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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

南アリゾナの珍鳥さわぎ 2016年6月 (中)

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    Ramsey Canyon 1

    今夏、珍鳥が営巣した南アリゾナの超有名な探鳥スポット、ラムゼイ渓谷 ( Ramsey Canyon ) 

     

    ラムゼイ渓谷はツーソンの町から2時間ほど東南へ走ったワチカ連山 ( Huachica Mountains ) にある。私にとっては、毎年8月になるとハミングバードの渡りを見に行く好きなスポットで、一日で12種〜15種見られる日がある。ここのトレールはしっかり造られてあり、山奥深くまで入れ、しかもメキシコとの国境が近いので近年中南米からの密入国者が多く、場所によってはボーダーパトロール(国境警備警察員)と山中で出会って職務質問を受けたり、空からボーダーパトロールのペリコプターが低く降りて来て双眼鏡でウオッチされたり、軍のベースも近くにあるので山中訓練隊に出会ったり’’’’’’’’’’’’と米国他州ではなかなか経験出来ない南アリゾナならではのちょっと緊張するバーディングとなることもある。しかし、ここはバーダーにとっては探鳥地のメッカ、首から双眼鏡を下げていると、ボーダーパトロールに出会っても皆にこにこして丁寧に挨拶をしてくる。バーダーならではの強みである。

     

     

    Ramsey Canyon 2

    ラムゼイ渓谷のハイカー用トレールから見る水量豊かな渓流。

     

    ラムゼイ渓谷のトレールは自然保護団体の " The Nature Conservancy " が管理する自然保護区にあり、ここから急勾配な険しい岩の多いトレールをスイッチバックしながら標高1950メートルまで登る。このトレールは渓流に沿って歩くので、鳥以外に色々な種類の蝶や野花を楽しむことが出来、時には熊やハナグマ ( Coati ) などの動物に出会えることもある。

     

     

    Ramsey Canyon 3

    珍鳥フサボウシハエトリが営巣する(手前右側)ラムゼイ渓谷の奥深い森林。

     

    5月22日に初めて見られたフサボウシハエトリの営巣場所は " Nature Conservancy " のビジターセンターから入り、大変厳しい急斜面と渓流沿いで石がごろごろしてる狭いトレールを3.3キロも歩かなくてはならなかった。距離は短いが足場が平坦でないので時間が掛かり、しかも南アリゾナの夏の暑い盛りなので飲み水を大量に持って歩く必要があり、その上に機材を背負ってのトレール歩きなので、やはり少々苦労した。

     

     

    フサボウシハエトリ雄 1

    北米での営巣が初確認された珍鳥フサボウシハエトリ ( Tufted Flycatcher ) のオス。

     

    フサボウシハエトリが米国に現れたのは今回で8回目の記録である(最初は1991年テキサス)。しかし、今回の確認は初の営巣で、しかもすでにメスが巣に座っていることもあって、やはり大騒ぎとなった。

     

     

    フサボウシハエトリ雄 2

    連日バーダーたちを夢中にさせたフサボウシハエトリ ( Mitrephanes phaeocercus ) のオス。

     

    フサボウシハエトリはメジロより少し大きいぐらいの小さなハエトリ種である。オスは顔と喉、胸が赤みがかった茶色、そしてしゃれた冠毛がある独特な姿でたいへん可愛い。

     

     

    フサボウシハエトリ虫狙う

    頭上を飛ぶ虫を狙うフサボウシハエトリのオス。

     

    フサボウシハエトリは、空中を飛ぶ虫をフライングキャッチしてはまたもとの枝に戻る動作を繰り返すので、楽にじっくりと観察が出来るのでありがたい。これはハエトリやタイランチョウ類に見られるエサ捕り方法で、虫が急降下すれば彼らも同じ急降下するし、上昇すれば一緒に上昇し、曲がる角度も急で実にその素早い飛翔力には驚く。

     

     

    フサボウシハエトリ飛び立つ

    飛んでる虫を見つけると枝から素早く飛び上がって空中で捕える。

     

