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米国アリゾナのソノラ砂漠に住む鳥好き花好き動物好きのおじさんがおとどけするアメリカの自然情報です。

謹賀新年 2017年(平成29年) 元旦

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    雪山とサワーロサボテン
    巨大サボテン Saguaro (サワーロ)の林と雪山。

    明けましておめでとうございます。
    南アリゾナの砂漠より皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
    今年も精一杯努力して皆様に喜んでいただけるブログを作成してゆきます。
    どうぞよろしくお願いいたします。
     
    サワーロサボテンと岩山
    初雪でうっすらと白化粧したプッシュリッジ山(1600メートル)とサワーロサボテン。

    ​元旦の朝、マイフィールドのカタリナ州立公園を歩きました。ソノラ砂漠のトレールはまだ少し緑が残っていて、大サボテンも朝日を浴びて緑色に耀き冬らしくない風景ですが、遠くの山々に目を向けると、岩肌に雪が吹き付けられた対照的なソノラ砂漠ならではの面白い景色を見ることが出来ました。
     
    雪のレモン山
    ​2800メートルのレモン山の山頂は松林に雪がたっぷり被さってます。

    暖かい陽射しの砂漠トレールから双眼鏡で遠くの雪山の松林を見るのは豪快です。私が住んでる南アリゾナは砂漠の周りに2000メートルを超す山がいくつもあり、サボテンの林と雪山を同時に見られる冬ならではのマイフィールドの素晴らしい光景が楽しめます。

     
    カーディナル
    ​正月にふさわしい真っ赤な鳥、ショウジョウコウカンチョウ ( Northern Cardinal / Cardinalis cardinalis )

    ​山の麓の砂漠まで雪が降ることはまれですが、早朝の気温は大変低く、花の蕾がまだ固い冬枯れの枝先で鳥たちは朝日に当たって暖を取ります。ショウジョウコウカンチョウはほぼ全米で見られ、子供たちもよく知っているポピュラーな鳥ですが、ソノラ砂漠で見られるのは亜種の Southwest 型で、嘴が大きく、長いブラシのような冠毛が特徴で大きく見えます。
     
    クーパーハイタカ
    ​冬枯れの倒木でじっと獲物探しをするクーパーハイタカ ( Cooper's Hawk / Accipiter cooperii ) のオス。

    ​冬、日中は比較的暖かい南アリゾナでも、獲物となる小鳥や小動物の数が少なくなり又その動きも静かであるため、猛禽類はエサの捕獲に苦労するのでクーパーハイタカにとっては空腹な毎日と思われる。多くのタカ類の獲物探しは空高くソアリングしながらの行動が多いですが、クーパーハイタカは林の中の大きな木の枝にじっと止まって獲物を探してることが多い。獲物の動きを察知すると、素早く樹間を忍者のように低く飛び、獲物に近づくとアタックするすごい技術を持っています。
     
    ズアカカンムリウズラ
    上を向いて高らかに春の歌を歌うズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail / Callipepla gambelii )

    ​南アリゾナの冬は短く、2月中旬となると早くもペンステモンやポピーが咲き始めます。春を待ちかねてるズアカカンムリウズラ、主にグラウンドを歩きながらエサ取りをしますが、春が近くなると木の高い枝先によじ登って、高らかに独特の「ポアー」というのどかな鳴き声を発します。毎年、冬の終わりにこの姿を見ると、春の兆しを強く感じられ気持ちがウキウキしてきます。

    ハッピーホリデー 2016年12月

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      絵葉書ー雪とサワロ
      南アリゾナ・ツーソンの町で見つけたソノラ砂漠のクリスマスカードです。

      ​11月末の「サンクスギビングデー」が終わると南アリゾナも「ホリデーシーズン」に入ります。連休を取って故郷に帰る人、ヨーロッパへ旅をする人、友人たちを自宅に呼んでパーティーをする人など一年で一番アメリカ人が浮かれる楽しいシーズンです。クリスマスソングに " It's the most wonderful time of the year " という歌があるほどです。丁度、日本の正月のような雰囲気です。鳥好きの私は所属してる愛鳥家クラブが主催する「クリスマスバードカウント」に久しぶり参加し、鳥の数を競い自然保護団体への寄付金を集めようと準備をしてるところです。
       
