるコスタハチドリのメス。

              ​ハミングバードは花蜜を舐めるので喉が乾くのだろうか・・・?ちょくちょく水を飲みにやって来る。通常、鳥たちはポットの淵に止まって溜まってる水を飲むが、ハミングバードは流れる水が好きで、ホバリングしながら嘴の’先を流れてる水につけて、長い舌で実に器用に舐める。
               
              コスタハチドリ滝の水浴び
              ​滝の水に顔を擦りつけて水浴びするコスタハチドリのメス。

              ​ハミングバードは長い嘴を花の奥に入れて蜜を舐めるので、嘴のまわりや顔に花粉が付いて黄色くなっていることが多い。そのため、ちょくちょく顔を水に擦りつけることがあり、特に5月・6月の乾燥している「ドライサマー」時にはよく見られる。
               
              フィーダーのノドグロハチドリ 1
              ​フィーダーの砂糖水を舐めるノドグロハチドリ ( Black-chinned Hummingbird ) のオス。

              ​ノドグロハチドリは北米ではテキサス州から西側でしか見られないハミングバードである。冬は中南米で過ごす渡り鳥なので、庭で見られるのは春、秋の渡りの時が多く、しかも、フィーダーに来る姿を見るのがほとんどである。しかし、近年、温暖化のせいで、中南米へ降りて行かずに南アリゾナで越冬する個体もおり、1月末の寒い「大寒」の頃でも庭で見られる。庭にはハミングバード用のフィーダーが3個掛けてある。ハミングバードは非常にテリトリー意識が強いので、3個を近づけて並べて掛けると、1羽が全部を占領してしまって色々な種類が見れなくなる。そのため我が家では、庭の正面と家の両側にそれぞれ離して1個づつ掛けてある。これだと庭木と小灌木に隠れてお互いが見えないため、数多くのハミングバードを呼ぶことが出来るようになった。
               
              フィーダーのノドグロハチドリ 2
              蜜蜂が足元に来たので驚くノドグロハチドリ ( Archilochus alexandri ) 。

              ​ノドグロハチドリは遠くで見ると喉が黒くて地味であるが、明るい光の中でしかも近くで見ると、黒い喉の下の小さな美しい紫色のバンドが光って見える。庭ではほとんどフィーダーの砂糖水を舐めてる姿が多いが、時々空中を飛んでいる虫をフライングキャッチもすることがある。
               
              庭のポーチ
              ​庭に面してるポーチのガラス窓やガラスドアーはすべてスクリーンがはめ込まれている。

              ​私にとって庭のポーチは、庭に来る鳥たちや蝶などを驚かさずに、ゆっくり観察したり写真を撮ったりするのに非常に役立つ重要な場所である。しかし、アリゾナは一年のほとんどが青空の毎日で、太陽の光がさんさんとふりそそぐリゾート地なので、ほとんどの家は窓が大きく、しかも窓ガラスには紫外線除けのフィルムが入っている。そのため、庭の木や青空などがガラスに映ってしまい、特にテリトリー意識が強いハミングバードが侵入者を追い回してガラスに激突する事故が多い。我が家ではそれを防ぐため、すべての窓ガラス、ガラス戸にはスクリーンが付けてある。そのおかげで、これを付けてからバードストライクは皆無となった。

              庭の花に集まるハミングバード その1

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                アンナハチドリとジャスティシア

                Red Justicia ( Justicia candicans ) の花蜜を舐めるアンナハチドリのオス ( Anna's Hummingbird )

                ​庭にやって来る鳥たちの中で最も愛らしいのは、やはりハミングバード(ハチドリ)である。体長9センチから13センチほどの小さな鳥で、南の強くて明るい太陽光に当たるとメタリックに耀き、ハッとして息をのむほど美しい。
                 

                アンナハチドリとチュパロサ

                ​ホバリングしながら Chuparosa ( Justicia californica ) の花の奥深く嘴を入れるアンナハチドリ (Calypte anna )