    フサボウシハエトリは中米のメキシコから南米のボリビアまで幅広く生息している。春夏には標高の高い森林へ行き営巣し、子育てを終える晩秋には標高の低い川沿いの森に移る。

     

     

    フサボウシハエトリ雌

    胸から腹が白いフサボウシハエトリのメス。

     

    メスは胸から腹にかけて白いがその他はまったくオスと同じ。巣のまわりの低い枝で、オス、メスが高い声で「ピーピーピー」と

    " call " を繰り返しながら鳴き合っている。その声は大きくないが、静かな森にはよく響く。

     

     

    フサボウシハエトリ巣

    北米で初確認されたフサボウシハエトリの巣とメス。

     

    フサボウシハエトリの営巣した場所は標高1700メートルの松やモミ、樫の森林で、巣は太い枝の折れた所に作られ、皿状の形をしていた。私が見た時はまだメスが盛んに巣の補修をしたり、時々座り心地をチェックしていたが、6月の下旬には一羽の雛が無事孵化したニュースがネットの " ebird " に出ていてほっとした。


    南アリゾナの珍鳥さわぎ 2016年6月 (上)

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      マデラキャニオン 1

      今夏も珍鳥が現れ、大変賑わったマデラ渓谷 ( Madera Canyon ) の上級ハイカー用トレール。

       

      夏の南アリゾナは毎年、中南米の珍しい鳥が国境を超えて現れるので、全米やカナダのバーダーにとっては大変魅力的な人気のある場所となる。特に今年の夏は例年以上の数の珍しい鳥が色々なスポットに現れ、おうぜいのバーダーたちが南アリゾナにやって来た。そのスポットの一つ、マデラ渓谷は私の家から1時間程度で行けるので、四季をとおしてよく鳥見をする「マイフィールド」である。

       

       

      マデラキャニオン 2

      早朝、珍鳥カササギツグミが現れるのを20人ぐらいのバーダーと待ったマデラ渓谷の狭いトレール。

       

      今夏は南アリゾナに5種類の珍鳥が現れ、全米のバーダーたちの注目のスポットとなった。その珍鳥の一つがマツメジロハエトリ ( Pine Flycatcher / Empidonax affinis ) で、北アメリカで初めて確認された’’’’’’’’とあって、ここ数週間毎日のようにたくさんのバーダーが馳せ参じた。この珍鳥が見られる場所は私の家から遠くてメキシコ国境に近い大変険しい渓谷で、普通の乗用車ではもちろん上がれないのと、岩がごろごろして滑りやすいトレールを3キロ以上も登ったり下ったりしなくてはならない難所なので、残念であるが、私は今回行くことをあきらめた。

       

       

      カササギツグミ 1

      早朝、山奥の狭いトレールで待つこと1時間半、ついに現れた珍鳥カササギツグミ ( Azutec Thrush ) 

       

      今夏は私がマイフィールドとしているマデラ渓谷に2種類の珍鳥が現れ大騒ぎとなった。その一つが私の「ライフバード」であるカササギツグミなので、何が何でも行かなくては’’’’’’’’と頑張った。珍鳥が現れた場所は、マデラ渓谷の本格的ハイカー専門のトレールを登り、そしてさらに非常に険しく滑りやすい鉱山跡の登山路を5キロ近くも歩かなくてはならない標高2千メートルに近い狭い渓流沿いで、行くのに大変苦労した。それでも何とか頑張って現場に到着すると、すでに20人ほどのバーダーたちがカササギツグミが現れるのを待っていた。中には真っ暗な朝4時頃から3時間近くも待っている’’’’’’’’’という凄い鳥キチもいたので驚いた。また、他州から飛行機に乗ってレンタカーで駆けつけた人もいて、思わず話を聞いてみた。彼はカリフォルニアのトゥイッチャーで、しかも米国内の鳥845種類をすでに見ているトップグループで、このカササギツグミで又一種増える’’’’’’’と大喜びしていた。この熱意に思わず脱帽!