      玄関のクリスマスオーナメント
      ​「師走」とはいえ、南アリゾナの日中は20度近い暖かさです。草木の緑はまだ残っていますし、ポットやハンギングバスケットの花が満開の中でクリスマスオーナメントが光る南アリゾナ独特のホリデーシーズン光景です。ソノラ砂漠名物、大サボテン・サワーロ ( Saguaro ) に豆電球をぐるぐる巻きにして飾る人もいます。巨大サボテン全体が棘で覆われてますので、電球を付けたり外したりするのに相当苦労するようです。

       
      Buckeye - Butterfly
      今年は雨が多く暖かい冬なので12月に入ってクリスマス近くになっても数種類の蝶が庭に来てます。庭では珍しいクジャク蝶に似た Buckeye ( Junonia coenia ) があらわれ、まさに自然がくれた美しいクリスマスプレゼントになりました。

      今年もブログを見ていただきありがとうございました。
      ​皆様、どうか良い年をお迎えください。

      ソノラ砂漠の秋の話題(2) ロードランナー 2016年

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        ロードランナー塀の上 1
        秋も深まり肌寒さを感じる朝、久しぶりロードランナーがエサ探しに塀を歩き始めた。

        ​ロードランナー(和名:オオミチバシリ、英名: Greater Roadrunner, 学名: Geococcyx californianus ) 。真夏は主食の一つトカゲを捕りに時々庭を歩いているのを見かけるが、毎年秋になると、ほとんど毎朝のように庭木の Desert Willow につく大きな青い虫を探しにやって来る。涼しくなった庭でのロードランナーとの毎朝のご対面は、私にとって秋の楽しい朝のひと時でもある。
         
        ロードランナー塀の上 2
        ​塀の一番高い所に上がり、愛嬌のあるとぼけた顔で私を見つめる。

        ​ロードランナーは、いわゆる目の前で動く「生きもの」は何でも食べてしまうほど悪食である。体長は58センチと大型の「ジカッコウ」なのでグラウンドを歩くのが得意で、時速25メートル以上の速さで走ることも出来る。ソノラ砂漠にはかなりの数がいるが、フィールドを歩いている時より庭や人家の屋根、塀などで見かける機会の方が多い。
         
        ロードランナー木の前
        ​真横にいる私など無頓着で、さて獲物でも探そうか・・・・と歩き始める。

        ロードランナー(オオミチバシリ)はカッコウの仲間であるが、渡りをしない留鳥である。大きな木の下などに隠れるようにじっとして獲物を狙うので、フィールドを歩いていてもなかなか見つけるのが難しい。獲物探しで庭に頻繁に現れる秋は、私にとって一年で一番観察できる季節でもある。
         
        ロードランナーオフィスの窓
        ​書斎の窓の前の Desert Willow の葉に隠れてる青い虫を探し始める。

        ​ロードランナーは猛毒なガラガラヘビをも追跡して捕食する習性を持っており、動くものは何でも食べてしまう肉食の鳥である。そのためロードランナーが庭に現れると、エサ取りしてる他の鳥たちは、猛禽類が飛んで来た時と同じように、慌てて木陰や草陰にじっと隠れているし、ハミングバードですら嫌がってホバリングしながら威嚇しようとするが、相手が大きいので場所変えをするほど・・。
         
        ロードランナー伏せる姿
        ​葉の先にいる青虫を見つけたのか、しゃがみ込んで伏せの姿勢をとり青虫を狙う。

        ​青虫は木の葉に同化してよーく見ないと私の目でも判らない。ロードランナーは辛抱強くじーと葉の動きを上から下まで見ており、青虫が少しでも動くと葉の茂みに飛び込み大きな嘴で素早くつかみ取る。そして青虫は大きいのでそのまま飲み込むことが出来ず、銜えたままグラウンドに下り岩に叩きつけて食べる。これらの動作は一瞬の内に行うのでなかなか写真に納めるのが難しく、残念ながら未だに成功していない。
         
        木の葉にいる青虫
        ​葉の一部と見まちがうほど青虫が何処にいるのか判りにくい。

        ​ロードランナーが好む青虫は、実はスズメ蛾の幼虫で、スズメ蛾が卵を産み付けるホストプラントが Desert Willow なのである。ロードランナーはスズメ蛾の幼虫が現れる時期やホストプラントの Desert Willow の木をよく知っており、庭木の中でもこの木だけを選んで獲物探しをする。
         