                ​毎年、春と秋の渡りの途中、庭に寄って花の蜜やフィーダーの砂糖水を舐めて行く4種類を加えると、6種類のハミングバードを見ることが出来る。その内、アンナハチドリとコスタハチドリの2種類はソノラ砂漠の留鳥で、一年中毎日庭にやって来るし、夜には大きな灌木の中で寐ていることもある。また、春には小さな庭木で営巣するのもおり ( Categories - ハチドリ・ハミングバード「ハミングバードの子育て2015年」)、子育てする姿や可愛いヒナを見ることが出来る。
                 

                枝先のアンナハチドリ
                ​興奮すると頭と首、喉が見事な金属光沢のピンクに輝くアンナハチドリのオス


                ​アンナハチドリはもともとカリフォルニアを中心とする太平洋沿岸地帯にだけ生息するハミングバードであった。しかし、ハチドリの中でも一番フィーダーの砂糖水への適応力に優れていたので、近年、人家の庭や町の公園などにフィーダーを掛けるところが多くなり、彼らの生活拠点も徐々に内陸へ移動していった。今ではアリゾナでも、一年中庭で見られるポピュラーなハミングバードである。
                 

                滝とアンナハチドリ
                ​流れる滝の水を飲もうとするアンナハチドリのメス。


                ​ハミングバードは水が大変好きで、特にアンナハチドリは溜まっている水より滝のように流れてる水を好むようである。彼らはこうしてホバァリングしながら、岩の上を流れる水や下に落ちていく水を長い舌を使って舐めるように飲むのが上手である。
                 

                体をこするアンナハチドリ
                ​しっとり濡れた庭木の枝で体を擦るアンナハチドリのメス。


                ​夏の暑い日、雷雨が降り始めると、雨の中でホバァリングしながら水浴びをしている姿を時々見かけることがある。とにかく、アンナハチドリは好奇心が強いのと、流れる水が好きなので、早朝、庭木や花にホースで水をかけていると、ホバァリングしながら水に乗るような格好で滑るように流されて行く面白い姿を時々見せてくれる。まさに愛嬌があって可愛く一緒に遊んでいるような楽しい気持ちにさせられる。
                 

                顔をこするアンナハチドリ
                痒いのか?水に濡れた枝に盛んに顔を擦りつける。


                ​40度を超す日が続くと、砂漠のハミングバードもこたえるらしく、一日に何回も水場にやって来る。ホースの水かけで濡れた枝に体や顔を擦りつけている姿はフィールドではほとんど見られない、実にユーモアラスな格好で思わず吹き出してしまう。
                 

                昼寝のアンナハチドリ

                ​アンナハチドリは午後になると、ポーチのテーブルの上に置いてある小さなポットの植木で昼寝をする。

                ​真夏の砂漠の庭は午後になると大変熱くなる。庭に直接太陽が当たり始めると、涼しさ求めて日陰になっているポーチの中に入って来る。ここは日中は人が出入りしないのと、直射日光を遮るために日よけのスクリーンが下げてあるのでハミングバードにとってはまさにシエスタの場所であろう。


                謹賀新年 2017年(平成29年) 元旦

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                  雪山とサワーロサボテン
                  巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の林と雪山。

                  明けましておめでとうございます。
                  南アリゾナの砂漠より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
                  今年も精一杯努力して皆様に喜んでいただけるブログを作成してゆきます。
                  どうぞよろしくお願いいたします。
                   
                  サワーロサボテンと岩山
                  初雪でうっすらと白化粧したプッシュリッジ山(1600メートル)とサワーロサボテン。

                  ​元旦の朝、マイフィールドのカタリナ州立公園を歩きました。ソノラ砂漠のトレールはまだ少し緑が残っていて、大サボテンも朝日を浴びて緑色に耀き冬らしくない風景ですが、遠くの山々に目を向けると、岩肌に雪が吹き付けられた対照的なソノラ砂漠ならではの面白い景色を見ることが出来ました。
                   
                  雪のレモン山
                  ​2800メートルのレモン山の山頂は松林に雪がたっぷり被さってます。

                  暖かい陽射しの砂漠トレールから双眼鏡で遠くの雪山の松林を見るのは豪快です。私が住んでる南アリゾナは砂漠の周りに2000メートルを超す山がいくつもあり、サボテンの林と雪山を同時に見られる冬ならではのマイフィールドの素晴らしい光景が楽しめます。