       

       

      カササギツグミ 2

      一週間マデラ渓谷にたくさんのバーダーを呼び込んだ珍鳥メキシコ種カササギツグミ ( Ridgwayia pinicola

       

      この珍鳥は5月末マデラ渓谷の奥深いトレールでハイカーが偶然見慣れない鳥を見つけ、写真に撮って報告をしたところ、10年ぶりに現れたカササギツグミと判り大騒ぎとなった。私は幸運にも現場に着いて待つことたったの1時間半、お目当てのカササギツグミがエサ取りに現れてくれた。湧き水の細い流れの周りにいる小さな虫を盛んに捕っていた。努力のかいあってライフバードを写真におさめることが出来、久しぶり興奮した一日であった。この珍鳥、連日大勢のバーダーたちが押し寄せるのに嫌気がさしたか、6月5日を最後に見られなくなった。

       

       

      カササギツグミ 3

      翌日、再度マデラ渓谷を訪れ、同じ場所でまた会うことが出来たカササギツグミ。

       

      日本のツグミ ( Turdus naumanni ) とほぼ同じ大きさのメキシコ種で、北米ではこれまでに南アリゾナの東部に稀な迷鳥としての記録があるだけの珍鳥である。大変おとなしい鳥で、さえずる声はあまり知られておらず、地鳴きもほとんどしない。飛ぶと翼の白色、尾の上の白が大変目立って派手であるが、葉の茂った大木の高い所に好んで止り、1時間でも2時間でも動かずにじっとしていることが多いので見つけるのに苦労する。

       

       

      ムジボウシノドフサハチドリ 1

      やはりマデラ渓谷に現れた珍鳥ハミングバード、ムジボウシノドフサハチドリ ( Plain-capped Starthroat ) 。

       

      5月末、マデラ渓谷の有名なサンタリタロッジ ( Santalita Lodge ) のフィーダーにムジボウシノドフサハチドリが現れ大騒ぎとなった。中米のメキシコやガテマラに生息するハミングバードで、北米では南アリゾナにのみ稀な迷鳥としての記録があるだけで、近年では2010年に記録されて以来6年ぶりの出現であった。それにしても、今年はマイフィールドで2種類ものライフバードが見れたので、私にとって大変満足の初夏のバーディングシーズンとなった。

       

       

      ムジボウシノドフサハチドリ 2

      多くのバーダーにとってライフバードの一つであるムジボウシノドフサハチドリ ( Heliomaster constantii ) のオス。

       

      体長13センチとハミングバードとしては大きい。英名の " Starthroat " の色は光が当たらないとほとんど見えないで、ただ全体がさえない茶系の色である。こうして枯れ枝に止っていると嘴が非常に大きくて長く、腰と脇の白色、そして目の上と下の白い線、喉の長い房が目立つ。ほとんどのバーダーたちはこの珍鳥をサンタリタロッジのフィーダーの前で何時間もベンチに座って見ているのだが、私はたまたまロッジから近い渓流沿いのトレールを早朝歩いていて幸運にも見つけることが出来た。フィーダーに来て砂糖水を舐めてる人工的な姿でなく、枯れ枝に止る自然な姿をじっくり見たので大満足な初見となった。


      ボブキャットに出会えた早朝バーディング 2016年6月

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        カタリナ州立公園

        ボブキャットに出会えたカタリナ州立公園 ( Catalina State park ) のハヒロハコヤナギ ( Cottonwood ) と

        メスキート ( Mesquite ) の林。

         

        カタリナ州立公園は私の家から15分で行けるマイフィールドで、春から初夏にかけての渡りの時期によく通うスポットである。小灌木の林と丈の高い草が生い茂っているトレールは、鳥や動物の種類が大変豊富で、前々から会いたかった野生の猫ボブキャットについに会うことが出来た。

         

         

        ベニタイランチョウ

        タイランチョウの中でも最も美しいと言われてるベニタイランチョウ ( Vermilion Flycatcher / Pyrocephalus rubinus

         