        岩の上の青虫
        ​蛹になる直前の青虫(スズメ蛾の幼虫)。

        ​スズメ蛾の幼虫は10センチ以上もあって非常に大きいので初めて見るとぎょっとするが、手で触っても刺されたり被れたりすることが全くなく、とてもおとなしい。しかも、色合いが大変美しいのに驚く。この幼虫は蛹になる直前にグラウンドに下りてきて小さな穴を見つけ、そこへ入って蛹となり冬を越す。蛹になる直前の大きな青虫はロードランナーにとって食べごたえがあり、しかも栄養度が高いので大変好まれるようである。
         
        White-lined Sphinx
        ​青虫の親でスズメ蛾の仲間 White-lined Sphinx ( Hyles limeata ) 。

        ​体長9センチと大型の「蛾」で、夕方から朝方にかけて花を求めて飛び回る。ホバリングしながら花の蜜を吸う美しい姿が非常にハミングバード(ハチドリ)に似ているのでよく間違える人が多い。

        ソノラ砂漠の秋の話題 ガラガラヘビ住宅街に現れる 2016年

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          玄関の案山子人形とガラガラヘビ
          ​玄関に飾ってある「サンクスギビングデー」の案山子人形の足元(右下)で丸まって暖をとるヒシモンガラガラヘビ ( Western Diamond-back Rattlesnake ) 。

          ​11月中旬にもなると、ソノラ砂漠は秋も深まり、朝晩は気温が5度近くまで下がって肌寒くなる。短パン(ショートパンツ)の生活が終わって、Gパンに履き替え、砂漠の「生きもの」の一部は冬眠生活に入る準備をし始める。夜行性のためフィールドを歩いていてもめったにお目にかからない猛毒なガラガラヘビが、この時期になると朝方の寒さを凌ぐために、また冬眠の寝場所探しのために人家近くに現れることがあり大騒ぎとなる。
           
          ガラガラヘビのアップ
          ​玄関の片隅で眠っていたのは今年生まれた未成熟なヒシモンガラガラヘビ ( Crotalus atrox ) で、体長が90センチぐらいと小さい。

          ​今年も11月に入ると、隣近所の家々で「ガラガラヘビがガレージに入ってきて困ってる」とか、「玄関の前でとぐろを巻いている」とか、「庭へ出ようとしたらポーチの出口であわゆくば踏むところだった」などなど大騒ぎになった。ほとんどの家ではこの手の騒ぎは毒蛇やサソリなどを駆除したり、捕えて別の場所へ移すことを専門にしている業者 ( Pest Control Co. ) に電話をして家に来てもらい一件落着となる。

           
          ガラガラヘビの子供
          未成熟な子供のヒシモンガラガラヘビは尾に特徴である大きな白黒の縞模様はあるが、その先の「ガラガラ」という音を出すコイルの形をした突起がまだついていない。

          ​この未成熟なガラガラヘビ、まだ子供の毒蛇であるが、これが意外と恐ろしい。尾の先端の突起がないので警戒する時に発する「ガラガラ」という音を出すことが出来ない。しかも、噛みついて毒を出す時、成熟した大人のヘビは毒を小出しにするが、子供のヘビはすべて出してしまうので毒が非常に強くなる。
           
          ガラガラヘビの大人
          体長2メートル近くある成熟したヒシモンガラガラヘビ。

          ​ヒシモンガラガラヘビは米国南部からメキシコにかけて生息する猛毒なヘビで、噛みつかれた時に出す分泌液が神経組織を壊すので主に血管や心臓、筋肉などを駄目にされ呼吸困難となる。致死率が高いので、噛まれたらもちろん救急病院へ行かなくてはならない。しかし、性格は攻撃的でなく大変おとなしい。家の中に入って来ることはほとんど稀で、よく被害に会う状況は、夜、ガレージを開けっ放しにして入って来られる場合や、ライトも持たず庭や玄関先にうっかり出て、踏んだり触れたりすると噛まれるケースがほとんどである。主なる獲物は砂漠に居る野ネズミや野ウサギ、トカゲなどの小型動物なので、ガラガラヘビの習性をよく理解していれば、まず危険な目に会うことはない。そして彼らも私たち人間と同じ砂漠で暮らしている生きものでもあり、自然界の食物連鎖の上で大切な生きものでもあるので、殺すことはアリゾナ州法で禁じられている。
           