                   
                  カーディナル
                  ​正月にふさわしい真っ赤な鳥、ショウジョウコウカンチョウ ( Northern Cardinal / Cardinalis cardinalis )

                  ​山の麓の砂漠まで雪が降ることはまれですが、早朝の気温は大変低く、花の蕾がまだ固い冬枯れの枝先で鳥たちは朝日に当たって暖を取ります。ショウジョウコウカンチョウはほぼ全米で見られ、子供たちもよく知っているポピュラーな鳥ですが、ソノラ砂漠で見られるのは亜種の Southwest 型で、嘴が大きく、長いブラシのような冠毛が特徴で大きく見えます。
                   
                  クーパーハイタカ
                  ​冬枯れの倒木でじっと獲物探しをするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii ) のオス。

                  ​冬、日中は比較的暖かい南アリゾナでも、獲物となる小鳥や小動物の数が少なくなり又その動きも静かであるため、猛禽類はエサの捕獲に苦労するのでクーパーハイタカにとっては空腹な毎日と思われる。多くのタカ類の獲物探しは空高くソアリングしながらの行動が多いですが、クーパーハイタカは林の中の大きな木の枝にじっと止まって獲物を探してることが多い。獲物の動きを察知すると、素早く樹間を忍者のように低く飛び、獲物に近づくとアタックするすごい技術を持っています。
                   
                  ズアカカンムリウズラ
                  上を向いて高らかに春の歌を歌うズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

                  ​南アリゾナの冬は短く、2月中旬となると早くもペンステモンやポピーが咲き始めます。春を待ちかねてるズアカカンムリウズラ、主にグラウンドを歩きながらエサ取りをしますが、春が近くなると木の高い枝先によじ登って、高らかに独特の「ポアー」というのどかな鳴き声を発します。毎年、冬の終わりにこの姿を見ると、春の兆しを強く感じられ気持ちがウキウキしてきます。

                  ハッピーホリデー 2016年12月

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                    絵葉書ー雪とサワロ
                    南アリゾナ・ツーソンの町で見つけたソノラ砂漠のクリスマスカードです。

                    ​11月末の「サンクスギビングデー」が終わると南アリゾナも「ホリデーシーズン」に入ります。連休を取って故郷に帰る人、ヨーロッパへ旅をする人、友人たちを自宅に呼んでパーティーをする人など一年で一番アメリカ人が浮かれる楽しいシーズンです。クリスマスソングに " It's the most wonderful time of the year " という歌があるほどです。丁度、日本の正月のような雰囲気です。鳥好きの私は所属してる愛鳥家クラブが主催する「クリスマスバードカウント」に久しぶり参加し、鳥の数を競い自然保護団体への寄付金を集めようと準備をしてるところです。
                     
                    玄関のクリスマスオーナメント
                    ​「師走」とはいえ、南アリゾナの日中は20度近い暖かさです。草木の緑はまだ残っていますし、ポットやハンギングバスケットの花が満開の中でクリスマスオーナメントが光る南アリゾナ独特のホリデーシーズン光景です。ソノラ砂漠名物、大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に豆電球をぐるぐる巻きにして飾る人もいます。巨大サボテン全体が棘で覆われてますので、電球を付けたり外したりするのに相当苦労するようです。

                     
                    Buckeye - Butterfly
                    今年は雨が多く暖かい冬なので12月に入ってクリスマス近くになっても数種類の蝶が庭に来てます。庭では珍しいクジャク蝶に似た Buckeye ( Junonia coenia ) があらわれ、まさに自然がくれた美しいクリスマスプレゼントになりました。

                    今年もブログを見ていただきありがとうございました。
                    ​皆様、どうか良い年をお迎えください。

                    ソノラ砂漠の秋の話題(2) ロードランナー 2016年

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                      ロードランナー塀の上 1
                      秋も深まり肌寒さを感じる朝、久しぶりロードランナーがエサ探しに塀を歩き始めた。