        カタリナ州立公園は毎夏ベニタイランチョウが数多く営巣している所で、今年も彼らの美しい姿を撮るために、3月中旬頃から毎朝トレール歩きをした。ベニタイランチョウはシジュウカラと同じ大きさの小さな可愛いタイランチョウである。特にオスは赤黒のダンディーな姿なので、新緑の林の中でエサ取りにヒラヒラ舞う光景は実に美しい。

         

         

        ボブキャット 1

        早朝、カメラの前に突然現れたボブキャット ( Bobcat / Lynx rufus

         

        ほとんど人の居ない早朝の公園、鳥たちはテリトリー宣言とエサ取りに活発に動き回っている。ベニタイランチョウを夢中で撮影している時、草の茂みがかすかに動いているのに気がついた。とっさに双眼鏡を向けると、ボブキャットがこちらに向かってゆっくり歩いて来る姿が目に入ってきた。喜びで高鳴る胸の鼓動を感じながら、身動き一つせずにじっとボブキャットが近づいて来るのを待つ。

         

         

        ボブキャット 2

        ボブキャットは私が居るのも気がつかずどんどんこちらへ近づいて来る。

         

        和名ボブキャット、英名 Bobcat 、学名 Lynx rufus 、英名はショートカットしたような短い尾からきている。体長90センチから1メートル20センチと飼い猫の2倍ぐらいの大きさで足が長い。全米のほとんどの地域(森林、草原、砂漠など)に生息している動物であるが、夜行性のためフィールドではなかなか出会える機会がない。

         

         

        ボブキャット 3

        ついに私が居ることに気がつき、じっとこちらを見ているボブキャット。

         

        精悍な顔、黒い飾り毛の付いた耳、そして黒い線が前足にある実に美しい野生の猫である。南アリゾナの砂漠では、主にワタオウサギやジリスなどを捕食している。

         

         

        ボブキャット 4

        ボブキャットは驚く様子も全くなく、悠然と後ろを向いて去って行く。

         

        ほんの1分間もない短い対面であったが、私が立っていることなど全然気にせずゆっくりと向きを変えて歩き始めた。私をじっと見つめたあの精悍な目は今でも忘れられない。

         

         

        ボブキャット 5

        林の中へ去って行くボブキャット。

         

        ボブキャットは獲物を補食する自分の縄張りを持っており、単独で行動することが多い。私が住んでる南アリゾナは人間の生活する場所が彼らの縄張りと重複していることがあって、これまでに3度ほど夜明けに庭をパトロールしている姿を窓越しに見たことがある。また、縄張りのマーキングを行った後と思われる「糞」が時々木の下に落ちているのも見ることがある。自然の中での思わぬ出会いで見る彼らの姿はやはり美しく感動的であった。


        スターバックカフェー、食べものを強請るロードランナー親子 (下)

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          目の前のロードランナー親子
          超接近!食べものをもらうまで、ジーと私をにらみつけるロードランナーの親。

          店の人の話だと、ここ1〜2週間ほど毎日ではないが、ランチのおこぼれをもらうためちょくちょく雛を連れて現れる’’’’’’’とのこと。肉食の鳥なのでハンバーガーやソーセージが大好きで、これらの味をすっかり憶えてしまい、ランチタイムには客のテーブルを歩き回ってエサ請いをしているようだ。
           
          ピザをくわえるロードランナー
          ピザの欠片をくわえて歩くロードランナーの親。

          面白いことに、最初、友人が食べていたチキンサンドイッチの欠片を投げてやったが、ロードランナーはあまり興味を示さなかった。しかし、私が食べていたペパロニソーセージのトッピングのピザの欠片を投げてやると、美味しそうにくわえて雛の所へ持って行った。鳥のくせに好き嫌いの激しいのにはしばし苦笑。
           