          Western Banded Gecko 1
          ​ヒシモンガラガラヘビの大好物であるトカゲの仲間 Western Banded Gecko 。

          ​このトカゲ、ソノラ砂漠には非常に多く生息しているが、夜行性のため昼間フィールドではほとんど見られない。トカゲの仲間なのに家の壁や塀などを登ることが出来ない情けないやつである。それでも、天敵に襲われそうになると尾を上げてそれを左右に振りながら走るし、また尾をボディーの上にあげて丁度サソリのような形になり威嚇することもある。
           
          Western Banded Gexko 2
          ​親しげに片手を私のスリッパにのせる Western Banded Gecko ( Coleonyx variegatus ) 。

          ​このトカゲの主食は小さな昆虫やクモ、サソリで、秋には時々夜になるとガレージの中に入って来る。体長10センチから15センチの小さなトカゲなのでちょっとした隙間があればどっからでも入って来れる。見かけが華奢なこのトカゲは、他の種と違って瞼があり大きな瞳でじっと見るので実に可愛い。丸まると膨らんだ丸い尾には、9か月近い冬眠を支えるための脂肪が蓄えられてる。

          スーパームーン 2016年11月

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            Super Moon & Saguaro 1

            一晩中ソノラ砂漠を明るく照らしたスーパームーンが朝日が顔を出す直前、ブルーとピンク色に染まる西の空へ消えていく。

             

             

            Super Moon & Saguaro 2

            巨大サボテン Saguaro (サワーロ)とスーパームーン。

             

            11月14日は1948年以来68年ぶりに月が地球に最も近づき、見た目の大きさが通常の満月の1.14倍、明るさは1.3倍にもなった。アリゾナの秋空は非常に澄んでいるのと大都会の人工灯が少ないので星や月が大変クリアーに見える。月明りに照らされた砂漠は一面白く輝いていた。

             

             

            Coyote

            明るい月夜が大好きな狼の仲間コヨーテ ( Coyote ) 。

             

            秋の夜、特に明るい満月近辺の夜は人家近くをコヨーテが群れで練り歩き、オオカミのような遠吠えを繰り返す。夜中に庭の柵のすぐ前で鳴かれることもあり、びっくりして起こされ寝不足となることが時々ある。眠い目をこすり、砂漠でともに暮らす者としてしかたないナー・・・と思いながら、しばしベッドで聞き入る。


            庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その7・最終)

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              Says Phoebe 1

              夕陽の弱い光が当たる柵の欄干で休むチャイロツキヒメハエトリ ( Say's Phoebe )

               

              北米で見られるツキヒメハエトリ(英名 Phoebe / フィービー)は3種類で、そのうち、アリゾナから西側で見られるのはこのチャイロツキヒメハエトリとクロツキヒメハエトリ ( Black Phoebe ) の2種類である。この2種類とも我が家の庭に来るが、四季を通して一年中庭に来てエサ取りするのはこのチャイロツキヒメハエトリである。

               

               

              Says Phoebe 2

              上目づかいで空中を飛ぶ虫を狙うチャイロツキヒメハエトリ ( Sayornis saya )

               

              チャイロツキヒメハエトリの虫捕り方法は大変アクティブで、虫めがけて空中を矢のように飛んでキャッチしたり、虫を見ながらホバァリングして舞い降りるように飛び掛かって捕えることもある。庭ではよーく口笛のようなもの悲しい音色で「ピーピー」と鳴ので、家の中に居てもエサ捕りに来てるなーとすぐわかる。

               

               

              Black-tailed Gnatcatcher

              灌木の細い枝先に止まって休むオグロブユムシクイ ( Black-tailed Gnatcatcher / Polioptila melanura )

               

              キクイタダキと同じ大きさで尾の長いオグロブユムシクイは家のまわりで一年中見られるが、フィーダーに来る鳥ではないので、庭には木の花に付く虫を捕るために午前中の早い時間に来ることが多い。「ジェージェージェー」という独特の地鳴きをしながら草花を飛び渡り、細い茎にも軽々と止まって虫を探したり、時には空中でフライングキャッチもする。

               

               

              Harriss Hawk

              煙突に止まり、庭でエサ取りしている小鳥たちを狙うモモアカノスリ ( Harris's Hawk / Parabuteo unicinctus )

               