                      ​ロードランナー(和名:オオミチバシリ、英名: Greater Roadrunner, 学名: Geococcyx californianus ) 。真夏は主食の一つトカゲを捕りに時々庭を歩いているのを見かけるが、毎年秋になると、ほとんど毎朝のように庭木の Desert Willow につく大きな青い虫を探しにやって来る。涼しくなった庭でのロードランナーとの毎朝のご対面は、私にとって秋の楽しい朝のひと時でもある。
                       
                      ロードランナー塀の上 2
                      ​塀の一番高い所に上がり、愛嬌のあるとぼけた顔で私を見つめる。

                      ​ロードランナーは、いわゆる目の前で動く「生きもの」は何でも食べてしまうほど悪食である。体長は58センチと大型の「ジカッコウ」なのでグラウンドを歩くのが得意で、時速25メートル以上の速さで走ることも出来る。ソノラ砂漠にはかなりの数がいるが、フィールドを歩いている時より庭や人家の屋根、塀などで見かける機会の方が多い。
                       
                      ロードランナー木の前
                      ​真横にいる私など無頓着で、さて獲物でも探そうか・・・・と歩き始める。

                      ロードランナー(オオミチバシリ)はカッコウの仲間であるが、渡りをしない留鳥である。大きな木の下などに隠れるようにじっとして獲物を狙うので、フィールドを歩いていてもなかなか見つけるのが難しい。獲物探しで庭に頻繁に現れる秋は、私にとって一年で一番観察できる季節でもある。
                       
                      ロードランナーオフィスの窓
                      ​書斎の窓の前の Desert Willow の葉に隠れてる青い虫を探し始める。

                      ​ロードランナーは猛毒なガラガラヘビをも追跡して捕食する習性を持っており、動くものは何でも食べてしまう肉食の鳥である。そのためロードランナーが庭に現れると、エサ取りしてる他の鳥たちは、猛禽類が飛んで来た時と同じように、慌てて木陰や草陰にじっと隠れているし、ハミングバードですら嫌がってホバリングしながら威嚇しようとするが、相手が大きいので場所変えをするほど・・。
                       
                      ロードランナー伏せる姿
                      ​葉の先にいる青虫を見つけたのか、しゃがみ込んで伏せの姿勢をとり青虫を狙う。

                      ​青虫は木の葉に同化してよーく見ないと私の目でも判らない。ロードランナーは辛抱強くじーと葉の動きを上から下まで見ており、青虫が少しでも動くと葉の茂みに飛び込み大きな嘴で素早くつかみ取る。そして青虫は大きいのでそのまま飲み込むことが出来ず、銜えたままグラウンドに下り岩に叩きつけて食べる。これらの動作は一瞬の内に行うのでなかなか写真に納めるのが難しく、残念ながら未だに成功していない。
                       
                      木の葉にいる青虫
                      ​葉の一部と見まちがうほど青虫が何処にいるのか判りにくい。

                      ​ロードランナーが好む青虫は、実はスズメ蛾の幼虫で、スズメ蛾が卵を産み付けるホストプラントが Desert Willow なのである。ロードランナーはスズメ蛾の幼虫が現れる時期やホストプラントの Desert Willow の木をよく知っており、庭木の中でもこの木だけを選んで獲物探しをする。
                       
                      岩の上の青虫
                      ​蛹になる直前の青虫(スズメ蛾の幼虫)。

                      ​スズメ蛾の幼虫は10センチ以上もあって非常に大きいので初めて見るとぎょっとするが、手で触っても刺されたり被れたりすることが全くなく、とてもおとなしい。しかも、色合いが大変美しいのに驚く。この幼虫は蛹になる直前にグラウンドに下りてきて小さな穴を見つけ、そこへ入って蛹となり冬を越す。蛹になる直前の大きな青虫はロードランナーにとって食べごたえがあり、しかも栄養度が高いので大変好まれるようである。
                       
                      White-lined Sphinx
                      ​青虫の親でスズメ蛾の仲間 White-lined Sphinx ( Hyles limeata ) 。

                      ​体長9センチと大型の「蛾」で、夕方から朝方にかけて花を求めて飛び回る。ホバリングしながら花の蜜を吸う美しい姿が非常にハミングバード(ハチドリ)に似ているのでよく間違える人が多い。


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