          雛にピザを与えるロードランナー
          ピザの欠片を雛に与えようとしている親。

          私があげたピザの欠片は少し大きかったようで、雛に与えるのに苦労していた。それにしても、自然界にはない人間の食べ物をこうして食べても大丈夫なのだろうか’‘’‘’‘’‘’? 人が美味しく食べられるように作ってあるピザは、チーズが濃く肉は熱を加えた加工品なので、こんなのを雛の時から食べていたら、長生き出来ないのでは’’’’’’?と友人と大笑いをした。
           
          去って行くロードランナー親子
          ペパロニピザの欠片をくわえて満足そうに雛と砂漠へ帰って行く。

          ロードランナーは大変好奇心の強い鳥で、人から食べもの(特にハンバーガーを好む)をもらうため、毎日同じ時刻に庭に現れて来る話は友人から聞いていたが、まさかヒナ連れで、しかもカフェーのようなたくさんの人々が集まる所でお目にかかるとは’’’’’’’’’’。
          鳥好きの私にとって、嬉しい予期せぬロードランナーとの出会いのお陰で、ランチタイムを楽しく過ごすことが出来た。

          スターバックカフェー、食べものを強請るロードランナー親子 (上)

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            ロードランナー全身アップ
            砂漠の人気者ロードランナー。

            和名オオミチバシリ、英名 Greater Roadrunner , 学名 Geococcyx californianus 。南アリゾナでロードランナーは親しみのわく身近な鳥の一つであるが、観光客や一般の人々にとっては、しっかりと近くで見ることがけっこう難しい鳥でもある。車の前を横切ったり、ゴルフ場の大きな樹の下で暑さを凌いでいる姿は時々見られるが’’’’’’’’’’。
             
            ビル横から出て来るロードランナー
            ビルの後ろの砂漠からゆっくり歩きながらカフェーの庭に入って来るロードランナー。

            先日、家の近くのカフェーの庭で友人とブランチ(朝食兼昼食)をしている時、木陰からロードランナーが現れ、場所が場所だけに砂漠の鳥を見慣れてる私でも少々びっくりした。
             
            ロードランナー親子ベンチ下
            カフェーのテーブル、ベンチの日陰に入るロードランナー親子。

            ロードランナーは体長58センチと日本のキジより少し小さい。飛ぶことより首を前に突き出して長い尾で舵を取りながら早足で歩くのが得意で、その姿が大変愛嬌があるので昔から色々なキャラクターに使われている。
             
            ロードランナー親子
            私たちのテーブルにどんどん近づいて来るロードランナー親子。

            人を恐れる気配はまったくなく、翼を震わせ大きな口を開けてエサをねだる雛を連れて、ついに食事中の私たちのテーブル下までやって来た。
             
            足下のロードランナー親子
            私の足下で食べものを強請るロードランナー親子。

            ついには、ベンチに座ってる私の足下、手を伸ばせばとどく所までやって来て、雛と2羽でじーと私を見つめている。残念ながら手元にカメラがなく急遽スマートフォンで撮りまくった。

            ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その4(最終)

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              ロウサンクチュアリー入口
              オーデュボン協会のロウサンクチュアリー ( Rowe Sanctuary ) 。

              ロウサンクチュアリーの入口の看板には「大歓迎!ツルが見られます」と書かれてる。ロウサンクチュアリーは南ネブラスカの小さな町 " Kearney " にあり、渡りで集結しているカナダヅルの大群が日中エサ取りするトウモロコシ畑や、塒にしているプラット川に隣接しているので、カナダヅルの観察や写真撮影にはもってこいのスポットである。
               
              カナダヅル観察小屋
              団体用カナダヅル観察小屋。

              「ロウサンクチュアリーが主催する「夜のカナダヅル観察ツアー」にあらかじめ予約しておくと、カナダヅルが塒に次々と帰って来る壮大な光景を見ることが出来る。サンクチュアリー内の観察小屋はプラット川横に建てられてあり、目の前がカナダヅルの塒となっている。レインジャーの丁寧な説明を聞き、目の前に広がる川原を眺めながらカナダヅルが集まって来るのを待つ。
               