              モモアカノスリは南アリゾナと南テキサスの一部の砂漠でしか見られない鷹で、よく道路わきの電柱やフェンスに止まっている。日本全国で見られるノスリ ( Buteo buteo ) と同じ大きさの鷹で、朝早くに、ちょくちょくお気に入りのこの煙突に止まってしばらくじっとしていることがある。

               

               

              Western Screech Owl

              庭の片隅のローズマリーの木の根元で眠る西アメリカオオコノハズク ( Western Screech-Owl / Otus kennicottii )

               

              この西アメリカオオコノハズクは北米の東側で見られる東オオコノハズク ( Otus asio ) とは別種で、アリゾナからカリフォルニアにかけての西側でしか見られない。夜行性なので、夜、庭のベンチや屋根に止まっているのを窓越しにちょくちょく見ることはあるが、庭の片隅のしかもグラウンドで昼に寝ている姿は今年初めて見た。何もされないと判っているのか、夕方エサ捕りに飛び立つまでじっと動かずに寝ていた。たぶん、ローズマリの木が独特の匂いを出すので、多くの動物が嫌って近寄らないのをフクロウは判っているのかもしれない。


              庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その6)

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                Ash-throated Flycatcher 1

                連日の暑さに口を開けて耐えるハイノドヒタキモドキ ( Ash-throated Flycatcher ) 。

                 

                ハイノドヒタキモドキはアリゾナに夏鳥として中南米からやって来る渡りである。営巣するレンジが砂漠の低灌木の林から2500メートルを超す常緑針葉樹林の山岳地帯までと大変広いので、庭でエサ取りする姿が見られるのも春の終わりごろの一時期だけである。

                 

                 

                Ash-throated Flycatcher 2

                塀の上から家の中を窺うハイノドヒタキモドキ ( Myiarchus cinerascens )

                 

                英名の Flycatcher (フライキャッチャー)と称するハエトリ類のエサ取り方法は、枝から飛び上がって空中で虫を捕ってはまた元の枝にもどるやり方が多い。しかし、ハイノドヒタキモドキは枝の上でホバリングしたり、飛び降りたり、また枝から急にまっすぐ前に飛び出したりしながら虫を捕るが、元の枝に戻ることは珍しい。そして空中だけでなく、時にはグラウンドに下りて虫捕りをすることもある。

                 

                 

                White-winged Dove

                警戒しながら欄干を歩くハジロバト ( White-winged Dove / Zenaida asiatica )

                 

                毎年6月になると中南米からアリゾナに渡って来る夏鳥である。一日中よく鳴くハトで、真夏の40度を超す炎天下でも、のんびりした独特な調子で「フオッフオ、フオッフオー」と鳴いている。一年中全米で見られるナゲキバト ( Mourning Dove ) と違って、庭のフィーダーに来るハトではないがよく庭の水場にやって来る。非常に水を必要とするので、水を求めて時には30キロ以上も飛んで行くことがある。8月中旬になると、群れを作り始め、30羽以上で空を力強く飛んでいることがある。これは冬を過ごす南米へ渡って行く飛行準備と思われる。

                 

                 

                curve-billed Thrasher

                柵の欄干に止まるマルハシツグミモドキ ( Curve-billed Thrasher / Toxostoma curvirostre )

                 

                主に南アリゾナと南テキサスでしか見られないマルハシツグミモドキもソノラ砂漠では庭の鳥である。四季を通して、一年中庭でエサ取りしたり水場で水浴びしたりしている。日本のツグミよりずっと大きく、朝は一番早く、夕方は一番遅くまで鋭い声で「ホイホイホイ・・・」と鳴く。毎年柵のすぐ前の Cholla サボテンに巣を作り子育てをしている。

                 

                 

                Rock Wren

                エサ取りの合間に杭に止まって休むイワサザイ ( Rock Wren / Salpinctes obsoletus )

                 

                日本のスズメより少し大きい。冬の間から春にかけて毎日のように庭に来てエサ取りをする。灌木の下や家のまわり、屋根瓦、雨ドヨなどで盛んに虫を探す。「ピリリ・・・ピリリ・・・」と鳴きながら短い尾を上げ、腰を振ってエサ取りする姿は見ていても実に可愛い。夏が近づくと、営巣のために山の岩場へ移って行き庭から姿を消す。


                庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その5)

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                  庭木に止まるノドグロヒメドリ

                  シダの仲間テキサスエボニーでこじみに囀るノドグロヒメドリ ( Black-throated Sparrow ) のオス。

                   