              ブラインド小屋
              写真撮影用のブラインド小屋。

              ロウサンクチュアリーでは個人の写真撮影者用に小さなブラインド小屋(二人用)も用意されてる。夕方、機材と寝袋、食料を持参して、レインジャーから特別の豆ライトと簡易トイレを受け取って小屋の中に入る。翌朝、ツルたちが塒を去ってエサ取りに出かけた後、7時頃にレインジャーが迎えに来るのでそれまで一歩も小屋から外へ出れない。小屋の前は川なので気温の低い北風が吹く夜は寒さが少々堪えるが、ツルと一緒に寝て、ツルと一緒に起きる不思議な体験が出来る。
               
              ツルの塒の中州
              ツルの塒となるプラット川の中州。

              昼に降った雪が積もったままの川の中州。ここは夜になると何万羽ものカナダヅルが集まる大きな塒の一つである。
               
              中州に集まるカナダヅル
              中州に下りて来るカナダヅル。

              太陽が沈み、辺りが薄暗くなる頃、色々な方向から「クルル’’‘’‘’クルル’‘’‘’‘’」という鳴き声が聞こえて来る。やがてその声は騒音のように大きくなり、川の上空はカナダヅルの大群で黒くなる。そして、雪が積もった真っ白な中州や浅瀬に次々と下り始める。
               
              眠りに入るカナダヅル
              眠りに入る直前のカナダヅル。

              すっかり日が落ちて中州は真っ暗闇となるが、積もった雪でまわりが明るい。白い川原、そこに浮かび上がる黒いツルの大群の影は幻想的である。川原のカナダヅルの数はどんどん増えて、黒いツルの影が波のように押し寄せて観察小屋の前まで迫って来る。言葉では言い表せないほど凄い迫力である。この夜のカナダヅルの数はレインジャーによると5万羽で、これだけツルが集まる集団塒は世界でも他にないだろうと自慢していた。

              ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その3

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                夕焼けのプラット川
                プラット川 ( Platte River ) の夕焼け。

                プラット川のむこうに夕日が沈んで行く光景は実に美しい。そして夕日に赤く染まる空をカナダヅルの大群がV字になったり横に広がったり、滑空しながら川の流れのように頭上を通過して行く。時にはハクガン ( Snow Goose ) やカナダガン ( Canada Goose ) の群も見られる。
                 
                ツルの足跡
                雪の上のツルの足跡。

                早朝に降った雪の上をカナダヅルが歩いた足跡がいつまでも残っており、毎日朝から晩までツルと一緒に過ごす一週間は実に心が満たされる日々であった。
                 
                コーン畑のカナダヅル
                夕方のエサ取り。

                塒へ帰る前の今日最後のエサ取りで、後方で農夫が作業をしていても一向に気にせずゆっくり食べている。
                 
                カナダヅルの群
                塒に帰るため集まり出したカナダヅル。

                夕暮れ近くになると、塒へ帰るためにエサ取りを終えたカナダヅルがぞくぞくと集まり始める。
                 
                飛び立つカナダヅルの群
                一斉に飛び立つカナダヅル。

                暗くなるぎりぎりまでエサ取りしていたカナダヅルは、プラット川の塒へ一斉に飛び立って行く。プラット川は川幅が広い浅瀬が多いのでカナダヅルが安心して夜眠れる塒を提供している。そして周りの湿地には彼らの淡白質源となる蛙やヘビ、昆虫などがたくさん生息している。

                ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その2

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                  吹雪のカナダヅル
                  吹雪の中、じっと動かないカナダヅル ( Sandhill Crane ) の群。

                  中西部の春の天候は非常に変わりやすく、午前中日が射していても午後になると猛吹雪となることがある。吹雪の中、風に向かってじっと立っているカナダヅルの姿はとても幻想的である。
                   
                  道路脇の畑のカナダヅル
                  道路わきの畑でエサ取りするカナダヅルの群。

                  大型トラックが行き交う国道のすぐわきの畑にも、百羽単位の大きな群が集まり盛んにエサ取りしている。時々トラックがフォーンを鳴らすと、驚いて一斉に飛び上がり、すごい光景となる。
                   
                  黒い畑のカナダヅル
                  地肌が出ている狭い所に集まるカナダヅル。

                  大雪が降ると、トウモロコシ畑は白一色となり餌場は小さくなる。そのため地肌が出て黒くなっている所にツルたちは集まって来る。ここだけで一千羽以上は集まっていると思われた。


                  カナダヅルの密集
                  カナダヅルがこのように密集してエサ取りする光景は他では見られないすごい迫力に満ちたシーンである。

                  カナダヅルは日本でも冬に迷鳥として鹿児島の出水地方に渡来することがある。何しろ、カナダヅルの中には11200キロもあるシベリアまでの長い旅をする個体もおり、その中から日本までさらに渡って行く個体もいるのでそれが出水地方に現れるのだろう’’’’’と思われる。
                   
                  警戒するカナダヅル
                  バーダーが近づいてきたので一斉に首を上げて警戒するカナダヅル。

                  カナダヅルはナベヅル ( Grus monacha ) よりやや小さく、薄茶が混じった全体が灰色のツルである。渡りをする " Northern Subspecies " の3種類と渡りをしない ' Tropical Subspecies " の3種類の6亜種がいる。ネブラスカに寄って行く3種類は一番数の多い(80%)ヒメカナダヅル ( Lesser Sandhill Crane ) 、チュウカナダヅル ( Canadian Sandhill Crane 15% ) 、オオカナダヅル ( Greater Sandhill Crane  5% ) であるが、ヒメカナダヅルとチュウカナダヅルのフィールドでの識別はほとんど不可能に近い。

                  ネブラスカ、プラット川のカナダヅル その1

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                    上空を飛ぶカナダヅル
                    白一色のネブラスカの小さな町 Kearney 、寒々とした夕空をカナダヅルの群が飛ぶ。

                    ネブラスカ州の中央を流れるプラット川 ( Platte River ) は、初春の2月末頃から3月にかけて世界のカナダヅルの80%以上が集まるので有名なスポットである。この期間、プラット川沿いの町は「ツル祭り」で大いに賑わい、ヨーロッパや米国各地からたくさんのバーダーが集まる。そして5万羽以上のカナダヅルの大群がエサ取りする姿や、夕方、塒に集まる壮大な光景を楽しむ。
                     
                    プラット川の流れ
                    3月に入っても、まだまだ寒風が吹くプラット川の流れ。

                    初春の3月とはいえネブラスカは大変寒く、日中でも零度以下になる日が多い。時には吹雪きに見舞われることもあり、小雪舞い散る寒い中、積もった雪と凍ってつるつるの農道をハンドルをとられながら、エサ取りするカナダヅルを求めて走るのはスリルに満ちた鳥見である。
                     
                    雪のトウモロコシ畑
                    切り株が残る雪に覆われたトウモロコシ畑。

                    プラット川の周りの畑地には、カナダヅルが渡りに必要な栄養源であるトウモロコシが豊富にある。カナダヅル保護のための州政府による援助もあって、農家は毎年秋の収穫時に、トウモロコシを全部穫らずツル用に一部を残しておく。カナダヅルを見に世界中からバーダーたちが訪れることは、ネブラスカ州にとって大きな観光産業の一つとなっている。
                     
                    トウモロコシ畑のツル
                    群でエサ取り中のカナダヅル ( Sandhill Crane / Grus canadensis ) 。

                    ネブラスカ中央を流れるプラット川流域は渡り鳥たちが春に北へ渡って行く北米中央のルート " North America's Central Flyway "  にある。そのため、冬を南アリゾナやニューメキシコ、テキサス、メキシコの北部で過ごしたカナダヅルが営巣地である北カナダ、アラスカ、シベリアへの春の渡りの途中に寄る貴重な栄養補給中継地でもある。
                     