                  ノドグロヒメドリは主に南アリゾナに住む美しいヒメドリで、長期間水を飲まなくても生きていけるまさに砂漠の鳥である。砂漠の鳥たちは棘の木を好むので、庭にはテキサスエボニーのような棘のある小灌木を多く植えてある。

                   

                   

                  欄干に止まるノドグロヒメドリ

                  柵の欄干で高らかに囀るノドグロヒメドリ ( Amphispiza bilineata ) のオス。

                   

                  ノドグロヒメドリはいわゆるフィーダーに来る庭鳥ではなく、グラウンドの虫を捕りに庭へ入って来るので、あまり長い時間庭には居ない。囀りは鈴の高い音色に近い美しい声である。大変好奇心が強い鳥で、アメリカのバーダーがよくする " Pishing " (唇でピシピシピシ・・・という音を出すこと)をすると、すぐ目の前のよく見える枝先に出てきてこちらをじっと見る。

                   

                   

                  ヒメキンヒワの雄 1

                  セージの小さな花の実を食べるヒメキンヒワ ( Lesser Goldfinch ) のオス。

                   

                  朝、昼、夕、一日に少なくとも3回は4羽から5羽の群れで庭にやって来るヒメキンヒワ、日本に冬鳥として渡来するマヒワ ( Carduelis spinus ) より小さい。南テキサスから南アリゾナ、カリフォルニアにかけての広い地域でごく普通に見られる。

                   

                   

                  ヒメキンヒワの雄 2

                  横になったり逆さまになったり、小さな草花の種を取るヒメキンヒワ ( Carduelis psaltria ) 。

                   

                  好物の小さな草花の種子を食べる時は、非常にアクティブに軽業的な動きをするので見ていても楽しい。太くて頑丈な嘴で実の果肉を取り除き中にある種を食べる。近くに寄ると「クシャクシャクシャ・・」という食べる音が聞こえてくる。庭の草花は花が終わって実がなる頃は雑草のようになって庭が汚らしくなるが、これを食べに来るヒメキンヒワのことを考えると、刈り取ることも出来ずにしばらくそのままにしておく。

                   

                   

                  ヒメキンヒワの幼鳥

                  杭に止まるヒメキンヒワの幼鳥。

                   

                  ヒメキンヒワは小さくて仕草が可愛いのと、アメリカムシクイに似た元気あふれる囀り、そして花が終わった後の小さな種を大量に食べてくれるので庭を持ってる人にとっては非常に人気がある。また、彼らは大変人懐っこくて、私が庭の手入れをしている時でも驚いて飛んで行かず、庭端の杭の上に止まって横目でチラチラ見ながら私が作業を終えるのをじーと待っている。作業を終えて家の中に入ると、すぐエサ場に戻って再びエサ取りの続きをし始める。


                  庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その4)

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                    滝とハミングバード

                    滝の流れる水に足をつけて水浴びを始めるハミングバード。

                     

                    年間の雨量が少ない砂漠で生活する「生きもの」にとって、きれいな水は非常に大切なものである。彼らにこの貴重な水を常時与えられるよう、自然の岩を利用した小さな水の流れを造ってもらった。その効果あって、昼夜、色々な「生きもの」が水を飲みに来るし、鳥たちは水飲みだけでなく水浴びもして行く。特にフィールドではなかなか見れるチャンスがないハミングバードの水浴びも目の前で見られるし、岩を伝わって流れる水音は心を癒やしてくれる。

                     

                     

                    滝とナゲキバト

                    滝の水をうまそうに飲むナゲキバト ( Mourning Dove / Zenaida macroura )

                     

                    ほぼ全米一帯でごく普通に見られるハトで、日本のキジバト ( Streptopelia orientalis ) より少し小さい。夜が明けると同時に庭に来て、もの悲しい声で「ウーワオ、ホーホーホー」と鳴く。目覚めの悪い朝など、フクロウによく似たこの暗い声を聞くと、またベッドに戻って眠りの続きをしたくなる。

                     

                     

                    滝に足をつけるルビーキクイタダキ

                    警戒しながら枝移りし滝へ飛んで来たルビーキクイタダキ ( Ruby-crowned Kinglet )

                     

                    日本で見られる最小の鳥キクイタダキ ( Regulus regulus ) とほぼ同じ大きさで、メスなので頭頂のルビー色がない。鳥たちが水場に来る時は非常に警戒心が強い。葉が茂る灌木を、まわりの様子を伺いながら時間を掛けて枝移りして来る。

                     

                     

                    水浴びするルビーキクイタダキ

                    滝で水浴びを始めたルビーキクイタダキ ( Regulus calendula )

                     

                    ルビーキクイタダキはほぼ全米に生息しているが、我が家の庭に来るのは主に冬の間だけで、春後半になると北へ渡って行ってしまう。渡り前の「化粧直し」というところか’’’’’’’’’’?

                     

                     

                    水浴びするルビーキクイタダキ2

                    ついには顔から体すべてを水につけての行水。

                     

                    秋になるとルビーキクイタダキは冬を過ごすため南アリゾナの砂漠に下りて来る。庭に現れ始める頃はまだ警戒心が強くてなかなか水場に来ないが、日が経って春ともなると庭にもすっかり慣れて、ポーチのソファーでカメラを構えていても特別驚かず、ゆっくりと目の前で水浴びをしていく。しかし、水浴びする時間は大変短くまさに「カラスの行水」であるが、水場が安全と判ると何回もやって来る。


                    庭に来るソノラ砂漠の鳥たち 2016年春、夏 (その3)

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                      屋根上のズアカカンムリウズラ3羽

                      屋根の上を歩くズアカカンムリウズラ ( Gambel's Quail ) のオスたち。

                       

                      飛ぶことよりグラウンドを歩いたり走ったりするのが得意なズアカカンムリウズラ。ところが、繁殖期が近くなると、屋根に上がり、独特な「コケッゴーゴー、コケッゴーゴー」と鳴きながらテリトリー宣言をする姿が見られるようになる。

                       

                       

                      ズアカカンムリウズラ、オス

                      屋根の上から私を見下ろすズアカカンムリウズラ ( Callipepla gambelii

                       

                      カンムリウズラが屋根の上から庭で水まきしてる私をじーと見下ろしてるのに最初気がついた時はやはりびっくりした。南アリゾナからネバタ、南カリフォルニアの砂漠ではごく普通に見られるウズラであるが、人家の周りで見られるのは繁殖期の短い間だけで、その他の季節は10羽から15羽ほどのグループで砂漠を歩きながらエサ取りしていることが多い。繁殖期(6月ー7月)が近づくと、メスを連れて仲良く2羽で庭や塀の上、屋根、時には車が行き交う住宅街の道を歩き回るので非常に身近な鳥となる。

                       

                       

                      ズアカカンムリウズラ、オス、ヒナ

                      雨ドイに入ってエサ取りするズアカカンムリウズラのオス親と幼鳥。

                       

                      日本のコジュケイ ( Bambusicola thoracia ) より大きい。庭のグラウンドに簡単な巣を作って10個から15個の卵を産むことがあり、10羽以上の雛を連れて一列に道を渡って行く可愛らしい姿を時々見ることがある。人家近くで営巣し雛を育てることが、天敵から身を守るのに一番適してることを彼らは知っているようである。それでも雛の生存率は大変低く、せいぜい1羽か2羽程度で、しかも今だに米国では最も狩猟されるゲームバードでもある。

                       

                       

                      ズアカカンムリウズラ滑空

                      屋根から飛びながら滑空するズアカカンムリウズラの珍しい姿。

                       

                      飛ぶことが不得意と思われる短い翼の体型であるが、危険が迫った時はかなりの距離を飛ぶのには驚かされる。オスの「ポアー」というのどかな地鳴きはまさに砂漠の鳴き声で、昔よく見た「西部劇」のバックにこの声が入っていたのを思い出す。

                       

                       

                      ワタリガラス

                      屋根を歩きながらシャガレ声で鳴くワタリガラス ( Common Raven / Corvus corax ) 。

                       

                      ズアカカンムリウズラの天敵の一つがワタリガラスである。卵や雛を狙うので、ズアカカンムリウズラが庭や屋根をウロウロ歩きだすと、いつのまにかワタリガラスも家の近くにやって来る。ワタリガラスは日本のワタリガラスと同じ仲間で、山から砂漠、海岸と全米のあらゆる場所で見られる。一方、全米広く分布していて何処でもごく普通に見られるアメリカガラス ( American Crow ) はなぜか南アリゾナではほとんど見られない。



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