                    上を向いて鳴くカナダヅル
                    カナダヅルのオスはエサ取り中でも時々上を向いて鳴き、春のコートシップのプラクティスをする。

                    雪に覆われた静かな寒いトウモロコシ畑で、エサ取りをしながら時々オスが「クルル、クルル’’’’’’’’’’」と大きなとおる声で鳴くので遠くにいてもよーく聞こえる。

                    アランサス国立野性生物保護区(テキサス) その5(最終)

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                      エンビタイランチョウ
                      エンビタイランチョウ ( Scissor-tailed Flycatcher / Tyrannus forficatus ) 。

                      アランサス国立野生生物保護区は約5万5千エーカー(東京山手線内側の3倍以上の面積)で大変大きい。この保護区ではボートからの鳥見だけでなく、車で走れる19.5キロほどの一方通行のトレール ( Tour Loop Road ) があり、所々で車を止めて歩き専門の小さなトレール ( Joned Lake Trail , Hog Lake Trail ) で自然探索が出来る。早い春の渡りで3月には中南米から戻って来るエンビタイランチョウが長い流れるような尾と脇の下の美しいピンクを見せながら草原の上を矢のように飛んで行く姿を見ていると、まさに初夏が近いことを感じる。英名(シッザーテイルド / Scissor-tailed ) は長く二股に分かれた尾をハサミのように開いたり閉じたりしながら飛ぶ姿からきている。
                       
                      マキバシギ
                      マキバシギ ( Upland Sandpiper / Bartramia longicauda ) 。

                      マキバシギは日本で草原の夏鳥として見られるオオジシギ ( Gallinago hardwickii ) とほぼ同じ大きさで、やはり草原と牧草地で主に見られる。アランサス保護区では、南アメリカで冬を越した後北へ渡って行く途中に寄っていくので数は少ないが春には時々見ることが出来る。細長い首、小さい鳩のような頭が特徴で、フェンスや杭、電柱などに止ることが多く大変見つけ易い。
                       
                      ハマヒメドリ
                      ハマヒメドリ ( Seaside Sparrow / Ammodranus fisheri ) 。

                      ハマヒメドリは主に大西洋沿岸とメキシコ湾沿岸の塩性湿地で多く見られ、色や大きさ、生息地域などで大きく4亜種に分けられる。アランサス保護区で見られるのはこの内の Gulf Coast 型 ( fisheri ) で、胸や顔が赤茶であるのが特徴。背の高い草地に潜り込み、グラウンドでエサ取りすることが多いので見るのに苦労するが、春はオスがテリトリー宣言をするため、よく草の天辺で囀ることが多いので見つけ易い。
                       
                      ハゴロモガラス
                      ハゴロモガラス ( Red-winged Blackbird / Agelaius phoeniceus ) 。

                      ハゴロモガラスは北米で最もポピュラーな鳥の一種で、オスは全身真っ黒で肩の部分に真っ赤なパッチがある美しい鳥である。そしてオスの群での優性度はこの肩の赤いパッチの大きさに比例している。テリトリー意識が大変強く、侵入者をアグレッシブに追い払う鳥としても有名である。海辺に響く「コンコリーン」という春の歌はとても耳に心地良い。
                       
                      カラカラ
                      カラカラ ( Crested Caracara / Caracara plancus ) 。

                      大きな頭、長い首と足が特徴で、しばしばこの長い足でグラウンドを歩きながら獲物を探してる姿を見る。よくヒメコンドル ( Turkey Vulture ) と一緒にゴミや動物の死体などをあさっている。近年生息地を西へ拡大してきており、私が住んでる南アリゾナソノラ砂漠でも見られるようになった。
                       
                      アルマジロ
                      アルマジロ ( Nine-banded Armadillo / Dasypus novemcinctus ) 。

                      アランサス保護区ではよく昼間草地を歩いているのでお目にかかるチャンスは大変多い。アルマジロは北米で見られる唯一の骨質の固い鎧で覆われてる動物である。英名 ( Armadillo ) の由来はスペイン語からきたもの。16世紀メキシコを征服したスペイン人がこの奇妙な生き物に遭遇してこの名をつけたようだ。ちなみに、スペイン語では「鎧を着た小男」という意味である。


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